JP4448807B2 - エッチング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマを利用して被処理物を処理するプラズマエッチングにおける、エッチング方法,装置及びそれらによって製造された半導体装置に関するものである。
ULSI素子の微細化,高集積化が急速に進められ、ゲート長90nmデバイスは量産化へ移行し、さらに65nm,45nm,32nmのデバイスも開発されつつある。LSIの高速動作のためには、トランジスタの動作速度向上と多層金属配線の伝播遅延克服が必要になる。トランジスタの高速動作のためには、ゲート絶縁膜でのリーク防止とデバイスの低抵抗化が必要で、その解決手段として、高誘電率ゲート絶縁膜と高融点金属ゲート電極を用いたデバイスの開発が進められている。高誘電率ゲート絶縁膜には、非常に安定なHfやZrを含む酸化物が用いられ、Si基板上に薄い酸化膜が形成される。高誘電率ゲート絶縁膜上の高融点金属ゲート電極膜には、電気特性及び安定性からTaやTiを含む窒化物やWを用いて開発が進められている。特開2004−207481号公報(特許文献1)には、高誘電率ゲート絶縁膜と高融点金属ゲート電極膜に前記の材料を使用する例が述べられている。
ULSIには多数の素子が搭載されて正確な動作が要求されるので、ゲート電極は正確なゲート長に加工される必要がある。90nmノードでは数nm以下の加工精度が要求される。この加工には、プラズマ処理装置によるドライエッチングが用いられる。従来は、多結晶Siをゲート電極に使用しており、このゲート電極のエッチングに際して、塩素,臭素を含むガスと酸素との混合ガスを使用した例が見受けられる。また、高融点金属ゲート電極膜のエッチングでもCl系のガスを用いてエッチングされる。
一方、プロセス工程数を省くため、同じ装置内でのドライ処理による高誘電率絶縁膜の除去が望ましい。ドライ処理による高誘電率絶縁膜の除去については、特開2004−
146787号公報「高誘電率材料のエッチング方法及び高誘電率材料の堆積チャンバーのクリーニング方法」(特許文献2)で、BCl3 ,COCl2,CxyClz等のCl系ガスを使用することが記されている。ゲート構造で、高誘電率絶縁層をドライエッチングする際は、下地のSi基板を削らないために選択比を高くした処理が必要になる。上記の従来技術では、この点への検討が記載されていない。
また、特開2005−045126号公報「半導体装置の製造方法」(特許文献3)では、高誘電率絶縁膜を安定した状態で再現性よくエッチングするために、BCl3 単独ではエッチング速度が速すぎるので、BCl3 をArで希釈してエッチング速度を遅くして制御性を上げることが述べられている。Ar希釈により、エッチング速度と堆積速度が低下する。
特開2004−356575号公報「半導体装置の製造方法」(特許文献4)では、高誘電率絶縁膜をエッチングする際のプロセスマージンを大きくするために、高誘電率絶縁膜をドライエッチングして、一部除去しつつ、ダメージ層を形成し、ダメージ層をウェットエッチングにより除去することが述べられており、ドライエッチングガスの例として
BCl3,Cl2,HBr,CF4,O2,Ar,N2 及びHeよりなる群から選ばれる少なくとも1種のガスを挙げている。高誘電率絶縁膜をドライエッチングして、一部除去しつつ、ダメージ層を形成できるガスとしては、堆積性が無い全てのガスが該当する。これに対して、ここでは、ドライエッチングで下地Siに対して酸化膜を選択的にエッチング加工することを目的にしており、BCl3/CF4として堆積性のないガスは除外する。
特開2004−296477号公報「半導体装置の製造方法」(特許文献4)では、下地SiO2 膜に対して選択的に高誘電率絶縁膜をエッチングする目的で、ドライエッチングガスとしてBCl3,Cl2,HBr,CF4,O2,Ar,N2 及びHeよりなる群から選ばれる少なくとも1種のガスを挙げている。下地SiO2 膜に対して選択的比を得るためには、CF4は不適であり、塩素(臭素)系とO2の混合が不可欠である。また、CF4の使用は、酸化膜のエッチング速度を上げるので、Ar希釈等でエッチング速度を低下させる必要があるが、これは、同時に側壁や下地Siをエッチングする速度も上昇させる点が課題である。
特開2004−207481号公報 特開2004−146787号公報 特開2005−045126号公報 特開2004−356575号公報
上記特許文献1〜4のエッチングガスを使用してエッチングする際に、下地Siの削り量が大きくなるが、Siの削り量は少ない方が良い。その理由は、エッチング後に洗浄工程があり、Si表面の損傷・汚染にもよるが、Siはさらに後退する。この基板Siの欠落が大きいと素子の特性が変化する。しかも、欠落の大きさは、エッチング装置の加工速度の不均一性のために、ウェハの面内で不均一に生じるので、下地削れが大きいと素子特性のばらつきも大きくなる。したがって、下地削れ速度が小さい程、素子特性変化とそのばらつきを小さくできる。
本発明の目的は、酸化膜上に高誘電率絶縁膜層とゲート電極配線層を有する構成のデバイス構造をエッチングする際に、処理工程数削減のため高誘電率絶縁膜層もプラズマ処理装置でエッチングする場合において、下地Siに対する選択比が高く、低コストで処理できるガス種,プロセスや処理装置を提供することにある。
本発明の一つの特徴は、酸化膜上に高誘電率絶縁膜層とゲート電極配線層を有する構成のデバイス構造をエッチングする際に、BCl3 とCHxyまたはCFxClyを含むガスをエッチングガスとして使用した点にある。
本発明のその他の特徴は、本願明細書の発明を実施するための最良の形態欄で説明する。
本発明によれば、高誘電率ゲート絶縁膜をエッチングする際に、下地Siに対する選択比を高め、堆積性の少ないエッチングガスを用いているので、プラズマ処理でゲート絶縁膜を除去して、下地Si削れと加工長変化を小さくし、高精度のゲート加工が実現できる。
ガス導入系よりガスが導入される処理室と、ウエハを支持する電極とを備えた真空容器を有し、処理室外部には高周波発生手段があり、処理室内のガスを電離・解離させてプラズマを発生させるプラズマ処理装置において、上記のSi基板上の高誘電率ゲート絶縁膜を下地Siに対して高選択比でエッチングし、低コストで使用できるガスやその方法について記載する。
使用ガスに関しては、相対的に、高誘電率絶縁膜層に対して反応して気化しやすく、下地Siに対しては気化反応を起こしにくく、低コストで使用できるガスがよい。予想される気化反応に対して、反応でのエンタルピー変化を調べることにより、反応の起こりやすさを知ることができる。これを各候補ガスについて調べれば、有望なエッチングガスを知ることができる。例えば、BCl3とHfO2が反応する場合、(4/3)BCl3+HfO2→HfCl4+(2/3)B23(g)なる反応を想定できて、25℃でエンタルピーが31
kcal/mol増加することがCRC Handbook of Physics and Chemistry のようなデータブックから知ることができる。プラズマエッチング装置のようにガスBCl3 を常に供給しつつ気体生成物HfCl4と(2/3)B23 を排気し続ける場合は、エネルギー的に不利であっても、この反応は徐々に進行していく。むしろ、数nmの薄膜であるHfO2 には適したエッチング速度であると理解できる。このような検討を各候補ガスについて実施すればよい。一方、Siに対しては、(4/3)BCl3+Si→SiCl4+(4/3)B(c)なる反応で、エンタルピーが28kcal/mol 減少することが判る。このため、Si表面に薄い固体B層ができるが、BはBCl3として気化できるため、表面のB層は薄いままになり、イオンスパッタの効果によりSiはゆっくりエッチングされ続けることになる。したがって、BCl3 ガスのみでは、Siに対する選択比を高く取れないことになる。一方、ガスCH2Cl2は、HfO2 はBCl3 より気化しにくいが、Siについては、
SiH2Cl2気化により表面にC層ができると、CH2Cl2→C(s)+2HCl(g)なる反応でエンタルピーが22kcal/mol 低下するために、表面にC層が成長でき、Siを保護して選択比を高くできる。しかし、CHxClyのようにClを含むガスは、安全性や環境問題の点から、特殊な除外装置が必要となるためコスト高となり、使用は好ましくない。また、下地Siに対する選択比が必要であるが、ゆっくりとしたHfO2/SiO2のエッチングの際に堆積性のガスを使用すると、既に加工済みのゲート電極の側壁に堆積物が付着して、加工後寸法が設計値から変化してしまう課題が発生する。これは対下地Siの選択比とのトレードオフになるため、使用するガスを慎重に選ぶ必要がある。
まず、CF4の効果とBCl3混合効果について述べておく。CF4単体の場合、CF4+HfO2→HfF4+CO2(−60kcal/mol)のように酸化物のエッチングは進みやすい。以下、括弧内の単位、kcal/molは省略し、数値のみを記す。一方、Siに対しては、初期にはCF4+Si→SiF4+C(−165)であり、Cが堆積するが、その後、(1)2F2+C(+221)、(2)CF4(0)、(3)0.5SiF4+0.5C24(−50)の反応式から判るように、C上に堆積するよりも気化した方がエネルギー的に有利であるため、C系堆積膜はごく薄いままとなり、下地Siもエッチングされる。次に、BCl3/CF4混合ガスの場合、酸化膜のエッチングは同様に進む。ただし、Si上では、(1)BF3+FCl+Cl2+C(+33)、(2)BF3+CFCl3(−20)、(3)BF3+0.25SiF4+1.5Cl2+C(−51)の反応式から判るように、まだやや気化側にいるが、大幅に堆積方向に移行したことが判る。このことから、個別に用いると対Si選択比が得られないガスでも、BCl3 とハロゲン化炭素ガスの混合により選択比の得られるガスとなり得ることが判る。一方、BCl3 ともともと堆積性の強いハロゲン化炭素ガスの混合は、堆積性がさらに強くなり形状に悪影響を及ぼすことが予想できる。したがって、BCl3 とハロゲン化炭素ガスの混合ガスで、可能な限り弱い堆積性を持つガスが必要になる。
HfO2/SiO2エッチングの進行と選択比・形状を満足させるガスの選定検討において、CF4,CF3Cl,CF2Cl2,CHF3,CH22とBCl3との混合ガスを考える。これらのハロゲン化炭素ガスは単独であるいは混合して用いることができる。また、これらは酸化膜のエッチングに関しては十分使用できるものであるため、ゲート絶縁酸化膜のプラズマ処理による除去で課題となる、下地Siに対する選択比と側壁等の堆積物による形状の問題に集中して、使用の可否を論じる。すなわち、以下では、Si上の反応を論じる。これらは、Siとの反応においても初期には、Siが気化してC系膜が表面に残るが、その後のC系膜上での混合ガスの反応からガスの堆積性を知ることができる。これにより、形状問題からの要請である、できるだけ弱い堆積性のガスを知ることができる。
BCl3+CF4 →(1)BF3+FCl+Cl2+C(+33)、
(2)BF3+CFCl3(−20)
BCl3+CF3Cl →(1)BF3+2Cl2+C(−9)、
(2)BCl3+CF3Cl(0)
BCl3+CF2Cl2 →(1)BF2Cl+2Cl2+C(−2)、
(2)BCl3+CF2Cl2(0)、
BCl3+Cl2+0.5*C24(+36)
BCl3+CHF3 →(1)BF3+HCl+Cl2+C(−33)、
(2)BF3+CHCl3(−29)、
BCl3+HF+0.5*C24(+22)
BCl3+CH22 →(1)BF2Cl+2HCl+C(−53)、
(2)BF2Cl+CH2Cl2(−31)、
BCl3+H2+0.5*C24(+29)
上記5つの反応式で、(1)はC系膜の堆積を伴う反応、(2)は投入ガスが気化する反応で、括弧内の数字は反応後のエンタルピー変化で単位はkcal/molである。BCl3+CF4以外は、堆積反応の方が起こりやすいことが判り、特に、BCl3+CH22は明らかに堆積反応の方が強いことが判る。ここで、(1)と(2)の反応を比べると、(1)の生成分子の方が小さく形成反応が速いことから、(2)より(1)の方が起こりやすいことをエンタルピーの差に加えて考慮する必要がある。このことから、気化側であるが、BCl3/CF4は検討候補として残す。また、形状問題の制約からCH22混合比は小さくして、堆積性を減少させる必要がある。また、BCl3 との混合により堆積性を示すガスCH22,CHF3,CF2Cl2,CF3Clに、CF4 を混合することによりさらに堆積性を弱めることができる。以上ではSi上を考えたが、堆積性に関してはガス自身の性質であるので、Si上に限らず、ゲート電極側壁においても同様である。
BCl3 とCF系のガスの混合により、ガスの堆積性と対下地Si選択比は高まる方向であることが前記の議論から確認できた。一方、C,Fが加わることで酸化膜・窒化膜に対しては、エッチング性が増大する。BCl3 のみでも数nmの酸化膜を短時間で除去し、エッチング速度が速いことが、特開2005−045126号公報「半導体装置の製造方法」では述べられている。このため、基板に到達するラジカル量を低減して、酸化膜を除去する時間を長くし、加工停止制御が十分可能な範囲にする必要がある。この手段としては、低圧処理やAr等の不活性ガスによる希釈がある。この場合、エッチング速度が低下するが、堆積性ラジカルも減少するので堆積速度も低下する。また、ラジカルに対してイオンの比率が大きくなるので、イオン衝撃による気化の比率が大きくなる。このため、気化側にあるガス、BCl3/CF4,BCl3,CF4等はAr希釈等によって、より気化側に移行して下地Siを削りやすくなるので、使用ガスからは外すことになる。
以上から、酸化膜上に高誘電率絶縁膜層とゲート電極配線層を有する構成のデバイス構造をエッチングする際に、処理工程数削減のため高誘電率絶縁膜層もプラズマ処理装置でエッチングする場合において、下地Siに対する選択比が高く、加工寸法変化の小さい、低コストで処理できるガス種は、BCl3 とF化C系ガスとの混合ガスである。F化C系ガスは、CH22,CHF3,CF2Cl2,CF3Cl、またはそれらの混合ガス、またはCF4 との混合ガス、またはAr等の不活性ガスとの混合ガスである。また、高誘電率絶縁膜層は、HfO2,ZrO2,HfxSiOy,ZrxSiOyのいずれか、またはその窒化物、またはこれらの積層構造からなる絶縁層である。
本発明の実施例を図1〜図3により説明する。
ULSIには多数の素子が搭載されて正確な動作が要求されるので、ゲート電極は正確なゲート長に加工される。その後、高誘電率ゲート絶縁膜をプラズマ処理装置でエッチングする際に、下地Siに対して高選択比で加工し、正確なゲート長でゲート絶縁膜も加工する必要があり、そのように加工できるガス種,プロセスや処理装置が必要である。本実施例はガス6をプラズマ化してエッチングする方法に関するものであるが、その要点はガス6を構成するガス成分20にあり、上記の高誘電率ゲート絶縁膜を高精度に加工できる方法を提供することにある。そこで、はじめにガス選択の指針について述べ、実施例,効果の順に記述する。
ガス選択の指針としては、課題を解決するための手段で述べた。BCl3とCF3Cl,CF2Cl2,CHF3,CH22,CF4のそれぞれ及び混合ガスについて、選択比・形状への効果を図1にまとめる。既に述べたように、図1に示したガスは、全て酸化膜をエッチングすることができる。また、炭素を含むガスは酸窒化膜をエッチングすることができる。したがって、Siに対する選択比とゲート電極側壁への堆積性が問題であり、図1にはその効果に関してまとめて示した。Siエッチング性に関しては、BCl3 のエッチング性より小さいことが必要である。このため、図1の単独ガスのほとんどを使用から外すことになる。また、堆積性はSi非エッチング性と関連しているが、これが大きいと側壁に堆積して加工寸法が変化し、堆積ムラが生じると表面に面荒れが生じることになる。したがって、単独ガスのCH22も使用から外れる。また、混合ガスは酸化膜・窒化膜エッチング性が大きいので、エッチング停止制御のために処理時間を長くする必要があり、低圧処理やAr等の不活性ガス希釈が必要なため、ガスの性質が気化方向にシフトする。したがって、使用に適するガスは、図1のSiエッチング性がなしで、堆積性は微小或いは小以下が望ましい。ただし、混合ガスでは、堆積性原因ガスの混合比を落として堆積性を弱い方向に調節できるので、使用は可能でありBCl3/CH22も使用できる。
本発明の第1の実施例を図3のデバイス構造、図2のエッチング装置を用いて説明する。図3は対象とするデバイス構造であり、シリコン基板18の上に高誘電率ゲート絶縁膜19、さらにゲート電極に加工される高融点金属膜21,ハードマスク22から構成される。このゲート構造をプラズマを用いてエッチングし、続けてゲート絶縁膜もプラズマ処理で除去する。高融点金属膜としては、TiN等があり、1層とは限らず多層膜のこともある。高誘電率ゲート絶縁膜としては、HfO2 などがあり、これも2層以上のことがある。エッチングを実施するエッチング装置の例を図2に示す。プラズマ処理装置はガス導入系2を介しガス6が導入される処理室3と被処理物(ウエハ)4を支持する支持台(電極)5とを備えた真空容器1を有し、処理室内のガスは排気系7によって排気される。ウエハ4には図3のデバイスが構成されている。μ波発生源8で発生されたμ波9は導波路10を通して、金属壁で囲まれた空洞部11に導かれ、導入窓12を介して処理室3に導かれる。導入窓の下にはガスを供給するシャワープレートが配置されている。処理室の外側には磁石・コイル13により1kGauss程度の磁場を発生させる。処理室内に導かれたガス6はμ波電界と磁場との相互作用によって電離・解離され、プラズマ14や解離種(ラジカル)15が生成する。支持台5の上にはウエハ4が配置され、接続された高周波電源16からの高周波が印加される。ウエハ4の上には、拡散防止膜(エッチストップ膜)19と低誘電率膜18が形成されている。支持台5に印加された高周波によってプラズマ中のイオンを引込み、ウエハを加工する。
上記においては、μ波と磁場とを用いたエッチング装置の場合を示したが、他のプラズマ生成方式による装置を用いても良い。他の方式としては、真空容器の中に平行に並べられた上下電極を持ち、上電極,下電極もしくはその両方に高周波を印加する平行平板型のRF装置,平行平板型の装置に磁場コイルや磁石を設けたマグネトロン型装置,誘電体で構成される真空容器とコイル状アンテナにRFを印加する誘導結合型の装置、またこれらの方式の周波数をVHF帯,UHF帯の高周波を用いた装置を用いても良い。
本実施例はガス6をプラズマ化してエッチングする方法に関するものであるが、その要点はガス6を構成するガス成分20にあり、ゲート絶縁膜をプラズマでエッチングするエッチングガス20aとして、BCl3 とF化炭素系ガスとの混合ガスを用いたことを特徴とする。図1に示すようにこれらのガスは、下地Siに対して選択的にゲート絶縁膜をエッチングし、しかも、堆積性が小さいためにゲート電極側壁に堆積が生じにくく、加工長変化が生じにくいし、表面の堆積ムラによる面荒れも生じない。
前記の装置においてBCl3/CF3Clを用いた時のエッチング特性について述べる。エッチング特性は、処理後の下地Si削れ量とゲート電極側壁に対するゲート絶縁膜の加工長変化量を調べた。エッチングしたデバイス構造は、Si基板上に積層ゲート絶縁膜
HfxSiOy/HfO2を有し、その上にゲート電極膜PolySi を有し、その上にマスクを有する構造を使用した。処理時の条件は、プラズマソースパワー500W,12インチウェハ用電極RFパワー15W,流量BCl3/CF3Cl=50sccm/50sccm圧力0.2Pa,電極温度50℃,処理時間10秒であった。その時の下地Si削れ量は1nmであり、ゲート絶縁膜の加工長変化量は3nmであった。面荒れは観察されなかった。BCl3/CF3Cl は十分使用できるガスと確認できた。ここで、反応容器内の圧力を低くし、処理時間を短くしているのは、使用した混合ガスが酸化膜をエッチングする速度がBCl3より大きいためである。低圧化により、酸化膜をエッチングするラジカル量が減少し、エッチング停止制御の可能なエッチング速度となる。また、Ar等の不活性ガスを混合してラジカル量を減少させることもでき、この場合は、さらに制御範囲を広げることができる。このような、低圧化や不活性ガス希釈により、ラジカル量が減少すると、エッチング速度低下の他に、イオン密度は相対的に増加して物理スパッタが増加するので、堆積速度がラジカル減少効果以上に低下し、堆積性の混合ガスのプロセスには形状の点で有利に働く。一方、物理スパッタ増加は、BCl3 のように下地Siをエッチングするガスについては、エッチング速度低下以外は、下地Siエッチの点であまり有利にならない。
比較例として、前記の装置においてBCl3 のみを用いた時のエッチング特性について述べる。エッチング特性は、処理後の下地Si削れ量とゲート電極側壁に対するゲート絶縁膜の加工長変化量を調べた。エッチングしたデバイス構造は、Si基板上に積層ゲート絶縁膜HfxSiOy/HfO2 を有し、その上にゲート電極膜PolySiを有し、その上にマスクを有する構造を使用した。処理時の条件は、プラズマソースパワー500W,電極RFパワー10W,流量BCl3=100sccm,圧力0.2Pa、電極温度50℃,処理時間20秒であった。その時の下地Si削れ量は4nmであり、ゲート絶縁膜の加工長変化量は2nm以下で、面荒れも観察されなかった。下地Si削れ量が大きすぎ、BCl3 は使用し難いガスと確認できた。
第2の実施例として、前記の装置においてBCl3/CF2Cl2 を用いた時のエッチング特性について述べる。エッチング特性は、処理後の下地Si削れ量とゲート電極側壁に対するゲート絶縁膜の加工長変化量を調べた。エッチングしたデバイス構造は、Si基板上に積層ゲート絶縁膜HfxSiOy/HfO2 を有し、その上にゲート電極膜PolySiを有し、その上にマスクを有する構造を使用した。処理時の条件は、プラズマソースパワー500W,電極RFパワー15W,流量BCl3/CF2Cl2=55sccm/45sccm ,圧力0.2Pa ,電極温度50℃,処理時間10秒であった。その時の下地Si削れ量は1nm以下であり、ゲート絶縁膜の加工長変化量は4nmであった。面荒れも観察されなかった。BCl3/CF2Cl2は十分使用できるガスと確認できた。
第3の実施例として、前記の装置においてBCl3 /CHF3 を用いた時のエッチング特性について述べる。エッチング特性は、処理後の下地Si削れ量とゲート電極側壁に対するゲート絶縁膜の加工長変化量を調べた。エッチングしたデバイス構造は、Si基板上に積層ゲート絶縁膜HfxSiOy/HfO2 を有し、その上にゲート電極膜PolySiを有し、その上にマスクを有する構造を使用した。処理時の条件は、プラズマソースパワー
500W,電極RFパワー20W,流量BCl3/CHF3=70sccm/30sccm,圧力
0.2Pa ,電極温度50℃,処理時間10秒であった。その時の下地Si削れ量は1
nm以下であり、ゲート絶縁膜の加工長変化量は5nmであった。面荒れも観察されなかった。BCl3/CHF3は十分使用できるガスと確認できた。
第4の実施例として、前記の装置においてBCl3/CH22 を用いた時のエッチング特性について述べる。エッチング特性は、処理後の下地Si削れ量とゲート電極側壁に対するゲート絶縁膜の加工長変化量を調べた。エッチングしたデバイス構造は、Si基板上に積層ゲート絶縁膜HfxSiOy/HfO2 を有し、その上にゲート電極膜PolySiを有し、その上にマスクを有する構造を使用した。処理時の条件は、プラズマソースパワー
500W,電極RFパワー20W,流量BCl3/CH22=90sccm/10sccm ,圧力0.2Pa,電極温度50℃,処理時間10秒であった。その時の下地Si削れ量は1nm以下であり、ゲート絶縁膜の加工長変化量は5nmであった。面荒れも観察されなかった。BCl3/CH22は十分使用できるガスと確認できた。
第5の実施例として、前記の装置においてBCl3/CF2Cl2/CF4を用いた時のエッチング特性について述べる。エッチング特性は、処理後の下地Si削れ量とゲート電極側壁に対するゲート絶縁膜の加工長変化量を調べた。エッチングしたデバイス構造は、
Si基板上に積層ゲート絶縁膜HfxSiOy/HfO2を有し、その上にゲート電極膜
PolySiを有し、その上にマスクを有する構造を使用した。処理時の条件は、プラズマソースパワー500W,電極RFパワー15W,流量BCl3/CF2Cl2/CF4=50
sccm/20/30sccm,圧力0.2Pa ,電極温度50℃,処理時間10秒であった。その時の下地Si削れ量は1.5nm であり、ゲート絶縁膜の加工長変化量は2nmであった。面荒れも観察されなかった。BCl3/CF2Cl2/CF4は十分使用できるガスと確認できた。
第6の実施例として、前記の装置においてBCl3/CHF3/CF4 を用いた時のエッチング特性について述べる。エッチング特性は、処理後の下地Si削れ量とゲート電極側壁に対するゲート絶縁膜の加工長変化量を調べた。エッチングしたデバイス構造は、Si基板上に積層ゲート絶縁膜HfxSiOy/HfO2を有し、その上にゲート電極膜PolySiを有し、その上にマスクを有する構造を使用した。処理時の条件は、プラズマソースパワー500W、電極RFパワー15W,流量BCl3/CHF3/CF4 =50sccm/10/40sccm,圧力0.2Pa,電極温度50℃,処理時間10秒であった。その時の下地
Si削れ量は1.5nm であり、ゲート絶縁膜の加工長変化量は2nmであった。面荒れも観察されなかった。BCl3/CHF3/CF4 は十分使用できるガスと確認できた。
比較実施例として、前記の装置においてBCl3/CF4を用いた時のエッチング特性について述べる。エッチング特性は、処理後の下地Si削れ量とゲート電極側壁に対するゲート絶縁膜の加工長変化量を調べた。エッチングしたデバイス構造は、Si基板上に積層ゲート絶縁膜HfxSiOy/HfO2 を有し、その上にゲート電極膜PolySiを有し、その上にマスクを有する構造を使用した。処理時の条件は、プラズマソースパワー500W,電極RFパワー10W,流量BCl3/CF4=50sccm/50sccm,圧力0.2Pa,電極温度50℃,処理時間10秒であった。その時の下地Si削れ量は3nmであり、ゲート絶縁膜の加工長変化量は1nm以下であった。面荒れも観察されなかった。下地Si削れ量が大きく、BCl3/CF4は使用し難いガスと確認できた。
第7の実施例として、前記の装置においてBCl3/CF3Cl/Arを用いた時のエッチング特性について述べる。エッチング特性は、処理後の下地Si削れ量とゲート電極側壁に対するゲート絶縁膜の加工長変化量を調べた。エッチングしたデバイス構造は、Si基板上に積層ゲート絶縁膜HfxSiOy/HfO2を有し、その上にゲート電極膜PolySiを有し、その上にマスクを有する構造を使用した。処理時の条件は、プラズマソースパワー500W,電極RFパワー10W,流量BCl3/CF3Cl/Ar=10sccm/10
sccm/80sccm,圧力0.2Pa ,電極温度50℃,処理時間30秒であった。その時の下地Si削れ量は1nm以下であり、ゲート絶縁膜の加工長変化量は1nm以下であった。面荒れも観察されなかった。BCl3/CF3Cl/Arは十分使用できるガスと確認できた。
比較例として、前記の装置においてBCl3/Ar を用いた時のエッチング特性について述べる。エッチング特性は、処理後の下地Si削れ量とゲート電極側壁に対するゲート絶縁膜の加工長変化量を調べた。エッチングしたデバイス構造は、Si基板上に積層ゲート絶縁膜HfxSiOy/HfO2 を有し、その上にゲート電極膜PolySiを有し、その上にマスクを有する構造を使用した。処理時の条件は、プラズマソースパワー500W,電極RFパワー10W,流量BCl3/Ar=20/80sccm,圧力0.2Pa,電極温度
50℃,処理時間50秒であった。その時の下地Si削れ量は3nmであり、ゲート絶縁膜の加工長変化量は−1nmで、面荒れも観察されなかった。しかし、下地Si削れ量が大きすぎ、BCl3/Arは使用しにくいと考えた。
本発明の実施例によるガス成分及びその組合せを示す図。 本発明の実施例に使用したプラズマ処理装置を示す図。 本発明の実施例に関するSi基板と高誘電率ゲート絶縁膜/ゲート電極膜/マスクからなるデバイス構造を示す図。
符号の説明
1…真空容器、2…ガス導入系、3…処理室、4…被処理物、5…支持台、6…ガス、7…排気系、8…μ波発生源、9…μ波、10…導波路、11…空洞、12…導入窓、
13…磁石・コイル、14…プラズマ、15…ラジカル、16…高周波電源、17…温度制御手段、18…シリコン基板、19…高誘電率ゲート絶縁膜、20…ガス成分、21…高融点金属膜(Taを含む窒化物)、22…ハードマスク、23…積層ゲート電極膜。

Claims (4)

  1. 酸化膜上に高誘電率絶縁膜層及びゲート電極配線層を有する構成のデバイス構造をエッチングする際に、高誘電率絶縁膜層もプラズマ処理装置でエッチングする方法であって、BCl3CHF 3 またはCH 2 2 またはCF 3 ClまたはCF 2 Cl 2 のうち少なくとも一つの混合ガスをエッチングガスとして用いたエッチング方法。
  2. 請求項1において、前記エッチングガスにさらにCF 4 を混合したエッチング方法。
  3. 請求項1において、前記エッチングガスはBCl 3 とCF 3 Clの混合ガスにさらにArを混合することを特徴とするエッチング方法。
  4. 請求項1において、前記高誘電率絶縁膜層が、HfO 2 ,ZrO 2 ,Hf x SiO y ,Zr x SiO y のいずれか、またはその窒化物、またはこれらの積層構造であることを特徴とするエッチング方法。
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