JP4453998B2 - パスワード処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はパスワード処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設機械は非常に高価なものであり盗難を効果的に防止することが必要となる。
【0003】
そこで、暗証番号等の特定のパスワードの入力を建設機械の正当な使用者が実行しないかぎり建設機械の始動機能または作業機能をロックした状態を維持するパスワード処理装置が種々開発されている。
【0004】
たとえば特開平9−50584号公報に記載されている発明では、建設機械の運転室内にテンキー入力装置を設け、このテンキー入力装置に特定の暗証番号を入力することによりはじめて油圧系統(作業機能)のロック状態を解除して油圧系統を作動させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
建設機械は移動に手間が掛かるので作業現場に長期間放置されやすい。また建設機械の作業現場は人里離れた場所が多い。このため建設機械にパスワード処理装置が設けられた場合、符号の入力操作が他人によって監視されることは困難な状況になる。このため建設機械では正当な使用者以外の者によって符号の入力操作が繰り返し行われることにより、やがて、予めパスワード処理装置に設定された特定のパスワードを構成する符号と、正当な使用者以外の者によって入力された符号とが一致して、建設機械の始動機能または作業機能をロックした状態が正当な使用者以外の者によって解除される虞がある。
【0006】
以上のように従来技術では、複数の桁の符号の入力が機器の正当な使用者以外の者によって繰り返し行われることにより、機器の禁止状態が正当な使用者以外の者によって解除されるという問題が生じる。
【0007】
本発明は、複数の桁に符号を繰り返し入力することが可能な状況下にあったとしても機器の禁止状態の解除を不可能にすることを解決課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用、効果】
そこで、本発明の第1発明では、上記解決課題を達成するために、
1または複数の桁数からなる特定のパスワードを予め設定し、前記特定のパスワードを構成する桁へ符号を入力し、この結果入力されたパスワードと、前記特定のパスワードとが不一致になったことを判定するパスワード処理装置において、
前記特定のパスワードを構成する桁に追加して、1または複数のダミーの桁を設定し、
前記1または複数のダミーの桁へ符号の入力を促す指示を与える指示手段と、
前記指示にしたがい前記1または複数のダミーの桁へ符号が入力された場合に、入力されたパスワードと、前記特定のパスワードとが不一致であると判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第2発明では、第1発明において、
前記指示手段は、
前記1または複数のダミーの桁を表示する表示手段であること
を特徴とする。
【0010】
また、本発明の第3発明では、第1発明において、
前記指示手段は、
前記1または複数のダミーの桁への入力を促す指示を音声によって与える音声出力手段であること
を特徴とする。
【0011】
また第4発明は、第1発明または第2発明または第3発明において、
前記特定のパスワードを構成する各桁と、前記1または複数のダミーの桁との配置関係を変更する変更手段をさらに備えたこと
を特徴とする。
【0012】
第1発明および第2発明および第3発明を図1、図10を参照して説明する。
【0013】
第1発明および第2発明および第3発明によれば、特定のパスワードを構成する各桁に追加して、1または複数のダミーの桁が設定される(図1の記憶部16a、16b、図10のテレフォンバンキング用記憶装置112)。そして1または複数のダミーの桁への入力を促す指示が与えられる(図1の表示手段2、図9のテレフォンバンキング用端末111)。この指示にしたがい1または複数のダミーの桁へ符号が入力される(図1のスイッチ3〜12、図9の電話機110のプッシュスイッチ116)。そして1または複数のダミーの桁へ符号が入力された場合に、入力されたパスワードと、特定のパスワードとが不一致であると判定される(図1の判定部17、図9のテレフォンバンキング用判定装置113)。
【0014】
従って、第1発明および第2発明および第3発明によれば、ダミーの桁への入力を促す指示にしたがってダミーの桁に符号を入力している限りは、機器の禁止状態は解除されないので、複数の桁に符号を繰り返し入力することが可能な状況下にあったとしても機器の禁止状態を解除することが実質的に不可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明のパスワード処理装置の実施形態について図面を参照して説明する。なお本明細書では、「パスワード」とは、正当な使用者のみが知り得る複数の桁からなる数値、文字、記号等の組み合わせの意味で使用する。
【0016】
まず、本発明のパスワード処理装置の第1の実施形態について図1〜図9を参照して説明する。なお、第1の実施形態ではパスワード処理装置として建設機械の運転室に設けたモニタパネルを想定している。
【0017】
図1に示すようにパスワード処理装置1は筐体で構成され、大きくは、筐体外側に設けられた表示画面2と、同じく外側に設けられたスイッチ3〜15と、筐体内部に設けられた記憶部16a、16bと、同じく筐体内部に設けられた判定部17とから構成されている。
【0018】
パスワード処理装置1としてのモニタパネルは表示画面2に表示する機能とスイッチ3〜15を押動操作して操作内容を入力する機能を有する。建設機械のエンジンの冷却水の水温、燃料量などの建設機械の状態がセンサによって検出され、これら建設機械の状態がパスワード処理装置1上の表示画面2に表示される。つまりパスワード処理装置1はモニタ機能を備えている。またパスワード処理装置1上のスイッチ3〜15を操作することにより建設機械の走行装置や作業装置を制御する制御コントローラに対して操作内容に対応する制御信号が出力され作業モードや走行速度が選択される。また制御コントローラの内部パラメータを設定したり調整することもできる。つまりパスワード処理装置1は制御機能を有する。さらにパスワード処理装置1は、予め記憶されたユーザパスワードを入力しない限りエンジンを始動させない、つまり建設機械の始動機能をロックした禁止状態を維持する始動機能ロック機能を有する。なお始動機能ロック機能の代わりに作業機能ロック機能を備えてもよい。この場合、予め記憶されたユーザパスワードを入力しない限り油圧ポンプから吐出される圧油を作業機用油圧アクチュエータに供給しない、つまり作業機の作業機能をロックした禁止状態を維持する。
【0019】
スイッチ3〜15はスイッチパネル18上に設けられている。スイッチ3〜15は押動操作されることで操作内容に応じた信号が図示しないコントローラに入力される。このコントローラは建設機械の走行装置、作業装置を操作内容に応じて制御する。またコントローラはパスワード処理装置1の表示画面2の表示を操作内容に応じて制御する。
【0020】
スイッチ3〜15のうちスイッチ3〜12はパスワード処理装置1の表示画面2の表示内容に応じて、入力されるデータ内容を異ならせている。表示画面2の表示内容が、ユーザパスワードおよびサービスパスワードの各桁への数値入力を指示している場合にはスイッチ3〜12はそれぞれ数値「0」〜「9」のデータを入力するテンキーとして機能する。すなわちスイッチ3を押すと「0」が入力され、スイッチ4を押すと「1」が入力され、スイッチ5を押すと「2」が入力され、スイッチ6を押すと「3」が入力され、スイッチ7を押すと「4」が入力され、スイッチ8を押すと「5」が入力され、スイッチ9を押すと「6」が入力され、スイッチ10を押すと「7」が入力され、スイッチ11を押すと「8」が入力され、スイッチ12を押すと「9」が入力される。つまりスイッチ3〜12は表示画面2に表示されたユーザパスワードおよびサービスパスワードの各桁へ数値を入力する。
【0021】
表示画面2の表示内容が、数値入力以外を指示している場合にはスイッチ3〜12はそれぞれスイッチに図示された文字、イラスト内容に応じたデータを入力するスイッチとして機能する。
【0022】
またスイッチ13、14は表示画面2上の表示内容を選択するカーソルキーである。またスイッチ15はエンターキーである。
【0023】
ここでユーザパスワードは建設機械の正当な使用者(正当な使用者が許可した者を含む)のみが知り得る特定のパスワードである。また後述するサービスパスワードは建設機械を点検、整備するとともに、正当な使用者が許可したサービスマンのみが知り得る特定のパスワードである。第1の実施形態ではユーザパスワードおよびサービスパスワードは「1」、「2」などの数値と空欄の組合せであるものとする。なおユーザパスワードおよびサービスパスワードを「*」などの記号と空欄の組合せとしてもよく、また「a」、「ア」、「あ」などの文字と空欄の組み合わせとしてもよい。さらにこれら数値、記号、文字を任意に組み合わせたものと空欄の組合せでもよい。要するにユーザパスワードおよびサービスパスワードには数値、記号、文字等の符号と空欄が割り当てられているものとする。勿論、ユーザパスワードおよびサービスパスワードのうち、何れか一方に数値、記号、文字等の符号と空欄を割り当てるようにしてもよい。
【0024】
記憶部16aには建設機械の正当な使用者のみが知り得る4桁のユーザパスワードが予め記憶されているものとする。例えば、記憶部16aにはユーザパスワードが最上位の桁から順に1桁目を「1」、2桁目を「3」、3桁目を「空欄」、4桁目を「空欄」とするように予め記憶されているものとする。
【0025】
一方、記憶部16bにはサービスマンのみが知り得る6桁のサービスパスワードが予め記憶されているものとする。例えば、記憶部16bにはサービスパスワードが最上位の桁から順に1桁目を「2」、2桁目を「4」、3桁目を「6」、4桁目を「8」、5桁目を「空欄」、6桁目を「空欄」とするように予め記憶されているものとする。
【0026】
表示画面2は、スイッチ3〜15の操作に応じて順次、次画面に遷移して表示内容が変化するディスプレイ部であり液晶等によって構成されている。ただし前述したように表示画面2の先頭画面であるユーザパスワード入力画面30上でユーザパスワードが正しく入力されないと、次画面には遷移しない。
【0027】
判定部17は、表示画面2がユーザパスワード入力画面30に遷移しているときに、スイッチ(テンキー)3〜12を操作して入力した数値と記憶部16aに記憶されたユーザパスワードの上位2桁の数値「1」、「3」とが各桁毎に一致し、かつユーザパスワードの下位2桁の空欄のうち何れか一方、あるいは両方に対応して数値が入力されたか否かを判定する。また判定部17は、表示画面2がサービスパスワード入力画面50に遷移しているときに、スイッチ(テンキー)3〜12を操作して入力した数値と記憶部16bに記憶されたサービスパスワードの上位4桁の数値「2」、「4」、「6」、「8」とが各桁毎に一致し、かつサービスパスワードの下位2桁の空欄のうち何れか一方、あるいは両方に対応して数値が入力されたか否かを判定する。また判定部17は、サービスパスワード入力画面50上において上位4桁の数値入力の途中で誤ってエンターキー15が押されたか否かを判定する。
【0028】
次に図1に示すパスワード処理装置1の動作について、図2から図7(a)、(b)、(c)を併せ参照して説明する。なお、ここではユーザパスワード、あるいはサービスパスワードの下位2桁の空欄のうち両方に対応して数値が入力された場合を想定して説明する。図2は建設機械の始動機能または作業機能をロックした状態を解除する処理の手順を示すフローチャートであり、図3から図7(a)、(b)、(c)は表示画面2が遷移する様子を示す図である。
【0029】
すなわち建設機械の電源が投入されると、つまりスタータースイッチがオン位置に操作されると、表示画面2の先頭画面には図3に示すようにユーザパスワード入力画面30が表示される。ユーザパスワード入力画面30上にはユーザパスワードの上位2桁の数値「1」、「3」に対応して桁表示部30a、30bが図3中左側に表示されるとともに、ユーザパスワードの下位2桁の空欄に対応してダミー桁表示部30c、30dが図3中右側に表示される。なお図3において、ダミー桁表示部30c、30dは斜線を引いて桁表示部30a、30bと区別している。しかし、実際には桁表示部30a、30bとダミー桁表示部30c、30dとの色、柄、形状などを同じにして、正当な使用者以外の者にダミー桁表示部30c、30dに対応して数値の入力を促すようにする。こうして正当な使用者以外の者によりダミー桁表示部30c、30dに対応して数値が入力されやすくなる。まずユーザパスワードの1桁目に対応する桁表示部30aが点滅して1桁目の数値の入力を促す。表示画面2がユーザパスワード入力画面30に遷移しているとスイッチ3〜12はテンキーとして機能する。なお本実施形態では、桁表示部30a、30bとダミー桁表示部30c、30dを点滅させることによって桁表示部30a、30b、ダミー桁表示部30c、30dへの数値の入力を促すことと、ダミー桁表示部30c、30dを表示することによって正当な使用者以外の者に対してダミー桁表示部30c、30dへの数値の入力を促すことは区別している。しかしながら本実施形態のように、桁表示部30a、30bと同様にダミー桁表示部30c、30dを点滅させれば、正当な使用者以外の者によるダミー桁表示部30c、30dへの数値の入力が一層促されることになる。
【0030】
そこで正当な使用者がスイッチ4を押動操作して、桁表示部30aに対応するユーザパスワードの1桁目の数値「1」を入力する。一方、正当な使用者以外の者はスイッチ3〜12を押動操作して、桁表示部30aに対応する数値を入力する。以後スイッチ3〜12を押動操作する毎に点滅箇所が桁表示部30b、ダミー桁表示部30c、30dへと順次移動して対応する桁の数値の入力を促す。正当な使用者は点滅箇所が桁表示部30b、ダミー桁表示部30c、30dへと順次移動するに応じてスイッチ6を押動操作して、ユーザパスワードの2桁目に対応して数値「3」を入力するとともに、ユーザパスワードの3桁目と4桁目の空欄に対応して数値を入力しない。一方、正当な使用者以外の者は、点滅箇所が桁表示部30b、ダミー桁表示部30c、30dへと順次移動するに応じてスイッチ3〜12を押動操作して、桁表示部30b、ダミー桁表示部30c、30dに数値を順次入力する。但し、第1の実施形態では桁表示部30a、30bおよびダミー桁表示部30c、30dには正当な使用者あるいは正当な使用者以外の者が入力した数値は表示されないものとする。もちろん入力した数値を表示させる実施も可能である(ステップ200)。
【0031】
判定部17では、スイッチ(テンキー)3〜12を操作して入力した数値と記憶部16aに記憶されたユーザパスワードの上位2桁の数値「1」、「3」とが各桁毎に一致し、かつユーザパスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力されていないこと(空欄の状態になっていること)を判定している(ステップ200)。
【0032】
この結果、スイッチ(テンキー)3〜12を操作して入力した数値と記憶部16aに記憶されたユーザパスワードの上位2桁の数値「1」、「3」とが各桁毎に一致し、かつユーザパスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力されていないという条件が確定した場合には(ステップ200の判断YES)、ユーザパスワード入力画面30から図7(a)、(b)、(c)に示す次画面であるモニタ用画面80、81、82に遷移することを許容する(ステップ206)。すなわち正当な使用者がユーザパスワードを入力したときには、次画面であるモニタ用画面80、81、82に遷移することを許容する。さらに、ロック解除信号が出力され、始動機能または作業機能のロック状態が解除される(ステップ207)。エンジン始動前であれば図7(a)に示すモニタ用先頭画面80から図7(b)に示すモニタ用始動前画面81に遷移する。エンジンが始動されると図7(b)に示すモニタ用始動前画面81から図7(c)に示すモニタ用始動後画面82に遷移する。これによりパスワード処理装置1の表示画面2上で建設機械の状態をモニタすることができる。なおスイッチ2〜15を操作することにより表示画面2を図示しない制御用画面に遷移させることができ、この制御用画面上で作業モードや走行速度を選択して建設機械の走行装置や作業装置を制御したり、制御コントローラの内部パラメータを設定したり調整することができる。
【0033】
一方、判定部17では、ユーザパスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力されたことを判定している(ステップ200)。この結果ユーザパスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力されたことが判定された時点で(ステップ200の判断NO)、入力されたユーザパスワードと、記憶部16aに記憶されたユーザパスワードが不一致になったものと判定され、ユーザパスワード入力画面30上の点滅箇所が再度ユーザパスワードの1桁目に対応する桁表示部30aに移行して、正しいユーザパスワードの入力を促すとともに、表示画面2は先頭画面であるユーザパスワード入力画面30の状態を維持する。このように本実施形態によればダミーの桁に符号が入力された時点で、設定された特定のパスワードと入力したパスワードとが不一致であると判定できるので、パスワードの不一致の判定を迅速に行うことができる。
【0034】
もちろん入力されたユーザパスワードと、記憶部16aに記憶されたユーザパスワードを各桁すべてについて比較する処理を経たのちにパスワードの不一致を判定する実施も可能である。
【0035】
この場合判定部17では、スイッチ(テンキー)3〜12を操作して入力した数値と記憶部16aに記憶されたユーザパスワードの上位2桁の数値「1」、「3」が一致していないという条件か、あるいはユーザパスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力されたという条件の何れか一方、あるいは両方の条件が確定した場合には(ステップ200の判断NO)、ユーザパスワード入力画面30上の点滅箇所が再度ユーザパスワードの1桁目に対応する桁表示部30aに移行して、正しいユーザパスワードの入力を促すとともに、表示画面2は先頭画面であるユーザパスワード入力画面30の状態を維持する。このように本実施形態によれば正当な使用者がユーザパスワードを忘れたか正当使用者以外の者がユーザパスワードを入力しようとしているときには、次画面であるモニタ用画面80、81、82に遷移することを許容しない。また制御用画面に遷移することを許容しない。このためパスワード処理装置1の機能をロックした状態を維持することができる。またロック解除信号が出力されないので始動機能または作業機能をロックした状態が維持される。
【0036】
以上のように本実施形態によれば正当な使用者以外の者がダミーの桁への入力を促す指示にしたがってダミーの桁に符号を入力している限りは、ロック状態は解除されないので、複数の桁に符号を繰り返し入力することが可能な状況下にあったとしてもロック状態を解除することが実質的に不可能になる。
【0037】
正当な使用者がユーザパスワードを忘れた場合のみ、つぎのような処理にてユーザパスワードを再生することができる。
【0038】
すなわち、ユーザパスワードが正しく入力されないことが判明した時点で正当な使用者はサービスマンを呼び出す。サービスマンはスイッチ3〜12をサービスマンのみが知り得る特定のパターンで操作する。この特定の操作パターンは、たとえば特定のスイッチを特定の回数だけ押し続けるパスワードや、複数の特定のスイッチを同時に押すパスワードなどである。なお、第1の実施形態ではサービスマン以外の者がスイッチ3〜12を任意に繰り返し操作したことによってこの特定の操作パターンを知り得る場合も想定する。スイッチ3〜12が特定の操作パターンで操作されると(ステップ201の判断YES)、図3のユーザパスワード入力画面30から図4に示すサービスメニュー画面40に遷移される。サービスメニュー画面40上にはサービスメニュー「00」〜「03」が表示される。なおサービスメニュー画面40はスクロールすることができる(ステップ202)。
【0039】
同図4に示すようにサービスメニュー画面40の各サービスメニューの中には「03 パスワード設定」が表示されている。表示画面2がサービスメニュー画面40に遷移しているとスイッチ3〜12はテンキーとして機能する。そこでスイッチ3、12が順次押されると、「0」、「9」が入力され、サービスメニュー画面40上の「03 パスワード設定」が選択される。サービスメニュー画面40上で「03 パスワード設定」が選択され、選択確定を示すエンターキー15が押し操作されると(ステップ203の判断YES)、図4のサービスメニュー画面40から図5に示すサービスパスワード入力画面50に遷移される。
【0040】
サービスパスワード入力画面50上には、サービスパスワードの上位4桁の数値「2」、「4」、「6」、「8」に対応して桁表示部50a、50b、50c、50dが図5中左側に表示されるとともに、サービスパスワードの下位2桁の空欄に対応してダミー桁表示部50e、50fが図5中右側に表示される。さらにサービスパスワード入力画面50上にはENT表示部50gが表示されている。なお図5において、ダミー桁表示部50e、50fは斜線を引いて桁表示部50a、50b、50c、50dと区別している。しかし、実際には桁表示部50a、50b、50c、50dとダミー桁表示部50e、50fとの色、柄、形状などを同じにして、サービスマン以外の者にダミー桁表示部50e、50fに対応して数値の入力を促すようにする。こうしてサービスマン以外の者によりダミー桁表示部50e、50fに対応して数値が入力されやすくなる。まずサービスパスワードの1桁目に対応する桁表示部50aが点滅して1桁目の数値の入力を促す。表示画面2がサービスパスワード入力画面50に遷移しているとスイッチ3〜12はテンキーとして機能する。なお本実施形態では、桁表示部50a、50b、50c、50dとダミー桁表示部50e、50fを点滅させることによって桁表示部50a、50b、50c、50d、ダミー桁表示部50e、50fへの数値の入力を促すことと、ダミー桁表示部50e、50fを表示することによってサービスマン以外の者に対してダミー桁表示部50e、50fへの数値の入力を促すことは区別している。しかしながら本実施形態のように、桁表示部50a、50b、50c、50dと同様にダミー桁表示部50e、50fを点滅させれば、サービスマン以外の者によるダミー桁表示部50e、50fへの数値の入力が一層促されることになる。
【0041】
そこでサービスマンがスイッチ5を押動操作して、桁表示部50aに対応するサービスパスワードの1桁目の数値「2」を入力する。一方、サービスマン以外の者はスイッチ3〜12を押動操作して、桁表示部50aに対応する数値を入力する。以後スイッチ3〜12を押動操作する毎に点滅箇所が桁表示部50b、50c、50d、ダミー桁表示部50e、50fへと順次移動して対応する桁の数値の入力を促す。サービスマンは点滅箇所が桁表示部50b、50c、50d、ダミー桁表示部50e、50fへと順次移動するに応じてスイッチ7、9、11を押動操作して、サービスパスワードの上位4桁の数値「2」、「4」、「6」、「8」の2桁目、3桁目、4桁目に対応して数値「4」、「6」、「8」を順次入力するとともに、サービスパスワードの5桁目と6桁目の空欄に対応して数値を入力しない。一方、サービスマン以外の者は、点滅箇所が桁表示部50b、50c、50d、ダミー桁表示部50e、50fへと順次移動するに応じてスイッチ3〜12を押動操作して、桁表示部50b、50c、50d、ダミー桁表示部50e、50fに数値を順次入力する。但し、第1の実施形態では桁表示部50a、50b、50c、50dおよびダミー桁表示部50e、50fにはサービスマンあるいはサービスマン以外の者が入力した数値は表示されないものとする。もちろん入力した数値を表示させる実施も可能である。
【0042】
そしてサービスマンによって桁表示部50dに、サービスパスワードの4桁目の数値「8」が入力される。またはサービスマン以外の者によってダミー桁表示部50fに、6桁目の数値が入力される。サービスマン以外の者によってダミー桁表示部50fに数値が入力されると、入力が確定したことを促すべくENT表示部50gが点滅される。
【0043】
次にエンターキー15が押されると、判定部17で、スイッチ(テンキー)3〜12を操作して入力した数値と記憶部16bに記憶されたサービスパスワードの上位4桁の数値「2」、「4」、「6」、「8」とが各桁毎に一致し、かつサービスパスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力されていないことが判定される。また判定部17では、サービスパスワード入力画面50上において上位4桁の数値入力の途中で誤ってエンターキー15が押されていないことが判定される(ステップ204)。
【0044】
この結果、スイッチ(テンキー)3〜12を操作して入力した数値と記憶部16bに記憶されたサービスパスワードの上位4桁の数値「2」、「4」、「6」、「8」とが各桁毎に一致しているという条件と、サービスパスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力されていないという条件と、上位4桁の数値入力の途中で誤ってエンターキー15が押されていないという条件の3つの条件が確定したときには(ステップ204の判断YES)、図5のサービスパスワード入力画面50から図7に示すパスワード設定選択メニュー画面70に遷移する(ステップ205)。すなわちサービスマンがサービスパスワードを入力したときには、次画面であるパスワード設定選択メニュー画面70に遷移することを許容する。
【0045】
しかし、サービスパスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力された時点で(ステップ204の判断NO)、入力されたサービスパスワードと記憶部16bに記憶されたサービスパスワードが不一致になったものと判定され、サービスパスワード入力画面50上の点滅箇所が再度サービスパスワードの1桁目に対応する桁表示部50aに移行して、正しいサービスパスワードの入力を促すとともに、表示画面2は再度サービスパスワード入力画面50の状態を維持する。
【0046】
このようにダミーの桁に符号が入力された時点で、設定された特定のパスワードと入力したパスワードとが不一致であると判定できるので、パスワードの不一致の判定を迅速に行うことができる。
【0047】
もちろん入力されたサービスパスワードと、記憶部16bに記憶されたサービスパスワードを各桁すべてについて比較する処理を経たのちにパスワードの不一致を判定する実施も可能である。
【0048】
この場合には、スイッチ(テンキー)3〜12を操作して入力した数値と記憶部16bに記憶されたサービスパスワードの上位4桁の数値「2」、「4」、「6」「8」が一致していないという条件と、サービスパスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力されたという条件と、上位4桁の数値入力の途中で誤ってエンターキー15が押されたという条件のうちの何れか一つの条件、あるいは複数の条件が重なった場合には(ステップ204の判断NO)、サービスパスワード入力画面50上の点滅箇所が再度サービスパスワードの1桁目に対応する桁表示部50aに移行して、正しいサービスパスワードの入力を促すとともに、表示画面2は再度サービスパスワード入力画面50の状態を維持する。すなわちサービスマン以外の者がサービスパスワードを入力しようとしているときには、次画面であるパスワード設定選択メニュー画面70に遷移することを許容しない。
【0049】
図6に示すようにパスワード設定選択メニュー画面70上にはユーザパスワードを再生(現在のユーザパスワードを表示、ユーザパスワードを変更)したり、パスワード機能をオンオフしたり、サービスパスワードを変更したりするメニューが表示されている。このパスワード設定選択メニュー画面70上においてユーザパスワードを再生するメニューが選択される。
【0050】
これによりサービスマンはユーザパスワードを知り得るので再度図3に示すユーザパスワード入力画面30上で、スイッチ(テンキー)3〜12によってユーザパスワードを入力すれば(ステップ200)、入力した数値と記憶部16bに記憶されたユーザパスワードの上位2桁の数値「1」、「3」とが各桁毎に一致するとともに、ユーザパスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力されていないと判断される(ステップ200の判断YES)。従って図3に示すユーザパスワード入力画面30から図7(a)、(b)、(c)に示す次画面であるモニタ用画面80、81、82に遷移することが許容される(ステップ206)。さらに、ロック解除信号が出力され、始動機能または作業機能のロック状態が解除される(ステップ207)。
【0051】
またパスワードが正当な使用者以外の者に知られた場合には、ユーザパスワードを任意に変更することもできる。つまり数値が入力されべき桁とダミーの桁の配置関係を任意に変更することで、ロック状態の解除を再度困難ならしめることができる。
【0052】
以上のように第1の実施形態によれば、ユーザパスワードの4桁のうち、下位2桁が空欄となるように予めユーザパスワードが記憶部16aに記憶される。そして4桁への入力を促す指示が表示画面2を用いて与えられる。
【0053】
従って、第1の実施形態によれば、パスワード入力画面30上で4桁に数値を繰り返し入力し4桁の数値の全ての組合せを入力し終えたとしても、建設機械の始動機能または作業機能のロック状態の解除が不可能になる。
【0054】
なお、第1の実施形態はユーザパスワード、あるいはサービスパスワードの下位2桁の空欄のうち両方に対応して数値が入力された場合を想定して説明したが、もちろんユーザパスワード、あるいはサービスパスワードの下位2桁の空欄のうち何れか一方に対応して数値が入力された場合にも適用することができる。
【0055】
また、第1の実施形態ではユーザパスワードの3桁目と4桁目が空欄になるように記憶するとともに、サービスパスワードの5桁目と6桁目が空欄になるように記憶しているが、これに限らずユーザパスワードおよびサービスパスワードともに、1あるいは複数の任意の桁が空欄になるように記憶することができる。
【0056】
なお、図3に示すユーザパスワード入力画面30では、桁表示部30a、30bを図3中左側に表示するとともに、ダミー桁表示部30c、30dを図3中右側に表示しているが、桁表示部30a、30bとダミー桁表示部30c、30dが表示されている位置は図3に限らない。図8は図3の変形例である。なお図8の桁表示部90a、90dは図3の桁表示部30a、30bに相当する。また図8のダミー桁表示部90b、90cは図8のダミー桁表示部90b、90cに相当する。
【0057】
すなわち、図8に示すユーザパスワード入力画面90のように、桁表示部90aを図8中左側に表示し、桁表示部90dを図8中右側に表示するとともに、ダミー桁表示部90b、90cを図8中中央に表示してもよい。
【0058】
さらに、図5に示すサービスパスワード入力画面50では、桁表示部50a、50b、50c、50dを図5中左側に表示するとともに、ダミー桁表示部50e、50fを図5中右側に表示しているが、桁表示部50a、50b、50c、50dとダミー桁表示部50e、50fが表示されている位置は図5に限らない。図9は図5の変形例である。なお図9の桁表示部60a、60b、60e、60fは図5の桁表示部50a、50b、50c、50dに相当する。また図9のダミー桁表示部60c、60dは図5のダミー桁表示部50e、50fに相当する。
【0059】
すなわち、図9に示すサービスパスワード入力画面60のように、桁表示部60a、60bを図9中左側に表示し、桁表示部60e、60fを図9中右側に表示するとともに、ダミー桁表示部60c、60dを図9中中央に表示してもよい。
【0060】
また図13に示すように、ダミーの桁によって、数値が入力されるべき桁が挟まれるように、ダミーの桁を配置することもできる。
【0061】
さて、上述した第1の実施形態では予め設定されたパスワードの各桁への入力を促す指示を表示画面2を用いて与えるようにしているが、音声によって与えるようにしてもよい。
【0062】
そこで、予め設定されたパスワードの各桁への入力を促す指示を音声によって与えるようにした第2の実施形態について図10、図11を参照して説明する。なお、第2の実施形態のパスワード処理装置は預金残高、振込金額、引落金額など金融機関の利用者の固有情報を電話によって提供するテレフォンバンキング装置に適用された場合を想定している。
【0063】
テレフォンバンキング装置115は、電話機110のプッシュスイッチ116を押動操作して操作内容を入力する機能を有する。
【0064】
またテレフォンバンキング装置115は、予め記憶された金融パスワードを入力しない限り固有情報を送信しない。
【0065】
ここで金融パスワードはテレフォンバンキング装置115の正当な使用者(正当な使用者が許可した者を含む)のみが知り得る特定のパスワードである。この第2の実施形態では金融パスワードは数値と空欄の組合せであるものとする。なお金融パスワードは記号と空欄の組合せとしてもよく、また記号と数値と空欄を混合した組合せでもよい。要するに金融パスワードには数値、記号等の符号と空欄が割り当てられているものとする。
【0066】
テレフォンバンキング装置115では、このテレフォンバンキング装置115の正当な使用者毎に割り当てられた電話機110と複数の各桁への入力を促す指示を与える金融機関のテレフォンバンキング用端末111とを、交換機114を介して公衆網電話回線sによって接続している。
【0067】
電話機110は市販されているものであり、電話機110のプッシュスイッチ116を押動操作することにより公衆網電話回線sを介してテレフォンバンキング用端末111に呼出信号を送信する。
【0068】
プッシュスイッチ116は電話機110上に設けられている。またプッシュスイッチ116は複数の各桁へ数値を入力する。またプッシュスイッチ116では「#」、あるいは「*」、あるいは特定の数値などを入力するスイッチが上述した第1の実施形態のエンターキー15と同様に操作される。
【0069】
金融機関側にはテレフォンバンキング用端末111の他に、テレフォンバンキング用記憶装置112と、テレフォンバンキング用判定装置113とが備えられているものとする。
【0070】
テレフォンバンキング用記憶装置112には正当な使用者のみが知り得る6桁の金融パスワードが予め記憶されているものとする。例えば、テレフォンバンキング用記憶装置112には金融パスワードが最上位の桁から順に1桁目を「1」、2桁目を「2」、3桁目を「3」、4桁目を「4」、5桁目を「空欄」、6桁目を「空欄」とするように予め記憶されているものとする。
【0071】
テレフォンバンキング用判定装置113は、電話機110のプッシュスイッチ116を操作して入力した数値とテレフォンバンキング用記憶装置112に記憶された金融パスワードの上位4桁の数値「1」、「2」、「3」、「4」とが各桁毎に一致し、かつ金融パスワードの下位2桁の空欄のうち何れか一方、あるいは両方に対応して数値が入力されたか否かを判定する。またテレフォンバンキング用判定装置113は、電話機110のプッシュスイッチ116を操作して入力した数値とテレフォンバンキング用記憶装置112に記憶された金融パスワードの上位4桁の数値「1」、「2」、「3」、「4」とが各桁毎に一致し、かつ金融パスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力されていないという条件の場合に、送信解除信号をテレフォンバンキング用端末111に送信する。またテレフォンバンキング用判定装置113は、電話機110のプッシュスイッチ116を操作して入力した数値とテレフォンバンキング用記憶装置112に記憶された金融パスワードの上位4桁の数値「1」、「2」、「3」、「4」が一致していないという条件か、あるいは金融パスワードの下位2桁の空欄のうち何れか一方、あるいは両方に対応して数値が入力されたという条件の何れか一方、あるいは両方の条件が確定した場合に、送信解除信号をテレフォンバンキング用端末111に送信しない。
【0072】
テレフォンバンキング用端末111は電話機110から呼出信号を受信するとともに、呼出信号を送信した電話機110に公衆網電話回線sを介して 複数の各桁への入力を促す指示を音声によるメッセージとして送信する。またテレフォンバンキング用端末111はテレフォンバンキング用判定装置113から送信解除信号を受信した場合に正当な使用者の固有情報を電話機110に送信する。またテレフォンバンキング用端末111は送信解除信号を受信しない場合に正当な使用者の固有情報を電話機110に送信しない状態を維持する。
【0073】
次にテレフォンバンキング装置115の動作について図11を参照して説明する。なお、ここでは金融パスワードの下位2桁の空欄のうち両方に対応して数値が入力された場合を想定して説明する。
【0074】
まずテレフォンバンキング装置115の正当な使用者、あるいはテレフォンバンキング装置115の正当な使用者以外の者が電話機110のプッシュスイッチ116を押動操作することにより公衆網電話回線sを介してテレフォンバンキング用端末111に呼出信号を送信する。そしてテレフォンバンキング用端末111によって呼出信号が受信され、公衆網電話回線sを介してテレフォンバンキング用端末111から電話機110に「お客様番号の6桁を入力して下さい」という音声によるメッセージが送信される。これによりテレフォンバンキング装置115の正当な使用者、あるいはテレフォンバンキング装置115の正当な使用者以外の者に、複数の桁への入力を促す指示が与えられる(ステップ900)。
【0075】
そこでテレフォンバンキング装置115の正当な使用者は電話機のプッシュスイッチ116を押動操作して、金融パスワードの上位4桁のみに数値「1」、「2」、「3」、「4」を入力する。一方、テレフォンバンキング装置115の正当な使用者以外の者は、テレフォンバンキング用端末111から送信されたメッセージにしたがって電話機110のプッシュスイッチ116を押動操作して、6桁の全てに数値を入力する(ステップ901)。
【0076】
こうして正当な使用者によって金融パスワードの4桁目に、数値「4」が入力される。または正当な使用者以外の者によって6桁目に、数値が入力される。そして正当な使用者あるいは正当な使用者以外の者によって電話機110のプッシュスイッチ116の「#」、あるいは「*」、あるいは特定の数値などが入力されると(ステップ902)、つぎにテレフォンバンキング用判定装置113で、電話機110のプッシュスイッチ116を操作して入力した数値とテレフォンバンキング用記憶装置112に記憶された金融パスワードの上位4桁の数値「1」、「2」、「3」、「4」とが各桁毎に一致し、かつ金融パスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力されていないことが判定される(ステップ903)。
【0077】
この結果、電話機110のプッシュスイッチ116を操作して入力した数値とテレフォンバンキング用記憶装置112に記憶された金融パスワードの上位4桁の数値「1」、「2」、「3」、「4」とが各桁毎に一致し、かつ金融パスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力されていないという条件の場合には(ステップ903の判断YES)、送信解除信号がテレフォンバンキング用端末111に送信され、正当な使用者の固有情報が電話機110に送信される(ステップ904)。
【0078】
しかし、金融パスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力されたことが判定された時点で(ステップ903の判断NO)、入力された金融パスワードとテレフォンバンキング用記憶装置112に記憶された金融パスワードが不一致になったものと判定され、ステップ900に戻り、再び金融パスワードの入力を促す。すなわちテレフォンバンキング装置115の正当な使用者以外の者が金融パスワードを入力しようとしているときには、正当な使用者の固有情報を電話機110に送信しない状態が維持される。このように本実施形態においてもパスワードの不一致の判定処理を迅速に行うことができる。
【0079】
また入力された金融パスワードと、テレフォンバンキング用記憶装置112に記憶された金融パスワードを各桁すべてについて比較する処理を経たのちにパスワードの不一致を判定する実施も可能である。
【0080】
この場合には、電話機110のプッシュスイッチ116を操作して入力した数値とテレフォンバンキング用記憶装置112に記憶された金融パスワードの上位4桁の数値「1」、「2」、「3」、「4」が一致していないという条件か、あるいは金融パスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力されたという条件の何れか一方、あるいは両方の条件が確定した場合には(ステップ903の判断NO)、ステップ900に戻り、再び金融パスワードの入力を促す。すなわちテレフォンバンキング装置115の正当な使用者以外の者が金融パスワードを入力しようとしているときには、正当な使用者の固有情報を電話機110に送信しない状態が維持される。
【0081】
以上のように第2の実施形態によれば、金融パスワードの6桁のうち、下位2桁が空欄となるように予めテレフォンバンキング用記憶装置112に記憶される。そして6桁への入力を促す指示がテレフォンバンキング用端末111によって音声のメッセージとして与えられる。
【0082】
従って、第2の実施形態によれば、6桁に数値を繰り返し入力し6桁の数値の全ての組合せを入力し終えたとしても、正当な使用者の固有情報の送信を不可能にすることができる。
【0083】
なお、第2の実施形態は金融パスワードの下位2桁の空欄のうち両方に対応して数値が入力された場合を想定して説明したが、もちろん金融パスワードの下位2桁の空欄のうち何れか一方に対応して数値が入力された場合にも適用することができる。
【0084】
また、第2の実施形態では金融パスワードの5桁目と6桁目が空欄になるように記憶しているが、これに限らず金融パスワードの任意の1あるいは複数の桁が空欄になるように記憶してもよい。
【0085】
なお、上述した第2の実施形態では金融パスワードの各桁への入力を促す指示を音声によって与えるようにしているが、勿論、前述の第1の実施形態と同様に金融パスワードの各桁への入力を促す指示を表示手段を用いて与えるようにしてもよい。
【0086】
そこで、次に金融パスワードの各桁への入力を促す指示を表示手段を用いて与えるようにした実施形態について図12を参照して説明する。
【0087】
図12は金融機関のCD(現金自動支払機)、あるいはATM(現金自動預払機)の表示画面の表示例を示す図である。なお図12では図5のサービスパスワード入力画面50をCD、あるいはATMに設けられた表示装置の表示画面に適用した場合を想定している。従って図12の暗証番号入力画面100は図5のサービスパスワード入力画面50に相当する。また図12の桁表示部100a、100b、100c、100dは図5の桁表示部50a、50b、50c、50dに相当する。また図11のダミー桁表示部100e、100fは図5のダミー桁表示部50e、50fに相当する。また図示しないCD、あるいはATMはテレフォンバンキング用記憶装置112に相当する記憶手段と、テレフォンバンキング用判定装置113に相当する判定手段とを備えているものとする。
【0088】
図12によれば、CD、あるいはATMの正当な使用者が入力操作を行って、桁表示部100aに対応する金融パスワードの1桁目の数値「1」を入力する。一方、CD、あるいはATMの正当な使用者以外の者が入力操作を行って、桁表示部100aに対応する数値を入力する。以後金融パスワードの入力操作を行う毎に点滅箇所が桁表示部100b、100c、100d、ダミー桁表示部100e、100fへと順次移動して対応する桁の数値の入力を促す。正当な使用者は点滅箇所が桁表示部100b、100c、100d、ダミー桁表示部100e、100fへと順次移動するに応じて金融パスワードの入力操作を行って、金融パスワードの上位4桁の数値「1」、「2」、「3」、「4」の2桁目、3桁目、4桁目に対応して数値「2」、「3」、「4」を入力するとともに、下位2桁の空欄に対応して数値を入力しない。一方、正当な使用者以外の者は、点滅箇所が桁表示部100b、100c、100d、ダミー桁表示部100e、100fへと順次移動するに応じて金融パスワードの入力操作を行って、桁表示部100b、100c、100d、ダミー桁表示部100e、100fに数値を順次入力する。
【0089】
そして正当な使用者によって桁表示部100dに、金融パスワードの4桁目の数値「4」が入力される。または正当な使用者以外の者によってダミー桁表示部100fに、数値が入力される。ここで第1の実施形態のエンターキー15に相当する図示しない確認スイッチが押されると、つぎにCD、あるいはATMの判定手段で、入力した数値と記憶された金融パスワードの上位4桁の数値「1」、「2」、「3」、「4」とが各桁毎に一致し、かつ金融パスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力されていないことが判定される。
【0090】
この結果、入力した数値と記憶されたパスワードの上位4桁の数値「1」、「2」、「3」、「4」とが各桁毎に一致しているという条件と、かつ金融パスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力されていないという条件と、4桁の数値入力の途中で誤って確認スイッチが押されていないという条件の3つの条件が確定したときに正当な使用者の固有情報が表示される。
【0091】
しかし、金融パスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力されたことが判定された時点で、暗証番号入力画面100上の点滅箇所が再度金融パスワードの1桁目に対応する桁表示部100aに移行して、再び正しい金融パスワードの入力を促す。すなわちCD、あるいはATMの正当な使用者以外の者が金融パスワードを入力しようとしているときには、CD、あるいはATMの表示画面は暗証番号入力画面100の状態を維持する。このように本実施形態においてもパスワードの不一致の判定処理を迅速に行うことができる。
【0092】
また入力された金融パスワードと、記憶された金融パスワードを各桁すべてについて比較する処理を経たのちにパスワードの不一致を判定する実施も可能である。
【0093】
この場合には、入力した数値と記憶された金融パスワードの上位4桁の数値「1」、「2」、「3」、4」が一致していないという条件と、金融パスワードの下位2桁の空欄に対応して数値が入力されたという条件と、4桁の数値入力の途中で誤って確認スイッチが押されたという条件のうちの一つの条件、あるいは複数の条件が重なった場合には、暗証番号入力画面100上の点滅箇所が再度金融パスワードの1桁目に対応する桁表示部100aに移行して、再び正しい金融パスワードの入力を促す。すなわちCD、あるいはATMの正当な使用者以外の者が金融パスワードを入力しようとしているときには、CD、あるいはATMの表示画面は暗証番号入力画面100の状態を維持する。
【0094】
なお、図12では金融パスワードの下位2桁の空欄のうち両方に対応して数値が入力された場合を想定して説明したが、もちろん金融パスワードの下位2桁の空欄のうち何れか一方に対応して数値が入力された場合にも適用することができる。
【0095】
また、図12に示す暗証番号入力画面100では、桁表示部100a、100b、100c、100dを図11中左側に表示するとともに、ダミー桁表示部100e、100fを図12中右側に表示しているが、桁表示部100a、100b、100c、100dとダミー桁表示部100e、100fとの位置は図12に限らなくてもよい。すなわち、桁表示部100a、100bを図12中左側に表示し、桁表示部100c、100dを図12中右側に表示するとともに、ダミー桁表示部100e、100fを図12中中央に表示してもよい。この場合、図12の桁表示部100a、100b、100c、100dは図9の桁表示部60a、60b、60e、60fに相当する。また図12のダミー桁表示部100e、100fは図9のダミー桁表示部60c、60dに相当する。
【0096】
なお図13に示すように、ダミーの桁によって、数値が入力されるべき桁が挟まれるように、ダミーの桁を配置することもできる。
【0097】
さらに第1の実施形態と同様に、金融パスワードが正当な使用者以外の者に知られたときには、サービスマン等による特定の操作によって金融パスワードを構成する数値が入力されるべき桁と、ダミーの桁の配置関係を任意に変更してもよい。
【0098】
ところで、上述した本発明のパスワード処理装置は、インターネットを利用した商取り引きにおける売買当事者の認証手段に適用してもよい。
【0099】
また、本発明のパスワード処理装置は、デジタルテレビ放送によって金融機関の利用者の固有情報の提供を行うテレビバンキング装置に適用してもよい。
【0100】
これら売買当事者の認証手段やテレビバンキング装置では、予め設定されたパスワードの各桁への入力を促す指示を表示、あるいは音声、あるいは表示と音声との組合せによって与えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のパスワード処理装置の第1の実施形態を示す図である。
【図2】図2は建設機械の始動機能または作業機能をロックした状態を解除する処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は第1の実施形態の表示画面の表示例を示す図である。
【図4】図4は第1の実施形態の表示画面の表示例を示す図である。
【図5】図5は第1の実施形態の表示画面の表示例を示す図である。
【図6】図6は第1の実施形態の表示画面の表示例を示す図である。
【図7】図7(a)、(b)、(c)は第1の実施形態の表示画面の表示例を示す図である。
【図8】図8は第1の実施形態の表示画面の表示例を示す図である。
【図9】図9は第1の実施形態の表示画面の表示例を示す図である。
【図10】図10は本発明のパスワード処理装置の第2の実施形態を示す図である。
【図11】図11はテレフォンバンキング装置の正当な使用者の固有情報を送信しない状態を解除する処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は現金自動支払機、現金自動預払機の表示画面の表示例を示す図である。
【図13】図13はパスワードを構成する各桁の配置関係を示す図である。
【符号の説明】
1…パスワード処理装置
2…表示画面
3〜15…スイッチ
16a、16b…記憶部
17…判定部
115…テレフォンバンキング装置
111…テレフォンバンキング用端末
110…電話機
116…プッシュスイッチ
112…テレフォンバンキング用記憶装置
113…テレフォンバンキング用判定装置
Claims (3)
- 1または複数の桁数からなる特定のパスワードを予め設定し、前記特定のパスワードを構成する桁へ符号を入力し、この結果入力されたパスワードと、前記特定のパスワードとが不一致になったことを判定するパスワード処理装置において、
前記特定のパスワードを構成する桁の下位の桁に追加して、1または複数のダミーの桁を設定し、
操作に応じて、パスワードに割り当てられた符号を入力する符号スイッチと、
表示画面に前記特定のパスワードを構成する桁および当該桁よりも下位の1または複数のダミーの桁を表示する表示手段と、
前記表示画面のダミーの桁に符号が入力された場合、あるいはパスワードの入力が完了した時点で前記表示画面のダミーの桁に符号が入力されている場合には、入力されたパスワードと、前記特定のパスワードとが不一致であると判定する判定手段と
を備えたことを特徴とするパスワード処理装置。 - 1または複数の桁数からなる特定のパスワードを予め設定し、前記特定のパスワードを構成する桁へ符号を入力し、この結果入力されたパスワードと、前記特定のパスワードとが不一致になったことを判定するパスワード処理装置において、
前記特定のパスワードを構成する桁の下位の桁に追加して、1または複数のダミーの桁を設定し、
操作に応じて、パスワードに割り当てられた符号を入力する符号スイッチと、
前記1または複数のダミーの桁への入力を促す指示を音声によって符号スイッチの操作者に与える音声出力手段と、
ダミーの桁に符号が入力された場合、あるいはパスワードの入力が完了した時点でダミーの桁に符号が入力されている場合には、入力されたパスワードと、前記特定のパスワードとが不一致であると判定する判定手段と
を備えたことを特徴とするパスワード処理装置。 - 前記表示手段は、
符号が入力された桁よりも下位の桁を点滅させることを特徴とする請求項1記載のパスワード処理装置。
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