JP4453851B2 - 化粧用コンパクト容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は化粧用コンパクト容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
底壁外周から第1周壁を起立する容器本体と、該容器本体上面を開閉自在に閉塞する蓋体とを、各後部で蓋体の起伏が自在に枢着させたコンパクト容器が広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のコンパクト容器は、容器本体内へ収納させた粉末状の化粧料を、容器内へ設けたパフに付着させて使用しているが、近時上記粉末状の化粧料中に水分を含有させた新しい化粧料が研究開発されている。
【0004】
このような水分含有の粉末状化粧料を、従来と同様に収納室内へ充填された化粧料全体の上面へパフを押付けて使用すると、室内全体の化粧料がパフ使用の都度加圧されることとなり、すると室内全体の粉末からそれぞれ水分が滲出してしまうこととなる。
【0005】
本発明は、上記のような水分含有の粉末状化粧料を、パフへの付着量だけ取出して使用できるよう設けたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として、底壁2外周から第1周壁3を起立する容器本体1と、該容器本体上面を開閉自在に閉塞する蓋体11とを、各後部で蓋体11の起伏が自在に枢着させたコンパクト容器において、
上記容器本体内へ化粧品充填パック21を収納させて容器本体第1周壁の上端一部と上記パックの上端外周の一部とを枢着させ、
又蓋体開放時にあっては、上記枢着部分を中心とする回動によりパック21は起伏自在に形成し、
上記パック21は、容器本体の第1周壁3上面を開閉自在に閉塞する平板部22の外周部下面から有底の第2周壁23を垂下させて形成し、かつ該第2周壁の底板24には適当数の粉末状化粧料放出用の小透孔25を穿設し、又その底板24は容器本体底壁2の上面へ載置させた。
【0007】
第2の手段として、上記第1の手段を有すると共に容器本体1の内面へ、ゴム等で設けた、粉末化粧料滑り止め用の薄板47を貼着した。
【0008】
第3の手段として、上記第1、又は第2の手段を有すると共に、容器本体1を、有底の外容器体1aと有底の内容器体1bとを重ね合せて形成し、
蓋体11後部は外容器体1a後部と枢着させると共に、パック21は内容器体1bの第1周壁内面を形成する内周壁3aの上端一部と枢着させて形成した。
【0009】
第4の手段として、上記第1、第2又は第3の手段を有すると共に、パック21の上端外周の一部を、容器本体第1周壁3の左右いずれか一方の上端部へ枢着させた。
【0010】
第5の手段として、上記第1、第2、第3又は第4の手段を有すると共に、パック21の底板24と第2周壁23とが形成する容器状部分を小さく設けた基板43の外周部下面から短筒44を垂下すると共に、基板外周から上外方へ放射状に板バネ45を突出し、かつ板バネ先端を大径リング46へ接続させた硬質合成樹脂製の骨格部41と、
該骨格部内面へ張設した、軟質合成樹脂製のシート42とで形成し、
上記短筒が囲む部分に小透孔25を穿設し、又短筒下端面を容器本体底壁2の上面へ圧接させた。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず図1から図3が示す第1実施形態について説明すると、1は底壁2外周から第1周壁3を起立する容器本体で、図示例において該容器本体は、有底の外容器体1aと、有底の内容器体1bとを重ね合せて形成している。これ等外容器体と内容器体とは、必要に応じて適宜治具を用いて分離することが可能に嵌合させるとよい。
【0012】
11は上記容器本体上面を開閉自在に閉塞する蓋体で、該蓋体と上記容器本体とは各後部で蓋体の起伏が自在に枢着させている。蓋体頂板の下面には鏡12を貼着させており、蓋体前部下面からはフック13を垂下して、外容器体周壁部分の前面上部に付設した係合突部4へ係合させて蓋体閉塞状態を保持可能とし、又その係合突部下方に押釦5を装着させ、該押釦押込みで上記フックが押上げられて開蓋できるよう設けている。
【0013】
上記容器体内へは化粧品充填パック21を収納させている。該パックは容器本体第1周壁3の上端一部、図示例では内容器体1bの第1周壁内層形成部分3aの上端一部へ枢着させており、第1周壁3上面を開閉自在とする平板部22の外周部下面から有底の第2周壁23を垂下させて形成し、該底板24の中央部には適当数の粉末状化粧料放出用の小透孔25を穿設し、該底板はその小透孔を通って化粧料が漏出することを防止するため、容器本体底壁2上面へ載置させている。図示例では底板中央部を浅皿状部26とし、その浅皿状部の底板部分に小透孔25を穿設している。有底の第2周壁23は化粧粉振出しの便宜のために肉薄かつ硬質として震動容易とした合成樹脂材で形成するとよく、その第2周壁上端は枠27を介して平板部22の外周部下面へ超音波溶着等している。
【0014】
平板部22は図示のようにその上面にパフ載置用の凹部を形成するとよく、その平板部中心には上記有底の第2周壁内へ粉末状化粧料を入れるための流入透孔28を設け、かつ該透孔を化粧料充填後にシート29で密閉している。
【0015】
尚第1周壁3上端に対するパック枢着位置は、蓋体裏面へ貼設させる鏡12使用の便宜のために、図2、図3が示すように第1周壁3の後部を避けて左右側方にすることが望ましい。このようにすることで、引上げられたパック21が鏡12を塞ぐことはない。
【0016】
化粧品充填パック21の使用は次のように行うことが出来る。図1、図2が示す蓋体11閉塞状態から蓋体を開き、次いで図3が示すように枢着部30を中心としてパック21を僅かに持ち上げる。すると容器本体底壁2に接して閉塞されていた小透孔25は底壁から離れることで開孔され、よって小透孔を通って粉末状化粧料が容器本体底壁上へ落下する。落下しない場合、又は落下量が不充分な場合は指先で軽く衝撃を第2周壁23に与えることで充分な量を落下させることが出来る。更にパックを枢着部30を中心として小透孔25が上向きとなるまで回しておき、容器本体の底壁上へ落下した粉末状化粧料をパフに押し付け、粉末内の水分を滲出させた後に化粧すればよい。
【0017】
化粧後は再びパック21を容器本体内へ入れ、蓋体11を閉蓋する。
【0018】
図4は第2実施形態を示す。該実施形態の場合はパック21の底板24と第2周壁23とが形成する容器状部分を、硬質合成樹脂製の骨格部41と、該骨格部内面へ張設した軟質合成樹脂製の張設シート42とで形成している。その骨格部41は、図5が示すように小さく設けた基板43の外周部下面から短筒44を垂下すると共に、基板外周から上外方へ放射状に板バネ45を突出し、かつ板バネ先端を大径リング46へ接続させて形成しており、張設シート42は基板43外周部から各板バネ45内面および大径リング46内面へ張設している。尚上記基板43と短筒44とが底板24を形成する。図示例では更に大径リング上端から更にシート外周部を延出させ、該延出部を枠27に接合させて該枠上面を平板部22の外周部下面へ溶着等して接合させている。
【0019】
上記短筒部44下端面は、パック収納時において容器本体底壁2の上面へ圧接するものとし、その基板43に穿設した小透孔25を通って短筒44内へ落下した粉末状化粧料が短筒44外方へ漏れないよう設けている。該機能を確実とするためには、蓋体下面から押下げ板を垂下させて該押下げ板が蓋体閉塞時にパックの平板部22外周を押下げるよう設けることが望ましい。
【0020】
その他の相違点として内容器体1bを、該内容器体の底壁内層形成部分2a外周から第1周壁内層形成部分3aを上外方へ球面状に外方へ弯曲させて起立し、その底壁内層形成部分2aの全体と、第1周壁内層形成部分3aの下半との各内面へ、粉末状化粧料をパフに付着させる際に滑り難いようにゴム等の薄板47を貼着しているが、該薄板は第1実施形態の場合も貼着することが望ましい。
【0021】
又平板部22に設けた粉末状化粧料流入透孔28はシール板48を嵌合させて閉塞している。
【0022】
パック21使用方法は、第1実施形態の場合とほぼ同様であが、該実施形態の場合は、パック収納時において短筒44内へ必要量の粉末状化粧料が入ることとなるから、パックを開くだけで短筒44内に入っていた粉末状化粧料が容器本体底壁上に残され、よって該化粧料を使用することが出来る。
【0023】
開放状態からパック21を容器本体内へ収納したとき、短筒44下端面は容器本体底壁に接し、その際の衝撃で短筒44内へ粉末状化粧料を必要量収納させることが出来る。又板バネ45はその弾性変形で短筒44下端面を容器本体底壁上面へ圧接させ、短筒内化粧料を短筒外方へ逸出させないから、パック内の粉末状化粧料が必要量を越えて容器本体内へ入ることはない。
【0024】
【発明の効果】
本発明は既述構成とするもので、化粧品充填パック21内の粉末状化粧料を、必要量だけ容器本体内へ落として、該容器本体内に落とした化粧料をパフ等に付着させて使用するよう設けたから、上記パック内の化粧料にはパフ等を押付けすることがなく、よってパック内化粧料が加圧されて変質等するおそれがない。
【0025】
又そのパック21は、蓋体を開閉自在に枢着させて閉蓋する容器本体内へ収納させるから、そのパック全体が加圧されてパック内化粧料に悪影響を及ぼすことがなく、又そのパック21は、容器本体第1周壁の上端一部へ枢着させて容器本体内へ収納させるから、又そのパックの底板に化粧料放出用の小透孔25を穿設するから、そのパック内化粧料を容器本体内へ放出することが容易であると共に、上記枢着部を中心としてパックを回動させることで上記小透孔は倒立状態にあるパックの上方側に位置することとなり、よって該パック倒立状態では小透孔から化粧料が漏れるおそれがなく、該状態で容器本体内の化粧料を使用することが出来る。又パック21は収納時に、小透孔25を有する底板24が容器本体底壁上面へ載置されるよう設けたから、このとき小透孔下面は底壁により閉塞されることとなり、パックを持ち上げない限り、パック内化粧料が漏出することがない。
【0026】
請求項2の場合のように、容器本体内面へ、ゴム等で設けた粉末化粧料滑り止め用の薄板47を貼着することで、その化粧料をパフ等へ付着させることが容易となる。
【0027】
請求項3のように容器本体を外容器体と内容器体とで形成し、蓋体は外容器体と、又パックは内容器体と枢着させることで、パック付きの内容器体と蓋体付きの外容器体内へ嵌合させて容器本体を形成でき、容器の組付けが容易となる。
【0028】
請求項4のようにパック上端外周の一部を容器本体第1周壁の左右いずれかの一方上端部へ枢着させることで、その枢着部を中心としてパックを回動させ、容器本体外方へ開いた状態で、そのパックが蓋体裏面の鏡使用の妨げになることがない。
【0029】
請求項5のようにパックを形成することで、パック収納時に各板バネ45が短筒44下面を容器本体底壁に圧接することとなり、その短筒が囲む底板部分に穿設した小透孔25を通って必要量の化粧料を短筒内へ入れることが出来、又該短筒内化粧料が短筒外方へ洩れることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明容器の前後方向縦断面図である。
【図2】図1容器の左右方向縦断面図である。
【図3】枢着部を中心として、図2が有する容器本体から化粧品充填パックを引上げた状態を示す、縦断面図である。
【図4】別実施形態で示す容器の左右方向縦断面図である。
【図5】図4要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
1…容器本体 11…蓋体
21…化粧品充填パック 41…骨格部分
42…張設シート 43…基板
Claims (5)
- 底壁2外周から第1周壁3を起立する容器本体1と、該容器本体上面を開閉自在に閉塞する蓋体11とを、各後部で蓋体11の起伏が自在に枢着させたコンパクト容器において、
上記容器本体内へ化粧品充填パック21を収納させて容器本体第1周壁の上端一部と上記パックの上端外周の一部とを枢着させ、
又蓋体開放時にあっては、上記枢着部分を中心とする回動によりパック21は起伏自在に形成し、
上記パック21は、容器本体の第1周壁3上面を開閉自在に閉塞する平板部22の外周部下面から有底の第2周壁23を垂下させて形成し、かつ該第2周壁の底板24には適当数の粉末状化粧料放出用の小透孔25を穿設し、又その底板24は容器本体底壁2の上面へ載置させたことを特徴とする化粧用コンパクト容器。 - 容器本体1の内面へ、ゴム等で設けた、粉末化粧料滑り止め用の薄板47を貼着した
ことを特徴とする請求項1記載の化粧用コンパクト容器。 - 容器本体1を、有底の外容器体1aと有底の内容器体1bとを重ね合せて形成し、
蓋体11後部は外容器体1a後部と枢着させると共に、パック21は内容器体1bの第1周壁内面を形成する内周壁3aの上端一部と枢着させて形成したことを特徴とする、請求項1又は2記載の化粧用コンパクト容器。 - パック21の上端外周の一部を、容器本体第1周壁3の左右いずれか一方の上端部へ枢着させたことを特徴とする、請求項1、2又は3記載の化粧用コンパクト容器。
- パック21の底板24と第2周壁23とが形成する容器状部分を、小さく設けた基板43の外周部下面から短筒44を垂下すると共に、基板外周から上外方へ放射状に板バネ45を突出し、かつ板バネ先端を大径リング46へ接続させた硬質合成樹脂製の骨格部41と、
該骨格部内面へ張設した、軟質合成樹脂製のシート42とで形成し、
上記短筒が囲む部分に小透孔25を穿設し、又短筒下端面を容器本体底壁2の上面へ圧接させたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の化粧用コンパクト。
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JP30130799A Expired - Fee Related JP4453851B2 (ja) | 1999-10-22 | 1999-10-22 | 化粧用コンパクト容器 |
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-
1999
- 1999-10-22 JP JP30130799A patent/JP4453851B2/ja not_active Expired - Fee Related
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