JP4449262B2 - 振動子を用いた測定方法、測定装置および振動子の駆動装置 - Google Patents

振動子を用いた測定方法、測定装置および振動子の駆動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動子を用いた測定方法および測定装置、例えば振動型ジャイロスコープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圧電振動型ジャイロスコープは、振動している物体に角速度が加わると、その振動と直角方向にコリオリ力が生じることを利用している。そして、その原理は力学的モデルで解析される(例えば、「弾性波素子技術ハンドブック」、オーム社、第491〜497頁)。
【0003】
本出願人は、振動型ジャイロスコープの応用について種々検討を進めており、例えば自動車の車体回転速度フィードバック式の車両制御方法に用いる回転速度センサーに振動型ジャイロスコープを使用することを検討した。こうしたシステムにおいては、操舵輪の方向自身は、ハンドルの回転角度によって検出する。これと同時に、実際に車体が回転している回転速度を振動ジャイロスコープによって検出する。そして、操舵輪の方向と実際の車体の回転速度を比較して差を求め、この差に基づいて車輪トルク、操舵角に補正を加えることによって、安定した車体制御を実現する。本出願人は、特開平11−281372号公報には、主として平面内に延びる振動子を用いた、横置き型に適した振動型ジャイロスコープを提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
こうした用途においては、振動型ジャイロスコープは電池によって駆動されているので、できる限り消費電力を減らし、電池の寿命を長くすることが必要である。従って、車両が停止しているときには振動型ジャイロスコープを停止し、車両が発進するときに起動することが望ましい。このためには、振動型ジャイロスコープを起動してから短時間で正常な動作を開始させ、車両の位置の検出を始めることが必要不可欠である。
【0005】
しかし、例えば車両を発進させたときにジャイロを起動すると、起動後に振動型ジャイロスコープの動作が安定化するまでの時間が長く、ジャイロの動作が安定化するまでの間は車両の方向および位置を確認できないことになる。このため、車両の位置制御への利用が困難となる。
【0006】
本発明の課題は、振動子に駆動振動を励振し、振動子に印加される物理量を、振動子から得られた検出信号に基づいて検出するのに際して、測定用の振動子の振動状態が安定化するまでの立ち上がり時間を短くできるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、振動子、この振動子と発振ループを生成し、前記振動子に駆動振動を励振する自励発振回路、および前記振動子からの検出信号を出力するための検出回路を使用し、前記検出信号に基づいて物理量を測定する方法であって、
自励発振回路が、振動子の振動に基づく信号を増幅する交流増幅器と、この交流増幅器の出力を振幅に変換する整流器と、この整流器から出力された振幅に応じて交流増幅器の出力を増幅する振幅制御増幅器とを備えており、自励発振回路を用いて駆動振動を起動する際にこの駆動振動の固有共振周波数と異なる固有共振周波数を有するスプリアスモードの振動が発振され、駆動振動を起動する際にスプリアスモードの振動の固有共振周波数とは異なる周波数の加算信号を前記発振ループに印加するのに際して、整流器から出力された振幅に基づいて加算信号の振幅制御増幅器への印加を選択することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、振動子、この振動子と発振ループを生成し、振動子に駆動振動を励振する自励発振回路、および振動子から検出信号を出力するための検出回路を備えており、検出信号に基づいて物理量を測定する装置であって、
自励発振回路が、振動子の振動に基づく信号を増幅する交流増幅器と、この交流増幅器の出力を振幅に変換する整流器と、この整流器から出力された振幅に応じて交流増幅器の出力を増幅する振幅制御増幅器とを備えており、自励発振回路を用いて駆動振動を起動する際にこの駆動振動の固有共振周波数と異なる固有共振周波数を有するスプリアスモードの振動が発振され、駆動振動を起動する際にスプリアスモードの振動の固有共振周波数とは異なる周波数の加算信号を発振ループに印加する加算信号発振装置を備えており、整流器から出力された振幅に基づいて加算信号の前記振幅制御増幅器への印加を選択することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、振動子に励振される駆動振動および測定すべき物理量に基づいて前記振動子から検出信号を出力し、検出信号に基づいて物理量を測定するのに際して、振動子に前記駆動振動を励振するための駆動装置であって、
振動子と発振ループを生成し、振動子に駆動振動を励振する自励発振回路を備えており、自励発振回路が、振動子の振動に基づく信号を増幅する交流増幅器と、この交流増幅器の出力を振幅に変換する整流器と、この整流器から出力された振幅に応じて交流増幅器の出力を増幅する振幅制御増幅器とを備えており、自励発振回路を用いて駆動振動を起動する際にこの駆動振動の固有共振周波数と異なる固有共振周波数を有するスプリアスモードの振動が発振され、駆動振動を起動する際にスプリアスモードの振動の固有共振周波数とは異なる周波数の加算信号を発振ループに印加する加算信号発振装置を備えており、整流器から出力された振幅に基づいて加算信号の前記振幅制御増幅器への印加を選択することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、振動子に駆動振動を励振し、振動子に印加される物理量を、振動子から得られた検出信号に基づいて検出するのに際して、測定用の振動子の振動状態が安定化するまでの立ち上がり時間を短くできる。以下、適宜図面を参照しつつ、この理由を説明する。
【0011】
図4は、従来の駆動振動系の発振ループ32を示す模式図である。振動子5には励振手段8が取り付けられており、励振手段8は自励発振回路10に対して接続されている。まず自励発振回路10内の増幅器の利得(ゲイン)の大きい状態でスタートする。この時点では増幅器への入力は雑音のみである。この雑音は、目的とする駆動振動の固有共振周波数を含む幅広い周波数の波動を含んでいる。この雑音を矢印Bのように振動子5に入力する。
【0012】
振動子は、例えば後述するような圧電性単結晶からなる。振動子の周波数フィルター作用によって、目的とする固有共振周波数の振動を多く含む信号が矢印Aのように出力され、この信号が自励発振回路10内の増幅器に入力される。発振ループ内でこうした操作を繰り返すことによって、目的とする固有共振周波数の信号の割合が高くなり、増幅器への入力信号が大きくなる。このため、増幅器の利得を調整することによって、発振ループ32を信号が一周する間の利得(ループゲイン)が1となるようにする。最終的には、増幅器の利得を調整することなしに、発振ループ32を信号が一周する間の利得(ループゲイン)が1となる。この状態で振動子が安定発振する。
【0013】
ここで、振動子の安定発振は、物理量の測定には必要不可欠である。なぜなら、振動子において発振している駆動信号の振幅が一定でないと、振動子から出力されるべき検出信号の値も一定とならず、正確な測定を行うことができないからである。
【0014】
ここで、本発明者は、振動型ジャイロスコープにおいて、前述した安定な駆動状態の実現までに比較的長時間が必要な理由を検討し、次の知見に達した。即ち、振動型ジャイロスコープにおいて角速度の検出感度を高めるためには、同一の回路出力に対して振動子の振幅が大きくなるようにする必要がある。こうした性質は、電気的には、振動子を構成する材質のQ値(Qualityfactor:選択度)が大きいことと等価である。
【0015】
また、通常、発振回路に使用される振動子は、スプリアスモードと呼ばれる本来不要な発振モードが少なくなるように設計されている。あるいは、スプリアスモードの固有共振周波数が、本来必要な発振モードにおける周波数から大きく離れるように設計する。しかし、慣性センサ、例えば振動型ジャイロスコープにおいては、センサーとしての感度を高めることに設計の重点が置かれ、スプリアスモードを削減するという観点からの設計は最優先事項となっていないことが多い。この結果として、振動子を励振するときに、スプリアスモードの振動を比較的に多く含むことが多い。また、目的とする駆動振動の周波数からスプリアスモードの振動周波数が充分に離れていないことがある。
【0016】
この結果、振動子に雑音を入力したときに、まず振動子のQ値が高く、共振先鋭度が高いことから、振動子において選択され、出力される信号の振幅が小さい。このため、自励発振回路において振幅の利得が設定振幅に到達し、安定化するまで時間が長くなる。この上、前述した理由により、振動子から出力されるスプリアスモードの振動成分が多くなる傾向がある。このため、スプリアスモードの振動成分を充分に削減するために、発振ループにおけるフィードバックの必要回数が多くなる。これらの理由により、振動子の駆動振動から不要なスプリアスモードの振動を除去し、かつ駆動振動の振幅が設定振幅に達するまでの時間が長いものと考えられる。
【0017】
本発明者は、この問題点を解決するために、図1に模式的に示すように、スタート専用の発振器15を設置した。そして、駆動振動を起動する際に、発振器5から加算信号を矢印Cのように発振させ、発振ループ32に印加した。この加算信号Cの周波数は、スプリアスモードの振動の固有共振周波数とは異なっている。なお、22は、自励発振装置である。
【0018】
この結果、振動子5から出力された信号Aに加算信号Cが加わり、この加算された状態で増幅される。この増幅の際の利得は、信号が発振ループ32を一周するごとに1となるように調節される。この際、スプリアスモードの振動周波数と異なる周波数の加算信号を加算することによって、増幅後のスプリアスモードの振動成分の割合が小さくなる。従って、次の振動子5による周波数選択後の信号Aにおけるスプリアスモードの振動成分の割合も小さくなる。こうした加算信号に基づくフィードバックループが作用する結果、従来よりも短時間で駆動振動を安定させることができる。
【0019】
スプリアスモードとは、振動子において、駆動モードおよび検出モードとは異なる一定した振動形態を有する振動モードである。スプリアスモードモードの振動の固有共振周波数は、駆動モードの振動の固有共振周波数および検出モードの振動の固有共振周波数とは異なっている。
【0020】
振動子の自励発振による駆動振動の振動状態が安定化するとは、スプリアスモードの振動に対して駆動モードの振動が十分に大きくなった状態となることである。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明において測定されるべき物理量は特に限定はされない。振動子に駆動振動を励振し、駆動振動中の振動子に対する物理量の影響によって振動子の振動状態に変化が生じたときに、この振動状態の変化から検出回路を通して検出可能な物理量を対象とする。こうした物理量としては、振動子に印加される加速度、角速度、角加速度が特に好ましい。また、検出装置としては慣性センサーが好ましい。
【0022】
好適な実施形態においては、自励発振回路は、周波数制御のための交流増幅器と、振幅制御回路(AGC回路)とを備えている。振幅制御回路においては、振幅の変動を抑制し、一定の振幅値が出力されるようにする。
【0023】
好適な実施形態においては、加算信号Cを、振動子5における駆動振動の振動状態が安定するまでの間に発振ループ32に印加する。
【0024】
前記各固有共振周波数は特に限定されない。一好適形態では、駆動モードの振動の固有共振周波数fdは、20k〜30kHzであり、スプリアスモードの振動の固有共振周波数fsは、40k〜60kHzである。両者の相違((fd−fs)の絶対値)は、10kHz以上であることが好ましい。
【0025】
また、好適な実施形態においては、加算信号の周波数が、スプリアスモードの振動の固有共振周波数よりも、駆動振動の固有共振周波数に近い。これによって、前述したスプリアスモードの振動を低減させるフィードバック効果が一層高まる。
【0026】
上述の条件は次のように言い換えることができる。
〔加算信号の周波数faとスプリアスモードの振動の固有共振周波数fsとの差((fa−fs)の絶対値)が、加算信号の周波数faと駆動振動の固有共振周波数fdとの差((fa−fd)の絶対値)よりも大きい〕
【0027】
スプリアスモードの振動を減衰させるという観点からは、(fa−fs)の絶対値は、(fa−fd)の絶対値の4倍以上であることが好ましく、10倍以上であることが更に好ましい。
【0028】
また、加算信号の周波数faと駆動振動の固有共振周波数fdとの差((fa−fd)の絶対値)は、10kHz以下であることが好ましく、5kHz以下であることが更に好ましい。また、faとfdとは重複していてもよい。
【0029】
スプリアスモードの振動を減衰させるという観点からは、加算信号の周波数faとスプリアスモードの振動の固有共振周波数fsとの差((fa−fs)の絶対値)は、15kHz以上であることが好ましく、25kHz以上であることが更に好ましい。
【0030】
本発明においては、自励発振回路が、振動子の振動に基づく信号を増幅する交流増幅器と、この交流増幅器の出力を振幅に変換する整流器と、この整流器から出力された振幅に応じて交流増幅器の出力を増幅する振幅制御増幅器とを備えている。この場合には、整流器から出力された振幅をモニターすることによって、加算信号を加算するか否かを選択する。
【0031】
この実施形態において特に好ましくは、整流器から出力された振幅が設定値よりも小さいときに、加算信号を発振ループに印加する。即ち、駆動振動を励振し始めた初期の段階では、振動子においてカットされる雑音が多い。このため、整流器から出力された振幅は設定振幅よりも小さくなるので、振幅制御増幅器において増幅する必要がある。この段階においては未だ雑音が多く残っており、特にスプリアスモードの振動成分が多く残っているので、加算信号を印加することが有用である。
【0032】
しかし、振動子5に入力される信号のうち大部分が目的周波数の信号成分になると、振動子5から出力される信号の振幅が大きくなり、この結果、増幅器に入力される信号の振幅が大きくなる。こうなると、増幅器の利得を小さくすることで、ループゲインが1になるようにする。この状態では雑音が少なくなり、安定な自励発振状態に近くなる。この段階では、加算信号を印加すると、かえって雑音となる。このため、加算信号を印加しないように、加算信号発振器のスイッチを切ることが好ましい。
【0033】
図2は、本発明の好適な実施形態に係る制御回路1を示すブロック図であり、図3は、図2における自励発振装置22を示すブロック図である。本例の測定装置は、回転角速度を測定するための振動型ジャイロスコープに係るものである。
【0034】
制御回路1は、駆動回路2と検出回路3とを備えている。駆動回路2は、振動子の駆動振動部5を励振するためのものである。駆動回路2には、自励発振装置22と診断回路9とが設けられている。自励発振装置22内の起動回路4によって自励発振回路を起動する。
【0035】
図3に示すように、自励発振装置22は、自励発振回路10と加算信号発振装置15とを備えている。自励発振回路10は、電流/電圧増幅器(交流増幅器)23、コンデンサー24、整流器26,振幅制御増幅器25、抵抗器27を備えている。28はアースである。発振装置15は、発振器31、スイッチ30、抵抗器29および発振制御装置32を備えている。
【0036】
起動時には、自励発振回路10に対して起動回路4から雑音を入力する。この雑音は、振動子の駆動部5を通過して周波数選択を受け、次いで矢印Aのように交流増幅器23に入力されて増幅を受ける。交流増幅器23からの出力信号の一部を矢印Dのように取り出し、整流器26に入力し、振幅の水準(大きさ)に変換する。この振幅の信号を矢印Eのように振幅制御増幅器25に入力する。図2に示すように、自励発振装置22は診断回路9に連結されており、診断回路9の出力はDIAG端子を通して外部に出力される。
【0037】
図3に示すように、起動後の初期段階では、振動子5において雑音の大部分がカットされるため、整流器26からの出力が比較的小さい。このため、増幅器25における利得を大きくし、発振ループ32を一周する間のループゲインが1になるようにする。時間が経過すると、整流器26からの出力が大きくなるので、増幅器25における利得を小さくし、ループゲインが1になるようにする。
【0038】
整流器25からの出力の一部が、矢印Fのように制御装置32に入力される。制御装置32からの信号に基づいて、発振器31およびスイッチ30を動作させる。具体的には、整流器26からの出力Fが設定値以下である場合には、発振器31から加算信号を発振し、かつスインチ30をオン状態にする。この結果、発振ループ32内に加算信号が印加される。
【0039】
一方、自励発振状態が安定してくると、一般に整流器26からの出力Fが大きくなり、設定値を超える。この段階では、発振ループ32内を周回している信号のほとんどは、目的とする周波数の駆動信号成分となる。こうなると、加算信号を発振ループに印加すると、加算信号の周波数は駆動信号成分の周波数とは異なっていることから、かえって雑音を導入する結果となる。こうなると、安定発振までの時間がかえって長くなるおそれがある。従って、整流器26からの出力Fが設定値を超えた場合には、発振器31を停止し、スイッチ30をオフ状態にすることで、加算信号が発振ループ32に印加されないようにする。
【0040】
駆動信号の発振状態が安定化すると、振動子の検出部6A、6Bからの信号の検出を開始する。即ち、振動子の検出部6A、6Bからの検出信号(交流)を交流増幅器11A、11Bを用いて増幅し、各増幅器11A,11Bからの出力を加算器12によって加算する。
【0041】
また、駆動信号の一部を派生させ、派生信号を移相器13に通し、移相信号を得る。移相信号の位相は、漏れ信号の位相とは、所定角度、例えば90°ずれている。この移相信号を位相検波器14に入力し、振動子からの出力信号を検波する。この結果、検波後の出力信号においては、不要な漏れ信号は消去されており、あるいは少なくとも低減されているはずである。この検波後の出力信号をローパスフィルター17に入力し、平滑化し、次いで0点調整回路18に入力する。この出力を外部に取り出す。
【0042】
駆動信号の波形は限定されないが、好ましくは正弦波、余弦波あるいは矩形波である。
【0043】
振動子の構成は特に限定されない。振動子を構成する材質のQ値は、3000以上であることが好ましく、10000以上であることが一層好ましい。振動子を構成する材質としては、エリンバー等の恒弾性合金、強誘電性単結晶(圧電性単結晶)を例示できる。こうした単結晶としては、水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体、ホウ酸リチウム、ランガサイトを例示できる。
【0044】
【実施例】
以下、図1〜図3を参照しつつ説明したような回路を構成し、駆動実験を行った。振動子としては、特開平11−281372号公報に記載の振動子を使用した。この振動子は、2本の駆動振動片5と、駆動振動片とは独立的に振動する2本の検出振動片6A、6Bとを備えている。起動回路から周波数100〜500kHzの雑音を発生させ、発振ループ32に入力し、自励発振を開始した。駆動振動片の固有共振周波数は30kHzであり、スプリアス振動の固有共振周波数は55kHzである。
【0045】
まず、発振器31を動作させず、スイッチ30をオフにした状態で自励発振を行った。この結果、駆動振動の発振が安定化するまでの時間は、約1.0秒であった。
【0046】
一方、発振器31を動作させ、スイッチ30をオンにした状態で、前述した実施形態のように自励発振を行った。加算信号の周波数は約25kHzであった。この結果、駆動振動の発振が安定化するまでの時間は、約0.2秒であった。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、振動子に駆動振動を励振し、振動子に印加される物理量を、振動子から得られた検出信号に基づいて検出するのに際して、測定用の振動子の振動状態が安定化するまでの立ち上がり時間を短くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく自励発振装置を模式的に示す図である。
【図2】好適な実施形態における測定装置の全体を模式的に示すブロック図である。
【図3】図2の装置において、自励発振装置22を模式的に示すブロック図である。
【図4】比較例に基づく自励発振装置を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 制御回路 2 駆動回路 3 検出回路
5 振動子の駆動部分 6A、6B 振動子の検出部分 7 発振ループの線 8 励振手段 10 自励発振回路
11A、11B、23 交流増幅器 12 加算器 13 移相器
14 位相検波器 15 加算信号発振装置 19 直流増幅回路 20 交流増幅回路 22 自励発振装置 24 コンデンサー 25 振幅制御増幅器 26 整流器 30 スイッチ 31 発振器 32 制御装置 A 振動子5による周波数選択後の出力 B 振幅制御増幅器25による増幅後の出力 C 加算信号 D 整流器26への入力(交流) E振幅制御増幅器25への入力(直流) F 発振制御装置32への入力

Claims (16)

  1. 振動子、この振動子と発振ループを生成し、前記振動子に駆動振動を励振する自励発振回路、および前記振動子からの検出信号を出力するための検出回路を使用し、前記検出信号に基づいて物理量を測定する方法であって、
    前記自励発振回路が、前記振動子の振動に基づく信号を増幅する交流増幅器と、この交流増幅器の出力を振幅に変換する整流器と、この整流器から出力された振幅に応じて前記交流増幅器の出力を増幅する振幅制御増幅器とを備えており、前記自励発振回路を用いて前記駆動振動を起動する際にこの駆動振動の固有共振周波数と異なる固有共振周波数を有するスプリアスモードの振動が発振され、前記駆動振動を起動する際に前記スプリアスモードの振動の固有共振周波数とは異なる周波数の加算信号を前記発振ループに印加するのに際して、前記整流器から出力された振幅に基づいて前記加算信号の前記振幅制御増幅器への印加を選択することを特徴とする、振動子を用いた測定方法。
  2. 前記加算信号を、前記振動子における前記駆動振動の振動状態が安定するまでの間に前記振幅制御増幅器に印加することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記加算信号の周波数が、前記スプリアスモードの振動の固有共振周波数よりも、前記駆動振動の固有共振周波数に近いことを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記整流器から出力された振幅が設定値よりも小さいときに前記加算信号を前記振幅制御増幅器に印加することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  5. 前記整流器から出力された振幅が設定値よりも大きいときに、前記加算信号の前記振幅制御増幅器への印加を停止することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  6. 振動子、この振動子と発振ループを生成し、前記振動子に駆動振動を励振する自励発振回路、および前記前記振動子から検出信号を出力するための検出回路を備えており、前記検出信号に基づいて物理量を測定する装置であって、
    前記自励発振回路が、前記振動子の振動に基づく信号を増幅する交流増幅器と、この交流増幅器の出力を振幅に変換する整流器と、この整流器から出力された振幅に応じて前記交流増幅器の出力を増幅する振幅制御増幅器とを備えており、前記自励発振回路を用いて前記駆動振動を起動する際にこの駆動振動の固有共振周波数と異なる固有共振周波数を有するスプリアスモードの振動が発振され、前記駆動振動を起動する際に前記スプリアスモードの振動の固有共振周波数とは異なる周波数の加算信号を前記発振ループに印加する加算信号発振装置を備えており、前記整流器から出力された振幅に基づいて前記加算信号の前記振幅制御増幅器への印加を選択することを特徴とする、物理量の測定装置。
  7. 前記加算信号を、前記振動子における前記駆動振動の振動状態が安定するまでの間に前記振幅制御増幅器に印加することを特徴とする、請求項記載の装置。
  8. 前記加算信号の周波数が、前記スプリアスモードの振動の固有共振周波数よりも、前記駆動振動の固有共振周波数に近いことを特徴とする、請求項または記載の装置。
  9. 前記整流器から出力された振幅が設定値よりも小さいときに前記加算信号を前記振幅制御増幅器に印加することを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  10. 前記整流器から出力された振幅が設定値よりも大きいときに、前記加算信号の前記振幅制御増幅器への印加を停止することを特徴とする、請求項6〜9のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  11. 前記測定装置が慣性センサーであることを特徴とする、請求項6〜10のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  12. 振動子に励振される駆動振動および測定すべき物理量に基づいて前記振動子から検出信号を出力し、前記検出信号に基づいて物理量を測定するのに際して、前記振動子に前記駆動振動を励振するための駆動装置であって、
    前記振動子と発振ループを生成し、前記振動子に駆動振動を励振する自励発振回路を備えており、前記自励発振回路が、前記振動子の振動に基づく信号を増幅する交流増幅器と、この交流増幅器の出力を振幅に変換する整流器と、この整流器から出力された振幅に応じて前記交流増幅器の出力を増幅する振幅制御増幅器とを備えており、前記自励発振回路を用いて前記駆動振動を起動する際にこの駆動振動の固有共振周波数と異なる固有共振周波数を有するスプリアスモードの振動が発振され、前記駆動振動を起動する際に前記スプリアスモードの振動の固有共振周波数とは異なる周波数の加算信号を前記発振ループに印加する加算信号発振装置を備えており、前記整流器から出力された振幅に基づいて前記加算信号の前記振幅制御増幅器への印加を選択することを特徴とする、振動子の駆動装置。
  13. 前記加算信号を、前記振動子における前記駆動振動の振動状態が安定するまでの間に前記振幅制御増幅器に印加することを特徴とする、請求項12記載の装置。
  14. 前記加算信号の周波数が、前記スプリアスモードの振動の固有共振周波数よりも、前記駆動振動の固有共振周波数に近いことを特徴とする、請求項12または13記載の装置。
  15. 前記整流器から出力された振幅が設定値よりも小さいときに前記加算信号を前記振幅制御増幅器に印加することを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  16. 前記整流器から出力された振幅が設定値よりも大きいときに、前記加算信号の前記振幅制御増幅器への印加を停止することを特徴とする、請求項12〜15のいずれか一つの請求項に記載の装置。
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