JP4452986B2 - 測定装置 - Google Patents
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Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、低コストで且つ精度の高い測定値が得られる測定装置を提供することを目的とする。
ここで、抗力とは、圧入状態で基板の孔部に対して鉛直方向と直交する方向に作用する力のことであり、圧入部の抜け止めに関与する力である。
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記判定手段は、測定した荷重が両治具間の孔径の減少に伴って常に増加しているか否かについても判定するようになっているところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記表示部には、前記端子用データテーブルに基づいて作成した端子特性グラフや前記基板用データテーブルに基づいて作成した基板特性グラフや判定基準領域の少なくともいずれか1つが表示可能とされているところに特徴を有する。
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のものにおいて、前記両治具間には、前記目標位置に達したときに逃がし空間を確保されるようになっているところに特徴を有する。
請求項10の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のものにおいて、前記治具が、固定側治具と、固定側治具に対して接離するよう相対変位可能な可動側治具とから構成されているものにおいて、前記プレスフィット端子を保持可能とされるとともに、前記可動側治具の変位動作に連動してプレスフィット端子を変位させることが可能な端子保持部が備えられているところに特徴を有する。
請求項12の発明は、請求項11に記載のものにおいて、前記治具は、前記基板の仕様などの条件に対応して複数備えられており、各治具を収容可能な収容室を備えた治具収容箱と、各治具に対応して設けられ、各治具が収容室に収容されているか否かを検出する治具検出手段と、治具検出手段からの検出信号に基づいて、収容室から取り出した治具と、作業者が選択した基板用データテーブルとが適合しているか否かを照合する照合手段とを備え、照合手段による照合結果が適合していた場合にのみ演算部が測定処理を開始するようになっているところに特徴を有する。
請求項14の発明は、請求項11ないし請求項13のいずれかに記載のものにおいて、前記治具における前記各代替孔部のいずれか1つに対応する位置に前記プレスフィット端子がセットされるとともに、このプレスフィット端子を検出するための端子検出手段が設けられており、この端子検出手段からの検出信号に基づいて、プレスフィット端子がセットされた位置に対応する代替孔部と、作業者が選択した前記基板用データテーブルとが適合しているか否かを照合する照合手段が設けられるとともに、この照合手段による照合結果が適合していた場合にのみ演算部が測定処理を開始するようになっているところに特徴を有する。
請求項16の発明は、請求項15に記載のものにおいて、前記治具の変位量が、記憶部に記憶させておいた前記プレスフィット端子の良否を判定するための判定基準領域内にあるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を作業者に知らせるための表示部とを備えているところに特徴を有する。
請求項18の発明は、請求項15ないし請求項17のいずれかに記載のものにおいて、前記基板用データテーブルと前記端子用データテーブルとを、測定過程において随時に比較し、その結果一致点に達した時点で前記治具を離間方向へ相対変位させるようにしたところに特徴を有する。
請求項20の発明は、請求項10または請求項19に記載のものにおいて、前記端子保持部は、前記可動側治具の変位動作に連動可能な可動部に対して着脱可能とされており、装着された端子保持部をロック可能な端子保持部用ロック部材が備えられるとともに、その端子保持部用ロック部材がワンタッチ操作にて端子保持部に対するロックとロック解除とが可能とされているところに特徴を有する。
請求項22の発明は、請求項11ないし請求項21のいずれかに記載のものにおいて、前記治具を変位させるための動力源がパルスモータとなっているものであって、前記変位量測定手段は、前記パルスモータに付与したパルス数を計測し、そのパルス数から前記治具の変位量を得るようにしたところに特徴を有する。
請求項23の発明は、請求項11ないし請求項22のいずれかに記載のものにおいて、前記両治具間には、前記目標位置に達したときに逃がし空間を確保されるようになっているところに特徴を有する。
両治具が代替孔部を形成する目標位置へ向けて互いに相対変位されると、圧入部がその軸線方向とほぼ直交する方向から両治具により挟み込まれる。その過程で、荷重測定手段により測定した荷重と、変位量測定手段により測定した治具の変位量から得た両治具間の孔径とを端子用データテーブルに記す。この端子用データテーブルと記憶部の基板用データテーブルとの一致点における荷重が得られる。このときの荷重は、押し潰された圧入部と押し拡げられた孔部とが同じ大きさになったときのものであり、つまり圧入部を孔部で保持しているときの抗力に相当している。この抗力は、圧入状態で基板の孔部に対して鉛直方向と直交する方向に作用する力のことであり、圧入部の抜け止めに関与する力である。
測定したプレスフィット端子の良否を作業者が判定する必要がないので、作業性が良好なものとなる。
<請求項3の発明>
圧入部が適切に変形しているか否かについても判定することができる。例えば、荷重が途中で減少に転じた場合には、圧入部に座屈変形などが生じている可能性があるため、不良品として判定される。
<請求項4の発明>
判定結果を表示する表示部により作業者に知らせることができる。
<請求項5の発明>
判定結果に加えて、端子特性グラフや基板特性グラフや判定基準領域を表示することで、作業者に測定経緯及び判定経緯を知らせることができる。
孔部の公差範囲を考慮した正確な抗力を得ることができる。
<請求項7の発明>
取り出した治具と作業者が選択した基板用データテーブルとが不適合のまま測定する事態を防ぐことができる。
<請求項8の発明>
仮に変位量測定手段として、治具の変位に伴って圧縮可能なばねを設けるとともにそのばねの圧縮量から治具の変位量を得るようにした場合と比較すると、本発明では、ばねを圧縮することがなく、ばねの付勢力に抗する力を付与する必要がないから、抗力測定手段により得られる抗力の値を正確なものとすることができる。
仮に治具に塵などが付着した場合でも、その塵などは逃がし空間に配されることになるので、治具を確実に目標位置まで変位させることができる。これにより、抗力などの測定値の精度を高く保つことができる。
<請求項10の発明>
端子保持部によりプレスフィット端子を可動側治具の変位動作に連動して移動させることができる。
治具の取り付け・取り外し作業などを削減することができ、作業性を向上させることができる。
<請求項12の発明>
取り出した治具と作業者が選択した基板用データテーブルとが不適合のまま測定する事態を防ぐことができる。
<請求項13の発明>
治具を誤った収容室に収容する事態を防ぐことができる。
誤った代替孔部に対応する位置にプレスフィット端子をセットしたまま測定を開始するといった事態を防ぐことができる。
<請求項15の発明>
治具を離間方向へ相対変位させはじめてから、荷重がほぼ0になるまでの治具の変位量は、押し潰した圧入部が弾性復元した量にほぼ等しくなっている。従って、本発明により押し潰した圧入部の弾性復元量を得ることができる。
<請求項16の発明>
プレスフィット端子の良否を作業者が判定する必要がないので、作業性が良好となる。
表示部に表示された端子特性グラフのうち、圧入部に対して治具を接近・離間させた部分が互いに重なっていれば、圧入部の弾性が保たれていることが判る。つまり本発明によれば、圧入部の耐久性を知ることができる。
<請求項18の発明>
得られた圧入部の弾性復元量について、圧入部を基板の孔部に実装した状態と同等にすることができるから、実装時に近い弾性復元量の値を得ることができる。
<請求項19の発明>
端子保持部によりプレスフィット端子を可動側治具の変位動作に連動して移動させることができる。
外部にて端子保持部にプレスフィット端子を保持させた後に、端子保持部を装着することができるので、プレスフィット端子の取り付け・取り外し作業が簡便となる。その上、端子保持部が端子保持部用ロック部材によってワンタッチ操作で着脱することができるので、作業性が良好となっている。
<請求項21の発明>
治具の着脱作業を簡単に行うことができ、作業性に優れる。
仮に変位量測定手段として、治具の変位に伴って圧縮可能なばねを設けるとともにそのばねの圧縮量から治具の変位量を得るようにした場合と比較すると、本発明では、ばねを圧縮することがなく、ばねの付勢力に抗する力を付与する必要がないから、抗力測定手段により得られる抗力の値を正確なものとすることができる。
<請求項23の発明>
仮に治具に塵などが付着した場合でも、その塵などは逃がし空間に配されることになるので、治具を確実に目標位置まで変位させることができる。これにより、抗力などの測定値の精度を高く保つことができる。
本発明の実施形態1を図1ないし図11によって説明する。
まず、プレスフィット端子10は、図1(A)に示すように、基板Kの孔部Hに対して圧入可能な圧入部11を備えている。この圧入部11は、横長で且つ断面形状が略N字型をなす(図3を参照)とともに孔部Hに対して圧入されるのに伴って、図1(B)に示すように、孔部Hにより押し潰されて幅寸法W(図3に示す長辺側の寸法)を減少させつつ変形可能とされる。この圧入時に孔部Hは、圧入部11により押し拡げられて孔径dを増加させつつ変形可能とされる。そして、この測定装置では、圧入部11を孔部Hにより保持した状態における抗力を得るようにしている。この抗力は、圧入状態で基板Kの孔部Hに対して鉛直方向と直交する方向に作用する力のことであり、圧入部11の抜け止めに関与する力である。
試験部20は、図2に示すように、圧入部11をほぼ水平方向(圧入部11の軸線方向とほぼ直交する方向)から挟み込むことが可能な一対の治具21を備えるとともに、台座部22と、台座部22に固定されるとともに一方の固定側治具21aを保持する固定部23と、他方の可動側治具21bを保持するスライドテーブル24と、スライドテーブル24に設けられるロードセル25と、台座部22に固定されるとともにスライドテーブル24を変位させるためのパルスモータ26と、固定部23に設けられるとともにプレスフィット端子10を着脱可能な状態に保持可能な端子保持部27とから構成されている。
治具収容箱30は、図4に示すように、3種類の治具21A,21B,21Cを個別に収容可能な収容室31を3室備えている。各収容室31は、収容する治具21と適合した色が着色されていて、治具21を誤った収容室31に収容するような事態が防がれるようになっている。測定に際しては、治具収容箱30から所望の治具21を取り出し、その治具21を試験部20におけるスライドテーブル24や固定部23に対して装着するようにする。各収容室31内には、各治具21A,21B,21Cに対応したスイッチ32がそれぞれ個別に配設されており、各スイッチ32は、次述するコントロールユニット40に接続されている(図5を参照)。
コントロールユニット40には、図5に示すように、信号処理をするCPU41と、データを記憶するメモリ42と、CPU41に指示を与えるオペレーション部43と、CPU41から入力された測定結果などを表示する表示部44とを備えている。
図7に示すように、治具収容箱30において治具21を収容室31から取り出すと、その治具21に対応したスイッチ32からCPU41に信号が入力される(ステップS11)。一方、オペレーション部43を操作して所定のファイルを呼び出すと、そのファイルに対応した信号がCPU41に入力される(ステップS12)。なおこのファイルは、後の判定処理時に使用されるもので各治具21に対応したものが用意されており、その詳細は後述する。そして、CPU41では取り出した治具21と呼び出したファイルとが適合しているか否かを判定し(ステップS13)、その結果不適合だった場合には、表示部44にエラー表示(例えば「治具とファイルが不適合です」などの文字)がされるので(ステップS14)、治具21またはファイルを適切なものに換えた後再びスイッチ32からの信号とオペレーション部43からの信号とを照合する。そして、適合した場合には、照合処理を終えて次の測定処理に移る。また、治具21を2つ以上取り出した場合にもエラー表示をするようになっている。
照合処理を終えたら、図8に示す測定処理を行う。パルスモータ26を駆動させて(ステップS22)、可動側治具21bを固定側治具21aへ接近させる。可動側治具21bが圧入部11に接触し始め(図3(B)を参照)、荷重が測定開始基準値F1を越えたら(ステップS23)、パルスモータ26に付与したパルス数から可動側治具21bの変位量を求めそれに基づいて演算した両治具21a,21b間の孔径dと、ロードセル25からの入力信号より演算した荷重Fとを端子用データテーブルに記録する(ステップS24)。そして、孔径dが目標値dp(代替孔部28を形成したときの孔径)に達したか否かを判定し(ステップS26)、その結果達していなかった場合には孔径dと荷重Fの記録を続ける。このとき、図9に示すように、端子用データテーブルの配列の1〜n番目までデータを書き込むようにする(ステップS21、ステップS25)。この端子用データテーブルについては、随時メモリ42に記憶させたり、また各データに基づいて端子特性グラフTGを作成して随時表示部44に表示させるようにしてもよい(図11を参照)。
測定処理を終えたら、図10に示す判定処理を行う。判定処理では、測定結果を記録した端子用データテーブルを読み込むとともに(ステップS31)、基板Kの孔部Hを押し拡げるのに必要な荷重Fと、その押し拡げられた孔径dとの関係を予めCAE(computer aided engineering)により求めて作成した基板用データテーブル(図9を参照)を読み込み(ステップS32)、両データテーブルの一致点における荷重Fpを演算する(ステップS33)。
本発明の実施形態2を図12ないし図31によって説明する。なおこの実施形態2では、上記した実施形態1と同様の構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
治具210は、試験部200における固定部23に取り付けられる固定側治具210aと、スライドテーブル24に取り付けられる可動側治具210bとから構成されている。固定側治具210aと可動側治具210bとの対向面には、図14(A)に示すように、大きさが異なるほぼ半円状をなす凹部210cA〜210cCが3つずつ幅方向(長手方向)に沿って並列して設けられており、両治具210a,210bが図14(B)に示す位置(目標位置)に達すると両治具210a,210b間にほぼ円形の空間、すなわち代替孔部280A〜280Cが3つ、ほぼ同時に形成されるようになっている。詳しくは、固定側治具210aと可動側治具210bとにおける同図中央位置には、孔部Hにおける孔径の標準値d0に相当する間隔を有する代替孔部280Aを形成可能な標準径凹部210cAが設けられ、その同図手前側には、孔部Hにおける公差範囲の最大値dmaxに相当する間隔を有する代替孔部280Bを形成可能な大径凹部210cBが設けられ、標準径凹部210cAの同図奥側には、孔部Hにおける公差範囲の最小値dminに相当する間隔を有する代替孔部280Cを形成可能な小径凹部210cCが設けられている。なお固定側治具210aと可動側治具210bとにおけるその他の構造や逃がし空間29については実施形態1と同様なので、説明を省略する。また図14では中央の標準径凹部210cAに圧入部11を配した場合のみを示し、他の2つの凹部210cB,210cCに配した場合の図示は省略する。
治具収容箱300には、図12に示すように、各治具210A〜210Dを、それぞれの可動側治具210aと固定側治具210bとを対向させた状態で収容可能な収容室310A〜310Dが長手方向に沿って4室、並列して設けられている。各収容室310A〜310Dの底面には、図19に示すように、各収容室310A〜310D毎に異なる位置に識別凸部301が設けられるとともに、各治具210A〜210Dの下面には、適合する収容室310A〜310Dの識別凸部301を受け入れ可能な位置に識別凹部210fが形成されている。なおこれら識別凹部210f及び識別凸部301は、各治具210A〜210Dにおける固定側治具210aと可動側治具210bとに対応してそれぞれ一対ずつ設けられている(図19では片方の識別凹部210f及び識別凸部301のみを図示する)。従って、治具210A〜210Dと収容室310A〜310Dとが適合していれば、識別凸部301が識別凹部210fに嵌合することで正規に収容することができ、治具210A〜210Dと収容室310A〜310Dとが不適合だった場合には、識別凸部301と識別凹部210fとが不整合となり、治具210A〜210Dが識別凸部301によって押し上げられて正規に収容できないことをもって不適合が検知できるようになっている。なお各収容室310A〜310D内には、実施形態1と同様のスイッチ32がそれぞれ設けられており、詳しくは各収容室310A〜310D内に固定側治具210a用のものと、可動側治具210b用のものとが2つずつ設けられている。
コントロールユニット40は、図20に示すように、実施形態1と同様にCPU41、メモリ42、オペレーション部43、及び表示部44を備えており、このうちCPU41に対して試験部200のロードセル25及びセンサ208から、また治具収容箱300のスイッチ32からそれぞれ信号が入力可能とされている。またCPU41とパルスモータ26及びメモリ42との間で信号が入出力可能とされている。なおメモリ42内には、後述する各判定基準領域の基準値や基板用データテーブルなどが記憶されており、このうち基板用データテーブルについては治具210の種類、すなわち基板Kの仕様の種類毎に、標準径データテーブル、大径データテーブル及び小径データテーブルの3つあり、合計12個が用意されている。
治具210の種類は、既述した通り4種類あるので、そのうちのいずれか1つを選択しておく。すると、メモリ42内に記憶された基板用データテーブルのうち、選択した治具210に対応した3つの基板用データテーブル(標準径データテーブル、大径データテーブル及び小径データテーブル)がファイルに関連付けられる。
図23に示すように、治具収容箱300の所定の収容室310A〜310Dから治具210(固定側治具210a及び可動側治具210bの双方)を取り出すと、その治具210に対応したスイッチ32からCPU41に信号が入力される(ステップS101)。詳しくは、このとき固定側治具210a用のスイッチ32と可動側治具210b用のスイッチ32との2つからそれぞれ信号が入力される。一方、CPU41には初期条件において設定した治具210の種類に基づく信号が入力される(ステップS102)。そして、CPU41では両入力信号が適合しているかを照合し(ステップS103)、その結果不適合だった場合(取り出した治具210と初期条件とが不適合な場合や、固定側治具210aと可動側治具210bのうち片方のみを取り出した場合)には表示部44にエラー表示をする(ステップS104)。その一方、試験部200の外部にて端子保持部270にプレスフィット端子10を保持させた後、その端子保持部270を試験部200に取り付けると、プレスフィット端子10の取付位置に対応したセンサ208からCPU41に信号が入力される(ステップS105)。その一方でCPU41には初期条件において設定した孔径の目標値dpに基づく信号が入力される(ステップS106)。そして、CPU41では両入力信号が適合しているかを照合し(ステップS107)、その結果不適合だった場合には表示部44にエラー表示(例えば「プレスフィット端子の取付位置が間違っています」など)をして作業者にやり直しを促すようにする(ステップS104)。いずれの照合結果にも適合していた場合には、次の測定処理に移る。
上記した実施形態1と同様に可動側治具210bを固定側治具210aへと接近させるのに伴って、測定される荷重Fと両治具210a,210b間の孔径dとを端子用データテーブルに記録していく(図24のステップS201〜S205、図25のステップS221〜S225、図26のステップS241〜S245)。
初期条件の判定方法において抗力・変形判定を選択した場合には、上記した実施形態1と同様に読み込んだ両データテーブルの一致点における荷重Fpを演算し(図10のステップS31〜S33)、その荷重Fpが判定基準領域内にあるか否かを判定するとともに(図10のステップS34)、荷重Fが孔径dの減少に伴って常に増加しているか否かを判定するようにする(図10のステップS35)。なおここで使用する基板用データテーブルは、既述した初期条件において治具210の種類及び孔径の目標値dpを選択することで、そのファイルに関連付けられたものである。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記した各実施形態では、表示部において判定結果(OK表示、NG表示、エラー表示)以外に各グラフなどを表示する場合を示したが、判定結果のみを表示するようにしてもよい。また表示する文字については適宜に変更することができ、また文字以外の図柄などを表示するようにしてもよい。
(3)上記した各実施形態では、一対の治具のうちの一方のみを変位させる場合を示したが、両方の治具を変位させるようにしてもよい。
(5)上記した各実施形態では、圧入部の断面形状が略N字型のものを測定した場合を示したが、N字型のものに限らず様々な形状の圧入部を有するプレスフィット端子について測定することができる。
(6)上記した実施形態1では、標準径治具と、基板用データテーブルとして標準径用データテーブルとを用意した場合を示したが、これらは加工誤差が生じることなくプレスフィット端子及び基板を作成したときの抗力を得る上では必要であるが、プレスフィット端子の良否を判定する上では必ずしも必要ではないことから、省略することも可能である。
(7)上記した実施形態1では、プレスフィット端子の良否を判定するようにしたものを示したが、両データテーブルにおける一致点の荷重のみを得るようにし、判定を行わないようにしたものも本発明に含まれる。
(9)上記した実施形態2において、治具の種類を4種類以下であってもそれ以上であっても構わない。その場合、治具の種類に応じて治具収容箱を改変することも可能であるが、外付けの治具収容箱を追加することも可能である。
(10)上記した実施形態2において、治具側に識別凸部を形成し、治具収容箱の収容室側に識別凹部を形成するようにしても構わない。また実施形態1の治具と収容室に識別凸部・識別凹部を設けるようにしてもよい。
(11)上記した実施形態2において、可動部に設けるセンサの数・設置位置・設置姿勢・種類などについては任意に変更可能である。例えば、センサとして透過型光学センサを用いるようにし、その投光部をスライドテーブル、すなわち可動治具側に、受光部を、端子保持部または可動部、すなわち固定治具側にそれぞれ設けるようにしてもよい。またその場合、投光部を固定治具側に、受光部を可動治具側に設けることも勿論可能である。
(13)上記した実施形態2において、治具用ロック部材や端子保持部用ロック部材として、例えばボルトを用いるようにし、そのボルトを螺進・螺退させることで治具や端子保持部をロック・ロック解除するようにしてもよい。また実施形態1に示す治具に治具用ロック部材を使用したり、実施形態1に示す端子保持部を可動部に対して着脱可能として端子保持部用ロック部材を使用するようにしてもよい。
(14)上記した実施形態2において、往復測定を行う場合においても弾性復元量判定などの判定処理を行うようにすることも可能である。
11…圧入部
21…治具
21A…標準径治具
21B…大径治具
21C…小径治具
25…ロードセル(荷重測定手段)
26…パルスモータ(変位量測定手段)
27…端子保持部
28…代替孔部
29…逃がし空間
30…治具収容箱
31…収容室
32…スイッチ(治具検出手段)
41…CPU(変位量測定手段、荷重測定手段、演算部、判定手段、照合手段)
42…メモリ(記憶部)
44…表示部(報知手段)
203…治具用ロック部材
207…可動部
208…センサ(端子検出手段)
209…端子保持部用ロック部材
210(210A〜210D)…治具
210f…識別凹部(識別凹凸手段)
270…端子保持部
280A〜280C…代替孔部
300…治具収容箱
301…識別凸部(識別凹凸手段)
310A〜310D…収容室
H…孔部
K…基板
m…変位量
KG…基板特性グラフ
TG…端子特性グラフ
Claims (23)
- プレスフィット端子における圧入部を基板の孔部に対して圧入すると、圧入部が押し潰されるとともに孔部が押し拡げられることで圧入部が保持されるようになっており、このときの抗力を求めることを目的としたものであって、
前記圧入部をその軸線方向とほぼ直交する方向から挟み込むように相対変位可能とされ、目標位置に達したときに前記孔部の孔径に相当する間隔を有する代替孔部を形成可能な一対の治具と、
前記治具の変位量を測定するための変位量測定手段と、
前記治具を前記圧入部に接近させるときに圧入部から治具に作用する荷重を測定するための荷重測定手段と、
前記基板の孔部を押し拡げるのに必要な荷重とその押し拡げられた孔径とを記した基板用データテーブルを記憶する記憶部と、
測定した荷重と、測定した治具の変位量から得た両治具間の孔径とを端子用データテーブルに記すとともに、その端子用データテーブルと前記基板用データテーブルとの一致点における荷重を演算する演算部とを備えていることを特徴とする測定装置。 - 前記両データテーブルの一致点における荷重が記憶部に記憶させておいた、前記プレスフィット端子の良否を判定するための判定基準領域内にあるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を作業者に知らせるための報知手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載の測定装置。 - 前記判定手段は、測定した荷重が両治具間の孔径の減少に伴って常に増加しているか否かについても判定するようになっていることを特徴とする請求項2記載の測定装置。
- 前記報知手段は、判定結果を表示可能な表示部により構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3記載の測定装置。
- 前記表示部には、前記端子用データテーブルに基づいて作成した端子特性グラフや前記基板用データテーブルに基づいて作成した基板特性グラフや判定基準領域の少なくともいずれか1つが表示可能とされていることを特徴とする請求項4記載の測定装置。
- 前記治具は、前記目標位置に達したときに前記孔部の孔径における公差の最大値に相当する間隔を有する代替孔部を形成可能な大径治具と、目標位置に達したときに孔部の孔径における公差の最小値に相当する間隔を有する代替孔部を形成可能な小径治具との少なくとも2種類のものからなり、これらが相互に交換可能に備えられているとともに、
前記基板用データテーブルは、始点における孔径を前記最大値とした大径データテーブルと、始点における孔径を前記最小値とした小径データテーブルとの少なくとも2種類のものが備えられており、
前記演算部では、選択した治具に適合した基板用データテーブルと、測定した端子用データテーブルとの一致点における荷重を演算するようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の測定装置。 - 前記各治具を収容可能な収容室を備えた治具収容箱と、
各治具に対応して設けられ、各治具が収容室に収容されているか否かを検出する治具検出手段と、
治具検出手段からの検出信号に基づいて、収容室から取り出した治具と、作業者が選択した基板用データテーブルとが適合しているか否かを照合する照合手段とを備え、
照合手段による照合結果が適合していた場合にのみ演算部が測定処理を開始するようになっていることを特徴とする請求項6記載の測定装置。 - 前記治具を変位させるための動力源がパルスモータとなっているものであって、
前記変位量測定手段は、前記パルスモータに付与したパルス数を計測し、そのパルス数から前記治具の変位量を得るようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の測定装置。 - 前記両治具間には、前記目標位置に達したときに逃がし空間を確保されるようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の測定装置。
- 前記治具が、固定側治具と、固定側治具に対して接離するよう相対変位可能な可動側治具とから構成されているものにおいて、
前記プレスフィット端子を保持可能とされるとともに、前記可動側治具の変位動作に連動してプレスフィット端子を変位させることが可能な端子保持部が備えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の測定装置。 - 前記治具は、前記目標位置に達したときに前記孔部の孔径における公差の最大値に相当する間隔を有する代替孔部を形成可能な大径治具と、目標位置に達したときに孔部の孔径における公差の最小値に相当する間隔を有する代替孔部を形成可能な小径治具との少なくとも2つを一体に備え、前記代替孔部を少なくとも2つ形成可能とされているとともに、
前記基板用データテーブルは、始点における孔径を前記最大値とした大径データテーブルと、始点における孔径を前記最小値とした小径データテーブルとの少なくとも2種類のものが備えられており、
前記演算部では、選択した治具に適合した基板用データテーブルと、測定した端子用データテーブルとの一致点における荷重を演算するようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の測定装置。 - 前記治具は、前記基板の仕様などの条件に対応して複数備えられており、
各治具を収容可能な収容室を備えた治具収容箱と、
各治具に対応して設けられ、各治具が収容室に収容されているか否かを検出する治具検出手段と、
治具検出手段からの検出信号に基づいて、収容室から取り出した治具と、作業者が選択した基板用データテーブルとが適合しているか否かを照合する照合手段とを備え、
照合手段による照合結果が適合していた場合にのみ演算部が測定処理を開始するようになっていることを特徴とする請求項11記載の測定装置。 - 前記治具と前記収容室とには、適合した組み合わせだった場合には互いに嵌合可能とされることで治具の収容を許容する一方、誤った組み合わせだった場合には嵌合不能とされることで治具が正規に収容されるのを規制可能な識別凹凸手段が設けられていることを特徴とする請求項7または請求項12記載の測定装置。
- 前記治具における前記各代替孔部のいずれか1つに対応する位置に前記プレスフィット端子がセットされるとともに、このプレスフィット端子を検出するための端子検出手段が設けられており、
この端子検出手段からの検出信号に基づいて、プレスフィット端子がセットされた位置に対応する代替孔部と、作業者が選択した前記基板用データテーブルとが適合しているか否かを照合する照合手段が設けられるとともに、この照合手段による照合結果が適合していた場合にのみ演算部が測定処理を開始するようになっていることを特徴とする請求項11ないし請求項13のいずれかに記載の測定装置。 - 前記治具を前記圧入部に接近させて圧入部を押し潰した後、前記治具を離間方向へ相対変位させるようにしたものであって、
前記治具を離間方向へ相対変位させる際にも、前記変位量測定手段により治具の変位量を測定するとともに、前記荷重測定手段により荷重を測定するようにし、荷重がほぼ0になるまでの治具の変位量を演算するようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の測定装置。 - 前記治具の変位量が、記憶部に記憶させておいた前記プレスフィット端子の良否を判定するための判定基準領域内にあるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を作業者に知らせるための表示部とを備えていることを特徴とする請求項15記載の測定装置。
- 前記治具を前記圧入部に接近させて圧入部を押し潰した後、前記治具を離間方向へ相対変位させるようにしたものであって、
前記治具を前記圧入部に対して接近・離間させる動作を繰り返し行うとともに、そのときの荷重と治具の変位量から得た両治具間の孔径とを端子用データテーブルに記すようにし、且つその端子用データテーブルに基づいて作成した端子特性グラフを表示部に表示するようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の測定装置。 - 前記基板用データテーブルと前記端子用データテーブルとを、測定過程において随時に比較し、その結果一致点に達した時点で前記治具を離間方向へ相対変位させるようにしたことを特徴とする請求項15ないし請求項17のいずれかに記載の測定装置。
- 前記治具が、固定側治具と、固定側治具に対して接離するよう相対変位可能な可動側治具とから構成されているものにおいて、
前記プレスフィット端子を保持可能とされるとともに、前記可動側治具の変位動作に連動してプレスフィット端子を変位させることが可能な端子保持部が備えられていることを特徴とする請求項11ないし請求項18のいずれかに記載の測定装置。 - 前記端子保持部は、前記可動側治具の変位動作に連動可能な可動部に対して着脱可能とされており、装着された端子保持部をロック可能な端子保持部用ロック部材が備えられるとともに、その端子保持部用ロック部材がワンタッチ操作にて端子保持部に対するロックとロック解除とが可能とされていることを特徴とする請求項10または請求項19記載の測定装置。
- 前記治具を取付状態に保持可能な治具用ロック部材が備えられるとともに、その治具用ロック部材がワンタッチ操作にて治具に対するロックとロック解除とが可能とされていることを特徴とする請求項1ないし請求項20のいずれかに記載の測定装置。
- 前記治具を変位させるための動力源がパルスモータとなっているものであって、
前記変位量測定手段は、前記パルスモータに付与したパルス数を計測し、そのパルス数から前記治具の変位量を得るようにしたことを特徴とする請求項11ないし請求項21のいずれかに記載の測定装置。 - 前記両治具間には、前記目標位置に達したときに逃がし空間を確保されるようになっていることを特徴とする請求項11ないし請求項22のいずれかに記載の測定装置。
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