JP4456630B2 - エコ運転状態表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ドライバのエコ運転を支援する技術に関する。
近年、環境保護の観点からドライバのエコ運転を支援するエコ運転支援装置が車両に搭載されるようになってきた。例えば、アクセルの踏み込み量やエンジンとトランスミッションの効率、さらには走行速度や加速度などから燃費のよい走行状態(以下、この状態をエコ運転状態と呼ぶ)にあるか否かを判定し、エコ運転状態にあると判定される場合には、LEDを点灯させる技術が提案されている。
また、車両が走行中のある瞬間での燃料消費率を計算して、瞬間燃費として表示する技術も知られている。
また、特許文献1〜3には、運転者の運転操作の検出値(例えば、アクセル開度、車速、燃料消費量)を記録して、基準値との比較結果を表示する技術が開示されている。
特開2006−77665号公報 特開2001−171388号公報 特開2006−57484号公報
しかしながら、車両がエコ運転の状態にあるか否かの結果だけを通知していたのでは、結果に対する操作の関連性が分からないだけでなく、運転状態の改善のための指針が不明確であるという問題がある。
すなわち、エコ運転状態であると判定されるために、あとどの程度運転操作を改善すればよいのかが分からない。また、エコ運転状態を継続するために、あとどの程度アクセルを踏み込んでもよいのかが分からないといった問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、エコ運転のための操作の指針を提供することができるエコ運転状態表示装置を提供することを目的とする。
本発明のエコ運転状態表示装置は、リアルタイムにエコ運転状態の表示を行うエコ運転状態表示装置であって、車両の現在の運転状態を表す状態量に基づいて算出される、車両の現在の運転状態がエコ運転状態にあるか非エコ運転状態にあるかを区別するための境界値に基づき、車両の現在の運転状態がエコ運転状態であるか非エコ運転状態であるかを判定するエコ判断手段と、前記境界値に対応する図形と、当該境界値に対する車両の現在の運転状態を表す現状値に対応する図形とを表示することで、エコ運転状態の表示を行う第1の表示手段と、前記エコ判断手段によって判断された車両の現在の運転状態がエコ運転状態であるか非エコ運転状態であるかを、ランプをオン/オフすることで表示する第2の表示手段と、を有し、前記第1の表示手段は、前記境界値に対応する図形を表示領域における所定位置に固定表示し、前記現状値に対応する図形の表示形態を、前記境界値に対する当該現状値の相対関係に応じて変えて表示し、前記エコ判断手段は、前記第2の表示手段で表示する車両の運転状態を判定する際に、状態量が前記エコ運転状態から前記非エコ運転状態に移行する場合と、前記非エコ運転状態から前記エコ運転状態に移行する場合とで判定に用いる境界値に異なる値を使用し、前記第1の表示手段は、前記エコ判断手段が判定している運転状態が前記エコ運転状態である場合も前記非エコ運転状態である場合も、前記境界値に対応する図形を同じ位置に固定表示する構成を備えている。
上記の前記第1の表示手段は、車両がエンジンを停止させ、モータの駆動力で走行している状態のときの状態量を表示する第1の表示領域と、前記エンジン、又は前記エンジンと前記モータとの駆動力で走行している状態のときの状態量を表示する第2の表示領域とを連続表示させると共に、前記エンジンが始動するしきい値を前記第1の表示領域と前記第2の表示領域との境界に表示するとよい。
上記第1の表示手段は、前記境界値よりも下回っていた状態量が前記境界値よりも上回ると、上回ってから所定時間の間は、状態量を前記境界値のまま維持するように補正した状態量を表す図形を表示し、前記境界値よりも上回っていた状態量が前記境界値よりも下回ると、下回ってから所定時間の間は、状態量を前記境界値のまま維持するように補正した状態量を表す図形を表示し、前記エコ判断手段は、補正した状態量と前記境界値とに基づき、車両の現在の運転状態がエコ運転状態であるか非エコ運転状態であるかを判定するとよい。
本発明によれば、エコ運転のための操作の指針を提供することができる。
添付図面を参照しながら本実施例の最良の実施例を説明する。
まず、図1を参照しながら本実施例の構成を説明する。なお、本明細書におけるエコの定義として、エコノミーとエコロジーの両方、又は何れか一方の意味を持つものとする。
エコノミーとは、燃料の消費を抑えて燃料を節約(省燃費)することを意味する。また、エコロジーとは、化石燃料の消費を抑えたり、又化石燃料の燃焼などによって生じる有害物質や二酸化炭素の発生、排出を抑えることを意味する。
図1に示すエコ運転支援システム1は、エンジン及びトランスミッションの制御を行うパワートレインECU10と、インジケータパネル30の表示を制御するメータECU20とを車内通信バスによって接続したシステム構成を有している。なお、本実施例では、パワートレインECU10にエコ運転支援情報算出装置としての機能を持たせ、メータECU20にエコ運転状態表示装置としての機能を持たせている。また、図1には、車内通信バスに接続するECUとしてパワートレインECU10とメータECU20とを図示しているが、この車内通信バスには、その他複数のECUが接続されている。
なお、図1に実線で示す矢印は、信号の物理的な接続状態を表しており、図1に点線で示す矢印は、データの流れを表している。
パワートレインECU10は、制御装置としてエンジンの制御を行うエンジン制御部11と、トランスミッションの制御を行うトランスミッション制御部12とを有している。パワートレインECU10は、各種センサ2から吸入空気量や空燃比等を表すセンサ信号を取得し、取得したセンサ信号に基づいて燃料噴射量、点火時期、変速タイミング等の制御指令値の演算を行う。また、この演算結果に基づいてインジェクタや点火コイル等のアクチュエータ3を制御する。
また、エンジン制御部11やトランスミッション制御部12からエコ判断部(後述する)13には、エンジンやトランスミッションの制御状態を表す信号(パワートレイン制御状態信号)が出力される。より詳細なエコ状態の表示を行いたい場合には、このように生のセンサ情報だけはなく、車両を制御するECUの各種制御情報を送信するように構成するとよい。
また、パワートレインECU10が各種センサ2から入力するセンサ信号には、上述した以外にアクセル開度センサ(不図示)によって測定されるアクセル開度(%)、車速センサ(不図示)によって測定される車速(Km/h)、シフトポジションセンサ(不図示)によって検出されるシフト位置、車両の制御モード(パワーモード、スポーツモード等)を切り替えるスイッチの状態などが挙げられる。
さらにパワートレインECU10には、エコ判断部13が設けられており、車両の運転状態がエコ運転と判定できる状態にあるか否かを判定する。
エコ判断部13は、インジケータパネル30のエコ表示部31にリアルタイムにエコ運転状態の表示を行わせるために、エコ運転の状態を示すエコ状態信号をメータECU20に送信する送信手段(エコ運転情報送信手段)として機能する。エコ判断部13の詳細については後述する。
パワートレインECU10は、車内通信バスに接続されており、例えば、CAN(Controller Area Network)等の通信プロトコルを使用して、この車内通信バスに接続されたメータECU20と通信を行う。
メータECU20は、インジケータパネル30の表示を制御するECUであり、特に、本実施例ではエコ判断部13から車両のエコ運転の度合いを示すエコ状態信号を取得して、このエコ状態信号に基づいてインジケータパネル30のエコ表示部31にエコ運転状態をリアルタイムに表示させる。
インジケータパネル30には、車両がエコ運転状態にあるか否かを表示するエコ表示部31が設けられている。エコ表示部31は、通知制御部21の制御に基づいて、エコ運転の状態をリアルタイムに表示する。エコ表示部31の具体的な表示内容については後述する。
図2には、パワートレインECU10や、メータECU20のハードウェア構成を示す。図2に示すように、ECUによる制御処理を実現するためのプログラムや後述するエコ判断のためのプログラムなどが格納されたROM42と、ROM42に格納されたプログラムを読み込んで実行する中央処理装置(CPU)41と、プログラムを実行する際に使用される一時的なデータを保存するRAM43と、データの入出力部44などから構成される。
本実施例は、車両の運転状態がエコ運転状態にあるか否かを判定すると共に、エコ運転状態にあると判定されたときには、あとどの程度操作量を増やしてもエコ運転状態を維持できるのかを示す操作余量を表示するようにした。
また、車両の運転状態が非エコ運転状態にあるときには、あとどの程度操作量を改善すればエコ運転状態と判定されるのかを示す操作逸脱量を表示するようにした。
図3(A)、(B)に、インジケータパネル30のエコ表示部31に表示される表示例を示す。
この表示では、車両のエコ運転の度合いを示すエコ運転状態量(本発明のエコ運転支援情報に該当する)をバー表示した表示(以下、このバー表示をエコバー表示と呼ぶ。また、このバー表示が本発明のエコ運転支援情報の示す割合に応じた第2状態量を表す所定表示に該当する)と、車両がエコ運転状態にあると判定できるエコ運転領域(図3に示すO−A間であり、本発明のエコ範囲に該当する)51と、エコ運転状態にないと判定できる非エコ運転領域(図3に示すA−B間であり、本発明の非エコ範囲に該当する)52とを表示している。この表示を以下ではエコバー表示と呼ぶ。
すなわち、理想とするエコ運転領域51に対して、エコ運転状態量がどの程度に位置しているのかをエコ運転の上限値を100%とした割合(相対割合)で表示している。
なお、図3に示すA点が、エコ運転領域の上限値(以下、この値を判定しきい値と呼ぶ。判定しきい値は請求項4記載の境界値に該当する)を示し、エコ運転状態量が100%であることを示している。また、O点はエコ運転状態量が0%の状態を示している。
エコ運転状態量がエコ運転領域51内にある場合には、エコ運転の判定しきい値に対する操作余量を表示することができる。図3(A)に示す例では、D−A区間が操作余量を示している。
また、エコ運転状態量が非エコ運転領域52内にある場合には、エコ運転の判定しきい値からの操作逸脱量を表示することができる。図3(B)に示す例では、A−E区間が操作逸脱量を示している。
さらに、図3に示すエコバー表示に加えて、図4に示すエコランプ55の表示を表示させてもよい。エコランプ55は、車両がエコ運転状態にあるか否かを表示するLED(Light Emitting Diode)等のランプの表示であり、車両がエコ運転状態にあるときに点灯し、エコ運転状態にないときには非点灯となる。
図5を参照しながらエコ運転状態量の算出手順を説明する。
まず、エコ判断部13は、各種センサ2で車両の現在の車速(Km/h)とアクセル開度(%)とを入力する。次に、エコ判断部13は、図5に示すマップを参照して、現在の車速のときにエコ運転状態にあると判定できる判定しきい値をアクセル開度(%)で求める(車速が本発明の第1状態量に該当し、アクセル開度が本発明の第2状態量に該当する)。図5に示すマップには、車速と、エコ運転状態にあると判定できるアクセル開度のしきい値との関係が示されている。
エコ判断部13は、マップからエコ運転状態にあると判定できるアクセル開度の判定しきい値を求めると、各種センサ2で測定されたアセクル開度を、マップから求めた判定しきい値で除算し、除算値に100をかけてエコ運転状態量(%)を算出する。
エコ運転状態量=((現在のアクセル開度/判定しきい値)×100)(%)・・・・・(1)
次に、インジケータパネル30のエコ表示部31にエコバー表示を表示させるためのエコ判断部13の処理手順について図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
エコ判断部13は、まず、各種センサ2から測定データを入力する。測定データを入力すると、エコ判断部13は入力したデータが正しいデータであるか否かを判定する(ステップS1)。例えば、所定時間以上同一のデータが入力される場合には、各種センサ2に固着異常が発生していると判定する。
エコ判断部13は、測定データが正しいデータではないと判定すると(ステップS1/NO)、各種センサ2のフェール時のエコ運転状態量として0%を算出する(ステップS11)。
測定データが正しいデータであると判定すると(ステップS1/YES)、エコ判断部13は、車両の状態がエコ運転表示(エコバー表示やエコランプ55の表示)を提供可能な状態にあるか否かを判定する(ステップS2)。シフトレバーがバックやパーキングの位置にあったり、パワースイッチをオンする信号が入力されている場合には、適切なエコ運転表示ができる状態ではなかったり、ユーザがエコ運転表示を求めていない状態であり、エコ運転表示が可能な状態ではないと判定する。
エコ判断部13は、エコ運転表示が可能な状態ではないと判定すると(ステップS2/NO)、除外時のエコ運転状態量として0%を算出する(ステップS12)。
次に、エコ判断部13は、図5に示すマップを参照してエコ運転の判定しきい値を求める(ステップS3)。
各種センサ(車速センサ)2によって測定された車速に基づいてアクセル開度の判定しきい値をマップから求める。
図5に示すマップには、車速と、エコ運転であると判定できるアクセル開度のしきい値との関係が記録されている。エコ判断部13は、図5に示すマップを保持しており、各種センサ2で測定された車速からアクセル開度の判定しきい値を求める。
次にエコ判断部13は、ステップS3で求めた判定しきい値と、各種センサ2の測定データ等から求めた現在のアクセル開度とからエコ運転状態量を算出する(ステップS4)。エコ運転状態量は、上述した式(1)で求めることができる。
エコ判断部13は、エコ運転状態量を求めると、求めたエコ運転状態量からエコランプ55の点灯、非点灯を決定する(ステップS4)。すなわち、エコ運転状態量が100%以下であれば、エコ運転状態であるのでエコランプ55を点灯する。またエコ運転状態量が100%よりも大きければ、非エコ運転状態であるのでエコランプ55を消灯する。
次に、エコ判断部13は、ガード処理を実施する(ステップS5)。ガード処理とは、エコランプ55の表示と、エコバー表示とにずれが生じないようにするための処理である。
まず、エコ判断部13は、図7に示すように判定しきい値に所定値を加算してガード用しきい値を求める。ガード用しきい値を図7に点線で示す。
次に、エコ判断部13は、アクセル開度(%)が上昇しているのか、降下しているのかを判定する。アクセル開度が上昇しているときには、アクセル開度がガード用しきい値を超えてからの所定時間をガード時間に設定する(図7参照)。またアクセル開度が降下しているときには、アクセル開度が判定しきい値を下回ってからの所定時間をガード時間に設定する(図7参照)。このガード時間内ではエコ運転状態量に変動が生じないようにエコ運転状態量を変更する。すなわち、ガード時間の間はエコ運転状態量を100%で維持する。図8にガード処理後のエコ運転状態量を示す。
次に、エコ判断部13は、なまし処理を実施する(ステップS6)。エコ運転状態量がノイズ等によって一時的に変化したり、エコ運転状態量が急激に変化するのを抑制するために、以下に示す式(2)に従ってなまし処理を実施する。
(n)=(1−D)P(n−1)+D×P・・・・・(2)
なお、Pはエコ運転状態量を表し、P(n)はエコ運転状態量のなまし処理された今回の値、P(n−1)はエコ運転状態量の前回の値である。また、Dはなまし定数である。
この他に、各種センサ2から測定データを入力するごとに生成されるエコ運転状態量を所定回分加算して平均を求めた移動平均や、レートリミット、出力値フィルタ処理のような処理を行ってもよい。
次に、エコ判断部13は、なまし処理を施したエコ運転状態量と、エコランプ55の表示状態との不整合を取り除く処理を行う(ステップS7)。すなわち、図9に示すようになまし処理後のエコ運転状態量が100%となるタイミングに合わせて、エコ判断部13は、エコランプ55の点灯と非点灯を切り替える信号を生成する。
次に、エコ判断部13は、車両が現在停車状態にあるか否かを判定する(ステップS8)。各種センサ2から入力した車速に基づいて、エコ判断部13は、車両が停車状態にあるか否かを判定する。例えば、車速が2Km/hを下回った場合には、車両が停止状態にあると判定し、車速が4Km/hを上回った場合には、車両が走行状態にあると判定する。また、車速が2Km/hと4Km/hとの間にある場合には、停車判定を直ちに行わずに、その後、車速の変化があるまで待機する。
車両が停止状態にあると判定した場合には(ステップS8/YES)、車両停止時のエコ運転状態量として0%を算出する(ステップS13)。
次に、エコ判断部13は、メータECU20に通知する通知内容を決定する(ステップS9)。エコ判断部13は、算出したエコ運転状態量と、エコランプ55の表示状態とを示すエコ状態信号をメータEUC20に通知する。メータECU20は、エコ判断部13により通知されたエコ状態量と、エコランプ表示状態の情報とに基づいてエコランプ55の表示とエコバー表示を表示させる(ステップS10)。メータECU20は、判定しきい値(境界値)に対応する図形(本実施例では、エコ運転領域51、特にエコ運転領域51の境界線A)を表示領域における所定位置に固定し、現状値(本実施例ではアクセル開度)に対応する図形を、境界値に対する現状値の相対関係に応じて表示形態を変える。表示形態を変えるとは、図形の大きさや形を変える以外に、図形の表示位置を変えることも含まれる。
このように本実施例は、車両のエコ運転度合いを示すエコ運転状態量が判るので、エコ運転のための操作の指針を提供することができる。すなわち、エコ運転をするために、どの程度運転操作を改善すればよいのか、又はエコ運転状態でいるために、あとどの程度アクセルを踏み込んでもよいのかを示すことができる。
[変形例]
上述した実施例ではエコ判断部13をパワートレインECU10内に設けているが、図10に示すようにメータECU20にエコ判断部13を設けてもよい。図10に示すエコ運転支援システム1Bでは、メータECU20に設けたエコ判断部13で、上述したエコ状態信号を生成して通知制御部21に出力する。通知制御部21は、エコ状態信号に基づいて、インジケータパネル30のエコ表示部31の表示を制御する。
さらに、ナビゲーション装置の制御を行うナビECUに、上述したエコ判断部13の機能を設けて、ナビゲーション装置のディスプレイに上述したエコバー表示を表示させることもできる。
実施例1は、エンジンのみを搭載した車両にエコ運転支援情報を表示させるシステム構成について説明した。本実施例は、エンジンとモータとを搭載したハイブリッド車両(以下、ハイブリッドをHVと略記する)に搭載されるエコ運転支援システム1Cについて説明する。
図11には、上述したエコ判断部62を、HV−ECU60に設けたエコ運転支援システム1Cの構成を示す。
HV−ECU60は、不図示のバッテリECU、エンジンECUや、モータ・ジェネレータECU70等を相互に管理制御して、ハイブリッド車両が最も効率よく運行できるようにハイブリッドシステムの全体を制御する。
HV−ECU60には、図11に示すようにHV制御部61と、エコ判断部62とが設けられている。
HV制御部61は、各種センサ2によって測定されたセンサ信号や、他のEUCからの信号を入力して、ハイブリッドシステムを制御する制御信号を生成する。また、HV制御部61は、エコ判断部62にHVシステムの状態を示すHV状態信号を出力する。このHV状態信号には、車両パワー、車両の限界出力パワー、バッテリの充電許可電力などが含まれる。
エコ判断部62は、HV制御部61から出力されるHV状態信号と、各種センサ2から出力されるセンサ信号とを入力して、エコ運転の状態を表すエコ運転状態量を算出する。
ここで、エコ判断部62で生成されるエコ運転状態量について説明する。
本実施例で生成されるエコ運転状態量は、車両パワーに基づいて算出される。車両パワーは、電力量や仕事率と表現され、エンジンのトルクとエンジン回転数との積と、モータのトルクとモータの回転数との積との和で求めることができる。
ハイブリッド車両においては、電力で駆動されるモータと、エンジンとが設けられているので、モータとエンジンの双方で発生するエネルギーを1つの基準で表すために車両パワーを用いる。
エコ判断部62は、各種センサ2から車速を取得すると共に、HV制御部61から車両の現在の車両パワーを取得する。次に、図12に示すマップを参照して、現在の車速でエコ運転状態と判定できる車両パワーの判定しきい値を算出する。マップには、車速と、エコ運転状態であると判定できる車両パワーの上限値(判定しきい値)が示されている。図12に示すマップを参照して車両パワーの判定しきい値を求めると、エコ判断部62は、式(3)に従ってHV制御部61から取得した現在の車両パワーを判定しきい値で除算し、除算した値に100を積算して、エコ運転状態量を算出する。
エコ運転状態量=((現在の車両パワー/判定しきい値)×100)(%)
・・・(3)
図13には、インジケータパネル30のエコ表示部31に表示される表示例を示す。
本実施例では、図13に示すように車両が回生運転状態にあると判定できる回生運転領域(図13に示すC−O間)53と、HVエコゾーン54の表示とをさらに追加表示している。
図13に示すC点がエコ運転状態量−100%の状態を示している。O点からC点までの回生運転領域53は、ハイブリッド車両用に用意された領域であり、回生ブレーキの操作によって車両の運転状態が回生状態にあることを示している。
また、HVエコゾーン54は、エコ運転状態量がHVエコゾーン54内にあれば、車両がモータだけで駆動されていることを示している。
本実施例においても、車両のエコ運転度合いを示すエコ運転状態量が判るので、エコ運転のための操作の指針を提供することができる。すなわち、エコ運転をするために、どの程度運転操作を改善すればよいのか、又はエコ運転状態でいるために、あとどの程度アクセルを踏み込んでもよいのかを示すことができる。
上述した実施例は本発明の好適な実施例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
例えば、エンジンのみを搭載した車両、ハイブリッド車両ともにエコ表示部31にエコランプ55は設けても、設けなくてもよい。
また、エンジのみを搭載した車両、ハイブリッド車両に搭載ともに非エコ運転領域52の表示をエコバー表示ではなく、LED等のオン/オフ点灯制御で表示させてもよい(図14(A)参照)。エコ運転状態量が100%を超えると、非エコ運転領域52をオン(点灯)させる。
また、ハイブリッド車両のエコ表示部31において、回生領域53の表示をエコバー表示にしてもよいし、LEDのオン/オフ点灯制御を行ってもよい。
また、図14(B)に示す例は、ハイブリッド車両用のエコバー表示であるが、回生領域53の他に、回生ブレーキ以外の電力の回収ができないブレーキが作動された領域56とを表示させてもよい。
また、ハイブリッド車両のエコ表示部31において、エコ運転状態量が0%以上の領域を、HVエコゾーン54の領域と、それ以外の領域とに分割してもよいし、HVエコゾーン54を設けない構成であってもよい。
また、エンジンのみを搭載した車両とハイブリッド車両とのエコ表示部31において、エコバー表示ではなく、図14(C)に示すスピードメータのような円表示を採用してもよい。
また、上述した実施例では、車速等に基づいて車両のエコ運転状態量を求めて、リアルタイムにこれを表示しているが、例えば、エコ判断部で求めた車速とエコ運転状態量を記録媒体等に記録しておき、降車後にコンピュータ装置に記録媒体の記録内容を読み込んで、エコ運転状態量の経時的な変化を表示させるようにしてもよい。
また、図1、10、11に示したようにエコ判断部から表示制御を行う車載ECU(メータECU、ナビECU等)を介してエコ表示を行うように構成してもよいし、エコ判断部で直接、エコ表示部の表示制御を行うようにしてもよい。
エコ運転支援システムの構成を示す図である。 ECUのハードウェア構成を示すブロック図である。 エコバー表示を示す図であり、(A)は状態量がエコ運転領域内にある場合を示し、(B)は状態量が非エコ運転領域にある場合を示している。 エコバー表示に加え、エコランプの表示を表示した例を示す図である。 車速からアクセル開度の判定しきい値を算出するマップの一例を示す図である。 エコ判断部の処理手順を示すフローチャートである。 ガード処理を説明するための図であり、ガード用しきい値とガード時間を示す図である。 ガード処理を説明するための図であり、ガード処理後の状態量を示す図である。 なまし処理後の状態量と、なまし処理後の状態量に合わせてエコランプの点灯、非点灯タイミングを調整する様子を示す図である。 エコ運転支援システムの他の構成を示す図である。 ハイブリッド車両に適用したときのエコ運転支援システムの構成を示す図である。 車速から車両パワーの判定しきい値を算出するマップの一例を示す図である。 ハイブリッド車両でのエコバー表示の一例を示す図である。 エコバー表示の他の例を示す図である。
符号の説明
1 エコ運転支援システム
2 各種センサ
3 アクチュエータ
10 パワートレインECU
11 エンジン制御部
12 トランスミッション制御部
13、62 エコ判断部(第1算出手段、第2算出手段、エコ運転情報送信手段)
20 メータECU(エコ運転状態表示装置、表示手段)
21 通知制御部
30 インジケータパネル
31 エコ表示部

Claims (3)

  1. リアルタイムにエコ運転状態の表示を行うエコ運転状態表示装置であって、
    車両の現在の運転状態を表す状態量に基づいて算出される、車両の現在の運転状態がエコ運転状態にあるか非エコ運転状態にあるかを区別するための境界値に基づき、車両の現在の運転状態がエコ運転状態であるか非エコ運転状態であるかを判定するエコ判断手段と、
    前記境界値に対応する図形と、当該境界値に対する車両の現在の運転状態を表す現状値に対応する図形とを表示することで、エコ運転状態の表示を行う第1の表示手段と、
    前記エコ判断手段によって判断された車両の現在の運転状態がエコ運転状態であるか非エコ運転状態であるかを、ランプをオン/オフすることで表示する第2の表示手段と、を有し、
    前記第1の表示手段は、前記境界値に対応する図形を表示領域における所定位置に固定表示し、前記現状値に対応する図形の表示形態を、前記境界値に対する当該現状値の相対関係に応じて変えて表示し、
    前記エコ判断手段は、前記第2の表示手段で表示する車両の運転状態を判定する際に、状態量が前記エコ運転状態から前記非エコ運転状態に移行する場合と、前記非エコ運転状態から前記エコ運転状態に移行する場合とで判定に用いる境界値に異なる値を使用し、
    前記第1の表示手段は、前記エコ判断手段が判定している運転状態が前記エコ運転状態である場合も前記非エコ運転状態である場合も、前記境界値に対応する図形を同じ位置に固定表示する、ことを特徴とするエコ運転状態表示装置。
  2. 前記第1の表示手段は、車両がエンジンを停止させ、モータの駆動力で走行している状態のときの状態量を表示する第1の表示領域と、前記エンジン、又は前記エンジンと前記モータとの駆動力で走行している状態のときの状態量を表示する第2の表示領域とを連続表示させると共に、前記エンジンが始動するしきい値を前記第1の表示領域と前記第2の表示領域との境界に表示する、ことを特徴とする請求項記載のエコ運転状態表示装置。
  3. 前記第1の表示手段は、前記境界値よりも下回っていた状態量が前記境界値よりも上回ると、上回ってから所定時間の間は、状態量を前記境界値のまま維持するように補正した状態量を表す図形を表示し、前記境界値よりも上回っていた状態量が前記境界値よりも下回ると、下回ってから所定時間の間は、状態量を前記境界値のまま維持するように補正した状態量を表す図形を表示し、
    前記エコ判断手段は、前記補正した状態量と前記境界値とに基づき、車両の現在の運転状態がエコ運転状態であるか非エコ運転状態であるかを判定する、ことを特徴とする請求項1又は2記載のエコ運転状態表示装置。
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