JP4453395B2 - 癌治療に適した体外循環カラム使用方法 - Google Patents

癌治療に適した体外循環カラム使用方法 Download PDF

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本発明は、血液中に過剰に存在すれば免疫の大幅な低下を招き、癌の形成が促進されるTGFβや免疫抑制酸性蛋白などの腫瘍免疫抑制物質を除去するための体外循環カラムの使用方法に関する。
医学の発達した今日でも、依然として日本人の主な死亡原因の一つが癌である。その原因は患者には手術で取りきれない癌細胞が存在するためであり、その排除のため抗癌剤治療や放射線治療が行われてきた。しかし、患者の血中には免疫を抑制する物質が存在するためこれらの作用が妨げられている。また、これらの治療は正常細胞をも傷害するため投与量や放射量に限界があるので、患者の生命を維持しつつ癌細胞を完全に除去することができない。
そこで、血漿交換によって免疫抑制酸性蛋白や癌胎児性抗原などの免疫抑制物質を除去する試みや血漿をガラスビーズ製の吸着材で処理して免疫抑制物質を除去する試み(例えば、非特許文献1参照)が行われた。また、血漿交換と抗癌剤シクロホスファミドとの併用療法も試みられた(例えば、非特許文献2参照)。しかし、治療効果は十分ではなかった。その主たる理由としては吸着材の吸着能力が不足していたことと、使用方法が適正で無かったことが考えられる。
最近、腫瘍(癌)免疫抑制物質として免疫抑制酸性蛋白や癌胎児性抗原のほかにトランスフォーミング・グロウス・ファクター・ベータ(TGFβ)が重要であることが分かってきた。TGFβは、健康な人の血液中にも存在する蛋白質で免疫作用を調整する重要な物質であるが、癌の進行に伴って異常に増え、癌細胞の増殖を助けていると考えられる。TGFβは単独では分子量25000程度の蛋白質であるが、血中では他の蛋白質と結合して10万前後の分子量で存在する(潜在型TGFβ)ため、従来の吸着材では吸着除去が困難な物質である。
最近、疎水性リガンドを持つビーズのTGFβ吸着材(特許文献1参照)が提案された。しかし、これは分子量25000のリコンビナントTGFβを血清に加えて調製したモデル血清で材料をスクリーニングしたことにより見出された吸着材であり、また、分析値も通常の血清中にナノグラム/mL濃度で存在する潜在型TGFβの濃度に比較して著しく低いので、分子量25000の活性型TGFβに対する吸着材であろう。この吸着材は血液中に存在する分子量10万の潜在型TGFβに対し有効かどうかは疑問がある。
また、分子量の大きな腫瘍免疫抑制物質の除去には、理論上、血漿交換も有効であるが、原理的に除去効率が良くない上に、感染の危険が避けがたい本質的な欠点がある。
一方、進行した癌を腫瘍免疫抑制物質の除去だけで治すことは一般的に困難であり、そのため、抗腫瘍剤との組合せは不可欠である。
峠ら、「がん治療における血漿交換療法の意義」、Biotherapy、2巻、1988年、p1019−1028 西岡ら、「膜型血漿交換療法の担癌ラット腫瘍増殖抑制に与える影響−免疫化学療法との併用効果について−」、人工臓器、14巻、1985年、p361−365 特開2001−218840号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、一般的に普及可能であり、体外循環できる腫瘍免疫抑制性蛋白質吸着材カラムと抗悪性腫瘍剤との組合せ使用方法を提供し、ひいては癌の治療に役立てることを目的とする。
すなわち本発明は、腫瘍免疫抑制物質吸着材を充填した体外循環カラムの使用方法であって、抗悪性腫瘍剤を投与した後、もしくは抗悪性腫瘍剤と併用して、体外循環に使用することを特徴とする体外循環カラムの使用方法である。
本発明により、進行癌の治療または患者の延命およびクオリティ・オブ・ライフの向上が可能である。
続いて、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明で用いる抗悪性腫瘍剤としては、単独使用で抗腫瘍性を示す薬剤であれば良く、特に制限されない。具体例を挙げると、ゲムシュタビン、フルオロウラシル、テガフール、シタラビン、メトトレキセートなどで代表される代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤、シクロホスファミドで代表されるアルキル化剤、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、エトポシド、イリノテカン、ドセタキセル、パクリタキセルなどで代表されるアルカロイド系抗悪性腫瘍剤、ドキソルビシン、エピルビシン、ビラルビシン、ダウノルビシン、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、ペプロマイシン、ネオカルチノスタチン、ブレオマイシンなどで代表される抗生物質抗悪性腫瘍剤、ゲフィチニブなどで代表される酵素阻害性抗悪性腫瘍剤、シスプラチン、カルボプラチンなどがある。なかでも代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤が、アルキル化剤に認められるような発癌性が無く、且つ、骨髄などに対する毒性も低いので、好ましい。さらに、代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤のなかでもゲムシュタビンは、腫瘍細胞内での代謝が遅いために抗腫瘍効果が持続し、多くの固形腫瘍に対して抗腫瘍効果を示すので、特に、好ましい。
本発明における抗悪性腫瘍剤の好ましい投与方法としては、腫瘍の近くの組織に注射する方法、静脈に注射する方法、筋肉内に注射する方法、経口で投与する方法、腹腔内に投与する方法などがあり、特に制限はされないが、薬の特性に応じて適宜採用することが好ましい。投与量が少なすぎると、本発明の効果が低く、投与量が多すぎると、骨髄抑制などが起き、腫瘍免疫の誘導が抑制され、抗腫瘍効果が逆に低下してしまう。一般的には個々の抗悪性腫瘍剤に指定された適正投与量の100分の1以上2分の1以下の使用が望ましい。投与時期は体外循環治療に先だって行っても、体外循環の後でもかまわない。体外循環前に投与する場合、抗悪性腫瘍剤の投与は好ましくは体外循環治療の直前まで、好ましくは24時間から200時間前、より好ましくは24時間から100時間前に行われる。また、体外循環の後で、抗癌剤投与を行うことも効果的である。この場合は体外循環直後から、好ましくは体外循環治療の24時間から200時間後、より好ましくは24時間から100時間前後に行われる。なお、体外循環中に抗癌剤を投与することも可能であるが、その場合、カラム担体への抗癌剤の吸着性について考慮の上、実施することが好ましい。
本発明における腫瘍免疫抑制物質としては、前述のTGFβ(潜在型TGFβ)、免疫抑制酸性蛋白、癌胎児性抗原などがあるが、本発明の方法はTGFβ、特に潜在型TGFβを除去するのに適している。
本発明における腫瘍免疫抑制物質吸着材としては、潜在型TGFβで代表される腫瘍免疫抑制物質を血液中から吸着できるものであれば良く、特に制限されない。
腫瘍免疫抑制物質吸着材の具体例としては、比表面積が1グラム当たり0.1平方メートル以上であり、水不溶性担体に親水性アミン残基を結合しているものが挙げられる。水不溶性担体の具体例としてはポリスチレンで代表されるポリ(芳香族ビニル化合物)、ポリ(p−フェニレンエーテルスルホン)や−{(p−C6 4 )−C(CH32−(p−C6 4 )−O−(p−C6 4 )−SO2 −(p−C6 4 )−O−}n−(以下ユーデルポリスルホンと略記する)などで代表されるポリスルホン系重合体、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテル、ポリフェニレンサルファイドなどで、かつ、親水性アミンを固定化できるものがあげられる。親水性アミンを固定化するための反応性官能基としては、ハロメチル基、ハロアセチル基、ハロアセトアミドメチル基、ハロゲン化アルキル基などの活性ハロゲン基、エポキサイド基、カルボキシル基、イソシアン酸基、チオイソシアン酸基、酸無水物基などをあげることができるが、とりわけ、活性ハロゲン基、中でも、ハロアセチル基は、製造が容易な上に、反応性が適度に高く、親水性アミンの固定化反応が温和な条件で遂行できると共に、この際生じる共有結合が化学的に安定なので好ましい。さらに具体的な例としては、クロルアセトアミドメチルポリスチレン、クロルアセトアミドメチル化したユーデル・ポリスルホン、クロルアセトアミドメチル化したポリエーテルイミドなどがあげられる。
さらに、親水性アミンの具体例としてはトリメチルアミン、トリエチルアミン、N、N−ジメチルブチルアミン、N、N−ジメチルヘキシルアミン、N、N−ジメチルオクチルアミン、N−メチル−N−エチル−プロピルアミンなどがあげられる。本発明における親水性アミン残基の結合の密度は、水不溶性重合体の化学構造および用途により異なるが、少なすぎるとその機能が発現しない傾向にあり、一方、多すぎると、固定化後の重合体の物理的強度が悪くなり、吸着材としての機能も下がる傾向にあるので、該密度は水不溶性重合体の繰り返し単位あたり0.01〜2.0モル、より好ましくは0.1〜1.0モルが良い。ここで言う親水性アミン残基の結合の密度は、イオン交換樹脂のイオン交換容量測定方法で求めることが出来る。即ち、吸着材1gをカラムに詰め、1M水酸化ナトリウム水溶液50mLを流し、次に、水を流し、溶出液がフェノールフタレインで赤くならなくなるまで、洗浄する。これに10mLの1M塩酸を流し、さらに、300mLの水を流し、溶出した酸の量を0.5M水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定する。10ミリモルから中和に要したアルカリ量を差し引いたものが親水性アミン残基の量であり、これを吸着材1gに含まれる繰り返し単位で割ることにより親水性アミン残基の結合の密度を求めることが出来る。
本発明で用いる吸着材の表面積は吸着材1グラム当たり0.1平方メートル以上であることが好ましく、より好ましくは、1平方メートル以上である。ただし無限に大きくはできないので、実際上、限界があり、100平方メートル以下が好ましい。この表面積は窒素ガス吸着法(BET法)で求めることができる。
本発明で用いる吸着材は、親水性アミン残基を結合した水不溶性重合体を膜、繊維、粒状物またはこれらの組み立て品に成型するか、あるいは親水性アミン残基を結合した水不溶性重合体を、膜、繊維、粒状物のいずれかの基材に被覆せしめるか、あるいは水不溶性重合体の膜、繊維等の成型品に親水性アミンを結合させるか等により得ることができる。
親水性アミン残基を結合した水不溶性担体の成型品は、水不溶性重合体の成型品に親水性アミンの溶液を接触させる不均一系反応で調製できる。一例としては、ポリプロピレンで補強されたクロルアセトアミドメチル化ポリスチレン繊維をN,N−ジメチルヘキシルアミンのジメチルホルムアミド溶液もしくはイソプロパノール溶液中に浸し、40〜100℃の温度で反応させることにより、容易に調製できる。
腫瘍免疫抑制物質吸着材を充填した体外循環カラムの作製は、例えば綿状、筒編み状、フェルト状の腫瘍免疫抑制物質吸着材を、空隙容積が200mL程度以下になるようにして、適度の大きさの円筒形のカラムに詰めることで達成できる。 体外循環の基本的な実施方法としては、採血用穿刺カテーテル、抗凝固剤を連続的に投与するための輸液ポンプを接続したドリップチャンバー、血液ポンプ、ドリップチャンバー、本発明の吸着カラム、ドリップチャンバー、返血用穿刺カテーテルの順に適度の太さのチューブを用いて連結し、体外循環回路を作製し、これに血液を流すことで行うことが出来る。採血および返血は大腿や腕の動脈もしくは静脈に穿刺して行う。大型の哺乳動物に対しては通常、血液透析器や吸着型血液浄化器のために市販されている体外循環装置と血液回路を使用することができる。体外循環の時間は10分から300分間、通常、30分から120分間行われるのが好ましい。体外循環の際に用いる抗凝固剤には特に制限はなく、ヘパリンやフサンなどが用いられる。
本発明の使用方法による治療では、抗癌剤(抗悪性腫瘍剤)の使用量が少なくて済むので、副作用が少ない利点がある。さらに、患者のQOLを低下させない利点がある。
以下、実験例により本発明をさらに具体的に説明する。
なお、本実施例中の評価方法は、以下に従った。
1.腫瘍体積の測定
ノギスを用いて、腫瘤の最も長い径(長径)を測定し、それに法線方向の長さ(短径)を測定し、長径×短径×短径×0.5を腫瘍体積とした。
2.比表面積の測定
日本ベル(株)製高精度全自動ガス吸着装置「BELSORP 36」を用いて、100℃で脱気前処理の後、窒素ガス、77Kの吸着等温線を求めた。該等温線にBET多分子層吸着理論を適用して比表面積を求めた。
3.実施例
(水不溶性担体)
36島の海島複合繊維であって、島が更に芯鞘複合によりなるものを次の成分を用いて、紡糸速度800m/分、延伸倍率3倍の製糸条件で得た。
島の芯成分;ポリプロピレン
島の鞘成分;ポリスチレン90%、ポリプロピレン10%
海成分;5−ナトリウムスルホイソフタル酸を3%共重合したポリエチレンテレフタレート
複合比率;芯:鞘:海=40:40:20。
上記で得られた三成分複合繊維を苛性ソーダ水溶液中で加熱して、海成分を溶解し、芯鞘型のポリプロピレン補強ポリスチレン繊維とし、直径4μmの原糸1を得た。
(中間体)
ニトロベンゼン600mLと硫酸390mLの混合溶液にパラホルムアルデヒド3gを20℃で溶解した後、0℃に冷却し、75.9gのN−メチロール−α−クロルアセトアミドを加えて、5℃以下で溶解した。これに10gの上記で調製した原糸1を浸し、室温で2時間静置した。その後、繊維を取りだし、大過剰の冷メタノール中に入れ、洗浄した。繊維をメタノールで良く洗った後、水洗し、乾燥して、15.0gのポリプロピレン補強α−クロルアセトアミドメチル化ポリスチレン繊維(中間体1)を得た。
(親水性アミンの不均一系反応による固定)
N,N−ジメチルヘキシルアミン50gとヨウ化カリウム8gを360mLのDMFに溶かした溶液に5gの中間体1を浸し、85℃のバス中で3時間加熱した。繊維を1モル/L濃度の食塩水に浸漬した後、水洗し、真空乾燥して、7.3gのジメチルヘキシルアンモニウム化繊維(腫瘍免疫抑制物質吸着材)を得た。0.40gの前記腫瘍免疫抑制物質吸着材を内径1cm内容積2mlのポリプロピレン製円筒形カラムに充填して、癌治療用体外循環カラムを調製した。
(担癌ラットの調製)
12週令のWKAH:Hkmラット(雄)の背部皮下に4−ジメチルアミノアゾベンゼン誘発肝癌細胞KDH−8{矢野 諭、北海道医誌、68巻5号、654−664(1993)}を1×106個接種した。癌細胞は100%の確率で生着した。(通常、接種1週間後から腫瘍が大きくなり、接種後5.5週間で死亡する。)
[抗癌剤投与後体外循環]
(抗癌剤投与)
癌細胞接種1週間後(ラット体重:400〜430g)、0.6mgの塩酸ゲムシタビン(株式会社日本イーラーリリー社、注射用を生理食塩水に溶解し、20mg/mLとして使用)を腫瘍の近くに注射した。
(体外循環治療)
癌治療用体外循環カラムは体外循環前に1000単位のヘパリンナトリウムを含む生理食塩水で予備洗浄し、さらに500mLの生理食塩水で洗浄して用いた。
KDH細胞接種2週間後のラットに、抗癌剤投与した2日後に体外循環治療を行った。大腿動脈から採血し、癌治療用体外循環カラムを通した後、大腿静脈に返血する回路を作製し、2ml/minの血流で、1時間、体外循環した。体外循環中はヘパリンナトリウム注射液(武田薬品工業(株))を200U/hの速度で持続注入した。
6匹の治療を行い、癌細胞接種後の腫瘍体積を測定して、実施例1〜6の結果(表1)を得た。無治療群6匹(比較例1〜6)を表2に示した。抗癌剤を投与したが、体外循環治療をしなかった比較例7〜12を表3に示す。
Figure 0004453395
Figure 0004453395
Figure 0004453395
表1(実施例1〜6)は塩酸ゲムシュタビン投与後2日目にDHP治療をしたもので、実施例1と2では腫瘍が完全に消失した。実施例3〜6でも、無治療の比較例1〜6(表2)と比べ、腫瘍増殖速度は強く抑えられていることが分かる。比較例7〜12(表3)は塩酸ゲムシュタビン投与後、DHP治療をしなかった場合で、抑制効果は1週間目(14日目)までは認められるものの、その後は無治療群と差がないことが表2と表3の比較から分かる。これに対し、実施例では腫瘍の増殖が強く抑制されており、三分の一が完治した。
[体外循環後抗癌剤投与]
(体外循環カラム)
実施例1に対応した繊維を不織布としたものを0.40g、内径1cm、内容積2mLのポリプロピレン製円筒形カラムに充填して、癌治療用体外循環カラムを調製した。
(抗癌剤投与)
癌細胞接種1週間後(ラット体重:400〜430g)、0.6mgの塩酸ゲムシタビン(株式会社日本イーライリリー社、注射用を生理食塩水に溶解し、20mg/mLとして使用)を腹腔内に注射した。
(体外循環治療)
癌治療用体外循環カラムは体外循環前に1000単位のヘパリンナトリウムを含む生理食塩水で予備洗浄し、さらに500mLの生理食塩水で洗浄して用いた。
体外循環治療を行った。大腿動脈から採血し、癌治療用体外循環カラムを通した後、大腿静脈に返血する回路を作製し、2mL/minの血流で、1時間、体外循環した。体外循環中はヘパリンナトリウム注射液(武田薬品工業(株))を200U/hの速度で持続注入した。2日後抗癌剤を投与した。
6匹の治療を行い、癌細胞接種後の腫瘍体積を測定して、実施例7〜12の結果(表4)を得た。
比較例7〜12(表3)との比較から、治療効果が認められることがわかった。
Figure 0004453395

Claims (5)

  1. 潜在型トランスフォーミング・グロウス・ファクター・ベータを吸着する、水不溶性担体に親水性アミン残基を結合した腫瘍免疫抑制物質吸着材が充填され、
    前記親水性アミン残基は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン及びN−メチル−N−エチル−プロピルアミンからなる群から選択されるアミン残基であり、
    前記腫瘍免疫抑制物質吸着材は、比表面積が1グラム当たり0.1〜100平方メートルである、
    抗悪性腫瘍剤の投与を伴う患者の血液を体外循環するために使用する、抗悪性腫瘍剤との併用療法用の体外循環カラム。
  2. 前記抗悪性腫瘍剤は、前記血液を体外循環する前後24〜100時間の範囲で投与される、請求項1記載の体外循環カラム。
  3. 前記抗悪性腫瘍剤は、代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤である、請求項1または2記載の体外循環カラム。
  4. 前記代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤は、ゲムシュタビンである、請求項3記載の体外循環カラム。
  5. 抗悪性腫瘍剤を投与する投与ステップと、
    請求項1〜のいずれか一項記載の体外循環カラムで、ヒト以外の動物の血液を体外循環する体外循環ステップと、
    を備える、体外循環カラムの使用方法。
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