JP4451519B2 - 走査光学系および光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

走査光学系および光走査装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、走査光学系および光走査装置および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光走査装置は、デジタル複写機やレーザプリンタ、ファクシミリ、レーザプロッタ、レーザ製版装置等の画像形成装置に関連して広く知られている。そしてこの光走査装置に用いられる走査光学系は、光偏向器により偏向するビームを被走査面上に走査用の光スポットとして集光する光学系である。そして画像形成装置においては、例えば感光性の像担持体の被走査面に対して光走査装置による走査を行って画像書込みを行い潜像を形成し、該潜像を現像手段で可視化して可視画像を形成し、その可視画像を記録用紙等の記録媒体に転写して画像を得ている。
近来、このような光走査装置に対して走査の高密度化や高速化が要請されている。また、光走査装置を用いる画像形成装置のレイアウト上の理由等により、走査光学系に「長いバック長」が要請されることが多い。この「バック長」とは、走査光学系を構成する結像素子(レンズや凹面鏡等)のうちで、最も被走査面側に配備されるものから被走査面に至る距離である。
【0003】
光走査装置を用いる画像形成装置では、一般に感光性の像担持体、例えば光導電性の感光体を用い、この感光体を帯電手段により均一に帯電した後、光走査装置による光走査で画像書込みを行って静電潜像を形成し、この静電潜像を現像手段により現像してトナー画像とし、このトナー画像を記録媒体上に転写し、定着して所望の記録画像を得ている。
このような画像形成装置で、帯電手段や現像手段、転写手段といった画像形成プロセス上必要な機械装置は、その機械的な構成により感光体に対する機械的な位置関係が限定されているので、その配備位置の自由度が少ない。これに対して光走査装置の光学系は、光源から被走査面(実体的には上記感光体の感光面)に至る光学配置に相当の自由度があり、画像形成装置における帯電手段や現像手段等のレイアウトに対応して光学設計を行うことが可能であるため、レイアウト上の要請により、上記のような「バック長の長い走査光学系」が求められることも多い。
【0004】
近来、光走査装置における「走査密度」も1200dpi(1インチ当りのドット数)或いは2400dpiといった高密度が要請されている。光走査の高密度化を達成するには、被走査面上に集光させる光スポットのスポット径を小さくする必要がある。光スポットのスポット径を小径化するには、走査光学系に入射するビームのビーム径を大きくする必要がある。このように走査光学系に入射するビーム径が大きくなると、走査光学系の像面湾曲や結像倍率といった幾何光学的な特性を良好にするのみでは足らず、波動光学的な波面収差を光スポットの像高に拘わらず一定に設定することが重要となる。
【0005】
光走査装置による光走査を高速化できる方法として、被走査面の複数走査線を同時走査する「マルチビーム方式」が注目され、モノリシックな半導体レーザアレイの発光源を1列に並べたLDアレイ方式や、複数の半導体レーザからのビームを合成するビーム合成方式の光源を用いるマルチビーム方式の光走査装置が実現されつつある。このようなLDアレイ方式やビーム合成方式の光源を用いると、シングルビーム方式の光走査装置の場合と同様、光源から被走査面に至る光路上の光学系を複数ビームで共通化して使用できるので、機械的変動に対して安定性の高いマルチビーム方式の光走査装置が可能になる。
【0006】
1200dpi或いは2400dpiといった高密度の光走査をマルチビーム方式の光走査装置で実現するには、光源における発光源の間隔(LDアレイ方式では、LDアレイにおける各発光源の間隔、ビーム合成方式では、合成されたビームの仮想的な発光源間隔)を小さくする必要がある。
例えば複数ビームで同時走査する際の複数走査線のピッチが1走査線分である場合、即ち、いわゆる隣接走査の場合で2400dpiの走査密度を実現しようとすると、光源における発光源間隔は一般に10μmよりも小さいものになる。
【0007】
光源としてモノリシックな半導体レーザアレイを用いる場合を考えると、モノリシックな半導体レーザアレイでは、発光源の間隔が10μmよりも小さくなると、1つの発光源の点滅が隣接する発光源の点滅に「熱的・電気的」に影響するようになり、個々の発光源を独立して変調制御することが難しくなる。
また、光源としてビーム合成方式のものを用いる場合であると、合成されたビームの仮想的な発光源の副走査方向の間隔を極めて小さくする必要があり、しかも、その間隔を精度よく調整する必要があり、ビーム合成に伴う調整に手間がかかる。
【0008】
そこで光源における発光源の間隔をある程度大きくして、尚且つ高密度のマルチビーム走査を実現するには、隣接ビームが被走査面上で1走査線分以上の間隔を開けて走査を行う、いわゆる「飛び越し走査」を行えばよい。しかし、隣接ビームが飛び越す走査線数(飛び越し次数)が大きくなると、「ビームが走査光学系を通過する位置」が、ビーム毎に副走査方向に大きく異なるようになる。そのようになると、走査光学系の光学作用がビーム毎に同じにならず、特に、副走査方向の倍率が光スポットの像高と共に変動し、走査線ピッチが「像高と共に大きく変動する」ことになる。従って、飛び越し走査における飛び越し次数は、あまり大きくない「適正な次数」であることが必要である。
【0009】
高密度の光走査を実現するには、マルチビーム走査方式においても、被走査面上に結像する個々の光スポット径を小さくすることは当然であり、このために走査光学系における、波動光学的な波面収差を小さく抑えることが必要であることは、シングルビーム方式の場合と何ら変わらない。また、1200dpiや2400dpiといった高密度の光走査をマルチビーム方式の光走査装置で実現するには、上述の飛び越し走査を行うことにより、光源における発光源間隔が極端に狭くならないようにしつつ、飛び越し次数を適当にし、走査線ピッチの像高による大きな変動を抑えるのがよい。さらに、マルチビーム方式、シングルビーム方式を問わず、走査光学系はバック長が長いものであることが好ましい。また、マルチビーム方式では、光源と光偏向器間に配備される光学系を複数ビームに対して共通とすることが、機械的変動に対する光走査の安定性の観点から望ましい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、シングルビーム方式とマルチビーム方式とを問わず、バック長を確保しつつ、小径の光スポットを実現できる走査光学系を実現することを課題とする。
この発明はまた、上記走査光学系を使用することにより、高密度化に適応できるシングルビーム方式及びマルチビーム方式の光走査装置を実現し、さらには、このような光走査装置を用いて良好な画像形成を行うことができる画像形成装置を実現することを他の課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の走査光学系は「光偏向器により偏向されるビームを被走査面上に光スポットとして集光させる光学系」であって、以下の如き特徴を有する(請求項1)。
即ち、走査光学系は、2枚のレンズにより構成される。この2枚のレンズのうち、光偏向器側のレンズは「主走査方向に正の屈折力、副走査方向に負の屈折力を有する」ものであり、被走査面側のレンズは「主走査方向に負の屈折力、副走査方向に正の屈折力を有する」ものである。
更に、上記光偏向器側のレンズの少なくとも1つのレンズ面においては、「主走査断面内の形状が非円弧形状」であり、上記被走査面側のレンズの少なくとも1つのレンズ面においては、「主走査断面内の形状が非円弧形状」である。
更に、上記光偏向器側のレンズの少なくとも1つのレンズ面においては、「主・副走査方向の曲率半径が異なる」ものであり、上記被走査面側のレンズの少なくとも1つのレンズ面においては、「主・副走査方向の曲率半径が異なる」ものである。
更に、上記2枚のレンズのレンズ面のうち、少なくとも1つのレンズ面は、「副非円弧面」とすることができる。上記「副非円弧面」は、「副走査断面内の形状が非円弧形状」である。
更に、上記2枚のレンズの4つのレンズ面のうち、少なくとも2つのレンズ面は、副走査方向の曲率半径が主走査方向の断面形状に依存しないで変化する特殊トロイダル面であり、上記特殊トロイダル面である少なくとも2つのレンズ面が、面間に空気間隔を有し、
上記特殊トロイダル面である少なくとも2つのレンズ面のうち、少なくとも1つのレンズ面は、副走査方向の曲率半径の変化が主走査方向に非対称である。
ここで上記「主走査断面」は、レンズ面近傍において、理想的な偏向光束の主光線が掃引する平面、即ち主走査方向に平行な平面に合致した仮想的な平断面をいう。また、レンズ面近傍において主走査方向に直交する仮想的な平断面を「副走査断面」と呼ぶことにする。
この請求項1記載の走査光学系において、上記副非円弧面は、「その非円弧形状が、主走査方向における副走査断面の位置に応じて変化する面」とすることができる(請求項2)。尚、走査光学系における副非円弧面の形状は、被走査面上の各走査位置(光スポットの集光位置)における波面収差を補正するように定められている。これにより、被走査面上の各走査位置毎に、最良の波面収差を設定することができる。
【0012】
この請求項1または2記載の走査光学系において、「光偏向器側のレンズ及び、被走査面側のレンズの主走査断面内の形状を、光偏向器側に凹面を向けたメニスカス形状とする」ことができる(請求項)。
この請求項記載の走査光学系において、上記2枚のレンズの4つのレンズ面のうち、少なくとも1つのレンズ面は、有効書込範囲内において、そのレンズ面に入射する主光線の方向ベクトル:Iと、そのレンズ面に入射する主光線の入射位置でのレンズ面の放線ベクトル:Jが、条件:
(1) 0.9<|I・J|≦1.0
を満足することが好ましい(請求項)。
【0013】
上記請求項1〜4の何れか1つに記載の走査光学系においては、中心像高における副走査方向の横倍率:βが、条件:
(2) 0.5≦|β|≦2.0
を満足することが好ましい(請求項)。
尚、光偏向器以後に配備される「走査光学系の副走査方向の横倍率」は、この明細書中では、副走査方向において、被走査面近傍の像点に共役な走査光学系の物点と、被走査面近傍の像点との横倍率と定義する。この副走査方向の横倍率のうちで、中心像高における横倍率が上記の「β」であり、任意像高:hにおける横倍率が後述の「β」である。
【0014】
上記請求項1〜5の何れか1つに記載の走査光学系において、「偏向反射面近傍と被走査面位置とを副走査方向に関して、幾何光学的に共役関係とする機能を有するアナモフィックな光学系」とすることができる(請求項6)。この請求項6記載の走査光学系において、「上記2枚のレンズの4つのレンズ面の全てにおいて、主・副走査方向の曲率半径を異ならせる」ことができる(請求項7)。
上記のように請求項1〜7の何れか1つに記載の走査光学系において、上記2枚のレンズの4つのレンズ面のうち、少なくとも2つのレンズ面は、「特殊トロイダル面」である
ここで、「特殊トロイダル面」は、「副走査方向の曲率半径が主走査方向の断面形状に依存しないで変化する面」である。また、「副走査方向の曲率半径」は、レンズ面を副走査断面で切断したとき、副走査断面におけるレンズ面の曲率半径をいう。従って、上記「副走査方向の曲率半径が主走査方向の断面形状に依存しないで変化する」とは、上記副走査断面の位置を主走査方向に変化させたとき、副走査断面の位置に応じて、副走査方向の曲率半径が変化することを意味する。
【0015】
上記走査光学系において、上記特殊トロイダル面である少なくとも2つのレンズ面は、有効書込範囲内において、副走査方向の曲率半径の最大値:|r|maxと、副走査方向の曲率半径の最小値:|r|minが、条件:
(3) 0.5<|r|min/|r|max≦1.0
を満足することが好ましい(請求項)。
更に、上記のように特殊トロイダル面である少なくとも2つのレンズ面、「面間に空気間隔を有する」。
更に、上記のように特殊トロイダル面である少なくとも2つのレンズ面のうち、少なくとも1つのレンズ面は、「副走査方向の曲率半径の変化が主走査方向に非対称である」)
【0016】
上記請求項1〜の何れか1つに記載の走査光学系において、中心像高における副走査方向の横倍率:βと、任意像高における副走査方向の横倍率:βが、条件:
(4) 0.9≦|β/β|≦1.1
を満足することが好ましい(請求項)。
更に、上記請求項1〜の何れか1つに記載の走査光学系において、有効書込幅:Wと、有効書込幅における副走査像面湾曲の幅:Fが、条件:
(5) F/W<0.005
を満足することが好ましい(請求項10)。
【0018】
上記請求項1〜10の何れか1つに記載の走査光学系において、小径光スポットのスポット径としては、被走査面上の光スポットのスポット径を、その光スポットにおける光強度分布のラインスプレッド関数における1/e強度で定義するとき、そのスポット径が、主・副走査方向とも有効書込範囲内において50μm以下となる範囲を有するように走査光学系の結像性能を設定することができる(請求項11)。
上記「ラインスプレッド関数」は、被走査面上に形成された光スポットの中心座標を基準としたとき、主走査方向及び副走査方向の座標をY,Zとして、光スポットの光強度分布をf(Y,Z)とするとき、Z方向のラインスプレッド関数:LSZは、
(6) LSZ(Z)=∫f(Y,Z)dY
(積分はY方向における光スポットの全幅について行う)
で定義され、Y方向のラインスプレッド関数:LSYは、
(7) LSY(Y)=∫f(Y,Z)dZ
(積分はZ方向における光スポットの全幅について行う)
で定義される。
【0019】
このように定義されるラインスプレッド関数:LSZ(Z),LSY(Y)は、一般に略ガウス分布型の形状であるので、Y方向及びZ方向のスポット径は、これらラインスプレッド関数:LSZ(Z),LSY(Y)が、その最大値の1/e以上となる領域のY,Z方向の幅で与えられる。上記請求項11において述べられている内容は、このように定義されるY,Z方向のスポット径が有効書込範囲内において、光スポットが50μm以下になる範囲を有するということである。ラインスプレッド関数により上記の如く定義されるスポット径は、「光スポットをスリットで等速走査し、スリットを通った光を光検出器で受光し、受光量を積分する」ことにより容易に測定可能であり、このような測定を行う装置も市販されている。
従来の技術では、50μm以下のスポット径を持つ良好な光スポットを形成することは容易でないが、この発明のように、走査光学系内に、副非円弧面を1面以上用い、その面形状を「波面収差を良好に補正する形状」とすることにより、50μm以下のスポット径を持つ良好な光スポットをも確実に形成することができる。
【0020】
上記請求項1〜11の何れか1つに記載の走査光学系において、副非円弧面の、副走査断面内における非円弧形状の「非円弧量」を、主走査方向に非対称に変化させることができる(請求項12)。ここで、「非円弧量」は、円弧(近軸曲率半径)からのずれ量である。
上記請求項1〜12の何れか1つに記載の走査光学系は勿論、シングルビーム方式の光走査装置に使用できるが、「光偏向器により同時に偏向される複数ビームを、被走査面上に複数の光スポットとして集光する」ために用いることもできる(請求項13)。
【0021】
請求項14記載の光走査装置は、シングルビーム方式の光走査装置である。
即ち、この光走査装置は、「光源からのビームを、カップリングレンズにより以後の光学系にカップリングし、カップリングされたビームを線像結像光学系により、光偏向器の偏向反射面近傍に主走査方向に長い線像として結像させ、上記光偏向器により等角速度的に偏向させ、偏向ビームを走査光学系により、被走査面上に光スポットとして集光させ、上記被走査面を走査するシングルビーム方式の光走査装置において、上記走査光学系として、請求項1〜12の何れか1つに記載の走査光学系を用いた」ことを特徴とする。
【0022】
請求項15記載の光走査装置は、マルチビーム方式の光走査装置である。
即ち、この光走査装置は、「複数の発光源からのビームを、カップリングレンズにより以後の光学系にカップリングし、カップリングされた複数ビームを共通の線像結像光学系により、光偏向器の偏向反射面近傍に主走査方向に長く、副走査方向に分離した複数の線像として結像させ、上記光偏向器により同時に等角速度的に偏向させ、各偏向ビームを共通の走査光学系により、被走査面上に、副走査方向に分離した複数の光スポットとして集光し、これら複数の光スポットにより複数の走査線を同時に走査するマルチビーム方式の光走査装置において、複数の偏向ビームに共通の走査光学系として、請求項14記載の走査光学系を用いた」ことを特徴とする。尚、上記カップリングレンズは、複数ビームに対して、個別的としても共通化してもよい。
この請求項15記載のマルチビーム方式の光走査装置においては、光源として「複数の発光源が1列に配列されたモノリシックな半導体レーザアレイ」を用いることができる(請求項16)。この場合、上記半導体レーザアレイの発光源の間隔は「10μm以上」であることが好ましい(請求項17)。
【0023】
この発明に係る画像形成装置は、「感光性の像担持体の被走査面に対して光走査手段による走査を行って潜像を形成し、該潜像を現像手段で可視化して画像を得る画像形成装置」であり、上記像担持体の被走査面の走査を行う光走査手段として、請求項14〜17の何れか1つに記載の光走査装置を用いたことを特徴とする(請求項18)。
ここで、上記感光性の像担持体としては、例えば光導電性の感光体を用いることができ、この感光体を帯電手段で均一帯電した後、請求項14〜17の何れか1つに記載の光走査装置を用いて感光体上に画像書込を行い、静電潜像を形成し、この静電潜像を例えばトナーを用いた現像手段により可視化する。そして、感光体上に形成されたトナー画像を記録媒体(記録用紙やオーバーヘッドプロジェクタ用のプラスチックシート等)に転写手段で転写した後、定着手段で定着することにより、記録媒体上に固着画像を得ることができる。このような画像形成装置は、いわゆる電子写真方式の画像形成装置であり、例えばデジタル複写機やファクシミリ、レーザプリンタ、レーザプロッタ等として実施できる。
また、上記感光性の像担持体としては、例えば銀塩写真フィルム等を用いることもできる。この場合、光走査装置による光走査によりフィルム上に形成された潜像は通常の銀塩写真プロセスの現像手段で可視化できる。このような画像形成装置は、例えば光製版装置として実施できる。
【0024】
次に本発明による走査光学系及び光走査装置の特徴及び作用についてより詳細に説明する。
シングルビーム方式でも、マルチビーム方式でも、光偏向器以後に配備される走査光学系の副走査方向の横倍率:|β|は、|β|≧0.5が「実用的に使える範囲」である。即ち、|β|が0.5より小さいと、一般に被走査面側のレンズが被走査面に近づきすぎ、そのレンズの主走査方向の全長が長くなるため、加工が困難になり、レンズの製造コストも高くなる。また、「長いバック長の確保」も難しい。
また、光学系が著しく拡大倍率(|β|>2)となると、環境変動や走査光学系の取り付け誤差による像面位置変動が大きくなりやすく、光スポットの小径化は、「副非円弧面」を用いても困難となる。即ち、走査光学系は、請求項記載の発明のように、副走査方向の倍率:βが、条件:
(2) 0.5≦|β|≦2.0
を満足することが望ましい。
【0025】
請求項1記載の走査光学系は、副走査方向においては、光偏向器側から順に「負・正の屈折力配分」とすることにより、いわゆる「レトロフォーカス型」としている。このため、実際のレンズ配置におけるよりも被走査面側に「副走査方向の後側主点」を配備することができるので、バック長を長くとることが可能となり、走査光学系の副走査方向の横倍率:|β2|を上記条件(2)の範囲とすることにより、被走査面側のレンズの「主走査方向のレンズ全長の長大化」及び、「環境変動や走査光学系の取付誤差による像面位置変動」を有効に抑えることができる。
また、請求項1記載の走査光学系は、上記の如く「副走査方向においてレトロフォーカス型」であるため、「Fナンバ」を小さくできる。
【0026】
更に、請求項1記載の走査光学系は、主走査方向においては、光偏向器側から順に「正・負の屈折力配分」とし、且つ、「それぞれのレンズの少なくとも1面を、主走査断面内の形状が非円弧形状」とすることで、fθ特性等の「等速度特性」を確保している。特に、被走査面側のレンズを負パワーとすると、レンズの肉厚が主走査方向に亘って均一になりやすく、加工上有利である。また、環境変動による光学特性の劣化をキャンセルでき、安定な走査光学系を得ることができる。
更にまた、請求項1記載の走査光学系は、「それぞれのレンズの少なくとも1面において、主・副走査方向の曲率半径を異ならせる」ことにより、主・副走査方向の光学特性を独立に制御することができる。
【0027】
更に、請求項記載の走査光学系のように、「それぞれのレンズの主走査断面内の形状を、光偏向器側に凹面を向けたメニスカス形状」とすることにより、主走査方向のコマ収差を抑えることができ、主走査方向の波面収差を良好に補正することができる。
また、請求項記載の走査光学系のように、2枚のレンズの4つのレンズ面のうち、少なくとも1つのレンズ面は、有効書込範囲内において、そのレンズ面に入射する主光線の方向ベクトル:Iと、そのレンズ面に入射する主光線の入射位置でのレンズ面の放線ベクトル:Jが、条件:
(1) 0.9<|I・J|≦1.0
を満足するようにすると、主走査方向の波面収差の補正はより効果的になる。勿論、上記4つのレンズ面のうち、条件(1)を満足するレンズ面が多ければ多いほど、主走査方向の波面収差の低減は、より一層効果的である。
【0028】
更に、請求項記載の発明のように、走査光学系を「アナモフィックな光学系」とすることにより、光偏向器における面倒れを補正することが可能となる。
また、請求項記載の発明のように、走査光学系の2枚のレンズの4つのレンズ面のうち、全てのレンズ面について、主・副走査方向の曲率半径を異ならせることにより、走査線曲がりを小さく抑えることが可能となる。
【0029】
ところで、良好な光走査を行うには、被走査面上の光スポットの径(主走査方向の径は、信号の電気的な補正である程度対処できるが、副走査方向の径はこのような補正ができないので、特に副走査方向のスポット径)が、像高によって大きく変化しないことが重要である。このことは高密度の光走査では特に重要になってくる。「被走査面上の光スポットの副走査方向の径が、像高によって大きく変化しない」ためには、走査光学系の副走査方向の横倍率が像高により大きく変化しないことが必要である。また、走査光学系の副走査方向の横倍率の、像高による変動は、マルチビーム走査方式においては「同時に走査される走査線のピッチ(走査線ピッチと言う)が像高と共に変化する」問題となって現れる。
【0030】
従って、マルチビーム方式の光走査において、走査線のピッチの「像高による変動」を抑えるには「マルチビーム走査光学系の副走査方向の横倍率を、像高間で一定に補正する」ことが必要である。そしてこのことは、走査光学系を構成する2枚のレンズの4つのレンズ面のうちの少なくとも2つのレンズ面を「特殊トロイダル面」とし、副走査方向のベンディングにより「副走査方向の主点位置を像高に応じて調整する」ことにより実現できる。
【0031】
上記の本発明のマルチビーム走査光学系のように、少なくとも2つのレンズ面を「特殊トロイダル面」とし、副走査方向でベンディングさせて「副走査方向の主点位置を調整する」場合、これら少なくとも2つの「特殊トロイダル面」のレンズ面の面間隔が広いほうが、主点位置の変化量を大きくとることができ、ベンディングにより副走査方向の横倍率を調整できる範囲が広くなる。このため、本発明では、走査光学系の中で、上記少なくとも2つの「特殊トロイダル面」のレンズ面の間隔を大きくとれるように、これらの少なくとも2つの「特殊トロイダル面」のレンズ面間に空気間隔を有するようにした。
【0032】
また、「特殊トロイダル面」は、上記で定義したように「副走査方向の曲率半径が主走査方向に変化する面」であるが、この副走査方向の曲率半径の変化が大きいと、次のような課題が発生する。即ち、そのようなレンズを切削加工する際に、切削圧が大きく変化するため、面精度の確保が難しくなる。また、プラスチック成形の際に、曲率半径の小さい部分と曲率半径の大きい部分の肉厚差が大きくなるため、ヒケや内部歪を生じ易くなる。更に、曲率半径の公差によるパワー変動の影響が、曲率半径の小さい部分と曲率半径の大きい部分で大きく異なり、副走査方向の像面湾曲の変動が大きくなる。そこで請求項記載の発明では、上記「特殊トロイダル面」である少なくとも2つのレンズ面は、有効書込範囲内において、副走査方向の曲率半径の最大値:|r|maxと、副走査方向の曲率半径の最小値:|r|minが、条件:
(3) 0.5<|r|min/|r|max≦1.0
を満足するようにすることにより、上記の課題を解決している。
【0033】
また、光偏向器としてポリゴンミラーを用いる場合、ポリゴンミラーの回転中心は、走査光学系の光軸からずらして設置されるため、ビーム偏向に伴って偏向反射面での反射点が変位し、偏向光束の偏向の起点が変動する「光学的なサグ」が発生する。そしてこの「光学的なサグ」が存在すると、走査光学系の光軸の+像高側と−像高側とで、光束の通る経路が異なることになる。このため、副走査方向の横倍率は「主走査方向において非対称に変化」する。この非対称な横倍率変化は、上記「特殊トロイダル面」である少なくとも2つのレンズ面のうちの、少なくとも1つのレンズ面を「副走査方向の曲率半径の変化が主走査方向に非対称な面」とすることで補正できる。
【0034】
ここで言う「副走査方向の曲率半径の変化が主走査方向に非対称な面」とは、例えば、
(a)副走査方向の曲率半径の変化が、光軸から主走査方向に離れるにつれて左右非対称に単調増加する、
(b)副走査方向の曲率半径の変化が、光軸から主走査方向に離れるにつれて左右非対称に単調減少する、
(c)副走査方向の曲率半径の変化の極値が、光軸外にある、
(d)副走査方向の曲率半径の変化が、+像高側から−像高側に向って単調増加する、
(e)副走査方向の曲率半径の変化が、+像高側から−像高側に向って単調減少する、
(f)副走査方向の曲率半径の変化が、極値を2以上有する、
等、様々な面が考えられるが、このような「光軸として一般的な回転対称軸を持たない」全ての面を指す。
【0035】
そして、これらのどれが「副走査方向の曲率半径の変化が主走査方向に非対称な面」として採用されるかは、設計条件により左右される。尚、このような非対称形状のレンズに関して「光軸」というとき、この明細書中では、レンズ面形状を決定する基準座標系における「主・副走査方向に直交的な基準軸」を言うものとする。
【0036】
このとき、シングルビーム方式でもマルチビーム方式でも、有効走査領域内における「副走査方向の横倍率変化」は10%以下であることが好ましく、より好ましくは7%以下がよい。請求項記載の発明では、上記走査光学系において、中心像高における副走査方向の横倍率:βと、任意像高における副走査方向の横倍率:βが、条件:
(4) 0.9≦β/β≦1.1
を満足するようにすることにより、上記10%以下の副走査方向横倍率変化を実現している。
【0037】
特に、マルチビーム方式での光走査の場合、副走査方向の横倍率変化が7%以下であれば、「1200dpiで7次飛び越し走査」を行う場合でも、同時に走査する複数走査線の走査線ピッチ148.19μmに対してピッチ変動は10.37μmとなり、1200dpiでの隣接ピッチ:21.17μmの略半分に抑えられる。飛び越し走査の場合、ピッチ変動が「隣接ピッチの略半分」であることは、走査線ピッチ変動に対する許容限界であり、5次飛び越しや3次飛び越しならば、更にピッチ変動を小さく抑えることができる。
【0038】
良好な光走査を行うには、被走査面上の光スポットの副走査方向のビームウェスト位置が、像高によって大きくばらつかないことも重要である。また、「被走査面上の光スポットの副走査方向のビームウェスト位置が、像高によって大きくばらつかない」ためには、走査光学系の副走査方向の像面湾曲量が像高により大きく変化しないことが必要である。
請求項10記載の発明では、上記走査光学系において、有効書込幅:Wと、有効書込幅における副走査像面湾曲の幅:Fが、条件:
(5) F/W<0.005
を満足するようにすることにより、副走査方向の像面湾曲量が像高により変動することを抑えている。
【0039】
尚、前述の条件(4)を満足しつつ上記の条件(5)を満足するには、副走査方向の像面湾曲についても「光学的なサグ」を考慮しなければならない。この「光学的なサグ」の影響は、一般に「走査光学系の副走査方向横倍率の変化」に与える影響とは必ずしも一致しない。従って、「副走査方向の曲率半径の変化が主走査方向に非対称な面」は、横倍率変化の非対称性を補正するため、及び副走査方向の像面湾曲の非対称性を補正するために、走査光学系の2枚のレンズの4つのレンズ面のうち、少なくとも2つのレンズ面に導入することが好ましい。
【0040】
尚、請求項1記載の走査光学系は、前述したように上記2枚のレンズのレンズ面のうち、少なくとも1つのレンズ面を「副非円弧面」としているため、光スポットのスポット径を「より小さく絞る」ことができ、光走査の高密度化に容易に対応することができる。
光走査の有効書込範囲内に亘って光スポットのスポット径を「より小さく絞る」ためには、請求項2記載の発明のように「副非円弧面の形状を、主走査方向における副走査断面の位置に応じて変化させる」ことが好ましい。
また、「光学的なサグ」の影響により、発生する波面収差量も光スポットの像高に応じて非対称に異なることになるが、請求項12記載の走査光学系のように、副非円弧面の非円弧量を、主走査方向に非対称とすることにより、上記サグによる非対称な波面収差を補正し、各像高ごとに最良の波面収差を設定することができる。
【0041】
波面収差は、前述したように「特殊トロイダル面」の組み合わせによりある程度までは小さく抑えることが可能である。しかし、より高密度の書込が要請されると、「特殊トロイダル面」の組み合わせによる波面収差の低減では所望の小径の光スポットを得ることが難しくなる。そこで、更なる波面収差の低減のために、上記「副非円弧面」が非常に有効な手段となる。尚、上記「副非円弧面」は、被走査面上の各走査位置(光スポットの集光位置)における波面収差を補正するように定められる。これにより、被走査面上の各走査位置毎に、最良の波面収差を設定することができる。
【0042】
また、「副非円弧面」には、次のような機能もある。すなわち、走査光学系によっては、被走査面上における光スポットの移動速度を等速化する等速化特性等、他の光学特性の良好性も要求されるから、像面湾曲の補正も他の光学特性の補正とのバランスの取れたものでなければならず、像面湾曲のみを良好にしようとすると、他の光学特性が劣化したりする問題がある。
また、被走査面の実体の一例である光導電性の感光体と光走査装置の組み付けの公差を考慮すると、走査光学系における像面湾曲が設計上いくら良好に補正されても、被走査面位置が上記公差により設計上の位置からずれた場合に、設計上の良好な像面湾曲を実現できない場合もある。
【0043】
その場合には、上記「副非円弧面」に「副走査方向の像面湾曲によるビームウェストの被走査面に対する位置ずれを補正する」機能を持たせることで上記の問題点を解決することができる。つまり、副走査方向の像面湾曲により、副走査方向の近軸結像点(近軸光線束による結像位置)が被走査面に対して像高毎にばらついているにも拘わらず、全光線束に対応するビームのビームウェストを被走査面に近付ける補正を「副非円弧面」を用いることで達成することができ、この補正により副走査方向の光スポット径の変動を有効に補正することができる。
【0044】
また、請求項15記載のマルチビーム方式の光走査装置のように、カップリングされた各ビームにつき、線像結像光学系から走査光学系までを、複数ビームに共通化することにより、線像結像光学系以下をシングルビーム方式の光走査装置と同様に構成することができ、機械的変動に対し、極めて安定性の高いマルチビーム走査装置を実現することができる。
マルチビーム方式の光走査装置の場合、光源としては、LDアレイ方式のものでも、ビーム合成方式のものでも利用できる。LDアレイ方式の光源を用いる場合、請求項17記載の発明のように、半導体レーザアレイの発光源の間隔を10μm以上とすることにより、発光源間の熱的・電気的な影響を有効に軽減して良好なマルチビーム走査を行うことが可能になる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の構成・動作を図面を参照して詳細に説明する。
図22に、この発明に係る光走査装置の実施の1形態を要部のみ示す。図22に示す光走査装置は、シングルビーム方式のものである。
図22において、半導体レーザである光源1から放射されたビームは発散性の光束で、カップリングレンズ2により以後の光学系にカップリングされる。カップリングされたビームの形態は、以後の光学系の光学特性に応じて、弱い発散性の光束や弱い集束性の光束となることも、平行光束となることもできる。
カップリングレンズ2を透過したビームは、アパーチャ3の開口部を通過する際、光束周辺部を遮断されて「ビーム整形」され、「線像結像光学系」であるシリンドリカルレンズ4に入射する。シリンドリカルレンズ4は、パワーのない方向を主走査方向に向け、副走査方向には正のパワーを持ち、入射してくるビームを副走査方向に集束させ、「光偏向器」であるポリゴンミラー5の偏向反射面近傍に集光させる。
ポリゴンミラー5の偏向反射面により反射されたビームは、ポリゴンミラー5の等速回転に伴い等角速度的に偏向しつつ、「走査光学系」をなす2枚のレンズ6,7を透過し、折り曲げミラー8により光路を折り曲げられ、「被走査面」の実体をなす光導電性の感光体9上に光スポットとして集光し、被走査面を光走査する。尚、ビームは光走査に先立ってミラー10に入射し、レンズ11により受光素子12に集光される。そして受光素子12の出力に基づき、光走査の書込開始タイミングが決定される。
【0046】
「走査光学系」は、光偏向器5により偏向されるビームを、被走査面9上に光スポットとして集光させる光学系であって、2枚のレンズ6,7により構成される。光偏向器5側のレンズ6は、主走査方向に正の屈折力、副走査方向に負の屈折力を有し、少なくとも1つのレンズ面においては、主走査断面内の形状が非円弧形状であり、主・副走査方向の曲率半径が異なり、被走査面9側のレンズ7は、主走査方向に負の屈折力、副走査方向に正の屈折力を有し、少なくとも1つのレンズ面においては、主走査断面内の形状が非円弧形状であり、主・副走査方向の曲率半径が異なる(請求項1)。また、レンズ6,7は、主走査断面内の形状が、光偏向器5側に凹面を向けたメニスカス形状である(請求項)。また、上記2枚のレンズ6,7の4つのレンズ面のうち、少なくとも1つのレンズ面は、有効書込範囲内において、そのレンズ面に入射する主光線の方向ベクトル:Iと、そのレンズ面に入射する主光線の入射位置でのレンズ面の放線ベクトル:Jが、条件:
(1) 0.9<|I・J|≦1.0
を満足することが好ましい(請求項)。
【0047】
この「走査光学系」は、中心像高の副走査方向倍率:βが、条件:
(2) 0.5≦|β|≦2.0
を満足する(請求項5)。
また、この実施の形態において、レンズ6,7は、偏向反射面近傍と被走査面9とを副走査方向に関して、幾何光学的に共役関係とする機能を有するアナモフィックな光学系である(請求項6)。
また、この実施の形態において、レンズ6,7の各面は、全て主・副走査方向の曲率半径が異なる面である(請求項7)。
更に、この実施の形態において、レンズ6,7の4つのレンズ面のうち、少なくとも2つのレンズ面は「特殊トロイダル面」であり、この少なくとも2つの「特殊トロイダル面」のレンズ面間に空気間隔を有する。
また、上記2つの「特殊トロイダル面」のレンズ面のうちの少なくとも1つのレンズ面は、副走査方向の曲率半径変化が主走査方向に非対称で、中心像高における副走査方向の横倍率:βと、任意像高における副走査方向の横倍率:βが、条件:
(4) 0.9≦|β/β|≦1.1
を満足し(請求項)、有効書込幅:W、有効書込幅における副走査像面湾曲の幅:Fが、条件:
(5) F/W<0.005
を満足する(請求項10)。
【0048】
更に、この実施の形態において、レンズ6,7の4つのレンズ面のうち、少なくとも1つのレンズ面は、副走査断面内の形状が非円弧形状である副非円弧面であり、その非円弧面形状は、被走査面上の各走査位置における波面収差を補正するように、主走査方向における副走査断面の位置に応じて変化する面である。
また、この実施の形態において、レンズ6,7は、被走査面上の光スポットのスポット径を、光スポットにおける光強度分布のラインスプレッド関数における1/e強度で定義するとき、そのスポット径を主・副走査方向とも、有効書込範囲内に50μm以下となる範囲を有するような結像性能を持つ光学系である(請求項11)。
また、この実施の形態において、レンズ6,7の4つのレンズ面のうち、上記副非円弧面は、副走査断面内における非円弧形状の、円弧からのずれ量である非円弧量を、主走査方向に非対称に変化させる(請求項12)。
【0049】
図22に実施の形態を示すシングルビーム方式の光走査装置は、光源からのビームをカップリングレンズ2により以後の光学系にカップリングし、カップリングされたビームを線像結像光学系4により光偏向器5の偏向反射面近傍に主走査方向に長い線像として結像させ、光偏向器5により等角速度的に偏向させ、偏向ビームを走査光学系6,7により、被走査面9上に光スポットとして集光し、被走査面9を光走査する光走査装置であって、走査光学系6,7として、請求項1〜12記載の走査光学系を用いたものである(請求項14)。
【0050】
図23に、この発明に係るマルチビーム方式の光走査装置の実施の1形態を示す。煩雑を避けるため、混同の虞がないと思われるものについては図22におけるものと同一の符号を付した。
図23において、光源1Aは複数の発光源を有する半導体レーザアレイであって、図示の例では4つの発光源ch1〜ch4を等間隔で1列に配列したものである。ここでは、4つの発光源ch1〜ch4を副走査方向に配列した実施形態を示しているが、勿論、半導体レーザアレイを傾け、発光源の配列方向が副走査方向に対して主走査方向側に傾くようにしてもよい。尚、発光源ch1〜ch4の相互の間隔は、10μm以上である(請求項17)。
【0051】
半導体レーザアレイ1Aの4つの発光源ch1〜ch4から放射された4ビームは、図に示すように「楕円形のファーフィールドパターン」の長軸方向が主走査方向に向いた発散性の光束であるが、4ビームに共通のカップリングレンズ2により、以後の光学系にカップリングされる。カップリングされたビームの形態は、以後の光学系の光学特性に応じ、弱い発散性の光束や弱い集束性の光束となることも、平行光束となることもできる。
カップリングレンズ2を透過した4ビームは、アパーチャ3により「ビーム整形」され、「共通の線像結像光学系」であるシリンドリカルレンズ4の作用により、それぞれ副走査方向に集束され、「光偏向器」であるポリゴンミラー5の偏向反射面近傍に、それぞれが主走査方向に長い線像として、互いに副走査方向に分離して結像する。
ポリゴンミラー5の偏向反射面により反射された4ビームは、ポリゴンミラー5の等速回転に伴い等角速度的に偏向しつつ、「走査光学系」をなす2枚のレンズ6,7を透過し、折り曲げミラー8により光路を折り曲げられ、「被走査面」の実体をなす光導電性の感光体9上に、副走査方向に分離した4つの光スポットとして集光し、被走査面上の4走査線を同時に光走査する。尚、ビームの1つは、光走査に先立ってミラー10に入射し、レンズ11により受光素子12に集光される。そして受光素子12の出力に基づき、4ビームの光走査の書込開始タイミングが決定される。
【0052】
「走査光学系」は、光偏向器5により同時に偏向される4ビームを、被走査面9上に4つの光スポットとして集光させる光学系であって、2枚のレンズ6,7により構成される。これらのレンズ6,7は、図22に即して説明したものと同様の構成のものであり、中心像高の副走査方向倍率:βが、条件:
(2) 0.5≦|β|≦2.0
を満足する(請求項5)。
また、図22の実施の形態と同様、レンズ6,7の4つのレンズ面のうち、少なくとも2つのレンズ面は「特殊トロイダル面」であり、この少なくとも2つの「特殊トロイダル面」のレンズ面間に空気間隔を有する。また、上記2つの「特殊トロイダル面」のレンズ面のうちの少なくとも1つのレンズ面は、副走査方向の曲率半径変化が主走査方向に非対称で、中心像高における副走査方向の横倍率:βと、任意像高における副走査方向の横倍率:βが、条件:
(4) 0.9≦|β/β|≦1.1
を満足し(請求項)、有効書込幅:W、有効書込幅における副走査像面湾曲の幅:Fが、条件:
(5) F/W<0.005
を満足する(請求項10)。
【0053】
図23に実施の形態を示すマルチビーム方式の光走査装置は、複数の発光源ch1〜ch4からのビームを、共通のカップリングレンズ2により以後の光学系にカップリングし、カップリングされた複数ビームを、共通の線像結像光学系4により、光偏向器5の偏向反射面近傍に主走査方向に長く、副走査方向に分離した複数の線像として結像させ、光偏向器5により同時に等角速度的に偏向させ、各偏向ビームを共通の走査光学系6,7により、被走査面9上に、副走査方向に分離した複数の光スポットとして集光し、これら複数の光スポットにより複数の走査線を同時に走査するマルチビーム方式の光走査装置であって、複数の偏向ビームに共通の走査光学系として、請求項13記載の走査光学系を用いたものである(請求項15)。そして光源として、複数の発光源ch1〜ch4が1列に配列されたモノリシックな半導体レーザアレイ1Aを用い(請求項16)、半導体レーザアレイ1Aの発光源ch1〜ch4の相互の間隔は10μm以上である(請求項17)。
【0054】
図24に、この発明に係るマルチビーム方式の光走査装置の実施の別形態を示す。この光走査装置は、光源としてビーム合成方式のものを用いるものである。
図24において、光源1−1,1−2は半導体レーザであって、それぞれ単一の発光源を持つ。光源1−1,1−2から放射された各ビームは、カップリングレンズ2−1,2−2により以後の光学系にカップリングされる。カップリングされた各ビームの形態は、以後の光学系の光学特性に応じて、弱い発散性の光束や弱い集束性の光束となることも、平行光束となることもできる。
カップリングレンズ2−1,2−2を透過した各ビームは、アパーチャ3−1,3−2により「ビーム整形」され、ビーム合成プリズム20に入射する。ビーム合成プリズム20は、反射面と、偏光分離膜と1/2波長板とを有する。光源1−2からのビームは、ビーム合成プリズム20の反射面と、偏光分離膜とに反射されてビーム合成プリズム20を射出する。また、光源1−1からのビームは1/2波長板により偏光面を90度旋回され、偏光分離膜を透過してビーム合成プリズム20から射出する。このようにして、2ビームが合成される。カップリングレンズ2−1,2−2の光軸に対する光源1−1,1−2の発光部の位置関係の調整により、ビーム合成された2ビームは互いに副走査方向に微小角をなしている。
【0055】
ビーム合成プリズム20によりビーム合成された2ビームは、「共通の線像結像光学系」であるシリンドリカルレンズ4の作用により、それぞれ副走査方向に集束され、「光偏向器」であるポリゴンミラー5の偏向反射面近傍に、それぞれが主走査方向に長い線像として、互いに副走査方向に分離して結像する。
ポリゴンミラー5の偏向反射面により反射された2ビームは、ポリゴンミラー5の等速回転に伴い等角速度的に偏向しつつ、「走査光学系」をなす2枚のレンズ6,7を透過し、折り曲げミラー8により光路を折り曲げられ、「被走査面」の実体をなす光導電性の感光体9上に、副走査方向に分離した2つの光スポットとして集光し、被走査面上の2走査線を同時に光走査する。尚、ビームの1つは、光走査に先立ってミラー8により反射されて、受光素子12に集光される。そして受光素子12の出力に基づき、2ビームの光走査の書込開始タイミングが決定される。またこのようにする代わりに、2つのビームを主走査方向にも分離し、各ビームを光走査に先立って受光素子12に集光し、受光素子12の出力に基づき、2ビームの書込開始タイミングを各々個別に決定するようにしてもよい。
【0056】
「走査光学系」は、光偏向器5により同時に偏向される2ビームを、被走査面9上に2つの光スポットとして集光させる光学系であって、2枚のレンズ6,7により構成される。これらのレンズ6,7は、図22、図23に即して説明したものと同様の構成のものであり、中心像高の副走査方向倍率:βが、条件:
(2) 0.5≦|β|≦2.0
を満足する(請求項5)。
また、図22、図23の実施の形態と同様、レンズ6,7の4つのレンズ面のうち、少なくとも2つのレンズ面は「特殊トロイダル面」であり、この少なくとも2つの「特殊トロイダル面」のレンズ面間に空気間隔を有する。また、上記の2つの「特殊トロイダル面」のレンズ面のうちの少なくとも1つのレンズ面は、副走査方向の曲率半径変化が主走査方向に非対称で、中心像高における副走査方向の横倍率:βと、任意像高における副走査方向の横倍率:βが、条件:
(4) 0.9≦|β/β|≦1.1
を満足し(請求項)、有効書込幅:W、有効書込幅における副走査像面湾曲の幅:Fが、条件:
(5) F/W<0.005
を満足する(請求項10)。
【0057】
図24に実施の形態を示すマルチビーム方式の光走査装置は、複数の発光源1−1,1−2からのビームを、カップリングレンズ2−1,2−2により以後の光学系にカップリングし、カップリングされた複数ビームを、共通の線像結像光学系4により、光偏向器5の偏向反射面近傍に主走査方向に長く、副走査方向に分離した複数の線像として結像させ、光偏向器5により同時に等角速度的に偏向させ、各偏向ビームを共通の走査光学系6,7により、被走査面9上に、副走査方向に分離した複数の光スポットとして集光し、これら複数の光スポットにより複数の走査線を同時に走査するマルチビーム方式の光走査装置であって、複数の偏向ビームに共通の走査光学系として、請求項13記載の走査光学系を用いたものである(請求項15)。
【0058】
図25は、この発明に係る画像形成装置の実施の1形態を示している。この画像形成装置は、感光性の像担持体100の被走査面に対して光走査装置114による走査を行って潜像を形成し、該潜像を現像手段116で可視化して画像を得るものであり、光走査装置114として、請求項14〜17の何れか1つに記載の光走査装置を用いたものである(請求項18)。尚、この実施形態は、像担持体100として光導電性の感光体を用い、感光体上の潜像を現像手段116のトナーで可視化する、いわゆる電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置の例である。
【0059】
図25において、光導電性の感光体100は、円筒状に形成されて矢印方向へ等速回転し、帯電手段(図には一例としてコロナ放電式のものを示しているが、帯電ローラや帯電ブラシ等の接触式のものとしてもよい)112により均一帯電され、光走査装置114による書込みで静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段116により現像され、現像により得られた可視像は、転写手段(図には一例としてローラ式のものを示しているが、転写・分離チャージャ式のもの等としてもよい)120によりシート状の記録媒体(転写紙やオーバヘッドプロジェクタ用のプラスチックシート等)Sに転写される。転写後の記録媒体Sは定着手段122に送られ、転写された可視像を定着手段122により定着されて装置外の排紙トレイ等へ排出される。
【0060】
図25において、符号118はトナーホッパーを示している。このトナーホッパー118は、貯蔵したトナーを、必要に応じて現像手段116に補給するようになっており、ホッパーごと交換できるようになっている。
光走査装置114は光偏向器1141以後が描かれている。光偏向器1141により偏向されたビームは、レンズ1142を透過し、ミラー1144,1145により光路を屈曲され、レンズ1143を透過して光走査装置114から射出し、感光体100を光走査する。この例でレンズ1142,1143が走査光学系の実体をなし、バック長は、レンズ1143の感光体100側の面から感光体100に至る距離である。
【0061】
ところで、トナーホッパー118を頻繁に交換するユーザの負担を軽減するため、トナーホッパー118の貯蔵トナー量を増大させてトナーホッパー交換期間を長くすることが行われており、それに伴いトナーホッパー118が大型化するので、光走査装置114の走査光学系に長いバック長が要求されている。しかし、この画像形成装置においては、光走査装置114として、請求項14〜17の何れか1つに記載の光走査装置を用いているので、後述の実施例に示すように走査光学系は「長いバック長」を有することができ、上記のような長いバック長の要求に応えることができ、良好な画像形成を実現できる。
【0062】
【実施例】
以下、本発明の具体的な例として3つの実施例を挙げて説明する。各実施例(実施例1〜3)において、走査光学系を構成するレンズのレンズ面形状の表現は以下の式による。
「主走査断面内における非円弧形状」
レンズ面の主走査断面内における非円弧形状を、主走査断面内の近軸曲率半径:Rm、光軸からの主走査方向の距離:Y、円錐定数:K、高次の係数:A1,A2,A3,A4,A5,A6,・・、光軸方向のデプス:Xを用いて次の多項式(8)で表す。
Figure 0004451519
式(8)において、奇数次の係数:A1,A3,A5,・・に0以外の数値を代入したとき、非円弧形状は「主走査方向に非対称形状」となる。
【0063】
「副走査断面内における曲率半径」
レンズ面の副走査断面内における曲率半径は、副走査断面内で曲率半径が主走査方向(光軸位置を原点とする座標:Yで表す)に変化する場合、次の多項式(9)で表す。尚、下記のCS(Y)は、座標:Yにおける曲率を表すため、曲率半径はCS(Y)の逆数として求める。
S(Y)={1/RS(0)}
+B1Y+B22+B33+B44+B55+B66・・(9)
S(0)は、副走査断面内における光軸上(Y=0)の曲率半径を表し、B1,B2,B3,B4,B5,B6,・・は高次の係数である。
式(9)において、Yの奇数次の係数:B1,B3,B5,・・に0以外の数値を代入したとき、副走査断面内の曲率半径の変化が主走査方向に非対称となる。
【0064】
「副非円弧面」
副非円弧面は、副走査断面の主走査方向の位置(光軸位置を原点とする座標):Y、副走査方向の座標:Zを用いて次の多項式(10)で表す。
Figure 0004451519
ここで、式(10)におけるCSは、上記の式(9)で定義されたCS(Y)である。また、KSは、次の式(11)で定義される。
S=KS(0)+C1Y+C22+C33+C44+C55+・・(11)
式(10)において、F1,F3,F5,・・、G1,G3,G5,・・等の係数に0以外の数値を代入すると、副走査断面内の非円弧量が主走査方向に非対称となる。
すなわち、副非円弧面は、前述のように「副走査断面内の形状が非円弧形状で、この副走査断面内の非円弧形状が、主走査方向における副走査断面の位置に応じて変化する面」であるが、式(10)において、右辺の第1〜2行は主走査方向の座標:Yのみの関数で「主走査断面内の形状」を表す。また、右辺の第3行以下は、副走査断面のY座標が決まると、Zの各次数の項の係数が一義的に決まり、座標:Yにおける「副走査断面内の非円弧形状」が定まる。
尚、副非円弧面等の面形状に関する解析表現は、上に挙げたものに限らず種々のものが可能であり、この発明における面形状が上記式による表現に限定されるものではない。
【0065】
(実施例1)
最初に挙げる実施例1は、図23に即して実施の形態を説明したマルチビーム方式の光走査装置に用いられる走査光学系の具体例である。ここで図1に、図23に示す光走査装置の光源1Aから被走査面9に至る光学系の主走査断面上の光学配置を示す。
・光源1A:半導体レーザアレイ、
発光源数:4、発光源間隔(発光源ピッチ):14μm、波長:780nm。
・カップリングレンズ2:2群3枚構成(第2群は接合レンズ)、
焦点距離:22mm、カップリング作用:コリメート作用。
・アパーチャ3:開口形状:矩形。
・シリンドリカルレンズ4、
副走査方向の焦点距離:126.18mm。
・ポリゴンミラー5、
偏向反射面数:5、内接円半径:25mm。
・光源側からの入射ビーム(副走査方向に直交する面への射影状態における入射方向)と走査光学系の光軸がなす角:60度。
・走査方法:1200dpi、5次飛び越し走査。
・「ポリゴンミラーと被走査面との間にある光学系のデータ」
下記のデータ表記の記号につき説明すると、面番号をiとし、ポリゴンミラーの偏向反射面を第0面(面番号:i=0)、走査光学系のポリゴンミラー側のレンズ6の入射側レンズ面を第1面(i=1)、出射側レンズ面を第2面(i=2)、被走査面側のレンズ7の入射側レンズ面を第3面(i=3)、出射側レンズ面を第4面(i=4)とする。また、曲率半径を、主走査方向につき「Rm」、副走査方向につき「RS」、屈折率を「n」、レンズの焦点距離を、主走査方向につき「fm」、副走査方向につき「fS」で表す。尚、以下のデータにおける「Rm、RS」は、円弧形状以外については、「近軸曲率半径」である。また、Xは面間隔、Yはシフト量(ポリゴンミラー5による偏向ビームの主光線が走査線と直交する状態を基準として、レンズ光軸の「主走査方向におけるずれ量」を言い、図1において上方を正とする)を表す。
Figure 0004451519
【0066】
上記レンズ6とレンズ7の各レンズ面(面番号1〜4)の主走査方向と副走査方向の係数を表1〜表4に挙げる。また、レンズ7の射出面(第4面)の副走査方向の係数を、表5に挙げる。尚、表5において、「C0」とあるのは、式(11)の右辺第1項の「KS(0)」を表している。
【0067】
【表1】
Figure 0004451519
【0068】
【表2】
Figure 0004451519
【0069】
【表3】
Figure 0004451519
【0070】
【表4】
Figure 0004451519
【0071】
【表5】
Figure 0004451519
【0072】
実施例1の走査光学系の中心像高の副走査方向の横倍率:β2は、
β2=1.320
であり、前述の条件(2)を満足する。
図6に、実施例1の発光源ch1(LDアレイの最外発光源)に関する像面湾曲(左図:実線は副走査方向、破線は主走査方向)及び、等速度特性(右図:実線はリニアリティ、破線はfθ特性)を示す。
全走査領域:323mmに対する、像面湾曲の幅は、
副走査方向:0.098mm/323mm
主走査方向:1.340mm/323mm
であり、等速度特性は、
リニアリティ:0.050%/323mm
であり、像面湾曲・等速度特性ともに極めて良好に補正されている。
特に、副走査像面湾曲は前述の条件(5)を満足する。即ち、
(5) 0.098÷323=0.000303<0.005
である。
【0073】
図2には、中心像高の副走査方向の横倍率:β2に対する、任意像高の副走査方向横倍率:βhの変化を示す。
|βh/β2|=1.000
であり、倍率変化についても前述の条件(4)を満足し、極めて良好に補正されている。
また、図3(a)にはレンズ6の入射面(第1面)の副走査方向の曲率半径の変化、図3(b)にはレンズ6の射出面(第2面)の副走査方向の曲率半径の変化、図4(a)にはレンズ7の入射面(第3面)の副走査方向の曲率半径の変化、図4(b)にはレンズ7の射出面(第4面)の副走査方向の曲率半径の変化を示す。これらの面のうち、第1面と第4面は、主走査方向に対称に変化する面、第2面と第3面は、主走査方向に非対称に変化する面である。
【0074】
図5には、実施例1の各レンズ面において、そのレンズ面に入射する主光線の方向ベクトル:Iと、そのレンズ面に入射する主光線の入射位置でのレンズ面の放線ベクトル:Jの内積I・Jの変化を示す。4つのレンズ面のうち、第2面、第3面、第4面が前述の条件(1)を満足している。
更に図7には、実施例1における発光源ch1の光スポットの各像高ごとの「スポット径の深度曲線(光スポットのデフォーカスに対するスポット径の変動)」を示す。像高は±150mmを等間隔に分割した全21像高で示した。(a)は主走査方向、(b)は副走査方向に関するものである。
実施例1では、ラインスプレッド関数の1/e2強度で定義されるスポット径として30μm程度を意図している。図に示されているように、主・副走査方向とも良好な深度を有しており、被走査面の位置精度に対する許容度が高い。
また、この実施例1では、走査光学系の副走査方向の共役長(ポリゴンミラー5の偏向反射面から被走査面9に至る距離):316.20mmに対し、その半分の長さ以上をバック長:175.72mmとしている。
【0075】
(実施例2)
次に挙げる実施例2は、図23に即して実施の形態を説明したマルチビーム方式の光走査装置に用いられる走査光学系の別の具体例である。ここで図8に、図23に示す光走査装置の光源1Aから被走査面9に至る光学系の主走査断面上の光学配置を示す。
・光源1A:半導体レーザアレイ、
発光源数:4、発光源間隔(発光源ピッチ):14μm、波長:780nm。
・カップリングレンズ2:単レンズ構成、
焦点距離:27mm、カップリング作用:コリメート作用。
・アパーチャ3:開口形状:矩形。
・シリンドリカルレンズ4、
副走査方向の焦点距離:58.69mm。
・ポリゴンミラー5、
偏向反射面数:5、内接円半径:20mm。
・光源側からの入射ビーム(副走査方向に直交する面への射影状態における入射方向)と走査光学系の光軸とがなす角:60度。
・走査方法:1200dpi、隣接走査。
・「ポリゴンミラーと被走査面との間にある光学系のデータ」
下記のデータ表記の記号の意味は実施例1と同じである。
Figure 0004451519
【0076】
上記レンズ6とレンズ7の各レンズ面(面番号1〜4)の主走査方向と副走査方向の係数を表6〜表9に挙げる。また、レンズ7の射出面(第4面)の副走査方向の係数を、表10に挙げる。
【0077】
【表6】
Figure 0004451519
【0078】
【表7】
Figure 0004451519
【0079】
【表8】
Figure 0004451519
【0080】
【表9】
Figure 0004451519
【0081】
【表10】
Figure 0004451519
【0082】
実施例2の走査光学系の中心像高の副走査方向の横倍率:β2は、
β2=0.704
であり、前述の条件(2)を満足する。
図13に、実施例2の発光源ch1(LDアレイの最外発光源)に関する像面湾曲(左図:実線は副走査方向、破線は主走査方向)及び、等速度特性(右図:実線はリニアリティ、破線はfθ特性)を示す。
全走査領域:323mmに対する、像面湾曲の幅は、
副走査方向:0.065mm/323mm
主走査方向:0.105mm/323mm
であり、等速度特性は、
リニアリティ:0.088%/323mm
であり、像面湾曲・等速度特性ともに極めて良好に補正されている。
特に、副走査像面湾曲は前述の条件(5)を満足する。即ち、
(5) 0.065÷323=0.000201<0.005
である。
【0083】
図9には、中心像高の副走査方向の横倍率:β2に対する、任意像高の副走査方向横倍率:βhの変化を示す。
0.998≦|βh/β2|≦1.000
であり、倍率変化についても前述の条件(4)を満足し、極めて良好に補正されている。
また、図10(a)にはレンズ6の入射面(第1面)の副走査方向の曲率半径の変化、図10(b)にはレンズ6の射出面(第2面)の副走査方向の曲率半径の変化、図11(a)にはレンズ7の入射面(第3面)の副走査方向の曲率半径の変化、図11(b)にはレンズ7の射出面(第4面)の副走査方向の曲率半径の変化を示す。これらの面のうち、第1面と第4面は、主走査方向に対称に変化する面、第2面と第3面は、主走査方向に非対称に変化する面である。
【0084】
図12には、実施例2の各レンズ面において、そのレンズ面に入射する主光線の方向ベクトル:Iと、そのレンズ面に入射する主光線の入射位置でのレンズ面の放線ベクトル:Jの内積I・Jの変化を示す。4つのレンズ面のうち、第2面、第3面、第4面が前述の条件(1)を満足している。
図14には、実施例2における発光源ch1の光スポットの各像高ごとの「スポット径の深度曲線(光スポットのデフォーカスに対するスポット径の変動)」を示す。像高は±150mmを等間隔に分割した全21像高で示した。(a)は主走査方向、(b)は副走査方向に関するものである。
実施例2では、ラインスプレッド関数の1/e2強度で定義されるスポット径として30μm程度を意図している。図に示されているように、主・副走査方向とも良好な深度を有しており、被走査面の位置精度に対する許容度が高い。
また、この実施例2では、走査光学系の副走査方向の共役長(ポリゴンミラー5の偏向反射面から被走査面9に至る距離):316.21mmに対し、その半分近い長さをバック長:149.20mmとしている。
【0085】
(実施例3)
次に挙げる実施例3は、図22に即して実施の形態を説明したシングルビーム方式の光走査装置に用いられる走査光学系の具体例である。ここで図15に、図22に示す光走査装置の光源1から被走査面9に至る光学系の主走査断面上の光学配置を示す。
・光源1:半導体レーザ、
発光源数:1、波長:655nm。
・カップリングレンズ2:2群3枚構成(第2群は接合レンズ)、
焦点距離:22mm、カップリング作用:コリメート作用。
・アパーチャ3:開口形状:矩形。
・シリンドリカルレンズ4、
副走査方向の焦点距離:70mm。
・ポリゴンミラー5、
偏向反射面数:5、内接円半径:25mm。
・光源側からの入射ビーム(副走査方向に直交する面への射影状態における入射方向)と走査光学系の光軸とがなす角:60度。
・「ポリゴンミラーと被走査面との間にある光学系のデータ」
下記のデータ表記の記号の意味は実施例1と同じである。
Figure 0004451519
【0086】
上の表記において、「E10」は、「×1010」を意味する。上記レンズ6とレンズ7の各レンズ面(面番号1〜4)の主走査方向と副走査方向の係数を表11〜表14に挙げる。また、レンズ7の射出面(第4面)の副走査方向の係数を、表15に挙げる。
【0087】
【表11】
Figure 0004451519
【0088】
【表12】
Figure 0004451519
【0089】
【表13】
Figure 0004451519
【0090】
【表14】
Figure 0004451519
【0091】
【表15】
Figure 0004451519
【0092】
実施例3の走査光学系の中心像高の副走査方向の横倍率:β2は、
β2=1.116
であり、前述の条件(2)を満足する。
図20に、実施例3に関する像面湾曲(左図:実線は副走査方向、破線は主走査方向)及び、等速度特性(右図:実線はリニアリティ、破線はfθ特性)を示す。
全走査領域:323mmに対する、像面湾曲の幅は、
副走査方向:0.009mm/323mm
主走査方向:0.104mm/323mm
であり、等速度特性は、
リニアリティ:0.207%/323mm
であり、像面湾曲・等速度特性ともに極めて良好に補正されている。
特に、副走査像面湾曲は前述の条件(5)を満足する。即ち、
(5) 0.009÷323=0.000028<0.005
である。
【0093】
図16には、中心像高の副走査方向の横倍率:β2に対する、任意像高の副走査方向横倍率:βhの変化を示す。
|βh/β2|=1.000
であり、倍率変化についても前述の条件(4)を満足し、極めて良好に補正されている。
また、図17(a)にはレンズ6の入射面(第1面)の副走査方向の曲率半径の変化、図17(b)にはレンズ6の射出面(第2面)の副走査方向の曲率半径の変化、図18(a)にはレンズ7の入射面(第3面)の副走査方向の曲率半径の変化、図18(b)にはレンズ7の射出面(第4面)の副走査方向の曲率半径の変化を示す。これらの面のうち、第1面と第4面は、主走査方向に対称に変化する面、第2面と第3面は、主走査方向に非対称に変化する面である。
【0094】
更に、実施例3では、
第1面:|r|min/|r|max=0.923
第2面:|r|min/|r|max=0.707
第3面:|r|min/|r|max=0.810
第4面:|r|min/|r|max=0.981
のように、全ての面において条件(3)を満足する。このため実施例1、実施例2と比較して、曲率半径の公差によるパワー変動の影響が小さく、副走査像面湾曲変動が起きにくくなっている。
【0095】
図19には、実施例3の各レンズ面において、そのレンズ面に入射する主光線の方向ベクトル:Iと、そのレンズ面に入射する主光線の入射位置でのレンズ面の放線ベクトル:Jの内積I・Jの変化を示す。4つのレンズ面のうち、第2面、第3面、第4面が前述の条件(1)を満足している。
図21には、実施例3における光スポットの各像高ごとの「スポット径の深度曲線(光スポットのデフォーカスに対するスポット径の変動)」を示す。像高は±150mmを等間隔に分割した全21像高で示した。(a)は主走査方向、(b)は副走査方向に関するものである。
実施例3では、ラインスプレッド関数の1/e2強度で定義されるスポット径として30μm程度を意図している。図に示されているように、主・副走査方向とも良好な深度を有しており、被走査面の位置精度に対する許容度が高い。
また、この実施例3では、走査光学系の副走査方向の共役長(ポリゴンミラー5の偏向反射面から被走査面9に至る距離):316.21mmに対し、その半分の長さ以上をバック長:168.62mmとしている。
【0096】
尚、上記各実施例において、走査光学系の副走査方向のFナンバーは、大きくても28近傍であり、従来技術、例えば特開平8−297256号公報で提案されたマルチビーム走査光学系のFナンバー:52〜73.5に比して明るく、ビームスポット径を「より小さく絞る」ことができ、高密度化を図れる。
また、上記各実施例では、走査光学系の2枚のレンズ6,7をプラスチック材料で構成しているが、勿論、ガラス材料を使ってもよく、また、プラスチック材料とガラス材料を組み合わせてもよい。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、新規な走査光学系と光走査装置及び画像形成装置を実現することができる。この発明の走査光学系は、副走査方向において光偏向器側から順に、負・正の屈折力分配とした「レトロフォーカス型」であり、実際のレンズ配置におけるよりも被走査面側に「副走査方向の後側主点」を配置できるので、シングルビーム方式とマルチビーム方式とを問わず、長いバック長を確保することができる。また、副非円弧面を採用して波面収差を有効に補正することにより、50μm程度以下の小径の光スポットを安定して得ることができる。
また、この発明の光走査装置は、上記走査光学系を用いて、小径の安定した光スポットにより書込密度の高い良好な書込を実現することができる。そして、このような走査光学系をマルチビーム方式の光走査装置に用いることにより、走査線ピッチを機械的変動に対して安定ならしめ、高密度化に適応できる良好なマルチビーム方式の光走査を実現することが可能となる。
更に、この発明の画像形成装置は、上記の性能良好な光走査装置を用いることにより、良好な画像形成の実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の走査光学系に関する光学配置を示す図である。
【図2】実施例1の走査光学系の中心像高の副走査方向の横倍率:β2に対する、任意像高の副走査方向の横倍率:βhの変化を示す図である。
【図3】実施例1の走査光学系の、第1面及び第2面の、副走査断面内の曲率半径の主走査方向の変化の様子を示す図である。
【図4】実施例1の走査光学系の、第3面及び第4面の、副走査断面内の曲率半径の主走査方向の変化の様子を示す図である。
【図5】実施例1の走査光学系の各レンズ面において、各レンズ面に入射する主光線の方向ベクトル:Iと、そのレンズ面に入射する主光線の入射位置でのレンズ面の放線ベクトル:Jの内積I・Jの変化を示す図である。
【図6】実施例1の走査光学系に関する像面湾曲と等速度特性を示す図である。
【図7】実施例1の走査光学系における光スポットの、各像高ごとのスポット径の深度曲線を示す図である。
【図8】実施例2の走査光学系に関する光学配置を示す図である。
【図9】実施例2の走査光学系の中心像高の副走査方向の横倍率:β2に対する、任意像高の副走査方向の横倍率:βhの変化を示す図である。
【図10】実施例2の走査光学系の、第1面及び第2面の、副走査断面内の曲率半径の主走査方向の変化の様子を示す図である。
【図11】実施例2の走査光学系の、第3面及び第4面の、副走査断面内の曲率半径の主走査方向の変化の様子を示す図である。
【図12】実施例2の走査光学系の各レンズ面において、各レンズ面に入射する主光線の方向ベクトル:Iと、そのレンズ面に入射する主光線の入射位置でのレンズ面の放線ベクトル:Jの内積I・Jの変化を示す図である。
【図13】実施例2の走査光学系に関する像面湾曲と等速度特性を示す図である。
【図14】実施例2の走査光学系における光スポットの、各像高ごとのスポット径の深度曲線を示す図である。
【図15】実施例3の走査光学系に関する光学配置を示す図である。
【図16】実施例3の走査光学系の中心像高の副走査方向の横倍率:β2に対する、任意像高の副走査方向の横倍率:βhの変化を示す図である。
【図17】実施例3の走査光学系の、第1面及び第2面の、副走査断面内の曲率半径の主走査方向の変化の様子を示す図である。
【図18】実施例3の走査光学系の、第3面及び第4面の、副走査断面内の曲率半径の主走査方向の変化の様子を示す図である。
【図19】実施例3の走査光学系の各レンズ面において、各レンズ面に入射する主光線の方向ベクトル:Iと、そのレンズ面に入射する主光線の入射位置でのレンズ面の放線ベクトル:Jの内積I・Jの変化を示す図である。
【図20】実施例3の走査光学系に関する像面湾曲と等速度特性を示す図である。
【図21】実施例3の走査光学系における光スポットの、各像高ごとのスポット径の深度曲線を示す図である。
【図22】シングルビーム方式の光走査装置の実施の1形態を示す斜視図である。
【図23】マルチビーム方式の光走査装置の実施の1形態を示す斜視図である。
【図24】マルチビーム方式の光走査装置の実施の別形態を示す斜視図である。
【図25】画像形成装置の実施の1形態を示す概略要部構成図である。
【符号の説明】
1 光源(半導体レーザ)
1A 光源(半導体レーザアレイ)
2 カップリングレンズ
3 アパーチャ
4 線像結像光学系(シリンドリカルレンズ)
5 光偏向器(ポリゴンミラー)
6,7 走査光学系を構成するレンズ
9 被走査面
100 像担持体(感光体)
114 光走査装置
116 現像手段

Claims (18)

  1. 光偏向器により偏向されるビームを被走査面上に光スポットとして集光させる走査光学系であって、
    2枚のレンズにより構成され、
    光偏向器側のレンズは、主走査方向に正の屈折力、副走査方向に負の屈折力を有し、
    被走査面側のレンズは、主走査方向に負の屈折力、副走査方向に正の屈折力を有し、
    上記光偏向器側のレンズの少なくとも1つのレンズ面においては、主走査断面内の形状が非円弧形状であり、
    上記被走査面側のレンズの少なくとも1つのレンズ面においては、主走査断面内の形状が非円弧形状であり、
    上記光偏向器側のレンズの少なくとも1つのレンズ面においては、主・副走査方向の曲率半径が異なり、
    上記被走査面側のレンズの少なくとも1つのレンズ面においては、主・副走査方向の曲率半径が異なり、
    上記2枚のレンズのレンズ面のうち、少なくとも1つのレンズ面は、副走査断面内の形状が非円弧形状である副非円弧面であり、
    上記2枚のレンズの4つのレンズ面のうち、少なくとも2つのレンズ面は、副走査方向の曲率半径が主走査方向の断面形状に依存しないで変化する特殊トロイダル面であり、
    上記特殊トロイダル面である少なくとも2つのレンズ面が、面間に空気間隔を有し、
    上記特殊トロイダル面である少なくとも2つのレンズ面のうち、少なくとも1つのレンズ面は、副走査方向の曲率半径の変化が主走査方向に非対称であることを特徴とする走査光学系。
  2. 請求項1記載の走査光学系において、
    上記副非円弧面は、その非円弧形状が、主走査方向における副走査断面の位置に応じて変化する面であることを特徴とする走査光学系。
  3. 請求項1または2記載の走査光学系において、
    光偏向器側のレンズ及び、被走査面側のレンズの主走査断面内の形状が、光偏向器側に凹面を向けたメニスカス形状であることを特徴とする走査光学系。
  4. 請求項3記載の走査光学系において、
    上記2枚のレンズの4つのレンズ面のうち、少なくとも1つのレンズ面は、有効書込範囲内において、そのレンズ面に入射する主光線の方向ベクトル:Iと、そのレンズ面に入射する主光線の入射位置でのレンズ面の放線ベクトル:Jが、条件:
    (1) 0.9<|I・J|≦1.0
    を満足することを特徴とする走査光学系。
  5. 請求項1〜4の何れか1つに記載の走査光学系において、
    中心像高における副走査方向の横倍率:βが、条件:
    (2) 0.5≦|β|≦2.0
    を満足することを特徴とする走査光学系。
  6. 請求項1〜5の何れか1つに記載の走査光学系において、
    偏向反射面近傍と被走査面位置とを副走査方向に関して、幾何光学的に共役関係とする機能を有するアナモフィックな光学系であることを特徴とする走査光学系。
  7. 請求項6記載の走査光学系において、
    上記2枚のレンズの4つのレンズ面の全てにおいて、主・副走査方向の曲率半径が異なることを特徴とする走査光学系。
  8. 請求項1〜7の何れか1つに記載の走査光学系において、
    上記特殊トロイダル面である少なくとも2つのレンズ面は、有効書込範囲内において、副走査方向の曲率半径の最大値:|r| max と、副走査方向の曲率半径の最小値:|r| min が、条件:
    (3) 0.5<|r| min /|r| max ≦1.0
    を満足することを特徴とする走査光学系。
  9. 請求項1〜8の何れか1つに記載の走査光学系において、
    中心像高における副走査方向の横倍率:β と、任意の像高における副走査方向の横倍率:β が、条件:
    (4) 0.9≦|β /β |≦1.1
    を満足することを特徴とする走査光学系。
  10. 請求項1〜9の何れか1つに記載の走査光学系において、
    有効書込幅:Wと、有効書込幅における副走査像面湾曲の幅:F が、条件:
    (5) F /W<0.005
    を満足することを特徴とする走査光学系。
  11. 請求項1〜10の何れか1つに記載の走査光学系において、
    被走査面上の光スポットのスポット径を、その光スポットにおける光強度分布のラインスプレッド関数における1/e 強度で定義するとき、そのスポット径が、主・副走査方向とも有効書込範囲内において50μm以下となる範囲を有するような結像性能を持つことを特徴とする走査光学系。
  12. 請求項1〜11の何れか1つに記載の走査光学系において、
    副非円弧面の、副走査断面内における非円弧形状の、円弧からのずれ量である非円弧量が、主走査方向に非対称に変化することを特徴とする走査光学系。
  13. 請求項1〜12の何れか1つに記載の走査光学系において、
    光偏向器により同時に偏向される複数ビームを、被走査面上に複数の光スポットとして集光するために用いられることを特徴とする走査光学系。
  14. 光源からのビームを、カップリングレンズにより以後の光学系にカップリングし、カップリングされたビームを線像結像光学系により、光偏向器の偏向反射面近傍に主走査方向に長い線像として結像させ、上記光偏向器により等角速度的に偏向させ、偏向ビームを走査光学系により、被走査面上に光スポットとして集光させ、上記被走査面を走査するシングルビーム方式の光走査装置において、
    上記走査光学系として、請求項1〜12の何れか1つに記載の走査光学系を用いたことを特徴とする光走査装置
  15. 複数の発光源からのビームを、カップリングレンズにより以後の光学系にカップリングし、カップリングされた複数ビームを共通の線像結像光学系により、光偏向器の偏向反射面近傍に主走査方向に長く、副走査方向に分離した複数の線像として結像させ、上記光偏向器により同時に等角速度的に偏向させ、各偏向ビームを共通の走査光学系により、被走査面上に、副走査方向に分離した複数の光スポットとして集光し、これら複数の光スポットにより複数の走査線を同時に走査するマルチビーム方式の光走査装置において、
    複数の偏向ビームに共通の走査光学系として、請求項13記載の走査光学系を用いたことを特徴とするマルチビーム方式の光走査装置
  16. 請求項15記載のマルチビーム方式の光走査装置において、
    複数の発光源が1列に配列されたモノリシックな半導体レーザアレイを、光源として用いたことを特徴とするマルチビーム方式の光走査装置。
  17. 請求項16記載のマルチビーム方式の光走査装置において、
    上記半導体レーザアレイの発光源の間隔が10μm以上であることを特徴とするマルチビーム方式の光走査装置。
  18. 感光性の像担持体の被走査面に対して光走査手段による走査を行って潜像を形成し、該潜像を現像手段で可視化して画像を得る画像形成装置において、
    上記像担持体の被走査面の走査を行う光走査手段として、請求項14〜17の何れか1つに記載の光走査装置を用いたことを特徴とする画像形成装置
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