JP4449188B2 - 溶融金属中の成分の分析方法および分析装置 - Google Patents

溶融金属中の成分の分析方法および分析装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融金属中の成分の分析方法に関し、特に、溶融金属中に含まれる成分の濃度を迅速に高感度で分析する方法および分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄鋼をはじめとする各種金属材料の製造プロセスにおいては、操業あるいは製品品質を管理する上で材料の組成を迅速かつ精度よく分析することが必要とされている。例えば、鉄鋼業における精錬、製鋼プロセスでは、鋼中の成分濃度を分析し、その結果に基づいて操業管理が行われている。
【0003】
これらのプロセスにおいて、溶融金属中の成分の分析には発光分光分析法や燃焼−赤外吸収法などが広く用いられている。しかし、いずれの方法も分析試料のサンプリングや試料調整が必要であり、分析値が得られるまでの所要時間が長く、工程管理にとって問題となっている。
【0004】
そこで、サンプリングを行わずに直接分析を行う方法として、レーザ照射による直接発光分光分析法(特開昭52−72285号公報、特開昭56−114746号公報)などが提案されている。このレーザ発光分光による分析法は、サンプリングが不要であり、迅速に分析を行うことができる点では優れているが、軽元素に対しては感度が低く、十分な精度の分析値が得られないという問題がある。例えば、特開平10−281999号公報には、溶融金属にレーザ照射を行い生成した微粒子をレーザ発光分光分析法により分析する方法が提案されているが、軽元素に対する感度が低いという問題は解決されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、サンプリングや試料調整の必要がなく、溶融金属中に含まれる成分の濃度を迅速に高感度で分析できる方法および分析装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
ところで、近年、微量ガス分析法として半導体レーザを用いた高感度の赤外分光法が開発され、ppbレベル以下の高感度分析も可能となっている。そこで、本発明者らは、反応性雰囲気中でのレーザ照射と高感度赤外分光法を組み合わせた分析方法を考え、種々の実験を重ねたが、実際に溶融金属を分析するためには次のような問題点があることを見出した。
【0007】
第一の問題は、溶融金属に対して高感度の分析を行うためには、レーザ照射により効率よく試料を気化しガス状酸化物を生成するための適正なレーザ照射条件を知る必要がある。
第二の問題は、溶融金属の湯面の変動による誤差である。すなわち、金属の精錬工程等の実際の製造工程においては、溶融金属の湯面は大きく変動し、これに伴ってレーザの集光レンズから湯面までの距離も変動する。そのため、湯面上に照射されるレーザのエネルギー密度も変化し、レーザ照射による試料の気化量も変動する。これに伴って、分析対象成分のガス状の酸化物による赤外吸収量も変動し、これに起因する誤差が生じ、特に、分析対象成分が微量である場合には、この誤差による影響を低減するために、赤外吸収量を補正することが好ましいことを知見した。
【0008】
そこで、本発明者らは、酸化性雰囲気中で溶融金属にレーザを照射して、生成する、ガス状の分析対象成分の酸化物を赤外分光法を用いて迅速に高感度で精度よく分析する方法について詳細に検討した。
【0009】
その結果、レーザを照射して溶融金属を十分に気化させて正確な分析を行うためには、適正なレーザ照射条件を選択する必要があること、さらに、金属成分の湯面の変動に起因する分析値の誤差を低減するためには、レーザの照射により溶融金属中から生成した気化成分の酸化反応による酸素減少量、あるいはレーザの照射により生成するレーザプラズマの発光強度を同時に測定し、これらの酸素減少量またはレーザプラズマの発光強度によって、分析対象成分のガス状の酸化物による赤外吸収量を規格化することが有効であることを見出し、本発明に至った。
【0010】
すなわち、本発明は、前記知見に基づき、以下の方法またはその方法を実施するための装置を提供するものである。
(1)レーザを溶融金属の湯面に照射して溶融金属を気化させ、気化した溶融金属中の分析対象成分と雰囲気ガス中の酸素との反応により生成されるガス状の酸化物を赤外分光法により分析して、該分析対象成分の濃度を測定することを特徴とする溶融金属中の成分の分析方法。
(2)レーザが、1パルスあたりのパワー密度を107 W/cm2 〜2×109 W/cm2 としたパルスレーザである溶融金属中の成分の分析方法。
【0011】
(3)前記の溶融金属中の成分の分析方法において、溶融金属中の分析対象成分が、炭素、窒素および硫黄から選ばれる少なくとも1種である方法。
(4)前記の溶融金属中の成分の分析方法において、雰囲気ガス中の酸化反応による酸素減少量を測定し、該酸素減少量でレーザの照射により溶融金属中から生成したガス状の分析対象成分の酸化物による赤外吸収量を規格化することを特徴とする方法。
【0012】
(5)レーザを溶融金属に照射して形成されるプラズマの発光を分光分析し、溶融金属中の主成分金属元素によるプラズマ発光強度により、レーザの照射により溶融金属中から生成したガス状の分析対象成分の酸化物による赤外吸収量を規格化することを特徴とする溶融金属中の成分の分析方法。
【0013】
(6)溶融金属の湯面にレーザを照射するレーザ照射装置を有し、該レーザが照射される湯面を包囲して、外界と遮断する包囲体を有し、該包囲体に導入されるガス中の酸素濃度を測定する第1の酸素濃度計、および該包囲体から排出されるガス中の酸素濃度を測定する第2の酸素濃度計を有し、該包囲体から排出されるガスを赤外分光法で分析する赤外分光測定装置を有することを特徴とする溶融金属の分析装置。
【0014】
(7)レーザ照射装置が、1パルスあたりのパワー密度を107 W/cm2 〜2×109 W/cm2 としたパルスレーザ照射装置であることを特徴とする(6)に記載の溶融金属の分析装置。
【0015】
以下、本発明の溶融金属中の成分の分析方法(以下、「本発明の方法」という)および分析装置(以下、「本発明の装置」という)について詳細に説明する。
本発明の方法は、溶融金属にレーザを照射して、溶融金属を気化させ、気化した溶融金属中の分析対象成分と雰囲気ガス中の酸素との反応により生成されるガス状の酸化物を赤外分光法により分析する方法である。
【0016】
本発明の方法において、溶融金属とは、各種の金属材料の製造工程において、単一または複数の金属材料成分を溶融して、成分調整、不純物除去等の処理を施すプロセスにおいて、溶融された状態の金属材料を言う。例えば、製鋼工程における脱炭、二次精錬等の各処理プロセスで溶融状態とされた、 鉄を主成分とし、さらに必要に応じて添加されるクロム、ニッケル、マンガン、ケイ素等の他の合金成分を含む金属材料を言う。
【0017】
本発明の方法において、溶融金属中の分析対象成分とは、溶融金属中に含まれ、溶融金属の処理プロセスにおける制御、品質管理、操業管理等のために、溶融金属中の含有量を分析・測定する成分である。例えば、鉄の精錬工程においては、炭素、窒素および硫黄などを分析対象成分として、溶融鉄中の成分を分析し、その濃度を測定することができれば、鉄鋼製品の品質管理および操業管理に有効である。
【0018】
本発明の方法において、溶融金属の湯面に照射されるレーザとしては、所要の気化量を生成させるに十分なエネルギー密度、発振周波数等を有するものであれば、特に制限されず、溶融金属種、分析対象成分の濃度範囲、分析対象成分の分析方法等に応じて適宜選択される。例えば、Nd:YAGレーザおよびNd:ガラスレーザ(波長1.06μm)、CO2 レーザ(波長9〜11μm)、XeClレーザ(波長308nm)等を用いることができる。本発明において、1パルスあたりのパワー密度とは、レーザが照射された溶融金属の湯面上におけるレーザのパワー密度を言う。
特に、溶融金属の気化量が分析対象成分の分析に十分な量となる点で、尖頭出力の高いQスイッチパルスレーザが適している。
【0019】
本発明の方法において、照射されるパルスレーザの1パルスあたりのパワー密度は、溶融金属の湯面上で107 W/cm2 〜2×109 W/cm2 であり、好ましくは2×107 W/cm2 〜109 W/cm2 であり、特に好ましくは4×107 W/cm2 〜8×108 W/cm2 である。1パルスあたりのパワー密度が107 W/cm2 未満では、溶融金属がほとんど気化せず分析が困難である。一方、2×109 W/cm2 を超えると、溶融金属の気化量がほとんど増加しないか逆に減少するようになる。これは、高い出力密度では高密度のプラズマが溶融金属表面に発生し、レーザ光を吸収するためレーザ光が溶融金属表面に到達せず十分な気化が起こらないためであると考えられる。
【0020】
所定のパワー密度を得るためには、レーザ出力の調整に加えて、レーザの開き角、集光レンズの焦点距離を考慮して、溶融金属の湯面上でのレーザのビーム径を調整すればよい。
【0021】
本発明の方法において、レーザの照射により溶融金属から生成する気化成分中の分析対象成分は、雰囲気ガス中の酸素と反応してガス状の酸化物を生じる。このガス状の酸化物を赤外分光法により分析して、分析対象成分の濃度が測定される。
【0022】
分析対象成分のガス状の酸化物を分析するために用いられる赤外分光法は、特に制限されず、ガス状酸化物の種類、さらに必要とされる感度に応じて、非分散型赤外分光光度計、フーリエ変換型赤外分光光度計、波長可変半導体レーザを用いた赤外分光光度計等を用いて、分析対象成分に応じた特定の吸収波長の赤外吸収量を測定することにより行うことができる。例えば、分析対象成分が炭素である場合には、炭素の酸化物、すなわち、一酸化炭素または二酸化炭素による波長:4.60μm、4.23μmの赤外吸収を測定して行うことができる。また、分析対象成分が窒素および硫黄の場合には、それぞれ二酸化窒素および二酸化硫黄による波長:6.14μmおよび7.28μmの赤外吸収を測定して行うことができる。
【0023】
このとき、分析対象成分のガス状の酸化物による赤外吸収量の時間変化を測定し、これを積算することにより精度よく分析を行うことができる。
また、高温の溶融金属表面からは種々のガスが放出されるが、これらの放出ガスの影響を除去するため、レーザ照射前とレーザ照射後に測定対象ガスの濃度変化がなくなった時点での吸収量をバックグラウンドに用いて積算を行うことが望ましい。
【0024】
次に、図1に示す本発明に係る溶融金属の分析装置の実施例に基づいて、本発明の方法および本発明の装置について説明する。
図1に示す装置は、溶融金属を気化させるために、溶融金属の湯面に照射されるレーザを発振するレーザ発振器1、溶融金属2に開口端3aを浸漬し、レーザが照射される溶融金属の湯面上の空間を包囲して、金属等の気化成分を捕捉する閉塞空間を形成する中空円筒状の包囲体3、該包囲体3に不活性ガスおよび酸素を含む不活性ガスを供給するガス供給制御部4、ならびにレーザの照射により溶融金属から気化した成分と雰囲気ガス中の酸素との反応により生成する酸化物の量を測定する検出部5を主要構成部として有するものである。
【0025】
包囲体3は、レーザが照射される溶融金属の湯面上の空間を包囲して、金属等の気化成分を捕捉する閉塞空間を形成する形状のものであり、いわゆる長円筒のランス状の形状が、熱輻射や溶融金属のスプラッシュから光学部品を保護し、ガス流通がスムーズに行えるという点で、金属精錬における溶融金属の分析に有利である。また、実験室レベルで小さな坩堝内の溶融金属の成分を分析する場合のように、系全体を外界と遮断することができれば、包囲体は不要な場合もある。
【0026】
包囲体(以下、「ランス」という)3は、図示していない昇降機構により、鉛直方向に昇降可能であり、その開口端3aを溶融金属2に浸漬させることができ、上部には溶融金属2に照射されるレーザが透過する透過窓6が取り付けられている。透過窓6の材質は用いるレーザの波長に応じて選択すればよいが、例えばNd:YAGレーザ(波長1.06μm)を用いる場合には石英などが適している。
【0027】
さらに、ランス3の側面には、ガスの導入口7および排出口8が設けられ、導入口7は、バルブ9を介して流通路10によってガス供給制御部4に連結され、排出口8は、バルブ11を介して流通路12によって検出部5に連結されている。
【0028】
レーザ発振部1で発振されたレーザは、矢印Aで示すように、反射鏡13、集光レンズ14およびランス3の透過窓6を介して溶融金属2の湯面に照射される。このとき、反射鏡等からなる光学系の代わりに、必要に応じて光ファイバーを用いて、レーザを導光してもよい。
【0029】
ガス供給制御部4は、測定前にランス3内をパージし、さらにランス3の開口端3aを溶融金属中に浸漬した時にスラグ等の不純物を除去するためにランス3内に供給される不活性ガスのボンベ15、およびレーザ照射時のランス3内の雰囲気ガスである酸素を含む不活性ガスのボンベ16を有し、これらのボンベ15および16には、それぞれのボンベからのガスの供給量を調整するための流量調整バルブ15aおよび16aを介して、ガス切り替えバルブ17に連結されている。ガス切り替えバルブ17は、流通路10を介して、ランス3のガス導入口7に連結されている。
【0030】
検出部5には、バルブ11を介して流通路12によって、ランス3の側面に設けられた排出口8と連結されている。流通路12の途中には、微粒子除去フィルター18が設けられている。
【0031】
この図1に示す装置による溶融金属中の成分の分析は、まず、バルブ11を閉じ、ガス供給制御部4のボンベ15から、バルブ15a、ガス切り替えバルブ17、流通路10、バルブ9を通じ、ガス導入口7からランス内に不活性ガスを流して溶融金属の湯面のスラグ等の不純物を不活性ガスの圧力により除去しながら、ランス3を昇降機構(図示せず)により降下させて、その開口端3aを溶融金属2中に浸漬させ、ランス3によって、溶融金属の湯面上の空間を包囲して、金属等の気化成分を捕捉する閉塞空間を形成する。次に、バルブ11を開き、ランス3内の雰囲気をパージする。
【0032】
さらに、ガス供給制御部4において、ガス切り替えバルブ17を切り替え、ボンベ16から流通路10を通じてガス導入口7から酸素を含む不活性ガスを供給して、ランス3内の溶融金属の湯面上の雰囲気を酸素を含む不活性ガス雰囲気とし、レーザ発振部1で発振されたレーザが、矢印Aで示すように、反射鏡13、集光レンズ14およびランス3の透過窓6を介して溶融金属2の湯面に照射される。このとき、酸素を含む不活性ガスを流しながら、溶融金属2の気化物と雰囲気中の酸素との反応によるガス状酸化物の分析を行う場合には、バルブ9および11を開けたまま、生成したガス状の酸化物を含む雰囲気ガスを、ガス排出口8から排出し、微粒子除去フィルタ18によって固体酸化物を除去した後、流通路12を通って検出部5に導入して分析を行う。このとき、必要に応じて、ガス導入バルブ9およびガス搬出バルブ11を閉じて、ランス3内を密閉状態として、レーザ照射による溶融金属の気化を行った後、バルブ9および11を開けてガス状の酸化物を検出部5に導入するようにしてもよい。
【0033】
レーザの照射時において、ガス供給制御部からランス内に供給される酸素を含む不活性ガスの流量、および不活性ガス中の酸素濃度は、レーザ照射によって気化して酸化される成分の全量から決定すれば良く、例えば毎秒0.1mg/sの鉄が気化し酸化されてFe2 3 になる場合には、全量を酸化するのに必要な酸素は毎秒約3×10-6mol/s(O2 量で1.5×10-6mol/s)であるから、ガス全体の流量が0.02l/sのとき酸素濃度は0.17vol%程度で十分である。実際にはランス内部で酸化反応によって酸素濃度が不均一となっても十分な酸素量が確保でき、さらに気化量が増えても十分な反応効率が得られるように酸素濃度を0.5vol%程度以上とすることが望ましい。また、不活性ガスの流通を行わず、ランス内を密閉してレーザ照射を行う場合には、所定時間のレーザ照射により気化した全量がランス内に含まれる酸素によって酸化物となるように、ランス内に供給される不活性ガス中の酸素濃度を決定する。
【0034】
ランス内を密閉状態としてレーザ照射を行う場合には、レーザ照射後、ランス内のガスは、バルブ9および11を開けてガス供給制御部4から不活性ガスを導入してランス内の雰囲気ガスを微粒子除去フィルター18を経て検出部5に移送されて分析される。
【0035】
このとき、検出部5に設けた測定用セルに、ガスを導入した後、その測定用セルを閉じてフーリエ変換型赤外分光光度計などにより測定を行ってもよいし、測定セル中にガスを流通させながら、前述と同様の方法により、分析対象ガス成分の赤外吸収量の時間変化を測定してもよい。さらに、ランスに赤外光透過機構を設けることにより、ガスを検出部に移送することなく、ランス内でそのまま分析を行うようにすることも可能である。
また、生成ガス濃度を分析する検出部において、半導体レーザを光源とする高感度の赤外分光システムを用いるとppb以下の精度での分析も可能である。
【0036】
ここで質量比でRなる濃度の溶融金属試料をレーザ照射により毎秒v(g/s)気化する場合を考えると、溶融金属中の分析対象元素の原子量をM(g/mol)とすれば、分析対象元素の気化速度は(v・R)/M(mol/s)となる。このとき酸化物の生成効率が100%であり、生成されるガス状酸化物分子中の分析対象元素の原子数が1の場合、ガス状酸化物の生成速度もまた(v・R)/M(mol/s)となる。例えば、C濃度1ppmの金属が毎秒0.1mg気化する場合、COあるいはCO2 の生成量は約0.8×10-11 (mol/s)となるから、ガスの流量が0.02l/sのときガス中のCOあるいはCO2 濃度は0.01ppm程度となり、前述の高感度システムを用いれば十分分析できることになる。
【0037】
さらに、生成したガス状酸化物が赤外分光器の測定用セルに移送されるまでにはある程度の時間がかかるが、図2(a)に示すように、所定時間レーザ照射を行い、ガス状酸化物による赤外吸収量の時間変化を測定し、これを積算することにより分析値の精度を上げることができる。
【0038】
また、高温の溶融金属の湯面からは種々のガスが放出されるが、これらの放出ガスの影響を除去するため、レーザ照射前とレーザ照射後に測定対象ガスの濃度変化がなくなった時点での吸収量をバックグラウンドに用いて積算を行うことが望ましい。
【0039】
以上のように、本発明による分析方法を用いれば、迅速に溶融金属の分析が行えるが、溶融金属の湯面が変動すると湯面上でのレーザのエネルギー密度が変化するのに伴って溶融金属の気化量も変化するため分析にも誤差を生じる。例えば湯面の変動によって湯面上に集光したビームの径が10%増えると、エネルギー密度は約17%減少するため、溶融金属の気化量も同程度以上減少する。ある程度の時間平均をとることにより、この影響を低減することもできるが、分析対象成分の濃度が低い場合にも精度よく分析する必要がある場合には、変動の影響を除去するため、次のような方法によって、分析値の規格化による補正を行うと好ましい。
【0040】
第1の方法は、レーザ照射による酸化反応による酸素減少量で、生成したガス状酸化物の赤外吸収量の規格化、すなわち赤外吸収量/酸素減少量の比をとることにより、湯面変動による気化量の変動の影響を除去する方法である。具体的には、図1に示すように、ガス供給制御部4から供給される不活性ガス中の酸素濃度を測定する第1の酸素濃度計19、およびランス3から排出されるガスの酸素濃度を測定する第2の酸素濃度計20を設け、図2(b)に示すように酸素濃度の時間変化を測定して積算し、ランス前後での差を酸素減少量とすることが好ましい。
【0041】
第2の方法は、所定時間のレーザ照射中の発光強度の時間変化を測定して積算し、この積算値を用いてガス状酸化物の赤外吸収量を規格化する方法である。プラズマの発光強度は湯面変動に伴うレーザの湯面上でのエネルギー密度により変化するため、これを用いて気化量の変動の影響を補正できる。具体的には、集光ミラー21、分光器22などによりレーザ照射により形成されるプラズマからの発光を同時に測定し、図2(c)に示すように、所定時間のレーザ照射中の発光強度の時間変化を測定して積算し、この積算値を用いてガス状酸化物の赤外吸収量を規格化する。また、主成分が複数の場合はそれぞれの発光強度の和を規格化に用いてもよい。さらに、主成分以外についても各元素の発光強度を測定することにより、本発明法による分析と同時にこれらの元素についての成分分析ができることは言うまでもない。
【0042】
以上のような規格化による補正を行うことにより、測定中の湯面変動の影響を大幅に低減できるほか、測定毎の湯面位置の変化の影響も補正できるため、測定の再現性も大幅に向上するため、有効である。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
【0044】
(実施例、比較例)
図1に示す構成の装置を用いて、微量の炭素、窒素および硫黄を加えた溶融鉄100kgを分析し、炭素、窒素および硫黄の含有量を測定した。
一方、同時にサンプリングした溶融鉄試料を、比較のために、炭素および硫黄については燃焼−赤外吸収法により、窒素については燃焼−熱伝導法により分析し、その含有量を測定した。
【0045】
図1に示す装置において、レーザとしてNd:YAGパルスレーザ(波長1.06μm、パルスあたりのエネルギー1J、パルス幅約10nsのQスイッチ発振モード)を用い、焦点距離2mの集光レンズを用いることにより、溶融鉄の湯面上でのパルスあたりの平均パワー密度が約5×108 W/cm2 となるようにした。パルスの繰り返し周波数は50Hzとし、20秒間で1000パルスの照射を行い溶融鉄を気化させた。このとき、レーザ照射中にガス供給制御部からランス内に酸素を含む不活性ガス(酸素濃度:1vol%)を、ガス流速0.02l/sで供給した。
【0046】
検出部において、生成したガス状酸化物の分析を、鉛塩半導体レーザを光源とし、吸収長100mの多重反射セルを用いた赤外分光器で行った。事前に赤外吸収スペクトルの測定を行った結果、検出される炭素、窒素および硫黄の酸化物はそれぞれ主にCO2 、NO2 およびSO2 であったので、三台の鉛塩レーザでそれぞれ波長域4.23μm、6.14μmおよび7.28μm近傍における各成分の吸収線の赤外吸収量の時間変化を測定した。
【0047】
さらに、レーザ照射時、ランス内に導入される不活性ガス中の酸素濃度(ランス前)を、ランスのガス導入口側に設けた第1の酸素濃度計19で測定し、同時に、ランスから排出される不活性ガス中の酸素濃度(ランス後)を、ランスのガス排出口側に設けた第2の酸素濃度計20によって測定した。
【0048】
また、レーザ照射により形成される鉄のプラズマからの発光を、ランスの上面の透過窓6を通じて、その上方に設けた集光ミラー21によって分光器22に入射させ、発光強度を測定した。
CO2 による赤外吸収量、ランスに導入前およびランスから排出後の不活性ガス中の酸素濃度、鉄のプラズマからの発光強度の時間変化を、図2(a)、(b)および(c)にそれぞれ示す。このとき、測定とデータ処理を合わせた分析時間は約40秒程度であった。
【0049】
ガス状酸化物について測定された炭素、窒素および硫黄による赤外吸収量と、同一の溶融鉄試料について燃焼−赤外吸収法によって測定された炭素、窒素および硫黄の濃度分析値とを、それぞれ縦軸および横軸にとり、プロットしたところ、図3〜5に示すとおり、炭素、窒素および硫黄の赤外吸収量と、それぞれの濃度分析値との間に良好な直線関係が得られた。この図3〜5に示す結果から、レーザ出力、照射時間などのレーザ照射条件を一定にしてレーザ照射を行えば、30ppm程度の濃度までの分析が可能であることがわかった。
【0050】
さらに、ガス状の酸化物としてCO2 についての赤外吸収量の測定値を、ランス前後の酸素濃度から求めた酸素減少量により規格化する方法(方法1)、およびレーザプラズマからのFeの発光強度により規格化する方法(方法2)により、それぞれ規格化した値を縦軸にとり、同一の溶融鉄試料について燃焼−赤外吸収法によって測定した炭素の濃度分析値を横軸にとり、プロットしたところ、図6(b)および(c)の結果が得られた。これを規格化を行わなかった場合(方法0)に得られたCO2 による赤外吸収量と燃焼−赤外法による炭素の濃度分析値の関係を示す図6(a)と対比すると、方法1および2による測定値は、方法0による測定値と比べて大幅に精度が向上し、ppmレベルの分析が可能であることがわかった。
なお、図6には炭素の測定例を示したが、窒素、硫黄についても同様の補正方法により大幅に精度が向上し、ppmレベルの分析が可能であることが分かった。
【0051】
【発明の効果】
本発明の分析方法によれば、溶融金属中の成分を、サンプリングや試料調整することなく、迅速に高感度で分析し、その成分の含有量を測定することが可能であり、各種金属材料の製造プロセスの溶融金属を取り扱う工程での工程管理、および品質管理において極めて有効である。
また、本発明の装置は、本発明の方法にしたがって、溶融金属中の成分の分析を迅速かつ高感度で行うことができ、有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る溶融金属の分析装置の主要構成例を示す概略図である。
【図2】 本発明の実施例における分析結果を示し、それぞれ(a)はガス状酸化物中のCO2 濃度、(b)はガス状酸化物中のO2 濃度、および(c)はレーザ照射によるプラズマの発光強度の測定結果を示す図である。
【図3】 本発明の実施例において、検出部で測定されたガス状の酸化物中の炭素に基づく赤外吸収量と、同一の溶融金属試料について燃焼−赤外法により測定された炭素濃度との関係を示す図である。
【図4】 本発明の実施例において、検出部で測定されたガス状の酸化物中の窒素に基づく赤外吸収量と、同一の溶融金属試料について燃焼−赤外法により測定された窒素濃度との関係を示す図である。
【図5】 本発明の実施例において、検出部で測定されたガス状の酸化物中の硫黄に基づく赤外吸収量と、同一の溶融金属試料について燃焼−赤外法により測定された硫黄濃度との関係を示す図である。
【図6】 本発明の実施例において、検出部で測定されたガス状の酸化物中の炭素による赤外吸収量の補正による効果を示す図であり、(a)は補正を施さない場合の結果を示し、(b)は酸素減少量による規格化によって補正を行った結果を示し、および(c)はレーザ照射によるプラズマの発光強度による規格化による補正を行った結果を示し、それぞれの結果と燃焼−赤外法により溶融金属中の炭素濃度を測定した結果の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器
2 溶融金属
3 包囲体(ランス)
3a 開口端
4 ガス供給制御部
5 検出部
6 透過窓
7 ガス導入口
8 ガス排出口
9 バルブ
10 流通路
11 バルブ
12 流通路
13 反射鏡
14 集光レンズ
15 不活性ガスボンベ
15a バルブ
16 酸素混合不活性ガスボンベ
16a バルブ
17 ガス切り替えバルブ
18 微粒子除去フィルター
19 第1の酸素濃度計
20 第2の酸素濃度計
21 集光ミラー
22 分光器

Claims (4)

  1. レーザを溶融金属の湯面に照射して溶融金属を気化させ、気化した溶融金属中の分析対象成分と雰囲気ガス中の酸素との反応により生成されるガス状の酸化物を赤外分光法により分析して、該分析対象成分の濃度を測定する方法であって、
    前記レーザが、1パルスあたりのパワー密度を10 7 W/cm 2 〜2×10 9 W/cm 2 としたパルスレーザであり、
    前記雰囲気ガス中の酸化反応による酸素減少量を測定し、該酸素減少量でレーザの照射により溶融金属中から生成したガス状の分析対象成分の酸化物による赤外吸収量を規格化することを特徴とする溶融金属中の成分の分析方法。
  2. レーザを溶融金属に照射して形成されるプラズマの発光を分光分析し、溶融金属中の主成分金属元素によるプラズマ発光強度により、レーザの照射により溶融金属中から生成したガス状の分析対象成分の酸化物による赤外吸収量を規格化することを特徴とする請求項1に記載の溶融金属中の成分の分析方法。
  3. レーザを溶融金属の湯面に照射して溶融金属を気化させ、気化した溶融金属中の分析対象成分と雰囲気ガス中の酸素との反応により生成されるガス状の酸化物を赤外分光法により分析して、該分析対象成分の濃度を測定する方法であって、
    前記レーザが、1パルスあたりのパワー密度を10 7 W/cm 2 〜2×10 9 W/cm 2 としたパルスレーザであり、
    レーザを溶融金属に照射して形成されるプラズマの発光を分光分析し、溶融金属中の主成分金属元素によるプラズマ発光強度により、レーザの照射により溶融金属中から生成したガス状の分析対象成分の酸化物による赤外吸収量を規格化することを特徴とする溶融金属中の成分の分析方法
  4. 溶融金属中の分析対象成分が、炭素、窒素および硫黄から選ばれる少なくとも1種である請求項1ないし3のいずれかに記載の溶融金属中の成分の分析方法。
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