JP4451030B2 - 蓄圧式燃料噴射装置の運転制御方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄圧式燃料噴射装置の運転制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジンへ燃料を噴射供給する燃料噴射装置の一つとして、高圧ポンプから圧送された燃料をコモンレール内に一旦蓄積しておき、電気的に演算され、設定された噴射タイミングでコモンレール内に蓄積された高圧燃料を燃料噴射弁からエンジンの気筒内に噴射するように構成された蓄圧式の内燃機関用燃料噴射装置が広く採用されるに到っている。従来の蓄圧式燃料噴射装置においては、コモンレール内に高圧燃料を供給する高圧ポンプをエンジン回転数及びアクセル操作量に応じて制御し、コモンレール内の高圧燃料の圧力、すなわちレール圧、がそのときの車両の運転状態に見合った値となるようにするため、エンジン回転数及びアクセル操作量に従ってそのときのドライバーの要求噴射量を演算し、この演算結果に応じてコモンレールの目標レール圧を決定し、レール圧がこの目標レール圧となるようにフィードバック制御が行われる構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の蓄圧式燃料噴射装置においては、レール圧を如何に安定、且つ確実に目標圧力とするかが噴射特性の良否に大きく影響する。このレール圧を所望の圧力に制御するための制御態様をその制御を行う位置で大別すれば、コモンレールへ燃料を圧送するための高圧ポンプの下流側に設けた高圧側制御電磁弁によってレール圧が所望の圧力となるように圧力制御を行う高圧側制御と、高圧ポンプの上流側に設けた低圧側制御電磁弁によってレール圧が所望の圧力となるように圧力制御を行う低圧側制御とに大別され、それぞれに長所、短所があり、従来からそれぞれの長所、短所を考慮した制御方法及び制御装置が種々提案されているが、未だ充分なものとは言い難い。
【0004】
本発明の目的は、蓄圧式燃料噴射装置の様々な運転状態に応じて、レール圧の適切な制御を円滑に行うことができる蓄圧式燃料噴射装置の運転制御方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明によれば、燃料タンク内の燃料を高圧ポンプで加圧してコモンレール内に蓄えておき、該コモンレール内の高圧燃料を燃料噴射弁を介してエンジンの燃焼室内に噴射供給するように構成された蓄圧式燃料噴射装置の運転制御方法であって、前記高圧ポンプの下流側に高圧制御電磁弁を設けると共に前記高圧ポンプの上流側に低圧制御電磁弁を設け、運転開始後前記高圧制御電磁弁を閉ループ制御で運転すると共に前記低圧制御電磁弁を開ループ制御で運転して前記コモンレールのレール圧を所定の第1目標値にまで上昇させた後、前記第1目標値より低い第2目標値にまでレール圧を低下させるようレール圧を制御し、しかる後、前記低圧制御電磁弁を閉ループ制御動作に切り換えると共に前記高圧制御電磁弁を開ループ制御動作に切り換えてレール圧の制御を行うようにしたことを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置の運転制御方法が提案される。
【0006】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、前記蓄圧式燃料噴射装置の始動直後からレール圧が所定のレベルに達するまでの間は前記高圧制御電磁弁を全閉とすると共に前記低圧制御電磁弁を全開とするようにした蓄圧式燃料噴射装置の運転制御方法が提案される。
【0007】
請求項3の発明によれば、請求項1の発明において、前記コモンレール内の燃料の温度が所定温度に達した場合にレール圧を第2目標値に低下させるレール圧制御が実行されるようにした蓄圧式燃料噴射装置の運転制御方法が提案される。
【0008】
請求項4の発明によれば、請求項1の発明において、前記第1目標値を前記第2目標値に変更してから所定時間経過後に前記低圧制御電磁弁を閉ループ制御動作に切り換えると共に前記高圧制御電磁弁を開ループ制御動作に切り換えるようにした蓄圧式燃料噴射装置の運転制御方法が提案される。
【0009】
請求項5の発明によれば、請求項1又は4の発明において、前記低圧制御電磁弁を閉ループ制御動作に切り換えると共に前記高圧制御電磁弁を開ループ制御動作に切り換えた後は、そのときの運転条件に応じて定められる目標レール圧が維持されるように制御が行われる蓄圧式燃料噴射装置の運転制御方法が提案される。
【0010】
運転開始後、高圧制御電磁弁を閉ループ制御で運転するのでコモンレールのレール圧を第1目標値にまで応答性よく上昇させることができる。この場合燃料温度が大きく上昇するのでエンジンの始動性の向上を図ることができる。燃料温度が所定値に達したならば、第1目標値をこれより低い第2目標値に変更した上で所定時間だけ高圧制御電磁弁による閉ループ制御運転を行った後、高圧制御電磁弁を開ループ制御動作に切り換えると共に、低圧制御電磁弁を閉ループ制御動作に切り換える。この結果、制御電磁弁の制御動作の切り換えをオーバーシュートの発生なしに円滑に行うことができ、切り換えによるレール圧の変動を生じさせることがない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例につき詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の方法によって運転が制御される蓄圧式燃料噴射装置の実施の形態の一例を示す構成図である。図1に示した蓄圧式燃料噴射装置Aは、概略的にその構成を述べれば、燃料タンク1に蓄積された燃料が高圧ポンプ2を介して複数の噴射ノズル3が接続されたコモンレール4へ圧送され、噴射ノズル3に内蔵された電磁弁(図示せず)の動作が制御ユニット5により制御されることにより、噴射ノズル3からの燃料噴射が制御される構成となっている。本実施の形態では、噴射ノズル3は、車両を駆動するための多気筒エンジンの各気筒(図示せず)に取り付けられており、蓄圧式燃料噴射装置Aによってこの車両用エンジンの各気筒の燃焼室内に燃料を噴射供給する構成となっている。
【0013】
以下、蓄圧式燃料噴射装置Aの構成について、より具体的に説明する。燃料タンク1と高圧ポンプ2の低圧側との間には燃料パイプ8が配設されており、この燃料パイプ8の途中には、燃料タンク1側から順に、燃料中のごみ等を除去するためのフィルタ6及び低圧制御電磁弁7が設けられている。そして、フィルタ6と低圧制御電磁弁7との間の燃料パイプ8上の適宜の部位には、燃温センサ9が設けられており、燃温センサ9からは燃料パイプ8内を通る燃料の温度を示す燃温信号SAが出力され、燃温信号SAは、後述する制御ユニット5へ入力されるようになっている。また、フィルタ6と低圧制御電磁弁7との間の燃料パイプ8の適宜な部位には、機械式低圧制御弁10が設けられており、燃料パイプ8内の燃料圧力が所定の開弁圧となると機械式低圧制御弁10が開弁状態となり、低圧制御電磁弁7とフィルタ6との間の燃料パイプ8内の燃料が燃料タンク1内へ放出されるようになっている。
【0014】
高圧ポンプ2の高圧側は、燃料パイプ13によりコモンレール4の入力端4Aに直接連結されている。そして、コモンレール4の出口端4Bは、途中に高圧制御電磁弁11が設けられている燃料パイプ14により燃料タンク1に接続されたものとなっている。また、コモンレール4には、レール圧を検出するための高圧力センサ12が適宜の部位に設けられており、高圧力センサ12から出力されレール圧を示すレール圧信号SBは、制御ユニット5へ入力されるようになっている。
【0015】
制御ユニット5は、後述するソフトウェアを実行して、先の低圧制御電磁弁7、高圧制御電磁弁11及び噴射ノズル3の図示されない電磁弁の動作を制御するもので、具体的には、例えば、いわゆるマイクロコントローラ及び各種のインターフェイス回路等から構成されてなるものである。この制御ユニット5には、先に述べたように燃温センサ9及び高圧力センサ12からの燃温信号SA、レール圧信号SBが入力される他、蓄圧式燃料噴射装置Aによって燃料が噴射供給されるエンジン(図示せず)の回転数Ne、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量Acc及び車両始動の際に用いられるいわゆるイグニッションエンジンキー(図示せず)の位置情報Keyが入力されるものとなっている。
【0016】
低圧制御電磁弁7及び高圧制御電磁弁11は、コモンレール4のレール圧を所要の値とするために設けられたもので、いずれも制御ユニット5によって制御される。制御ユニット5によるレール圧調整のための各制御電磁弁の制御態様は、
(1)制御ユニット5から制御電磁弁に対して駆動電流を出力するだけで、その結果と目標とする駆動状態との差をフィードバックすることのない制御(開ループ制御)。
(2)制御ユニット5から制御電磁弁に対して駆動電流を出力し、その結果と目標とする駆動状態との差をフィードバックするようにしてレール圧が所望の圧力となるように、制御ユニット5による制御電磁弁の駆動電流を、高圧力センサ12のレール圧信号SBに基づいて調整する制御(閉ループ制御)。
のいずれかによって行うことができる構成となっている。
【0017】
図2〜図4は、図1に示した構成の蓄圧式燃料噴射装置Aを本発明の方法に従って運転制御するための運転制御プログラム20を示すフローチャートである。図2〜図4を参照して本発明による動作制御例につき説明する。
【0018】
エンジン始動後に運転制御プログラム20の実行が開始されると、先ず、ステップS21で、高圧制御電磁弁11を全閉とし且つ低圧制御電磁弁7を全開とする制御電磁弁の制御を制御ユニット5により開ループ制御で実行する。この結果、高圧ポンプ2からの高圧燃料がコモンレール4から排出しない状態で、高圧ポンプ2からの高圧燃料の送出量が最大となって高圧燃料がコモンレール4に送り込まれ、コモンレール4内の燃料圧力が素早く上昇する。ステップS22ではレール圧信号SBに基づいてレール圧が高圧制御電磁弁11によるレール圧制御を行うべき所定圧力P0 に達したか否かが判別される。レール圧が所定圧力P0 に達していない場合にはステップS22の判別結果はNOとなり、ステップS21に戻る。一方、レール圧が所定圧力P0 に達したと判別されると、ステップS22の判別結果はYESとなり、ステップS23に進む。
【0019】
ステップS23では、高圧ポンプ2による燃料の圧送回数をカウントするため制御ユニット5内にソフトウェア的に形成された圧送回数カウンタをリセットする。ここで、圧送回数はポンプのカムシャフトが1回転する毎にカウント値を1つだけ大きくすることによりカウントされる。
【0020】
次のステップS24で高圧制御電磁弁11を閉ループ制御モードによる圧力調整動作に切り換えると共に低圧制御電磁弁7を開ループ制御モードによる圧力調整動作に切り換える。高圧制御電磁弁11による閉ループ制御に対しては、蓄圧式燃料噴射装置Aの通常運転において要求されるレール圧の上限値が第1目標レール圧として与えられ、低圧制御電磁弁7によるレール圧の開ループ制御に対しても同様に同一の第1目標レール圧が与えられる。
【0021】
次のステップS25では、圧送回数カウンタのカウント値Mが値MAより大きくなったか否かが判別される。この値MAは、ステップS24による制御が開始された後、実レール圧が目標レール圧に略収束するまでに必要とされる燃料圧送回数に設定されており、MAの値は予め実験等により得られたそのポンプ個有の値を制御ユニット5にセットしておくことができる。
【0022】
圧送回数カウンタのカウント値MがMAより小さい場合にはステップS25の判別結果はNOとなり、ステップS24の制御状態が維持される。このようにして、カウント値Mが、実レール圧が目標レール圧に略収束するまでに必要とされる燃料圧送回数である値MAより大きくなると、ステップS25の判別結果はYESとなり、ステップS26に進む。上記説明から判るように、ステップS25の判別結果がYESとなったときには、実レール圧はほぼ目標レール圧に収束した状態、すなわち、コモンレール4内の高圧燃料の圧力が略安定した状態となっている。
【0023】
ステップS26では、高圧制御電磁弁11による閉ループ制御において目標レール圧と実レール圧とが略等しくなったレール圧制御の安定状態が得られたことにより、高圧制御電磁弁11によるレール圧制御の監視が開始される。このレール圧制御の監視は、実レール圧と目標レール圧との差が所定値以上となった状態が所定時間以上継続したか否かをチェックすることにより行われる。ステップS27では、ステップS26における上述のレール圧制御監視によって高圧制御電磁弁11によるレール圧制御が正常に実行されているか否かを判別する。レール圧制御が正常に行われていると判別されるとステップS27の判別結果はYESとなり、ステップS28に入る。
【0024】
ステップS28では、燃温信号SAに基づき燃料温度Tfが所定値T0 以上となったか否かが判別され、Tf<T0 の場合にはステップS28の判別結果はNOとなり、ステップS26に戻る。
【0025】
このようにして高圧制御電磁弁11による閉ループ制御によりレール圧の制御が行われると、燃料の温度が比較的速く上昇し、Tf≧T0 となったときにステップS28の判別結果がYESとなり、ステップS29に進む。
【0026】
ステップS24で高圧制御電磁弁11の閉ループ制御動作が開始されてコモンレール4内の燃料圧の制御が行われると、レール圧の制御が応答性よく実行されると共に燃料の温度の上昇が促進されることになる。このように、エンジン始動直後に燃料の温度を速やかに上昇させることができるため、始動時におけるエンジンの運転を迅速に安定化できるようになるという利点が得られる。これは、特に、外気温が低い冬期等においてその効果は大きいものである。
【0027】
このようにして燃料温度が所定値T0 以上となったことが判別されると、ステップS29において、高圧制御電磁弁11によるレール圧制御のための閉ループ制御動作を行うための第1目標レール圧をより低い別の第2目標レール圧とする目標レール圧の変更が行われる。
【0028】
ステップS30で、ステップS29における目標レール圧の変更が行われてから所定時間が経過したか否かが判別される。ここで、所定時間が経過していないと判別された場合にはステップS30の判別結果はNOとなり、ステップS29に戻る。このようにして第2目標レール圧による閉ループ制御が所定時間行われると、目標レール圧変更後の制御によりレール圧の実際値が第2目標レール圧に略収束したと判別されて、ステップS30の判別結果はYESとなり、ステップS31に進む。
【0029】
ステップS31では圧送回数カウンタをリセットし、次のステップS32で低圧制御電磁弁7を閉ループ制御モードにしてこれによりコモンレール4のレール圧をそのときの運転条件に見合った目標レール圧に維持するための圧力調整動作に切り換えると共に、高圧制御電磁弁11を全閉状態とする開ループ制御モードに切り換える。そして、以後は、低圧制御電磁弁7の閉ループ制御によって、コモンレール4内のレール圧がその時の運転条件に従う目標レール圧に維持されるようにレール圧制御が行われる。この運転条件に従う目標レール圧は、エンジン回転数、目標噴射量、レール圧、エンジンの冷却水の温度(水温)、燃料の温度(燃温)等のパラメータに基づいて算出することができ、このようなパラメータを考慮することによって得られた目標レール圧を用いて低圧制御電磁弁7による閉ループ制御モードでレール圧の制御を行うことによりレール圧の値を最適な値とすることができる。
【0030】
このように、エンジンの始動後には、高圧制御電磁弁11を全閉で低圧制御電磁弁7を全開にしてコモンレール4内の燃料圧力を所定値P0 まで素早く高め、その後、高圧制御電磁弁11を閉ループ制御モードで動作させて燃料温度を早めに上昇させつつレール圧を応答性よく第1目標レール圧に収束させ、燃料温度がエンジンの安定的な運転に必要な所定値T0 に達したならば、燃料温度の大きな上昇を伴わない低圧制御電磁弁7の閉ループ制御によるレール圧制御に移行させる構成となっている。この結果、エンジンの始動時に燃料温度を上昇させつつレール圧を素早くその安定運転を図ることができる圧力とすることができる。そして、高圧制御電磁弁11による閉ループ制御動作から低圧制御電磁弁7の閉ループ制御動作への切り換えは、一旦目標レール圧を低くした状態で所定時間だけ高圧制御電磁弁11による閉ループ制御運転を行ってから行うようにしたので、上記制御動作の切り換えをレール圧のオーバーシュートを発生させることなしに極めて円滑に行うことができ、切り換えによりレール圧に大きな変動を生じさせることがない。したがって、エンジンの運転は、上記制御動作の切り換えに拘らず一定レール圧の下で安定に行われ、良好な運転特性を確保できる。また、この制御は部品の追加を必要としないのでコストを上昇させることがない。
【0031】
ステップS33では、圧送回数カウンタのカウント値Mが値MBより大きくなったか否かが判別される。この値MBは、ステップS32による制御が開始された後、コモンレール4の実レール圧がその時の運転条件に従う目標レール圧に略収束するまでに必要とされる燃料圧送回数に設定されており、MBの値は予め実験等により得られたそのポンプ個有の値を制御ユニット5にセットしておくことができる。
【0032】
圧送回数カウンタのカウント値MがMBより小さい場合にはステップS33の判別結果はNOとなり、ステップS32の制御状態が保持される。このようにして、カウント値Mが、実レール圧がその時の運転条件に従う目標レール圧に略収束するまでに必要とされる燃料圧送回数MBより大きくなると、ステップS33の判別結果はYESとなり、ステップS34に進む。上述の説明から判るように、ステップS33の判別結果がYESとなったときには、実レール圧はほぼその時の運転条件に従う目標レール圧に収束した状態、すなわち、コモンレール4内の高圧燃料の圧力が略安定した状態となっている。
【0033】
ステップS34では、低圧制御電磁弁7による閉ループ制御においてその時の運転条件に従う目標レール圧と実レール圧とが略等しくなったレール圧制御の安定状態が得られたことにより、低圧制御電磁弁7によるレール圧制御の監視が開始される。ステップS35では、ステップS34における上述のレール圧制御監視によって低圧制御電磁弁7によるレール圧制御が正常に実行されているか否かを判別する。レール圧制御が正常に行われていると判別されるとステップS27の判別結果はYESとなり、ステップS34に入る。
【0034】
一方、ステップS35でレール圧の制御が正常に行われていない、すなわち、低圧制御電磁弁7による閉ループ制御が予定通り行われていないと判別された場合にはステップS35の判別結果はNOなり、ステップS24に入り、高圧制御電磁弁11を閉ループ制御モードとしてこれによりコモンレール4のレール圧を所要の目標レール圧に維持するバックアップ制御が実行される。
【0035】
同様に、ステップS27で高圧制御電磁弁11の閉ループ制御モードによってレール圧の制御が予定通り行われていないと判別された場合には、その判別結果はNOとなり、ステップS32に入り、低圧制御電磁弁7を閉ループ制御モードに切り換え、これによりコモンレール4のレール圧を所要の目標レール圧に維持するバックアップ制御が実行される。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、上述の如く、エンジンの始動後には、高圧制御電磁弁を全閉にし、低圧制御電磁弁を全開にしてコモンレール内の燃料圧力を所定値まで素早く高め、その後、高圧制御電磁弁を閉ループ制御モードで動作させて燃料温度を上昇させつつレール圧を目標レール圧に応答性よく収束させ、燃料温度がエンジンの安定的な運転に必要な値に達したならば、燃料温度の大きな上昇を伴わない低圧制御電磁弁の閉ループ制御によるレール圧制御に移行させるようにした構成において、高圧制御電磁弁による閉ループ制御動作から低圧制御電磁弁の閉ループ制御動作への切り換えは、一旦目標レール圧を低くした状態で所定時間だけ高圧制御電磁弁による閉ループ制御運転を行ってから行うようにしたので、上記制御動作の切り換えをレール圧のオーバーシュートの発生なしに極めて円滑に行うことができ、切り換えによるレール圧の変動を生じさせることがない。この構成は、部品の追加の必要がなく、低コストですむと言う利点を有している。この結果、高圧制御電磁弁と低圧制御電磁弁とを上述のように動作切り換えしても、エンジンの運転は、上記制御動作の切り換えに拘らず一定レール圧の下で安定に行われるので、良好な運転特性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によって運転が制御される蓄圧式燃料噴射装置の実施の形態の一例を示す構成図。
【図2】図1に示した構成の蓄圧式燃料噴射装置を本発明の方法に従って運転制御するための運転制御プログラムを示す一部フローチャート。
【図3】図1に示した構成の蓄圧式燃料噴射装置を本発明の方法に従って運転制御するための運転制御プログラムを示す一部フローチャート。
【図4】図1に示した構成の蓄圧式燃料噴射装置を本発明の方法に従って運転制御するための運転制御プログラムを示す一部フローチャート。
【符号の説明】
1 燃料タンク
2 高圧ポンプ
3 噴射ノズル
4 コモンレール
5 制御ユニット
6 フィルタ
7 低圧制御電磁弁
8、13、14 燃料パイプ
9 燃温センサ
10 機械式低圧制御弁
11 高圧制御電磁弁
12 高圧力センサ
20 運転制御プログラム
A 蓄圧式燃料噴射装置
Acc 踏み込み量
Ne 回転数
Key 位置情報
SA 燃温信号
SB レール圧信号

Claims (5)

  1. 燃料タンク内の燃料を高圧ポンプで加圧してコモンレール内に蓄えておき、該コモンレール内の高圧燃料を燃料噴射弁を介してエンジンの燃焼室内に噴射供給するように構成された蓄圧式燃料噴射装置の運転制御方法であって、
    前記高圧ポンプの下流側に高圧制御電磁弁を設けると共に前記高圧ポンプの上流側に低圧制御電磁弁を設け、運転開始後前記高圧制御電磁弁を閉ループ制御で運転すると共に前記低圧制御電磁弁を開ループ制御で運転して前記コモンレールのレール圧を所定の第1目標値にまで上昇させた後、前記第1目標値より低い第2目標値にまでレール圧を低下させるようレール圧を制御し、しかる後、前記低圧制御電磁弁を閉ループ制御動作に切り換えると共に前記高圧制御電磁弁を開ループ制御動作に切り換えてレール圧の制御を行うようにしたことを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置の運転制御方法。
  2. 前記蓄圧式燃料噴射装置の始動直後からレール圧が所定のレベルに達するまでの間は前記高圧制御電磁弁を全閉とすると共に前記低圧制御電磁弁を全開とするようにした請求項1記載の蓄圧式燃料噴射装置の運転制御方法。
  3. 前記コモンレール内の燃料の温度が所定温度に達した場合にレール圧を第2目標値に低下させるレール圧制御が実行されるようにした請求項1記載の蓄圧式燃料噴射装置の運転制御方法。
  4. 前記第1目標値を前記第2目標値に変更してから所定時間経過後に前記低圧制御電磁弁を閉ループ制御動作に切り換えると共に前記高圧制御電磁弁を開ループ制御動作に切り換えるようにした請求項1記載の蓄圧式燃料噴射装置の運転制御方法。
  5. 前記低圧制御電磁弁を閉ループ制御動作に切り換えると共に前記高圧制御電磁弁を開ループ制御動作に切り換えた後は、そのときの運転条件に応じて定められる目標レール圧が維持されるように制御が行われる請求項1又は4記載の蓄圧式燃料噴射装置の運転制御方法。
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