JP4450808B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱コイルが内加熱コイルと外加熱コイルに分割された誘導加熱調理器に関するものである。
従来の誘導加熱調理器においては、内加熱コイルと外加熱コイルをそれぞれフルブリッジ型インバータ回路で駆動する方式で、小径鍋に対しては内加熱コイルのみを駆動し、大径鍋に対しては内加熱コイルと外加熱コイルを時分割で交互に駆動するものがあり、例えば、『複数のスイッチング素子から成るアーム、加熱コイル用電流検出器、共振コンデンサを複数のインバータ回路で共有させるようにして、回路のコスト低減化を図った』というものがあった(特許文献1参照)。
特開2000−91063号公報(要約)
従来の誘導加熱調理器では、大径鍋を加熱する場合に内加熱コイルと外加熱コイルに交互に加熱電流を流すように切り替えて駆動するため、駆動制御が複雑となり、駆動切替時に加熱コイル電流休止期間が生じるため、同一加熱出力の場合に内外加熱コイル同時通電するものと比べてコイル電流のピーク電流が大きくなり、加熱コイルや共振コンデンサにおいて発生する発熱量やピーク電圧が高くなり、加熱効率が低下する課題があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、加熱コイルに流れるピーク電流を抑え、加熱コイルや共振コンデンサに発生する発熱量やピーク電圧を抑制して、加熱効率を改善した誘導加熱調理器を得るものである。
本発明に係る誘導加熱調理器は、
直流電圧を変換して交流電圧を供給するインバータと、
前記インバータを駆動制御して出力を調整する制御手段を備え、
前記インバータは、2個直列に接続したスイッチング素子をそれぞれ有する共通アーム、第1の加熱コイル用アーム及び第2の加熱コイル用アームを有し、
前記共通アームと前記第1の加熱コイル用アームの間には第1の加熱コイルが接続され、前記共通アームと前記第2の加熱コイル用アームの間には第2の加熱コイルが接続されており、
前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルは、内側と外側のいずれかにそれぞれ位置して同心円状に配設され、前記共通アームから流れ出る電流の周回方向が同じ向きになるように接続されており、
前記制御手段は、
前記全てのアームを駆動制御するか、又は前記共通アームといずれか1つの前記加熱コイル用アームとを駆動制御するものであり、
前記全てのアームを駆動制御する際には、前記共通アームと前記第1の加熱コイル用アーム間の駆動位相差、又は前記共通アームと前記第2の加熱コイル用アーム間の駆動位相差の少なくとも一方を制御することで前記インバータ出力を調整し、
前記第1の加熱コイル用アーム及び前記第2の加熱コイル用アームの駆動位相を、前記共通アームの駆動位相よりも進み位相で駆動し、
前記第1の加熱コイルの電流位相と前記第2の加熱コイルの電流位相のいずれか一方が他方より進んでいる際には、当該遅れている方の加熱コイル用アームの駆動位相を進めるように制御することを特徴とするものである。
本発明に係る誘導加熱調理器によれば、大径鍋に対しては、3本のアームを同時に駆動することにより、共通アームと内加熱コイル用アームおよび外加熱コイル用アーム間に接続した内加熱コイルと外加熱コイルに同じ向き電流が流れるように制御して、通電する加熱コイルを時分割で切り替えることなく大径鍋の鍋底全体を加熱することができるので、時分割で内加熱コイルと外加熱コイルとを切り替えて電流を流す場合と比較して、各加熱コイルに流すコイル電流のピーク電流が小さくなり、個々の加熱コイルや共振コンデンサに発生する発熱量やピーク電圧が小さくなり、加熱効率の低下を防止することができる。
また、共通アームと内加熱コイル用アームのみ、または、共通アームと外加熱コイル用アームのみを駆動する場合には、共通アームから流れ出る電流の周回方向が内加熱コイルと外加熱コイルで同じ向きになるように接続しているので、電圧を印加していない加熱コイルに高周波電圧を印加している加熱コイル電流による誘導電流が流れ難く、効率の低下を防止することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の外観図である。
IHクッキングヒーター1は、本実施の形態1に係る誘導加熱調理器である。
本体2は、箱状となっており、利用者は図示しない調理鍋などの被加熱物を本体2の天面に載置して加熱調理を行う。
トッププレート3は、非磁性体よりなる耐熱ガラスにて形成されたものであり、本体2の天面に備えられている。
枠体4は、トッププレート3の外周に設けられ、トッププレート3を保持する。
左ヒータ加熱部5a及び右ヒータ加熱部5bは、本体2内の手前側(調理者側)左右に設けられ、トッププレート3に載置された被加熱物を電磁誘導加熱によって加熱する。
中央ヒータ加熱部5cは、本体2内の、左ヒータ加熱部5aと右ヒータ加熱部5bの中間奥に設けられている。
両面焼きロースター6は調理庫を備える。
上面操作部7aは、トッププレート3周囲の枠体4手前側(調理者側)に設けられ、両面焼きロースター6や各ヒータ加熱部5a〜5cのオン/オフや火力調節等を行うための操作ボタンが配設されている。
前面操作部7bは、両面焼きロースター6の右側に設けられ、IHクッキングヒータ1をオン/オフするためのメイン操作ボタンと、各ヒータ加熱部5a〜5cをオン/オフすると共に火力(出力)の設定を行うための回転式操作ボタンを備える。
天面表示部8aは、左ヒータ加熱部5a、右ヒータ加熱部5b及び中央ヒータ加熱部5cの火力表示等を示す。
前面表示部8bは、左ヒータ加熱部5a、右ヒータ加熱部5b、中央ヒータ加熱部5c及び両面焼きロースター6の使用状況を表示する。
図2は、IHクッキングヒーター1の誘導加熱部の回路構成図である。
図1において、左ヒータ加熱部5a及び右ヒータ加熱部5bは誘導加熱部であり、それぞれ図2の回路構成を備える。
交流電源9は、図2の回路に電力を供給する。
直流電源回路10は、交流電源9から供給される交流電力を直流電力に変換するものであり、ダイオードブリッジ11、リアクトル12および平滑コンデンサ13から構成されている。直流電源回路10で直流電力に変換された電力は、インバータ回路16に供給される。
入力電流検出手段14および入力電圧検出手段15は、直流電源回路10へ入力される入力電力を検出するものである。
インバータ回路16は、直流電源回路10の正負母線間に直列に接続された2つのスイッチング素子(IGBT)と、そのスイッチング素子とそれぞれ逆並列に接続されたダイオードによって形成されるアーム3組から形成されている。以下、当該3組のアームを、共通アーム17、内加熱コイル用アーム18、外加熱コイル用アーム19と呼ぶ。また、各アームの正母線側スイッチング素子を上スイッチ、負母線側スイッチング素子を下スイッチと呼び、各アームの正母線側逆並列ダイオードを上ダイオード、負母線側逆並列ダイオードを下ダイオードと呼ぶ。
共通アーム17は後述の内加熱コイル負荷回路及び外加熱コイル負荷回路に接続されたアームで、上スイッチ20、下スイッチ21、及び各スイッチと逆並列に接続された上ダイオード22、下ダイオード23から構成されている。上スイッチ20と下スイッチ21の接続点は、共通アーム17の出力点となる。
スナバコンデンサ24は、共通アーム17の出力点に接続されており、共通アーム17のスイッチング素子ターンオフ時の出力電圧の変動を遅延させてスイッチング素子のターンオフ損失を低減する。
内加熱コイル用アーム18は後述の内加熱コイル負荷回路に接続されたアームで、上スイッチ25、下スイッチ26、及び各スイッチと逆並列に接続された上ダイオード27、下ダイオード28から構成されている。上スイッチ25と下スイッチ26の接続点は、内加熱コイル用アーム18の出力点となる。
スナバコンデンサ29は、内加熱コイル用アーム18の出力点に接続されており、内加熱コイル用アーム18のスイッチング素子ターンオフ時の出力電圧の変動を遅延させてスイッチング素子のターンオフ損失を低減する。
外加熱コイル用アーム19は後述の外加熱コイル負荷回路に接続されたアームで、上スイッチ30、下スイッチ31、及び各スイッチと逆並列に接続された上ダイオード32、下ダイオード33から構成されている。上スイッチ30と下スイッチ31の接続点は、外加熱コイル用アーム19の出力点となる。
スナバコンデンサ34は、外加熱コイル用アーム19の出力点に接続されており、外加熱コイル用アーム19のスイッチング素子ターンオフ時の出力電圧の変動を遅延させてスイッチング素子のターンオフ損失を低減する。
共通アーム駆動回路35は、共通アーム17を構成する上スイッチ20と下スイッチ21をオンオフ駆動する駆動信号を出力し、上スイッチ20をオンさせている間は下スイッチ21をオフに、上スイッチ20をオフさせている間は下スイッチ21をオンするというように、上スイッチ20と下スイッチ21を交互にオンオフさせる。
内加熱コイル用アーム駆動回路36は、内加熱コイル用アーム18を構成する上スイッチ25と下スイッチ26をオンオフ駆動する駆動信号を出力し、共通アーム駆動回路35と同様に上スイッチ25と下スイッチ26を交互にオンオフさせる。
外加熱コイル用アーム駆動回路37は、外加熱コイル用アーム19を構成する上スイッチ30と下スイッチ31をオンオフ駆動する駆動信号を出力し、共通アーム駆動回路35と同様に上スイッチ30と下スイッチ31を交互にオンオフさせる。
内加熱コイル38は略円形に巻回された外形の小なる加熱コイルであり、その外周に環状の外加熱コイル39が巻回されており、内加熱コイル38と外加熱コイル39の中心位置が略一致するように配置されている。
なお、内加熱コイル38と外加熱コイル39は大径鍋を載置した状態で、そのインダクタンス値が略同等になるように調整し、内加熱コイル負荷回路と外加熱コイル負荷回路は略同等の共振周波数を有するようにしている。また、内加熱コイル38と外加熱コイル39は、共通アーム17から見て、同一周回方向に巻回されているように接続されているものとする。
内加熱コイル負荷回路は、内加熱コイル38とその共振コンデンサ40の直列回路であり、共通アーム17出力点と内加熱コイル用アーム18出力点間に接続される。
外加熱コイル負荷回路は、外加熱コイル39とその共振コンデンサ41の直列回路であり、共通アーム17出力点と外加熱コイル用アーム19出力点間に接続される。
内加熱コイル電流検出手段42と外加熱コイル電流検出手段43は、それぞれ内加熱コイル38、外加熱コイル39の電流の大きさ及び位相を検出できるものとする。
制御部44は、IHクッキングヒータ1全体を制御するもので、上面操作部7a及び前面操作部7bからの入力指示により、天面表示部8a及び前面表示部8bに動作状態を表示するとともに、入力電流検出手段14や入力電圧検出手段15、内加熱コイル電流検出手段42及び外加熱コイル電流検出手段43の検出値を取り込みながら、各アーム駆動回路35〜37を制御して加熱出力を調整する。
なお、各アーム駆動信号は、内加熱コイル負荷回路および外加熱コイル負荷回路の共振周波数より高い駆動周波数として、負荷回路に流れる電流は負荷回路に印加される電圧と比較して遅れ位相で流れるように制御する。
次に図3を使用して、内加熱コイル電流および外加熱コイル電流による磁束と被加熱負荷である鍋との位置関係、及びこれらと負荷回路のインピーダンスの関係を説明する。
図3(a)は、大径鍋46aを載置した場合の図である。
図3(a)において、45は内加熱コイル38及び外加熱コイル39の下に配設されたフェライトであり、46aはトッププレート3を介して内加熱コイル38及び外加熱コイル39上に載置された大径鍋である。
47の破線は、内加熱コイル38に流れる電流により生じる磁束を示し、48はその磁束47により鍋底に流れる誘導渦電流によって生起される磁束を示す。また、49の破線は、外加熱コイル39に流れる電流により生じる磁束を示し、50はその磁束49により鍋底に流れる誘導渦電流によって生起される磁束を示す。
図3(a)に示したように、大径鍋46aの鍋底は内加熱コイル38及び外加熱コイル39に対向する位置にあり、内加熱コイル38に流れる電流による磁束47及び外加熱コイルに流れる電流により生じる磁束49は鍋底に鎖交し、鍋底に磁気結合して加熱コイル電流と逆向きの渦電流を誘導する。この鍋底に流れる誘導渦電流による磁束48、50は、加熱コイル電流により生じた磁束47、49を打ち消す方向に生じるので、内加熱コイル38、外加熱コイル39ともに鍋無し状態と比較してインダクタンス値が小さくなる。
図3(b)は、小径鍋46bを載置した場合の図である。
内加熱コイル38の上方には鍋底が対向して存在し、内加熱コイル38に流れる電流により発生する磁束47は小径鍋底に鎖交して誘導渦電流を生じ、その誘導渦電流により生起される磁束48によって内加熱コイル電流による磁束47を打ち消すので、内加熱コイル38のインダクタンス値は小さくなる。
一方、外加熱コイル39に流れる電流により発生する磁束49は小径鍋底に殆んど鎖交しないので、その磁束による誘導電流は小径鍋底に流れず、外加熱コイル電流による磁束は打ち消されないので、外加熱コイル39のインダクタンス値は鍋無し状態とあまり変わらず、内加熱コイル38のインダクタンス値よりも大きくなる。そのため、外加熱コイル負荷回路の共振周波数は、内加熱コイル負荷回路の共振周波数と比べて低くなる。
従って、内加熱コイル負荷回路と外加熱コイル負荷回路に同一位相の電圧を印加すると、外加熱コイル39に流れる電流は内加熱コイル38に流れる電流より小さくなり、位相も遅れることになる。
図3(c)は、中径鍋46cを載置した場合の図である。
内加熱コイル38については大径鍋や小径鍋を載置した場合と同様、鍋底と磁気結合してインダクタンス値が小さくなる。一方、外加熱コイル39に流れる電流により生じる磁束49は、その一部が鍋底に鎖交し、中径鍋底には大径鍋を載置した場合に比べて小さい渦電流が誘導される。
したがって、外加熱コイル39は漏れインダクタンスが多少大きくなり、大径鍋を載置した場合と小径鍋を載置した場合の中間的な状態となり、外加熱コイル39のインダクタンス値は多少大きくなる。
なお、図示していないが、内加熱コイル38と外加熱コイル39も一部磁気結合しているため、内加熱コイル38と外加熱コイル39に流れる電流位相がずれるとお互いに磁束が打ち消しあう逆位相の電流成分が発生し、この電流成分は鍋の誘導加熱に働かないので、加熱効率の低下が生じる。
図4は、本実施の形態1に係る誘導加熱調理器の、内加熱コイル38及び外加熱コイル39に同時通電する際の駆動信号と、内加熱コイル負荷回路及び外加熱コイル負荷回路に印加される電圧について説明するものである。なお、詳細な説明は後述の図5〜図11で行う。
内加熱コイル負荷回路には共通アーム17の出力電圧と内加熱コイル用アーム18の出力電圧の差が印加される。また、外加熱コイル負荷回路には共通アーム17の出力電圧と外加熱コイル用アーム19の出力電圧の差が印加される。
図5は、図4から共通アーム17、内加熱コイル用アーム18及び内加熱コイル負荷回路に印加される電圧を抜粋したものである。
図6〜図8は、図5の(1)〜(3)の各区間における電流の様子を説明するものである。
図5に示す(1)の区間では、スイッチ21とスイッチ25がオン、スイッチ20とスイッチ26がオフとなっているので、図6の矢印で示すように電流が流れる。この向きを正方向とすると、内加熱コイル負荷回路には、正方向の電圧がかかっていることになる。
図5に示す(2)の区間では、スイッチ20とスイッチ25がともにオンとなっているため(図7参照)、内加熱コイル負荷回路の電圧は0となる。
図5に示す(3)の区間では、スイッチ21とスイッチ25がオフ、スイッチ20とスイッチ26がオンとなっているので、図8の矢印で示すように電流が流れる。これは図6とは逆方向であるので、内加熱コイル負荷回路には、負方向の電圧がかかっていることになる。
図9は、図4から共通アーム17、外加熱コイル用アーム19及び外加熱コイル負荷回路に印加される電圧を抜粋したものである。
図10と図11は、図9の(1)(2)の各区間における電流の様子を説明するものである。
図9に示す(1)の区間では、スイッチ21とスイッチ30がオン、スイッチ20とスイッチ31がオフとなっているので、図10の矢印で示すように電流が流れる。この向きを正方向とすると、外加熱コイル負荷回路には、正方向の電圧がかかっていることになる。
図9に示す(2)の区間では、スイッチ21とスイッチ30がオフ、スイッチ20とスイッチ31がオンとなっているので、図11の矢印で示すように電流が流れる。これは図10とは逆方向であるので、外加熱コイル負荷回路には、負方向の電圧がかかっていることになる。
図12は、アーム駆動信号間の位相差を制御することにより、加熱コイル負荷回路に印加される電圧実行値と位相を変化させる様子を説明するものである。
内加熱コイル負荷回路には先の図6で説明したように電圧が印加されるため、図12において、内加熱コイル用アーム18の駆動信号の位相の進みを大きくして両者の位相差を大きくすると(図12の矢印「位相の進みを大きくする」)、これにともなって電圧の変化タイミング、即ち位相が変化し、結果として電圧の位相も進むことになる(図12の矢印「電圧位相が進む」)。
さらには、図12の(1)(3)の区間が図5と比較して長くなり、0電圧である(2)の区間が短くなるため、電圧の実行値が大きくなる。
上記とは逆に、位相の進みを小さくする、即ち位相差を小さくすると、上記と逆の状態となり、電圧の位相が遅れ、電圧の実行値は小さくなる。
このように、共通アーム駆動信号と内加熱コイル用アーム駆動信号の位相差、共通アーム駆動信号と外加熱コイル用アーム駆動信号の位相差を制御することにより、内加熱コイル負荷回路と外加熱コイル負荷回路に印加される電圧実効値と位相を変化させることができる。
また、内加熱コイル用アーム駆動信号及び外加熱コイル用アーム駆動信号を、共通アーム駆動信号より進み位相で動作させるので、位相差が大きくなるほど内加熱コイル負荷回路あるいは外加熱コイル負荷回路に印加される出力電圧の実効値が大きくなるとともに電圧位相は進み、位相差が小さくなるほど負荷回路に印加される出力電圧の実効値が小さくなるとともに電圧位相は遅れることになる。
なお、中径鍋が載置された場合には、図3で述べたように内加熱コイル負荷回路より外加熱コイル負荷回路の共振周波数が低く、かつ、インピーダンスが大きくなるので、内加熱コイル負荷回路と外加熱コイル負荷回路に同一電圧を印加すると、外加熱コイル39に流れる電流は内加熱コイル38に流れる電流よりも位相が遅れ、電流実効値も小さくなり、鍋の加熱ムラも大きくなる。
このような場合には、図4の駆動信号のように内加熱コイル用アーム駆動信号の位相を外加熱コイル用アーム駆動信号の位相より遅らせることにより、内加熱コイル電流の位相を遅らせて外加熱コイル電流との位相差を小さくして加熱効率の低下を防いでいる。
また、このように制御することによって、内加熱コイル負荷回路に印加される電圧実効値よりも外加熱コイル負荷回路に印加される電圧実効値が大きくなるので、内加熱コイル電流と外加熱コイル電流の大きさの差が小さくなり、鍋の加熱ムラを抑制できる。
図13は、内加熱コイル38及び外加熱コイル39に同時通電する場合における、制御部44の出力制御処理のフローチャートである。
図13では、内加熱コイル用アーム18及び外加熱コイル用アーム19は共通アーム17よりも位相が進んだ状態で駆動されており、また、内加熱コイル38及び外加熱コイル39の上には図3(c)のような中径鍋が載置されているものとする。
(S1301)入力電流検出手段14および入力電圧検出手段15により検出した入力電流と入力電圧から入力電力を算出し、利用者が上面操作部7a又は前面操作部7bにより設定した設定電力と比較する。入力電力の方が大きい場合はS1302へ、設定電力の方が大きい場合はS1304へ、両者が等しい場合はS1301を再度実行する。
(S1302)各アーム駆動回路35〜37の出力する駆動信号の周波数が、規定の上限周波数より低いか否か判断する。上記駆動信号の周波数が規定の上限周波数より低い場合にはS1303へ、上限周波数以上であればS1306へ進む。
(S1303)各アーム駆動回路35〜37の出力する駆動信号の周波数を所定値だけ高くして入力電流を抑制する。
(S1304)各アーム駆動回路35〜37の出力する駆動信号の周波数が規定の下限周波数より高いか否か判断する。上記駆動信号の周波数が規定の下限周波数より高い場合にはS1305へ、規定の下限周波数以下であればS1306へ進む。
(S1305)各アーム駆動回路35〜37の出力する駆動信号の周波数を所定値だけ低くして入力電流を増加させる。
(S1306)内加熱コイル電流電流検出手段42と外加熱コイル電流検出手段43で検出した電流の位相を比較する。内加熱コイル電流の位相が進んでいる場合にはS1307へ、内加熱コイル電流の方が外加熱コイル電流よりも位相が遅れている場合にはS1311へ、両者の位相が等しい場合にはS1301へ進む。
(S1307)外加熱コイル用アームの駆動信号の位相を確認し、共通アームの駆動位相より180°進んでいればS1308へ、それ以外であればS1310へ進む。
(S1308)内加熱コイル用アームの駆動信号の位相を共通アームの駆動信号の位相と比較し、両者の位相差が規定の位相差下限値より大きいか否か判断する。両者の位相差が規定の位相差下限値より大きければS1309へ、規定の位相差下限値以下であればS1301へ進む。
(S1309)内加熱コイル用アームの駆動信号の位相を遅らせる。
(S1310)ステップS1307において、外加熱コイル用アーム駆動信号と共通アーム駆動信号の位相差が180°未満と判断した場合には、外加熱コイル用アーム駆動信号の位相を進める。
(S1311)内加熱コイル用アームの駆動位相を確認し、共通アームの駆動位相より180°進んでいればS1312へ、それ以外であればS1314へ進む。
(S1312)外加熱コイル用アームの駆動信号の位相を共通アームの駆動信号の位相と比較し、両者の位相差が規定の位相差下限値より大きいか否かを判断する。両者の位相差が規定の位相差下限値より大きければS1313へ、規定の位相差下限値以下であればS1301へ進む。
(S1313)外加熱コイル用アームの駆動信号位相を遅らせる。
(S1314)ステップS1311において、内加熱コイル用アーム駆動信号と共通アーム駆動信号の位相差が180°未満と判断した場合には、内加熱コイル用アーム駆動信号の位相を進める。
ここで、図13のステップS1308とステップS1312について、以下の通り補足する。
共通アーム駆動信号と内加熱コイル用アーム駆動信号との位相差、あるいは、共通アーム駆動信号と外加熱コイル用アーム駆動信号との位相差を小さくしていくと、負荷回路への印加電圧実効値が小さくなり、負荷回路に流れる負荷電流の大きさも小さくなる。
そうすると、スイッチング時において、各アームの一方のスイッチング素子がオフしてから他方のスイッチング素子がオンするまでのデッドタイムの間に、負荷電流により行われるスナバコンデンサの充電あるいは放電が不十分となるため、スイッチング素子のオン時にスナバコンデンサを経由して過大電流が流れ、スイッチング損失が大きくなる。
そこで、共通アーム駆動信号と内加熱コイル用アーム駆動信号との位相差、及び共通アーム駆動信号と外加熱コイル用アーム駆動信号との位相差を、ステップS1308とステップS1312で判定して所定値以上に保つことにより、スナバコンデンサを経由した過大電流を抑制している。
次に、2本のアームのみを駆動することにより、一方の加熱コイルのみに通電を行うように制御する場合の動作を説明する。
図14は、図3(b)のような小径鍋46bが載置されている場合に、内加熱コイル38に流れる電流により発生する磁束を説明する図である。
図14に示すように、内加熱コイル38に流れる電流により生じた磁束47は、内加熱コイル38上方に載置された小径鍋46bの鍋底と鎖交し、鍋底に誘導渦電流を生起するとともに、一部の磁束47’は外加熱コイル39にも鎖交して外加熱コイルに誘導起電力を生じる。
外加熱コイル39に生じる誘導起電力の向きは、内加熱コイル38と外加熱コイル39が同一周回方向に巻回されているように接続されているので、内加熱コイル38に生じる逆起電力と同位相となり、内加熱コイルと外加熱コイルの相互インダクタンス値をMとすると、その値は下式で求められる。
誘導起電力=Mdi/dt(iは内加熱コイル電流)・・・(式1)
図15は、共通アーム17と内加熱コイル用アーム18の2アームを同時駆動して、内加熱コイル単独に通電する場合のアーム駆動信号と、内加熱コイル38に印加される電圧波形及び内加熱コイル38に流れる電流波形を示す図である。
図15に示すように、内加熱コイル負荷回路には、共通アームの出力電圧と内加熱コイル用アームの出力電圧の差が印加される。
共通アーム駆動信号と内加熱コイル用アーム駆動信号の位相は略逆位相で固定し、加熱出力の調整は駆動周波数を制御することにより行う。
この駆動信号は内加熱コイル38とその共振コンデンサ40からなる内加熱コイル負荷回路の共振周波数よりも高い周波数を用いるので、内加熱コイル38に流れる電流は、図15に示したように内加熱コイル負荷回路に印加される電圧より遅れ位相で流れることになる。
図16は、図15の(1)の区間における、図2の回路に流れる電流及び電位の様子を説明するものである。
図15の(1)の区間(共通アームの下スイッチがオン、内加熱コイル用アームの上スイッチがオンしている期間)では、内加熱コイル負荷回路に共通アーム17の出力点電位を基準として直流母線電圧(V)が印加され、その期間の大半で共通アーム17へ流れ込む電流(i)が増加する。即ち、共通アーム17から流れ出す方向を正方向とすると、この区間においてはdi/dt<0となる。
従って、外加熱コイル39に誘導される電圧は、
Mdi/dt<0・・・(式2)
であるため、外加熱コイル39とその共振コンデンサ41の接続点電位は、
0(共通アーム出力点電位)−Mdi/dt>0(負側母線電位)・・・(式3)
となる。
図17は、図15の(2)の区間における、図2の回路に流れる電流及び電位の様子を説明するものである。
図15の(2)の区間(共通アームの上スイッチがオン、内加熱コイル用アームの下スイッチがオンしている期間)では、内加熱コイル負荷回路に共通アーム出力点電位を基準として負の直流母線電圧(−V)が印加され、その期間の大半で共通アームから流れ出す電流(i)が増加する。即ち、共通アーム17から流れ出す方向を正方向とすると、この区間においてはdi/dt>0となる。
従って、外加熱コイル39に誘導される電圧は、
Mdi/dt>0・・・(式4)
であるため、外加熱コイル39とその共振コンデンサ41の接続点電位は、
V(共通アーム出力点電位)−Mdi/dt<V(正側母線電位)・・・(式5)
となる。
以上のように、共通アーム17の上下スイッチング素子が駆動され、その出力電位が正母線電位(V)と負母線電位(0)間で変動する場合、外加熱コイル用アーム出力点電位は大半の期間、負母線電位〜正母線電位の範囲(共振コンデンサ40の充電電荷は無いものとする)となるので、外加熱コイル用アームの上ダイオード32及び下ダイオード33は導通せず、外加熱コイル39に誘導電流が殆んど流れず、内加熱コイル電流のみによる鍋底の加熱を行うことができる。
図18は、内加熱コイルのみに通電する場合の加熱制御処理のフローチャートである。
(S1801)外加熱コイル用アーム19への駆動信号を停止する。
(S1802)共通アームと内加熱コイル用アームへの駆動信号の位相を逆位相に固定する。
(S1803)入力電流検出手段14及び入力電圧検出手段15により検出した電流値と電圧値から入力電力を算出し、利用者が上面操作部7a又は前面操作部7bにより設定した設定電力と比較する。入力電力の方が大きい場合はS1806へ、設定電力の方が大きい場合はS1804へ、両者が等しい場合はS1803を再度実行する。
(S1804)各アーム駆動回路35、36の出力する駆動信号の周波数が規定の下限周波数より高いか否か判断する。規定の下限周波数より高い場合はS1806へ、規定の下限周波数以下の場合はS1803へ進む。
(S1805)各アーム駆動回路35、36の出力する駆動信号の周波数を所定値だけ下げて加熱出力を大きくし、S1803に進む。
(S1806)各アーム駆動回路35、36の出力する駆動信号の周波数が規定の上限周波数より低いか否か判断する。規定の上限周波数より低い場合はS1807へ、規定の上限周波数以上の場合はS1803へ進む。
(S1807)各アーム駆動回路35、36の出力する駆動信号の周波数を所定値だけ上げて加熱出力を小さくして、S1803に進む。
なお、内加熱コイル38及び外加熱コイル39の同時通電と、内加熱コイル単独通電とを切り替える場合、その切り換えは上面操作部7a又は前面操作部7bからの指示入力で行ってもよいし、各アームへの駆動信号と各加熱コイルに流れる電流の関係から自動的に切り替えるようにしてもよい。
自動的に切り替える例としては、例えば、内加熱コイル電流と外加熱コイル電流の位相差調整のための内加熱コイル用アーム駆動信号と外加熱コイル用アーム駆動信号の位相差が所定値を超えた場合に、一方のアームへの駆動信号を停止する等とすることができる。
以上のように、本実施の形態1に係る誘導加熱調理器によれば、
直流電圧を変換して交流電圧を供給するインバータと、
前記インバータを駆動制御して出力を調整する制御手段を備え、
前記インバータは、2個直列に接続したスイッチング素子をそれぞれ有する共通アーム、第1の加熱コイル用アーム及び第2の加熱コイル用アームを有し、
前記共通アームと前記第1の加熱コイル用アームの間には第1の加熱コイルが接続され、前記共通アームと前記第2の加熱コイル用アームの間には第2の加熱コイルが接続されており、
前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルは、内側と外側のいずれかにそれぞれ位置して同心円状に配設され、前記共通アームから流れ出る電流の周回方向が同じ向きになるように接続されており、
前記制御手段は、
前記全てのアームを駆動するか、又は前記共通アームといずれか1つの前記加熱コイル用アームとを駆動制御するので、
大径鍋に対しては、3本のアームを同時に駆動することにより、共通アームと内加熱コイル用アームおよび外加熱コイル用アーム間に接続した内加熱コイルと外加熱コイルに同じ向き電流が流れるように制御して、通電する加熱コイルを時分割で切り替えることなく大径鍋の鍋底全体を加熱することができるので、時分割で内加熱コイルと外加熱コイルとを切り替えて電流を流す場合と比較して、各加熱コイルに流すコイル電流のピーク電流が小さくなり、個々の加熱コイルや共振コンデンサに発生する発熱量やピーク電圧が小さくなり、加熱効率の低下を防止することができる。
また、共通アームと内加熱コイル用アームのみ、または、共通アームと外加熱コイル用アームのみを駆動する場合には、共通アームから流れ出る電流の周回方向が内加熱コイルと外加熱コイルで同じ向きになるように接続しているので、電圧を印加していない加熱コイルに高周波電圧を印加している加熱コイル電流による誘導電流が流れ難く、効率の低下を防止することができる。
さらに、小径鍋に対して内加熱コイルのみに高周波電圧を印加した場合には、外加熱コイルに殆んど誘導電流が流れないので、漏洩磁束も抑制することができる。
また、前記制御手段が、前記全てのアームを駆動制御する際には、
前記共通アームと前記第1の加熱コイル用アーム間の駆動位相差、又は前記共通アームと前記第2の加熱コイル用アーム間の駆動位相差の少なくとも一方を制御し、前記インバータ出力を調整するので、
内加熱コイル負荷回路と外加熱コイル負荷回路に印加される電圧実効値と位相を変化させることができ、加熱効率の低下を防ぎつつ、加熱出力の調整を行うことができる。
また、前記制御手段は、
前記第1の加熱コイル用アーム及び前記第2の加熱コイル用アームの駆動位相を、前記共通アームの駆動位相よりも、所定の進み位相差以上の進み位相で駆動するように制御するので、
位相差が大きくなるほど、内加熱コイル負荷回路あるいは外加熱コイル負荷回路に印加される出力電圧の実効値を大きくすることができる。
また、前記制御手段は、
前記第1の加熱コイルの電流位相と前記第2の加熱コイルの電流位相のいずれか一方が他方より進んでいる際には、
当該遅れている方の加熱コイル用アームの駆動位相を進めるように制御するので、
両加熱コイル電流間の位相差を小さくして加熱効率の低下を防ぐことができる。また、両加熱コイル電流の大きさの差が小さくなり、鍋の加熱ムラを抑制できる。
また、前記制御手段は、
前記第1の加熱コイルの電流位相と前記第2の加熱コイルの電流位相のいずれか一方が他方より進んでいる際には、
当該進んでいる方の加熱コイル用アームの駆動位相を前記共通アームの駆動位相と比較し、両者の位相差が所定の下限値より大きければ、当該進んでいる方の加熱コイル用アームの駆動位相を遅らせるように制御するので、
加熱コイル用アームの駆動位相と共通アームの駆動位相の位相差を所定値以上に保ちつつ、両加熱コイル電流間の位相差を小さくして加熱効率の低下を防ぐとともに、両加熱コイル電流の大きさの差を小さくして、鍋の加熱ムラを抑制することができる。
また、前記制御手段が、前記共通アームといずれか1つの前記加熱コイル用アームを駆動制御する際には、
前記共通アームの駆動位相と、当該いずれか1つの前記加熱コイル用アームの駆動位相間の位相差を略逆位相に固定し、
駆動周波数を調整することにより前記インバータ出力を制御するので、
駆動制御していない加熱コイル用アームの上下ダイオードは導通せず、当該加熱コイル用アームに接続された加熱コイルには電流が流れず、駆動制御する加熱コイル用アームに接続された加熱コイルのみによる加熱調理を行うことができる。
実施の形態2.
実施の形態1に係る誘導加熱調理器は、内加熱コイル用アーム駆動信号及び外加熱コイル用アーム駆動信号の位相を、共通アーム駆動信号の位相より進めるように制御するものである。
本実施の形態2に係る誘導加熱調理器は、共通アーム駆動信号の位相を外加熱コイル用アーム駆動信号及び内加熱コイル用アーム駆動信号の位相より進めるように制御するものである。
なお、外観図および回路構成図は、実施の形態1の図1、図2と同様であるため、説明を省略する。
図19は、本実施の形態2に係る誘導加熱調理器の、内加熱コイル38及び外加熱コイル39に同時通電する際の駆動信号と、内加熱コイル負荷回路及び外加熱コイル負荷回路に印加される電圧について説明するものである。
内加熱コイル用アーム及び外加熱コイル用アームへの駆動信号と、共通アームへの駆動信号の位相差により生じる電圧が、内加熱コイル負荷回路及び外加熱コイル負荷回路に印加され、内加熱コイルと外加熱コイルに同時通電される。
図20は、図19から共通アーム17、内加熱コイル用アーム18及び内加熱コイル負荷回路に印加される電圧を抜粋したものである。
図21と図22は、図20の(1)(2)の各区間における電流の様子を説明するものである。
図20に示す(1)の区間では、スイッチ21とスイッチ25がオン、スイッチ20とスイッチ26がオフとなっているので、図21の矢印で示すように電流が流れる。この向きを正方向とすると、外加熱コイル負荷回路には、正方向の電圧がかかっていることになる。
図20に示す(2)の区間では、スイッチ21とスイッチ25がオフ、スイッチ20とスイッチ26がオンとなっているので、図22の矢印で示すように電流が流れる。これは図21とは逆方向であるので、内加熱コイル負荷回路には、負方向の電圧がかかっていることになる。
図23は、図20から共通アーム17、外加熱コイル用アーム19及び外加熱コイル負荷回路に印加される電圧を抜粋したものである。
図24〜図26は、図23の(1)〜(3)の各区間における電流の様子を説明するものである。
図23に示す(1)の区間では、スイッチ21とスイッチ30がオン、スイッチ20とスイッチ31がオフとなっているので、図24の矢印で示すように電流が流れる。この向きを正方向とすると、外加熱コイル負荷回路には、正方向の電圧がかかっていることになる。
図23に示す(2)の区間では、スイッチ20とスイッチ30がともにオンとなっているため(図25参照)、内加熱コイル負荷回路の電圧は0となる。
図23に示す(3)の区間では、スイッチ21とスイッチ30がオフ、スイッチ20とスイッチ31がオンとなっているので、図26の矢印で示すように電流が流れる。これは図24とは逆方向であるので、外加熱コイル負荷回路には、負方向の電圧がかかっていることになる。
図27は、アーム駆動信号間の位相差を制御することにより、加熱コイル負荷回路に印加される電圧実行値と位相を変化させる様子を説明するものである。
外加熱コイル負荷回路には先の図23で説明したように電圧が印加されるため、図27において、外加熱コイル用アーム19の駆動信号の位相の遅れを大きくして両者の位相差を大きくすると(図27の矢印「位相の遅れを大きくする」)、これにともなって電圧の変化タイミング、即ち位相が変化し、結果として電圧の位相も遅れることになる(図27の矢印「電圧位相が遅れる」)。
さらには、図27の(1)(3)の区間が図20と比較して長くなり、0電圧である(2)の区間が短くなるため、電圧の実行値が大きくなる。
上記とは逆に、位相の遅れを小さくする、即ち位相差を小さくすると、上記と逆の状態となり、電圧の位相が進み、電圧の実行値は小さくなる。
このように、内加熱コイル用アーム駆動信号及び外加熱コイル用アーム駆動信号を、共通アーム駆動信号より遅れ位相で動作させるので、内加熱コイル用アーム駆動信号と共通アーム駆動信号の位相差や、外加熱コイル用アーム駆動信号と共通アーム駆動信号の位相差が大きくなるほど、内加熱コイル負荷回路や外加熱コイル負荷回路に印加される電圧実効値が大きくなるとともに電圧位相は遅れ、位相差が小さくなるほど印加される電圧実効値が小さくなるとともに電圧位相は進む。
なお、中径鍋が載置された場合には、外加熱コイル負荷回路の共振周波数が低くなり、外加熱コイル39に流れる電流位相が内加熱コイル38に流れる電流位相より遅れ気味になる。
このような場合には、図19に示したように、外加熱コイル用アーム駆動信号の位相を、内加熱コイル用アーム駆動信号の位相より進めて、内加熱コイル38に流れる電流と外加熱コイル39に流れる電流の位相差が小さくなるように制御する。
その結果、鍋と磁気結合が小さい外加熱コイル39への印加電圧が小さくなり、外加熱コイル39に流れる電流が一層小さくなるため、鍋底と鎖交しない漏れ磁束が抑制されることになる。
図28は、内加熱コイル38及び外加熱コイル39に同時通電する場合における、制御部44の出力制御処理のフローチャートである。
ステップS2801〜ステップS2805は、図13のステップS1301〜ステップS1305と同様であるため、説明を省略する。
(S2806)内加熱コイル電流検出手段42と外加熱コイル電流検出手段43で検出した電流の位相を比較する。内加熱コイル電流の位相が進んでいる場合にはS2807へ、内加熱コイル電流の方が外加熱コイル電流よりも位相が遅れている場合にはS2811へ、両者の位相が等しい場合にはS2801へ進む。
(S2807)内加熱コイル用アームの駆動信号の位相を確認し、共通アームの駆動位相より180°進んでいればS2808へ、それ以外であればS2810へ進む。
(S2808)外加熱コイル用アームの駆動信号の位相を共通アームの駆動信号の位相と比較し、両者の位相差が規定の位相差下限値より大きいか否か判断する。両者の位相差が規定の位相差下限値より大きければS2809へ、規定の位相差下限値以下であればS2801へ進む。
(S2809)外加熱コイル用アーム駆動信号の位相を所定値進める。
(S2810)ステップS2807において、内加熱コイル用アーム駆動信号と共通アーム駆動信号の位相差が180°未満と判断した場合には、内加熱コイル用アーム駆動信号の位相を所定値遅らせる。
(S2811)外加熱コイル用アームの駆動位相を確認し、共通アームの駆動位相より180°進んでいればS2812へ、それ以外であればS2814へ進む。
(S2812)内加熱コイル用アームの駆動信号の位相を共通アームの駆動信号の位相と比較し、両者の位相差が規定の位相差下限値より大きいか否かを判断する。両者の位相差が規定の位相差下限値より大きければS2813へ、規定の位相差下限値以下であればS2801へ進む。
(S2813)内加熱コイル用アームの駆動信号位相を所定値進める。
(S2814)ステップS2811において、外加熱コイル用アーム駆動信号と共通アーム駆動信号の位相差が180°未満と判断した場合には、外加熱コイル用アーム駆動信号の位相を所定値遅らせる。
ここで、図28のステップS2808とステップS2812について、以下の通り補足する。
共通アーム駆動信号と内加熱コイル用アーム駆動信号との位相差、あるいは、共通アーム駆動信号と外加熱コイル用アーム駆動信号との位相差が小さくなると、負荷回路に流れる電流が小さくなり、また、共通アーム17の上スイッチ20及び下スイッチ21をスイッチングして出力電圧を変化させる前に負荷回路電流に転流が生じたりして、スナバコンデンサを介した過大電流によるスイッチング損失発生するため、ステップS2808及びステップS2812で共通アーム17と内加熱コイル用アーム18及び外加熱コイル用アーム19の出力電圧の位相差を所定値以上に保っている。
以上述べた実施の形態1〜2では、内加熱コイル用アームの駆動信号と外加熱コイル用アームの駆動信号を、共通アーム用駆動信号の駆動信号との位相差により別個に制御する例を示したが、内加熱コイル用アームと外加熱コイル用アームを同位相で制御する、より簡便な制御方法を用いることもできる。
図29は、本実施の形態2に係るIHクッキングヒーター1の誘導加熱部の、別の回路構成図である。
図29に示すように共通アームに流れる電流検出手段51を設け、その検出電流が所定値以下で設定された入力電力になるように内加熱コイル用アーム用駆動信号と外加熱コイル用アーム無駆動信号を同一位相で制御すれば、内加熱コイル電流と外加熱コイル電流の位相差を抑制した場合と比較して加熱効率は多少低下するが、簡便な制御が可能となる。
また、以上述べた実施の形態1〜2では、内加熱コイルと外加熱コイルの同時通電モードと内加熱コイル単独通電モードを切り換える例を示したが、外加熱コイル単独通電モードを設け、調理メニューに応じて内・外コイル同時通電、内加熱コイル単独通電、外加熱コイル単独通電を切り替えるようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態2に係る誘導加熱調理器によれば、
前記制御手段は、
前記第1の加熱コイル用アーム及び前記第2の加熱コイル用アームの駆動位相を、前記共通アームの駆動位相よりも、所定の遅れ位相差以上の遅れ位相で駆動するように制御するので、
位相差が大きくなるほど、内加熱コイル負荷回路あるいは外加熱コイル負荷回路に印加される出力電圧の実効値を大きくすることができる。
また、前記制御手段は、
前記第1の加熱コイルの電流位相と前記第2の加熱コイルの電流位相のいずれか一方が他方より進んでいる際には、
当該進んでいる方の加熱コイル用アームの駆動位相を遅らせるように制御するので、
両加熱コイル電流間の位相差を小さくして、鍋と磁気結合の小さい加熱コイルへの印加電圧実効値を小さくでき、鍋外への漏洩磁束を低減させることができる。さらには、鍋との磁気結合が大きい加熱コイルに流れる電流の比率が高くなるので、加熱効率を改善できる。
また、前記制御手段は、
前記第1の加熱コイルの電流位相と前記第2の加熱コイルの電流位相のいずれか一方が他方より進んでいる際には、
当該遅れている方の加熱コイル用アームの駆動位相を前記共通アームの駆動位相と比較し、両者の位相差が所定の下限値より大きければ、当該遅れている方の加熱コイル用アームの駆動位相を進めるように制御するので、
加熱コイル用アームの駆動位相と共通アームの駆動位相の位相差を所定値以上に保ちつつ、両加熱コイル電流間の位相差を小さくして、鍋と磁気結合の小さい加熱コイルへの印加電圧実効値を小さくでき、鍋外への漏洩磁束を低減させることができる。さらには、鍋との磁気結合が大きい加熱コイルに流れる電流の比率が高くなるので、加熱効率を改善できる。
本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の外観図である。 IHクッキングヒーター1の誘導加熱部の回路構成図である。 実施の形態1における加熱コイル電流による磁束と鍋の位置関係を説明する図である。 アーム駆動信号と、内加熱コイル負荷回路及び外加熱コイル負荷回路に印加される電圧について説明するものである。 図4から共通アーム17、内加熱コイル用アーム18及び内加熱コイル負荷回路に印加される電圧を抜粋したものである。 図5の(1)の区間において、図2の回路に流れる電流の様子を説明するものである。 図5の(2)の区間において、図2の回路に流れる電流の様子を説明するものである。 図5の(3)の区間において、図2の回路に流れる電流の様子を説明するものである。 図4から共通アーム17、外加熱コイル用アーム19及び外加熱コイル負荷回路に印加される電圧を抜粋したものである。 図9の(1)の区間において、図2の回路に流れる電流の様子を説明するものである。 図9の(2)の区間において、図2の回路に流れる電流の様子を説明するものである。 アーム駆動信号間の位相差を制御することにより、加熱コイル負荷回路に印加される電圧実行値と位相を変化させる様子を説明するものである。 内加熱コイル38及び外加熱コイル39に同時通電する場合における、制御部44の出力制御処理のフローチャートである。 図3(b)のような小径鍋46bが載置されている場合に、内加熱コイル38に流れる電流により発生する磁束を説明する図である。 アーム駆動信号と、内加熱コイル38に印加される電圧波形及び内加熱コイル38に流れる電流波形を示す図である。 図15の(1)の区間における、図2の回路に流れる電流及び電位の様子を説明するものである。 図15の(2)の区間における、図2の回路に流れる電流及び電位の様子を説明するものである。 内加熱コイルのみに通電する場合の加熱制御処理のフローチャートである。 アーム駆動信号と、内加熱コイル負荷回路及び外加熱コイル負荷回路に印加される電圧について説明するものである。 図19から共通アーム17、内加熱コイル用アーム18及び内加熱コイル負荷回路に印加される電圧を抜粋したものである。 図20の(1)の各区間における電流の様子を説明するものである。 図20の(2)の各区間における電流の様子を説明するものである。 図20から共通アーム17、外加熱コイル用アーム19及び外加熱コイル負荷回路に印加される電圧を抜粋したものである。 図23の(1)の区間における電流の様子を説明するものである。 図23の(2)の区間における電流の様子を説明するものである。 図23の(3)の区間における電流の様子を説明するものである。 アーム駆動信号間の位相差を制御することにより、加熱コイル負荷回路に印加される電圧実行値と位相を変化させる様子を説明するものである。 内加熱コイル38及び外加熱コイル39に同時通電する場合における、制御部44の出力制御処理のフローチャートである。 実施の形態3の誘導加熱部の回路構成図である。
符号の説明
1 IHクッキングヒータ、2 本体、3 トッププレート、4 枠体、5a 左ヒータ加熱部、5b 右ヒータ加熱部、5c 中央ヒータ加熱部、6 両面焼きロースター、7a 上面操作部、7b 前面操作部、8a 天面表示部、8b 前面表示部、9 交流電源、10 直流電源回路、11 ダイオードブリッジ、12 リアクトル、13 平滑コンデンサ、14 入力電流検出手段、15 入力電圧検出手段、16 インバータ回路、17 共通アーム、18 内加熱コイル用アーム、19 外加熱コイル用アーム、20 上スイッチ、22 上ダイオード、23 下ダイオード、24 スナバコンデンサ、25 上スイッチ、26 下スイッチ、27 上ダイオード、28 下ダイオード、29 スナバコンデンサ、30 上スイッチ、31 下スイッチ、32 上ダイオード、33 下ダイオード、34 スナバコンデンサ、35 共通アーム駆動回路、36 内加熱コイル用アーム駆動回路、37 外加熱コイル用アーム駆動回路、38 内加熱コイル、39 外加熱コイル、40 内加熱コイル用共振コンデンサ、41 外加熱コイル用共振コンデンサ、42 内加熱コイル電流検出手段、43 外加熱コイル電流検出手段、44 制御部、45 フェライト、46a 大径鍋、46b 小径鍋、46c 中径鍋、47 内加熱コイル電流による磁束、48 誘導渦電流による磁束、49 内加熱コイル電流による磁束、50 誘導渦電流による磁束、51 共通アーム電流検出手段。

Claims (5)

  1. 直流電圧を変換して交流電圧を供給するインバータと、
    前記インバータを駆動制御して出力を調整する制御手段を備え、
    前記インバータは、2個直列に接続したスイッチング素子をそれぞれ有する共通アーム、第1の加熱コイル用アーム及び第2の加熱コイル用アームを有し、
    前記共通アームと前記第1の加熱コイル用アームの間には第1の加熱コイルが接続され、前記共通アームと前記第2の加熱コイル用アームの間には第2の加熱コイルが接続されており、
    前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルは、内側と外側のいずれかにそれぞれ位置して同心円状に配設され、前記共通アームから流れ出る電流の周回方向が同じ向きになるように接続されており、
    前記制御手段は、
    前記全てのアームを駆動制御するか、又は前記共通アームといずれか1つの前記加熱コイル用アームとを駆動制御するものであり、
    前記全てのアームを駆動制御する際には、前記共通アームと前記第1の加熱コイル用アーム間の駆動位相差、又は前記共通アームと前記第2の加熱コイル用アーム間の駆動位相差の少なくとも一方を制御することで前記インバータ出力を調整し、
    前記第1の加熱コイル用アーム及び前記第2の加熱コイル用アームの駆動位相を、前記共通アームの駆動位相よりも進み位相で駆動し、
    前記第1の加熱コイルの電流位相と前記第2の加熱コイルの電流位相のいずれか一方が他方より進んでいる際には、当該遅れている方の加熱コイル用アームの駆動位相を進めるように制御することを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 直流電圧を変換して交流電圧を供給するインバータと、
    前記インバータを駆動制御して出力を調整する制御手段を備え、
    記インバータは、2個直列に接続したスイッチング素子をそれぞれ有する共通アーム、第1の加熱コイル用アーム及び第2の加熱コイル用アームを有し、
    前記共通アームと前記第1の加熱コイル用アームの間には第1の加熱コイルが接続され、前記共通アームと前記第2の加熱コイル用アームの間には第2の加熱コイルが接続されており、
    前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルは、内側と外側のいずれかにそれぞれ位置して同心円状に配設され、前記共通アームから流れ出る電流の周回方向が同じ向きになるように接続されており、
    前記制御手段は、
    前記全てのアームを駆動制御するか、又は前記共通アームといずれか1つの前記加熱コイル用アームとを駆動制御するものであり、
    前記全てのアームを駆動制御する際には、前記共通アームと前記第1の加熱コイル用アーム間の駆動位相差、又は前記共通アームと前記第2の加熱コイル用アーム間の駆動位相差の少なくとも一方を制御することで前記インバータ出力を調整し、
    前記第1の加熱コイル用アーム及び前記第2の加熱コイル用アームの駆動位相を、前記共通アームの駆動位相よりも進み位相で駆動し、
    前記第1の加熱コイルの電流位相と前記第2の加熱コイルの電流位相のいずれか一方が他方より進んでいる際には、当該進んでいる方の加熱コイル用アームの駆動位相を前記共通アームの駆動位相と比較し、両者の位相差が所定の下限値より大きければ、当該進んでいる方の加熱コイル用アームの駆動位相を遅らせるように制御することを特徴とする誘導加熱調理器。
  3. 直流電圧を変換して交流電圧を供給するインバータと、
    前記インバータを駆動制御して出力を調整する制御手段を備え、
    前記インバータは、2個直列に接続したスイッチング素子をそれぞれ有する共通アーム、第1の加熱コイル用アーム及び第2の加熱コイル用アームを有し、
    前記共通アームと前記第1の加熱コイル用アームの間には第1の加熱コイルが接続され、前記共通アームと前記第2の加熱コイル用アームの間には第2の加熱コイルが接続されており、
    前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルは、内側と外側のいずれかにそれぞれ位置して同心円状に配設され、前記共通アームから流れ出る電流の周回方向が同じ向きになるように接続されており、
    前記制御手段は、
    前記全てのアームを駆動制御するか、又は前記共通アームといずれか1つの前記加熱コイル用アームとを駆動制御するものであり、
    前記全てのアームを駆動制御する際には、前記共通アームと前記第1の加熱コイル用アーム間の駆動位相差、又は前記共通アームと前記第2の加熱コイル用アーム間の駆動位相差の少なくとも一方を制御することで前記インバータ出力を調整し、
    前記第1の加熱コイル用アーム及び前記第2の加熱コイル用アームの駆動位相を、前記共通アームの駆動位相よりも遅れ位相で駆動し、
    前記第1の加熱コイルの電流位相と前記第2の加熱コイルの電流位相のいずれか一方が他方より進んでいる際には、当該進んでいる方の加熱コイル用アームの駆動位相を遅らせるように制御することを特徴とする誘導加熱調理器。
  4. 直流電圧を変換して交流電圧を供給するインバータと、
    前記インバータを駆動制御して出力を調整する制御手段を備え、
    前記インバータは、2個直列に接続したスイッチング素子をそれぞれ有する共通アーム、第1の加熱コイル用アーム及び第2の加熱コイル用アームを有し、
    前記共通アームと前記第1の加熱コイル用アームの間には第1の加熱コイルが接続され、前記共通アームと前記第2の加熱コイル用アームの間には第2の加熱コイルが接続されており、
    前記第1の加熱コイルと前記第2の加熱コイルは、内側と外側のいずれかにそれぞれ位置して同心円状に配設され、前記共通アームから流れ出る電流の周回方向が同じ向きになるように接続されており、
    前記制御手段は、
    前記全てのアームを駆動制御するか、又は前記共通アームといずれか1つの前記加熱コイル用アームとを駆動制御するものであり、
    前記全てのアームを駆動制御する際には、前記共通アームと前記第1の加熱コイル用アーム間の駆動位相差、又は前記共通アームと前記第2の加熱コイル用アーム間の駆動位相差の少なくとも一方を制御することで前記インバータ出力を調整し、
    前記第1の加熱コイル用アーム及び前記第2の加熱コイル用アームの駆動位相を、前記共通アームの駆動位相よりも遅れ位相で駆動し、
    前記第1の加熱コイルの電流位相と前記第2の加熱コイルの電流位相のいずれか一方が他方より進んでいる際には、当該遅れている方の加熱コイル用アームの駆動位相を前記共通アームの駆動位相と比較し、両者の位相差が所定の下限値より大きければ、当該遅れている方の加熱コイル用アームの駆動位相を進めるように制御することを特徴とする誘導加熱調理器。
  5. 前記制御手段が、前記共通アームといずれか1つの前記加熱コイル用アームを駆動制御する際には、
    前記共通アームの駆動位相と、当該いずれか1つの前記加熱コイル用アームの駆動位相間の位相差を略逆位相に固定し、
    駆動周波数を調整することにより前記インバータ出力を制御することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
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