JP3478490B2 - 光走査装置および走査結像光学系および画像形成装置 - Google Patents

光走査装置および走査結像光学系および画像形成装置

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JP3478490B2 JP24680199A JP24680199A JP3478490B2 JP 3478490 B2 JP3478490 B2 JP 3478490B2 JP 24680199 A JP24680199 A JP 24680199A JP 24680199 A JP24680199 A JP 24680199A JP 3478490 B2 JP3478490 B2 JP 3478490B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は光走査装置および
走査結像光学系および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリやデジタル複写機の記録部
あるいはレーザプリンタ等に関連して知られた光走査装
置に対し、近年、書込みの高密度化が進み、被走査面上
に集光させる光スポットの小径化と安定性が強く求めら
れている。 画像の解像度が一定した良好な記録画像を
得るためには、光スポットのスポット径が走査位置によ
り変動しないこと、即ち、光スポットが走査線上で安定
していることが重要である。このような「光スポットの
安定性」を実現するには、光学系における像面湾曲を良
好に補正する必要があり、像面湾曲の良好な補正を実現
する提案も種々なされてきている。 近来、実用化され
つつある600dpiや1200dpiといった、極め
て高い書込み密度で良好な画像書込みを行うには、それ
相応の小さいスポット径をもった光スポットが必要とな
る。小さいスポット径の光スポットを良好、且つ安定性
良く実現するには、従来のように、像面湾曲や光学倍率
等の幾何光学的な補正のみでは不十分であり、波動光学
的な波面収差を光スポットの像高に拘らず一定に設定す
ることが重要となる。即ち、スポット径が小径になるほ
ど、光スポットを結像する結像系に入射させる光束に
「大きな光束径」を必要とするため、幾何光学による近
軸的な補正では不十分となるのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、波面収差
をも良好に補正し、スポット径が小さく安定した光スポ
ットを実現し、高密度の良好な書込みを可能とすること
を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明の走査結像光学
系は「偏向反射面を有する光偏向手段により偏向された
偏向光束を、被走査面上に光スポットとして集光させる
走査結像光学系」であって、以下の如き特徴を有する
(請求項1)。 即ち、走査結像光学系は、1以上のレ
ンズを含み、少なくともレンズ面の1つが「副非円弧
面」である。 即ち、走査結像光学系は、最も簡単な構
成としては「レンズ1枚」で構成できる。勿論、2枚以
上のレンズにより構成することもできるし、1枚以上の
レンズと1枚以上の反射結像系(凹面鏡等)の組合せと
して構成することもできる。 また、副走査断面内の近
軸曲率が主走査方向に非対称に変化し、且つ、上記近軸
曲率の変化が2以上の極値を持つレンズ面を、少なくと
も1面有する。そして、この「副走査断面内の近軸曲率
が主走査方向に非対称に変化し、且つ、近軸曲率の変化
が2以上の極値を持つレンズ面」が副非円弧面である。
ここで、この明細書中における「主走査方向および副走
査方向」につき付言する。これら主−副走査方向は共
に、本来は「被走査面上において定義されるべき方向」
であるが、この明細書中においては、光源から被走査面
に至る光路上で主−副走査方向と対応する方向をも、そ
れぞれ主走査方向、副走査方向と称する。従って、主走
査方向や副走査方向が、被走査面上における主走査方
向、副走査方向と必ずしも平行にならない場合もある。
上記「副非円弧面」は、副走査断面内の形状が非円弧
形状であり、該非円弧形状が、主走査方向における副走
査断面の位置に応じて変化する面である。上記「副走査
断面」は、レンズ面近傍において主走査方向に直交する
仮想的な平断面をいう。また、レンズ面近傍において、
理想的な偏向光束の主光線が掃引する平面に合致した仮
想的な平断面を「主走査断面」と呼ぶことにする。走査
結像光学系における副非円弧面の形状は、被走査面上の
各走査位置(光スポットの集光位置)における波面収差
を補正するように定められる。これにより、被走査面上
の各走査位置ごとに、最良の波面収差を設定することが
できる。上記副非円弧面の形状を、主走査断面内におい
ても非円弧形状とすることができる(請求項2)。この
ようにすることにより瞳面(副非円弧面の任意の位置に
入射する偏向光束の、副非円弧面上における光束断面)
全体で、波面収差を良好に補正することが可能になる。
【0005】請求項1または2記載の走査結像光学系に
おける上記波面収差補正は、使用波長をλとして、瞳上
の波面収差量がRMS(ルートミーンスクエア)で0.
1λ以下、より好ましくは0.07λ(マレシャルの回
折限界)以下であることが望ましい(請求項3)。被走
査面上の各走査位置で、波面収差を、瞳上でRMS:
0.1λ以下とすれば、良好な形状の小径光スポットを
安定して実現することが可能である。 小径光スポット
のスポット径としては、被走査面上の光スポットのスポ
ット径を、光スポットにおける光強度分布のラインスプ
レッド関数における1/e強度で定義するとき、該ス
ポット径を主−副走査方向とも、有効書込み範囲内で5
0μm以下とするように走査結像光学系の結像機能を設
定できる(請求項4)。上記「ラインスプレッド関数」
は、被走査面上に形成された光スポットの中心座標を基
準としたとき、主走査方向および副走査方向の座標を
Y,Zとして光スポットの光強度分布を、f(Y,Z)
とするとき、Z方向のラインスプレッド関数:LSZ
は、LSZ(Z)=∫f(Y,Z)dY (積分はY方
向に於ける光スポットの全幅について行う)で定義さ
れ、Y方向のラインスプレッド関数:LSYは、LSY
(Y)=∫f(Y,Z)dZ(積分はZ方向に於ける光
スポットの全幅について行う)で定義される。 これら
ラインスプレッド関数:LSZ(Z),LSY(Y)
は、通常、略ガウス分布型の形状であり、Y方向および
Z方向のスポット径は、これらラインスプレッド関数:
LSZ(Z),LSY(Y)が、その最大値の1/e
以上となる領域のY,Z方向幅で与えられる。請求項4
において述べられている内容は、このように定義される
Y,Z方向のスポット径が有効書込み範囲内において、
光スポットの像高に拘り無く50μm以下になるという
ことである。ラインスプレッド関数により上記の如く定
義されるスポット径は、光スポットをスリットで等速走
査し、スリットを通った光を光検出器で受光し、受光量
を積分することにより容易に測定可能であり、このよう
な測定を行う装置も市販されている。幾何光学的な像面
湾曲の補正のみでは、50μm以下のスポット径を持つ
良好な光スポットを形成することは容易でないが、この
発明のように、走査結像光学系内に、副非円弧面を1面
以上用いることにより、50μm以下のスポット径を持
つ良好な光スポットを確実に形成することができる。
【0006】上記請求項1または2または3または4記
載の走査結像光学系は、副走査方向の、光軸上の横倍
率:βが、条件: (1) 0.2 < |β| <1.5 を満足することが好ましい(請求項5)。 条件(1)
の上限の1.5を超えると、走査結像光学系の横倍率が
高くなるため、スポット径を小径化しようとする場合、
副走査方向の出射瞳径が大きくなりすぎ「波面収差を瞳
上全体で補正する」ことが困難となる。更に、光源から
の光束を取り込むカップリングレンズのNAも向上させ
ねばならない。また、環境変動や走査結像光学系の取り
付け誤差による像面位置変動が大きくなり易く、スポッ
ト径の小径化が困難となる。下限の0.2を超えると倍
率が低すぎ、アパーチュアの開口径が小さくなり、光の
伝達効率が下がり、高速書込が難しくなる。請求項1〜
5の任意の1に記載の走査結像光学系においては、副走
査方向に関し、光軸上の横倍率:β,任意像高:hで
の横倍率:βが、条件: (2) 0.93<|β/β|<1.07 を満足することが好ましい(請求項6)。 光スポット
を集光させるとき、光束のビームウエスト径は、走査結
像光学系の横倍率の変動に略比例してバラつくので、ス
ポット径の安定した光スポットを得るためには、各像高
毎の横倍率を一定にすることが重要であり、具体的には
条件(2)を満足するのがよい。請求項1〜6の任意の
1に記載の走査結像光学系において、副非円弧面の、副
走査断面内における非円弧形状の「非円弧量」を、主走
査方向に非対称に変化させることができる(請求項
7)。 「非円弧量」は、円弧(近軸曲率半径)からの
ずれ量である。 光偏向手段として「回転多面鏡」を用
いる場合、その回転中心を、走査結像光学系の光軸から
ずらして設置することが行われており、このため、偏向
に従って偏向反射面での反射点が変化し、偏向光束の偏
向の起点が変動する「光学的なサグ」が発生する。サグ
が存在すると、走査結像光学系の光軸の+像高側と−像
高側とで、光束の通る経路が異なる。このため、発生す
る波面収差量が光スポットの像高に応じて非対称に異な
ることになるが、請求項7記載の走査結像光学系の副非
円弧面の非円弧量を、主走査方向に非対称とすることに
より、上記サグによる非対称な波面収差を補正し、各像
高ごとに最良の波面収差を設定することができる。
【0007】上記光学的なサグは、特に副走査方向の像
面湾曲(以下「副走査像面湾曲」という)を劣化させる
原因となるが、請求項1記載の走査結像光学系のように
「副走査断面内の近軸曲率が主走査方向に変化し、曲率
の変化が主走査方向に非対称で2以上の極値を持つ面」
を、少なくとも1面用いることにより、特に副走査像面
湾曲を良好に補正しつつ、副走査方向の横倍率を有効書
込み領域にわたって略一定に保つようにでき、スポット
径の安定した光スポットを実現できる。 なお、上記
「極値」は、レンズ高さ:hに対する副走査断面内の近
軸曲率を、レンズ高さ:hに対して関数:C(h)で表
したとき、その1階微分:dC(h)/dh=0とな
り、且つ、その前後で、dC(h)/dhの符号が変わ
る点(極大値又は極小値を取る)をいう。 一般に、横
倍率を一定に保とうとすると「高次曲線状の像面湾曲」
を発生し易い。特に、レンズ枚数が少ない結像光学系で
は、像高をH、係数をa,bとして、「aH+b
」の形で表されるサジタル像面湾曲が発生しやす
い。 上記の如く、副走査断面内の近軸曲率半径の主走
査方向の変化に、複数個の極値を持たせる面を用いるこ
とにより、上記高次曲線状の像面湾曲に対し、レンズ面
でのパワーを高次的に変化させて補正を行い、副走査像
面湾曲を有効に補正することが可能になる。
【0008】上記請求項1記載の走査結像光学系におい
て、副走査断面内の近軸曲率の変化における極値の少な
くとも1つは、その主走査方向の位置:heが、+像高
側、又は、−像高側のレンズ光軸からの有効レンズ高
さ:hmaxに対し、条件: (3) |(he)/(hmax)|> 0.5 を満足することができる(請求項8)。 上記「aH
+bH」で表されるサジタル像面湾曲の「最大膨らみ
位置」の像高:Hnは、有効書込高さをHmとしたと
き、Hn=(1/√2)Hm=0.71Hmとなる(近
藤文雄著「レンズ設計技法(光学工業技術協会)」頁:
146―148)。 上記有効書込高さHmの0.71
倍近傍での膨らみを補正するには、その位置に対応する
レンズ面位置近傍に、副走査断面内の曲率の極値を持た
せることが有効である。4次を超える高次の像面湾曲も
補正することも考慮すると、上記heおよびhmaxは
条件(3)を満足するのがよい。なお、hmaxは、h
e≧0の時は+像高側の有効レンズ高さ、he<0の時
は−像高側の有効レンズ高さとする。ここで、像高の+
側は、光源側からの光束が偏向反射面に入射する側であ
る。 上記請求項1〜8の任意の1に記載の走査結像光
学系は、有効書込幅:W、該有効書込幅内における副走
査像面湾曲の幅:Fsが条件: (4) Fs/W < 0.005 を満足することができる(請求項9)。 副走査像面湾
曲の変動を抑えることにより、安定した小径の光スポッ
トを得るためには条件(4)が満足されることが好まし
い。 上に説明した請求項1〜9の任意の1に記載の走
査結像光学系において、副非円弧面の主走査断面内の形
状は、光スポットの等速度特性を補正するように定める
ことができる(請求項10)。勿論、他の面の主走査断
面内の形状も上記目的に応じて最適化される。
【0009】上記請求項1〜10の任意の1に記載の走
査結像光学系は「偏向反射面近傍と被走査面位置とを副
走査方向に関して、幾何光学的な共役関係とする機能を
有するアナモフィックな光学系」であることができる
(請求項11)。このように、走査結像光学系をアナモ
フィックとすることにより、光偏向手段における面倒れ
を補正することが可能となる。 この発明の走査結像光
学系は、前述のように1枚以上のレンズで構成すること
もでき、従って、レンズ2枚で構成することもできる。
上記請求項11記載の走査結像光学系も、2枚のレン
ズにより構成することができる(請求項12)。走査結
像光学系を2枚のレンズで構成すると、副非円弧面の
「数や配置」に対する自由度が高く、他の面における形
状の自由度も高いので、所望の光学特性を実現しやす
い。 上記請求項12記載の走査結像光学系において
は、走査結像光学系を構成する2枚のレンズにおいて、
副非円弧面を「被走査面側のレンズの、被走査面側のレ
ンズ面」に採用しても良いし(請求項13)、「被走査
面側のレンズの、光偏向手段側のレンズ面」に採用して
も良い(請求項14)。 上記請求項13記載の走査結
像光学系は「主走査方向に弱い集束光束である偏向光束
を被走査面上に集光する機能」を持つことができ(請求
項15)、請求項14記載の走査結像光学系は「主走査
方向に平行光束である偏向光束を被走査面上に集光する
機能」を持つことができる(請求項16)。
【0010】請求項17記載の光走査装置は「光源から
の光束を偏向反射面を有する光偏向手段により偏向さ
せ、偏向光束を走査結像光学系により、被走査面上に光
スポットとして集光させて光走査を行う光走査装置で」
あって、走査結像光学系として、上記請求項1〜10の
任意の1に記載の走査結像光学系を用いることを特徴と
する。 請求項18記載の光走査装置は「光源からの光
束を主走査方向に長い線像として結像させ、上記線像の
近傍に偏向反射面を有する光偏向手段により偏向させ、
偏向光束を走査結像光学系により被走査面上に光スポッ
トとして集光させて光走査を行う光走査装置」であっ
て、走査結像光学系として、上記請求項11〜16の任
意の1に記載の走査結像光学系を用いることを特徴とす
る。 この請求項18記載の光走査装置においては、光
偏向手段により偏向される偏向光束を「主走査方向に弱
い集束光束」とし、走査結像光学系として、請求項15
記載の走査結像光学系を用いることができる(請求項1
9)。あるいはまた、光偏向手段により偏向される偏向
光束を「主走査方向に平行光束」とし、走査結像光学系
として、請求項16記載の走査結像光学系を用いること
ができる(請求項20)。 「光偏向手段」としては、
回転多面鏡を始め、回転2面鏡や回転単面鏡を好適に利
用することができる。請求項1〜10に記載の走査結像
光学系には、「面倒れ補正機能を持たないもの」も含ま
れるので、請求項17記載の光走査装置において、走査
結像光学系に面倒れ補正機能が無い場合には、面精度の
良い回転多面鏡や回転2面鏡を用いるか、あるいは面倒
れの無い「回転単面鏡」を用いればよい。この場合は、
光源(一般的に半導体レーザが用いられる)からの光束
をカップリングレンズで取り込んで、これを平行光束ま
たは弱い集束性もしくは弱い発散性の光束として光偏向
手段の偏向反射面へ入射させればよい。勿論、カップリ
ングされた光束は、アパーチュアの開口部を通過するこ
とにより「ビーム整形」される。 請求項18記載の光
走査装置では、走査結像光学系が「面倒れ補正機能」を
持ち、光源側からの光束は、光偏向手段の偏向反射面近
傍に、主走査方向に長い線像に結像される。このように
するには、光源からの光束をカップリングレンズで取込
み、取り込まれた光束(カップリングされた光束)を、
シリンドリカルレンズや「凹のシリンダ面を持った凹面
鏡」で、偏向反射面の近傍に、線像として結像させれば
良い。 請求項19または20記載の光走査装置が、光
源としての半導体レーザからの光束が、カップリングレ
ンズにより取り込まれ、アパーチュアによりビーム成形
されたのち、線像結像光学系により偏向反射面近傍に、
主走査方向に長い線像として結像されるものである場
合、ビーム整形用のアパーチュアの開口形状を、カップ
リングされた光束の「主−副走査方向の4隅部の部分」
を遮断する形状とすることができる(請求項21)。
【0011】請求項22記載の光走査装置は、光源と、
第1レンズ系と、光偏向手段と、第2レンズ系とを有す
る。 「光源」は、光束を放射する。 「第1レンズ
系」は、光源からの光束を入射され、光束形態を変換す
る。 「光偏向手段」は、偏向反射面を有し、第1レン
ズ系からの光束を偏向させる手段である。 「第2レン
ズ系」は、光偏向手段により偏向された偏向光束を、被
走査面上に、偏向角に応じて像高の変化する光スポット
として集光させる。 この第2レンズ系に含まれるレン
ズ面の少なくとも1面は、複数の副走査断面内で非円弧
形状を有し、なおかつ、少なくとも2つの副走査断面内
の非円弧形状が互いに異なるものである。 有効書込
幅:W、該有効書込幅内における副走査像面湾曲の幅:
Fsは条件: (4) Fs/W < 0.005 を満足する。また、第2レンズ系として、独立した少な
くとも2枚のレンズを有し、これら2枚のレンズの4面
のレンズ面の内、少なくとも1面が、副走査断面内に非
円弧形状を有し、且つ、この非円弧形状は、その近軸曲
率半径を主走査方向に連ねた曲率中心線が、当該レンズ
面の主走査断面内の形状と異なる曲線である。
【0012】請求項22記載の光走査装置において、第
2レンズ系は、独立した少なくとも2枚のレンズを有
し、これら2枚のレンズの4面のレンズ面が、主走査断
面内において非円弧形状を有するものであることができ
る(請求項23)。 また、請求項22記載の光走査装
置において、第2レンズ系は、独立した少なくとも2枚
のレンズを有し、これら2枚のレンズの4面のレンズ面
の内の少なくとも3面が、主走査断面内において非円弧
形状を有するものであることができるる(請求項2
4)。 請求項22記載の光走査装置において、第2レ
ンズ系は、3枚以上のレンズを含むこともできる(請求
項25)。 請求項23,24記載の光走査装置のよう
に、第2レンズ系に、主走査断面内の形状が非円弧形状
であるレンズ面を含めること、請求項25記載の光走査
装置のような「曲率中心線」をもつレンズ面を含めるこ
と、請求項26記載の光走査装置のように、第2レンズ
系を構成するレンズの枚数を多くすることは、主走査方
向や副走査方向の像面湾曲を良好に補正する上で有効で
ある。
【0013】第2レンズ系は「1枚のレンズのみで構
成」することも、「2枚以上のレンズを含む」ように構
成することも可能である。第2レンズ系を1枚あるいは
2枚のレンズで構成することにより、光走査装置の低コ
スト化やコンパクト化を促進することができる。 上記
請求項22記載の光走査装置は、書込み密度を略600
〜1200dpi(1インチあたりのドット数)の範囲
に設定することもできるし(請求項26)、略1200
〜2400dpiの範囲に設定することもでき(請求項
27)、さらには略2400dpi以上に設定してもよ
い(請求項28)。 勿論この発明は、600dpiよ
り低い書込み密度、例えば、略300〜600dpiの
書込み密度で書込みを行うような場合にも有効に適用で
きる。 また、光源が、単一の光束を放射する「シング
ルビーム走査」の場合のみならず、光源として「2以上
の光束を放射するもの」を用い、マルチビーム走査を行
う光走査装置として請求項22記載の光走査装置を構成
することもできる(請求項29)。 請求項22記載の
光走査装置において、第2レンズ系は、「偏向光束の幾
何光学的な結像位置に、偏向光束のビームウエスト位置
を合致させるように面形状を定められた副非円弧面を持
ったレンズ」を、少なくとも1個有することができる
(請求項30)。 また、第2レンズ系は「副走査方向
において、偏向反射面近傍と被走査面位置とを副走査方
向に関して、幾何光学的な共役関係とする機能を有する
アナモフィックな光学系」であることができる(請求項
31)。 請求項22記載の光走査装置において、第2
レンズ系は、副走査方向に関して、光軸上の横倍率:β
と、任意像高:hでの横倍率:βとが、条件: (2) 0.93<|β/β|<1.07 を満足するものであることが好ましい(請求項32)。
請求項22記載の光走査装置において、第2レンズ系
に含まれるレンズ面の少なくとも1面を副非円弧面と
し、この副非円弧面の形状を「有効書込み幅内における
光スポットの全像高に対して、ビームウエスト位置が被
走査面位置と合致する」ように定めることができる(請
求項33)。
【0014】この発明の画像形成装置は「潜像担持体に
光走査により潜像を形成し、形成された潜像を現像して
所望の画像を得る画像形成装置」であって、潜像担持体
の光走査を行う光走査装置として、請求項17〜33の
任意の1に記載の光走査装置を用いることを特徴とする
(請求項34)。 この場合において、潜像担持体とし
て光導電性の感光体を用い、形成された潜像をトナー画
像として可視化し、トナー画像をシート状の記録媒体
(転写紙やオーバヘッドプロジェクタ用のプラスチック
シート)に定着して所望の画像を得るように、画像形成
装置を構成することができる(請求項35)。 請求項
34記載の画像形成装置において、像担持体として、例
えば銀塩写真フィルムを用いることができる。この場
合、光走査装置による光走査により形成された潜像は通
常の銀塩写真プロセスの現像手法で可視化できる。この
ような画像形成装置は例えば「光製版装置」として実施
できる。 また請求項35の画像形成装置は、具体的に
はレーザプリンタやレーザプロッタ、デジタル複写機、
ファクシミリ装置等として実施できる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1(a)において、光源10は
半導体レーザであり、発散性の光束を放射する。光源1
0から放射された光束はカップリングレンズ12により
取り込まれて「弱い集束性の光束」となり、アパーチュ
ア14の開口を通過してビーム整形され、集束しつつ
「線像結像光学系」であるシリンドリカルレンズ16に
入射し、シリンドリカルレンズ16により副走査方向
(図面に直行する方向)に集光されつつ、ミラー18に
より光路を屈曲され、「光偏向手段」としての回転多面
鏡20の偏向反射面20Aに入射する。 偏向反射面2
0Aにより反射された光束は、回転多面鏡20の等速回
転に伴い、等角速度的に偏向される偏向光束となってレ
ンズ22,24を透過する。レンズ22,24は「走査
結像光学系」を構成し、偏向光束を被走査面26上に光
スポットとして集光する。光スポットは被走査面26の
有効書込幅:Wを等速的に光走査する。被走査面26は
実体的には「光導電性の感光体や銀塩フィルムの感光
面」である。 図1(b)は、回転多面鏡20の偏向反
射面20Aから被走査面26に至る光路における偏向光
束の、副走査方向(図の上下方向)の結像の様子を示し
ている。この実施の形態では、図1(b)に示すよう
に、走査結像光学系を構成するレンズ22,24のう
ち、レンズ24の被走査面側のレンズ面に「副非円弧
面」が採用され、波面収差を補正している。
【0016】図1(a)と同様に描かれた図2(a)に
於いて、半導体レーザである光源10から放射された発
散性の光束は、カップリングレンズ11により「平行光
束」化され、アパーチュア13の開口を通過してビーム
整形され、シリンドリカルレンズ15に入射し、シリン
ドリカルレンズ15により副走査方向に集光されつつ、
ミラー18により光路を屈曲され、回転多面鏡19の偏
向反射面19Aに入射する。偏向反射面19Aにより反
射された光束は、回転多面鏡19の等速回転に伴い等角
速度的に偏向される偏向光束となって「走査結像光学
系」を構成するレンズ21,23を透過する。レンズ2
1,23は、偏向光束を被走査面26上に光スポットと
して集光し、集光された光スポットは被走査面26を等
速的に光走査する。 図1(b)に倣って示す図2
(b)に示すように、この実施の形態では、走査結像光
学系を構成するレンズ21,23のうちの、レンズ23
の回転多面鏡側のレンズ面に「副非円弧面」が採用さ
れ、波面収差を補正している。なお、符号25は防音ガ
ラス(回転多面鏡19の回転音を防音するため、回転多
面鏡を囲繞するケーシングの窓に設けられる)を示す。
ここで、副非円弧面に付き、図1の実施の形態におけ
るレンズ24の被走査面側の面を例にとって説明する。
図3の左図は、レンズ24を副走査方向から見た状態を
示し、上下方向が主走査方向である。図示の如く、3つ
の副走査断面SC1,SC2,SC3を考え、これら副
走査断面内における副非円弧面の断面形状を示したのが
図3の右図である。断面形状NA1,NA2,NA3
は、副走査断面SC1,SC2,SC3における非円弧
形状であり、これら断面形状NA1,NA2,NA3に
接して描かれた「破線の円」は、各非円弧形状の近軸曲
率半径による円を示している。 副非円弧面では「副走
査断面内の非円弧形状が、主走査方向の副走査断面位置
に応じて変化」している。また上記近軸曲率半径による
円の中心、即ち「近軸曲率中心」を主走査方向に連ねた
曲率中心線CLは、当該レンズ面(図3左図の右側レン
ズ面)の主走査断面内の形状と異なる曲線である。 こ
れら副非円弧面は、被走査面26上における波面収差を
良好に補正するように、形状を設定される。
【0017】即ち、図1(図2)に実施の形態を示す光
走査装置は、光源10からの光束を偏向反射面20A
(19A)を有する光偏向手段20(19)により偏向
させ、偏向光束を走査結像光学系22,24(21,2
3)により、被走査面26上に光スポットとして集光さ
せて光走査を行う光走査装置であり、走査結像光学系2
2,24(21,23)は1以上のレンズを含み、少な
くともレンズ面の1つが副非円弧面であり、その形状
は、被走査面26上の各走査位置における波面収差を良
好に補正するように定められている(請求項1,1
7)。 また、図1(図2)に示す光走査装置は、光源
10からの光束を主走査方向に長い線像として結像さ
せ、線像の結像位置近傍に偏向反射面20A(19A)
を有する光偏向手段20(19)により偏向させ、偏向
光束を走査結像光学系22,24(21,23)によ
り、被走査面26上に光スポットとして集光させて光走
査を行う光走査装置であって(請求項20)、走査結像
光学系22,24(21,23)は、偏向反射面20A
(19A)近傍と被走査面26位置とを副走査方向に関
して、幾何光学的な共役関係とする機能を有するアナモ
フィックな光学系であり(請求項11)、2枚のレンズ
により構成されている(請求項12)。
【0018】さらに、図1に示す実施の形態では、光偏
向手段20により偏向される偏向光束が、主走査方向に
弱い集束光束であり、走査結像光学系22,24は「主
走査方向に弱い集束光束である偏向光束を被走査面上に
集光する機能」を持ち(請求項15)、被走査面側のレ
ンズ24の、被走査面側のレンズ面が副非円弧面である
(請求項13)。従って、図1に示す実施の形態は、請
求項17記載の光走査装置の実施の形態でもある。 図
2に示す実施の形態では、光偏向手段19により偏向さ
れる偏向光束が、主走査方向に平行光束であり、走査結
像光学系21,23は「主走査方向に平行束光束である
偏向光束を被走査面上に集光する機能」を持ち(請求項
16)、被走査面側のレンズ23の、光偏向手段側のレ
ンズ面が副非円弧面である(請求項14)。従って、図
2に示す実施の形態は、請求項20記載の光走査装置の
実施の形態でもある。
【0019】
【実施例】以下、具体的な実施例を3例挙げる。 レン
ズ面の形状特定は、以下の式による。 「共軸非球面」 レンズ高さ:Hに対する、光軸(H=0)からのデプス
差で示す。
【0020】 即ち、近軸曲率半径:R、円数定数:K、高次の係数:
,A,...を用いて、以下の(A)式で表され
る。 X=(H/R)/[1+√{1−(1+K)(H/R)}] +A+A+A+....(A) 「主走査断面内における非円弧形状」 主走査断面内の近軸曲率半径:Rm、光軸からの主走査
方向の距離:Y、円錐定数:Km、高次の係数をA
,A,A,A,A,...として、光軸方
向のデプスをXとして次の多項式(B)で表す。 X=(Y/Rm)/[1+√{1−(1+Km)(Y/Rm)}] +AY+A+A+A+A+....(B) (B)式において、奇数次のA,A,A,...
の何れかがゼロ以外の数値であると、主走査方向に非対
称な形状となる。 「副走査断面内に於ける曲率」 副走査断面内で曲率が主走査方向(光軸位置を原点とす
る座標:Yで示す)に変化する場合、次の(C)及び
(D)式で表す。(C)式は曲率:Cs(Y)で示す場
合、(D)は曲率半径:Rs(Y)で示す場合である。
Rs(0)は、副走査断面内における光軸上の曲率半径
を表す。
【0021】 Cs(Y)={1/Rs(0)} +BY+B+B+B+B+....(C) Rs(Y)=Rs(0) +BY+B+B+B+B+....(D) (c),(D)式において、Yの奇数次係数:B,B
,B,..の何れかがゼロ以外の数値であるとき、
副走査断面内の曲率(もしくは曲率半径)が主走査方向
に非対称となる。 「副非円弧面」 副走査断面の主走査方向の位置:Y、副走査方向の座
標:Zを用い、(E)式であらわす。 X=(Y/Rm)/[1+√{1−(1+Km)(Y/Rm)}] +AY+A+A+A+A+.... +(Z×Cs)/[1+√{1−(1+Ks)(Z×Cs)} +(F+FY+F+F+F+....)Z +(G+GY+G+G+G+....)Z +(H+HY+H+H+H+....)Z +(I+IY+I+I+I+....)Z +(J+JY+J+J+J+....)Z +(K+KY+K+K+K+....)Z +(L+LY+L+L+L+....)Z +(M+MY+M+M+M+....)Z +(N+NY+N+N+O+....)Z +(O+OY+O+O+O+....)Z10 +....(E) ここに、Csは、前記(C)式で定義されたCs(Y)
である。 また、Ksは、次ぎの(F)式で定義され
る。 Cs(Y)の式(C)におけるYの奇数乗係数のB
,B,...の何れかがゼロ以外の数値を取る
と、副走査断面内の曲率半径の変化が主走査方向に非対
称となる。同様に、F,F,F,...,G
,G,...等にゼロ以外の数値を代入すると、
副走査断面内の非円弧量が主走査方向に非対称となる。
即ち、副非円弧面は、前述のように「副走査断面内の
形状が非円弧形状で、この副走査断面内の非円弧形状
が、主走査方向における副走査断面の位置に応じて変化
する面」であるが、(E)式において、右辺の第1〜2
行は、主走査方向の座標:Yのみの関数で「主走査断面
内の形状」を表す。また、右辺の第3行以下は、副走査
断面のY座標が決まると、Zの各次の項の係数は一義的
に定まり、座標:Yにおける「副走査断面内の非円弧形
状」が定まる。 上記共軸非球面、主走査断面内におけ
る非円弧形状、副走査断面内に於ける曲率、副非円弧面
の解析表現は、上に挙げたものに限らず、種々のものが
可能であり、この発明における面形状が上記式による表
現に限定されるものではない。
【0022】実施例1 最初に挙げる実施例1は、図1に示す実施の形態に対す
る具体例である。 光源10である半導体レーザからの光束は、カップリン
グレンズ12によりカップリングされて「弱い集束性の
光束」となる。この弱い集束性の光束が、光路上で光学
素子の屈折作用を受けないと仮定した場合に、光束の集
束性により自然に集光する位置を「自然集光点」と呼
ぶ。 実施例1において、自然集光点の位置は、偏向光
束が被走査面上の光スポットの像高:0に向かうとき、
偏向反射面から被走査面側へ向かって700mmの位置
にある。従って、偏向光束は主走査方向には弱い集束性
で、副走査方向には発散性であり、走査結像光学系2
2,24は、偏向反射面20A近傍と被走査面26位置
とを副走査方向に関して、幾何光学的な共役関係とする
機能を有するアナモフィックな光学系であり、主走査方
向に弱い集束光束である偏向光束を被走査面上に集光す
る機能を持つ。 光偏向手段としての回転多面鏡20
は、偏向反射面数:6で内接円半径:18mmのもので
あり、図1に示す入射角:θ=60度、回転軸20Xと
走査結像光学系光軸AXとの間隔:h=7.80mmで
ある。 なお、ここで、図1に示す光軸AXについて付
言すると、実施例1において、走査結像光学系を構成す
る2枚のレンズ22,24のレンズ面に対して「ティル
ト角」が与えられている。光軸AXは、これらティルト
角を0とした場合について考えられる基準であり、この
基準に対してティルトを与えたものが実際のレンズ2
2,24の面の向きを決定する。上記共軸非球面、主走
査断面内の非円弧形状や、副非円弧面等は、ティルト角
を0とした状態において特定される形状である。走査結
像光学系の画角は−40.14度〜+40度である。
レンズ22は両面とも「共軸非球面」。レンズ24は、
被走査面側が「副非円弧面」で、回転多面鏡側は、主走
査断面内が「非円弧形状」で、副走査断面内は「円弧形
状」である。偏向反射面以後のデータ(曲率半径は非円
弧形状にあっては近軸曲率半径である)は、以下の通り
である。
【0023】 「x」は(ティルト角を0としたときの)光軸上の面間
隔、「α」はティルト角(単位:度、反時計回りを正と
する)、「n」はレンズ材質の(実施例1〜3とも使用
波長:780nmに対する)屈折率を表す。 面番号
1,2は共に共軸非球面で、前記(A)式の各定数を与
えて特定する。面番号3の、主走査断面内の非円弧形状
は前記(B)式の各定数を与えて特定する。また副走査
断面内の形状は円弧であるが、その曲率半径は主走査方
向に変化しており、前記(C)式もしくは(D)式の各
定数を与えて特定する。面番号4は副非円弧面であるか
ら、(B)式の各定数を与えることにより主走査断面内
の形状が定まり、副走査断面内の曲率の主走査方向の変
化が(C)式の各定数を与えることにより定まり、副走
査断面内の非円弧形状とその主走査方向の変化は、
(E)式と(F)式の各定数を与えることにより特定さ
れる。 各面の主走査方向と副走査方向の係数を表1に
挙げる。
【0024】
【表1】
【0025】面番号4(レンズ24の被走査面側の副非
円弧面)の副走査方向の係数を、表2に挙げる。
【0026】
【表2】
【0027】図4に、実施例1に関する像面湾曲(左図
実線は副走査方向、破線は主走査方向)と等速度特性
(右図 実線はリニアリティ 破線はfθ特性)を示
す。像面湾曲−等速度特性ともに極めて良好に補正され
ている。 図5には、実施例1における光スポットの像
高:0,±50mm,±100mmにおける「スポット
径の深度曲線(光スポットのデフォーカスに対するスポ
ット径の変動)」を示す。(a)は主走査方向、(b)
は副走査方向に関するものである。実施例1では、ライ
ンスプレッド関数の1/e強度で定義されるスポット
径として50μm程度、像面上で50μm以下を意図し
ている。図に示されたように、主−副走査方向とも良好
な深度を有しており、被走査面の位置精度に対する許容
度が高い。
【0028】実施例2 次に挙げる実施例2は、図2に示す実施の形態に対する
具体例である。 光源10である半導体レーザからの光束は、カップリン
グレンズ11によりカップリングされて「平行光束」と
なる。従って、自然集光点の位置は、偏向反射面から被
走査面側へ向かって∞の位置にある。従って、偏向光束
は主走査方向には平行光束で、副走査方向には発散性で
あり、走査結像光学系21,23は、偏向反射面19A
近傍と被走査面26位置とを副走査方向に関して、幾何
光学的な共役関係とする機能を有するアナモフィックな
光学系であり、主走査方向に平行光束である偏向光束を
被走査面上に集光する機能を持つ。光偏向手段としての
回転多面鏡19は、偏向反射面数:5で内接円半径:1
3mmのものであり、図1に示す入射角:θ=60度、
回転軸19Xと走査結像光学系光軸AXとの間隔:h=
7.53mmである。 実施例2においては、走査結像
光学系を構成する2枚のレンズ21,23のうち、レン
ズ23の回転多面鏡側のレンズ面に「シフト量(主走査
方向への平行移動で図1で上方を正とする)」が与えら
れている。光軸AXは、シフト量を0とした場合につい
て考えられる基準であり、この基準に対してシフト量を
与えたものが実際のレンズ面の位置を決定するのであ
る。上記共軸非球面、主走査断面内の非円弧形状、副非
円弧面等は、この場合、シフト量を0とした状態におい
て特定される形状である。 走査結像光学系の画角は−39.97度〜+39.97
度である。レンズ21は両面とも「共軸非球面」。レン
ズ23は、回転多面鏡側が「副非円弧面」で、被走査面
側は、主走査断面内−副走査断面内ともに「円弧形状
(副走査断面内の曲率半径は主走査方向に変化する)」
である。偏向反射面以後のデータ(曲率半径は非円弧形
状にあっては近軸曲率半径である)は、以下の通りであ
る。
【0029】 「x」は(シフトを0としたときの)光軸上の面間隔、
「y」はシフト量であり、「α」は防音ガラスのティル
ト角(単位:度)を表す。 面番号3,4は共に共軸
非球面であり、前記(A)式の各定数を与えて特定す
る。面番号6の、副走査断面内の円弧形状の曲率半径は
主走査方向に変化しており、前記(C)式もしくは
(D)式の各定数を与えて特定する。面番号5は副非円
弧面であるから、(B)式で各定数を与えて主走査断面
内の形状を定め、副走査断面内の曲率の主走査方向の変
化を(C)式の各定数を与えて定め、副走査断面内の非
円弧形状とその主走査方向の変化を、(E)式と(F)
式の各定数を与えて特定する。 各面の主走査方向と副
走査方向の係数を表3に挙げる。
【0030】
【表3】
【0031】面番号5(レンズ23の回転多面鏡側の副
非円弧面)の副走査方向の係数を、表4に挙げる。
【0032】
【表4】
【0033】図6に、実施例2に関する像面湾曲および
等速度特性を、図4に倣って示す。像面湾曲−等速度特
性ともに極めて良好に補正されている。 図7には、実
施例1における光スポットの像高:0,±100mm,
±150mmにおける「スポット径の深度曲線」を示
す。(a)は主走査方向、(b)は副走査方向に関する
ものである。実施例2で意図されているスポット径は、
ラインスプレッド関数の1/e強度のスポット径で3
0μm程度である。図示のとおり、主−副走査方向とも
良好な深度を有しており、被走査面の位置精度に対する
許容性が高い。
【0034】図8には、実施例2における「波面収差」
を示す。(a)は像高:+150mmにおける波面収差
を示し、(b)は像高:+100mmにおける波面収
差、(c)は像高:0mm、(d),(e)はそれぞ
れ、像高:−100mm、−150mmにおける波面収
差を示している。なお、このとき、ビーム整形用のアパ
ーチュア13としては「矩形形状の開口部」を有するも
のを用いている。 図8に示されたように、実施例2に
おいて、波面収差は光スポットの像高:0では略完全に
補正されているが、像高:+150mmでは4隅が若干
補正不足となっている。図7(a)に示すような瞳上の
4隅の波面収差の劣化は光スポットの形状−スポット径
に影響する。実施例2では、前述のように、ビーム整形
用のアパーチュア13の開口形状として「矩形形状(主
走査方向を長辺、副走査方向を短辺とする長方形形
状)」を用いている。図7(a)に示すような瞳上の4
隅での波面収差の劣化の光スポットへの影響を除去する
には、上記アパーチュア13の開口形状として、カップ
リングされた光束の「主−副走査方向の4隅部の部分」
を遮断する形状、例えば、上記矩形の4隅の形状を丸め
た形状や楕円形状を用いるのが有効である(請求項2
3)。 実施例2において、アパーチュア13の開口形
状として「矩形の4隅の形状を丸めた形状」を用いた場
合の、光スポットの像高:0,±100mm,±150
mmにおける瞳上の波面収差を示す。即ち、図9(a)
は、像高:150mmにおける波面収差、(b)は像
高:100mmにおける波面収差、(c)は像高:0に
おける波面収差、(d)は像高:−100mmにおける
波面収差、(e)は像高:−150mmにおける波面収
差を示す。 図8に示す波面収差に比して、瞳面上にお
けるRMS波面収差が大幅に改善されている。図12
に、この場合の光スポットの像高:0,±100mm、
±150mmにおける「スポット径の深度曲線」を示
す。(a)は主走査方向、(b)は副走査方向に関する
ものである。図7の場合(矩形形状の開口を持つアパー
チュアを用いている)に比して、特に副走査方向の深度
余裕を広げることが可能となる。 図10は、実施例2
における副非円弧面(被走査面側のレンズの回転多面鏡
側の面 前記面番号5)の「副走査断面の近軸曲率」
の、主走査方向の変化を示している。図のように、副走
査断面内の近軸曲率は主走査方向に変化し、曲率の変化
が主走査方向に非対称で2以上の極値を持つ(請求項
6)。
【0035】実施例3 最後に挙げる実施例3も、図2に示す実施の形態に対す
る具体例である。 光源10である半導体レーザからの
光束は、カップリングレンズ11によりカップリングさ
れて「平行光束」となる。従って、偏向光束は主走査方
向には平行光束で、副走査方向には発散性であり、走査
結像光学系21,23は、偏向反射面19A近傍と被走
査面26位置とを副走査方向に関して、幾何光学的な共
役関係とする機能を有するアナモフィックな光学系であ
り、主走査方向に平行光束である偏向光束を被走査面2
6上に集光する機能を持つ。 光偏向手段としての回転
多面鏡19は、偏向反射面数:5で内接円半径:13m
mのものであり、図1に示す入射角:θ=60度、回転
軸と走査結像光学系光軸AXとの間隔:h=5.22m
mである。 実施例3においては、走査結像光学系を構
成する2枚のレンズ21,23にはティルト角−シフト
量は与えられていない。 走査結像光学系の画角は−4
2度〜+42度である。レンズ21は回転多面鏡側が
「共軸被球面」、被走査面側は、主走査断面内が非円弧
形状、副走査断面内の形状は円弧で、その曲率半径は主
走査方向に変化する。レンズ23は、回転多面鏡側が
「副非円弧面」で、被走査面側はトロイダル面である。
偏向反射面以後のデータ(曲率半径は非円弧形状にあっ
ては近軸曲率半径である)は、以下の通りである。 シフト「y」は、偏向反射面以後の光学系が「全体とし
て1.588だけシフト」していることを意味する。
「α」は防音ガラスのティルト角(単位:度)を表す。
面番号3は共軸非球面で、前記(A)式の各定数を与
えて特定する。面番号4の主走査断面内の非円弧形状は
(B)式で、副走査断面内の曲率半径の主走査方向の変
化は(C)式、それぞれ各定数を与えて特定する。面番
号5は副非円弧面であるから、(B)式の各定数を与え
て主走査断面内の形状を定め、副走査断面内の曲率の主
走査方向の変化を(C)式の各定数を与えて定め、副走
査断面内の非円弧形状とその主走査方向の変化を(E)
式と(F)式の各定数を与えて特定する。 各面の主走
査方向と副走査方向の係数を表5に挙げる。
【0036】
【表5】
【0037】面番号5(レンズ23の回転多面鏡側の副
非円弧面)の副走査方向の係数を、表6及び表7に挙げ
る。
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】表1〜表7において、データの数値の末尾
にある「符号つきの数値」、例えば「―0.10052
+02」や「0.10465―01」における「+0
2」や「―01」は、それぞれ「10」、「1
―2」の省略表示であり、この「べき乗」が直前の数
値にかかるのである。
【0041】図11に、実施例3に関する像面湾曲およ
び等速度特性を図4に倣って示す。像面湾曲−等速度特
性ともに極めて良好に補正されている。 実施例3にお
ける副非円弧面である第5面(被走査面側レンズの光偏
向器側レンズ面)の副走査断面内における非円弧形状の
「非円弧量」即ち、円弧からのずれ量(単位:mm)を
表8に示す。
【0042】
【表8】
【0043】非円弧量は、副走査断面の主走査方向にお
ける位置に応じて、レンズ光軸に対して非対称に変化し
ている。このように非円弧量を設定することにより、全
ての像高において、瞳上の波面収差を補正し、且つ光学
的なサグの影響を除去して、良好な小径光スポットを形
成できる。
【0044】上に挙げた実施例1〜3に関し、請求項4
における条件(1)、請求項11における条件(1)の
各パラメータの値を以下に挙げる。 条件(1) 実施例1:|β|=2.51 実施例2:|β|=0.78 実施例3:|β|=0.73 である。実施例2,3では条件(1)が満足されている
が、実施例(1)では満足されていず、従って、実施例
1は実施例2,3に比して、スポット径の小径化には限
界が大きい。 条件(4) 実施例1:Fs/W=0.131/216=0.0006 実施例2:Fs/W=0.031/300=0.0001 実施例3:Fs/W=0.137/320=0.0004 実施例1〜3とも条件(4)を満足し、副走査像面湾曲
の変動を抑えることにより安定した小径の光スポットが
得られている。なお、実施例1〜3とも、条件(2)を
満足している。即ち、各実施例とも、副走査断面内の近
軸曲率が主走査方向に応じて変化する面を2面以上用い
ることにより、前側−後側主点位置を所望の位置に設定
し、像高毎の倍率を一定に保ち、安定したビームスポッ
トを得ている。実施例1,2では、被走査面側のレンズ
の、入射側面と射出側面のベンディングにより主点位置
を任意に設定して、横倍率を一定としている。また、実
施例3では、回転多面鏡側のレンズの射出側面と、被走
査面側の入射側面のベンディングにより、主点位置を任
意に設定し、横倍率を一定としている。 実施例2で
は、図10に示したように、走査結像光学系の被走査面
側のレンズの回転多面鏡側(入射側)のレンズ面は、副
走査断面内の近軸曲率が主走査方向に非対称に変化し、
3つの極値位置:a,b,cを有する。これらa,b,
cにつき、条件(3)のパラメータを算出してみると以
下のようになる。 a点:|(he)/(hmax)|=|(―65)/(―90)|=0.72 b点:|(he)/(hmax)|=|(0)/(44.8)|=0 c点:|(he)/(hmax)|=|(+62)/(+90)|=0.69 3つの極値の内で、像面湾曲を有効に補正している極値
は、条件(3)を満足するa,c点である。 上記の実
施例1〜3の光走査装置は、光束を放射する光源10
と、この光源からの光束を入射され、光束形態を変換す
る第1レンズ系12,16(11,15)と、偏向反射
面20A(19A)を有し、第1レンズ系からの光束を
偏向させる光偏向手段20(19)と、この光偏向手段
により偏向された偏向光束を、被走査面上に、偏向角に
応じて像高の変化する光スポットとして集光させる第2
レンズ系22,24(21,23)とを有し、第2レン
ズ系に含まれるレンズ面の少なくとも1面(レンズ24
の被走査面側面、レンズ23の回転多面鏡側面)は、複
数の副走査断面内で非円弧形状を有し、なおかつ、少な
くとも2つの副走査断面内の上記非円弧形状が互いに異
なるものであり、有効書込幅:W、該有効書込幅内にお
ける副走査像面湾曲の幅:Fsが条件: (4) Fs/W < 0.005 を満足する(請求項22)。 そして第2レンズ系は、
独立した少なくとも2枚のレンズ22,24(21,2
3)を有し(請求項22)、これら2枚のレンズの4面
のレンズ面が、主走査断面内において非円弧形状を有す
る(請求項23)。 また、図7等の深度曲線の図で、
でフォーカスに対する光スポット系の変化が極めて小さ
いこと、図6等に示すように、像面湾曲が極めて良好に
補正されていることから明らかな如く、第2レンズ系の
副非円弧面は、偏向光束の幾何光学的な結像位置(像面
湾曲位置)に、偏向光束のビームウエスト位置を合致さ
せるように面形状を定められたものである(請求項3
3)。 第2レンズ系22,24(21,23)は、副
走査方向において、偏向反射面20A(19A)近傍と
被走査面26位置とを副走査方向に関して、幾何光学的
な共役関係とする機能を有するアナモフィックな光学系
であり(請求項31)、副走査方向に関して、光軸上の
横倍率:βと、任意像高:hでの横倍率:βとが、
条件: (2) 0.93<|β/β|<1.07 を満足する(請求項32)。
【0045】なお、この発明の走査結像光学系は、上記
の如く特殊な面形状を含むので、その製造はプラスチッ
クを素材とする成形加工が適している。
【0046】走査結像光学系において、副走査断面内の
面形状を非円弧形状に設定したものは、特開平9−18
5006号公報や特開平9−49967号公報等に記載
のものが知られているが、前者では走査結像光学系の倍
率が高く,高密度書込に対応する小径の光スポットを意
図すると、レンズ面の入射光束が大きくなるため、光学
系の全ての面の面精度を向上したり、カップリングレン
ズのNAを大きくしなければならない等の問題があり、
光スポットの小径化は困難である。 また、非円弧量が
主走査方向に一定であり、主走査方向の全ての像高にお
いて波面収差を良好に補正することができないため、小
径の光スポットを得ることが困難である。
【0047】最後に、図13を参照して、この発明の画
像形成装置の実施の1形態を説明する。この画像形成装
置はレーザプリンタである。 レーザプリンタ100は
像担持体110として「円筒状に形成された光導電性の
感光体」を有している。像担持体110の周囲には、帯
電手段としての帯電ローラ120、現像装置130、転
写ローラ140、クリーニング装置150が配備されて
いる。帯電手段としては「コロナチャージャ」を用いる
こともできる。またレーザビームLBによる光走査装置
170が設けられ、帯電ローラ120と現像装置130
との間で「光書込による露光」を行うようになってい
る。 光走査装置は、上に実施例1〜3に即して説明し
た如きものである。 図13において、符号160は定
着装置、符号180はカセット、符号190はレジスト
ローラ対、符号200は給紙コロ、符号210は搬送
路、符号220は排紙ローラ対、符号230はトレイ、
符号Pは記録媒体としての転写紙を示している。 画像
形成を行うときは、光導電性の感光体である像担持体1
10が時計回りに等速回転され、その表面が帯電ローラ
120により均一帯電され、光走査装置170のレーザ
ビームの光書込による露光を受けて静電潜像が形成され
る。形成された静電潜像は所謂「ネガ潜像」であって、
画像部が露光されている。 この静電潜像は、現像装置
130により反転現像され、像担持体110上にトナー
画像が形成される。 転写紙Pを収納したカセット18
0は、画像形成装置100本体に着脱可能であり、図の
ごとく装着された状態において、収納された転写紙Pの
最上位の1枚が給紙コロ200により給紙され、給紙さ
れた転写紙Pはその先端部をレジストローラ対190に
銜えられる。レジストローラ対190は、像担持体11
0上のトナー画像が転写位置へ移動するのにタイミング
をあわせて、転写紙Pを転写部へ送りこむ。送りこまれ
た転写紙Pは、転写部においてトナー画像と重ね合わせ
られ、転写ローラ140の作用によりトナー画像を静電
転写される。 トナー画像を転写された転写紙Pは定着
装置160へ送られ、定着装置160においてトナー画
像を定着され、搬送路210を通り、排紙ローラ対22
0によりトレイ230上に排出される。トナー画像が転
写されたのちの像担持体110の表面は、クリーニング
装置150によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉
等が除去される。 光走査装置170として、実施例1
〜3の如きものを用いることにより、極めて良好な画像
形成を実行することができる。 すなわち、図13に示
す画像形成装置は、潜像担持体110に光走査により潜
像を形成し、形成された潜像を現像して所望の画像を得
る画像形成装置において、潜像担持体110の光走査を
行う光走査装置として、請求項17〜33の任意の1に
記載の光走査装置を用いるものであり(請求項34)、
潜像担持体110が光導電性の感光体であり、形成され
た潜像がトナー画像として可視化され、トナー画像がシ
ート状の記録媒体Pに定着されるものである(請求項3
5)。
【0048】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明の走査
結像光学系によれば、副非円弧面を採用して波面収差を
有効に補正するので、50μm程度以下の小径の光スポ
ットを安定して得ることができる。また、この発明の光
走査装置は、上記走査結像光学系を用いて、小径の安定
した光スポットにより書込み密度の高い良好な書込みを
実現することができ、この発明の画像形成装置は、上記
光走査装置を用いることにり良好な画像形成を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光走査装置の発明の実施の1形態を説明するた
めの図である。
【図2】光走査装置の発明の実施の別形態を説明するた
めの図である。
【図3】副非円弧面を説明するための図である。
【図4】実施例1に関する像面湾曲と等速度特性とを示
す図である。
【図5】実施例1に関するスポット径の深度曲線を示す
図である。
【図6】実施例2に関する像面湾曲と等速度特性とを示
す図である。
【図7】実施例2に関するスポット径の深度曲線を示す
図である。
【図8】実施例2における光スポットの像高:0と±1
00mmと±150mmの位置における波面収差を示す
図である。
【図9】実施例2において、4隅を40%カットしたア
パーチュアを用いた場合における光スポットの像高:
0,±100mm、±150mmの位置における波面収
差を示す図である。
【図10】実施例2における副非円弧面の副走査断面内
の近軸曲率の主走査方向の変化を示す図である。
【図11】実施例3に関する像面湾曲と等速度特性とを
示す図である。
【図12】実施例2において、矩形の4隅をまるめた形
状の開口形状のアパーチュアを用いたときの光スポット
の像高:0,±100mm、±150mmの位置におけ
る波面収差を示す図である。
【図13】画像形成装置の発明の実施の1形態を示す図
である。
【符号の説明】
20 光偏向手段 20A 偏向反射面 22,24 走査結像光学系を構成するレンズ 26 被走査面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−197823(JP,A) 特開 平5−11212(JP,A) 特開 平10−148755(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 26/10

Claims (35)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】偏向反射面を有する光偏向手段により偏向
    された偏向光束を、被走査面上に光スポットとして集光
    させる走査結像光学系であって、 1以上のレンズを含み、 少なくともレンズ面の1つが、副非円弧面であり、 該副非円弧面は、副走査断面内の形状が非円弧形状で、
    該非円弧形状が、主走査方向における副走査断面の位置
    に応じて変化する面であり、 上記副非円弧面の形状が、被走査面上の各走査位置にお
    ける波面収差を補正するように定められており、 上記副走査断面内の近軸曲率が主走査方向に非対称的に
    変化し、且つ、上記近軸曲率の変化が2以上の極値を持
    つレンズ面を、少なくとも1面有し、このレンズ面が上
    記副非円弧面であることを特徴とする走査結像光学系。
  2. 【請求項2】請求項1記載の走査結像光学系において、 副非円弧面の、主走査断面内の形状が非円弧形状である
    ことを特徴とする走査結像光学系。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の走査結像光学系に
    おいて、 副非円弧面の波面収差補正は、瞳面上についてRMS:
    0.1λ(λは使用波長)以下であることを特徴とする
    走査結像光学系。
  4. 【請求項4】請求項1または2または3記載の走査結像
    光学系において、 被走査面上の光スポットのスポット径を、光スポットに
    おける光強度分布のラインスプレッド関数における1/
    強度で定義するとき、該スポット径を主―副走査方
    向とも、有効書込み範囲内で50μm以下とする結像機
    能を持つことを特徴とする走査結像光学系。
  5. 【請求項5】請求項1または2または3または4記載の
    走査結像光学系において、 副走査方向の、光軸上の横倍率:βが、条件: (1) 0.2 < |β| <1.5 を満足することを特長とする走査結像光学系。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の任意の1に記載の走査結像
    光学系において、 副走査方向に関し、光軸上の横倍率:β,任意像高:
    hでの横倍率:βが、条件: (2) 0.93<|β/β|<1.07 を満足することを特徴とする走査結像光学系。
  7. 【請求項7】請求項1〜6の任意の1に記載の走査結像
    光学系において、 副非円弧面の、副走査断面内における非円弧形状の、円
    弧からのずれ量である非円弧量が、主走査方向に非対称
    に変化することを特徴とする走査結像光学系。
  8. 【請求項8】請求項1〜7の任意の1に記載の走査結像
    光学系において、 副走査断面内の近軸曲率の変化における極値の少なくと
    も1つは、その主走査方向の位置:heが、+像高側又
    は−像高側の、レンズ光軸からの有効レンズ高さ:hm
    axに対し、条件: (3) |(he)/(hmax)|> 0.5 を満足することを特徴とする走査結像光学系。
  9. 【請求項9】請求項1〜8の任意の1に記載の走査結像
    光学系において、 有効書込幅:W、該有効書込幅内における副走査像面湾
    曲の幅:Fsが条件: (4) Fs/W < 0.005 を満足することを特徴とする走査結像光学系。
  10. 【請求項10】請求項1〜9の任意の1に記載の走査結
    像光学系において、 副非円弧面の主走査断面内の形状が、光スポットの等速
    度特性を補正するように定められていることを特徴とす
    る走査結像光学系。
  11. 【請求項11】請求項1〜10の任意の1に記載の走査
    結像光学系において、 偏向反射面近傍と被走査面位置とを副走査方向に関し
    て、幾何光学的な共役関係とする機能を有するアナモフ
    ィックな光学系であることを特徴とする走査結像光学
    系。
  12. 【請求項12】請求項11記載の走査結像光学系におい
    て、 2枚のレンズにより構成されることを特徴とする走査結
    像光学系。
  13. 【請求項13】請求項12記載の走査結像光学系におい
    て、 被走査面側のレンズの、被走査面側のレンズ面が副非円
    弧面であることを特徴とする走査結像光学系。
  14. 【請求項14】請求項14記載の走査結像光学系におい
    て、 被走査面側のレンズの、光偏向手段側のレンズ面が副非
    円弧面であることを特徴とする走査結像光学系。
  15. 【請求項15】請求項13記載の走査結像光学系におい
    て、 主走査方向に弱い集束光束である偏向光束を、被走査面
    上に集光する機能を持つことを特徴とする走査結像光学
    系。
  16. 【請求項16】請求項14記載の走査結像光学系におい
    て、 主走査方向に平行光束である偏向光束を、被走査面上に
    集光する機能を持つことを特徴とする走査結像光学系。
  17. 【請求項17】光源からの光束を偏向反射面を有する光
    偏向手段により偏向させ、偏向光束を走査結像光学系に
    より、被走査面上に光スポットとして集光させて光走査
    を行う光走査装置であって、 走査結像光学系として、請求項1〜10の任意の1に記
    載の走査結像光学系を用いることを特徴とする光走査装
    置。
  18. 【請求項18】光源からの光束を主走査方向に長い線像
    として結像させ、上記線像の近傍に偏向反射面を有する
    光偏向手段により偏向させ、偏向光束を走査結像光学系
    により被走査面上に光スポットとして集光させて光走査
    を行う光走査装置であって、 走査結像光学系として、請求項11〜16の任意の1に
    記載の走査結像光学系を用いることを特徴とする光走査
    装置。
  19. 【請求項19】請求項18記載の光走査装置において、 光偏向手段により偏向される偏向光束が、主走査方向に
    弱い集束光束であり、走査結像光学系として、請求項1
    5記載の走査結像光学系を用いることを特徴とする光走
    査装置。
  20. 【請求項20】請求項18記載の光走査装置において、 光偏向手段により偏向される偏向光束が、主走査方向に
    平行光束であり、走査結像光学系として、請求項16記
    載の走査結像光学系を用いることを特徴とする光走査装
    置。
  21. 【請求項21】請求項19または20記載の光走査装置
    において、 光源としての半導体レーザからの光束が、カップリング
    レンズにより取り込まれ、線像結像光学系により偏向反
    射面近傍に、主走査方向に長い線像として結像されるも
    のであり、 光源と偏向反射面との間にビーム整形を行うアパーチュ
    アを有し、 該アパーチュアの開口が、カップリングされた光束の主
    −副走査方向の4隅部の部分を遮断する形状を有するこ
    とを特徴とする光走査装置。
  22. 【請求項22】光束を放射する光源と、 この光源からの光束を入射され、光束形態を変換する第
    1レンズ系と、 偏向反射面を有し、上記第1レンズ系からの光束を偏向
    させる光偏向手段と、 この光偏向手段により偏向された偏向光束を、被走査面
    上に、偏向角に応じて像高の変化する光スポットとして
    集光させる第2レンズ系とを有し、 上記第2レンズ系に含まれるレンズ面の少なくとも1面
    は、複数の副走査断面内で非円弧形状を有し、なおか
    つ、少なくとも2つの副走査断面内の上記非円弧形状が
    互いに異なるものであり、 有効書込幅:W、該有効書込幅内における副走査像面湾
    曲の幅:Fsが条件: (4) Fs/W < 0.005 を満足し、 上記第2レンズ系は、独立した少なくとも2枚のレンズ
    を有し、これら2枚のレンズの4面のレンズ面の内、少
    なくとも1面は、副走査断面内に非円弧形状を有し、且
    つ、上記非円弧形状は、その近軸曲率半径を主走査方向
    に連ねた曲率中心線が、当該レンズ面の主走査断面内の
    形状と異なる曲線であることを特徴とする光走査装置。
  23. 【請求項23】請求項22記載の光走査装置において、 第2レンズ系は、独立した少なくとも2枚のレンズを有
    し、これら2枚のレンズの4面のレンズ面が、主走査断
    面内において非円弧形状を有すること特徴とする光走査
    装置。
  24. 【請求項24】請求項22記載の光走査装置において、 第2レンズ系は、独立した少なくとも2枚のレンズを有
    し、これら2枚のレンズの4面のレンズ面の内の少なく
    とも3面が、主走査断面内において非円弧形状を有する
    こと特徴とする光走査装置。
  25. 【請求項25】請求項22記載の光走査装置において、 第2レンズ系が、3枚以上のレンズを含むことを特徴と
    する光走査装置。
  26. 【請求項26】請求項22記載の光走査装置において、 書込み密度が、略600〜1200dpiの範囲に設定
    されたことを特徴とする光走査装置。
  27. 【請求項27】 請求項22記載の光走査装置において、書込み密度が、
    略1200〜2400dpiの範囲に設定されたことを
    特徴とする光走査装置。
  28. 【請求項28】請求項22記載の光走査装置において、 書込み密度が、略2400dpi以上に設定されたこと
    を特徴とする光走査装置。
  29. 【請求項29】請求項22記載の光走査装置において、 光源が2以上の光束を放射するものであることを特徴と
    する光走査装置。
  30. 【請求項30】請求項22記載の光走査装置において、 第2レンズ系が、偏向光束の幾何光学的な結像位置に、
    上記偏向光束のビームウエスト位置を合致させるように
    面形状を定められた副非円弧面を持ったレンズを、少な
    くとも1個有することを特徴とする光走査装置。
  31. 【請求項31】請求項22記載の光走査装置において、 第2レンズ系が、副走査方向において、偏向反射面近傍
    と被走査面位置とを副走査方向に関して、幾何光学的な
    共役関係とする機能を有するアナモフィックな光学系で
    あることを特徴とする光走査装置。
  32. 【請求項32】請求項22記載の光走査装置において、 第2レンズ系が、副走査方向に関して、光軸上の横倍
    率:βと、任意像高:hでの横倍率:βとが、条
    件: (2) 0.93<|β/β|<1.07 を満足するものであることを特徴とする光走査装置。
  33. 【請求項33】請求項22記載の光走査装置において、 第2レンズ系に含まれるレンズ面の少なくとも1面が副
    非円弧面であり、 この副非円弧面の形状が、有効書込み幅内における光ス
    ポットの全像高に対して、ビームウエスト位置が被走査
    面位置と合致するように定められたことを特徴とする光
    走査装置。
  34. 【請求項34】潜像担持体に光走査により潜像を形成
    し、形成された潜像を現像して所望の画像を得る画像形
    成装置において、 潜像担持体の光走査を行う光走査装置として、請求項1
    7〜33の任意の1に記載の光走査装置を用いることを
    特徴とする画像形成装置。
  35. 【請求項35】請求項34記載の画像形成装置におい
    て、 潜像担持体が光導電性の感光体であり、形成された潜像
    がトナー画像として可視化され、上記トナー画像がシー
    ト状の記録媒体に定着されることを特徴とする画像形成
    装置。
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