JP4451282B2 - 車両用サスペンション装置 - Google Patents
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Description
この場合、液圧機構内の液圧を増加させる際には液圧ポンプから液圧を供給し、液圧機構内の液圧を減少させる際にはその余剰液圧をオイルタンク内に放出することが考えられる。またこのとき、液圧ポンプと各液圧機構との間にはそれぞれ逆止弁が設けられると共に、各液圧機構にはそれぞれアキュムレータ及び減衰器等が接続されることが一般的である。
しかしながら、上述のような構成では、液圧放出によるロスが多く、かつ液圧回路の構成部品増による損失及び重量増もあることから、このような点の改善が要望されている。
そこでこの発明は、車両姿勢制御及び車高調整制御が可能な車両用サスペンション装置において、液圧回路の簡素化を図ることを目的とする。
これにより、各液圧式シリンダの主ピストンが互いに反対となる方向へ移動し、もって前記一方の液圧式シリンダが備えるクッションユニットが車体を例えば上昇させると共に前記他方の液圧式シリンダを備えるクッションユニットが車体を例えば下降させる。すなわち、車両姿勢制御を行うことが可能となる。
これにより、各液圧式シリンダの主ピストンが互いに同一となる方向に移動し、もって各クッションユニットが車体を上昇あるいは下降させる。すなわち、車高調整制御を行うことが可能となる。
請求項3に記載した発明によれば、車高調整を正確に行うことができる。
図1は、この発明を四輪の自動車(車両)における前輪又は後輪に適用した例を示す構成図であり、本図に示すように、サスペンション装置1は、各車輪位置にそれぞれ配置された右及び左のクッションユニット2,3と、該各クッションユニット2,3間に配される油圧回路4とを有してなる。
シリンダ7の中間部には、コイルスプリング6の下端部を支持するロアスプリングシート12が固定される。一方、ピストンロッド8の上部には、油圧式ジャッキ(液圧式シリンダ)13を介してコイルスプリング6の上端部を支持するアッパスプリングシート11が固定される。これら各スプリングシート11,12に挟み込まれるようにコイルスプリング6が保持されることで、該コイルスプリング6がダンパー5と共に伸縮可能とされる。
アクチュエータ20は例えば上段油圧配管29a途中に設けられるもので、複動シリンダとしての様相をなすものである。すなわち、アクチュエータ20は、円筒状の副シリンダ21内にその軸方向に摺動可能な副ピストンユニット22を配置し、該副ピストンユニット22の左右両端側には右及び左の副油室25,26がそれぞれ形成されると共に、副シリンダ21の左右両端部には各副油室25,26内への副油圧流出入ポート27が設けられる。以下、アクチュエータ20(副シリンダ21)の軸方向が図示の如く左右方向に沿うものとして説明する。
ラック22aは、モータ28により駆動されるピニオンギヤ22bに噛み合っており、モータ28が正逆回転駆動することで、該ラック22aと共に副ピストンユニット22全体が副シリンダ21の軸方向に沿って移動する。モータ28の駆動は、ECU(エレクトロニックコントロールユニット)33により制御されている。
ここで、ECU33は、ステアリング操作角及び車速等の情報を車両状態(停車時かあるいは旋回時か等)情報として読み取り、該情報に基づいてモータ28及びソレノイドコイル31を駆動制御している。
換言すれば、アクチュエータ20におけるモータ28の回転数に応じた量だけ、車体が左右に揺動する。これを車両の旋回走行時等に行うことで、車体のロールを制御(すなわち車両姿勢を制御)することが可能となっている。
まず、ステアリング操作角及び車速等の情報に基づいて車両の旋回状態の測定が行われると共に(ステップS1)、車体の左右方向での傾きすなわちロール量の予測がなされる(ステップS2)。
まず、車速情報等に基づいて車両が停止しているか否かの判定がなされ(ステップS11)、車両が停止している(Yes)と判定された場合には、各クッションユニット2,3に設けたセンサ等からの信号に基づいて該各クッションユニット2,3のストローク量を測定すると共に(ステップS12)、該ストローク量が基準範囲内にあるか否かの判定がなされる(ステップS13)。なお、ステップS1において、車両が走行中である(No)と判定された場合には、一旦処理を終了して再度ステップS11から処理を開始する。
これにより、各油圧式ジャッキ13の主ピストン14が互いに反対となる方向へ移動し、もって前記一方の油圧式ジャッキ13が備えるクッションユニット2又は3が車体を例えば上昇させると共に前記他方の油圧式ジャッキ13を備えるクッションユニット2又は3が車体を例えば下降させる。すなわち、車両姿勢制御を行うことが可能となる。
これにより、各油圧式ジャッキ13の主ピストン14が互いに同一となる方向に移動し、もって各クッションユニット2,3が車体を上昇あるいは下降させる。すなわち、車高調整制御を行うことが可能となる。
また、車高調整制御が停車状態でのみ行われることで、車両調整を正確に行うことができる。
さらに、油圧式アクチュエータ20は、各主油室16a,16b間の油圧の差分に対応できればよいことから、該油圧式アクチュエータ20の出力を下げることが可能となり、かつこれに伴い油圧回路4におけるアキュムレータや減衰器を廃止することが可能となる。すなわち、油圧回路4における部品点数増による損失や重量増を抑えることが可能となる。
また、ロアスプリングシート12を油圧式ジャッキにより移動可能とした構成であってもよい。
さらに、ダンパーとコイルスプリングとが別体とされたサスペンション装置であってもよい。
そして、上記実施例における構成は一例であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
2,3 クッションユニット
6 コイルスプリング
13 油圧式ジャッキ(液圧式シリンダ)
14 主ピストン
16a 上段主油室(第一主液室)
16b 下段主油室(第二主液室)
20 油圧式アクチュエータ(液圧式アクチュエータ)
21 副シリンダ
22 副ピストンユニット(副ピストン)
25,26 副油室(副液室)
30 切り替え弁
Claims (3)
- 一対のクッションユニットに、主ピストンにより区画された第一主液室と第二主液室とを有して前記主ピストンの移動により各主液室の液圧を増減させると共に車両を上下動させる液圧式シリンダをそれぞれ配置し、かつ該各液圧式シリンダ間に、これらの第一主液室同士を連通させると共に第二主液室同士を連通させた状態と各主液室を互い違いに連通させた状態とを切り替える切り替え弁と、副シリンダ内の副ピストンを軸方向に移動させて該副ピストン両端側にそれぞれ設けられた副液室の一方を加圧すると共に他方を減圧して前記主ピストンを移動させる液圧式アクチュエータとを備えた車両用サスペンション装置であって、
前記各液圧式シリンダの第一主液室同士を連通させると共に第二主液室同士を連通させた状態にあるときには車両姿勢制御を行い、各主液室を互い違いに連通させた状態にあるときには車高調整制御を行うことを特徴とする車両用サスペンション装置。 - 前記各液圧式シリンダが、前記各クッションユニットにおけるコイルスプリングの一端側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用サスペンション装置。
- 前記車高調整制御が、当該車両が停止状態にあるときにのみ行われることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用サスペンション装置。
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