JP2004314429A - エンボス画像物及びエンボス画像物の製造方法 - Google Patents

エンボス画像物及びエンボス画像物の製造方法 Download PDF

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Yutaka Tsujikawa
豊 辻川
Tamio Moriguchi
民雄 森口
Yoshifumi Ito
嘉文 伊藤
Masahiro Saijo
正宏 西條
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Abstract

【目的】表面の異なる方向から互いに異なる画像が見えるエンボス画像物、及び、そのエンボス画像物の製造方法を提供する。
【構成】基版材1の表面に形成され、それぞれの平行線状凸部2とそれぞれの平行線状凹部3が互いに交互に位置する複数の平行線状凸部2と複数の平行線状凹部3と、前記平行線状凸部2又は前記平行線状凹部3に形成された第一画素部4と第二画素部5とを備え、前記第一画素部4は前記基版材1の第一側に向かって下傾斜する第一角度傾斜面4aを有し、前記第二画素部5は前記基版材1の第二側に向かって下傾斜する第二角度傾斜面5aを有し、前記第一画素部が集まって第一画像を形成し、第二画素部が集まって第二画像を形成するエンボス画像物。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に凹凸により形成されたエンボス画像物、及び、そのエンボス画像物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、表面に凹凸形状の画像を形成したエンボス画像物やエンボス成形品は公知である。また、エンボス版を使用して被成形物に押圧転写することにより、凹凸形状の画像を持つエンボス成形品を成形する成形方法が知られている。さらに、押圧転写用に使用されるエンボス版としては、平板形状版やロール形状版が知られている。このような従来の公知のエンボス画像物やエンボス成形品において、表面に形成された画像は、突出した凸部として形成された凸部画像、又は、凹部として形成された凹部画像であり、このような従来のエンボス画像は、成形物表面の全ての方向から同じ画像が見える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の公知のエンボス画像物は、表面の全ての方向から同じ画像が見えるが、しかしながら、異なる方向から互いに異なる画像が見えるエンボス画像物は知られていない。本発明は、表面の異なる方向から互いに異なる画像が見えるエンボス画像物、及び、そのエンボス画像物の製造方法を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のエンボス画像物は、基版材の表面に形成され、それぞれの平行線状凸部とそれぞれの平行線状凹部が互いに交互に位置する複数の平行線状凸部と複数の平行線状凹部と、前記平行線状凸部又は前記平行線状凹部に形成された第一画素部と第二画素部とを備え、前記第一画素部は前記基版材の第一側に向かって下傾斜する第一角度傾斜面を有し、前記第二画素部は前記基版材の第二側に向かって下傾斜する第二角度傾斜面を有し、前記第一画素部が集まって第一画像を形成し、前記第二画素部が集まって第二画像を形成し、前記第一側から前記第二画像のみが見え、前記第二側から前記第一画像のみが見える。前記第一側と前記第二側は互いに前記基版材の反対側に位置し、前記平行線状凸部と前記平行線状凹部は、前記第一側と前記第二側に平行に形成されている。
【0005】
本発明のエンボス画像物の製造方法は、(a)腐食エッチングにより、金属基材の表面に、それぞれの平行線状凸部とそれぞれの平行線状凹部が互いに交互に位置する複数の平行線状凸部と複数の平行線状凹部と、前記平行線状凸部又は前記平行線状凹部に第一画素部と第二画素部とを形成するエッチング工程と、(b)機械加工により、前記第一画素部の表面に、前記金属基材の第一側に向かって下傾斜する第一角度傾斜面を形成する機械加工工程と、(c)機械加工により、前記第二画素部の表面に、前記金属基材の第二側に向かって下傾斜する第二角度傾斜面を形成する機械加工工程とを備え、前記第一画素部が集まって第一画像(40)を形成し、前記第二画素部が集まって第二画像を形成する。
【0006】
上記エンボス画像物及びその製造方法において、前記第一画素部と前記第二画素部が前記平行線状凹部に形成された構成において、前記第一画素部は前記複数の平行線状凸部のうちの所定の平行線状凸部から前記第一側に位置する平行線状凹部に向かって突出して形成され、前記第二画素部は前記複数の平行線状凸部のうちの所定の平行線状凸部から前記第二側に位置する平行線状凹部に向かって突出して形成される。
【0007】
また、前記第一画素部と前記第二画素部が前記平行線状凸部に形成された構成において、前記第一画素部は前記複数の平行線状凹部のうちの所定の平行線状凹部から前記第二側に位置する平行線状凸部に向かって突出して形成され、前記第二画素部は前記複数の平行線状凹部のうちの所定の平行線状凹部から前記第一側に位置する平行線状凸部に向かって突出して形成される。
【0008】
【作用】
本発明のエンボス画像物により、所定の見る角度により、異なる画像が見える視覚的に異方性を有する視覚チェンジング機能を持つ画像が得られる。また、表面に形成されたそれぞれの画像は鮮明である。
【0009】
本発明のエンボス画像物の製造方法により、精密なエンボス画像物が容易に製造できる。特に、腐食エッチング工程の後に、機械加工により第一角度傾斜面と第二角度傾斜面を形成する方法により、第一画素部と第二画素部のそれぞれの角度傾斜面を精密に作成出来る。その結果、高い精度を持つ第一画像と第二画像が作成出来る。
【0010】
【実施例】
以下に、本発明の典型的実施例を図面を使用して説明する。
【0011】
典型的実施例1
図1の(イ)は本発明の一実施例のエンボス画像物の主要部を拡大した平面図であり、図1の(ロ)は本発明の一実施例のエンボス画像物の主要部を拡大した側面図であり、図2の(イ)は図1(イ)のA−A線に沿った断面図であり、図2の(ロ)は図1(イ)のB−B線に沿った断面図である。図3の(イ)は本発明の一実施例のエンボス画像物に形成される第一画像であり、図3の(ロ)は第二画像であり、図3の(ハ)は第一画像と第二画像との合成画像である。図4は本発明の一実施例のエンボス画像物の寸法を示す拡大断面図である。
【0012】
図1(イ)と図1(ロ)において、基版材1の表面に、複数平行線状凸部2と複数平行線状凹部3が基版材1の表面に形成されている。複数平行線状凸部2のそれぞれの凸部の上面は平面形状を有し、複数平行線状凹部3のそれぞれの凹部の底面は平面形状を有する。複数平行線状凸部2のうちの所定の平行線状凸部2の第一側に突出して、第一画素部4が形成されている。複数平行線状凸部2のうちの所定の平行線状凸部2の第二側に突出して、第二画素部5が形成されている。第一画素部4は、第一側に向かって下傾斜する第一角度傾斜面4aを有し、第二画素部5は、第二側に向かって下傾斜する第二角度傾斜面5aを有する。なお、第一側と第二側は、複数平行線状凸部2と複数平行線状凹部3の平行線に対して、互いに反対側に位置する。図3(イ)に示されるように、第一画素部4が集まって、第一画像40が形成される。図3(ロ)に示されるように、第二画素部5が集まって、第二画像50が形成される。すなわち、図3(ハ)に示されるような第一画像40と第二画像50が形成されている。このようにして、エンボス画像物100が構成されている。平行線状凸部(2)の上面は平行線状凹部(3)の底面に対して略平行に位置する。
【0013】
エンボス画像物100を第一側から見た時、即ち、図2の(イ)の破線矢印の角度方向から見たとき、図3の(イ)に示すように、第一画素部4の第一角度傾斜面4aが見え、その結果、第一画像40のみが見える。この場合、第二画素部5の第二角度傾斜面5aは平行線状凸部2に隠れて見えない。他方、第二角度傾斜面5エンボス画像物100を第二側から見た時、即ち、図2の(ロ)の破線矢印の角度方向から見たとき、図3の(ロ)に示すように、第二画素部5の第二角度傾斜面5aが見え、その結果、第二画像50のみが見える。この場合、第一画素部4の第一角度傾斜面5aは平行線状凸部2に隠れて見えない。エンボス画像物100を上方向から見た時、図3の(ハ)に示すように、第一画像40と第二画像50の合成像が見える。
【0014】
このように、本実施例においては、第一画素部4と第二画素部5が平行線状凹部3に形成されている。本実施例の構成により、所定の見る角度により、異なる画像が見える視覚的に異方性を有する視覚チェンジング機能を持つ画像が得られる。また、表面に形成されたそれぞれの画像は鮮明である。
【0015】
これに対して、第一画素部4が第一角度傾斜面4aを持たなく、また、第二画素部5が第二角度傾斜面5aを持たない場合、被加工物表面の全ての方向から、第一成形画像40と第二成形画像50が見えてしまい、視覚的に異方性を有するチェンジング機能を持つ画像が得られない。
【0016】
望ましくは、エンボス画像物100は次の構成を有する。すなわち、複数平行線状凸部2は所定ピッチ(P)で形成され、複数平行線凹部3は所定ピッチで形成され、第一画素部4と第二画素部5のいずれか一つ又は双方が、所定の線状凸部2から突出して形成され、第一画素部4の突出長さ(L4)と第二画素部5の突出長さ(L5)は、それぞれの線状凹部の幅(W3)の半分長さよりも短い。この構成により、第一画素部4と第二画素部5とが互いに重なることが防止され、鮮明な画像が得られる。また、第一画像と第二画像の見え方が、著しく鮮明になる。
【0017】
これに対して、それぞれの平行線状凸部の幅がそれぞれの平行線状凹部の幅よりも長く、前記第一画素部と第二画素部のそれぞれの突出長さがそれぞれの平行線状凹部の幅寸法の半分長さよりも長い場合、第一画素部と第二画素部とが互いに重なり、画像の鮮明性がやや劣る。
【0018】
望ましくは、図1(ロ)に示されるように、第一画素部4は第一角度傾斜面4aに連続して平行線状凸部2の上面に垂直な第一上垂直面4bを有し、第二画素部5は第二傾斜面5aに連続して平行線状凸部2の上面に垂直な第二上垂直面5bを有する。この構成において、エンボス画像物100を第一側から見た時、即ち、図2の(イ)の破線矢印の角度方向から見たとき、第一画素部4の第一角度傾斜面4aと第一上垂直面4bが見え、その結果、図3の(イ)に示すような第一画像40のみが見える。この場合、第二画素部5の第二角度傾斜面5aと第二上垂直面5bは平行線状凸部2に隠れて見えない。他方、第二角度傾斜面5エンボス画像物100を第二側から見た時、即ち、図2の(ロ)の破線矢印の角度方向から見たとき、第二画素部5の第二角度傾斜面5aと第二上垂直面5bが見え、その結果、図3の(ロ)に示すような第二画像50のみが見える。この場合、第一画素部4の第一角度傾斜面4aと第一上垂直面4bは平行線状凸部2に隠れて見えない。この構成により、第一画像のみが見える角度がより広くなるとともに、第二画像のみが見える角度がより広くなる。特に、第一画像と第二画像とが重なった画像が見える視野角度が狭くなり、第一画像のみ及び第二画像のみが見える角度がより広くなる。
【0019】
これに対して、第一上垂直面又は第二上垂直面を有しないエンボス画像物の場合、第一画像のみが見える角度がやや狭くなるとともに、第二画像のみが見える角度もやや狭くなる。
【0020】
さらに望ましくは、それぞれの平行線状凸部2の幅(W2)は0.005mmから2.5mmまでの範囲であり、特に望ましくは、0.01mmから1.0mmまでの範囲である。それぞれの平行線状凸部2の高さ(H2)は0.005mmから1.0mmまでの範囲であり、特に望ましくは、0.01mmから0.5mmまでの範囲である。それぞれの平行線状凹部3の平行線状幅(W3)は0.005mmから2.5mmまでの範囲であり、特に望ましくは、0.05mmから1mmまでの範囲である。それぞれの第一画素部4の突出長さ(L4)と第二画素部5の突出長さ(L5)はそれぞれ0.005mmから1.25mmまでの範囲であり、特に望ましくは、0.01mmから1.0mmまでの範囲である。この構成により、エンボス画像物100において、著しく微細な画像が鮮明に得られる。これに対して、平行線状凸部2の幅(W2)が2.5mmを越え、平行線状凹部3の幅(W3)が2.5mmを越え、第一画素部4の突出長さ(L4)と第二画素部5の突出長さ(L5)が1.25mmを越える場合、エンボス画像物の画像の鮮明度がやや粗くなる。また、平行線状凸部2の幅(W2)が0.005mm未満であり、平行線状凹部3の幅(W3)が0.005mm未満であり、第一画素部4の突出長さ(L4)と第二画素部5の突出長さ(L5)が0.005mm未満である場合、加工方法として特別な精密加工を必要とし、そのために高価になる。
【0021】
さらに望ましくは、第一角度傾斜面4aの傾斜角(X)と第二角度傾斜面5aの傾斜角(Y)は、基版材1の表面に対して、5度から85度までの範囲の傾斜角を有する。すなわち、それぞれの傾斜面4a、5aは、それぞれの平行線状凸部2の上表面及びそれぞれの平行線状凹部3の底面に対して、5度から85度までの範囲の傾斜角を有する。この構成により、エンボス画像物において、第一側から見える第二画像と第二側から見える第一画像との見える角度が切り替わるチェンジング視角の切換角度が明瞭になる。
【0022】
これに対して、第一角度傾斜面と第二角度傾斜面の傾斜角が上記の範囲外のエンボス画像物の場合、第一画像と第二画像との見える角度が切替わるチェンジング視角の切換角度が狭くなる。
【0023】
本実施例のエンボス画像物100において、それぞれの平行線状凸部2の幅(W2)は0.05mmであり、それぞれの平行線状凸部2の高さ(H2)は0.05mmであり、それぞれの平行線状凹部3の平行線状幅(W3)は0.25mmであり、それぞれの第一画素部4の突出長さ(L4)は0.1mmであり、それぞれの第二画素部5の突出長さ(L5)は0.1mmであり、それぞれの第一画素部4の第一上垂直面4bの高さ(H4)は約0.02mmであり、それぞれの第二画素部5の第二上垂直面5bの高さ(H5)は約0.02mmである。それぞれの平行線状凸部2のピッチ(P)は0.3mmである。第一角度傾斜面4aの傾斜角(X)は、平行線状凸部2の上表面と平行線状凹部3の底面に対して約15度であり、第二角度傾斜面5aの傾斜角(Y)は約15度である。なお、本実施例における図1から図4において、それぞれの構成要素の寸法精度や縦横の寸法比は概略を示すものであり、正確な寸法精度、寸法比率を示す物ではない。
【0024】
基版材1としては、特に限定されないが、例えば、金属版やプラスチック版などが使用できる。金属版としては、真鍮版、銅版、マグネシウム版、アルミニウム版、又は、鉄鋼版等が使用される。プラスチック版としては、ベークライト(ポリフェノール樹脂)版などの熱硬化性樹脂版やナイロン(ポリアミド樹脂)版などが使用される。基版材1としては、真鍮版、銅版、マグネシウム版が特に望ましく、この場合、腐食エッチング工程と精密切削加工工程との製造方法により、安価に容易にエンボス版を作成することが可能になり、また、微細な画像を高精度で安価に加工することが可能になる。その結果、より微細なエンボス画像が鮮 明に得られる。腐食エッチングが困難な材質の場合、機械加工により製造できる。
【0025】
第一画像、第二画像、第一成形画像、及び第二成形画像としては、特に限定されなく、例えば、文字、数字、絵柄、図、図形、写真、商標、記号などの任意の画像が形成される。
【0026】
なお、本実施例のエンボス画像物は、例えば、(1)腐食エッチング加工と精密機械加工による角度傾斜面の加工とによる製造、又は、(2)彫版工具として数値制御機械を使用した加工、又は、(3)彫版工具としてレーザビームを使用した加工、又は、(4)腐食エッチング加工、精密機械加工、数値制御機械加工、レーザビーム加工のうちの所定の加工を組み合わせた複数加工などにより製造される。
【0027】
また、本実施例のエンボス画像物は、例えば、エンボス版を使用して、被加工物表面に押圧転写する方法によっても製造される。この場合、被加工物としては、特に限定されなく、エンボス版により押圧されることにより凹凸加工可能な材料が使用され、例えば、プラスチック、樹脂、紙、金属箔、軟質金属、ラミネートフィルム又はこれらの組合せ材料などが使用される。
【0028】
典型的実施例2
本発明のエンボス画像物の他の典型的実施例を説明する図が図5と図6に示される。図5の(イ)は本発明の一実施例のエンボス画像物の主要部を拡大した平面図であり、図5の(ロ)は(イ)の側面図である。図6の(イ)は図5(イ)のC−C線に沿った断面図であり、図6の(ロ)は図5(イ)のD−D線に沿った断面図である。本典型的実施例2のエンボス画像物が典型的実施例1のエンボス画像物と比べて異なる点は、第一画素部4は第一側に向かって傾斜する第一角度傾斜面4aと第一角度傾斜面4aに連続して平行線状凹部3の底面に垂直な第一下垂直面4cを有し、また、第二画素部5は第二側に向かって傾斜する第二角度傾斜面5aと第二角度傾斜面5aに連続して平行線状凹部3の底面に垂直な第二下垂直面5cを有する点である。すなわち、本典型的実施例のエンボス画像物においては、典型的実施例1に記載の第一上垂直面4bと第二上垂直面5bは形成されていない。その他の構成は、典型的実施例1で説明した構成と同じである。このような構成により、典型的実施例1のエンポス画像物と同じ作用効果が得られる。特に、エンボス画像物100を第一側から見たとき、即ち、図6の(イ)の破線矢印の角度方向から見たとき、第一画素部4の第一角度傾斜面4aと第一下垂直面4cが見え、その結果、第一画像40のみが見える。この場合、第二画素部5の第二角度傾斜面5aと第二下垂直面5cは平行線状凸部2に隠れて見えない。他方、エンボス画像物100を第二側から見た時、即ち、図6の(ロ)の破線矢印の角度方向から見たとき、第二画素部5の第二角度傾斜面5aと第二下垂直面5cが見え、その結果、第二画像50のみが見える。この場合、第一画素部4の第一角度傾斜面5aと第一下垂直面4cは平行線状凸部2に隠れて見えない。特に、第一画像のみが見える角度がより広くなるとともに、第二画像のみが見える角度がより広くなる。
【0029】
これに対して、第一下垂直面4c又は第二下垂直面5cを有しないエンボス画像物の場合、第一画像のみが見える角度がやや狭くなり、第二画像のみが見える角度がやや狭くなる。
【0030】
典型的実施例3
本発明のエンボス画像物の他の典型的実施例を説明する図が図7と図8に示される。図7の(イ)は本発明の一実施例のエンボス画像物の主要部を拡大した平面図であり、図7の(ロ)は(イ)の側面図である。図8の(イ)は図7(イ)のE−E線に沿った断面図であり、図8の(ロ)は図7(イ)のF−F線に沿った断面図である。本典型的実施例3のエンボス画像物が典型的実施例1のエンボス画像物と比べて異なる点は、典型的実施例1に記載の第一上垂直面4bと第二上垂直面5bは形成されていない。すなわち、第一画素部4は第一側に向かって傾斜する第一角度傾斜面4aのみを有し、また、第二画素部5は第二側に向かって傾斜する第二角度傾斜面5aのみを有する点である。すなわち、本典型的実施例のエンボス画像物においては、典型的実施例1に記載の第一上垂直面4bと第二上垂直面5bは形成されていなく、典型的実施例2に記載の第一下垂直面4cと第二下垂直面5cは形成されていない。その他の構成は、典型的実施例1で説明した構成と同じである。このような構成により、典型的実施例1のエンポス画像物と同じ作用効果が得られる。特に、エンボス画像物100を第一側から見たとき、即ち、図8の(イ)の破線矢印の角度方向から見たとき、第一画素部4の第一角度傾斜面4aが見え、その結果、第一画像40のみが見える。この場合、第二画素部5の第二角度傾斜面5aは平行線状凸部2に隠れて見えない。他方、エンボス画像物100を第二側から見た時、即ち、図8の(ロ)の破線矢印の角度方向から見たとき、第二画素部5の第二角度傾斜面5aが見え、その結果、第二画像50のみが見える。この場合、第一画素部4の第一角度傾斜面5aは平行線状凸部2に隠れて見えない。
【0031】
典型的実施例4
本典型的実施例4のエンボス画像物が典型的実施例1のエンボス画像物と比べて異なる点は、第一画素部4は、第一側に向かって傾斜する第一角度傾斜面4aと、第一角度傾斜面4aに連続して平行線状凸部2の上面に垂直な第一上垂直面4bと、第一角度傾斜面4aに連続して平行線状凹部3の底面に垂直な第一下垂直面4cを有し、また、第二画素部5は、第二側に向かって傾斜する第二角度傾斜面5aと、第二角度傾斜面5aに連続して平行線状凸部2の上面に垂直な第二上垂直面5bと、第二角度傾斜面5aに連続して平行線状凹部3の底面に垂直な第二下垂直面5cを有する点である。すなわち、それぞれの画素部は角度傾斜面に連続して上垂直面と下垂直面とを有する。その他の構成は、典型的実施例1で説明した構成と同じである。このような構成により、典型的実施例1のエンポス画像物と同じ作用効果が得られる。
【0032】
典型的実施例5
本発明のエンボス画像物の他の典型的実施例を説明する図が図9と図10に示される。図9の(イ)は本発明の一実施例のエンボス画像物の主要部を拡大した平面図であり、図9の(ロ)は(イ)の側面図である。図10の(イ)は図9(イ)のG−G線に沿った断面図であり、図10の(ロ)は図9(イ)のH−H線に沿った断面図である。本典型的実施例5のエンボス画像物が典型的実施例1のエンボス画像物と比べて異なる点は、第一画素部4のみが第一側に形成され、第二画素部が形成されていないことである。すなわち、それぞれの平行線状凸部2の第一側に第一画素部4が形成され、第一画素部4は、第一側に向かって傾斜する第一角度傾斜面4aと、第一角度傾斜面4aに連続して平行線状凸部2の上面に垂直な第一上垂直面4aを有する。それぞれの平行線状凸部2の第二側には何も形成されていなく、平行線状凸部2の第二側は、平行線状凹部3に向かって垂直面を有するのみである。第一画素部4の突出長さは特に限定されることなく、任意の長さが設定できる。その他の構成は、典型的実施例1で説明した構成と同じである。このような構成により、エンボス画像物100を第一側から見たとき、即ち、図10の(イ)の破線矢印の角度方向から見たとき、第一画素部4の第一角度傾斜面4aと第一上垂直面4bが見え、その結果、第一画像40のみが見える。他方、エンボス画像物100を第二側から見た時、即ち、図10の(ロ)の破線矢印の角度方向から見たとき、第一画素部4はそれぞれの平行線状凸部2に隠れて見えなくなる。その結果、何の画像も見えない。このように、本典型的実施例の構成により、見る方向により、画像が見えたり、見えなくなったりする画像が得られる。
【0033】
本典型的実施例において、第一画素部4は第一角度傾斜面と第一上垂直面とを有する構成を説明したが、これに限定されることなく、例えば、第一画素部4が第一角度傾斜面と第一下垂直面を有する構成、又は、第一画素部4が第一角度傾斜面と第一上垂直面と第一下垂直面とを有する構成、又は、第一画素部4が第一角度傾斜面のみを有する構成なども実施可能である。これらの場合にも、上記と同じ作用効果が得られる。
【0034】
典型的実施例6
典型的実施例1において、第一画素部により第一画像を形成し、第二画素部により第二画像を形成する構成を説明したが、本典型的実施例6において、3つ以上の画像を形成する実施例を説明する。すなわち、典型的実施例1と異なる点は、平行線状凸部の第一側に第三画素部を形成し、第二側に第四画素部を形成する。第3画素部が集まって第三画像を形成し、第四画像が集まって第四画像を形成する。第3画素部は、第一角度傾斜面と異なる傾斜角を持つ第3角度傾斜面を有し、第4画素部は、第二角度傾斜面と異なる傾斜角を持つ第4角度傾斜面を有する。その他の構成は典型的実施例1の構成と同じである。この構成により、第一側の所定角度から第一画像のみが見え、第一側の異なる所定角度から第三画像のみが見え、第二側の所定角度から第二画像のみが見え、第二側の異なる所定角度から第四画像のみが見える。このように、3つ以上の画像を有するエンボスカ画像物も実施できる。
【0035】
典型的実施例7
本発明のエンボス画像物の他の典型的実施例を説明する図が図11と図12に示される。図11の(イ)は本発明の一実施例のエンボス画像物の主要部を拡大した平面図であり、図11の(ロ)は(イ)の側面図である。図12の(イ)は図11(イ)のJ−J線に沿った断面図であり、図12の(ロ)は図11(イ)のK−K線に沿った断面図である。本典型的実施例6のエンボス画像物が典型的実施例1のエンボス画像物と比べて異なる点は、第一画素部4と第二画素部5が平行線状凸部2に形成されている点である。
【0036】
図11(イ)と図11(ロ)において、基版材1の表面に、複数平行線状凸部2と複数平行線状凹部3が基版材1の表面に形成されている。複数平行線状凸部2のそれぞれの凸部の上面は平面形状を有し、複数平行線状凹部3のそれぞれの凹部の底面は平面形状を有する。第一画素部4は複数の平行線状凹部3のうちの所定の平行線状凹部3から第二側に位置する平行線状凸部2に向かって突出して形成されている。第二画素部5は複数の平行線状凹部3のうちの所定平行線状凹部3から第一側に位置する平行線状凸部2に向かって突出して形成されている。ここで、第一側と第二側は平行線状凸部2と凹部3の平行線に対して互いに反対側に位置する。第一画素部4は、第一側に向かって下傾斜する第一角度傾斜面4aを有し、第二画素部5は、第二側に向かって下傾斜する第二角度傾斜面5aを有する。ここで、典型的実施例1で説明した図3(イ)と同じように、第一画素部4が集まって、第一画像40が形成される。図3(ロ)と同じように、第二画素部5が集まって、第二画像50が形成される。すなわち、図3(ハ)に示されるような第一画像40と第二画像50が形成されている。このようにして、エンボス画像物100が構成されている。平行線状凸部2の上面は平行線状凹部3の底面に対して略平行に位置する。
【0037】
エンボス画像物100を第二側から見た時、即ち、図12の(イ)の破線矢印の角度方向から見たとき、図12の(イ)に示すように、第二画素部5の第二角度傾斜面5aが見え、その結果、第二画像50のみが見える。この場合、第一画素部4の第一角度傾斜面4aは平行線状凸部2に隠れて見えない。他方、エンボス画像物100を第一側から見た時、即ち、図12の(ロ)の破線矢印の角度方向から見たとき、図12の(ロ)に示すように、第一画素部4の第一角度傾斜面4aが見え、その結果、第一画像40のみが見える。この場合、第二画素部5の第二角度傾斜面5aは平行線状凸部2に隠れて見えない。エンボス画像物100を上方向から見た時、図3の(ハ)と同じく、第一画像40と第二画像50の合成像が見える。
【0038】
このように、本典型的実施例においては、第一画素部4と第二画素部5が平行線状凸部2に形成されている。本実施例の構成により、所定の見る角度により、異なる画像が見える視覚的に異方性を有する視覚チェンジング機能を持つ画像が得られる。また、表面に形成されたそれぞれの画像は鮮明である。
【0039】
これに対して、第一画素部4が第一角度傾斜面4aを持たなく、また、第二画素部5が第二角度傾斜面5)を持たない場合、被加工物表面の全ての方向から、第一成形画像40と第二成形画像50が見えてしまい、視覚的に異方性を有するチェンジング機能を持つ画像が得られない。
【0040】
本典型的実施例において、第一画素部4と第二画素部5は第一上垂直面4bと第二上垂直面5bを有する構成であるが、これに限定されることなく、典型的実施例2から典型的実施例6で説明したような構成を有する実施例も使用可能である。すなわち、典型的実施例2で説明したような、第一画素部4が第一角度傾斜面4aと第一下垂直面4cを有し、第二画素部5が第二角度傾斜面5aと第二下垂直面5cを有する構成も使用できる。又、典型的実施例3で説明したような、第一画素部4が第一角度傾斜面4aのみを有し、第一上垂直面4bと第一下垂直面4cを持たなく、第二画素部5が第二角度傾斜面5aのみを有し、第二上垂直面5bと第二下垂直面5cを持たない構成も使用できる。又、典型的実施例4で説明したような、第一画素部4が第一角度傾斜面4aと第一上垂直面4bと第一下垂直面4cを有し、第二画素部5が第二角度傾斜面5aと第二上垂直面5bと第二下垂直面5cを有する構成も使用できる。また、典型的実施例5で説明したような、第一画素部4のみが第一側に形成され、第二画素部が形成されないような構成も使用できる。典型的実施例6で説明したような、3つ以上の画像を形成した構成も使用できる。このようなそれぞれの構成においても、典型的実施例2から典型的実施例6で説明した効果と同じ効果が得られる。
【0041】
典型的実施例8
本発明の一実施例のエンボス画像物の製造方法を示す工程図を図13に示す。本典型的実施例8においては、典型的実施例2で説明したエンボス画像物を製造するための製造方法について説明する。本典型的実施例のエンボス画像物の製造方法は、腐食エッチングによるエッチング工程と、機械加工装置による角度傾斜面の機械加工工程とを併用する。図13において、まず、腐食エッチング工程について説明する。金属基版材と、その基版材を腐食エッチングするためのフィルムマスクとを準備する。フィルムマスクは通常の公知の方法により作成される。例えば、手作業による作図、又は、コンピューターによる作図などにより、所定の平面図を有するフィルムマスクを作成する。他方、基版材の表面にレジストを塗布する。つぎに、フィルムマスクを介してレジスト塗膜を感光し、焼き付ける。その後、感光していない箇所のレジストを水又は溶剤を用いて除去することにより、レジストを現像する。このようにして、基版材の表面に、露出面と所定の平面図を有するレジスト硬化膜とを形成する。その後、エッチング液を使用して、基版材を腐食エッチングする。この場合、レジスト硬化膜がマスクとして作用して、基版材の露出面のみが腐食エッチングされ、レジスト硬化膜により覆われた基版部は腐食エッチングされない。腐食エッチングの深さは、エッチング時間、エッチング回数、エッチング液濃度などにより制御される。その後、レジスト硬化膜を除去する。このようにして、金属基材の表面に、複数平行線状凸部と、複数平行線状凹部と、その複数平行線状凸部のうちの所定の凸部の第一側に突出して形成された第一画素部と、その複数平行線状凸部のうちの所定の凸部の第二側に突出して形成された第二画素部とを形成する。
【0042】
つぎに、機械加工工程について説明する。前述の腐食エッチング工程により作成された所定の腐食エッチング面形状を有する基版材の第一画素部の表面に、機械加工装置を使用して、平行線状凸部から第一側に向かって下傾斜する第一角度傾斜面を形成し、さらに、第二画素部の表面に、線状凸部から第二側に向かって下傾斜する第二角度傾斜面を形成する。この場合、第一角度傾斜面と第二角度傾斜面とを同時に切削加工することもできる。
【0043】
ここで、第一画素部が集まって第一画像を形成し、第二画素部が集まって第二画像を形成する。
【0044】
このようにして、典型的実施例2で説明したような第一画像と第二画像とを有するエンボス版が製造される。これにより、精密なエンボス版が容易に製造できる。特に、腐食エッチング工程の後に、機械加工により第一角度傾斜面と第二角度傾斜面を形成する方法により、第一画素部と第二画素部のそれぞれの角度傾斜面を精密に作成出来る。その結果、高い精度を持つ第一成形画像と第二成形画像が作成出来る。また、第一角度傾斜面と第二角度傾斜面の加工精度が著しく向上し、優れた加工精度を有するエンボス画像物が安価に製造できる。
【0045】
本典型的実施例のエンボス画像物の製造方法において、望ましくは、さらに、機械加工により、前記複数平行線状凸部と前記複数平行線状凹部と前記第一突出部と前記第二突出部と前記第一角度傾斜面と前記第二角度傾斜面のうちの少なくとも一つを仕上げ加工する仕上加工工程を備える。これにより、さらに高い寸法精度を有するエンボス版が作成出来る。
【0046】
本典型的実施例8において、基版材としては特に限定されなく、例えば、真鍮材や銅材が使用される。レジストとしてはネガ型レジストが使用されたが、これに限定されることなく、ポジ型レジストも使用できる。腐食エッチング液としては、基版材に応じて最適な腐食エッチング液が使用され、例えば、基版材が真鍮材や銅材のとき、腐食エッチング液としては、塩化第二鉄液が使用される。また、機械加工としては、例えば、倣い研削装置が使用される。特に、倣い研削装置を使用することにより、角度傾斜面や凹部、突出部の優れた機械加工精度を持つエンボス版が安価に製造できる。
【0047】
本典型的実施例8は、典型的実施例2で説明したエンボス画像物の製造方法を説明したが、これに限定されることなく、典型的実施例1及び典型的実施例3から7に説明したようなエンボス画像物についても、本典型的実施例8と同じように、エッチング工程による工程と、機械加工工程による傾斜面の加工工程とを別々に加工する製造方法も実施可能である。これらの製造法によっても、典型的実施例8と同じ様な効果が得られる。
【0048】
【発明の効果】
本発明のエンボス画像物により、鮮明な画像が得られる。また、第一画素部と第二画素部との双方の画素部を備えた構成において、被加工物表面の第一側からは第一画像のみが見え、被加工物の第二側からは第二画像のみが見える。このように見る角度により、異なる画像が見える。
【0049】
さらに、凸部、凹部、突出部、角度傾斜面の寸法を制御することにより、第一画素部と第二画素部とが互いに重なることが防止され、また、第一画像のみが見える角度がより広くなり、又、第二画像のみが見える角度がより広くなる。
【0050】
また、第一画素部のみが形成され、第二画素部が形成されない構成において、被加工物表面の第一側からは第一画像が見え、被加工物の第二側からは何の画像も見えなくなる。このように見る角度により、画像が見えたり見えなくなったりする。
【0051】
本発明のエンボス画像物の製造方法により、第一角度傾斜面と第二角度傾斜面の加工精度が著しく向上し、優れた加工精度を有するエンボス版が安価に製造できる。その結果、第一画像と第二画像が鮮明に見える。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)は本発明の一実施例のエンボス画像物の主要部を拡大した平面図であり、(ロ)は本発明の一実施例のエンボス画像物の主要部を拡大した側面図である。
【図2】(イ)は図1(イ)のA−A線に沿った断面図であり、(ロ)は図1(イ)のB−B線に沿った断面図である。
【図3】(イ)は本発明の一実施例のエンボス画像物に形成される第一画像であり、(ロ)は第二画像であり、(ハ)は第一画像と第二画像との合成画像である。
【図4】本発明の一実施例のエンボス画像物の寸法を示す拡大断面図である。
【図5】(イ)は本発明の他の実施例のエンボス画像物の主要部を拡大した平面図であり、(ロ)はその主要部の拡大した側面図である。
【図6】(イ)は図5(イ)のC−C線に沿った断面図であり、(ロ)はD−D線に沿った断面図である。
【図7】(イ)は本発明の他の実施例のエンボス画像物の主要部を拡大した平面図であり、(ロ)はその主要部の拡大した側面図である。
【図8】(イ)は図7(イ)のE−E線に沿った断面図であり、(ロ)はF−F線に沿った断面図である。
【図9】(イ)は本発明の他の実施例のエンボス画像物の主要部を拡大した平面図であり、(ロ)はその主要部の拡大した側面図である。
【図10】(イ)は図9(イ)のG−G線に沿った断面図であり、(ロ)はH−H線に沿った断面図である。
【図11】(イ)は本発明の他の実施例のエンボス画像物の主要部を拡大した平面図であり、(ロ)はその主要部の拡大した側面図である。
【図12】(イ)は図10(イ)のJ−J線に沿った断面図であり、(ロ)はK−K線に沿った断面図である。
【図13】本発明の一実施例のエンボス画像物の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1 基版材
2 平行線状凸部
3 平行線状凹部
4 第一画素部
4a 第一角度傾斜面
4b 第一上垂直面
4c 第一下垂直面
5 第二画素部
5a 第二角度傾斜面
5b 第二上垂直面
5c 第二下垂直面
40 第一画像
50 第二画像
100 エンボス画像物
W2 平行線状凸部の幅
W3 平行線状凹部の幅
L4 第一画素部の突出長さ
L5 第二画素部の突出長さ
H2 平行線状凸部の高さ
H4 第一画素部の第一上垂直面の高さ
H5 第二画素部の第二上垂直面の高さ
P 平行線状凸部のピッチ
X 第一角度傾斜面の傾斜角
Y 第二角度傾斜面の傾斜角

Claims (14)

  1. 基版材(1)の表面に形成され、それぞれの平行線状凸部(2)とそれぞれの平行線状凹部(3)が互いに交互に位置する複数の平行線状凸部(2)と複数の平行線状凹部(3)と、前記平行線状凸部(2)又は前記平行線状凹部(3)に形成された第一画素部(4)と第二画素部(5)とを備え、前記第一画素部(4)は前記基版材(1)の第一側に向かって下傾斜する第一角度傾斜面(4a)を有し、前記第二画素部(5)は前記基版(1)の第二側に向かって下傾斜する第二角度傾斜面(5a)を有し、前記第一側と前記第二側は互いに前記基版材(1)の反対側に位置し、前記平行線状凸部(2)と前記平行線状凹部(3)は、前記第一側と前記第二側に平行に形成され、前記第一画素部(4)が集まって第一画像(40)を形成し、前記第二画素部(5)が集まって第二画像(50)を形成し、前記第一側から前記第一画像(40)のみが見え、前記第二側から前記第二画像(50)のみが見えるエンボス画像物。
  2. 前記第一画素部(4)と前記第二画素部(5)は前記平行線状凹部(3)に形成され、前記第一画素部(4)は前記複数の平行線状凸部(2)のうちの所定の平行線状凸部(2)から前記第一側に位置する平行線状凹部(3)に向かって突出して形成され、前記第二画素部(5)は前記複数の平行線状凸部(2)のうちの所定の平行線状凸部(2)から前記第二側に位置する平行線状凹部(3)に向かって突出して形成されていることを特徴とする請求項1記載のエンボス画像物。
  3. 前記第一画素部(4)と前記第二画素部(5)は前記平行線状凸部(2)に形成され、前記第一画素部(4)は前記複数の平行線状凹部(3)のうちの所定の平行線状凹部(3)から前記第二側に位置する平行線状凸部(2)に向かって突出して形成され、前記第二画素部(5)は前記複数の平行線状凹部(3)のうちの所定の平行線状凹部(3)から前記第一側に位置する平行線状凸部(2)に向かって突出して形成されていることを特徴とする請求項1記載のエンボス画像物。
  4. 前記それぞれの平行線状凸部(2)と平行線状凹部(3)は所定ピッチで形成され、前記それぞれの平行線状凸部(2)の上面は平面形状を有し、前記それぞれの平行線状凹部(3)の底面は平面形状を有し、前記第一画素部(4)と前記第二画素部(5)のいずれか一つ又は双方が、前記複数平行線状凸部(2)のうちの所定の平行線状凸部(2)から突出して形成され、前記第一画素部(4)と第二画素部(5)のそれぞれの突出長さは、それぞれの平行線状凹部(3)の幅寸法の半分長さよりも短いことを特徴とする請求項2記載のエンボス画像物。
  5. 前記それぞれの平行線状凸部(2)と平行線状凹部(3)は所定ピッチで形成され、前記それぞれの平行線状凸部(2)の上面は平面形状を有し、前記それぞれの平行線状凹部(3)の底面は平面形状を有し、前記第一画素部(4)と前記第二画素部(5)のいずれか一つ又は双方が、前記複数平行線状凹部(3)のうちの所定の平行線状凹部(3)から突出して形成され、前記第一画素部(4)と第二画素部(5)のそれぞれの突出長さは、それぞれの平行線状凸部(2)の幅寸法の半分長さよりも短いことを特徴とする請求項3記載のエンボス画像物。
  6. 前記第一画素部(4)は前記平行線状凸部(2)の上面に連続して前記上面に垂直な第一上垂直面(4b)を有し、前記第一角度傾斜面(4a)は前記第一上面(4b)に連続して形成され、前記第二画素部(5)は前記平行線状凸部(2)の上面に連続して前記上面に垂直な第二上垂直面(5b)を有し、前記第二傾斜面(5a)は前記第二上面(5b)に連続して形成されている請求項1、2、3、4又は5記載のエンボス画像物。
  7. 前記第一画素部(4)は前記第一角度傾斜面(4a)に連続して前記平行線状凹部(3)の底面に対して垂直な第一下垂直面(4c)を有し、前記第二画素部(5)は前記第二角度傾斜面(5a)に連続して前記平行線状凹部(3)の底面に対して垂直な第二下垂直面(5c)を有する請求項1,2、3,4、5又は6記載のエンボス画像物。
  8. 前記第一角度傾斜面(4a)と前記第二角度傾斜面(5a)は、前記基版材(1)の表面に対して、5度から85度までの範囲の傾斜角を有する請求項1、2,3、4、5、6又は7記載のエンボス画像物。
  9. 機械加工により形成された請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載のエンボス画像物。
  10. 押圧転写により製造された請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載のエンボス画像物。
  11. (a)腐食エッチングにより、金属基材の表面に、それぞれの平行線状凸部(2)とそれぞれの平行線状凹部(3)が互いに交互に位置する複数の平行線状凸部(2)と複数の平行線状凹部(3)と、前記平行線状凸部(2)又は前記平行線状凹部(3)に第一画素部(4)と第二画素部(5)とを形成するエッチング工程と、(b)機械加工により、前記第一画素部(4)の表面に、前記金属基材の第一側に向かって下傾斜する第一角度傾斜面(4a)を形成する機械加工工程と、(c)機械加工により、前記第二画素部(5)の表面に、前記金属基材の第二側に向かって下傾斜する第二角度傾斜面(5a)を形成する機械加工工程とを備え、前記第一画素部(4)が集まって第一画像(40)を形成し、前記第二画素部(5)が集まって第二画像(50)を形成するエンボス画像物の製造方法。
  12. さらに、(d)機械加工により、前記複数平行線状凸部(2)と前記複数平行線状凹部(3)と前記第一画素部(4)と前記第二画素部(5)と前記第一角度傾斜面(4a)と前記第二角度傾斜面(5a)のうちの少なくとも一つを仕上げ加工する仕上げ機械加工工程を備えた請求項11記載のエンボス画像物の製造方法。
  13. 前記第一画素部(4)と前記第二画素部(5)は前記平行線状凹部(3)に形成され、前記第一画素部(4)は前記複数の平行線状凸部(2)のうちの所定の平行線状凸部(2)から前記第一側に位置する平行線状凹部(3)に向かって突出して形成され、前記第二画素部(5)は前記複数の平行線状凸部(2)のうちの所定の平行線状凸部(2)から前記第二側に位置する平行線状凹部(3)に向かって突出して形成されることを特徴とする請求項11又は12記載のエンボス画像物の製造方法。
  14. 前記第一画素部(4)と前記第二画素部(5)は前記平行線状凸部(2)に形成され、前記第一画素部(4)は前記複数の平行線状凹部(3)のうちの所定の平行線状凹部(3)から前記第二側に位置する平行線状凸部(2)に向かって突出して形成され、前記第二画素部(5)は前記複数の平行線状凹部(3)のうちの所定の平行線状凹部(3)から前記第一側に位置する平行線状凸部(2)に向かって突出して形成されることを特徴とする請求項11又は12記載のエンボス画像物の製造方法。
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