JP4450233B2 - 内燃機関の排気空燃比推定装置 - Google Patents

内燃機関の排気空燃比推定装置 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の排気空燃比推定装置に係り、詳しくは内燃機関の燃料カット終了後燃料復帰時における排気空燃比の推定技術に関する。
内燃機関の排気通路に配設される触媒(三元触媒等)は、酸化雰囲気中(リーン空燃比雰囲気中)に酸素を吸蔵するとともに還元雰囲気中(リッチ空燃比雰囲気中)に吸蔵した酸素を放出し消費する酸素ストレージ機能を有しており、当該酸素ストレージ機能により還元雰囲気中であっても排気中のHC、COを酸化可能であるとともに酸化雰囲気中であっても排気中のNOxの生成を抑制することが可能であり、高い排気浄化性能を発揮可能である。
ところで、このような触媒において排気浄化効率を常に良好な状態に維持するためには、触媒の酸素ストレージ状態を常時把握しておくことが必要であり、そのためには内燃機関に供給される燃料混合気の空燃比(燃焼空燃比)、ひいては触媒に流入する排ガスの空燃比(排気空燃比)を検出して酸素の吸蔵度合いと放出度合いとを監視することが要求される。
特に、近年では、減速時等において内燃機関の各気筒への燃料供給を停止し、所謂燃料カットを行う車両が増加しており、このような車両では、燃料カット中に酸素ストレージ機能によって多くの酸素が触媒に吸蔵され、燃料カット状態から燃料供給状態へと復帰するときにおいて当該吸蔵された酸素が障害となりNOxを十分に浄化できないため、一時的に排気空燃比をリッチ化して当該吸蔵された酸素を速やかに消費するようにしているのであるが(特許文献1参照)、この際、酸素消費後の触媒の酸素ストレージ状態を適切に把握するためには、排気空燃比を精確に検出する必要がある。
排気空燃比を精確に検出するためには、触媒上流の排気空燃比を検出するのがよく、上記特許文献1に示されるように、一般には触媒上流にリニア空燃比センサを配設し、排気空燃比値を当該リニア空燃比センサでリニアに検出するようにしている。
特開2003−254130号公報
しかしながら、上記リニア空燃比センサは、排気空燃比値をリニアに検出することができるものの、排気中の酸素分圧がほぼ0となる理論空燃比で出力が反転するOセンサに比べると非常に高価であり、コストアップにつながり好ましいことではない。
一方、比較的安価なOセンサでは、理論空燃比近傍の狭い範囲でしか排気空燃比を検出できず実用的ではない。
そこで、例えば燃焼空燃比を推定し、当該燃焼空燃比に基づいて排気空燃比を推定することが考えられるが、燃料カットからの燃料復帰直後には、内燃機関の燃焼室内は既燃ガスが存在する通常の運転時と異なりほぼ100%新気のみが充填された状態となっており、燃焼空燃比をいかに精度よく推定し、排気空燃比をいかに精度よく推定するかが課題となる。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、リニア空燃比センサを用いることなく燃料カットからの燃料復帰直後においても排気空燃比を精度よく推定することの可能な内燃機関の排気空燃比推定装置を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1の内燃機関の排気空燃比推定装置は、所定の燃料カット条件が成立すると筒内への燃料供給を停止して燃料カットを行う燃料カット手段と、前記燃料カット手段による燃料カットからの燃料復帰後の所定期間に亘り、筒内に供給される新気に対する理論空燃比相当の燃料供給制御指標に対し補正係数を乗算して筒内への供給燃料量を補正する供給燃料量補正手段と、前記補正係数に基づいて排気空燃比を推定する排気空燃比推定手段とを備え、前記排気空燃比推定手段は、吸気行程で筒内に新たに供給される新気割合を検出する新気割合検出手段を含み、前記所定期間のうち各気筒の初回燃焼に相当する期間、前記新気割合検出手段により検出された新気割合と該新気割合に筒内残留新気割合を加えた筒内全新気割合との比に基づき前記補正係数を筒内全新気割合に応じた値に変換し、該変換した変換補正係数に基づいて排気空燃比を推定することを特徴とする。
請求項2の内燃機関の排気空燃比推定装置では、請求項1において、前記新気割合検出手段は、吸気圧に応じて変化する筒内残留気体割合に基づき該筒内残留気体以外の部分の割合を新気割合として検出することを特徴とする。
請求項3の内燃機関の排気空燃比推定装置では、請求項1または2において、排気通路には酸素ストレージ機能を有した触媒が介装され、前記供給燃料量補正手段は、筒内の燃焼空燃比がリッチ空燃比側となるような補正係数を乗算して筒内への供給燃料量を補正することを特徴とする。
請求項4の内燃機関の排気空燃比推定装置では、請求項3において、前記排気空燃比推定手段は、理論空燃比を前記補正係数または前記変換補正係数で除した値を遅れフィルタ処理して排気空燃比を推定することを特徴とする。
請求項5の内燃機関の排気空燃比推定装置では、請求項4において、前記遅れフィルタ処理に使用するフィルタ係数は排気流量に応じて可変設定されるものであることを特徴とする。
上記手段を用いる本発明の請求項1の内燃機関の排気空燃比推定装置によれば、燃料カットからの燃料復帰後の所定期間は、筒内に新たに供給される新気割合に対する理論空燃比相当の燃料供給制御指標に対して補正係数を乗算して筒内への供給燃料量を補正し、この際、上記補正係数に基づいて燃焼空燃比ひいては排気空燃比を推定するようにしており、これによりリニア空燃比センサを設けることなく燃料カットからの燃料復帰後において排気空燃比を容易に推定することが可能である。
そしてさらに、所定期間のうち各気筒の初回燃焼に相当する期間は、筒内に燃料カット時に吸気された新気が残留していることに鑑み、筒内に新たに供給される新気割合と該新気割合に筒内残留新気割合を加えた筒内全新気割合との比に基づいて上記補正係数を当該筒内全新気割合に応じた値に変換し、当該変換補正係数に基づいて燃焼空燃比ひいては排気空燃比を推定するようにしているので、燃料カット終了後燃料復帰直後から排気空燃比を精度よく推定することができる。
請求項2の内燃機関の排気空燃比推定装置によれば、筒内残留気体割合(筒内残留既燃ガス割合)は吸気圧に応じて変化するものであることから、吸気圧に応じて筒内残留気体割合を求めることが可能であり、故に筒内に新たに供給される新気割合を筒内残留気体(筒内残留既燃ガス)以外の部分の割合として容易に検出することができる。
請求項3の内燃機関の排気空燃比推定装置によれば、燃料カット時には触媒の酸素ストレージ機能によって触媒に多量の酸素が吸蔵されるが、燃料カットからの燃料復帰後には筒内の燃焼空燃比がリッチ空燃比側となるような補正係数を乗算して筒内への供給燃料量を増量補正するようにしているので、燃料カットからの燃料復帰後において、触媒に吸蔵された酸素を良好に放出し消費しながら排気空燃比を精度よく推定することができる。
請求項4の内燃機関の排気空燃比推定装置によれば、理論空燃比を補正係数または変換補正係数で除した値を遅れフィルタ処理して排気空燃比を推定することにより、排気通路に設けた触媒入口における排気空燃比を排気の輸送遅れに起因する応答遅れを考慮して精度よく推定することができる。
これにより、リニア空燃比センサを設けることなく触媒の排気浄化効率を常に良好な状態に維持することが可能である。
請求項5の内燃機関の排気空燃比推定装置によれば、遅れフィルタ処理に使用するフィルタ係数を排気流量に応じて可変設定することにより、排気流量の増加による応答性の向上を考慮し、排気通路に設けた触媒入口における排気空燃比をより一層精度よく推定することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1を参照すると、本発明に係る内燃機関の排気空燃比推定装置の概略構成図が示されている。
エンジン1(内燃機関)は、例えば4気筒が直列に並んで構成され180°CA毎に等間隔で爆発する吸気管噴射型の4サイクル直列4気筒型エンジンであり、図1にはそのうちの1つの気筒についての縦断面が示されている。なお、他の気筒についても同様の構成をしているものとして図示及び説明を省略する。
図1に示すように、エンジン1はシリンダブロック2にシリンダヘッド4が載置されて構成されている。当該シリンダブロック2に形成されている気筒10内にはピストン12が上下摺動可能に嵌挿されている。当該ピストン12はコンロッド14を介してクランクシャフト16に連結されている。当該クランクシャフト16には、クランク角を検出するクランク角センサ18が設けられている。なお、クランク角センサ18からの情報に基づきエンジン回転速度Neを検出可能である。
また、気筒10上部のシリンダヘッド2下面とピストン12上面とで挟まれる部分には燃焼室20が形成されている。そして、シリンダヘッド2には燃焼室20内に電極部が臨むようにして点火プラグ22が設けられている。
また、シリンダヘッド2には、燃焼室20と連通し、エンジン1の幅方向一側に延びる吸気ポート24が形成されており、当該吸気ポート24内に臨むようにして、燃料噴射を行う燃料噴射弁26が設けられている。
また、シリンダヘッド2には、燃焼室20と連通し、エンジン1の幅方向他側に延びる排気ポート28が形成されている。
さらに、シリンダヘッド2には、燃焼室20と吸気ポート24、及び燃焼室20と排気ポート28との連通と遮断を行う吸気バルブ30及び排気バルブ32が設けられている。
また、エンジン1の一側には吸気ポート24と連通するように、吸気マニホールド(I/M)40が接続されており、当該吸気マニホールド40の一端には吸気管42が接続されている。
当該吸気管42内には、吸気量を調節するスロットルバルブ44が設けられており、その吸気上流側には吸気量Qを検出するエアフローセンサ(AFS)46が、スロットルバルブ44の吸気下流側には吸気マニホールド40に位置して吸気マニホールド40内の吸気圧(I/M圧)を検出するI/M圧センサ47がそれぞれ設けられている。また、当該吸気管42の端にはエアクリーナ48が設けられている。
一方、エンジン1の他側には排気ポート28と連通するように、排気マニホールド50が接続されており、当該排気マニホールド50の一端には排気管52が接続されている。
当該排気管52の排気下流側には排気浄化触媒54が設けられている。当該排気浄化触媒54は、例えば、HC、COを酸化し、NOxを還元する三元触媒である。当該三元触媒はPt等の貴金属を含んでおり、当該貴金属は酸化雰囲気(リーン空燃比)下で酸素を吸蔵するとともに還元雰囲気(リッチ空燃比)下で吸蔵した酸素を放出し消費する酸素ストレージ機能を有している。
また、当該エンジン1を搭載している車両にはアクセルペダルの操作量、即ちアクセル開度を検出するアクセルポジションセンサ(APS)58が設けられている。
そして、当該APS58、クランク角センサ18、点火プラグ22、燃料噴射弁26、スロットルバルブ44、AFS46、I/M圧センサ47等の各種装置や各種センサ類はECU(電子コントロールユニット)60と電気的に接続されており、当該ECU60は各種センサ類からの情報に基づき各種装置を作動制御する。
特に、当該エンジン1では、所定エンジン回転速度範囲内で運転者がアクセルペダルの操作を止めたような車両の減速時等(所定燃料カット条件)において燃料供給を停止する所謂燃料カット(以下、適宜略してF/Cとも記す)を実施可能であり、当該ECU60は、燃料カット制御を行うとともに燃料カット終了後には、運転者がアクセルペダルの操作を再開して燃料供給を復帰する際の燃料復帰制御を行うように構成されている。
また、当該エンジン1では、燃焼空燃比(燃焼A/F)が予め設定した目標空燃比(目標A/Fとなるように燃料噴射弁26からの燃料噴射量を制御するようにしているが、この際、ECU60は、筒内に供給される新気に対する理論空燃比(14.7)を値1.0とする燃料補正係数KAFを目標A/Fに応じて設定し、当該燃料補正係数KAFを上記理論空燃比相当の燃料供給制御指標に対し乗算するようにしており、さらに、当該燃料補正係数KAFで理論空燃比(14.7)を除するようにして燃焼A/Fひいては排気空燃比(排気A/F)を推定するようにしている。
図2を参照すると、本発明に係る内燃機関の排気空燃比推定装置のECU60の内部構成が示されており、以下同図に基づき説明する。
同図に示すように、排気空燃比推定装置に関し、ECU60は、大きくは燃料カット制御を行う燃料カット制御部(燃料カット手段)62、燃料復帰制御を行う復帰後行程数判定部63及び供給燃料量補正部(供給燃料量補正手段)64、燃焼A/Fを推定する燃焼A/F推定部(排気空燃比推定手段)66、さらに当該燃焼A/Fに基づき排気A/Fを推定する排気A/F推定部(排気空燃比推定手段)68が図中矢印の如く連結して構成されている。なお、燃焼A/F推定部66には新気割合検出部(新気割合検出手段)65が含まれている。
そして、燃料カット制御部62にはAPS58やクランク角センサ18が接続され、復帰後行程数判定部63にはクランク角センサ18が接続され、供給燃料量補正部64には燃料噴射弁26が接続され、燃焼A/F推定部66の新気割合検出部65にはI/M圧センサ47接続され、排気A/F推定部68にはAFS46が接続されている。
以下このように構成された本発明に係る内燃機関の排気空燃比推定装置の作用について説明する。
図3を参照すると、上記ECU60が実行する排気空燃比推定の手順がブロック図で示されており、以下同図に基づき排気空燃比推定手順について説明する。
ブロックB10では、復帰後行程数判定部63においてF/C復帰後行程数IGF/Cがシリンダ数(ここでは4気筒であるため4IG、各気筒の初回燃焼に相当する期間)より大であるか否かを判別する。判別結果が偽(No)でF/C復帰後行程数IGF/Cが4IGに達していない場合には、予め設定された4IG間の目標A/Fに対応した燃料補正係数KAFを変換操作し、当該変換値を出力する。
燃料カット時には排気浄化触媒54には酸素ストレージ機能により多くの酸素が吸蔵し、燃料復帰時においても排気浄化触媒54には多量の酸素が吸蔵した状態にあり、このままでは当該酸素が障害となって排気中のNOxを十分に浄化できないため、燃料カットからの燃料復帰後は供給する燃料を増量して排気浄化触媒54に吸蔵された酸素を速やかに消費するようにしており、さらに、F/C復帰後行程数IGF/Cが4IG間である場合には、各気筒内には筒内残留既燃ガスが存在せず、筒内残留既燃ガスに代えて残留新気が多量に存在していることから、この間は目標A/Fが大きくリッチ空燃比となるようにしており、具体的には、燃料補正係数KAF(例えば、2.0)を燃料供給制御指標に乗算して燃料を特に多めに噴射するようにしている。
しかしながら、燃焼A/Fひいては排気A/Fを推定するにあたり、当該燃料補正係数KAF(例えば、2.0)で理論空燃比(14.7)を除するようにすると、理論空燃比(14.7)はそもそも筒内残留既燃ガス以外の新たに吸気した新気、つまり吸入空気に対する空燃比であることから、残留新気の分が考慮されず、燃焼A/Fひいては排気A/Fを精度よく推定できないことになる。故に、ここでは燃焼A/Fひいては排気A/Fを精確に推定すべく燃料補正係数KAF(例えば、2.0)を残留新気を考慮した値に変換操作する。
かかる燃料補正係数KAFの変換操作を行うには、先ず新たに吸気した新気の量を知る必要がある。ところが、F/C復帰直後においてはスロットルバルブ44はほぼ全閉であってAFS46では吸気量を十分に検出できない。一方、図4にマップを示すように、筒内残留既燃ガス割合PEGRはI/M圧に応じて変化するものであってI/M圧と筒内残留既燃ガス割合PEGRとの間には一定の関係があり、I/M圧がわかれば筒内残留既燃ガス割合PEGR、即ち残留新気割合を知ることができ、新たに吸気した新気の量を残留新気以外の部分として容易に検出することが可能である。従って、ここでは、新気割合検出部65においてI/M圧センサ47からの情報に基づき図4のマップから残留新気割合を求め、燃焼A/F推定部66のブロックB12において、新たに吸気した新気割合を求める(100%−残留新気割合)。
具体的には、スロットルバルブ44がほぼ全閉である場合には、図4に示すようにI/M圧は燃焼悪化領域近傍の約20MPaであり、この場合の筒内残留既燃ガス割合PEGR、即ち残留新気割合は約40%である。従って、新たに吸気した新気割合は容易にして約60%(100%−40%)と求められる。
新たに吸気した新気割合が求められたら、燃焼A/F推定部66のブロックB14において、当該吸気した新気割合で当該吸気した新気割合と残留新気割合とを加えた筒内全新気割合(100%)を除して新たに吸気した新気割合と筒内全新気割合との比を求める(100%/新たに吸気した新気割合)。具体的には、新たに吸気した新気割合と筒内全新気割合との比は上記より約1.67(100%/60%)と求められる。
新たに吸気した新気割合と筒内全新気割合との比が求められたら、燃焼A/F推定部66のブロックB16において、燃料補正係数KAF(例えば、2.0)を当該比で除して燃料補正係数KAFの変換操作を行い変換補正係数KAF’を求める(KAF/新たに吸気した新気割合と筒内全新気割合との比)。具体的には、変換補正係数KAF’は約1.2(2.0/1.67)と求められる。
このように変換補正係数KAF’が求められたら、燃焼A/F推定部66のブロックB18において、理論空燃比(14.7)を変換補正係数KAF’(約1.2)で除し、これにより燃焼A/Fを推定する。具体的には、燃焼A/Fは約12.25(14.7/1.2)と推定される。
つまり、理論空燃比(14.7)をそのまま燃料補正係数KAF(例えば、2.0)で除した場合には残留新気割合を考慮していないために燃焼A/Fは7.35(14.7/2.0)と現実とかけ離れた値に誤推定されてしまうのであるが、残留新気割合を考慮した変換補正係数KAF’を用いることによりF/C復帰後行程数IGF/Cが4IGにある間において燃焼A/Fを精度よく推定することができることとなる。
一方、ブロックB10の判別結果が真(Yes)でF/C復帰後行程数IGF/Cが4IGを超えている場合には、各気筒において既に燃焼が一回終了しているため、筒内残留気体は筒内残留既燃ガスであって残留新気ではなく燃料補正係数KAFを変換する必要はなく、予め設定された目標A/Fに対応した燃料補正係数KAFをそのまま出力する。
詳しくは、F/C復帰後行程数IGF/Cが4IGを超えても所定行程数以下(所定期間)にある間は依然として排気浄化触媒54には多くの酸素が吸蔵した状態にあるため、この間は目標A/Fがリッチ空燃比となるような燃料補正係数KAF(例えば、1.2)を燃料供給制御指標に乗算し、燃料をやや多めに噴射して当該吸蔵された酸素を十分に消費するようにしており、ここでは目標A/Fがリッチ空燃比となるような燃料補正係数KAF(例えば、1.2)をそのまま出力する。
そして、上記同様、ブロックB18において、理論空燃比(14.7)を燃料補正係数KAF(1.2)で除し、これにより燃焼A/Fがやはり精度よく推定される。具体的には、燃焼A/Fは約12.25(14.7/1.2)と推定される。
このようにして燃焼A/Fが推定されたら、排気A/F推定部68のブロックB20において、燃焼A/Fを遅れフィルタ処理して排気A/Fを推定するにあたり、制御フラグであるF/CフラグがOFFであるか否か、即ち燃料カット中でないか否かを判別する。判別結果が真(Yes)でF/CフラグがOFFである場合には、上記推定された燃焼A/Fを出力する。一方、判別結果が偽(No)でF/CフラグがONであって燃料カット中である場合には、燃焼A/Fを規定できないものの遅れフィルタ処理の都合上燃焼A/Fとして仮に値100を出力する。
エンジン1の燃焼室20から排気浄化触媒54まではある程度距離があるため、排気浄化触媒54に流入する排ガスの排気A/Fを推定するには、排ガスの輸送遅れによる応答遅れを考慮する必要がある。そこで、排気A/F推定部68のブロックB22、B24及びB26では、燃焼A/Fに遅れフィルタ処理を施して排気浄化触媒54入口の排気A/Fを推定するようにする。具体的にはブロックB22、B24及びB26において次式(1)〜(3)に示す3次遅れフィルタを用いて排気A/Fを推定する。
排気A/Ff1 =(1−K)×燃焼A/F+K×排気A/Ff1 ・・・(1)
排気A/Ff2 =(1−K)×排気A/Ff1+K×排気A/Ff2 ・・・(2)
排気A/Ff3 =(1−K)×排気A/Ff2+K×排気A/Ff3 ・・・(3)
ここに、Kは排気空燃比変化率であり、排気流量に応じて最適値が設定されるものである。具体的には、排気流量は吸気量Qとほぼ同等であることから、図3中にマップを示すように、排気空燃比変化率Kは吸気量Qに応じて設定されており、排気空燃比変化率Kは当該マップから読み出される。
このように燃焼A/Fに遅れフィルタ処理を施すことにより、上記のように推定した燃焼A/Fに基づいて排気浄化触媒54入口の排気A/Fを適正に推定することができる。特に、排気空燃比変化率Kを吸気量Qに応じて可変設定することにより、排気空燃比変化率Kを固定した場合に比べ、排気流量の増加による応答性の向上を考慮し、排気浄化触媒54入口の排気A/Fをより一層精度よく推定することができる。
ここで、図5を参照すると、燃料カットからの燃料復帰時における燃料補正係数KAFの時間変化が示されており、図6を参照すると、上記のように推定した燃焼A/F(一点鎖線)と推定した排気浄化触媒54入口の排気A/F(実線)とが示されており、併せて排気浄化触媒54入口でのLAFS(リニア空燃比センサ)による排気A/Fの実測値(破線)が示されているが、これらの図に示すように、本発明に係る排気空燃比推定装置を適用することにより、燃料カットからの燃料復帰後において、排気浄化触媒54に吸蔵された酸素を良好に放出し消費しながら高価なLAFSを用いることなく燃料補正係数KAFに基づいて排気浄化触媒54入口の排気A/Fを容易に推定することができる。
特に、燃料復帰直後の4IG間においては、燃料補正係数KAF(例えば、2.0)の下で供給燃料を大きく増量するようにしているのであるが、図6に示すように、この間の燃焼A/Fに対応する排気A/Fが現実とかけ離れた値に誤推定されてしまうことが防止され、燃料カット終了後燃料復帰直後から排気浄化触媒54入口の排気A/Fを現実に則して精度よく推定することができる。
これにより、高価なLAFSを用いることなく排気浄化触媒54の排気浄化効率を常に良好な状態に維持することが可能である。
以上で本発明に係る内燃機関の排気空燃比推定装置の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態では、エンジン1は4気筒型エンジンであって、各気筒の初回燃焼に相当する期間が4IGである場合を例に説明したが、エンジン1は4気筒に限られず何気筒であってもよく、各気筒の初回燃焼に相当する期間も4IGに限られるものではない。例えば、6気筒型エンジンであれば各気筒の初回燃焼に相当する期間は6IGとなる。
また、上記実施形態では、エンジン1は吸気管噴射型エンジンを例に説明したが、これに限られるものではなく、例えば筒内噴射型エンジンであってもよい。
また、上記実施形態では、推定精度を高めるべく3次遅れフィルタを用いて排気A/Fを推定するようにしたが、2次遅れフィルタ或いは1次遅れフィルタを用いて排気A/Fを推定しても十分な効果を得ることが可能である。
本発明に係る内燃機関の排気空燃比推定装置を示す概略構成図である。 図1のECUの内部構成を示す図である。 排気空燃比推定の手順を示すブロック図である。 I/M圧と筒内残留既燃ガス割合PEGRと関係を示すマップである。 燃料カットからの燃料復帰時における燃料補正係数KAFを示す図である。 推定燃焼A/F(一点鎖線)及び排気浄化触媒入口の推定排気A/F(実線)をLAFSの実測値(破線)と比較して示す図である。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
10 気筒
18 クランク角センサ
20 燃焼室
26 燃料噴射弁
46 エアフローセンサ(AFS)
47 I/M圧センサ
54 排気浄化触媒
58 アクセルポジションセンサ(APS)
60 ECU
62 燃料カット制御部(燃料カット手段)
63 復帰後行程数判定部
64 供給燃料量補正部(供給燃料量補正手段)
65 新気割合検出部(新気割合検出手段)
66 燃焼A/F推定部(排気空燃比推定手段)
68 排気A/F推定部(排気空燃比推定手段)

Claims (5)

  1. 所定の燃料カット条件が成立すると筒内への燃料供給を停止して燃料カットを行う燃料カット手段と、
    前記燃料カット手段による燃料カットからの燃料復帰後の所定期間に亘り、筒内に供給される新気に対する理論空燃比相当の燃料供給制御指標に対し補正係数を乗算して筒内への供給燃料量を補正する供給燃料量補正手段と、
    前記補正係数に基づいて排気空燃比を推定する排気空燃比推定手段とを備え、
    前記排気空燃比推定手段は、
    吸気行程で筒内に新たに供給される新気割合を検出する新気割合検出手段を含み、
    前記所定期間のうち各気筒の初回燃焼に相当する期間、前記新気割合検出手段により検出された新気割合と該新気割合に筒内残留新気割合を加えた筒内全新気割合との比に基づき前記補正係数を筒内全新気割合に応じた値に変換し、該変換した変換補正係数に基づいて排気空燃比を推定することを特徴とする内燃機関の排気空燃比推定装置。
  2. 前記新気割合検出手段は、吸気圧に応じて変化する筒内残留気体割合に基づき該筒内残留気体以外の部分の割合を新気割合として検出することを特徴とする、請求項1記載の内燃機関の排気空燃比推定装置。
  3. 排気通路には酸素ストレージ機能を有した触媒が介装され、
    前記供給燃料量補正手段は、筒内の燃焼空燃比がリッチ空燃比側となるような補正係数を乗算して筒内への供給燃料量を補正することを特徴とする、請求項1または2記載の内燃機関の排気空燃比推定装置。
  4. 前記排気空燃比推定手段は、理論空燃比を前記補正係数または前記変換補正係数で除した値を遅れフィルタ処理して排気空燃比を推定することを特徴とする、請求項3記載の内燃機関の排気空燃比推定装置。
  5. 前記遅れフィルタ処理に使用するフィルタ係数は排気流量に応じて可変設定されるものであることを特徴とする、請求項4記載の内燃機関の排気空燃比推定装置。
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