JP4451105B2 - 画像記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ベルトやドラムなどといった表面を無端移動させる無端移動体、あるいはこれの表面に保持される記録体に対して、複数の記録手段によって画像を順次記録していく画像記録装置に関するものである。
従来、この種の画像記録装置としては、画像を電子写真方式で記録するものや、特許文献1に記載の直接記録方式で記録するものなどが知られている。前者の画像記録装置は、複数の感光体に対してそれぞれ電子写真プロセスによって互いに異なる色の単色トナー像を形成し、これらを無端移動せしめられるベルトの上に順次重ね合わせて転写していく。この重ね合わせの転写により、転写ベルト上に多色トナー像を記録する。また、後者の画像記録装置は、静電潜像をトナーによって現像するといった電子写真プロセスを用いることなく、ベルトにトナー像を直接記録する。具体的には、複数の孔が設けられた電子基板の任意の孔を通してトナー群をドット状に飛翔させるトナー飛翔装置を用いて、ベルトに対して複数のドットからなるトナー像を直接記録する。ベルト表面移動方向に沿って並べられた複数のトナー飛翔装置を備えることで、互いに異なる色の単色トナー像をベルトに順次重ね合わせて記録して、多色トナー像を得ることができる。
何れの方式においても、ベルトの周方向の厚み偏差、ベルト駆動モータの駆動伝達系の軸偏心、ギヤのピッチ誤差、ギヤの噛み合い誤差などによってベルトの走行速度に変動が生ずると、各色トナー像が位置ズレして重ね合わされてしまう。そして、多色トナー像に色ズレ(色むら)が生じてしまう。何らかの理由によって互いに同色のトナー像を重ね合わせて記録する場合には、色ズレに代えて、画像形状の乱れが生じてしまう。
一方、特許文献2には、ベルト周方向に所定ピッチで並ぶ複数の目盛を有するスケールが設けられたベルトの駆動速度を、次のように制御する電子写真方式の画像記録装置が記載されている。即ち、各目盛の読み取り結果に基づいて、ベルトの駆動速度をリアルタイムに制御して、ベルトの速度変動を抑えるようにした画像記録装置である。かかる画像記録装置では、上述のようなベルトの速度変動による各トナー像の重ね合わせズレを抑えることができる。
しかしながら、ベルトが温度変化等に伴って伸縮したり、永久変形によって伸張したりして周長が変化すると、スケールの目盛ピッチも変化してしまうため、どうしても、速度変動の検知結果に誤差が生じてしまう。そして、これにより、重ね合わせズレを却って悪化させてしまうといった事態を引き起こす場合がある。
これに対し、特許文献3に記載には、このような検知誤差を生じない方法でベルトの速度変動を検知する電子写真方式の画像記録装置が記載されている。この画像記録装置は、所定のタイミングでベルトに対してその周方向に並ぶ複数の目盛像を記録し、それらを目盛検知センサで読み取っていく。そして、この読取結果に基づいて、ベルトの駆動速度をリアルタイムに制御するのではなく、ベルト1周あたりの速度変動パターンを検出して、そのデータを記憶手段に記憶しておく。具体的には、上述の目盛像とは別に、ベルトの周方向における所定位置に固定された基準マークをホームセンサ(マーク検知センサ)によって読み取る。そして、この基準マークがホームセンサによって読み取られるベルト移動位置をホームポジションとして、周回毎に、ホームポジションからのベルト移動量を検出する。更に、このタイミングの検出結果と、上述の目盛検知センサによる読取結果とに基づいて、ベルト1周あたりの速度変動パターンを検出して、そのデータを記憶手段に記憶しておくのである。転写紙等の記録体に対する記録動作を行う際には、記憶手段に記憶しておいた速度変動パターンのデータに基づいて、速度変動が生じないようにベルトの駆動速度を変化させる。かかる構成では、ベルト表面のスケールを目盛像の記録によって適宜作成することで、目盛ピッチがベルトの周長変化に伴って変化してしまうといった事態を回避する。よって、ベルトに固定されたスケールの目盛ピッチをベルトの周長変化に伴って変化させることによる速度変動の検知誤差を回避することができる。
更に、この画像記録装置は、目盛像の記録時と読み取り時とで、それぞれベルトの表面速度が変動することに起因する検知誤差を抑えるようにも構成されている。この検知誤差は次のようにして生ずる。即ち、所定の時間間隔でベルト上に刻々と転写されていく複数の目盛像の間には、ベルト速度変動に応じたピッチムラが発生する。このピッチムラを正確に検知することができれば、ベルト1周あたりの速度変動パターンを正確に検出することができる。しかし、転写位置でベルト上に転写された目盛像が、ベルトとともに移動して目盛検知センサによる読取位置に到達した際にも、ベルトに速度変動が生じている。よって、目盛検知センサによる各目盛の読取結果は、目盛像が転写位置で転写される際のベルト速度と、その目盛像が読取位置で読み取られる際のベルト速度との両方の影響を受けてしまう。このような影響を受けている読取結果を、目盛転写時のベルト速度の影響だけを受けているものとして速度変動パターンを検出してしまうと、実際の速度変動パターンとの間に誤差を生じてしまうのである。
かかる誤差を抑えるべく、この画像記録装置においては、ベルト1周あたりの速度変動パターンとして発生する周期的な波形が設計者等によって予め特定され、その波形に基づいて構築されたアルゴリズムを記憶手段に記憶している。具体的には、例えば、ベルトが筒状の外型と内型との間に流し込んだ材料を押し出してベルト状に成型する押出成型法によるものであると、外型と内型との微妙な偏心に起因する周方向の厚み偏差を引き起こしている場合が多い。厚みの最も小さくなる箇所から周方向に180[°]位相がずれた箇所の厚みが最も大きくなるような厚み偏差である。このようなベルトを複数のローラで張架して駆動すると、ベルトに駆動力を伝達する駆動ローラにベルトを掛け回している位置で、ベルトの移動半径をその厚みに応じて変化させる。そして、ベルト1周あたりの速度変動パターンは、1周期分のサイン波になる。設計者等は、ベルトを実際に駆動させながらその速度を何らかの方法によって測定して、このようなサイン波などといった、ベルト1周あたりの周期的な波形を予め特定しておく。そして、特定した波形に基づいて、目盛検知センサによる各目盛の読取結果を補正するためのアルゴリズムを構築して、同画像記録装置の記録手段に記憶させておくのである。
上記アルゴリズムの構築は、次のようにして行われる。例えば、ベルト1周あたりの速度変動パターンとして発生する周期的な波形が上述のようなサイン波であったとする。ベルトの速度変動は局所的なバラツキをもって発生するのではなく、ベルト全体で一律に起こるため、時刻を基準にして速度変動をみると、それをベルト周りのどの位置で検知しても、完全に同一のサイン波が得られる。一方、時刻を基準にするのではなく、ベルト表面の特定箇所が上記転写位置や読取位置に進入した時点を基準にして、それからベルト1周分の速度変動をみたとする。すると、転写位置と読取位置とで、サイン波の位相に差が出てくる。X軸、Y軸がそれぞれ時間経過、速度変動量である座標上で、ベルト表面の特定箇所が転写位置に進入した瞬間を時点ゼロとするサイン波と、読取位置に進入した瞬間を時点ゼロとするサイン波とで、位相がずれるのである。但し、互いに位相が異なるのみで、振幅や周期は同一になる。前者の瞬間を時点ゼロとするサイン波と、後者の瞬間を時点ゼロとするサイン波とが描かれた座標上で、両波の同一時点における速度変動量をみると、一方は、ある目盛像が転写位置で転写された際のベルト速度変動量になる。また、もう一方は、その目盛像が読取位置で読み取られる際のベルト速度変動量になる。そして、目盛検知センサによる読取結果である見かけのベルト速度変動量は、その一方のベルト速度変動量と、もう一方のベルト速度変動量との差分になる。ベルト1周あたりの速度変動パターンとして発生する周期的な波形を実測によって予め特定しておくと、かかる差分に基づいて、一方のベルト速度変動量だけを算出するためのアルゴリズムを構築することができる。
同画像記録装置は、このようなアルゴリズムに基づいて目盛検知センサによる読取結果を補正する。そして、この補正によって一方のベルト速度変動量だけを算出することで、目盛像の記録時と読取時とでそれぞれベルトに速度変動が生じていることに起因する速度変動量の検知誤差を抑えることができる。
特開平14−144622号公報 特開平11−24507号公報 特開平10−186787号公報
ところが、上述のアルゴリズムは、上述の位相の差が常に一定であることを前提としている。このため、目盛検知センサや記録手段の組付誤差によって記録位置と読取位置との相対位置に誤差が生じて、位相の差がばらついてしまうと、速度変動量の検知誤差が発生してしまう。また、メンテナンス操作によって上記相対位置が変化した場合にも、速度変動量の検知誤差が発生してしまう。
なお、これまで、無端移動体としてベルトを用いた例について説明してきたが、ドラム等の他の無端移動体を用いた場合にも、同様の問題が生じ得る。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、次に列記する(1)〜(3)の事項を何れも実現することができる画像記録装置を提供することである。
(1)無端移動体の周長変動に起因する表面速度変動の検知誤差を回避する。
(2)無端移動体の表面に目盛像等の目印を記録するときと、その目印を読み取るときとで、それぞれ無端移動体の表面移動速度に変動が生じていることに起因する表面速度変動の検知誤差を抑える。
(3)目印の記録位置と読取位置との相対位置に誤差や変化が生ずることに起因する表面速度変動の検知誤差を回避する。
上記目的を達成するために、請求項の発明は、表面を無端移動させるように駆動される無端移動体と、該無端移動体の表面移動方向に沿うように並べられた複数の記録手段によって該表面に対してそれぞれ画像を順次記録していく記録手段群と、該記録手段によって該表面に記録された目印画像を検知する画像検知手段と、上記記録手段群及び無端移動体の駆動を制御するための演算、並びに該画像検知手段による検知結果に基づく該無端移動体の表面速度変動の演算を行う演算手段とを有する画像記録装置において、何れか1つの上記記録手段による少なくとも2つの第1目印画像と、他の上記記録手段による少なくとも1つの第2目印画像とを上記表面移動方向に並べた目印パターンを、2つの該第1目印画像における一方の記録終了からもう一方の記録終了までの時間間隔が、2つの該第1目印画像の記録終了した時点から該第2目印画像の記録終了までの時間間隔、あるいは、該第2目印画像の記録終了から2つの該第1目印画像の記録終了した時点までの時間間隔よりも小さくなるように記録する制御を行うための演算と、2つの該第1目印画像、及び1つの該第2目印画像を所定の順序で上記画像検知手段によって検知していく過程における検知時間間隔の理論値と実測値とのずれ量に基づいて上記表面速度変動を算出するための演算とを実施させるように、上記演算手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の画像記録装置において、1つの上記第2目印画像を2つの上記第1目印画像の間に位置させた上記目印パターンを記録させる制御を行うための演算を実施させるように、上記演算手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の画像記録装置において、1つの上記第2目印画像を2つの上記第1目印画像よりも上記表面移動方向の上流又は下流に位置させた上記目印パターンを記録させる制御を行うための演算を実施させるように、上記演算手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至3の何れかの画像記録装置において、複数の上記記録手段のうち、互いに隣り合う2つの記録手段の一方によって上記第1目印画像を記録させ、もう一方の記録手段によって上記第2目印画像を記録させる制御を行うための演算を実施させるように、上記演算手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかの画像記録装置において、上記ずれ量として、一方の上記第1目印画像を検知してから他方の上記第1目印画像を検知するまでの時間間隔の理論値と実測値との比を算出し、その比と、何れか一方の上記第1目印画像を検知した時点と上記第2目印画像を検知した時点との時間間隔である異種目印検知時間間隔の実測値と、に基づいて、それら2つの第1目印画像、及び第2目印画像が実際に形成された状態の上記無端移動体を設計速度で等速に無端移動させながら上記画像検知手段にそれら目印画像を検知させたと仮定した場合における上記異種目印検知時間間隔の理論値を算出し、算出結果に基づいて上記表面速度変動を算出するための演算を実施させるように、上記演算手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項の画像記録装置において、上記無端移動体の表面移動方向における所定箇所に位置する基準マークと、該基準マークを検知するマーク検知手段とを設けるとともに、複数の上記目印パターンを上記表面移動方向に並べて記録させる制御を行うための演算を実施させるように、上記演算手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像記録装置において、演算結果を記憶する記憶手段を上記演算手段に設けるとともに、少なくとも2つの上記第1目印画像、及び上記第2目印画像の組合せを、上記無端移動体の表面の全周に渡って所定のピッチで複数並べて形成し、それら複数の組合せについて、それぞれ、上記無端移動体を設計速度で等速に無端移動させたと仮定した場合における上記異種目印検知時間間隔の理論値を算出し、算出結果に基づいてそれぞれの組合せにおける上記何れか一方の第1目印画像を形成した時点から、第2目印画像を形成した時点までの間における上記無端移動体の平均速度変動量を算出し、それぞれの算出結果に基づいて上記無端移動体の1周あたりにおける上記表面速度変動のパターンである1周変動パターンを求める演算と、該記憶手段に記憶された該1周変動パターンのデータに基づく上記無端移動体の駆動を制御するための演算とを実施させるように、上記演算手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の画像記録装置において、上記記録手段群の各記録手段として、無端移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、これに担持される潜像を現像する現像手段と、該潜像担持体上で現像された可視像を上記無端移動体に転写せしめる転写手段とを有するものをそれぞれ用いるとともに、複数の上記組合せにそれぞれ対応する複数の上記平均速度変動量の移動平均値を求める演算と、これら移動平均値に基づく上記1周変動パターンの演算とを行わせるように、上記演算手段を構成したことを特徴とするものである。
これらの発明においては、上記特許文献3の画像記録装置と同様に、無端移動体の表面に固定した目盛からなるスケールを用いるのではなく、目印画像の記録によって適宜作成したスケールを用いることで、目盛ピッチを無端移動体の周長変動に伴って変動させてしまうといった事態を回避する。
また、複数の記録手段のうちの1つにより、2つの第1目印画像を、同一の記録位置にて数百[μsec]などといった比較的短時間で記録する。このような短時間の記録では、その間に無端移動体の表面速度が変化しないか、変化したとしてもごく僅かなものとなる。一方、他の記録手段によって第2目印画像を記録するときと、それよりも先又は後に第1目印画像を記録するときとでは、比較的大きなタイムラグが発生することから、無端移動体の表面速度が異なる。目印パターン内における少なくとも3つの目印画像(第1目印画像×2+第2目印画像)の相対距離は、このような表面速度の違いがあると、設計上の値からずれてくる。そして、画像検知手段による3つの目印画像の検知時間間隔も、設計上の値からずれてくる。すると、検知時間間隔の実測値における設計上の値からのズレ量に基づいて、第1目印画像の記録終了から第2目印画像の記録終了までの表面速度変動量を検出することができる。但し、ズレ量から表面速度変動量を単純に求めてしまうと、目印画像の読取時に記録時とは異なった表面速度変動が生じていることに起因する検知誤差が生じてしまう。本発明者らは鋭意研究を行った結果、次の数1の演算式が成立し得ることを見出した。
Figure 0004451105
この演算式において、Tboは、図11に示す2つの第1目印画像81a,bと第2目印画像82とからなる目印パターン80を速度変動が生じている無端移動体に記録した後、何らかの方法によって無端移動体を設計速度で等速移動させながらその目印パターン80を画像検知手段に読み取らせたと想定した場合における第2目印画像82と、後続の第1目印画像81bとの検知時間間隔を示している。また、Tarは、無端移動体が未知の速度で表面移動している条件下で3つの目印画像が読み取られた際における、一方の第1目印画像81aと、もう一方の第1目印画像81bとの検知時間間隔の実測値を示している。また、Tbrは、同様の条件下における第2目印画像82と、後続の第1目印画像81bとの検知時間間隔の実測値を示している。また、Tは、3つの目印画像の記録時及び読取時に、それぞれ無端移動体が設計速度で表面移動した場合における一方の第1目印画像82aと、もう一方の第1目印画像82bとの検知時間間隔の設計値である。よって、この演算式は、何らかの方法によって無端移動体を設計速度Vで厳密に等速移動させながら3つの目印画像を読み取らせたと想定した場合の検知時間間隔Tb0を、3つの目印画像の読取実測値や読取設計値に基づいて求め得ることを示している。かかる演算式によれば、検知時間間隔Tb0を、読取時の表面速度変動量に関係なく求めることができる。そして、求めた検知時間間隔Tb0に基づいて、記録時などにおける真の表面速度変動量を算出することができる。よって、無端移動体の表面に目盛像等の目印を記録するときと、その目印を読み取るときとで、それぞれ無端移動体の表面移動速度に変動が生じていることに起因する表面速度変動の検知誤差を抑えることができる。しかも、上述したように、この演算式は、表面速度変化に起因して目印画像の検知時間間隔の実測値が設計上の値からずれることを利用するものであって、上記特許文献3の画像記録装置のように速度変動パターンの位相の差を利用するものではない。よって、目印画像の記録位置と読取位置との相対位置に誤差や変化が生じたとしても、表面速度変動の検知結果に何ら影響を及ぼさないため、かかる誤差や変化が生ずることに起因する表面速度変動の検知誤差を回避することができる。
以上の結果、上述のような目印パターンの読取結果と、例えば上記数1の演算式とに基づいて表面速度変動量を検知する本発明においては、上述した(1)〜(3)の事項を何れも実現することができる。
なお、上記数1の演算式が成立する理由については、後に詳述する。
以下、本発明を適用した画像記録装置の一実施形態として、電子写真方式のカラーレーザープリンタ(以下「プリンタ」という)について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。このプリンタ100は、イエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),黒(K)の各色の画像を形成するための4つのプロセスカートリッジ1Y,M,C,Kを備えている。なお、以下、各符号の添字Y,M,C,Kは、それぞれイエロー、マゼンダ、シアン、黒用の部材であることを示す。
本プリンタ100は、上記4つのプロセスカートリッジ1Y,M,C,Kの他、転写ユニット40、光書込ユニット51、給紙カセット52、給紙路53、レジストローラ対54、中間搬送路55、定着装置56等も備えている。更には、4つのトナーボトルBY,BM,Bc,Bk、反転排紙路57、排紙ローラ対58、図示しない制御部等も備えている。
上記光書込ユニット50は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて、後述の感光体2Y,M,C,Kの表面に対してレーザー光を走査する。
図2は、上記4つのプロセスカートリッジ1Y,M,C,Kのうち、イエロー用のプロセスカートリッジ1Yを、上記転写ユニット40の一部とともに示す拡大構成図である。なお、他のプロセスカートリッジ(1M,C,K)についてもそれぞれY用のプロセスカートリッジ1Yと同じ構成となっているので、これらの説明については省略する。同図において、プロセスカートリッジ1Yは、潜像担持体たるドラム状の感光体2Y、帯電装置3Y、現像装置4Y、図示しない除電装置、ドラムクリーニング装置5Y等を有している。
上記感光体1Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転駆動される。上記帯電装置3Yは、このように回転駆動される感光体1Yの表面を一様帯電せしめる。具体的には、図示しない電源によって交流の帯電バイアスが印加される帯電ローラ6Yを、感光体1Yの表面に当接させながら回転させることで、感光体1の表面を一様帯電せしめる。このように一様帯電せしめられた感光体11Yの表面は、上述の光書込ユニット(図1の51)によって変調及び偏向されたレーザー光Lが走査されることで、そのレーザー光Lの照射部にY用の静電潜像を担持する。即ち、光書込ユニットは、潜像担持体たる感光体1Yに潜像を形成する潜像形成手段として機能している。なお、感光体1Yを一様帯電せしめる一様帯電手段として、帯電ローラ6Yを用いるものを用いた例について説明したが、コロナチャージなどといった他の方式で一様帯電せしめるものを用いてもよい。
現像手段たる上記現像装置4Yは、現像ケース7Yの開口から一部露出させるように配設された非磁性パイプからなる現像スリーブ8Y、これに連れ回らないように内包されるマグネットローラ9Yなどを有している。また、ドクターブレード10Y、第1搬送スクリュウ11Y、第2搬送スクリュウ12Y、トナー濃度センサ(以下、Tセンサという)13Y等も有している。
上記現像ケース7Yには、磁性粒子たる磁性キャリアと、非磁性のYトナーとを含む二成分現像剤を収容する現像剤収容部14Yが形成されている。この二成分現像剤は第1搬送スクリュウ11Yや第2搬送スクリュウ12Yによって撹拌搬送される。そして、現像スリーブ8Yの近傍において、マグネットローラ9Yの発する磁力によって現像剤担持体たる現像スリーブ8Yの表面に汲み上げられて磁気ブラシとなる。
この磁気ブラシは、現像スリーブ8Yの表面に対して所定の間隙を介して対向するように配設されたドクターブレード10Yによってその層厚が規制されてから、感光体2Yと対向する現像領域に搬送される。現像領域では、現像スリーブ8Y表面と、感光体2Y表面とが最も接近する位置において、両表面に所定の現像ギャップが確保されるようになっている。現像ギャップやその近傍においては、現像スリーブ8Y上の磁気ブラシ先端が、感光体2Y表面に摺擦しながら移動して、Yトナーを静電潜像に付着させる。この付着により、感光体2Yに担持されていたY用の静電潜像がYトナー像に現像される。
現像によってYトナーを消費した上述の磁気ブラシは、現像スリーブ8Yの回転に伴って現像ケース7Y内に戻される。一方、現像されたYトナー像は、後述の中間転写ベルト41の表面に1次転写される。
透磁率センサからなる上記Tセンサ13Yは、現像ケース7Yの底板に固定されており、第1搬送スクリュウ11Yによって搬送される二成分現像剤の透磁率に応じた値の電圧を出力する。二成分現像剤の透磁率は、二成分現像剤のトナー濃度と良好な相関を示すため、Tセンサ13YはYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。この出力電圧の値は、図示しない制御部に送られる。
上記制御部は、RMA等の記憶手段を備えており、その中にTセンサ13Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefや、他色用のTセンサについて目標値であるM,C,K用Vtrefのデータを格納している。現像装置4Yについては、Tセンサ13Yからの出力電圧の値とY用Vtrefを比較し、Yトナーボトル(図1のBY)に連結している図示しないトナー搬送手段を比較結果に応じた時間だけ駆動させる。そして、この駆動により、Yトナーボトル内のYトナーを現像装置4Yの現像剤収容部14Yに補給して、現像に伴ってYトナー濃度を低下させた二成分現像剤のYトナー濃度を復活させる。他のプロセスカートリッジ(1M,C,K)の現像装置についても、同様のトナー補給制御が実施される。
感光体2Yは、後述の転写ユニット40の中間転写ベルト41に当接しながら回転してY用の1次転写ニップを形成している。感光体2Y上で現像されたYトナー像は、感光体2Yの回転に伴ってこのY用の1次転写ニップを通過する際に、中間転写ベルト41の表面に1次転写される。
Y用の1次転写ニップを通過した後の感光体2Yの表面は、図示しない除電装置によって残留電荷が除電された後、クリーニング装置5Yとの対向位置を通過する。クリーニング装置5Yは、ブラシローラ15Yによって感光体2Yの表面に潤滑剤を塗布した後、クリーニングブレード16Yによって感光体2Yの表面から転写残トナーを掻き取る。そして、掻き取った転写残トナーを回収スクリュウ17Yによって図示しない廃トナーボトルに向けて搬送する。このようにして転写残トナーがクリーニングされた感光体2Y表面は、帯電装置3Yによって一様帯電せしめられて次の画像形成に備えられる。
先に示した図1において、上記転写ユニット40は、中間転写ベルト41、駆動ローラ42、クリーニングバックアップローラ43、テンションローラ44、4つの1次転写ローラ45Y,M,C,K等を有している。また、2次転写ローラ46やベルトクリーニング装置47も有している。
上記中間転写ベルト41は、その裏面(ループ内面)に当接する駆動ローラ42と、クリーニングバックアップローラ43と、テンションローラ44と、4つの1次転写ローラ45Y,M,C,Kとによって張架されている。そして、図中反時計回りに回転駆動せしめられる駆動ローラ42によって図中反時計回りに無端移動せしめられながら、おもて面を感光体2Y,M,C,Kのそれぞれに接触させてY,M,C,K用の1次転写ニップを形成している。
転写位置たるY,M,C,K用の1次転写ニップの図中上方には、中間転写ベルト41の裏面に当接しながら図中反時計回りに回転する1次転写ローラ45Y,M,C,Kが配設されている。これら1次転写ローラ45Y,M,C,Kには、図示しない転写バイアス電源によって定電流制御される1次転写バイアスが印加される。これにより、中間転写ベルト41の裏面に転写電荷が付与され、各1次転写ニップにおいて中間転写ベルト41と感光体表面との間に1次転写電界が形成される。なお、本プリンタ100においては、1次転写手段として1次転写ローラ45Y,M,C,Kを設けているが、ローラに代えて、ブラシやブレード等のものを設けてもよい。
Y用のプロセスカートリッジ1Yの感光体2Y上で現像されたYトナー像は、感光体2Yの回転に伴ってY用の1次転写ニップを通過する際に、上記1次転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト41表面に1次転写される。このようにして中間転写ベルト41上に1次転写されたYトナー像の上には、M,C,K用の1次転写ニップにて感光体2M,C,K上のM,C,Kトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト41上には、4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
駆動ローラ42に対する中間転写ベルト41の掛け回し箇所には、2次転写ローラ46がおもて面に当接して2次転写ニップを形成している。図示しない電源によって2次転写バイアスが印加される2次転写ローラ46と、アース接続された駆動ローラ42との間に形成されるこの2次転写ニップには、2次転写電界が形成されている。中間転写ベルト41上に形成された4色トナー像は、ベルトの無端移動に伴って2次転写ニップに進入する。
光書込ユニット51の図中下方には、給紙カセット52が配設されている。この給紙カセット52は、内部に転写紙束を収容しており、その一番上の転写紙Pに給紙ローラ52aを押し当てている。そして、所定のタイミングで給紙ローラ52aを回転させて、転写紙Pを給紙路53に送り出す。
給紙路53の末端付近には、記録体搬送手段たるレジストローラ対54が配設されている。レジストローラ対54は、図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動される第1レジストローラ54aと、これに当接しながら従動回転する第2レジストローラ54bとを有している。そして、両ローラを回転させながら、給紙カセット52から送られてくる転写紙P先端を両ローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を一時停止させる。このようにして挟み込んだ転写紙Pについては、中間転写ベルト41上の4色トナー像に同期させるタイミングで、2次転写ニップに向けて送り出す。これにより、2次転写ニップで中間転写ベルト41上の4色トナー像に、転写紙Pが重ね合わされる。そして、4色トナー像が上記2次転写電界やニップ圧の影響によって転写紙P上に一括2次転写され、転写紙Pの白色と相まってフルカラートナー像となる。
フルカラートナー像が形成された転写紙Pは、中間転写ベルト41の無端移動に伴って中間搬送路55内を図中下側から上側へと搬送された後、定着装置56に受け渡される。定着装置56は、図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動される定着ローラ56aと、これに当接しながら図中時計回りに回転する加圧ローラ56bとにより、定着ニップを形成している。定着ローラ56aは、ハロゲンランプ等の熱源を内包しており、これに対する電源のON/OFFが図示しない制御部によって制御されることで、表面温度が140〜160[℃]に保たれる。中間搬送路55から定着装置56に進入した転写紙Pは、その像転写面を定着ローラ56aに接触させながら、定着ニップを通過する。そして、加熱やニップ圧の影響により、フルカラートナー像が定着せしめられる。
定着装置56内でフルカラートナー像の定着処理が施された転写紙Pは、2つの反転ガイド板の間に形成される反転排紙路57に進入して上下が反転せしめられた後、排紙ローラ対58を経て機外へと排出される。そして、プリンタ筺体の上面に形成されたスタック部59上にスタックされる。
図3は、転写ユニット40の要部とその周囲構成とを示す要部構成図である。転写ユニット40の中間転写ベルト41を駆動する駆動ローラ42の回転軸の一端近傍にはセカンダリ48が固定されている。一方、駆動ローラ42の図中右下方には、回転軸にプーリー25が固定されたベルト駆動モータ24が配設されている。セカンダリ48、プーリー25は、円盤状に形成され、その円周面には図示しないV溝が形成されている。そして、それぞれ、このV溝にVベルト26の一部を掛け回しながら、Vベルト26を所定のテンションで張架している。ベルト駆動モータ24が回転すると、その回転力が、プーリー25、Vベルト26、セカンダリ48、駆動ローラ42に順次伝わって、中間転写ベルト41が図中反時計回りに無端移動せしめられる。
4つの感光体2Y,M,C,Kは図示しない回転軸を中心に回転するようになっており、この回転軸の一端近傍には駆動ギヤ18Y,M,C,Kが固定されている。これら駆動ギヤ18Y,M,C,Kの図中奥側には、図示しない駆動軸に原動ギヤ21が固定されたドラム駆動モータ20が配設している。そして、原動ギヤ21を、感光体2Mの駆動ギヤ18Mと、感光体2Cの駆動ギヤ18Cとに噛み合わせている。
感光体2Yの駆動ギヤ18Yと、感光体2Mの駆動ギヤ18Mとの間には、第1中継ギヤ22が介在しており、両方の駆動ギヤ18Y,Mに噛み合っている。また、感光体2Cの駆動ギヤ18Cと、感光体2Kの駆動ギヤ18Kとの間には、第2中継ギヤ23が介在しており、両方の駆動ギヤ18C,Kに噛み合っている。
ドラム駆動モータ21が回転すると、その回転力が原動ギヤ21から、駆動ギヤ18Mや駆動ギヤ18Cに伝わって、感光体2Mや感光体2Cをそれぞれ図中時計回りに回転させる。また、原動ギヤ21は、回転力を駆動ギヤ18Mと第1中継ギヤ22とを介して駆動ギヤ18Yに伝えて、感光体2Yを図中時計回りに回転させる。また、原動ギヤ21は、回転力を駆動ギヤ18Cと第2中継ギヤ23とを介して駆動ギヤ18Kに伝えて、感光体2Kを図中時計回りに回転させる。
かかる構成の転写ユニット40では、ベルト周方向の厚み偏差や、プーリー25、セカンダリ48、駆動ローラ42等の偏心などにより、ベルト1周あたりにいて、中間転写ベルト41の移動速度に周期的な速度変動が発生する。
次に、本プリンタ100の特徴的な構成について説明する。図4は、中間転写ベルト41をマークセンサ70や目印センサ71とともに示す斜視図である。中間転写ベルト41の上方には、マークセンサ70と目印センサ70とが、ベルト表面に対して所定の間隙を介して対向するように配設されている。
本プリンタは、ユーザーからのプリント命令を受け付けていないときに、所定のタイミングで、中間転写ベルト41に対して目印パターン80を記録する。同図において、この目印パターン80は、ベルト幅方向の一端付近に対して、ベルト周方向に所定のピッチで並ぶように記録される。そして、ベルト周方向に所定の間隙を介して並ぶ2つの第1目印画像81a,bと、これら第1目印画像81a,bの間に記録される第2目印画像82とを有している。
2つの第1目印画像81a,bは、上述のY用のプロセスカートリッジ(1Y)によって中間転写ベルト41上に形成されたものである。また、第2目印画像82は、Y用のプロセスカートリッジ(1Y)と隣り合うように配設されたM用のプロセスカートリッジ(1M)によって中間転写ベルト41上に形成されたものである。目印パターン80内における一方の第1目印画像81a、第2目印画像82、もう一方の目印画像81bは、中間転写ベルト41の無端移動に伴って画像検知手段たる目印センサ71に順次検知される。この目印センサ71としては、図示しない発光素子から発した光を中間転写ベルト41の表面に照射し、その表面から反射してくる反射光を図示しない受光素子によって検知する反射型フォトセンサ等を用いることができる。
中間転写ベルト41における幅方向の一端部で、且つ、ベルト周方向の所定箇所には、基準マーク83が固定されている。この基準マーク83は、光反射率に優れたアルミやステンレスなど、中間転写ベルト41の無垢の表面とは光反射率の大きく異なる材料が中間転写ベルト41の表面に被覆されたものである。この基準マーク83は、中間転写ベルト41が1周分無端移動する毎に、マークセンサ70によって検知される。マークセンサ70としては、反射型フォトセンサ等を用いることができる。
図5は、上記目印パターン80を示す模式図である。一方の第1目印画像81a、第2目印画像82、もう一方の第1目印画像81bという3つの目印画像からなる目印パターン80において、3つの目印画像は、それぞれ矩形状の同一形状になっている。そして、それぞれ、長手方向を中間転写ベルトの幅方向(表面移動方向に直交する方向)に沿わせるように、互いに平行な状態を維持するよう記録される。
3つの目印画像のうち、2つの第1目印画像81aは、上述のY用の1次転写ニップでそれぞれ1次転写される。中間転写ベルト(41)に対して、同一の記録位置で記録されるのである。同一の記録位置で記録される2つの第1目印画像81a,bは、数百[μsec]などといった比較的短時間で記録される。このような短時間の記録では、その間に中間転写ベルト(41)の表面速度が変化しないか、変化したとしてもごく僅かなものとなる。
一方、第2目印画像82は、M用のプロセスカートリッジ(1M)により、Y用の1次転写ニップから比較的離れた上述のM用の1次転写ニップで中間転写ベルト(41)上に転写される。この転写によって第2目印画像82が中間転写ベルト(41)に記録されるときと、それよりも先に2つの第1目印画像81a,bが中間転写ベルト(41)に記録されるときとでは、比較的大きなタイムラグが発生する。これは次に説明する理由による。即ち、本プリンタは、一方の第1目印画像81aの記録終了からもう一方の第1目印画像81bの記録終了までの時間間隔が、両第1目印画像の記録終了から第2目印画像82の記録終了までの時間間隔よりも遙かに小さくなる。具体的には、2つの第1目印画像81a,bがY用の1次転写ニップで中間転写ベルト(41)に記録される際、両第1目印画像間に相当するベルト領域がY用の1次転写ニップを通過する時間は、数百[μsec]などといった短時間である。これに対し、そのベルト領域の中間箇所、即ち、第2目印画像(82)の記録対象箇所が、Y用の1次転写ニップに進入してから、M用の1次転写ニップに進入するまでには、例えば数秒といった比較的大きな時間を要する。このことにより、上述のような比較的大きなタイムラグが発生するのである。そして、2つの第1目印画像81a,bの記録時と、第2目印画像82の記録時とで、中間転写ベルト(41)の表面移動速度が異なっている可能性が高くなる。
ここで、一方の第1目印画像81a、第2目印画像82、もう一方の第1目印画像81bを、図6に示すように、それぞれ等しいピッチで並ばせるように記録したとする。2つの第1目印画像81a,bを距離A[mm]の間隔をあけて記録する一方で、第2目印画像を、両第1目印画像からそれぞれ距離B[mm]という間隔をあけて両第1目印画像間に記録するのである。そうすると、一方の第1目印画像81aと第2目印画像82との間隔、第2目印画像82ともう一方の第1目印画像81bとの間隔は、それぞれ距離B[mm]となる。なお、図中の矢印は中間転写ベルト(41)の表面移動方向を示しており、一方の第1目印画像81aは、もう一方の第1目印画像81bよりもベルト移動方向下流側に位置している。
ところが、両第1目印画像の記録時と、第2目印画像82の記録時とで、上述のような中間転写ベルト(41)の表面速度の違いがあると、3つの目印画像が等しいピッチで並ばなくなる。また、両第1目印画像の記録時において、中間転写ベルト(41)の表面速度が設計速度からずれていると、両第1目印画像間の距離が距離Aよりも長くなるか、あるいは短くなる。そうすると、3つの目印画像は、例えば図7に示すように記録される。同図では、一方の第1目印画像81aと、もう一方の第1目印画像81bとが距離A+△A[mm]という間隔をあけて記録されている。また、第2目印画像82が、もう一方の第1目印画像81bから距離B+△B[mm]という間隔をあけて記録されている。
ここで、中間転写ベルト(41)が設計速度Vと同じ速度で等速に無端移動すると仮定する。そして、このとき、図6に示した距離A[mm]をあけて並んでいる一方の第1目印画像81aともう一方の第1目印画像81bとが、時間Ta0という間隔で上記目印センサ(71)に検知されるとする。また、図6に示した距離B[mm]で並んでいる第2目印画像82ともう一方の第1目印画像81bとが、時間Tb0という間隔で上記目印センサ(71)に検知されるとする。
一方、図7に示した距離A+△Aをあけて並んでいる2つの第1目印画像81a,bがY用の1次転写ニップで記録されたときの中間転写ベルト(41)の表面速度はVであり、設計速度Vから△Vだけずれていると仮定する。また、2つの第1目印画像81a,bのうち、後に記録される方である第1目印画像81bがY用の1次転写ニップで記録されたときの時刻がTであったと仮定する。また、図7に示した第2目印画像82がM用の1次転写ニップで記録された時刻がTn+1であったと仮定する。更に、このときの中間転写ベルト(41)の表面移動速度がVn+1であり、設計速度Vから△Vn+1だけずれていると仮定する。
すると、V、Vn+1を、それぞれ次の数2、数3の関係式で表すことができる。
Figure 0004451105
Figure 0004451105
表面移動速度Vで無端移動する中間転写ベルト(41)に対して、図7に示した2つの第1目印画像81a,bがそれぞれ時間Tという間隔をおいて記録されたと仮定すると、距離△Aは次の数4の関係式で表される。
Figure 0004451105
ここで、1つ目の第1目印画像81aの記録開始から第2目印画像82の記録終了までの期間に、中間転写ベルト(41)の速度が変化しなかったと仮定する。すると、3つの目印画像の間隔が等しくなって、距離△Bは、△Aの半分の値になる。しかし、実際には、上記期間に中間転写ベルト41の速度が変化するので、図7に示すように3つの目印画像の間隔がばらつく。そして、距離△Bは、△Aの半分の値に対して、上記期間内における速度差分によるベルト移動量の半分を加算した値になる。よって、距離△Bは、次の数5の関係式で表される。なお、2つの第1目印画像81a,bのうち、後に記録される方の第1目印画像81bが中間転写ベルト(41)に記録された時点から、時間Tが経過した時点で、第2目印画像82が中間転写ベルト(41)に記録されるものとする。
Figure 0004451105
中間転写ベルト(41)上に記録された目印パターン80内における3つの目印画像は、互いに比較的近距離に並んでいる。このため、上記目印センサ(71)により、これら3つの目印画像のうちの始めの第1目印画像81aが検知されてから、最後の第1目印画像81bが検知されるまでの間は、中間転写ベルト(41)の速度変動が殆ど発生しない。あるいは、発生したとしても、その変動量はごく僅かとなる。このときの中間転写ベルト(41)の表面移動速度がVであったと仮定する。また、目印センサ(71)が初めの第1目印画像81aを検知してから、最後の第1目印画像81bを検知するまでの時間がTarであったと仮定する。また、目印センサ(71)が第2目印画像82を検知してから、最後の第1目印画像81bを検知するまでの時間がTbrであったと仮定する。すると、時間Tar、時間Tbrについては、それぞれ次の数6、数7の関係式によって表される。
Figure 0004451105
Figure 0004451105
これらの関係式において、「(A+△A)」は、「V−V」というベルト速度変動が生じているときに記録された2つの第1目印画像81a、81bの距離である。また、「(B+△B)」は、「Vn+1−V」というベルト速度変動が生じているときに記録された第2目印画像82と、先に記録された第1目印画像81bとの距離である。また、Vrは、3つの目印画像が読み取られるときのベルト速度であって、「V−V」というベルト速度変動を含んでいる。このように、目印センサ(71)による読取結果は、目印画像の記録時におけるベルト速度変動と、読取時におけるベルト速度変動との影響を受けているため、これら関係式に基づいて表面移動速度Vや表面移動速度Vn+1を正確に求めることはできない。
そこで、目印パターン80の読取時に、中間転写ベルト(41)が設計速度Vで無端移動していると仮定する。そして、このときに、目印センサ(71)が初めの第1目印画像81aを検知してから、最後の第1目印画像81bを検知するまでの時間がTa0であったと仮定する。また、目印センサ(71)が第2目印画像82を検知してから、最後の第1目印画像81bを検知するまでの時間がTb0であったと仮定する。すると、時間Ta0は、次の数8や数9の関係式によって表される。
Figure 0004451105
Figure 0004451105
また、時間Tb0は、次の数10の関係式によって表される。
Figure 0004451105
この関係式を変形すると、次の数11の関係式が得られる。
Figure 0004451105
この関係式を上記数6の関係式に代入すると、次の数12の関係式が得られる。
Figure 0004451105
上記数6の関係式と、上記数8の関係式との連立方程式によって「(A+△A)」を除くと、次の数13の関係式を得ることができる。
Figure 0004451105
この関係式を上記数12の関係式に代入すると、次の数14の関係式が得られる。
Figure 0004451105
この関係式に上記数9の関係式を代入すると、次の数15が得られる。
Figure 0004451105
この関係式の括弧内で示される「1+ΔV/V」という数式において、「1」に対して、「ΔV/V」は十分に小さい。よって、この関係式は、次の数16の関係式に置き換えることができる。
Figure 0004451105
この関係式において、時間Tbrは、上記目印センサ(71)が目印パターン80内における第2目印画像82を検知してから、最後の第1目印画像81bを検知するまでの実測値である。また、Tは、Y用の1次転写ニップにて、一方の第1目印画像81aが記録されてから、もう一方の第2目印画像81bが記録されるまでの設計値である。また、時間Tarは、上記目印センサ(71)が目印パターン80内における初めの第1目印画像81aを検知してから、最後の第1目印画像81bを検知するまでの実測値である。よって、この関係式を用いれば、何らかの方法によって中間転写ベルト(41)を設計速度Vで厳密に等速移動させながら3つの目印画像を読み取らせたと想定した場合の時間間隔Tb0を、次のように求めることができる。即ち、3つの目印画像の読取実測値や読取設計値に基づいて、読取時の中間転写ベルト(41)の速度変動量に関係なく求めることができる。
図8は、中間転写ベルト(41)の無端移動時間と、表面移動速度との関係の一例を示すグラフである。同図では、上記マークセンサ(70)によって上記基準マーク(83)が検知された瞬間を時点ゼロとし、それからの表面移動速度を時間経過とともに示している。時点ゼロから、次に上記基準マーク(83)が上記マークセンサ(70)に検知されるまでが、中間転写ベルト(41)の1周の無端移動に要した時間である。また、同図では、中間転写ベルト(41)に対して、その周方向に所定のピッチで形成される複数の上記目印パターン80のうち、ある特定の1つの着目して、その第1目印画像(81a,b)が記録された時点をTとして示している。具体的には、ベルト周方向にて上記基準マーク(70)と同位置に形成される目印パターン80に着目して、それが記録された時点をTとしている。また、その特定の目印パターン80における第2目印画像(82)が記録された時点をTn+1として示している。何れの時点も、時点ゼロから、即ち、上記基準マーク(70)が検知された瞬間から、所定時間が経過したときに到来する。
上記時点Tでは、中間転写ベルト(41)が設計速度Vよりも速度変動量△Vの分だけ速い表面移動速度で移動しており、このときに、第1目印画像(81a,b)の記録が終了する。そして、上記時点Tn+1に至ると、中間転写ベルト(41)が設計速度Vよりも速度変動量△Vn+1の分だけ速い表面移動速度で移動しており、このときに、第2目印画像(82)の記録が終了する。何れの時点においても、中間転写ベルト(41)は設計速度Vよりも速い速度で表面移動しているが、設計速度Vからの速度変動量は前者の時点Tのときの方が大きい。即ち、中間転写ベルト(41)の表面移動速度は、時点Tから時点Tn+1にかけて、徐々に減速しているものの、後者の時点Tn+1でもなお、設計速度Vよりも速くなっているのである。
後者の時点Tn+1から更に所定時間が経過して時点Tに至ると、上述の特定の目印パターン(80)が、上記目印センサ(71)による検知位置に到達する。そして、その目印パターン(80)内の3つの目印画像が上記目印センサ(71)によって順次検知される。このとき、中間転写ベルト(41)の表面移動速度は、設計速度Vよりも遅いVとなっている。
上述の時点Tと時点Tn+1との中間時点である「時点T+1/2(Tn+1−T)」における中間転写ベルト(41)の平均速度変動量は、次のようになる。即ち、後者の時点Tn+1での速度変動量Vn+1から、前者の時点Tでの速度変動量Vを減じた値の1/2になる。この平均速度変動量をΔVで示すと、上記△Bを次の数17の関係式で表すことができる。
Figure 0004451105
この関係式を変形すると、次の数18に示すようになる。
Figure 0004451105
また、△Bについては、次の関係式で表すことができる。
Figure 0004451105
この関係式を上記数18の関係式に代入すると、次の数20の関係式を得ることができる。
Figure 0004451105
この関係式の右辺において、時間Tb0については、上記数16の関係式により、目印パターン80の読取時における中間転写ベルト(41)の表面移動速度Vにかかわらず求めることができる。また、設計速度V、時間Tはそれぞれ設計値であるので、定数となる。また、時刻Tn+1、時刻Tは、それぞれ、目印パターン80の読取時における中間転写ベルト(41)の表面移動速度Vにかかわらず得られる実測値である。よって、この関係式によれば、平均速度変動量△Vを、目印パターン80の読取時における中間転写ベルト(41)の表面移動速度Vにかかわらず求めることができる。また、この関係式によれば、ベルト1周あたりの速度変動パターンの周期的な波形が経時的に変化しても、平均速度変動量△Vを求めることができる。
この平均速度変動量△Vは、複数の目印パターン(80)のうち、ベルト周方向における上記基準マーク(83)と同一の位置に記録される特定の1つが記録される際の速度変動量である。より詳しくは、かかる目印パターン(80)の2つの第1目印画像(81a,b)のうち、後に記録される方の第1目印画像(81b)が記録されてから、第2目印画像(82)が記録されるまでの中間時点における速度変動量である。同様にして、複数の目印パターン(80)のうちの他のものについても、それぞれ平均速度変動量△Vを求めることができる。
なお、時間Tb0を求める関数式(数16)を利用する例について説明したが、時間Ta0を求める関数式を利用してもよい。
図9は、1周あたりにサイン波状の速度変動パターンが発生するベルトについて、パーソナルコンピュータを用いて次のようなシミュレーションを行った場合の結果を示している。即ち、複数の上記目印パターン(80)を形成し、上記数16の関係式及び上記数20の関係式に基づいてそれぞれについての平均速度変動量△Vmを求めるシミュレーションである。同図から、上記数16の関係式及び上記数20の関係式に基づいて算出される各平均速度変動量△Vが、実際の速度変動パターンのサイン波上にきちんとプロットされることがわかる。即ち、各平均速度変動量△Vは、実際のベルト速度変動量に極めて近い値として算出されるのである。
図10は、本プリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、制御部60は、プリンタ内における各機器の駆動制御を行うもので、演算手段として機能している。そして、演算を司るCPU61、記録手段たるRAM62及びROM63を有している。かかる構成の制御部60には、上述の光書込ユニット51、トナー補給装置30、ドラム駆動モータ20、ベルト駆動モータ24、定着装置56、プロセスカートリッジ1Y,M,C,Kなどが接続されている。また、センサ制御回路72、給紙モータ31、レジストモータ32、バイアス電源回路33なども接続されている。なお、給紙モータ31は、上記給紙カセットの給紙ローラ(図1の52a)を回転駆動させるためのモータである。また、レジストモータ32は、第1レジストローラ(図1の54a)を回転駆動させるためのモータである。また、バイアス電源回路33は、上述の1次転写バイアス、2次転写バイアス、現像バイアスなどを生起せしめるための電源回路である。
上記センサ制御回路72は、マークセンサ70や目印センサ71に接続されている。そして、制御部60からの制御信号に基づいて、これらセンサの駆動を制御したり、これらセンサからの検知信号を制御部60に送信したりする役割を担っている。
制御部60は、先に数16に示した関係式と、数20に示した関係式とを、補正用アルゴリズムとして記憶手段たるROM63に予め(工場出荷時に)記憶している。また、設計値である上記設計速度V、時間T及び時間Tのデータも予めROM63に記憶している。また、中間転写ベルト(41)に対してその1周あたりに記録する複数の上記目印パターン(80)についての上記時刻Tや時刻Tn+1もそれぞれROM63に記憶している。そして、図示しない主電源がONされた直後など、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくるプリント命令信号に関連するプリント動作を行っていないときに、次のような変動パターン検知制御を行うように構成されている。即ち、中間転写ベルト(41)に対して、その周方向に所定ピッチで並ぶ複数の上記目印パターン(80)を記録する。この記録と並行して、それぞれの目印パターン(80)について、上述の時間Tbrと時間Tarとを測定する。そして、測定結果と、予めROM63に記憶している上記数16の関係式、上記数20の関係式、上記設計速度V、時間T、時間T、時刻T及び時刻Tn+1とに基づいて、平均速度変動量△Vを算出する。更に、それぞれの算出結果を上記時点ゼロからの経過時間に関連付けた1周変動パターンとしてROM63に記憶しておくのである。
また、制御部60は、上記プリント命令信号に基づくプリント動作の際に、ROM63に記憶しておいた上記1周変動パターンに基づいて次のような制御を行うように構成されている。即ち、中間転写ベルト(41)に速度変動が生じないように、上記1周変動パターンの波形とは逆位相の速度変動を発生させるように上記ベルト駆動モータ(24)の駆動を制御するのである。かかる制御を行う本プリンタは、ベルトの厚み偏差等の理由によって生ずる速度変動を、ベルト駆動モータ(24)の駆動制御によって生ずる速度変動に打ち消して、ベルト速度変動を有効に抑えることができる。
なお、中間転写ベルト(41)に対し、2つの第1目印画像(81a,b)を記録してから第2目印画像(82)を記録する例について説明したが、記録順序のこの逆にしてもよい。
また、複数の記録手段たるプロセスカートリッジのうち、互いに隣り合うプロセスカートリッジ1Y、1Mによってそれぞれ第1目印画像(81a,b)、第2目印画像(82)を記録する例について説明したが、次のようにしてもよい。即ち、例えばプロセスカートリッジ1Yと、プロセスカートリッジ1Cとの組合せなど、互いに隣り合わないプロセスカートリッジによって、第1目印画像(81a,b)と第2目印画像(82)とを別々に記録してもよい。但し、互いに隣り合うプロセスカートリッジによる記録の方が、次に説明する点で有利である。即ち、各プロセスカートリッジ1Y,M,C,Kは、所定の間隔をおいて配設されている。これらのうち、互いに隣り合うプロセスカートリッジの間隔が例えばL1であると仮定する。そうすると、互いに隣り合うプロセスカートリッジによる目印パターン(80)の記録の場合には、中間転写ベルト(41)が距離L1の約1/2を移動する間の平均速度変動量△Vを検出することができる。一方、互いに隣り合わないプロセスカートリッジによる目印パターン(80)の記録の場合には、中間転写ベルト(41)がほぼ距離L1あるいは距離L1×1.5を移動する間の平均速度変動量△Vを検出することになる。ベルトが中間転写ベルト(41)の1周あたりにおける速度変動については、その周方向に対してある程度の細かいピッチで検出することが望ましい。1周あたりの速度変動をより細かく検出することができるからである。よって、より細かい検出が可能になる前者の記録の方が有利である。
図11は、本プリンタ100の第1変形例装置によって記録される上記目印パターン80を示す模式図である。この目印パターン80は、2つの第1目印画像のうち、先に形成される方の第1目印画像81aよりもベルト移動方向の下流側に第2目印画像82を位置させている。かかる目印パターン80の場合、上述した距離A[mm]と、距離B[mm]との関係は、図12に示すようになる。
図13は、実施形態に係るプリンタ100の第2変形例装置によって記録される目印パターン80を示す模式図である。この目印パターン80は、2つの第1目印画像81a,bのうち、後に形成される方の第1目印画像81bよりもベルト移動方向の上流側に第2目印画像(82)を位置させている。
本発明においては、2つの第1目印画像81a,bと、第2目印画像82とを、それぞれ別のプロセスカートリッジで形成すれば、これら3つの目印画像におけるベルト周方向の位置関係はどのようなものであってもよい。
次に、実施形態に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した実施例に係るプリンタについて説明する。各色トナー像の重ね合わせズレは、中間転写ベルト(41)のベルト速度変動の他に、各感光体2Y,M,C,Kの1回転あたりにおける周速変動に起因しても発生する。そして、各感光体2Y,M,C,Kの1回転あたりにおける周速変動は、先に図3に示した原動ギヤ21、駆動ギヤ18Y,M,C,K、第1中継ギヤ22、第2中継ギヤ23のピッチ誤差や噛み合い誤差などによって生ずる。よって、第2目印画像(82)は、中間転写ベルト(41)の速度変動ではなく、これらピッチ誤差や噛み合い誤差が生ずることによっても、ベルトに対する正規の記録位置からずれて記録されてしまうことになる。
本プリンタは、このズレによる平均速度変動△Vの検出誤差を、次のようにして抑えるように構成されている。即ち、上記制御部(60)は、潜像担持体たる感光体2Mの無端移動する表面に対して、その1周あたりに複数の上記第2目印画像(82)を形成する制御を行うための演算を実施するように構成されている。また、中間転写ベルト(41)に対してこれら第2目印画像(82)に対応する複数の目印パターン(80)をそれぞれ記録する制御を行うための演算を実施するように構成されている。また、中間転写ベルト(41)の1周あたりにおける各平均速度変動量△Vの移動平均値を求める演算を実施するように構成されている。更には、これら移動平均値に基づいた上記1周変動パターンを上記ROM(63)に記憶する制御を実施するための演算を行うように構成されている。具体的には、感光体2Mに対して、その1周あたりにN個(但しNは整数)の第2目印画像(82)を形成する。そして、そのN個のそれぞれに対応するN個の目印パターン(80)について、それぞれに基づいてN個の平均速度変動量△Vを算出する。更に、これら平均速度変動量△Vについて、それぞれN個における移動平均値を算出し、これら移動平均値に基づいた上記1周変動パターンを上記ROM(63)に記憶するのである。
かかる構成では、上述のピッチ誤差や噛み合い誤差に起因して第2目印画像(82)が中間転写ベルト(41)の正規の記録位置からずれて記録されてしまうことによる平均速度変動量△Vの検出誤差を抑えることができる。
これまで、無端移動体として、中間転写ベルト41を用いたプリンタの例について説明したが、中間転写ドラムなどといった他の無端移動体を用いた画像記録装置にも本発明の適用が可能である。また、記録体たる転写紙Pにトナー像を2次転写するプリンタの例について説明したが、感光体と転写ローラとの間でトナー像を記録体に1次転写する画像記録装置にも本発明の適用が可能である。更には、3次転写以上の工程を経て記録体にトナー像を転写する画像記録装置にも本発明の適用が可能である。また、電子写真方式ではなく、上述した直接記録方式や、インクジェット方式などといった他の方式で画像を形成する画像記録装置にも本発明の適用が可能である。
以上、実施形態に係るプリンタや実施例に係るプリンタにおいては、1つの第2目印画像82を2つの第1目印画像81a,bの間に位置させた目印パターン80を記録させる制御を行うための演算を実施させるように、演算手段たる制御部60を構成している。かかる構成では、目印パターン80内の3つの目印画像を、一方の第1目印画像(81a)、第2目印画像(82)、もう一方の第1目印画像(81b)という順で検出することができる。
また、第1変形例装置や第2変形例装置においては、1つの第2目印画像(82)を2つの第1目印画像(81a,b)よりもベルト表面移動方向の下流や上流に位置させた目印パターン(80)を記録させる制御を行うための演算を実施させるように、演算手段たる上記制御部(60)が構成されている。かかる構成では、目印パターン80内の3つの目印画像を、第2目印画像(82)、一方の第1目印画像(81a)、もう一方の第1目印画像(81b)という順、あるいは、一方の第1目印画像(81a)、もう一方の第1目印画像(81b)、第2目印画像(82)という順で検出することができる。
また、実施形態に係るプリンタ、各変形例装置、実施例に係るプリンタにおいては、次のような演算を行うように上記制御部(60)が構成されている。即ち、複数の記録手段たるプロセスカートリッジ1Y,M,C,Kのうち、互いに隣り合う2つの一方であるプロセスカートリッジ1Yによって2つの第1目印画像(81a,b)を記録させる。そして、もう一方であるプロセスカートリッジ2Mによって第2目印画像(82)を記録させる制御を行うための演算である。かかる構成では、かかる構成では、上述した理由により、互いに隣り合っていない2つのプロセスカートリッジによって第1目印画像(81a,b)と第2目印画像(82)との記録させる場合に比べて、中間転写ベルト(41)の1周あたりにおける速度変動をより細かい時間間隔で検出することができる。
また、実施形態に係るプリンタ、各変形例装置、実施例に係るプリンタにおいては、ベルト移動方向の所定箇所に位置する基準マーク(83)と、これを検知するマーク検知手段たるマークセンサ(70)とを設けている。そして、複数の目印パターン(80)をベルト移動方向に並べて記録させる制御を行うための演算を実施させるように、制御部60を構成している。かかる構成では、上述した理由により、ベルト1周あたりの速度変動パターンである1周変動パターンを検出することができる。
また、実施形態に係るプリンタ、各変形例装置、実施例に係るプリンタにおいては、演算結果を記憶する記憶手段たるROM(63)を制御部(60)に設けている。そして、中間転写ベルト41の1周あたりにおける速度変動のパターンである1周変動パターンの演算と、ROM(63)に記憶された1周変動パターンのデータに基づく中間転写ベルト41の駆動を制御するための演算とを実施させるように、制御部60を構成している。かかる構成では、上述した理由により、1周変動パターンに対してそれと同じ波形を逆位相で合成するようなパターンで中間転写ベルト41の駆動速度を制御して、中間転写ベルト41の速度変動を抑えることが可能になる。そして、このことにより、中間転写ベルト41の速度変動に起因する4色トナー像の色ズレを抑えることができる。
また、実施形態に係るプリンタや変形例装置においては、記録手段群たる画像形成部19の各記録手段たるプロセスカートリッジと1次転写ローラとの組合せとして、それぞれ、無端移動する表面に潜像を担持する潜像担持体たる感光体と、これに担持される潜像を現像する現像手段たる現像装置と、感光体上で現像されたトナー像を中間転写ベルト41に転写せしめる転写手段たる1次転写ローラとを有するものをそれぞれ用いている。そして、感光体2Mの無端移動する表面に対してその1周あたりに複数の第2目印画像(82)を形成して、無端移動体たる中間転写ベルト(41)に対してそれぞれに対応する複数の目印パターン(80)を記録する制御を行うための演算を行わせるように制御部(60)を構成している。また、中間転写ベルト(41)の1周あたりにおける各速度変動データたる各平均速度変動量△Vの移動平均値をそれぞれ求める演算と、これら移動平均値に基づく1周変動パターンの演算とを行わせるように、制御部(60)を構成している。かかる構成では、上述した理由により、感光体2Mの周速変動に起因する各平均速度変動量△Vの検出誤差を抑えることができる。
実施形態に係るプリンタの概略構成図。 同プリンタのイエロー用のプロセスカートリッジを、転写ユニットの一部とともに示す拡大構成図。 同転写ユニットの要部とその周囲構成とを示す要部構成図。 同転写ユニットの中間転写ベルトをマークセンサや目印センサとともに示す斜視図。 速度変動を起こさないと仮定した場合の同中間転写ベルト上に記録される目印パターンを示す模式図。 同目印パターン内における各目印画像の距離関係を説明するための模式図。 実際に記録される目印パターン内における各目印画像の距離関係を説明するための模式図。 同中間転写ベルトの無端移動時間と、表面移動速度との関係の一例を示すグラフ。 1周あたりにサイン波状の速度変動パターンが発生するベルトについて、パーソナルコンピュータを用いてシミュレーションした場合のベルト速度変動量と、演算によって求められる各平均速度変動量△Vとの関係を示すグラフ。 同プリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図。 第1変形例装置によって記録される目印パターンを示す模式図。 同目印パターン内における各目印画像の距離関係を説明するための模式図。 第2変形例装置によって記録される目印パターンを示す模式図。
符号の説明
1Y,M,C,K プロセスカートリッジ(記録手段の一部)
2Y、M、C、K 感光体(潜像担持体)
4Y 現像装置(現像手段)
19 画像形成部(記録手段群)
41 中間転写ベルト(無端移動体)
45Y,M,C,K 1次転写ローラ(記録手段の一部、転写手段)
60 制御部(演算手段)
63 ROM(記憶手段)
70 マークセンサ(マーク検知手段)
71 目印センサ(画像検知手段)
81a,b 第1目印画像
82 第2目印画像
83 基準マーク

Claims (8)

  1. 表面を無端移動させるように駆動される無端移動体と、該無端移動体の表面移動方向に沿うように並べられた複数の記録手段によって該表面に対してそれぞれ画像を順次記録していく記録手段群と、該記録手段によって該表面に記録された目印画像を検知する画像検知手段と、上記記録手段群及び無端移動体の駆動を制御するための演算、並びに該画像検知手段による検知結果に基づく該無端移動体の表面速度変動の演算を行う演算手段とを有する画像記録装置において、
    何れか1つの上記記録手段による少なくとも2つの第1目印画像と、他の上記記録手段による少なくとも1つの第2目印画像とを上記表面移動方向に並べた目印パターンを、2つの該第1目印画像における一方の記録終了からもう一方の記録終了までの時間間隔が、2つの該第1目印画像の記録終了した時点から該第2目印画像の記録終了までの時間間隔、あるいは、該第2目印画像の記録終了から2つの該第1目印画像の記録終了した時点までの時間間隔よりも小さくなるように記録する制御を行うための演算と、2つの該第1目印画像、及び1つの該第2目印画像を所定の順序で上記画像検知手段によって検知していく過程における検知時間間隔の理論値と実測値とのずれ量に基づいて上記表面速度変動を算出するための演算とを実施させるように、上記演算手段を構成したことを特徴とする画像記録装置。
  2. 請求項の画像記録装置において、
    1つの上記第2目印画像を2つの上記第1目印画像の間に位置させた上記目印パターンを記録させる制御を行うための演算を実施させるように、上記演算手段を構成したことを特徴とする画像記録装置。
  3. 請求項の画像記録装置において、
    1つの上記第2目印画像を2つの上記第1目印画像よりも上記表面移動方向の上流又は下流に位置させた上記目印パターンを記録させる制御を行うための演算を実施させるように、上記演算手段を構成したことを特徴とする画像記録装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかの画像記録装置において、
    複数の上記記録手段のうち、互いに隣り合う2つの記録手段の一方によって上記第1目印画像を記録させ、もう一方の記録手段によって上記第2目印画像を記録させる制御を行うための演算を実施させるように、上記演算手段を構成したことを特徴とする画像記録装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかの画像記録装置において、
    上記ずれ量として、一方の上記第1目印画像を検知してから他方の上記第1目印画像を検知するまでの時間間隔の理論値と実測値との比を算出し、その比と、何れか一方の上記第1目印画像を検知した時点と上記第2目印画像を検知した時点との時間間隔である異種目印検知時間間隔の実測値と、に基づいて、それら2つの第1目印画像、及び第2目印画像が実際に形成された状態の上記無端移動体を設計速度で等速に無端移動させながら上記画像検知手段にそれら目印画像を検知させたと仮定した場合における上記異種目印検知時間間隔の理論値を算出し、算出結果に基づいて上記表面速度変動を算出するための演算を実施させるように、上記演算手段を構成したことを特徴とする画像記録装置。
  6. 請求項の画像記録装置において、
    上記無端移動体の表面移動方向における所定箇所に位置する基準マークと、該基準マークを検知するマーク検知手段とを設けるとともに、複数の上記目印パターンを上記表面移動方向に並べて記録させる制御を行うための演算を実施させるように、上記演算手段を構成したことを特徴とする画像記録装置。
  7. 請求項6の画像記録装置において、
    演算結果を記憶する記憶手段を上記演算手段に設けるとともに、
    少なくとも2つの上記第1目印画像、及び上記第2目印画像の組合せを、上記無端移動体の表面の全周に渡って所定のピッチで複数並べて形成し、それら複数の組合せについて、それぞれ、上記無端移動体を設計速度で等速に無端移動させたと仮定した場合における上記異種目印検知時間間隔の理論値を算出し、算出結果に基づいてそれぞれの組合せにおける上記何れか一方の第1目印画像を形成した時点から、第2目印画像を形成した時点までの間における上記無端移動体の平均速度変動量を算出し、それぞれの算出結果に基づいて上記無端移動体の1周あたりにおける上記表面速度変動のパターンである1周変動パターンを求める演算と、該記憶手段に記憶された該1周変動パターンのデータに基づく上記無端移動体の駆動を制御するための演算とを実施させるように、上記演算手段を構成したことを特徴とする画像記録装置。
  8. 請求項7の画像記録装置において、
    上記記録手段群の各記録手段として、無端移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、これに担持される潜像を現像する現像手段と、該潜像担持体上で現像された可視像を上記無端移動体に転写せしめる転写手段とを有するものをそれぞれ用いるとともに、複数の上記組合せにそれぞれ対応する複数の上記平均速度変動量の移動平均値を求める演算と、これら移動平均値に基づく上記1周変動パターンの演算とを行わせるように、上記演算手段を構成したことを特徴とする画像記録装置。
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