JP4452986B2 - 測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、測定装置に関する。
従来、基板の孔部に対して圧入接続するようにした、いわゆるプレスフィット端子において、基板に対する保持力を測定するための装置の一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。このものでは、試験用の基板に圧入部を実装してその保持力を測定するようにしている。
実開平3−23330号公報
上記したものでは、試験用の基板に圧入部を実装するようにしているため、測定する度に端子金具と基板とを共に交換する必要があり、コスト高となっていた。また上記した測定装置では、圧入部を孔部に対して挿入する作業を行うため、相互の変形が常に一定になるとは限らず、従って測定値にばらつきが生じ易く、精度の高い測定値を得るのが困難であった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、低コストで且つ精度の高い測定値が得られる測定装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、プレスフィット端子における圧入部を基板の孔部に対して圧入すると、圧入部が押し潰されるとともに孔部が押し拡げられることで圧入部が保持されるようになっており、このときの抗力を求めることを目的としたものであって、前記圧入部をその軸線方向とほぼ直交する方向から挟み込むように相対変位可能とされ、目標位置に達したときに前記孔部の孔径に相当する間隔を有する代替孔部を形成可能な一対の治具と、前記治具の変位量を測定するための変位量測定手段と、前記治具を前記圧入部に接近させるときに圧入部から治具に作用する荷重を測定するための荷重測定手段と、前記基板の孔部を押し拡げるのに必要な荷重とその押し拡げられた孔径とを記した基板用データテーブルを記憶する記憶部と、測定した荷重と、測定した治具の変位量から得た両治具間の孔径とを端子用データテーブルに記すとともに、その端子用データテーブルと前記基板用データテーブルとの一致点における荷重を演算する演算部とを備えている構成としたところに特徴を有する。
ここで、抗力とは、圧入状態で基板の孔部に対して鉛直方向と直交する方向に作用する力のことであり、圧入部の抜け止めに関与する力である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記両データテーブルの一致点における荷重が記憶部に記憶させておいた、前記プレスフィット端子の良否を判定するための判定基準領域内にあるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を作業者に知らせるための報知手段とを備えているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記判定手段は、測定した荷重が両治具間の孔径の減少に伴って常に増加しているか否かについても判定するようになっているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項2または請求項3に記載のものにおいて、前記報知手段は、判定結果を表示可能な表示部により構成されているところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記表示部には、前記端子用データテーブルに基づいて作成した端子特性グラフや前記基板用データテーブルに基づいて作成した基板特性グラフや判定基準領域の少なくともいずれか1つが表示可能とされているところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のものにおいて、前記治具は、前記目標位置に達したときに前記孔部の孔径における公差の最大値に相当する間隔を有する代替孔部を形成可能な大径治具と、目標位置に達したときに孔部の孔径における公差の最小値に相当する間隔を有する代替孔部を形成可能な小径治具との少なくとも2種類のものからなり、これらが相互に交換可能に備えられているとともに、前記基板用データテーブルは、始点における孔径を前記最大値とした大径データテーブルと、始点における孔径を前記最小値とした小径データテーブルとの少なくとも2種類のものが備えられており、前記演算部では、選択した治具に適合した基板用データテーブルと、測定した端子用データテーブルとの一致点における荷重を演算するようにしたところに特徴を有する。
請求項7の発明は、請求項6に記載のものにおいて、前記各治具を収容可能な収容室を備えた治具収容箱と、各治具に対応して設けられ、各治具が収容室に収容されているか否かを検出する治具検出手段と、治具検出手段からの検出信号に基づいて、収容室から取り出した治具と、作業者が選択した基板用データテーブルとが適合しているか否かを照合する照合手段とを備え、照合手段による照合結果が適合していた場合にのみ演算部が測定処理を開始するようになっているところに特徴を有する。
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のものにおいて、前記治具を変位させるための動力源がパルスモータとなっているものであって、前記変位量測定手段は、前記パルスモータに付与したパルス数を計測し、そのパルス数から前記治具の変位量を得るようにしたところに特徴を有する。
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のものにおいて、前記両治具間には、前記目標位置に達したときに逃がし空間を確保されるようになっているところに特徴を有する。
請求項10の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のものにおいて、前記治具が、固定側治具と、固定側治具に対して接離するよう相対変位可能な可動側治具とから構成されているものにおいて、前記プレスフィット端子を保持可能とされるとともに、前記可動側治具の変位動作に連動してプレスフィット端子を変位させることが可能な端子保持部が備えられているところに特徴を有する。
請求項11の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のものにおいて、前記治具は、前記目標位置に達したときに前記孔部の孔径における公差の最大値に相当する間隔を有する代替孔部を形成可能な大径治具と、目標位置に達したときに孔部の孔径における公差の最小値に相当する間隔を有する代替孔部を形成可能な小径治具との少なくとも2つを一体に備え、前記代替孔部を少なくとも2つ形成可能とされているとともに、前記基板用データテーブルは、始点における孔径を前記最大値とした大径データテーブルと、始点における孔径を前記最小値とした小径データテーブルとの少なくとも2種類のものが備えられており、前記演算部では、選択した治具に適合した基板用データテーブルと、測定した端子用データテーブルとの一致点における荷重を演算するようにしたところに特徴を有する。
請求項12の発明は、請求項11に記載のものにおいて、前記治具は、前記基板の仕様などの条件に対応して複数備えられており、各治具を収容可能な収容室を備えた治具収容箱と、各治具に対応して設けられ、各治具が収容室に収容されているか否かを検出する治具検出手段と、治具検出手段からの検出信号に基づいて、収容室から取り出した治具と、作業者が選択した基板用データテーブルとが適合しているか否かを照合する照合手段とを備え、照合手段による照合結果が適合していた場合にのみ演算部が測定処理を開始するようになっているところに特徴を有する。
請求項13の発明は、請求項7または請求項12に記載のものにおいて、前記治具と前記収容室とには、適合した組み合わせだった場合には互いに嵌合可能とされることで治具の収容を許容する一方、誤った組み合わせだった場合には嵌合不能とされることで治具が正規に収容されるのを規制可能な識別凹凸手段が設けられているところに特徴を有する。
請求項14の発明は、請求項11ないし請求項13のいずれかに記載のものにおいて、前記治具における前記各代替孔部のいずれか1つに対応する位置に前記プレスフィット端子がセットされるとともに、このプレスフィット端子を検出するための端子検出手段が設けられており、この端子検出手段からの検出信号に基づいて、プレスフィット端子がセットされた位置に対応する代替孔部と、作業者が選択した前記基板用データテーブルとが適合しているか否かを照合する照合手段が設けられるとともに、この照合手段による照合結果が適合していた場合にのみ演算部が測定処理を開始するようになっているところに特徴を有する。
請求項15の発明は、請求項1ないし請求項14のいずれかに記載のものにおいて、前記治具を前記圧入部に接近させて圧入部を押し潰した後、前記治具を離間方向へ相対変位させるようにしたものであって、前記治具を離間方向へ相対変位させる際にも、前記変位量測定手段により治具の変位量を測定するとともに、前記荷重測定手段により荷重を測定するようにし、荷重がほぼ0になるまでの治具の変位量を演算するようにしたところに特徴を有する。
請求項16の発明は、請求項15に記載のものにおいて、前記治具の変位量が、記憶部に記憶させておいた前記プレスフィット端子の良否を判定するための判定基準領域内にあるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を作業者に知らせるための表示部とを備えているところに特徴を有する。
請求項17の発明は、請求項1ないし請求項16のいずれかに記載のものにおいて、前記治具を前記圧入部に接近させて圧入部を押し潰した後、前記治具を離間方向へ相対変位させるようにしたものであって、前記治具を前記圧入部に対して接近・離間させる動作を繰り返し行うとともに、そのときの荷重と治具の変位量から得た両治具間の孔径とを端子用データテーブルに記すようにし、且つその端子用データテーブルに基づいて作成した端子特性グラフを表示部に表示するようにしたところに特徴を有する。
請求項18の発明は、請求項15ないし請求項17のいずれかに記載のものにおいて、前記基板用データテーブルと前記端子用データテーブルとを、測定過程において随時に比較し、その結果一致点に達した時点で前記治具を離間方向へ相対変位させるようにしたところに特徴を有する。
請求項19の発明は、請求項11ないし請求項18のいずれかに記載のものにおいて、前記治具が、固定側治具と、固定側治具に対して接離するよう相対変位可能な可動側治具とから構成されているものにおいて、前記プレスフィット端子を保持可能とされるとともに、前記可動側治具の変位動作に連動してプレスフィット端子を変位させることが可能な端子保持部が備えられているところに特徴を有する。
請求項20の発明は、請求項10または請求項19に記載のものにおいて、前記端子保持部は、前記可動側治具の変位動作に連動可能な可動部に対して着脱可能とされており、装着された端子保持部をロック可能な端子保持部用ロック部材が備えられるとともに、その端子保持部用ロック部材がワンタッチ操作にて端子保持部に対するロックとロック解除とが可能とされているところに特徴を有する。
請求項21の発明は、請求項1ないし請求項20のいずれかに記載のものにおいて、前記治具を取付状態に保持可能な治具用ロック部材が備えられるとともに、その治具用ロック部材がワンタッチ操作にて治具に対するロックとロック解除とが可能とされているところに特徴を有する。
請求項22の発明は、請求項11ないし請求項21のいずれかに記載のものにおいて、前記治具を変位させるための動力源がパルスモータとなっているものであって、前記変位量測定手段は、前記パルスモータに付与したパルス数を計測し、そのパルス数から前記治具の変位量を得るようにしたところに特徴を有する。
請求項23の発明は、請求項11ないし請求項22のいずれかに記載のものにおいて、前記両治具間には、前記目標位置に達したときに逃がし空間を確保されるようになっているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
両治具が代替孔部を形成する目標位置へ向けて互いに相対変位されると、圧入部がその軸線方向とほぼ直交する方向から両治具により挟み込まれる。その過程で、荷重測定手段により測定した荷重と、変位量測定手段により測定した治具の変位量から得た両治具間の孔径とを端子用データテーブルに記す。この端子用データテーブルと記憶部の基板用データテーブルとの一致点における荷重が得られる。このときの荷重は、押し潰された圧入部と押し拡げられた孔部とが同じ大きさになったときのものであり、つまり圧入部を孔部で保持しているときの抗力に相当している。この抗力は、圧入状態で基板の孔部に対して鉛直方向と直交する方向に作用する力のことであり、圧入部の抜け止めに関与する力である。
このように本発明は、圧入部の荷重を治具により測定するようにしたから、従来のように試験用の基板に圧入部を実装して保持力を計測するものと比較すると、試験用の基板を用意する必要がないので、低コスト化を図ることができる。また、圧入部をその軸線方向とほぼ直交する方向から一対の治具で挟み込むようにしたから、圧入部の変形を概ね一定にすることができ、もって従来と比べて精度の高い測定値を得ることができる。
<請求項2の発明>
測定したプレスフィット端子の良否を作業者が判定する必要がないので、作業性が良好なものとなる。
<請求項3の発明>
圧入部が適切に変形しているか否かについても判定することができる。例えば、荷重が途中で減少に転じた場合には、圧入部に座屈変形などが生じている可能性があるため、不良品として判定される。
<請求項4の発明>
判定結果を表示する表示部により作業者に知らせることができる。
<請求項5の発明>
判定結果に加えて、端子特性グラフや基板特性グラフや判定基準領域を表示することで、作業者に測定経緯及び判定経緯を知らせることができる。
<請求項6の発明>
孔部の公差範囲を考慮した正確な抗力を得ることができる。
<請求項7の発明>
取り出した治具と作業者が選択した基板用データテーブルとが不適合のまま測定する事態を防ぐことができる。
<請求項8の発明>
仮に変位量測定手段として、治具の変位に伴って圧縮可能なばねを設けるとともにそのばねの圧縮量から治具の変位量を得るようにした場合と比較すると、本発明では、ばねを圧縮することがなく、ばねの付勢力に抗する力を付与する必要がないから、抗力測定手段により得られる抗力の値を正確なものとすることができる。
<請求項9の発明>
仮に治具に塵などが付着した場合でも、その塵などは逃がし空間に配されることになるので、治具を確実に目標位置まで変位させることができる。これにより、抗力などの測定値の精度を高く保つことができる。
<請求項10の発明>
端子保持部によりプレスフィット端子を可動側治具の変位動作に連動して移動させることができる。
<請求項11の発明>
治具の取り付け・取り外し作業などを削減することができ、作業性を向上させることができる。
<請求項12の発明>
取り出した治具と作業者が選択した基板用データテーブルとが不適合のまま測定する事態を防ぐことができる。
<請求項13の発明>
治具を誤った収容室に収容する事態を防ぐことができる。
<請求項14の発明>
誤った代替孔部に対応する位置にプレスフィット端子をセットしたまま測定を開始するといった事態を防ぐことができる。
<請求項15の発明>
治具を離間方向へ相対変位させはじめてから、荷重がほぼ0になるまでの治具の変位量は、押し潰した圧入部が弾性復元した量にほぼ等しくなっている。従って、本発明により押し潰した圧入部の弾性復元量を得ることができる。
<請求項16の発明>
プレスフィット端子の良否を作業者が判定する必要がないので、作業性が良好となる。
<請求項17の発明>
表示部に表示された端子特性グラフのうち、圧入部に対して治具を接近・離間させた部分が互いに重なっていれば、圧入部の弾性が保たれていることが判る。つまり本発明によれば、圧入部の耐久性を知ることができる。
<請求項18の発明>
得られた圧入部の弾性復元量について、圧入部を基板の孔部に実装した状態と同等にすることができるから、実装時に近い弾性復元量の値を得ることができる。
<請求項19の発明>
端子保持部によりプレスフィット端子を可動側治具の変位動作に連動して移動させることができる。
<請求項20の発明>
外部にて端子保持部にプレスフィット端子を保持させた後に、端子保持部を装着することができるので、プレスフィット端子の取り付け・取り外し作業が簡便となる。その上、端子保持部が端子保持部用ロック部材によってワンタッチ操作で着脱することができるので、作業性が良好となっている。
<請求項21の発明>
治具の着脱作業を簡単に行うことができ、作業性に優れる。
<請求項22の発明>
仮に変位量測定手段として、治具の変位に伴って圧縮可能なばねを設けるとともにそのばねの圧縮量から治具の変位量を得るようにした場合と比較すると、本発明では、ばねを圧縮することがなく、ばねの付勢力に抗する力を付与する必要がないから、抗力測定手段により得られる抗力の値を正確なものとすることができる。
<請求項23の発明>
仮に治具に塵などが付着した場合でも、その塵などは逃がし空間に配されることになるので、治具を確実に目標位置まで変位させることができる。これにより、抗力などの測定値の精度を高く保つことができる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図11によって説明する。
まず、プレスフィット端子10は、図1(A)に示すように、基板Kの孔部Hに対して圧入可能な圧入部11を備えている。この圧入部11は、横長で且つ断面形状が略N字型をなす(図3を参照)とともに孔部Hに対して圧入されるのに伴って、図1(B)に示すように、孔部Hにより押し潰されて幅寸法W(図3に示す長辺側の寸法)を減少させつつ変形可能とされる。この圧入時に孔部Hは、圧入部11により押し拡げられて孔径dを増加させつつ変形可能とされる。そして、この測定装置では、圧入部11を孔部Hにより保持した状態における抗力を得るようにしている。この抗力は、圧入状態で基板Kの孔部Hに対して鉛直方向と直交する方向に作用する力のことであり、圧入部11の抜け止めに関与する力である。
この測定装置は、大まかには、圧入部11を治具21によって押し潰す試験を行う試験部20と、試験に用いる治具21を収容する治具収容箱30と、試験部20を制御などするコントロールユニット40とから構成されている。この測定装置では、孔部Hの公差範囲を考慮した3種類の治具21を用意しており、測定時にはこれら3種類の治具により、1つのロットから任意に選んだ複数本のプレスフィット端子10を測定してその良否を判定するようにしている。
[試験部20]
試験部20は、図2に示すように、圧入部11をほぼ水平方向(圧入部11の軸線方向とほぼ直交する方向)から挟み込むことが可能な一対の治具21を備えるとともに、台座部22と、台座部22に固定されるとともに一方の固定側治具21aを保持する固定部23と、他方の可動側治具21bを保持するスライドテーブル24と、スライドテーブル24に設けられるロードセル25と、台座部22に固定されるとともにスライドテーブル24を変位させるためのパルスモータ26と、固定部23に設けられるとともにプレスフィット端子10を着脱可能な状態に保持可能な端子保持部27とから構成されている。
治具21は、固定側治具21aに対して可動側治具21bがほぼ水平方向に沿って接離するようにして相対変位可能に装着される。この治具21の厚み寸法は、基板Kの厚み寸法とほぼ等しく設定されている。両治具21a,21bにおける対向面には、図3(A)に示すように、ほぼ半円弧形状の凹部21cが形成されており、可動側治具21bが図3(C)に示す位置に達すると両治具21a,21b間にほぼ円形の空間が確保されるようになっている。この空間の径寸法は、基板Kの孔部Hにおける孔径に相当する大きさとなっており、つまり両治具21a,21b間には孔部Hと同等の代替孔部28が形成可能とされる。測定時、可動側治具21bは、代替孔部28を形成する位置を目標位置として図3(A)に示す初期位置から変位されるようになっている。両治具21a,21bは、目標位置に達して代替孔部28を形成した状態において、互いの先端部21dが所定距離だけ離間する設定とされており、すなわち両治具21a,21bの先端部21d間には、逃がし空間29が確保されるようになっている。これにより、仮に両治具21a,21bの先端部21dに塵などが多少付着していた場合でも、可動側治具21bを代替孔部28を形成する目標位置まで確実に移動させることができるようになっている。また両治具21a,21bは、スライドテーブル24と固定部23に対してそれぞれ着脱可能な状態に保持可能とされる。
治具21は、孔部Hにおける標準の孔径d0に相当する間隔を有する代替孔部28を形成可能な標準径治具21Aと、孔部Hの孔径における公差範囲の最大値dmaxに相当する間隔を有する代替孔部28を形成可能な大径治具21Bと、孔部Hの孔径における公差範囲の最小値dminに相当する間隔を有する代替孔部28を形成可能な小径治具21Cとの3種類が用意されている(図4を参照)。3種類の各治具21A,21B,21Cには、互いに異なる色が着色されることで互いの識別が容易になっている。
端子保持部27は、図2に示すように、プレスフィット端子10のうち圧入部11よりも下側部分をほぼ水平方向から挟み込むようにして挟持可能とされ、圧入部11を上に向け且つその軸線をほぼ鉛直方向に向けた姿勢で保持できるようになっている。端子保持部27は、図示しないセルフアライニング機構によって固定部23に対してほぼ水平方向に沿って相対変位自在な状態に組み付けられている。従って、端子保持部27は、可動側治具21bによって圧入部11が押圧される動作に連動(追従)して可動側治具21bと同方向へ変位されるようになっている。この端子保持部27には、治具21に対してプレスフィット端子10をその軸線方向について位置決め可能な位置決め手段(図示せず)が備えられている。従って、プレスフィット端子10の成形時に圧入部11が正規位置に形成されていれば、基板Kの孔部Hに圧入部11を圧入したときと同様に、圧入部11を治具21により押し潰すことができる。なお測定時にはプレスフィット端子10は、圧入部11と端子保持部27に挟持される部分を除いて測定上不要な部位を切除しておく。
スライドテーブル24とパルスモータ26は、図示しない動力伝達機構を介して接続されており、パルスモータ26の回転がスライドテーブル24に伝達されることで、スライドテーブル24がほぼ水平方向に沿って図示左右に、つまり固定部23に対して接離するよう変位可能とされている。スライドテーブル24には、可動側治具21bが受ける力を測定可能なロードセル25が設けられている。これらパルスモータ26及びロードセル25は、後述するコントロールユニット40に接続されている。またパルスモータ26は、図示しない駆動回路から入力されるパルス信号に基づいて駆動するようになっている。
[治具収容箱30]
治具収容箱30は、図4に示すように、3種類の治具21A,21B,21Cを個別に収容可能な収容室31を3室備えている。各収容室31は、収容する治具21と適合した色が着色されていて、治具21を誤った収容室31に収容するような事態が防がれるようになっている。測定に際しては、治具収容箱30から所望の治具21を取り出し、その治具21を試験部20におけるスライドテーブル24や固定部23に対して装着するようにする。各収容室31内には、各治具21A,21B,21Cに対応したスイッチ32がそれぞれ個別に配設されており、各スイッチ32は、次述するコントロールユニット40に接続されている(図5を参照)。
[コントロールユニット40]
コントロールユニット40には、図5に示すように、信号処理をするCPU41と、データを記憶するメモリ42と、CPU41に指示を与えるオペレーション部43と、CPU41から入力された測定結果などを表示する表示部44とを備えている。
CPU41の制御としては、図6に示すように、まず治具収容箱30から取り出した治具21とオペレーション部43から呼び出したファイルとが適合しているかを照合し(ステップS1)、その後治具21により圧入部11を押し潰すとともに両治具21a,21b間の孔径と荷重(抗力)とを測定し(ステップS2)、最後に測定結果が判定基準を満たすかを判定するようにしている(ステップS3)。以下、各処理のフローチャートを詳しく説明する。
<照合処理>
図7に示すように、治具収容箱30において治具21を収容室31から取り出すと、その治具21に対応したスイッチ32からCPU41に信号が入力される(ステップS11)。一方、オペレーション部43を操作して所定のファイルを呼び出すと、そのファイルに対応した信号がCPU41に入力される(ステップS12)。なおこのファイルは、後の判定処理時に使用されるもので各治具21に対応したものが用意されており、その詳細は後述する。そして、CPU41では取り出した治具21と呼び出したファイルとが適合しているか否かを判定し(ステップS13)、その結果不適合だった場合には、表示部44にエラー表示(例えば「治具とファイルが不適合です」などの文字)がされるので(ステップS14)、治具21またはファイルを適切なものに換えた後再びスイッチ32からの信号とオペレーション部43からの信号とを照合する。そして、適合した場合には、照合処理を終えて次の測定処理に移る。また、治具21を2つ以上取り出した場合にもエラー表示をするようになっている。
<測定処理>
照合処理を終えたら、図8に示す測定処理を行う。パルスモータ26を駆動させて(ステップS22)、可動側治具21bを固定側治具21aへ接近させる。可動側治具21bが圧入部11に接触し始め(図3(B)を参照)、荷重が測定開始基準値F1を越えたら(ステップS23)、パルスモータ26に付与したパルス数から可動側治具21bの変位量を求めそれに基づいて演算した両治具21a,21b間の孔径dと、ロードセル25からの入力信号より演算した荷重Fとを端子用データテーブルに記録する(ステップS24)。そして、孔径dが目標値dp(代替孔部28を形成したときの孔径)に達したか否かを判定し(ステップS26)、その結果達していなかった場合には孔径dと荷重Fの記録を続ける。このとき、図9に示すように、端子用データテーブルの配列の1〜n番目までデータを書き込むようにする(ステップS21、ステップS25)。この端子用データテーブルについては、随時メモリ42に記憶させたり、また各データに基づいて端子特性グラフTGを作成して随時表示部44に表示させるようにしてもよい(図11を参照)。
そして、孔径dが目標値dpに達した場合には測定を終了し、パルスモータ26を一旦停止させてから測定時とは逆方向へ回転させることで可動側治具21bを初期位置まで戻して次のプレスフィット端子10の測定にそなえる(ステップS27)。この目標値dpは、使用した治具21が標準径治具21Aのときはd0であり、大径治具21Bのときはdmaxであり、小径治具21Cのときはdminとなっている(図11を参照)。なお、測定した荷重Fが想定上限値(例えばそれ以上の荷重が作用すると測定機器が損傷を受ける可能性がある値)を超えた場合には、パルスモータ26を自動停止するようにしてもよい。
<判定処理>
測定処理を終えたら、図10に示す判定処理を行う。判定処理では、測定結果を記録した端子用データテーブルを読み込むとともに(ステップS31)、基板Kの孔部Hを押し拡げるのに必要な荷重Fと、その押し拡げられた孔径dとの関係を予めCAE(computer aided engineering)により求めて作成した基板用データテーブル(図9を参照)を読み込み(ステップS32)、両データテーブルの一致点における荷重Fpを演算する(ステップS33)。
この基板用データテーブルは、始点における孔径を標準値d0とした標準径データテーブル(図11の基板特性グラフKG0を参照)と、始点における孔径を公差の最大値dmaxとした大径データテーブル(図11の基板特性グラフKGmaxを参照)と、始点における孔径を公差の最小値dminとした小径データテーブル(図11の基板特性グラフKGminを参照)との3種類のものがメモリ42に記憶されており、このうち大径データテーブルと小径データテーブルは、既述した照合処理時に選択する3種類のファイルにそれぞれ関連付けられている。詳しくは、大径治具用のファイルと標準治具用のファイルが大径データテーブルに、小径治具用のファイルが小径データテーブルにそれぞれ関連付けられている。つまり、照合処理時にファイルを選択することで、判定処理時に用いる基板用データテーブルを選択したことになっている。そして、この判定処理では、ファイルに関連付けられた(治具と対応した)基板用データテーブルを端子用データテーブルとの比較対象として読み込むようにしている(ステップS32)。これら両データテーブルの一致点は、両データテーブルをグラフ化した場合には、図11に示すように、両グラフTG,KGの交点となる。具体的には、測定に用いた治具21が標準径治具21Aだったときは、端子特性グラフTGaと基板特性グラフKGmaxとの交点となり、大径治具21Bだったときは、端子特性グラフTGbと基板特性グラフKGmaxとの交点となり、小径治具21Cだったときは、端子特性グラフTGcと基板特性グラフKGminとの交点となり、それぞれの一致点の荷重Fa,Fb,Fcが得られる。また標準径治具21Aにて測定したときに、端子特性グラフTGaと基板特性グラフKG0との交点における荷重についても得るようにすることもできる。なお各基板用データテーブルは、図11に示す通り孔径dの増加に伴って荷重Fが常に増加する傾向にある。また孔径の標準値d0は、基板Kを作成する際の加工誤差を含まない設定値、つまり作成時における孔径の目標値のことである。また基板用データテーブルは、CAE以外の方法(例えば実測)により求めるようにしても構わない。
そして、両データテーブルの一致点における荷重Fp(Fa,Fb,Fc)がメモリ42に記憶させておいた判定基準領域内にあるか否かを判定する(ステップS34)。具体的には、一致点における荷重Fpが判定基準領域の上限値Fmax以下で、且つ下限値Fmin以上であるかを判定する。その結果、判定基準領域外だった場合には、表示部44にNG表示(例えば「NG」などの文字)をして作業者に知らせる(ステップS36)。この判定基準領域は、プレスフィット端子10の圧入部11における幅寸法がその公差範囲の上限値Wmaxだったときの端子用データテーブル(図11の端子特性グラフTGmaxを参照)と、孔径が公差の最小値dminだったときの基板用データテーブル(同図基板特性グラフKGminを参照)との一致点における荷重の大きさを上限値Fmaxとし、圧入部11における幅寸法がその公差範囲の下限値Wminだったときの端子用データテーブル(同図端子特性グラフTGminを参照)と、孔径が公差の最大値dmaxだったときの基板用データテーブル(同図基板特性グラフKGmaxを参照)との一致点における荷重の大きさを下限値Fminとして定められる。つまり、仮に測定された荷重Fpが判定基準領域の上限値Fmaxを上回った場合は、圧入部11の抗力が過大となって基板Kに割れなどが生じるおそれがあり、逆に下限値Fminを下回った場合には、圧入部11の抗力が不足して圧入部11に抜けなどが生じるおそれがある。
一致点の荷重Fpが判定基準領域内にあった場合は、続いて測定した荷重Fが孔径dの減少(可動側治具21bの変位量の増加)に伴って常に増加しているか否かについて判定する(ステップS35)。具体的には、所定の配列における荷重F(i)により、その次の配列の荷重F(i+1)を割ったときの値が1を越えているか否かを判定する。その結果、1より小さい、つまり荷重Fが減少していた場合には、表示部44にNG表示(例えば「NG」などの文字)をし(ステップS36)、1より大きい、つまり荷重Fが常に増加傾向にあれば表示部44にOK表示(例えば「OK」などの文字)をして作業者に知らせる(ステップS37)。なお、仮に測定した荷重Fが減少に転じていた場合には、圧入部11が座屈変形するなど不適切な変形が生じている可能性がある。以上のように表示部44にOK表示がなされれば、測定したプレスフィット端子10が良品であったことが分かり、NG表示がなされれば、測定したプレスフィット端子10が不良品であったことが分かる。なお、判定結果がNGだった場合には、例えばプレスフィット端子10の作成時に圧入部11の幅寸法を間違えて設定していたり、またプレスフィット端子10の材料を間違えているなどの可能性がある。特に本実施形態では、治具21の厚み寸法が基板Kの厚み寸法とほぼ等しく設定され、且つ端子保持部27の位置決め手段によりプレスフィット端子10を治具21に対して位置決めしていることから、判定結果がNGだった場合には、プレスフィット端子10における圧入部11の形成位置が正規位置から上下(軸線方向)にずれている可能性もある。
なお上記判定処理では、先に荷重Fが増加傾向にあるか否かを判定してから、一致点における荷重Fpが判定基準領域内にあるか否かについて判定するようにしても勿論構わない。また、図11に示すように、端子用データテーブルに基づいて端子特性グラフTG(TGa,TGb,TGc)を作成し、また基板用データテーブルに基づいて基板特性グラフKG(KG0,KGmax,KGmin)を作成して、それぞれ表示部44に表示するようにすることができ、その要否についてはオペレーション部43を操作することで適宜に制御できるようになっている。
以上説明したように本実施形態によれば、圧入部11の荷重(抗力)を治具21により測定するようにしたから、従来のように試験用の基板に圧入部を実装して保持力を計測するものと比較すると、試験用の基板を用意する必要がないので、低コスト化を図ることができる。また治具21を用いることで、従来と比べて精度の高い測定値を得ることができる。
またメモリ42に判定基準領域を記憶させ、CPU41にて基板用データテーブルと端子用データテーブルとの一致点における荷重Fpが判定基準領域内にあるか否かを判定し、さらに判定結果を表示部44に表示して作業者に知らせるようにしたから、測定したプレスフィット端子10の良否を作業者が判定する必要がなく、作業性が良好なものとなる。またCPU41にて端子用データテーブルの荷重Fが孔径dの減少に伴って常に増加しているか否かについても判定するようにしたから、圧入部11が適切に変形しているか否かについても判定することができる。また表示部44により判定結果を作業者に目視により確認させることができる。また端子用データテーブルに基づいて作成した端子特性グラフTGや、基板用データテーブルに基づいて作成した基板特性グラフKGや、判定基準領域(上限値Fmax及び下限値Fmin)の少なくともいずれか1つを表示部44に表示することができるから、作業者に測定経緯及び判定経緯を知らせることができる。
また治具21として、孔部Hの孔径における公差の最大値dmaxに対応する大径治具21Bと、孔部Hの孔径における公差の最小値dminに対応する小径治具21Cとを用意するとともに、基板用データテーブルとして始点における孔径を孔部Hの公差の最大値dmaxとした大径データテーブルと、始点における孔径を孔部Hの公差の最小値dminとした小径データテーブルとを用意し、CPU41では選択した治具21に適合した基板用データテーブルと、測定した端子用データテーブルとの一致点における荷重Fpを演算するようにしているから、孔部Hの公差範囲を考慮した正確な抗力を得ることができる。さらには本実施形態では、上記2種類の治具21B,21C及び基板用データテーブルに加えて、孔部Hの孔径における標準値d0に対応した標準径治具21Aと、始点における孔径を標準値d0とした標準径データテーブルとを用意しているので、プレスフィット10端子及び基板Kを加工誤差が生じることなく作成できたときの抗力を得ることができる。
また治具収容箱30の収容室31に3種類の治具21を収容し、治具21が収容室31に収容されているか否かを個別のスイッチ32により検出するようにし、その検出信号に基づいて収容室31から取り出した治具21と、作業者が選択したファイル、すなわち基板用データテーブルとが適合しているか否かをCPU41にて照合し、その結果適合していた場合にのみ測定処理に移行するようにしているから、取り出した治具21と作業者が選択した基板用データテーブルとが不適合のまま測定する事態を防ぐことができるので、作業性を向上させることができる。
また可動側治具21bを変位させるための動力源をパルスモータ26とし、そのパルスモータ26に付与したパルス数を計測し、そのパルス数から可動側治具21bの変位量を得るようにしているから、仮に治具の変位に伴って圧縮可能なばねを設けるとともにそのばねの圧縮量から治具の変位量を得るようにした場合と比較すると、本実施形態ではばねを圧縮することがなく、ばねの付勢力に抗する力を付与する必要がないから、ロードセル25により得られる抗力の値を正確なものとすることができる。
また可動側治具21bが目標位置に達したときに、両治具21a,21b間に逃がし空間29が形成されるようにしたから、仮に治具21a,21bに塵などが付着した場合でも、その塵などは逃がし空間29に配されることになるので、可動側治具21bを確実に目標位置まで変位させることができる。これにより、抗力などの測定値の精度を高く保つことができる。またプレスフィット端子10を可動側治具21bの変位方向に沿って変位自在な端子保持部27にて保持することで、可動側治具21bの変位動作に連動してプレスフィット端子10を変位させることができる。
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図12ないし図31によって説明する。なおこの実施形態2では、上記した実施形態1と同様の構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
この測定装置は、図12及び図13に示すように、大まかにはコントロールユニット40の上面側に、試験部200と治具収容箱300とを載置して一体化した構成とされている。この測定装置では、基板Kの孔部Hの公差範囲を考慮した3種類の凹部210cA〜210cCを有する治具210を用いている。つまり、この実施形態2では、上記した実施形態1に示した標準径治具21Aと大径治具21Bと小径治具21Cとの3つを一体にし、3つの代替孔部280A〜280Cを形成可能な治具210を用いている。さらに、上記治具210として基板Kの仕様の違い(孔部Hの孔径の標準値d0の大きさや公差範囲の相違、また基板Kの材質の相違など)などに対応した4種類のものが用意してあり、それらが後述する治具収容箱300に収容されている。なお以下では各治具210を区別する場合には、各治具の符号210に添え字A〜Dを付し、区別せずに総称する場合には添え字を付さないものとする。
[試験部]
治具210は、試験部200における固定部23に取り付けられる固定側治具210aと、スライドテーブル24に取り付けられる可動側治具210bとから構成されている。固定側治具210aと可動側治具210bとの対向面には、図14(A)に示すように、大きさが異なるほぼ半円状をなす凹部210cA〜210cCが3つずつ幅方向(長手方向)に沿って並列して設けられており、両治具210a,210bが図14(B)に示す位置(目標位置)に達すると両治具210a,210b間にほぼ円形の空間、すなわち代替孔部280A〜280Cが3つ、ほぼ同時に形成されるようになっている。詳しくは、固定側治具210aと可動側治具210bとにおける同図中央位置には、孔部Hにおける孔径の標準値d0に相当する間隔を有する代替孔部280Aを形成可能な標準径凹部210cAが設けられ、その同図手前側には、孔部Hにおける公差範囲の最大値dmaxに相当する間隔を有する代替孔部280Bを形成可能な大径凹部210cBが設けられ、標準径凹部210cAの同図奥側には、孔部Hにおける公差範囲の最小値dminに相当する間隔を有する代替孔部280Cを形成可能な小径凹部210cCが設けられている。なお固定側治具210aと可動側治具210bとにおけるその他の構造や逃がし空間29については実施形態1と同様なので、説明を省略する。また図14では中央の標準径凹部210cAに圧入部11を配した場合のみを示し、他の2つの凹部210cB,210cCに配した場合の図示は省略する。
固定部23の上端部には、図15ないし図17に示すように、固定側治具210aを取り付けるための治具取付段部201が形成されており、その底面及び背面が固定側治具210aの対応する外面に当接可能とされる。治具取付段部201の図15に示す奥側には、固定側治具210aの側面に当接することで、固定側治具210aを幅方向について位置決め可能な位置決め部202が固定されている。治具取付段部201の上端には、固定側治具210aをロックするための治具用ロック部材203を挿通可能な挿通孔204aを有する支持部204が固定されている。そして、固定側治具210aの上面には、治具用ロック部材203が係止可能な係止凹部210eが設けられている。治具用ロック部材203は、支持部204の挿通孔204a内に上方から差し込まれた状態で固定される固定体203aと、固定体203a内を貫通するとともに固定体203aに対して相対変位可能な可動体203bとから構成されている。可動体203bは、その先端部が係止凹部210eから退避して固定側治具210aの着脱を許容する退避位置(図示せず)と、係止凹部210e内に進入して固定側治具210aを保持する係止位置とを上下に移動可能とされている。可動体203bは、図示しないばね部材によって常には係止位置側へ弾性的に付勢されるとともに、図示しない保持機構によって係止位置からの上下動が規制可能とされ、その保持状態は固定体203aに対して可動体203bを回動させることで、解除可能とされている。従って、固定側治具210aを着脱する作業は、治具用ロック部材203の可動体203bを回動させつつ引っ張るというワンタッチ操作によって容易に行うことができるようになっている。なお可動側治具210bについても固定側治具210aと同様の係止凹部210eが設けられており、スライドテーブル24にも固定部23側と同様の治具用ロック部材203などが設けられている。
端子保持部270は、図18(A),(B)に示すように、受け部材205と、受け部材205に対して圧入部11を押さえ付けるための押さえ部材206とを備えている。受け部材205のうち図示左側端部には、上方から押さえ部材206を対向状に取付可能な取付段部205aが形成されており、この取付段部205aには、押さえ部材206を保持するための取付ねじ270aが上方から螺合可能とされている。受け部材205における押さえ部材206との対向面のうち、取付ねじ270aよりも図示奥側部分には、プレスフィット端子10のうち圧入部11の下側部分(被保持部)を収容可能な端子取付溝205bが、3つ並列した状態で凹み形成されている。一方、押さえ部材206における各端子取付溝205bとの対向面には、各端子取付溝205bに向けて突出するとともにプレスフィット端子10の被保持部を押さえ付け可能な端子押さえ部206aが、3つ並列した状態で設けられている。各端子取付溝205b及び各端子押さえ部206aの配設位置(プレスフィット端子10の取付位置)は、図17に示すように、端子保持部270を試験部200に対して正規に取り付けた状態において、保持したプレスフィット端子10の圧入部11が治具210の各凹部210cA〜210cCに整合するような位置に設定されている。従って、各端子取付溝205b及び各端子押さえ部206aのうち中央位置のものが標準径凹部210cAに対応し、その図18(A)に示す手前側(図17では右側)のものが大径凹部210cBに対応し、図18(A)に示す最も奥側のものが小径凹部210cCに対応している。
受け部材205の側面のうち、取付ねじ270aよりも図18(A)に示す手前側部分には、押さえ部材206とは反対側から保持力調整ねじ270bを取り付け可能なねじ孔205cが開口して設けられている。保持力調整ねじ270bは、その先端部が押さえ部材206の側面のうち取付ねじ270aに対して各端子押さえ部206aとは反対側の部分に当接可能とされる。そして、保持力調節ねじ270bが押さえ部材206に対して接離するよう螺進・螺退されると、押さえ部材206が取付ねじ270aを中心にシーソー状に変位され、それに伴って各端子押さえ部206aが各端子取付溝205bに対して接離するように変位し、もってプレスフィット端子10を挟み付ける保持力の増減を調整できるようになっている。また受け部材205における各端子取付溝205bの側面を有する部分については、着脱が可能とされており、取り付けるプレスフィット端子10の被保持部の幅寸法に適合したものと交換できるようになっている。
上記した端子保持部270は、図15または図16に示すように、図示しないセルフアライニング機構(スプリングプランジャやベアリングなど)によって固定部23に対して可動側治具210bの接離方向に沿って相対変位可能な可動部207に取り付けられている。従って、端子保持部270及びプレスフィット端子10は、可動側治具210bに連動してその変位方向に沿って自在に変位可能とされる。可動部207における上記端子保持部270の下側には、端子保持部270に取り付けたプレスフィット端子10がどの端子取付溝205bに取り付けられたか(どの凹部210cA〜210cCに対応する位置に取り付けられたか)を検出するためのセンサ208が3つ並列して設けられている。センサ208は、投光部と受光部とを同じ位置に配した、いわゆる反射型光学センサであり、投光部及び受光部を上方へ向けた姿勢(投光・受光方向をプレスフィット端子10の軸心方向に沿わせた向き)に取り付けられるので、プレスフィット端子10の長さとは無関係にその有無を検出できるようになっている。
端子保持部270は、可動部207に対して着脱可能とされている。受け部材205における押さえ部材206と反対側の側面には、可動部207に設けられた端子保持部用ロック部材209が係止可能な係止凹部205dが設けられている。この端子保持部用ロック部材209は、既述した治具用ロック部材203とほぼ同様の構造で固定体209a及び可動体209bを有しており、その可動体209bをワンタッチ操作することで端子保持部270を容易に着脱することが可能となっている。なお端子保持部用ロック部材209の詳しい説明は治具用ロック部材203とほぼ同様なので省略する。
[治具収容箱]
治具収容箱300には、図12に示すように、各治具210A〜210Dを、それぞれの可動側治具210aと固定側治具210bとを対向させた状態で収容可能な収容室310A〜310Dが長手方向に沿って4室、並列して設けられている。各収容室310A〜310Dの底面には、図19に示すように、各収容室310A〜310D毎に異なる位置に識別凸部301が設けられるとともに、各治具210A〜210Dの下面には、適合する収容室310A〜310Dの識別凸部301を受け入れ可能な位置に識別凹部210fが形成されている。なおこれら識別凹部210f及び識別凸部301は、各治具210A〜210Dにおける固定側治具210aと可動側治具210bとに対応してそれぞれ一対ずつ設けられている(図19では片方の識別凹部210f及び識別凸部301のみを図示する)。従って、治具210A〜210Dと収容室310A〜310Dとが適合していれば、識別凸部301が識別凹部210fに嵌合することで正規に収容することができ、治具210A〜210Dと収容室310A〜310Dとが不適合だった場合には、識別凸部301と識別凹部210fとが不整合となり、治具210A〜210Dが識別凸部301によって押し上げられて正規に収容できないことをもって不適合が検知できるようになっている。なお各収容室310A〜310D内には、実施形態1と同様のスイッチ32がそれぞれ設けられており、詳しくは各収容室310A〜310D内に固定側治具210a用のものと、可動側治具210b用のものとが2つずつ設けられている。
[コントロールユニット]
コントロールユニット40は、図20に示すように、実施形態1と同様にCPU41、メモリ42、オペレーション部43、及び表示部44を備えており、このうちCPU41に対して試験部200のロードセル25及びセンサ208から、また治具収容箱300のスイッチ32からそれぞれ信号が入力可能とされている。またCPU41とパルスモータ26及びメモリ42との間で信号が入出力可能とされている。なおメモリ42内には、後述する各判定基準領域の基準値や基板用データテーブルなどが記憶されており、このうち基板用データテーブルについては治具210の種類、すなわち基板Kの仕様の種類毎に、標準径データテーブル、大径データテーブル及び小径データテーブルの3つあり、合計12個が用意されている。
CPU41の制御としては、図21に示すように、オペレーション部43によって予めファイルに入力しておいた初期条件に対し、治具収容箱300から取り出した治具210や端子保持部270におけるプレスフィット端子10の取付位置が適合しているかを照合する照合処理(ステップS10)と、初期条件に対応した測定処理(ステップS20)と、初期条件に対応した判定処理(ステップS30)とを順次に行うようになっている。ここで初期条件の具体的な項目としては、図22に示すように、続いて詳しく説明する治具210の種類、測定時の代替孔部280A〜280Cの孔径の目標値dp、測定方法、判定方法の4つがある。なお初期条件の判定方法において「判定を行わない」を選択した場合には、測定処理の後、判定処理を行わずに作業を終了するようになっている(ステップS40)。また初期条件を入力したファイルは、メモリ42内に記憶される。
<初期条件の説明>
治具210の種類は、既述した通り4種類あるので、そのうちのいずれか1つを選択しておく。すると、メモリ42内に記憶された基板用データテーブルのうち、選択した治具210に対応した3つの基板用データテーブル(標準径データテーブル、大径データテーブル及び小径データテーブル)がファイルに関連付けられる。
孔径の目標値dpは、孔径の標準値d0、孔径における公差範囲の最大値dmax、同公差範囲の最小値dmin、最大値dmaxと最小値dmin(測定は2回)、孔径の標準値d0と最大値dmaxと最小値dmin(測定は3回)、の5つのうちのいずれか1つを選択する。なお最大値dmaxと最小値dminを選択した場合は、以下の各処理において最大値dmaxを先に測定する設定とされ、また孔径の標準値d0と最大値dmaxと最小値dminを選択した場合は、最大値dmax、孔径の標準値d0、最小値dminの順に測定する設定とされている。またこの測定順序は、任意に変更可能である。
測定方法は、可動側治具210bを固定側治具210aから離間する方向へ変位させるタイミングとして可動側治具210bが目標位置に達したか否か、または荷重Fが想定上限値Flimに達したか否かを基準とする指定変位・指定荷重測定(実施形態1と同様の方法)と、可動側治具210bを固定側治具210aから離間する方向へ変位させるタイミングとして端子用データテーブルの荷重F及び孔径dと基板用データテーブルの荷重Fk及び孔径dkとが一致したか否かを基準とする一致点測定とがある。また可動側治具210bを固定側治具210aに対して接離させる動作を3回繰り返す往復測定がある。これら3つの測定方法のうちいずれか1つを選択する。なお往復測定を選択した場合には、次の判定方法では「判定を行わない」が自動的に選択される。また往復測定における往復回数については2回でも4回以上でも任意に変更可能である。
判定方法は、両データテーブルの一致点における荷重Fが判定基準領域内にあるか否かと、端子用データテーブルにおける荷重Fが孔径dの減少に伴って常に増加しているか否かとを基準とする抗力・変形判定(実施形態1と同様の方法)と、可動側治具210bを固定側治具210aから離間させる際の荷重Fを測定してその荷重Fが0付近(F1)に達するまでの可動側治具210bの変位量mが判定基準領域内にあるか否かを基準とする弾性復元量判定と、上記抗力・変形判定と弾性復元量判定とを併用する方法と、判定を行わない方法との4つがあり、このうちいずれか1つを選択する。このうち抗力・変形判定を選択した場合(弾性復元量判定と併用する場合も含む)には、孔径の目標値dpとして「最大値dmaxと最小値dmin」、若しくは「孔径の標準値d0と最大値dmaxと最小値dmin」のどちらかが選択されるようになっている。なお判定を行わない場合は、治具210の種類を選択することで関連付けられた基板データテーブルに基づく基板特性グラフKGが、測定した端子データテーブルに基づく端子特性グラフTGと共に表示部44に表示可能とされる。
上記した孔径の目標値dp、測定方法、及び判定方法を選択すると、選択した治具210に対応した3つの基板用データテーブルのうちのいずれか1つまたは2つの基板用データテーブルがファイルに関連付けられ、その関連付けられた基板用データテーブルが後の測定処理や判定処理において使用されるようになっている。詳しくは、判定方法にて抗力・変形判定を選択した場合には孔径の標準値d0と最大値dmaxが大径データテーブルに、最小値dminが小径データテーブルに関連付けられ、判定方法にて弾性復元量判定を選択した場合や測定方法にて往復測定を選択した場合には、孔径の標準値d0が標準径データテーブルに、最大値dmaxが大径データテーブルに、最小値dminが小径データテーブルにそれぞれ関連付けられる。なお抗力・変形判定と弾性復元量判定とを併用する場合は、孔径の標準値d0が大径データテーブルと標準径データテーブルとの双方に関連付けられる。
<照合処理>
図23に示すように、治具収容箱300の所定の収容室310A〜310Dから治具210(固定側治具210a及び可動側治具210bの双方)を取り出すと、その治具210に対応したスイッチ32からCPU41に信号が入力される(ステップS101)。詳しくは、このとき固定側治具210a用のスイッチ32と可動側治具210b用のスイッチ32との2つからそれぞれ信号が入力される。一方、CPU41には初期条件において設定した治具210の種類に基づく信号が入力される(ステップS102)。そして、CPU41では両入力信号が適合しているかを照合し(ステップS103)、その結果不適合だった場合(取り出した治具210と初期条件とが不適合な場合や、固定側治具210aと可動側治具210bのうち片方のみを取り出した場合)には表示部44にエラー表示をする(ステップS104)。その一方、試験部200の外部にて端子保持部270にプレスフィット端子10を保持させた後、その端子保持部270を試験部200に取り付けると、プレスフィット端子10の取付位置に対応したセンサ208からCPU41に信号が入力される(ステップS105)。その一方でCPU41には初期条件において設定した孔径の目標値dpに基づく信号が入力される(ステップS106)。そして、CPU41では両入力信号が適合しているかを照合し(ステップS107)、その結果不適合だった場合には表示部44にエラー表示(例えば「プレスフィット端子の取付位置が間違っています」など)をして作業者にやり直しを促すようにする(ステップS104)。いずれの照合結果にも適合していた場合には、次の測定処理に移る。
なおプレスフィット端子10の取付位置と孔径の目標値dpとを照合する際(ステップS107)には、初期条件にて孔径の目標値dpを最大値dmaxと最小値dminに設定した場合は、最初の測定で最大値dmaxが、2回目の測定で最小値dminが基準となり、また目標値dpを全てに設定した場合は、最初の測定で最大値dmaxが、2回目の測定で孔径の標準値d0が、3回目の測定で最小値dminが基準となる。また治具210の照合処理とプレスフィット端子10の照合処理はいずれを先に行うようにしても構わない。
<測定処理>
上記した実施形態1と同様に可動側治具210bを固定側治具210aへと接近させるのに伴って、測定される荷重Fと両治具210a,210b間の孔径dとを端子用データテーブルに記録していく(図24のステップS201〜S205、図25のステップS221〜S225、図26のステップS241〜S245)。
ここで初期条件の測定方法において指定変位・指定荷重測定を選択した場合には、図24に示すように、上記した実施形態1と同様に孔径dが目標値dpに達したか否か、または荷重Fが想定上限値Flimを超えたか否かを判定し(ステップS206)、いずれも満たしていなければ測定を継続し、いずれかを満たしていればパルスモータ26を一旦停止させてから、可動側治具210bを初期位置まで戻す(ステップS207)。ここで初期条件の判定方法において弾性復元量判定を選択したか否かを判定し(ステップS208)、選択していた場合には、可動側治具210bを固定側治具210aに対して離間させる過程における孔径dと、荷重Fとを端子用データテーブルに記録し(ステップS209,S210)、荷重Fがほぼ0(F1)に達するまで記録を続ける(ステップS211)。なお測定過程において端子用データテーブルを読み込んで端子特性グラフTGを随時に表示部44に表示することも可能である。
一方、初期条件の測定方法において一致点測定を選択した場合には、図25に示すように、可動側治具210bを固定側治具210aに接近させる過程で記録される孔径dと荷重Fとを、随時に基板用データテーブルの孔径dkと荷重Fkと比較する(ステップS226)。ここで使用される基板用データテーブルは、既述した初期条件において治具210の種類及び孔径の目標値dpを選択することで、そのファイルに関連付けられたものである。なお初期条件にて抗力・変形判定と弾性復元量判定とを併用する場合を選択し、且つ孔径の目標値dpを標準値d0として測定した場合には、使用される基板用データテーブルは標準径データテーブルとされる(図30(B)参照)。比較の結果、測定した孔径dが基板用データテーブルの孔径dkに、測定した荷重Fが基板用データテーブルの荷重Fkにそれぞれ一致したら、その時点からパルスモータ26を逆方向へ駆動させて可動側治具210bを初期位置へ向けて変位させる(ステップS227)。なおこの一致点測定においても、上記した指定変位・指定荷重測定の場合と同様に、弾性復元量判定を行うか否かを判定し(ステップS228)、行う場合は可動側治具210bを離間させる過程における孔径d、荷重Fとを端子用データテーブルに記録し(ステップS229,S230)、荷重Fがほぼ0(F1)に達するまで記録を続ける(ステップS231)。なお測定過程において端子用データテーブルを読み込んで端子特性グラフTGを随時に表示部44に表示することも可能である。
また、初期条件の測定方法において往復測定を選択した場合には、図26に示すように、既述した一致点測定と同様に測定過程における端子用データテーブルと基板用データテーブルとを随時に比較し(ステップS246)、一致点に達していればパルスモータ26を逆方向へ向けて駆動させる(ステップS247)。そして、可動側治具210bを固定側治具210aから離間させる過程においても、孔径dと荷重Fとを端子用データテーブルに記録し(ステップS248,S249)、測定した荷重Fがほぼ0(F1)に達するまで行う(ステップS250)。そして、可動側治具210bの往復回数が3回に達した否かを判定し(ステップS251)、達していれば測定処理を終える。上記測定過程において端子用データテーブルを読み込んで端子特性グラフTGを随時に表示部44に表示するか、若しくは測定処理を終えてから端子用データテーブルを読み込んで端子特性グラフTGを表示部44に表示するようにする。ここで、図27(A)に示すように、表示された端子特性グラフTGのうち往復部分X同士が互いに重なっていれば、圧入部11を繰り返し圧縮・開放したにも拘わらず圧入部11の弾性が保たれており、耐久性に優れていることが判る。逆に図27(B),(C)に示すように、端子特性グラフTGのうち往復部分X同士が互いに重ならないところがあり、荷重Fが減少していれば、圧入部11に塑性変形が生じるなどしていて耐久性に欠けることが判る。詳しくは、図27(B)に示すように往復部分X同士が一部のみ重なっている場合は、圧入部11の一部に塑性変形が生じるものの、その他の部分では圧縮・開放を繰り返しても弾性が保たれていると考えられる。また図27(C)に示すように往復部分X同士が全く重ならない場合は、圧縮・開放を繰り返す度に圧入部11の各部位に塑性変形が生じていると考えられる。なおこの往復測定を選択した場合は、既述した通り判定処理を行わずに作業を終了する(図21に示すステップS40)。
<判定処理>
初期条件の判定方法において抗力・変形判定を選択した場合には、上記した実施形態1と同様に読み込んだ両データテーブルの一致点における荷重Fpを演算し(図10のステップS31〜S33)、その荷重Fpが判定基準領域内にあるか否かを判定するとともに(図10のステップS34)、荷重Fが孔径dの減少に伴って常に増加しているか否かを判定するようにする(図10のステップS35)。なおここで使用する基板用データテーブルは、既述した初期条件において治具210の種類及び孔径の目標値dpを選択することで、そのファイルに関連付けられたものである。
ここで、抗力・変形判定において、表示部44に表示した端子特性グラフTGと基板特性グラフKGについて説明する。測定方法が指定変位・指定荷重測定だった場合、図28(A)に示すように、荷重Fpは、孔径の目標値dpを孔径の標準値d0とした端子特性グラフTG0では、大径データテーブルに基づく基板特性グラフKGmaxとの交点の荷重Faであり、孔径の目標値dpを公差範囲の最大値dmaxとした端子特性グラフTGmaxでは、大径データテーブルに基づく基板特性グラフKGmaxとの交点の荷重Fbであり、孔径の目標値dpを公差範囲の最小値dminとした端子特性グラフTGminでは、小径データテーブルに基づく基板特性グラフKGminとの交点の荷重Fcである。一方、測定方法が一致点測定だった場合、図28(B)に示すように、荷重Fpは、孔径の目標値dpを孔径の標準値d0とした端子特性グラフTG0では、大径データテーブルに基づく基板特性グラフKGmaxとの交点の荷重Faであり、孔径の目標値dpを公差範囲の最大値dmaxとした端子特性グラフTGmaxでは、大径データテーブルに基づく基板特性グラフKGmaxとの交点の荷重Fbであり、孔径の目標値dpを公差範囲の最小値dminとした端子特性グラフTGminでは、小径データテーブルに基づく基板特性グラフKGminとの交点の荷重Fcである。
一方、初期条件の判定方法において弾性復元量判定を選択した場合には、図31に示すように、まず端子用データテーブルを読み込む(ステップS301)。そして、可動側治具210bを固定側治具210a(圧入部11)から離間させ始めてから荷重Fがほぼ0(F1)に達するまでの間の可動側治具210bの変位量m(孔径の目標値dpが孔径の標準値d0のときはma、公差範囲の最大値dmaxのときはmb、公差範囲の最小値dminのときはmc)を演算する(ステップS302)。そしてその変位量mがメモリ42に記憶させた判定基準領域の下限値mmin以上で且つ上限値mmax以下であるか否かを判定する(ステップS303)。その結果、判定基準領域外だった場合には、表示部44にNG表示をし(ステップS304)、判定基準領域内だった場合にはOK表示を行うようにする(ステップS305)。このときの可動側治具210bの変位量mは、一旦押し潰した圧入部11が弾性復元する際の復元量に相当しているので、変位量mが判定基準領域の上限値mmax以上だった場合は、圧入部11の復元量が過剰であったことが判明し、変位量mが下限値mmin以下だった場合は、圧入部11の復元量が過小であり、圧入部11が塑性変形しているおそれがあることが判明する。
ここで、弾性復元量判定において、表示部44に表示した端子特性グラフTGと基板特性グラフKGについて説明する。測定方法が指定変位・指定荷重測定だった場合、図29(A)に示すように、変位量mは、孔径の目標値dpを標準値d0とした端子特性グラフTG0では、標準値d0と荷重がほぼ0になったときの孔径df0との差maであり、孔径の目標値dpを公差範囲の最大値dmaxとした端子特性グラフTGmaxでは、最大値dmaxと荷重がほぼ0になったときの孔径dfmaxとの差mbであり、孔径の目標値dpを公差範囲の最小値dminとした端子特性グラフTGminでは、最小値dminと荷重がほぼ0になったときの孔径dfminとの差mcである。一方、測定方法が一致点測定だった場合、図29(B)に示すように、変位量mは、孔径の目標値dpを標準値d0とした端子特性グラフTG0では、標準径データテーブルに基づく基板特性グラフKG0との交点の孔径dc0と荷重がほぼ0になったときの孔径df0との差maであり、孔径の目標値dpを公差範囲の最大値dmaxとした端子特性グラフTGmaxでは、大径データテーブルに基づく基板特性グラフKGmaxとの交点の孔径dcmaxと荷重がほぼ0になったときの孔径dfmaxとの差mbであり、孔径の目標値dpを公差範囲の最小値dminとした端子特性グラフTGminでは、小径データテーブルに基づく基板特性グラフKGminとの交点の孔径dcminと荷重がほぼ0になったときの孔径dfminとの差mcである。
また、初期条件の判定方法において抗力・変形判定と弾性復元量判定とを併用する方法を選択した場合には、図10に示すステップS35から図31に示すステップS301へと移行するような処理を行い、両方の判定方法においてOKだったものについてのみOK表示を行うようにすればよい。ここで、測定方法が指定変位・指定荷重測定だった場合は図30(A)に示すように、一致点測定だった場合は図30(B)に示すように、それぞれ各グラフ及び数値が表示部44に表示されるようになっている。なお、一致点測定を行った場合で、且つ孔径の目標値dpを標準径d0として測定した場合は、図30(B)に示すように、抗力・変形判定において使用する基板用データテーブルは大径データテーブルであり、端子特性グラフTG0と基板特性グラフKGmaxとの交点における荷重Faを判定するようにし、その一方、弾性復元量判定において使用する基板用データテーブルは標準径データテーブルであり、端子特性グラフTG0と基板特性グラフKG0との交点における孔径dc0と荷重がほぼ0になったときの孔径df0との差maを判定するようにする。
以上説明したように本実施形態によれば、治具210は、実施形態1に示した標準径治具21Aと大径治具21Bと小径治具21Cとの3つを一体に備えるとともに、目標位置に達したとき、孔部Hの孔径の標準値d0に相当する代替孔部280Aと、孔部Hにおける公差範囲の最大値dmaxに相当する代替孔部280Bと、孔部Hにおける公差範囲の最小値dminに相当する代替孔部280Cとの3つを形成可能とされているから、試験部200に対する治具210の取り付け・取り外し作業等を削減することができ、作業性を向上させることができる。
また基板Kの仕様などの条件に対応して治具210A〜210Dを4つ備えるとともに、これらの治具210A〜210Dを治具収容箱300の収容室310A〜310Dに個別に収容してその収容室310A〜310D内に設けたスイッチ32によって治具210の有無を検出するようにし、その検出信号に基づいて収容室210A〜210Dから取り出した治具210と、作業者がファイルに記した初期条件の治具210の種類、すなわち基板用データテーブルとが適合しているか否かをCPU41にて照合してその結果適合していた場合にのみ測定処理に移行するようにしているから、取り出した治具210が初期条件と合致しないまま測定する事態を防ぐことができる。さらには、各治具210A〜210Dに識別凹部210fを設けるとともに、各収容室310A〜310Dに識別凸部301を設けるようにし、治具210A〜210Dと収容室310A〜310Dとが適合した組み合わせだった場合には識別凸部301が識別凹部210fに嵌合されることで治具210A〜210Dの収容を許容し、間違った組み合わせだった場合には識別凸部301が識別凹部210fに嵌合不能となることで治具210A〜210Dが正規に収容されるのを規制するようにしたから、治具210A〜210Dを誤った収容室310A〜310Dに収容する事態を防ぐことができる。
またセンサ208によりプレスフィット端子10を検出するようにし、そのプレスフィット端子10の取付位置に対応する治具210の代替孔部280A〜280Cと、作業者がファイルに記した初期条件の孔径の目標値dp、すなわち基板用データテーブルとが適合しているか否かをCPUにて照合してその結果適合していた場合にのみ測定処理に移行するようにしているから、誤った代替孔部280A〜280Cに対応する位置にプレスフィット端子10をセットしたまま測定を開始するといった事態を防ぐことができる。
また弾性復元量判定では、治具210を圧入部11から離間する方向へ相対変位させる際にも孔径dと、荷重Fとを測定するようにし、荷重Fがほぼ0になるまでの変位量mを演算するようにしたから、押し潰した圧入部11が弾性復元する際の弾性復元量を得ることができる。しかも上記した治具210の変位量mがメモリ42に記憶させておいたプレスフィット端子10の良否を判定するための判定基準領域内にあるか否かをCPU41にて判定し、その結果を表示部44に表示するようにしたから、プレスフィット端子10の良否を作業者が判定する必要がなく、作業性が良好となる。さらには往復測定では、治具210を圧入部11に対して接近・離間させる動作を繰り返し行うとともに、そのときの荷重Fと治具210の変位量から得た両治具210a,210b間の孔径dとを端子用データテーブルに記すようにし、且つその端子用データテーブルに基づいて作成した端子特性グラフTGを表示部44に表示するようにしたから、その端子特性グラフTGのうち、圧入部11に対して治具210を接近・離間させた部分が互いに重なっていれば、圧入部11の弾性が保たれていることが判る。つまり圧入部11の耐久性を知ることができる。
また一致点測定と弾性復元量判定とを行う場合では、基板用データテーブルと端子用データテーブルとを、測定過程において随時に比較し、その結果一致点に達した時点で治具210を離間方向へ相対変位させるようにしたから、得られた圧入部11の弾性復元量について、圧入部11を基板Kの孔部Hに実装した状態とほぼ同等にすることができ、もって実装時に近い弾性復元量の値を得ることができる。
また端子保持部270にてプレスフィット端子10を保持するようにし、その端子保持部270が可動側治具210bの変位動作に連動可能な可動部207に対して着脱可能とされているから、試験部200の外部にて端子保持部270のプレスフィット端子10を保持させた後、その端子保持部270を試験部200に取り付けることができるので、端子保持部270を試験部200に固定した場合と比較すると、プレスフィット端子10の取り付け・取り外し作業が簡便となる。その上、装着した端子保持部270を端子保持部用ロック部材209にてロック可能とし、且つその端子保持部用ロック部材209がワンタッチ操作にて端子保持部270に対するロックとロック解除とが可能とされているから、端子保持部270の着脱作業の作業性が良好となっている。また取り付けた治具210を治具用ロック部材203にて保持するようにし、その治具用ロック部材203がワンタッチ操作にて治具210に対するロックとロック解除とが可能とされているから、治具210の着脱作業を簡単に行うことができ、作業性に優れる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記した各実施形態では、表示部において判定結果(OK表示、NG表示、エラー表示)以外に各グラフなどを表示する場合を示したが、判定結果のみを表示するようにしてもよい。また表示する文字については適宜に変更することができ、また文字以外の図柄などを表示するようにしてもよい。
(2)上記した各実施形態では、報知手段として表示部を例示したが、例えば異なる2種類の色のランプを選択的に点灯等させたり、また異なる2種類の音色のブザーを選択的に鳴らすようにして作業者に判定結果を知らせるようにしてもよい。
(3)上記した各実施形態では、一対の治具のうちの一方のみを変位させる場合を示したが、両方の治具を変位させるようにしてもよい。
(4)上記した実施形態1では、3種類の治具を用いる場合を示したが、1つまたは2つの治具を用いたり、また4つ以上の治具を用いるようにしてもよい。また治具収容箱については省略することも可能である。
(5)上記した各実施形態では、圧入部の断面形状が略N字型のものを測定した場合を示したが、N字型のものに限らず様々な形状の圧入部を有するプレスフィット端子について測定することができる。
(6)上記した実施形態1では、標準径治具と、基板用データテーブルとして標準径用データテーブルとを用意した場合を示したが、これらは加工誤差が生じることなくプレスフィット端子及び基板を作成したときの抗力を得る上では必要であるが、プレスフィット端子の良否を判定する上では必ずしも必要ではないことから、省略することも可能である。
(7)上記した実施形態1では、プレスフィット端子の良否を判定するようにしたものを示したが、両データテーブルにおける一致点の荷重のみを得るようにし、判定を行わないようにしたものも本発明に含まれる。
(8)上記した実施形態2において、治具に形成する凹部の数を2つ(大径凹部と小径凹部)にしたり、また4つ以上にしたものも本発明に含まれる。
(9)上記した実施形態2において、治具の種類を4種類以下であってもそれ以上であっても構わない。その場合、治具の種類に応じて治具収容箱を改変することも可能であるが、外付けの治具収容箱を追加することも可能である。
(10)上記した実施形態2において、治具側に識別凸部を形成し、治具収容箱の収容室側に識別凹部を形成するようにしても構わない。また実施形態1の治具と収容室に識別凸部・識別凹部を設けるようにしてもよい。
(11)上記した実施形態2において、可動部に設けるセンサの数・設置位置・設置姿勢・種類などについては任意に変更可能である。例えば、センサとして透過型光学センサを用いるようにし、その投光部をスライドテーブル、すなわち可動治具側に、受光部を、端子保持部または可動部、すなわち固定治具側にそれぞれ設けるようにしてもよい。またその場合、投光部を固定治具側に、受光部を可動治具側に設けることも勿論可能である。
(12)上記した実施形態2において、測定時に治具を圧入部から離間させ始めてから荷重がほぼ0になるまでの変位量を測定してその結果を表示部に表示するものの、弾性復元量判定を行わないようにしてもよい。つまり、判定を行わずに圧入部の弾性復元量のみを得るようにしてもよい。また実施形態1において、治具を圧入部から離間させ始めてから荷重がほぼ0になるまでの変位量を測定するようにしてもよく、またその場合に測定した変位量が判定基準領域内にあるか否かを判定したり、測定したデータを随時に基板用データテーブルと比較して一致点に達した時点で治具を離間方向へ変位させるなど、実施形態2と同様のことを行ってもよい。
(13)上記した実施形態2において、治具用ロック部材や端子保持部用ロック部材として、例えばボルトを用いるようにし、そのボルトを螺進・螺退させることで治具や端子保持部をロック・ロック解除するようにしてもよい。また実施形態1に示す治具に治具用ロック部材を使用したり、実施形態1に示す端子保持部を可動部に対して着脱可能として端子保持部用ロック部材を使用するようにしてもよい。
(14)上記した実施形態2において、往復測定を行う場合においても弾性復元量判定などの判定処理を行うようにすることも可能である。
(A)本発明の実施形態1に係るプレスフィット端子の圧入部を基板の孔部に圧入する前の状態を示す断面図 (B)本発明の実施形態1に係るプレスフィット端子の圧入部を基板の孔部に圧入した状態を示す断面図 試験部の概略を示す側面図 (A)可動側治具を初期位置に配した状態を示す平断面図 (B)可動側治具が圧入部に当接した状態を示す平断面図 (C)両治具により代替孔部が形成された状態を示す平断面図 治具収容箱の概略を示す平面図 コントロールユニットと試験部及び治具収容箱の関係を示すブロック図 CPUの制御を示すフローチャート 照合処理を示すフローチャート 測定処理を示すフローチャート データテーブルを表す図面 判定処理を示すフローチャート 表示部の表示様式の一例を表す図面 本発明の実施形態2に係る試験部の概略を示す平面図 試験部の概略を示す側面図 (A)可動側治具を初期位置に配した状態を示す拡大平断面図 (B)両治具により代替孔部が形成された状態を示す拡大平断面図 固定部側の概略平面図 固定部側の概略側面図 固定部側の概略正面図 (A)端子保持部の平面図 (B)端子保持部の正面図 治具収容箱と治具の概略断面図 コントロールユニットと試験部及び治具収容箱の関係を示すブロック図 CPUの制御を示すフローチャート 初期条件を列記した表を示す図面 照合処理を示すフローチャート 測定処理で指定変位・指定荷重測定を行う場合のフローチャート 測定処理で一致点測定を行う場合のフローチャート 測定処理で往復測定を行う場合のフローチャート (A)往復測定の結果を表示部に表示したものであって、端子特性グラフのうち往復部分同士が互いに重なっていた場合を示す図面 (B)往復測定の結果を表示部に表示したものであって、端子特性グラフのうち往復部分同士の一部のみが重なった場合を示す図面 (C)往復測定の結果を表示部に表示したものであって、端子特性グラフのうち往復部分同士が全く重ならなかった場合を示す図面 (A)抗力・変形判定を行う場合における指定変位・指定荷重測定の結果を表示部に表示した場合を示す図面 (B)抗力・変形判定を行う場合における一致点測定の結果を表示部に表示した場合を示す図面 (A)弾性復元量判定を行う場合における指定変位・指定荷重測定の結果を表示部に表示した場合を示す図面 (B)弾性復元量判定を行う場合における一致点測定の結果を表示部に表示した場合を示す図面 (A)抗力・変形判定及び弾性復元量判定を行う場合における指定変位・指定荷重測定の結果を表示部に表示した場合を示す図面 (B)抗力・変形判定及び弾性復元量判定を行う場合における一致点測定の結果を表示部に表示した場合を示す図面 判定処理を示すフローチャート
符号の説明
10…プレスフィット端子
11…圧入部
21…治具
21A…標準径治具
21B…大径治具
21C…小径治具
25…ロードセル(荷重測定手段)
26…パルスモータ(変位量測定手段)
27…端子保持部
28…代替孔部
29…逃がし空間
30…治具収容箱
31…収容室
32…スイッチ(治具検出手段)
41…CPU(変位量測定手段、荷重測定手段、演算部、判定手段、照合手段)
42…メモリ(記憶部)
44…表示部(報知手段)
203…治具用ロック部材
207…可動部
208…センサ(端子検出手段)
209…端子保持部用ロック部材
210(210A〜210D)…治具
210f…識別凹部(識別凹凸手段)
270…端子保持部
280A〜280C…代替孔部
300…治具収容箱
301…識別凸部(識別凹凸手段)
310A〜310D…収容室
H…孔部
K…基板
m…変位量
KG…基板特性グラフ
TG…端子特性グラフ

Claims (23)

  1. プレスフィット端子における圧入部を基板の孔部に対して圧入すると、圧入部が押し潰されるとともに孔部が押し拡げられることで圧入部が保持されるようになっており、このときの抗力を求めることを目的としたものであって、
    前記圧入部をその軸線方向とほぼ直交する方向から挟み込むように相対変位可能とされ、目標位置に達したときに前記孔部の孔径に相当する間隔を有する代替孔部を形成可能な一対の治具と、
    前記治具の変位量を測定するための変位量測定手段と、
    前記治具を前記圧入部に接近させるときに圧入部から治具に作用する荷重を測定するための荷重測定手段と、
    前記基板の孔部を押し拡げるのに必要な荷重とその押し拡げられた孔径とを記した基板用データテーブルを記憶する記憶部と、
    測定した荷重と、測定した治具の変位量から得た両治具間の孔径とを端子用データテーブルに記すとともに、その端子用データテーブルと前記基板用データテーブルとの一致点における荷重を演算する演算部とを備えていることを特徴とする測定装置。
  2. 前記両データテーブルの一致点における荷重が記憶部に記憶させておいた、前記プレスフィット端子の良否を判定するための判定基準領域内にあるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果を作業者に知らせるための報知手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載の測定装置。
  3. 前記判定手段は、測定した荷重が両治具間の孔径の減少に伴って常に増加しているか否かについても判定するようになっていることを特徴とする請求項2記載の測定装置。
  4. 前記報知手段は、判定結果を表示可能な表示部により構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3記載の測定装置。
  5. 前記表示部には、前記端子用データテーブルに基づいて作成した端子特性グラフや前記基板用データテーブルに基づいて作成した基板特性グラフや判定基準領域の少なくともいずれか1つが表示可能とされていることを特徴とする請求項4記載の測定装置。
  6. 前記治具は、前記目標位置に達したときに前記孔部の孔径における公差の最大値に相当する間隔を有する代替孔部を形成可能な大径治具と、目標位置に達したときに孔部の孔径における公差の最小値に相当する間隔を有する代替孔部を形成可能な小径治具との少なくとも2種類のものからなり、これらが相互に交換可能に備えられているとともに、
    前記基板用データテーブルは、始点における孔径を前記最大値とした大径データテーブルと、始点における孔径を前記最小値とした小径データテーブルとの少なくとも2種類のものが備えられており、
    前記演算部では、選択した治具に適合した基板用データテーブルと、測定した端子用データテーブルとの一致点における荷重を演算するようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の測定装置。
  7. 前記各治具を収容可能な収容室を備えた治具収容箱と、
    各治具に対応して設けられ、各治具が収容室に収容されているか否かを検出する治具検出手段と、
    治具検出手段からの検出信号に基づいて、収容室から取り出した治具と、作業者が選択した基板用データテーブルとが適合しているか否かを照合する照合手段とを備え、
    照合手段による照合結果が適合していた場合にのみ演算部が測定処理を開始するようになっていることを特徴とする請求項6記載の測定装置。
  8. 前記治具を変位させるための動力源がパルスモータとなっているものであって、
    前記変位量測定手段は、前記パルスモータに付与したパルス数を計測し、そのパルス数から前記治具の変位量を得るようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の測定装置。
  9. 前記両治具間には、前記目標位置に達したときに逃がし空間を確保されるようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の測定装置。
  10. 前記治具が、固定側治具と、固定側治具に対して接離するよう相対変位可能な可動側治具とから構成されているものにおいて、
    前記プレスフィット端子を保持可能とされるとともに、前記可動側治具の変位動作に連動してプレスフィット端子を変位させることが可能な端子保持部が備えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の測定装置。
  11. 前記治具は、前記目標位置に達したときに前記孔部の孔径における公差の最大値に相当する間隔を有する代替孔部を形成可能な大径治具と、目標位置に達したときに孔部の孔径における公差の最小値に相当する間隔を有する代替孔部を形成可能な小径治具との少なくとも2つを一体に備え、前記代替孔部を少なくとも2つ形成可能とされているとともに、
    前記基板用データテーブルは、始点における孔径を前記最大値とした大径データテーブルと、始点における孔径を前記最小値とした小径データテーブルとの少なくとも2種類のものが備えられており、
    前記演算部では、選択した治具に適合した基板用データテーブルと、測定した端子用データテーブルとの一致点における荷重を演算するようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の測定装置。
  12. 前記治具は、前記基板の仕様などの条件に対応して複数備えられており、
    各治具を収容可能な収容室を備えた治具収容箱と、
    各治具に対応して設けられ、各治具が収容室に収容されているか否かを検出する治具検出手段と、
    治具検出手段からの検出信号に基づいて、収容室から取り出した治具と、作業者が選択した基板用データテーブルとが適合しているか否かを照合する照合手段とを備え、
    照合手段による照合結果が適合していた場合にのみ演算部が測定処理を開始するようになっていることを特徴とする請求項11記載の測定装置。
  13. 前記治具と前記収容室とには、適合した組み合わせだった場合には互いに嵌合可能とされることで治具の収容を許容する一方、誤った組み合わせだった場合には嵌合不能とされることで治具が正規に収容されるのを規制可能な識別凹凸手段が設けられていることを特徴とする請求項7または請求項12記載の測定装置。
  14. 前記治具における前記各代替孔部のいずれか1つに対応する位置に前記プレスフィット端子がセットされるとともに、このプレスフィット端子を検出するための端子検出手段が設けられており、
    この端子検出手段からの検出信号に基づいて、プレスフィット端子がセットされた位置に対応する代替孔部と、作業者が選択した前記基板用データテーブルとが適合しているか否かを照合する照合手段が設けられるとともに、この照合手段による照合結果が適合していた場合にのみ演算部が測定処理を開始するようになっていることを特徴とする請求項11ないし請求項13のいずれかに記載の測定装置。
  15. 前記治具を前記圧入部に接近させて圧入部を押し潰した後、前記治具を離間方向へ相対変位させるようにしたものであって、
    前記治具を離間方向へ相対変位させる際にも、前記変位量測定手段により治具の変位量を測定するとともに、前記荷重測定手段により荷重を測定するようにし、荷重がほぼ0になるまでの治具の変位量を演算するようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の測定装置。
  16. 前記治具の変位量が、記憶部に記憶させておいた前記プレスフィット端子の良否を判定するための判定基準領域内にあるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を作業者に知らせるための表示部とを備えていることを特徴とする請求項15記載の測定装置。
  17. 前記治具を前記圧入部に接近させて圧入部を押し潰した後、前記治具を離間方向へ相対変位させるようにしたものであって、
    前記治具を前記圧入部に対して接近・離間させる動作を繰り返し行うとともに、そのときの荷重と治具の変位量から得た両治具間の孔径とを端子用データテーブルに記すようにし、且つその端子用データテーブルに基づいて作成した端子特性グラフを表示部に表示するようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の測定装置。
  18. 前記基板用データテーブルと前記端子用データテーブルとを、測定過程において随時に比較し、その結果一致点に達した時点で前記治具を離間方向へ相対変位させるようにしたことを特徴とする請求項15ないし請求項17のいずれかに記載の測定装置。
  19. 前記治具が、固定側治具と、固定側治具に対して接離するよう相対変位可能な可動側治具とから構成されているものにおいて、
    前記プレスフィット端子を保持可能とされるとともに、前記可動側治具の変位動作に連動してプレスフィット端子を変位させることが可能な端子保持部が備えられていることを特徴とする請求項11ないし請求項18のいずれかに記載の測定装置。
  20. 前記端子保持部は、前記可動側治具の変位動作に連動可能な可動部に対して着脱可能とされており、装着された端子保持部をロック可能な端子保持部用ロック部材が備えられるとともに、その端子保持部用ロック部材がワンタッチ操作にて端子保持部に対するロックとロック解除とが可能とされていることを特徴とする請求項10または請求項19記載の測定装置。
  21. 前記治具を取付状態に保持可能な治具用ロック部材が備えられるとともに、その治具用ロック部材がワンタッチ操作にて治具に対するロックとロック解除とが可能とされていることを特徴とする請求項1ないし請求項20のいずれかに記載の測定装置。
  22. 前記治具を変位させるための動力源がパルスモータとなっているものであって、
    前記変位量測定手段は、前記パルスモータに付与したパルス数を計測し、そのパルス数から前記治具の変位量を得るようにしたことを特徴とする請求項11ないし請求項21のいずれかに記載の測定装置。
  23. 前記両治具間には、前記目標位置に達したときに逃がし空間を確保されるようになっていることを特徴とする請求項11ないし請求項22のいずれかに記載の測定装置。
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