JP2010042745A - エコ運転支援装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 運転者による車両の運転操作の状態を表す運転操作状態情報と、運転者の運転操作がエコ運転操作であるか否かを判定するエコ判定しきい値とに基づいて、運転操作がエコ運転操作であるか否かを判定する手段と、エコ運転操作であるか否かの判定結果を表示させるように表示を制御する手段と、車両の燃費情報を表示させるように表示を制御する手段と、表示させるエコ運転操作であるか否かの表示状態に基づいて、燃費情報の表示を補正する手段として機能するエコ判断部13を有している。
【選択図】 図1
Description
また、特許文献1では、マークで表示される目標燃費と、バーグラフで表示される瞬間燃費とを共通の指標で示し、目標燃費に対する瞬間燃費の良否を瞬時に判断できるようにしている。
エコ運転支援装置の提供するエコナビ表示は、エコ運転状態へと改善するための操作をどのように行えばよいかを示すものであるため、非常に短い瞬間の燃費を表示する瞬間燃費計の表示とはずれた表示となることがある。
同じエコ運転を支援する情報であるにも関わらずこれらの表示にずれが生じると、ドライバはどちらの表示に合わせて運転を行えばよいのかが分からず、ストレスとなる。
特許文献2のように実際の燃費(実燃費)と、燃費関連情報との誤差を補正する技術は提案されているが、エコナビ表示と燃費情報の表示との表示のずれを補正する技術の開示はない。
本発明によれば、エコ運転操作であるか否かの表示状態に基づいて、前記燃費表示制御手段が表示させる燃費情報を補正するので、エコ運転操作であるか否かの判定結果と、燃費情報の表示とに生じる表示の不整合を軽減させることができる。
エコノミーとは、燃料の消費を抑えて燃料を節約(省燃費)することを意味する。また、エコロジーとは、化石燃料の消費を抑えたり、又は、化石燃料の燃焼によって生じる有害物質や二酸化炭素の発生、排出を抑えることを意味する。
なお、図1には、車内通信バスに接続するECUとしてパワートレインECU10とメータECU20とを示しているが、この車内通信バスには、これらの他にも複数のECUが接続されている。また、図1に実線で示す矢印は、信号の物理的な接続状態を表しており、図1に点線で示す矢印は、データの流れを表している。
パワートレインECU10が、各種センサ2から入力するセンサ信号として、アクセル開度センサ(不図示)によって測定されるアクセル開度(%)、車速センサ(不図示)によって測定される車速(km/h)、吸入空気量センサによって測定される吸入空気量(エンジンの吸気通路に流入する空気量)、空燃比センサによって測定される空燃比、シフトポジションセンサ(不図示)によって検出されるシフト位置、車両の制御モード(パワーモード、スポーツモード等)を切り替えるスイッチの状態などが挙げられる。
エンジン制御部11は、吸入空気量センサ(各種センサ2に含まれる)によって測定された吸入空気量や、空燃比センサ(各種センサ2に含まれる)によって測定された空燃比等のセンサ信号を取得して、取得したセンサ信号に基づいて燃料噴射量、点火時期等の制御指令値の演算を行う。また、この演算結果に基づいてインジェクタや点火コイル等のアクチュエータ3を制御する。
トランスミッション制御部12は、シフトポジションセンサ(各種センサ2に含まれる)によって検出されるシフト位置の他、車速、スロットル開度、エンジン回転数等の車両の運転状態を表す状態量を取り込み、それら各状態量に応じて自動変速機(不図示)の変速段切り替えを制御する。
瞬間燃費算出部111は、車速センサで測定された車速と、インジェクタの燃料噴射時間とから車両の瞬間燃費を算出する。
瞬間燃費算出部111は、車速センサから出力される車輪の回転数に応じたパルス信号を入力する。瞬間燃費算出部111は、入力したパルス信号のパルス数と、単位パルス当たりの距離とから走行距離を演算する。なお、この単位パルス当たりの距離はメモリに記憶されており、瞬間燃費算出部111が走行距離を演算する際にメモリから読み出す。
また、瞬間燃費算出部111は、エンジン制御で演算した燃料噴射時間を取得して、単位時間当たりの噴射量とから燃料噴射量を演算する。この単位時間当たりの噴射量もメモリに記憶されており、瞬間燃費算出部111が燃料噴射量を演算する際にメモリから読み出す。瞬間燃費算出部111は、算出した走行距離と燃料噴射量とから瞬間燃費を算出し、算出した瞬間燃費をエコ判断部13に通知する。瞬間燃費は、パワートレイン制御状態信号としてエコ判断部13に通知される。なお、エンジン制御部11やトランスミッション制御部12からエコ判断部13に送信されるパワートレイン状態制御信号には、この他にエンジンやトランスミッションの制御状態を表す信号が含まれる。
また、エコ判断部13は、パワートレイン制御状態信号に含まれる瞬間燃費を、車両のエコ運転状態を表すエコ運転状態量に応じて補正する(この補正の詳細についても後述する)。補正した瞬間燃費は、エコ状態信号としてメータECU20に送信される。
インジケータパネル30には、車両の運転状態がエコ運転状態にあるか否かを表す情報を表示するエコ表示部31が設けられている。エコ表示部31は、通知制御部21の制御に基づいて、エコランプ50の表示や瞬間燃費の表示60を表示させる。
図2に示すように、ECU10(20)内には、ECU10(20)による制御処理を実現するためのプログラムなどが格納されたROM42と、ROM42に格納されたプログラムを読み込んで実行する中央処理装置(CPU)41と、プログラムを実行する際に使用される一時的なデータを保存するRAM43と、データの入出力部44などが設けられている。
なお、パワートレインECU10のROM42には、エコナビ表示や燃費情報をエコ表示部31に表示させるためのプログラムが記録されている。このプログラムをパワートレインECU10のCPU41が読み込んで演算を行うことにより、本発明のエコ運転操作判定手段、エコ運転操作表示制御手段と、燃費表示制御手段と、表示補正手段と、運転状態エコ度合取得手段と、運転度合表示制御手段とが構成される。これらの手段を備えたパワートレインECU10内のエコ判断部13の処理手順については、フローチャートを参照しながら後ほど詳しく説明する。
まず、エコ判断部13は、車速センサ(各種センサ2に含まれる)で測定された車両の現在の車速(km/h)と、アクセル開度センサ(各種センサ2に含まれる)で測定されたアクセル開度(%)とを車両の状態を表す状態量として入力する(これらの情報が運転者による車両の運転操作の状態を表す運転操作状態情報に該当する)。
エコ判定しきい値マップには、車両の車速と、その車速の時にエコ運転状態にあるか否かを判断するためのアクセル開度の判定しきい値とが関連付けて記憶されている。図3に示すエコ判定しきい値マップでは、アクセル開度(%)を縦軸に表し、車速(km/h)を横軸に表している。尚、エコ運転状態とは、例えば、エコ判定しきい値から判断した燃費のよい運転であることを意味する。
エコ判断部13は、現在の車速からエコ判定しきい値マップを参照してエコ判定しきい値を求めると、アクセル開度センサで測定されたアセクル開度を、求めたエコ判定しきい値で除算し、除算値に100をかけてエコ運転状態量(%)を算出する(本発明の車両の運転状態を表す運転状態情報に該当する)。エコ運転状態量の算出式(1)を以下に示す。
エコ運転状態量=((現在のアクセル開度/エコ判定しきい値)×100)(%)・・・・・(1)
エコランプ50の表示は、エコ運転状態量が100%よりも小さいときに点灯するLED等のランプの表示である。
また、瞬間燃費の表示60は、瞬間燃費算出部111で算出された瞬間燃費を所定燃費ごとに区分けして表示したものである。なお、瞬間燃費の表示60は、図4(A)に示す所定燃費ごとに区分けして表示した表示以外に、図4(B)に示すようにバー表示したものや、不図示であるが瞬間燃費をデジタル値で表示したものであってもよい。
エコランプ50の表示状態がエコ運転状態を表示しており、瞬間燃費が低燃費状態と判定できるときには、瞬間燃費の表示60を実際の瞬間燃費よりも高燃費状態で表示する。また、エコランプ50の表示状態が非エコ運転状態を表示しており、瞬間燃費が高燃費状態と判定できるときには、瞬間燃費の表示60を実際の瞬間燃費よりも低燃費状態で表示する。
例えば、一次遅れなまし補正による瞬間燃費の補正は、伝達関数が以下の式(2)で表される式中の定数値を補正することで補正を行う。
図6には、瞬間燃費の入力値と、一次遅れなましによる補正後の瞬間燃費とを示す。図6の一点鎖線が瞬間燃費の入力値を示し、実線が一次遅れなましによる補正後の瞬間燃費を示す。なお、図6に示すt1〜t2の区間と、t3〜t4の区間とで、式(2)の定数値を変更する。
図7に示すt5〜t6区間と、t7〜t8区間での瞬間燃費の変化に傾きを設けて、所定以上の瞬間燃費の増加は制限する。傾きを表す数式(3)に含まれる定数値を変更することで、瞬間燃費を補正する。なお、定数値の単位は[msec]である。
まず、図8に示すフローチャートを参照しながらインジケータパネル30のエコ表示部31にエコランプ50や瞬間燃費の表示60を表示させるためのエコ判断部13の処理手順について説明する。
エコ判断部13は、まず、各種センサ2からセンサ信号を車両の状態を表す状態量として入力する。ここでは、センサ信号としてアクセル開度センサ(各種センサ2に含まれる)で測定されたアクセル開度と、車速センサ(各種センサ2に含まれる)で測定された車速とを入力する。センサ信号を入力すると、エコ判断部13はセンサ信号として入力したデータが正しいデータであるか否かを判定する(ステップS1)。例えば、所定時間以上継続して同一のデータを入力している場合には、各種センサ2に固着異常が発生していると判定する。
データが正しいデータではないと判定すると(ステップS1/NO)、エコ判断部13は、各種センサ2のフェール時のエコ運転状態量として0%を算出する(ステップS9)。
エコ判断部13は、エコナビ表示が可能な状態ではないと判定すると(ステップS2/NO)、除外時のエコ運転状態量として0%を算出する(ステップS10)。
エコ判断部13は、エコ運転状態量を求めると、求めたエコ運転状態量からエコランプ50の点灯、非点灯を決定する(ステップS4)。すなわち、エコ運転状態量が100%以下であれば、エコ運転状態にあるのでエコランプ50を点灯させると判定する。またエコ運転状態量が100%よりも大きければ、非エコ運転状態であるのでエコランプ50を消灯すると判定する。
車両が停止状態にあると判定した場合には(ステップS6/YES)、エコ判断部13は、車両停止時のエコ運転状態量として0%を算出する(ステップS11)。
まず、エコ判断部13は、瞬間燃費算出部111で算出された瞬間燃費を取得する(ステップS21)。
また、エコランプ50が点灯中ではなかった場合(ステップS25/NO)、エコ判断部13は、瞬間燃費の減少を抑制する補正値に変更する(ステップS27)。すなわち、エコ判断部13は、上述した式(2)、又は(3)の定数値を補正値で補正することで、瞬間燃費の減少を抑制する補正を行う(ステップS27)。補正値の初期化(ステップS26)や、瞬間燃費の減少を抑制する補正値に変更(ステップS27)した後は、初期化又は補正した補正値を用いて瞬間燃費を補正する(ステップS32)。
また、エコランプ50が点灯中ではなかった場合(ステップS29/NO)、エコ判断部13は、瞬間燃費の増加を抑制する補正値に変更する(ステップS30)。すなわち、エコ判断部13は、上述した式(2)、又は(3)の定数値を補正値で補正することで、瞬間燃費の増加を抑制する補正を行う(ステップS30)。補正値の初期化(ステップS31)や、瞬間燃費の増加を抑制する補正値に変更(ステップS30)した後は、初期化又は補正した補正値を用いて瞬間燃費を補正する(ステップS32)
本実施例も、エコランプ50の点灯状態に合わせて瞬間燃費の表示60を補正する。エコランプ50の点灯時には、図10(A)に示すように瞬間燃費の表示60の減少側への遷移を禁止する。また、エコランプ50の消灯時には、図10(B)に示すように瞬間燃費の表示60の増加側への遷移を禁止する。
本実施例は、瞬間燃費の表示60を切り替えるときに、エコランプ50の点灯状態に応じて瞬間燃費の表示60を変更することができる範囲に制限を設けた。すなわち、エコランプ50が点灯している場合であって、前回の瞬間燃費の表示が高燃費を表示している場合に、今回の瞬間燃費が極端な低燃費を表示しないようにする。同様に、エコランプ50が消灯している場合であって、前回の瞬間燃費の表示60が低燃費を表示している場合に、今回の瞬間燃費が極端な高燃費を表示しないようにする。
また、エコランプ50が消灯している場合には、図12(B)に示すように、瞬間燃費の前回値よりも燃費が高い側に制限値を設ける。瞬間燃費の前回値に所定値β[%](例えば、1.05)を積算して、積算した値を移動制限範囲の上限値とする。エコランプ50が消灯している場合には、移動制限範囲の下限側には制限を設けても設けなくてもよい。
なお、図14に示すステップS65までの処理は、上述した図9に示すフローチャートのステップS25までの処理と同一であるので説明を省略する。
エコ判断部13は、エコランプ50が点灯中であった場合には(ステップS65/YES)、移動制限範囲の下限値を算出する(ステップS66)。ステップS62で取得した瞬間燃費の前回値に係数αを積算して、移動制限範囲の下限値を算出する。
次に、エコ判断部13は、ステップS61で取得した今回の瞬間燃費と、前回値にαを積算した値(すなわち、移動制限範囲の下限値)とを比較する(ステップS67)。今回の瞬間燃費が、移動制限範囲の下限値よりも小さければ(ステップS67/YES)、エコ判断部13は、瞬間燃費の表示60に使用する瞬間燃費として、瞬間燃費の前回値×αを使用する(ステップS68)。それ以外の場合(ステップS65/NO、又はS67/NO)には、このまま処理を終了する。
例えば、上述した実施例では、瞬間燃費算出部111をパワートレインECU10のエンジン制御部11に設けているが、この瞬間燃費算出部111は、メータECU20に設けてもよい。メータECU20は、算出した瞬間燃費をパワートレインECU10のエコ判断部13に送信する。
また、エコ判断部13もメータECU20に設けてもよいし、ナビゲーションを制御するナビECU等の他のECUに設けてもよい。
また、図1に示すエコ運転支援システム1Aは、ガソリン車を例に説明しているが、図15に示すようなハイブリッド車両にエコ運転支援システム1Bを設けてもよい。図15に示すハイブリッド車両では、ハイブリッドシステムを制御するハイブリッドECU70にエコ判断部72を設けて、エコ判断部72で瞬間燃費と、エコランプ50の表示との不整合を調整する。
また、上述した実施例では、エコ判断部13を車両の制御装置(パワートレインECU10)に設けて、車速等に基づいて車両のエコ運転状態量を求め、リアルタイムにこれを表示している。これ以外に、エコ判断部13で求めたエコ運転状態量と車速とを記録媒体等に記録しておき、降車後にコンピュータ装置に記録媒体の記録内容を読み込んで、エコ運転状態量の経時的な変化を表示させるようにしてもよい。
また、上述した実施例では、燃費情報の表示として瞬間燃費を例に説明したが、瞬間燃費以外に平均燃費や移動平均燃費などを用いてもよい。
2 各種センサ
3 アクチュエータ
10 パワートレインECU
11 エンジン制御部
12 トランスミッション制御部
13 エコ判断部
20 メータECU
21 通知制御部
30 インジケータパネル
31 エコ表示部
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 入出力部
50 エコランプ
60 瞬間燃費の表示
111 瞬間燃費算出部
Claims (5)
- 運転者による車両の運転操作の状態を表す運転操作状態情報と、前記運転者の運転操作がエコ運転操作であるか否かを判定するエコ判定しきい値とに基づいて、前記運転操作がエコ運転操作であるか否かを判定するエコ運転操作判定手段と、
前記エコ運転操作判定手段によるエコ運転操作であるか否かの判定結果を表示させるように表示を制御するエコ運転操作表示制御手段と、
前記車両の燃費情報を表示させるように表示を制御する燃費表示制御手段と、
前記エコ運転操作表示制御手段が表示させるエコ運転操作であるか否かの表示状態に基づいて、前記燃費表示制御手段が表示させる燃費情報を補正する表示補正手段と、
を有することを特徴とするエコ運転支援装置。 - 前記エコ運転操作表示制御手段は、前記車両が走行状態にあるときに、前記車両が走行状態にあるときの前記運転操作状態情報に基づいた表示を行わせるように表示を制御するものであり、
前記燃費表示制御手段は、前記車両が走行状態にあるときに、前記車両が走行状態にあるときの所定期間内における前記燃費情報の表示を行わせるように表示を制御するものであることを特徴とする請求項1記載のエコ運転支援装置。 - 前記表示補正手段は、前記エコ運転操作表示制御手段が表示させるエコ運転操作であるか否かの表示状態と異なる方向に前記燃費情報が変化している場合に、前記燃費表示制御手段が表示させる燃費情報を補正することを特徴とする請求項1又は2記載のエコ運転支援装置。
- 前記表示補正手段は、前記エコ運転操作表示制御手段が表示させるエコ運転操作であるか否かの表示状態と異なる方向に前記燃費情報が変化している場合に、前記燃費表示制御手段が表示させる燃費情報の変化が少なくなるように補正することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエコ運転支援装置。
- 車両の運転状態を表す運転状態情報と、前記車両の運転状態がエコ運転状態であるか否かを区別するためのエコ判定しきい値とに基づいて、前記運転状態のエコ度合いを求める運転状態エコ度合取得手段と、
前記運転状態エコ度合取得手段によって取得された運転状態のエコ度合いを表示させるように表示を制御する運転状態エコ度合表示制御手段と、
前記車両の燃費情報を表示させるように表示を制御する燃費表示制御手段と、
前記エコ運転状態表示制御手段が表示させる運転状態のエコ度合いに基づいて、前記燃費表示制御手段が表示させる燃費情報を補正する表示補正手段と、
を有することを特徴とするエコ運転支援装置。
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