JP4448993B2 - エンボス版並びにエンボス画像成形品及びエンボス版の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、押圧操作により被加工物表面にエンボス画像を形成するためのエンボス版、被加工物の表面に形成されたエンボス画像成形品、及び、エンボス版の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、表面に凹凸形状の画像を形成したエンボス成形品は公知である。また、エンボス版を使用して被成形物に押圧転写することにより、凹凸形状の画像を持つエンボス成形品を成形する成形方法が知られている。さらに、押圧転写用に使用されるエンボス版としては、平板形状版やロール形状版が知られている。このような従来の公知のエンボス成形品において、被成形物に形成された画像は、突出した凸部として形成された凸部画像、又は、凹部として形成された凹部画像であり、このような従来のエンボス画像は、成形物表面の全ての方向から同じ画像
が見える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の公知のエンボス画像は、成形物表面の全ての方向から同じ画像が見えるが、しかしながら、異なる方向から互いに異なる画像が見えるエンボス画像は知られていない。本発明は、被成形物表面の異なる方向から互いに異なる画像が見えるエンボス画像成形品、及び、そのエンボス画像成形品を作成するためのエンボス版、並びに、そのエンボス版の製造方法を提供する。
【0004】
本発明のエンボス版は、被加工物の表面に押圧転写によりエンボス画像成形品を成形するためのエンボス版であって、基版材の表面にそれぞれの平行線状凸部とそれぞれの平行線状凹部とが互いに交互に形成された複数平行線状凸部と複数平行線状凹部と、前記複数平行線状凸部のうちの所定の平行線状凸部の第一側に突出して形成された第一画素部と、前記複数平行線状凸部のうちの所定の平行線状凸部の第二側に突出して形成された第二画素部とを備え、前記それぞれの平行線状凸部と前記それぞれの平行線状凹部は所定ピッチで形成され、前記第一側と前記第二側は前記複数平行線状凸部と前記複数平行線状凹部の平行線に対して互いに前記基版材の反対側に位置し、前記複数平行線状凸部と前記複数平行線状凹部は前記第一側と前記第二側に対して平行に形成され、それぞれの平行線状凸部の上面は略平面形状を有し、それぞれの平行線状凹部の底面は略平面形状を有し、前記第一画素部の表面は前記所定の平行線状凸部から前記第一側に位置する線状凹部の底面に向かって傾斜する第一角度傾斜面を有し、前記第二画素部の表面は前記所定の平行線状凸部から前記第二側に位置する線状凹部の底面に向かって傾斜する第二角度傾斜面を有し、前記第一画素部が集まって第一画像を形成し、前記第二画素部が集まって第二画像を形成することを特徴とする。
【0005】
望ましくは、前記第一画素部と前記第二画素部のいずれか一つ又は双方の突出長さは、それぞれの平行線状凹部の幅寸法の半分長さよりも短い。
【0007】
望ましくは、前記第一画素部(4)は前記平行線状凹部(3)の底面に対して垂直な第一垂直面(4b)を有し、前記第一角度傾斜面(4a)は前記第一垂直面(4b)に連続して形成され、前記第二画素部(5)は前記平行線状凹部(3)の底面に対して垂直な第二垂直面(5b)を有し、前記第二角度傾斜面(5a)は前記第二垂直面(5b)に連続して形成される。
【0010】
本発明のエンボス画像成形品は、上記のエンボス版により被加工物の表面に押圧転写されたエンボス画像成形品、または、被加工物の表面に形成されたエンボス画像成形品であって、それぞれの平行線状成形凹部とそれぞれの平行線状成形凸部が互いに交互に位置する複数平行線状成形凹部と複数平行線状成形凸部と、前記複数平行線状成形凹部のうちの所定の平行線状成形凹部の被加工物の第一側に形成された第一成形画素部と、前記複数平行線状成形凹部のうちの所定の平行線状成形凹部の被加工物の第二側に形成された第二成形画素部とを備え、前記それぞれの平行線状成形凹部と前記それぞれの平行線状成形凸部は所定ピッチで形成され、それぞれの平行線状成形凹部の底面は略平面形状を有し、それぞれの平行線状成形凸部の上面は略平面形状を有し、前記第一成形画素部は前記所定の平行線状成形凹部の底面から前記被加工物の表面の第一側に位置する線状成形凸部に向かって傾斜する第一成形傾斜面を有し、前記第二成形画素部は前記所定の平行線状成形凹部の底面から前記被加工物の表面の第二側に位置する線状成形凸部に向かって傾斜する第二成形傾斜面を有し、前記被加工物の第一側と前記被加工物の第二側は前記複数平行線状成形凹部と前記複数平行線状成形凸部の平行線に対して互いに前記被加工物表面の反対側に位置し、前記複数平行線状成形凹部と前記複数平行線状成形凸部は前記第一側と前記第二側に対して平行に形成され、前記第一成形画素部が集まって第一成形画像を形成し、前記第二成形画素部が集まって第二成形画像を形成し、前記エンボス画像成形品を被加工物の第一側から見た場合、前記第二成形傾斜面のみが見え、前記第一成形傾斜面は前記複数平行線状成形凸部に隠れて見えなく、そのために、前記第二成形画像のみが見え、前記第一成形画像は見えなく、前記エンボス画像成形品を被加工物の第二側から見た場合、前記第一成形傾斜面のみが見え、前記第二成形傾斜面は前記複数平行線状成形凸部に隠れて見えなく、そのために、前記第一成形画像のみが見え、前記第二成形画像は見えなく、前記エンボス画像成形品を上側から見た場合、前記第一成形傾斜面と前記第二成形傾斜面の双方の傾斜面が見え、そのために、前記第一成形画像と前記第二成形画像の双方の画像が見えることを特徴とする。
【0013】
本発明の他のエンボス画像成形品は、基版材の表面にそれぞれの平行線状凸部とそれぞれの平行線状凹部が互いに交互に位置して形成された複数平行線状凸部と複数平行線状凹部と、前記複数平行線状凸部のうちの所定の平行線状凸部の第一側に突出して形成された第一画素部と、前記複数平行線状凸部のうちの所定の平行線状凸部の第二側に突出して形成された第二画素部とを備え、前記それぞれの平行線状凸部と前記それぞれの平行線状凹部は所定ピッチで形成され、前記第一側と前記第二側は前記複数平行線状凸部と前記複数平行線状凹部の平行線に対して互いに前記基版材の反対側に位置し、前記複数平行線状凸部と前記複数平行線状凹部は前記第一側と前記第二側に平行に形成され、前記それぞれの平行線状凸部の上面は略平面形状を有し、前記それぞれの平行線状凹部の底面は略平面形状を有し、前記第一画素部の表面は前記所定の平行線状凸部から前記第一側に位置する平行線状凹部の底面に向かって傾斜する第一角度傾斜面を有し、前記第二画素部の表面は前記所定の平行線状凸部から前記第二側に位置する平行線状凹部の底面に向かって傾斜する第二角度傾斜面を有し、前記第一画素部が集まって第一画像を形成し、前記第二画素部が集まって第二画像を形成し、前記第一画像及び前記第二画像は正常画像であり、前記基版材表面の第二側から見た場合、前記第二角度傾斜面は前記複数平行線状凸部に隠れて見えなく、前記第一角度傾斜面のみが見え、そのために、前記第二画像は見えなく、前記第一画像のみが見え、前記基版材表面の第一側から見た場合、前記第一角度傾斜面は前記複数平行線状凸部に隠れて見えなく、前記第二角度傾斜面のみが見え、そのために、前記第一画像は見えなく、前記第二画像のみが見え、前記基版材(1)表面の上側から見た場合、前記第一角度傾斜面(4a)と前記第二角度傾斜面の双方の傾斜面が見え、そのために、前記第一画像と前記第二画像の双方の画像が見えることを特徴とする。
【0016】
本発明のエンボス版の製造方法は、(a)金属基材の表面にレジストを塗布し,マスクを介して該レジストを感光して焼付け、さらに、現像して、所定平面図のレジスト膜を形成し、その後、エッチング液を使用して、レジスト膜に覆われていない露出面を所定深さに腐食エッチングする腐食エッチングにより、金属基材の表面に、それぞれの平行線状凸部とそれぞれの平行線状凹部が互いに交互に位置する複数平行線状凸部と複数平行線状凹部と、前記複数平行線状凸部のうちの所定の凸部の第一側に突出して形成された第一画素部と、前記複数平行線状凸部のうちの所定の線状凸部の第二側に突出して形成された第二画素部とを形成するエッチング工程と、(b)機械加工により、前記第一画素部の表面に、所定の線状凸部から前記第一側に位置する線状凹部の底面に向かって傾斜する第一角度傾斜面と前記線状凹部の底面に対して垂直な第一垂直面を形成する機械加工工程と、(c)機械加工により、前記第二画素部の表面に、所定の線状凸部から前記第二側に位置する線状凹部の底面に向かって傾斜する第二角度傾斜面と前記線状凹部の底面に対して垂直な第二垂直面を形成する機械加工工程と、(d)機械加工により、前記複数平行線状凸部と前記複数平行線状凹部と前記第一画素部と前記第二画素部と前記第一角度傾斜面と前記第二角度傾斜面のうちの少なくとも一つを仕上げ加工する仕上げ機械加工工程とを備えたエンボス版の製造方法であって、前記エンボス版は、金属基材の表面にそれぞれの平行線状凸部とそれぞれの平行線状凹部とが互いに交互に位置して形成された複数平行線状凸部と複数平行線状凹部と、前記複数平行線状凸部のうちの所定の平行線状凸部の第一側に突出して形成された第一画素部、前記複数平行線状凸部のうちの所定の平行線状凸部の第二側に突出して形成された第二画素部とを備え、前記それぞれの平行線状凸部と前記それぞれの平行線状凹部は所定ピッチで形成され、前記第一側と前記第二側は前記複数平行線状凸部と前記複数平行線状凹部の平行線に対して互いに前記基版材の反対側に位置し、前記複数平行線状凸部と前記複数平行線状凹部は前記第一側と前記第二側に対して平行に形成され、それぞれの平行線状凸部の上面は略平面形状を有し、それぞれの平行線状凹部の底面は略平面形状を有し、前記第一画素部の表面は前記所定の平行線状凸部から前記第一側に位置する平行線状凹部の底面に向かって傾斜する第一角度傾斜面と前記線状凹部の底面に対して垂直な第一垂直面とを有し、前記第一角度傾斜面は前記第一垂直面に連続して形成され、前記第二画素部の表面は前記所定の平行線状凸部から前記第二側に位置する平行線状凹部の底面に向かって傾斜する第二角度傾斜面と前記線状凹部の底面に対して垂直な第二垂直面とを有し、前記第二角度傾斜面は前記第二垂直面に連続して形成され、前記第一画素部と前記第二画素部のいずれか一つ又は双方の突出長さは、前記平行線状凹部の幅寸法の半分長さよりも短かく、前記第一画素部が集まって第一画像を形成し、前記第二画素部が集まって第二画像を形成する構成を有する、エンボス版の製造方法である。
【0021】
【作用】
基版材の表面に形成された複数平行線状凸部と複数平行線状凹部と、前記複数平行線状凸部のうちの所定の凸部の第一側に突出して形成された第一画素部と、前記複数平行線状凸部のうちの所定の凸部の第二側に突出して形成された第二画素部とを備え、それぞれの平行線状凸部とそれぞれの平行線状凹部は互いに交互に位置し、前記第一画素部の表面は前記線状凸部から前記第一側に向かって傾斜する第一角度傾斜面を有し、前記第二画素部の表面は前記線状凸部から前記第二側に向かって傾斜する第二角度傾斜面を有し、前記第一画素部が集まって第一画像を形成し、前記第二画素部が集まって第二画像を形成することを特徴とするエンボス版により、被加工物表面に押圧転写し易いエンボス版が得られる。転写された画像において、被加工物表面の第一側からは第二成形画素部の第二成形傾斜面のみが見え、この第二成形傾斜面の集まりにより、第二成形画像のみが見える。被加工物の第二側からは第一成形画素部の第一成形傾斜面のみが見え、この第一成形傾斜面の集まりにより、第一成形画像のみが見える。このように見る角度により、異なる画像が見える。視覚的に異方性を有する視覚チェンジング機能を持つ画像が得られる。被加工物表面に転写された鮮明な転写画像が得られる。また、本発明のエンボス版は、被加工物表面に、転写欠陥のないエンボス画像を押圧転写することができる。これに対して、第一画素部が第一角度傾斜面を持たなく、また第二画素部が第二角度傾斜面を持たない場合、被加工物表面の全ての方向から、第一成形画像と第二成形画像が見えてしまい、視覚的に異方性を有するチェンジング機能を持つ画像が得られない。
【0022】
前記複数平行線状凸部は所定ピッチで形成され、それぞれの平行線状凸部の上面は略平面形状を有し、前記第一画素部と前記第二画素部のいずれか一つ又は双方が、前記複数平行線状凸部のうちの所定の平行線状凸部から突出して形成され、前記第一画素部と第二画素部のそれぞれの突出長さは、それぞれの平行線状凹部の幅寸法の半分長さよりも短い。この構成により、第一画素部と第二画素部とが互いに重なることが防止され、鮮明な画像が得られる。また、被加工物表面に押圧転写された成形画像において、第一成形画像と第二成形画像の見え方が、著しく鮮明になる。これに対して、前記第一画素部と第二画素部のそれぞれの突出長さがそれぞれの平行線状凹部の幅寸法の半分長さよりも長い場合、第一画素部と第二画素部とが互いに重なり、画像の鮮明性がやや劣る。
【0023】
それぞれの平行線状凸部の幅は、それぞれの平行線状凹部の幅よりも短い場合、被加工物表面に押圧転写された成形画像において、第一成形画像と第二成形画像の見え方が、著しく鮮明になる。これに対して、それぞれの平行線状凸部の幅がそれぞれの平行線状凹部の幅よりも長い場合、第一成形画像と第二成形画像が、やや粗な画像になる。
【0024】
前記複数平行線状凹部は所定ピッチで形成され、それぞれの平行線状凹部の底面は略平面形状を有し、前記第一画素部は前記第一傾斜面に連続して平行線状凹部の底面に垂直な第一垂直面を有し、前記第二画素部は前記第二傾斜面に連続して前記平行線状凹部の底面に垂直な第二垂直面を有する。この構成により、被加工物表面に押圧転写された成形画像において、第一画素部に合致して形成された第一成形画像のみが見える角度がより広くなるとともに、第二画素部に合致して形成された第二成形画像のみが見える角度がより広くなる。これに対して、第一垂直面又は第二垂直面を有しないエンボス版の場合、第一画素部に合致して形成された第一成形画像のみが見える角度がやや狭くなり、第二画素部に合致して形成された第二成形画像のみが見える角度がやや狭くなる。
【0025】
前記それぞれの平行線状凸部の幅は0.005mmから0.5mmまでの範囲であり、前記それぞれの平行線状凸部の高さは0.005mmから0.5mmまでの範囲であり、前記それぞれの平行線状凹部の幅は0.005mmから2.5mmまでの範囲であり、前記それぞれの第一画素部と第二画素部のそれぞれの突出長さは0.005mmから1mmまでの範囲である。この構成により、被加工物表面に押圧転写された成形画像において、著しく微細な成形画像が鮮明に得られる。それぞれの構成要素の寸法が上記範囲よりも大きいエンボス版においては、成形画像の画像が粗くなり、又、上記範囲よりも小さい場合、機械加工がやや難しくなる。
【0026】
前記第一角度傾斜面と前記第二角度傾斜面は、前記基版材の表面に対して、5度から85度までの範囲の傾斜角を有する。この構成により、被加工物表面に押圧転写された成形画像において、第一側から見える第二成形画像と、第二側から見える第一成形画像のチェンジング視角の切り換え角度が明瞭になる。また、最適な異方性チェンジング視角が得られる。これに対して、第一角度傾斜面と第二角度傾斜面の傾斜角が上記の範囲外のエンボス版の場合、第一成形画像と第二成形画像との見える角度が切替わるチェンジング視角の切換角度が狭くなる。
【0027】
本発明のエンボス版の使用により被加工物表面に押圧転写されて形成されたエンボス画像成形品において、エンボス版の複数平行線状凸部に合致して複数平行線状成形凹部が形成され、エンボス版の複数平行線状凹部に合致して複数平行線状成形凸部が形成され、第一角度傾斜面に合致して第一成形傾斜面が形成され、第二角度傾斜面に合致して第二成形傾斜面が形成される。すなわち、被加工物の表面に形成されたエンボス画像は、複数平行線状成形凹部と複数平行線状成形凸部と、前記平行線状成形凹部の第一側に突出して形成された第一成形画素部と、前記平行線状成形凹部の第二側に突出して形成された第二成形画素部とを備え、それぞれの平行線状成形凹部とそれぞれの平行線状成形凸部が互いに交互に位置し、前記第一成形画素部は前記平行線状成形凹部の第一側に位置するに平行線状成形凸部に向かって傾斜する第一成形傾斜面を有し、前記第二成形画素部は前記平行線状成形凹部の第二側に位置するに平行線状成形凸部に向かって傾斜する第二成形傾斜面を有し、前記第一成形画素部が集まって第一成形画像を形成し、前記第二成形画素部が集まって第二成形画像を形成する。このように形成されたエンボス画像において、被加工物の第一側からは、第二成形画素部の第二成形傾斜面のみが見え、第一成形画素部の第一成形傾斜面が見えない。被加工物の第二側からは、第一成形画素部の第一成形傾斜面のみが見え、第二成形画素部の第二成形傾斜面が見えない。すなわち、被加工物の第一側からは第二成形画像のみが見え、第二側からは第一成形画像のみが見える。なお、被加工物の真上側からは第一成形画像と第二成形画像との双方の画像が見える。
【0028】
前記複数平行線状成形凹部は所定ピッチで形成され、それぞれの平行線状成形凹部の底面は略平面形状を有し、前記第一成形画素部と前記第二成形画素部のいずれか一つ又は双方が、前記複数平行線状成形凹部のうちの所定の平行線状成形凹部から突出して形成され、前記第一成形画素部と第二成形画素部のそれぞれの突出長さがそれぞれの線状凹部の幅寸法の半分長さよりも短いことなどを特徴とするエンボス版を使用した場合、第一成形画素部と第二成形画素部とが互いに重なることが防止される。また、第一成形画像と第二成形画像の見え方が、著しく鮮明になる。
【0029】
それぞれの平行線状成形凹部の幅がそれぞれの平行線状成形凸部の幅よりも短い場合、第一成形画像と第二成形画像の見え方が、著しく鮮明になる。
【0030】
前記平行線成形凸部の上面は略平面形状を有し、前記第一成形画素部は前記第一成形傾斜面に連続して前記平行線状成形凸部の上面に対して垂直な第一成形垂直部を有し、前記第二成形画素部は前記成形第二傾斜面に連続して前記平行線状凸部の上面に対して垂直な第二成形垂直部を有するなどを特徴とするエンボス版を使用した場合、第一成形画像のみが見える角度、及び、第二画像のみが見える角度がより広くなる。
【0031】
さらに、特に、前記それぞれの平行線状成形凹部の幅は0.005mmから0.5mmまでの範囲であり、前記それぞれの平行線状成形凸部の高さは0.005mmから0.5mmまでの範囲であり、前記それぞれの平行線状成形凸部の幅は0.005mmから2.5mmまでの範囲であり、前記それぞれの第一成形画素部と第二成形画素部のそれぞれの突出長さは0.005mmから1mmまでの範囲であるなどを特徴とするエンボス版を使用した場合、著しく微細な成形画像が鮮明に得られる。
【0032】
前記第一成形傾斜面と前記第二成形傾斜面は、前記被加工物の表面に対して、5度から85度までの範囲の傾斜角を有する。この構成により、第一側から見える第二成形画像と、第二側から見える第一成形画像のチェンジング視角の切換角度が明瞭になる。
【0033】
本発明のエンボス版の製造方法は、(a)腐食エッチングにより、金属基材の表面に、複数平行線状凸部と、複数平行線状凹部と、前記複数平行線状凸部のうちの所定の凸部の第一側に突出して形成された第一画素部と、前記複数平行線状凸部のうちの所定の凸部の第二側に突出して形成された第二画素部とを形成するエッチング工程と、(b)機械加工により、前記第一画素部の表面に、前記線状凸部から前記第一側に向かって傾斜する第一角度傾斜面を形成する機械加工工程と、(c)機械加工により、前記第二画素部の表面に、前記平行線状凸部から前記第二側に向かって傾斜する第二角度傾斜面を形成する機械加工工程とを備え、それぞれの平行線状凸部とそれぞれの平行線状凹部が互いに交互に位置し、前記第一画素部が集まって第一画像を形成し、前記第二画素部が集まって第二画像を形成する。これにより、精密なエンボス版が容易に製造できる。特に、腐食エッチング工程の後に、機械加工により第一角度傾斜面と第二角度傾斜面を形成する方法により、第一画素部と第二画素部のそれぞれの角度傾斜面を精密に作成出来る。その結果、高い精度を持つ第一成形画像と第二成形画像が作成出来る。
【0034】
また、前記エンボス版の製造方法は、さらに、(d)機械加工により、前記複数平行線状凸部と前記複数平行線状凹部と前記第一突出部と前記第二突出部と前記第一角度傾斜面と前記第二角度傾斜面のうちの少なくとも一つを仕上げ加工する仕上げ機械加工工程を備える。これにより、さらに高い寸法精度を有するエンボス版が作成出来る。
【0035】
特に、前記複数平行線状凸部は所定ピッチで形成され、前記第一画素部と前記第二画素部のいずれか一つ又は双方が、前記複数平行線状凸部のうちの所定の線状凸部から突出して形成され、それぞれの平行線状凸部の幅は、それぞれの平行線状凹部の幅よりも短く、前記第一画素部と第二画素部のそれぞれの突出長さは、それぞれの線状凹部の幅寸法の半分長さよりも短い。また、前記第一画素部は前記第一傾斜面に連続して平行凹部の底面に対して垂直な第一垂直面を有し、前記第二画素部は前記第二傾斜面に連続して前記凹部の底面に対して垂直な第二垂直面を有する。このような場合、被加工物表面に押圧転写された成形画像において、第一成形画像のみが見える角度、及び、第二画像のみが見える角度がより広くなる。
【0036】
特に、前記それぞれの平行線状凸部の幅は0.005mmから0.5mmまでの範囲であり、前記それぞれの平行線状凸部の高さは0.005mmから0.5mmまでの範囲であり、前記それぞれの平行線状凹部の平行線状幅は0.005mmから2.5mmまでの範囲であり、前記それぞれの第一画素部と第二画素部のそれぞれの突出長さは0.005mmから1mmまでの範囲である場合、この構成により、容易に加工出来るとともに、被加工物表面に押圧転写された成形画像において、著しく微細な成形画像が鮮明に得られる。
【0037】
特に、前記第一角度傾斜面と前記第二角度傾斜面は、前記基版材の表面に対して、5度から85度までの範囲の傾斜角を有する。この構成により、容易に加工出来ると共に、被加工物表面に押圧転写された成形画像において、第一側から見える第二成形画像と第二側から見える第一成形画像との見える角度が切り替わるチェンジング視角の切換角度が明瞭になる。
【0038】
【実施例】
以下に、本発明の典型的実施例を図面を使用して説明する。
【0039】
典型的実施例1
図1の(イ)は本発明の一実施例のエンボス版の主要部を拡大した平面図であり、図1の(ロ)は本発明の一実施例のエンボス版の主要部を拡大した側面図であり、図2の(イ)は図1(イ)のA−A線に沿った断面図であり、図2の(ロ)は図1(イ)のB−B線に沿った断面図である。図3の(イ)は本発明の一実施例のエンボス版に形成される第一画像であり、図3の(ロ)は第二画像であり、図3の(ハ)は第一画像と第二画像との合成画像である。図4は本発明の一実施例のエンボス版の寸法を示す拡大断面図である。
【0040】
図1(イ)と図1(ロ)において、基版材1の表面に、複数平行線状凸部2と複数平行線状凹部3が基版材1の表面に形成されている。複数平行線状凸部2のそれぞれの凸部の上面は平面形状を有し、複数平行線状凹部3のそれぞれの凹部の底面は平面形状を有する。複数平行線状凸部2のうちの所定の平行線状凸部2の第一側に突出して、第一画素部4が形成されている。複数平行線状凸部2のうちの所定の平行線状凸部2の第二側に突出して、第二画素部5が形成されている。第一画素部4は、第一側に向かって傾斜する第一角度傾斜面4aを有し、第二画素部5は、第二側に向かって傾斜する第二角度傾斜面5aを有する。第一角度傾斜面4aと第二角度傾斜面5aは、平行線状凸部2から平行線状凹部3に向かって下がる傾斜を有する。なお、第一側と第二側は、複数平行線状凸部2と複数平行線状凹部3の平行線に対して、互いに反対側に位置する。図3(イ)に示されるように、第一画素部4が集まって、第一画像40が形成される。図3(ロ)に示されるように、第二画素部5が集まって、第二画像50が形成される。すなわち、図3(ハ)に示されるような第一画像と第二画像が形成されている。このようにして、エンボス版100が構成されている。平行線状凸部(2)の上面は平行線状凹部(3)の底面に対して略平行に位置する。
【0041】
望ましくは、エンボス版100は次の構成を有する。すなわち、複数平行線状凸部2は所定ピッチ(P)で形成され、第一画素部4と第二画素部5のいずれか一つ又は双方が、所定の線状凸部2から突出して形成され、第一画素部4の突出長さ(L4)と第二画素部5の突出長さ(L5)は、それぞれの線状凹部の幅(W3)の半分長さよりも短い。この構成により、第一画素部4と第二画素部5とが互いに重なることが防止される。また、望ましくは、それぞれの平行線状凸部2の幅(W2)は、それぞれの平行線状凹部3の幅(W3)よりも短い。このエンボス版100を使用して押圧転写されたエンボス画像成形品において、第一成形画像と第二成形画像の見え方が、著しく鮮明になる。
【0042】
さらに望ましくは、図2(イ)と図2(ロ)に示されるように、第一画素部4は第一角度傾斜面4aに連続して平行線状凹部3の底面に垂直な第一垂直面4bを有し、第二画素部5は第二角度傾斜面5aに連続して平行線状凹部3の底面に垂直な第二垂直面5bを有する。この構成により、このエンボス版100を使用して押圧転写されたエンボス成形画像において、第一成形画像と第二成形画像とが重なった画像が見える視野角度が狭くなり、第一成形画像のみ及び第二成形画像のみが見える角度がより広くなる。
【0043】
さらに望ましくは、それぞれの平行線状凸部2の幅(W2)は0.005mmから0.5mmまでの範囲であり、特に望ましくは、0.01mmから0.1mmまでの範囲である。それぞれの平行線状凸部2の高さ(H2)は0.005mmから0.5mmまでの範囲であり、特に望ましくは、0.01mmから0.1mmまでの範囲である。それぞれの平行線状凹部3の平行線状幅(W3)は0.005mmから2.5mmまでの範囲であり、特に望ましくは、0.02mmから1mmまでの範囲である。それぞれの第一画素部4の突出長さ(L4)と第二画素部5の突出長さ(L5)はそれぞれ0.005mmから1mmまでの範囲であり、特に望ましくは、0.02mmから0.5mmまでの範囲である。この構成により、このエンボス版100を使用して押圧転写されたエンボス画像成形品において、著しく微細な画像が鮮明に得られる。これに対して、平行線状凸部2の幅(W2)が0.5mmを越え、平行線状凹部3の幅(W3)が0.5mmを越え、第一画素部4の突出長さ(L4)と第二画素部5の突出長さ(L5)が1mmを越える場合、押圧転写されたエンボス画像成形品の画像の鮮明度がやや劣る。また、平行線状凸部2の幅(W2)が0.005mm未満、平行線状凹部3の幅(W3)が0.005mm未満、第一画素部4の突出長さ(L4)と第二画素部5の突出長さ(L5)が0.005mm未満の場合、加工方法として特別な精密加工を必要とし、そのために高価になる。
【0044】
さらに望ましくは、第一角度傾斜面4aの傾斜角(X)と第二角度傾斜面5aの傾斜角(Y)は、基版材1の表面に対して、5度から85度までの範囲の傾斜角を有する。すなわち、それぞれの傾斜面4a、5aは、それぞれの平行線状凸部2の上表面及びそれぞれの平行線状凹部3に対して、5度から85度までの範囲の傾斜角を有する。この構成により、被加工物表面に押圧転写された成形画像において、第一側から見える第二成形画像と第二側から見える第一成形画像との見える角度が切り替わるチェンジング視角の切換角度が明瞭になる。なお、傾斜角(X)と傾斜角(Y)が互いに同じ傾斜角である構成、及び、傾斜角(X)と傾斜角(Y)が互いに異なる構成が使用できる。これらの角度に依存して、第一側及び第二側から見える画像の範囲が異なってくる。
【0045】
本実施例のエンボス版100において、それぞれの平行線状凸部2の幅(W2)は0.05mmであり、それぞれの平行線状凸部2の高さ(H2)は0.05mmであり、それぞれの平行線状凹部3の平行線状幅(W3)は0.25mmであり、それぞれの第一画素部4の突出長さ(L4)は0.1mmであり、それぞれの第二画素部5の突出長さ(L5)は0.1mmであり、それぞれの第一画素部4の高さ(H4)は約0.02mmであり、それぞれの第二画素部5の高さ(H5)は約0.02mmである。第一角度傾斜面4aの傾斜角度(X)は約15度であり、第二角度傾斜面の傾斜角度(Y)は約15度である。それぞれの平行線状凸部2のピッチ(P)は0.3mmである。また、第一角度傾斜面4aと第二角度傾斜面5aは、基版材1の表面に対して、約15度の傾斜角を有する。なお、本実施例における図1〜図4において、それぞれの構成要素の寸法精度や縦横の寸法比は概略を示すものであり、正確な寸法精度、寸法比率を示す物ではない。
【0046】
基版材1としては、特に限定されないが、例えば、金属版やプラスチック版などが使用できる。金属版としては、真鍮版、銅版、マグネシウム版、アルミニウム版、又は、鉄鋼版等が使用される。プラスチック版としては、ベークライト(ポリフェノール樹脂)版などの熱硬化性樹脂版やナイロン(ポリアミド樹脂)版、硬質樹脂などが使用される。基版材1としては、真鍮版、銅版、マグネシウム版が特に望ましく、この場合、腐食エッチング工程と機械加工工程との製造方法により、安価に容易にエンボス版を作成することが可能になり、また、微細な画像を高精度で安価に加工することが可能になる。その結果、より微細なエンボス画像が鮮明に得られる。腐食エッチング加工が困難な材質の場合、機械加工により製造できる。
【0047】
第一画像、第二画像、第一成形画像、及び第二成形画像としては、特に限定されることなく、例えば、文字、数字、絵柄、図、図形、写真、商標、記号などの任意の画像が形成される。また、これらの画像の方向や向きは特に限定されることなく、例えば、第一画像と第二画像の向きが互いに反対の方向であってもよく、第一画像と第二画像の向きが互いに同じ方向であってもよい。
【0048】
なお、本典型的実施例のエンボス版は、例えば、(1)腐食エッチング加工と精密機械加工による角度傾斜面の加工とによる製造、又は、(2)彫版工具として数値制御機械を使用した加工、又は、(3)彫版工具としてレーザビームを使用した加工、又は、(4)腐食エッチング加工、機械加工、精密機械加工、数値制御機械加工、レーザビーム加工のうちの所定の加工を組み合わせた複数加工などにより製造される。
【0049】
本典型的実施例のエンボス版は、第一画素部と第二画素部との双方を備えたエンボス版について説明したが、第一画素部と第二画素部のうちのいずれか一つの画素部を備えたエンボス版も、本実施例と類似して実施可能である。例えば、本実施例において、第一画素部のみが形成され、第二画素部が形成されていないようなエンボス版も実施できる。この場合、被加工物の表面に押圧転写されたエンボス画像において、被成形物表面の第二側から第一成形画像のみが見え、第一側からは何の画像も見えない。このようなエンボス版においても、第二成形画像が形成されないことを除いて上記と同じ作用効果が得られる。
【0050】
本実施例のエンボス版は、押圧転写してエンボス画像成形品を製造するための版型として使用するための実施例を説明したが、これに限定されることなく、本発明のエンボス版は、押圧転写することなく、そのエンボス版自体が視覚的に異方性を持つチェンジング視覚画像としてのエンボス版またはエンボス画像成形品としても使用できる。この場合、第一画像40と第二画像50は反転画像ではなく正常画像として形成され、所定の側から第一画像のみが見え、その反対側から第二画像のみが見える。
【0051】
典型的実施例2
図5(イ)は、本発明の一実施例のエンボス版の形状に合致して被加工物表面に押圧転写されたエンボス画像成形品の主要部を拡大した平面図である。図5(ロ)は、被加工物表面に押圧転写されたエンボス画像成形品の主要部の拡大した側面図である。図6(イ)は図5(イ)のC−C線に沿った断面図であり、図6(ロ)はD−D線に沿った断面図である。図7(イ)はエンボス画像成形品に形成された第一成形画像であり、図7(ロ)は第二成形画像である。図7(ハ)は第一成形画像と第二成形画像との合成画像である。本実施例において、典型的実施例1で示したエンボス版100を使用して、被加工物表面に押圧転写したエンボス画像成形品について説明する。
【0052】
図5(イ)と図5(ロ)において、被加工物10の表面に、複数平行線状成形凹部12と、複数平行線状成形凸部13と、所定の成形凹部12から第一側の成形凸部13に向かって突出する第一成形画素部14と、所定の成形凹部12から第二側の成形凸部13に向かって突出する第二成形画素部15とが形成されている。複数平行線状成形凹部12のそれぞれの平行線状成形凹部12の底面は平面形状を有し、複数平行線状成形凸部13のそれぞれの平行線状成形凸部の上面は平面形状を有する。第一成形画素部14は第一成形傾斜面14aを有し、第二成形画素部15は第二成形傾斜面15aを有する。ここで、複数平行線状成形凹部12はエンボス版100の複数平行線状凸部2の押圧転写により形成され、複数平行線状成形凸部13は複数平行線状凹部3の押圧転写により形成され、第一成形画素部14は第一画素部4の押圧転写により形成され、第二成形画素部15は第二画素部5の押圧転写により形成される。また、第一成形傾斜面14aは第一角度傾斜面4aの押圧転写により形成され、第二成形傾斜面15aは第二角度傾斜面5aの押圧転写により形成される。図7(イ)と図7(ロ)に示されるように、第一成形画素部14が集まって、第一成形画像140が形成され、第二成形画素部15が集まって、第二成形画像150が形成される。図7(ハ)は第一成形画像140と第二成形画像150との合成画像である。
【0053】
望ましくは、複数平行線状成形凹部12は所定ピッチで形成され、第一成形画素部14と第二成形画素部15のいずれか一つ又は双方が、複数平行線状成形凹部12のうちの所定の平行線状成形凹部12から突出して形成されている。第一成形画素部14と第二成形画素部15のそれぞれの突出長さは、それぞれの平行線状成形凸部13の幅寸法の半分長さよりも短い。望ましくは、それぞれの平行線状成形凹部12の幅は、それぞれの平行線状成形凸部13の幅よりも短い。また、第一成形画素部14は前記第一成形傾斜面14aに連続して平行線状成形凸部13の上面に対して垂直な第一成形垂直面14bを有し、第二成形画素部15は第二成形傾斜面15aに連続して平行線状成形凸部13の上面に対して垂直な第二成形垂直面15bを有する。この第一成形垂直面14bは、エンボス版の第一垂直面4bの押圧転写により形成され、第二成形垂直面15bは、エンボス版の第二垂直面5bの押圧転写により形成される。
【0054】
図6(イ)に示すように押圧転写されたエンボス画像成形品を第二側から見た場合、図7(イ)のような第一成形画像140のみが見えて、第二成形画像150は見えない。すなわち、第二側から第一成形傾斜面14aのみが見えるが、しかしながら、第二成形傾斜面15aは成形凸部13に隠れて見えない。その結果、第一成形傾斜面14aが集まった第一成形画像140のみが見える。なお、第二側は、複数平行線状成形凸部13と複数平行線状成形凹部12の平行線を中心として第一側に対して反対側に位置する。また、図6(ロ)に示すようにエンボス画像成形品を第一側から見た場合、図7(ロ)のような第二成形画像150のみが見えて、第一成形画像140は見えない。すなわち、第一側から第二成形傾斜面15aのみが見えるが、しかしながら、第一成形傾斜面14aは成形凸部13に隠れて見えない。その結果、第二成形傾斜面15aが集まった第二成形画像150のみが見える。また、エンボス画像成形品を上側から見た場合、第一成形傾斜面14aと第二成形傾斜面15aの双方が見えて、その結果、第一成形画像140と第二成形画像150の双方の画像が見える。このようにして、異方視認性画像が得られる。なお、成形凸部13は、全ての方向から見える。また、図6の(イ)と(ロ)において、破線矢印は見る角度方向を示す。
【0055】
特に望ましくは、それぞれの平行線状凸部2に合致して形成された平行線状成形凹部12の幅は0.005mmから0.5mmまでの範囲であり、それぞれの平行線状凸部2の高さに合致して形成された平行線状成形凹部12の深さは0.005mmから0.5mmまでの範囲であり、それぞれの平行線状凹部3に合致して形成された平行線状成形凸部13の幅は0.005mmから2.5mmまでの範囲であり、前記それぞれの第一成形画素部と第二成形画素部のそれぞれの突出長さは0.005mmから1mmまでの範囲である。
【0056】
さらに望ましくは、第一成形傾斜面14aと第二成形傾斜面15aは、被加工物10の表面に対して、5度から85度までの範囲の傾斜角を有する。すなわち、第一成形傾斜面14aと第二成形傾斜面15aは、平行線状成形凸部13の上表面及びそれぞれの平行線状成形凹部12に対して、5度から85度までの範囲の傾斜角を有する。この構成により、被加工物表面に押圧転写された成形画像において、第一側から見える第二成形画像と、第二側から見える第一成形画像のチェンジング視角の切り換え角度が明瞭になる。
【0057】
本典型的実施例において、被加工物10としては、特に限定されなく、エンボス版により押圧されることにより凹凸加工可能な材料が使用され、例えば、プラスチック、樹脂、紙、金属箔、軟質金属、ラミネートフィルム又はこれらの組合せ材料などが使用される。
【0058】
本典型的実施例のエンボス画像成形品は、第一成形画素部と第二成形画素部との双方を備えたエンボス画像成形品について説明したが、第一成形画素部と第二成形画素部のうちのいずれか一つの画素部を備えたエンボス画像成形品も、本実施例と類似して実施可能である。例えば、本実施例において、第一成形画素部のみが形成され、第二成形画素部が形成されていないようなエンボス画像成形品も実施できる。この場合、被成形物表面の第二側から第一成形画像のみが見え、第一側からは何の画像も見えない。このようなエンボス版においても、第二成形画像が形成されないことを除いて上記と同じ作用効果が得られる。
【0059】
典型的実施例3
本発明の一実施例のエンボス版の製造方法を示す工程図を図8に示す。本典型的実施例においては、典型的実施例1で説明したエンボス版を製造するための製造方法について説明する。本実施例のエンボス版の製造方法は、腐食エッチング工程の第一工程と、機械加工装置による角度傾斜面の加工工程の第二工程とを併用する。図8において、まず、第一工程の腐食エッチング工程について説明する。金属基版材と、その基版材を腐食エッチングするためのフィルムマスクとを準備する。フィルムマスクは通常の公知の方法により作成される。例えば、手作業による作図、又は、コンピューターによる作図などにより、所定の平面図を有するフィルムマスクを作成する。他方、基版材の表面にレジストを塗布する。つぎに、フィルムマスクを介してレジスト塗膜を感光し、焼き付ける。その後、感光していない箇所のレジストを水又は溶剤を用いて除去することにより、レジストを現像する。このようにして、基版材の表面に、露出面と所定の平面図を有するレジスト硬化膜とを形成する。その後、エッチング液を使用して、基版材を腐食エッチングする。この場合、レジスト硬化膜がマスクとして作用して、基版材の露出面のみが腐食エッチングされ、レジスト硬化膜により覆われた基版部は腐食エッチングされない。腐食エッチングの深さは、エッチング時間、エッチング回数、エッチング液濃度などにより制御される。その後、レジスト硬化膜を除去する。このようにして、金属基材の表面に、複数平行線状凸部と、複数平行線状凹部と、その複数平行線状凸部のうちの所定の凸部の第一側に突出して形成された第一画素部と、その複数平行線状凸部のうちの所定の凸部の第二側に突出して形成された第二画素部とを形成する。
【0060】
つぎに、機械加工による第二工程について説明する。前述の第一工程により作成された所定の腐食エッチング面形状を有する基版材の第一画素部の表面に、精密機械加工装置を使用して、線状凸部から第一側に向かって傾斜する第一角度傾斜面を形成し、さらに、第二画素部の表面に、線状凸部から第二側に向かって傾斜する第二角度傾斜面を形成する。この場合、第一角度傾斜面と第二角度傾斜面とが同時に切削加工されることもできる。
【0061】
ここで、第一画素部が集まって第一画像を形成し、第二画素部が集まって第二画像を形成する。
【0062】
このようにして、典型的実施例1で説明したような第一画像と第二画像とを有するエンボス版が製造される。特に、腐食エッチングによる第一工程と機械加工装置による角度傾斜面の加工工程の第二工程とを分離して製造することにより、第一角度傾斜面と第二角度傾斜面の加工精度が著しく向上し、優れた加工精度を有するエンボス版が安価に製造できる。
【0063】
本典型的実施例のエンボス版の製造方法において、望ましくは、さらに、機械加工により、前記複数平行線状凸部と前記複数平行線状凹部と前記第一突出部と前記第二突出部と前記第一角度傾斜面と前記第二角度傾斜面のうちの少なくとも一つを仕上げ加工する工程を備える。これにより、さらに高い寸法精度を有するエンボス版が作成出来る。
【0064】
本典型的実施例において、基版材としては特に限定されなく、例えば、真鍮材や銅材が使用される。レジストとしてはネガ型レジストが使用されたが、これに限定されることなく、ポジ型レジストも使用できる。腐食エッチング液としては、基版材に応じて最適な腐食エッチング液が使用され、例えば、基版材が真鍮材や銅材のとき、腐食エッチング液としては、塩化第二鉄液が使用される。また、機械加工としては、例えば、倣い研削装置が使用される。特に、倣い研削装置を使用することにより、角度傾斜面や凹部、突出部の優れた機械加工精度を持つエンボス版が安価に製造できる。
【0065】
【発明の効果】
本発明のエンボス版により、被加工物表面に押圧転写された鮮明な転写画像が得られる。また、被加工物表面に、転写欠陥のないエンボス画像を押圧転写することができる。転写された画像において、被加工物表面の第一側からは第二成形画像のみが見え、被加工物の第二側からは第一成形画像のみが見える。このように見る角度により、異なる画像が見える。
【0066】
本発明のエンボス画像成形品により、被加工物表面の所定の側から所定の画像のみが見え、反対側から異なる画像のみが見え、その見え方が鮮明である。
【0067】
さらに、凸部、凹部、突出部、角度傾斜面の寸法を制御することにより、第一画素部と第二画素部とが互いに重なることが防止され、また、第一成形画像のみが見える角度、及び、第二成形画像のみが見える角度がより広くなる。
【0068】
本発明のエンボス版の製造方法により、第一角度傾斜面と第二角度傾斜面の加工精度が著しく向上し、優れた加工精度を有するエンボス版が安価に製造できる。その結果、第一成形画像と第二成形画像が鮮明に見える。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)は本発明の一実施例のエンボス版の主要部を拡大した平面図であり、(ロ)は本発明の一実施例のエンボス版の主要部を拡大した側面図である。
【図2】(イ)は図1(イ)のA−A線に沿った断面図であり、(ロ)は図1(イ)のB−B線に沿った断面図である。
【図3】(イ)は本発明の一実施例のエンボス版に形成される第一画像であり、(ロ)は第二画像であり、(ハ)は第一画像と第二画像との合成画像である。
【図4】本発明の一実施例のエンボス版の寸法を示す拡大断面図である。
【図5】(イ)は本発明の一実施例のエンボス版の形状に合致して被加工物表面に押圧転写されたエンボス画像成形品の主要部を拡大した平面図であり、(ロ)は被加工物表面に押圧転写されたエンボス画像成形品の主要部の拡大した側面図である。
【図6】(イ)は図5(イ)のC−C線に沿った断面図であり、(ロ)はD−D線に沿った断面図である。
【図7】(イ)はエンボス画像成形品に形成された第一画像であり、(ロ)は第二画像であり、(ハ)は第一画像と第二画像との合成画像である。
【図8】本発明の一実施例のエンボス版の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1 基版材
2 平行線状凸部
3 平行線状凹部
4 第一画素部
4a 第一角度傾斜面
4b 第一垂直面
5 第二画素部
5a 第二角度傾斜面
5b 第二垂直面
10 被加工物
12 平行線状成形凹部
13 平行線状成形凸部
14 第一成形画素部
14a 第一成形傾斜面
14b 第一成形垂直面
15 第二成形画素部
15a 第二成形傾斜面
15b 第二成形垂直面
40 第一画像
50 第二画像
100 エンボス版
140 第一成形画像
150 第二成形画像
W2 平行線状凸部の幅
W3 平行線状凹部の幅
L4 第一画素部の突出長さ
L5 第二画素部の突出長さ
H2 平行線状凸部の高さ
H4 第一画素部の高さ
H5 第二画素部の高さ
P 平行線状凸部のピッチ
X 第一角度傾斜面の傾斜角
Y 第二角度傾斜面の傾斜角

Claims (7)

  1. 被加工物(10)の表面に押圧転写によりエンボス画像成形品を成形するためのエンボス版であって、
    基版材(1)の表面にそれぞれの平行線状凸部(2)とそれぞれの平行線状凹部(3)とが互いに交互に位置して形成された複数平行線状凸部(2)と複数平行線状凹部(3)と、
    前記複数平行線状凸部(2)のうちの所定の平行線状凸部(2)の第一側に突出して形成された第一画素部(4)と、
    前記複数平行線状凸部(2)のうちの所定の平行線状凸部(2)の第二側に突出して形成された第二画素部(5)とを備え、
    前記それぞれの平行線状凸部(2)と前記それぞれの平行線状凹部(3)は所定ピッチで形成され、
    前記第一側と前記第二側は前記複数平行線状凸部(2)と前記複数平行線状凹部(3)の平行線に対して互いに前記基版材(1)の反対側に位置し、
    前記複数平行線状凸部(2)と前記複数平行線状凹部(3)は前記第一側と前記第二側に対して平行に形成され、
    それぞれの平行線状凸部(2)の上面は略平面形状を有し、
    それぞれの平行線状凹部(3)の底面は略平面形状を有し、
    前記第一画素部(4)の表面は前記所定の平行線状凸部(2)から前記第一側に位置する線状凹部(3)の底面に向かって傾斜する第一角度傾斜面(4a)を有し、
    前記第二画素部(5)の表面は前記所定の平行線状凸部(2)から前記第二側に位置する線状凹部(3)の底面に向かって傾斜する第二角度傾斜面(5a)を有し、
    前記第一画素部(4)が集まって第一画像(40)を形成し、
    前記第二画素部(5)が集まって第二画像(50)を形成することを特徴とするエンボス版。
  2. 前記第一画素部(4)は前記平行線状凹部(3)の底面に対して垂直な第一垂直面(4b)を有し、前記第一角度傾斜面(4a)は前記第一垂直面(4b)に連続して形成され、前記第二画素部(5)は前記平行線状凹部(3)の底面に対して垂直な第二垂直面(5b)を有し、前記第二角度傾斜面(5a)は前記第二垂直面(5b)に連続して形成されることを特徴とする請求項1記載のエンボス版。
  3. 前記第一画素部(4)と前記第二画素部(5)のいずれか一つ又は双方の突出長さは、前記平行線状凹部(3)の幅寸法の半分長さよりも短いことを特徴とする請求項1又は2記載のエンボス版。
  4. 請求項1、2又は3記載のエンボス版の使用により被加工物(10)の表面に押圧転写されたエンボス画像成形品であって、
    前記複数平行線状凸部(2)に合致して形成された複数平行線状成形凹部(12)と、
    前記複数平行線状凹部(3)に合致して形成された複数平行線状成形凸部(13)と、
    前記第一画素部(4)に合致して形成された第一成形画素部(14)と、
    前記第二画素部(5)に合致して形成された第二成形画素部(15)とを備え、
    前記第一成形画素部(14)は前記複数平行線状成形凹部(12)のうちの所定の平行線状成形凹部(12)の被加工物の第一側に形成され、
    前記第二成形画素部(15)は前記複数平行線状成形凹部(12)のうちの所定の平行線状成形凹部(12)の被加工物の第二側に形成され、
    それぞれの平行線状成形凹部(12)とそれぞれの平行線状成形凸部(13)は互いに交互に位置し、
    被加工物(10)の第一側と被加工物の第二側は、前記複数平行線状成形凹部(12)と前記複数平行線状成形凸部(13)の平行線に対して互いに反対側に位置し、
    それぞれの平行線状成形凹部(12)の底面は略平面形状を有し、
    それぞれの平行線状成形凸部(13)の上面は略平面形状を有し、
    前記第一成形画素部(14)の表面は前記所定の平行線状成形凹部(12)の底面から前記被加工物第一側に位置する平行線状成形凸部(13)に向かって傾斜する第一成形傾斜面(14a)を有し、
    前記第二成形画素部(15)の表面は前記所定の平行線状成形凹部(12)の底面から前記被加工物第二側に位置する平行線状成形凸部(13)に向かって傾斜する第二成形傾斜面(15a)を有し、
    前記第一成形画素部(14)が集まって第一成形画像(140)を形成し、
    前記第二成形画素部(15)が集まって第二成形画像(150)を形成し、
    前記エンボス画像成形品を被加工物の第一側から見た場合、前記第二成形傾斜面(15a)のみが見え、前記第一成形傾斜面(14a)は前記複数平行線状成形凸部(13)に隠れて見えなく、そのために、前記第二成形画像(150)のみが見え、前記第一成形画像(140)は見えなく、
    前記エンボス画像成形品を被加工物の第二側から見た場合、前記第一成形傾斜面(14a)のみが見え、前記第二成形傾斜面(15a)は前記複数平行線状成形凸部(13)に隠れて見えなく、そのために、前記第一成形画像(140)のみが見え、前記第二成形画像(150)は見えなく、
    前記エンボス画像成形品を上側から見た場合、前記第一成形傾斜面(14a)と前記第二成形傾斜面(15a)の双方の傾斜面が見え、そのために、前記第一成形画像(140)と前記第二成形画像(150)の双方の画像が見えることを特徴とするエンボス画像成形品。
  5. 被加工物(10)の表面に形成されたエンボス画像成形品であって、
    それぞれの平行線状成形凹部(12)とそれぞれの平行線状成形凸部(13)が互いに交互に位置する複数平行線状成形凹部(12)と複数平行線状成形凸部(13)と、
    前記複数平行線状成形凹部(12)のうちの所定の平行線状成形凹部(12)の被加工物の第一側に形成された第一成形画素部(14)と、
    前記複数平行線状成形凹部(12)のうちの所定の平行線状成形凹部(12)の被加工物の第二側に形成された第二成形画素部(15)とを備え、
    前記それぞれの平行線状成形凹部(12)と前記それぞれの平行線状成形凸部(13)は所定ピッチで形成され、
    それぞれの平行線状成形凹部(12)の底面は略平面形状を有し、
    それぞれの平行線状成形凸部(13)の上面は略平面形状を有し、
    前記第一成形画素部(14)は前記所定の平行線状成形凹部(12)の底面から前記被加工物(10)表面の第一側に位置する線状成形凸部(13)に向かって傾斜する第一成形傾斜面(14a)を有し、
    前記第二成形画素部(15)は前記所定の平行線状成形凹部(12)の底面から前記被加工物(10)表面の第二側に位置する線状成形凸部(13)に向かって傾斜する第二成形傾斜面(15a)を有し、
    前記被加工物の第一側と前記被加工物の第二側は前記複数平行線状成形凹部(12)と前記複数平行線状成形凸部(13)の平行線に対して互いに前記被加工物(10)の表面の反対側に位置し、
    前記複数平行線状成形凹部(12)と前記複数平行線状成形凸部(13)は前記第一側と前記第二側に対して平行に形成され、
    前記第一成形画素部(14)が集まって第一成形画像(140)を形成し、前記第二成形画素部(15)が集まって第二成形画像(150)を形成し、
    前記エンボス画像成形品を被加工物の第一側から見た場合、前記第二成形傾斜面(15a)のみが見え、前記第一成形傾斜面(14a)は前記複数平行線状成形凸部(13)に隠れて見えなく、そのために、前記第二成形画像(150)のみが見え、前記第一成形画像(140)は見えなく、
    前記エンボス画像成形品を被加工物の第二側から見た場合、前記第一成形傾斜面(14a)のみが見え、前記第二成形傾斜面(15a)は前記複数平行線状成形凸部(13)に隠れて見えなく、そのために、前記第一成形画像(140)のみが見え、前記第二成形画像(150)は見えなく、
    前記エンボス画像成形品を上側から見た場合、前記第一成形傾斜面(14a)と前記第二成形傾斜面(15a)の双方の傾斜面が見え、そのために、前記第一成形画像(140)と前記第二成形画像(150)の双方の画像が見えることを特徴とする、エンボス画像成形品。
  6. 基版材(1)の表面にそれぞれの平行線状凸部(2)とそれぞれの平行線状凹部(3)が互いに交互に位置して形成された複数平行線状凸部(2)と複数平行線状凹部(3)と、
    前記複数平行線状凸部(2)のうちの所定の平行線状凸部(2)の第一側に突出して形成された第一画素部(4)と、
    前記複数平行線状凸部(2)のうちの所定の平行線状凸部(2)の第二側に突出して形成された第二画素部(5)とを備え、
    前記それぞれの平行線状凸部(2)と前記それぞれの平行線状凹部(3)は所定ピッチで形成され、
    前記第一側と前記第二側は前記複数平行線状凸部(2)と前記複数平行線状凹部(3)の平行線に対して互いに前記基版材(1)の反対側に位置し、
    前記複数平行線状凸部(2)と前記複数平行線状凹部(3)は前記第一側と前記第二側に対して平行に形成され、
    前記それぞれの平行線状凸部(2)の上面は略平面形状を有し、
    前記それぞれの平行線状凹部(3)の底面は略平面形状を有し、
    前記第一画素部(4)の表面は前記所定の平行線状凸部(2)から前記第一側に位置する平行線状凹部(3)の底面に向かって傾斜する第一角度傾斜面(4a)を有し、
    前記第二画素部(5)の表面は前記所定の平行線状凸部(2)から前記第二側に位置する平行線状凹部(3)の底面に向かって傾斜する第二角度傾斜面(5a)を有し、
    前記第一画素部(4)が集まって第一画像(40)を形成し、
    前記第二画素部(5)が集まって第二画像(50)を形成し、
    前記第一画像(40)及び前記第二画像(50)は正常画像であり、
    前記基版材(1)表面の第二側から見た場合、前記第二角度傾斜面(5a)は前記複数平行線状凸部(2)に隠れて見えなく、前記第一角度傾斜面(4a)のみが見え、そのために、前記第二画像(50)は見えなく、前記第一画像(40)のみが見え、
    前記基版材(1)表面の第一側から見た場合、前記第一角度傾斜面(4a)は前記複数平行線状凸部(2)に隠れて見えなく、前記第二角度傾斜面(5a)のみが見え、そのために、前記第一画像(40)は見えなく、前記第二画像(50)のみが見え、
    前記基版材(1)表面の上側から見た場合、前記第一角度傾斜面(4a)と前記第二角度傾斜面(5a)の双方の傾斜面が見え、そのために、前記第一画像(40)と前記第二画像(50)の双方の画像が見えることを特徴とするエンボス画像成形品。
  7. (a)金属基材の表面にレジストを塗布し,マスクを介して該レジストを感光して焼付け、さらに、現像して、所定平面図のレジスト膜を形成し、その後、エッチング液を使用して、レジスト膜に覆われていない露出面を所定深さに腐食エッチングする腐食エッチングにより、金属基材の表面に、それぞれの平行線状凸部(2)とそれぞれの平行線状凹部(3)とが互いに交互に位置する複数平行線状凸部(2)と複数平行線状凹部(3)と、前記複数平行線状凸部(2)のうちの所定の凸部(2)の第一側に突出して形成された第一画素部(4)と、前記複数平行線状凸部(2)のうちの所定の線状凸部(2)の第二側に突出して形成された第二画素部(5)とを形成するエッチング工程と、
    (b)機械加工により、前記第一画素部の表面に、所定の線状凸部(2)から前記第一側に位置する線状凹部(3)の底面に向かって傾斜する第一角度傾斜面(4a)と前記線状凹部(3)の底面に対して垂直な第一垂直面(4b)を形成する機械加工工程と、
    (c)機械加工により、前記第二画素部の表面に、所定の線状凸部(2)から前記第二側に位置する線状凹部(3)の底面に向かって傾斜する第二角度傾斜面(5a)と前記線状凹部(3)の底面に対して垂直な第二垂直面(5b)を形成する機械加工工程と、
    (d)機械加工により、前記複数平行線状凸部(2)と前記複数平行線状凹部(3)と前記第一画素部(4)と前記第二画素部(5)と前記第一角度傾斜面(4a)と前記第二角度傾斜面(5a)のうちの少なくとも一つを仕上げ加工する仕上げ機械加工工程とを備えたエンボス版の製造方法であって、
    前記エンボス版は、
    金属基材(1)の表面にそれぞれの平行線状凸部(2)とそれぞれの平行線状凹部(3)とが互いに交互に位置して形成された複数平行線状凸部(2)と複数平行線状凹部(3)と、
    前記複数平行線状凸部(2)のうちの所定の平行線状凸部(2)の第一側に突出して形成された第一画素部(4)と、
    前記複数平行線状凸部(2)のうちの所定の平行線状凸部(2)の第二側に突出して形成された第二画素部(5)とを備え、
    前記それぞれの平行線状凸部(2)と前記それぞれの平行線状凹部(3)は所定ピッチで形成され、
    前記第一側と前記第二側は前記複数平行線状凸部(2)と前記複数平行線状凹部(3)の平行線に対して互いに前記基版材(1)の反対側に位置し、
    前記複数平行線状凸部(2)と前記複数平行線状凹部(3)は前記第一側と前記第二側に対して平行に形成され、
    それぞれの平行線状凸部(2)の上面は略平面形状を有し、
    それぞれの平行線状凹部(3)の底面は略平面形状を有し、
    前記第一画素部(4)の表面は前記所定の平行線状凸部(2)から前記第一側に位置する平行線状凹部(3)の底面に向かって傾斜する第一角度傾斜面(4a)と前記線状凹部(3)の底面に対して垂直な第一垂直面(4b)を有し、前記第一角度傾斜面(4a)は前記第一垂直面(4b)に連続して形成され、
    前記第二画素部(5)の表面は前記所定の平行線状凸部(2)から前記第二側に位置する平行線状凹部(3)の底面に向かって傾斜する第二角度傾斜面(5a)と前記線状凹部(3)の底面に対して垂直な第二垂直面(5b)を有し、前記第二角度傾斜面(5a)は前記第二垂直面(5b)に連続して形成され、
    前記第一画素部(4)と前記第二画素部(5)のいずれか一つ又は双方の突出長さは、前記平行線状凹部(3)の幅寸法の半分長さよりも短かく、
    前記第一画素部(4)が集まって第一画像(40)を形成し、
    前記第二画素部(5)が集まって第二画像(50)を形成する構成を有する、
    エンボス版の製造方法。
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