JP4448688B2 - 液体噴射装置及びその駆動方法 - Google Patents

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本発明は、液体噴射装置及びその駆動方法にかかり、詳しくは、ノズルからインク滴等の液体滴を吐出させる記録ヘッドの駆動制御を使用時の環境温度に応じて好適に行い得る液体噴射装置及びその駆動方法に関する。
従来、液体噴射装置の一種として、例えば、記録ヘッドからインク滴を吐出して印刷用媒体に印刷を行うインクジェット式プリンタが知られている。この種のプリンタは、記録ヘッドを主走査方向に沿って移動させると共に印刷紙(印刷用媒体の一種)を副走査方向に沿って移動させ、それらの移動に連動して記録ヘッドのノズル開口からインク滴を吐出させることにより印刷紙上に画像を印刷する。インク滴の吐出は、例えば、記録ヘッドに供給する駆動パルスに応じて圧電振動子を変形させ、それによってノズル開口に連通した圧力室を膨張・収縮させることにより行われる。
ところで近年、こうしたプリンタにあっては、パーソナルコンピュータ(PC)と接続される所謂AV(Audio/Visual)機器と共にラック等に収納した状態で使用することを想定した薄型のボックス形状をなすものが提案されている。このように他のAV機器とともにラック等に収納した状態で使用されるプリンタでは、それらAV機器の駆動系で発生する熱等によって、使用時の環境温度が室内温度よりも一般に高くなる傾向がある。
従来では、こうした環境温度の変化に対応するべく、センサ等により検出した環境温度に応じて記録ヘッドに供給するヘッド駆動信号の各パルス波形に電位補正や時間補正等の補正(以下これを「温度補正」という)を行うことで、インク滴を安定して吐出させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。これにより、環境温度が高くなった場合にもある温度(例えば40℃)までは一定の印刷品質を保証するようにしている。
特許第3356204号公報
ところで、上記のようにラック等に収納した状態で使用されるプリンタにあっては、その使用時に環境温度がラック等内にこもった熱によって例えば40℃を超えるような可成りの高い温度まで上昇していることがある。このような高温環境下でプリンタが使用される場合、従来のような温度補正のみによっては、インク滴を安定的に吐出することができず、したがって良好な印刷品質を保証できなくなるといったおそれがあった。言い換えれば、従来では、上記のような例えば40℃を超える環境温度でプリンタが使用される場合を想定しておらず、こうした高温環境下でインク滴を安定して吐出させるための対策がなされていない。このため、高温環境下でインク滴の吐出安定性が低下し、その結果、良好な印刷品質を維持することができなくなるという問題が生じていた。
ここで、インク滴の吐出安定性が低下する要因としては、インクの粘度が低下することが一因として挙げられる。インクの粘度は、環境温度が高温になるにしたがって低下するが、このようにインクの粘度が低下すると、インク滴が吐出された後のメニスカスの残留振動が大きくなる。この残留振動の影響により、インク滴がまっすぐ飛ばなくなって同インク滴の着弾位置にズレが生じたり、ノズル内に気泡を取り込んで所謂ドット抜けが生じたりする。
また、他の要因としては、記録ヘッドを駆動するヘッド駆動信号の周波数が、近年、高周波数化されてきたことが挙げられる。即ち、ヘッド駆動周波数を高周波数化してインク滴を高応答で吐出させることにより、スループットの向上(印刷速度を高速化)を図るようにしているが、こうした高周波数化に伴いインク滴の吐出間隔が短くなることで、上記のようにインク粘度が低下した場合に、それによるメニスカスの残留振動を抑えることが一層困難となってきている。
この発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用環境が高温下にあるときにも液体滴を安定して吐出させることのできる液体噴射装置及びその駆動方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明における第1の態様では、主走査方向に往復動する記録ヘッドから液体滴を吐出して印刷を行う液体噴射装置において、前記記録ヘッドの周辺域の温度を検出する温度検出手段と、第1周波数の第1駆動波形を発生させるための第1の波形モードと、1回の主走査において前記記録ヘッドから吐出される液体滴の数が前記第1の波形モードのときの半分となるように、前記第1周波数の1/2倍に設定される第2周波数の第2駆動波形を発生させるための第2の波形モードとが設定され、それら各波形モードを前記温度検出手段により検出される温度に応じて切り替え制御するモード切替手段と、前記温度検出手段により検出される温度に応じて、前記各波形モードにそれぞれ対応する駆動波形の各パルス波形を補正する補正手段と、前記モード切替手段より出力されるモード信号に基づき、前記各波形モードにそれぞれ対応する駆動波形のヘッド駆動信号を発生させる信号発生手段と、前記記録ヘッドの移動速度を前記第1の波形モードと前記第2の波形モードとで同一の速度とし、前記第2の波形モードのとき、前記記録ヘッドの1走査分に対応した記録領域のうち1回目の走査で液体滴が吐出されなかった領域についての吐出動作を2回目の走査によって補間させるべく、1走査分に対応する各記録領域での前記記録ヘッドの走査数を前記第1の波形モードのときの2倍とするヘッド走査手段と、を備え、前記モード切替手段は、前記温度検出手段により検出される温度が所定温度以下のとき前記第1の波形モードとし、前記温度検出手段により検出される温度が前記所定温度を超えているとき前記第2の波形モードとするよう前記切り替え制御を行う構成とされ、1つの印刷ジョブに基づく印刷の開始時に前記第1の波形モード又は第2の波形モードを指示するための前記モード信号を出力し、前記1つの印刷ジョブで複数ページの印刷が指示されるときには、当該1つの印刷ジョブに基づく印刷が終了するまでページ毎に検出される温度に応じたパルス波形の温度補正を行うが、当該1つの印刷ジョブに基づく印刷途中では前記切り替え制御を行わない、ことを要旨としている。
この構成によれば、温度検出手段により検出される記録ヘッドの周辺域の温度が所定温度以下のときには、第1周波数の第1駆動波形をもとに記録ヘッドを駆動させるようにした第1の波形モードが実行される。また、温度検出手段により検出される温度が上記所定温度を超えているときには、第1周波数の1/2倍に設定される第2周波数の第2駆動波形をもとに、第1の波形モードのときと同一の移動速度、且つ、第1の波形モードのときの2倍の走査数で記録ヘッドを駆動させるようにした第2の波形モードが実行される。この構成では、記録ヘッドの周辺域の温度が上記所定温度を超えているとき、即ち液体噴射装置の使用環境が高温環境下にあるときには、通常使用時(所定温度以下のとき)に比べて相対的に低い周波数の駆動波形をもとに記録ヘッドが駆動されることにより、同記録ヘッドから吐出される液体滴の吐出間隔を長くして、メニスカスの残留振動を減衰させるに十分な時間を確保することが可能となる。これにより、低粘度の高温環境下でもメニスカスの残留振動を好適に抑制し、液体滴の吐出安定性を向上させることができるようになる。その結果、使用時に保証し得る環境温度を従来よりも高温側に高く設定することが可能となる。また、この構成では、1つの印刷ジョブに基づく印刷の開始時に上記いずれかの波形モードが一旦決定された後は、たとえその後に環境温度が各波形モードに対応する温度領域の間で変動したとしても、当該1つの印刷ジョブに基づく印刷が終了するまでは、波形モードを切り替えないこととした。これは、1つの印刷ジョブに基づく印刷の途中で波形モードが切り替えられると、記録ヘッドの走査時間(印刷時間)が変更されることによる液体浸透性の相違が色差となって生じる懸念があるためである。ゆえに、本構成とすれば、1つの印刷ジョブに基づく印刷の途中で色差が発生することを抑制して、印刷品質を一定に保つことができる。
なお、本構成では、第2の波形モードのときには、記録ヘッドの移動速度が第1の波形モードのときと同一の速度に保持されたまま、同記録ヘッドの走査数が第1の波形モードのときの2倍とされる。これにより、記録ヘッドの一走査分に対応した記録領域のうち、1回目の走査で液体滴が吐出されなかった領域についての吐出動作を2回目の走査によって補間させることが可能である。ちなみに、本構成にかかる記録ヘッドの記録方式としては、記録ヘッドの往動時に液体滴を吐出させて記録を行う方式(単方向印刷)であってもよいし、記録ヘッドの往動時と復動時の両方で液体滴を吐出させて記録を行う方式(双方向印刷)であってもよい。
また、環境温度に応じて上記各波形モードが切り替え制御されることに加え、更に、それら各波形モードで発生される駆動波形の各パルス波形には、当該環境温度に応じた補正が施される。この結果、液体滴の吐出安定性を一層向上させることができるようになる。
本発明における第の態様では、記録ヘッドを主走査方向に往復動させ、前記記録ヘッドから液体滴を吐出させて印刷を行う液体噴射装置の駆動方法において、1つの印刷ジョブに基づく印刷の開始時に、前記記録ヘッドの周辺域の温度が所定温度以下であるか否かを判断し、前記温度が前記所定温度以下のとき、第1周波数の第1駆動波形をもとに、前記記録ヘッドをn回走査させて記録動作を行わせる第1の波形モードを実行し、前記温度が前記所定温度を超えているとき、1回の主走査において前記記録ヘッドから吐出される液体滴の数が前記第1の波形モードのときの半分となるように、前記第1周波数の1/2倍に設定される第2周波数の第2駆動波形をもとに、前記第1の波形モードのときと同一の移動速度で、前記記録ヘッドの1走査分に対応した記録領域のうち1回目の走査で液体滴が吐出されなかった領域についての吐出動作を2回目の走査によって補間させるべく、n走査分に対応する記録領域で前記記録ヘッドを2n回走査させて記録動作を行わせる第2の波形モードを実行し、前記1つの印刷ジョブに基づく印刷を複数のページにわたって行う場合には、各ページ毎に前記記録ヘッドの周辺域の温度に応じてヘッド駆動信号の各パルス波形の補正を行うが、前記1つの印刷ジョブに基づく印刷を前記第1の波形モード又は前記第2の波形モードで開始した後は、当該1つの印刷ジョブに基づく印刷が終了するまで、他の波形モードへの切り替えを行わないようにしたことを要旨としている。
この駆動方法によれば、上述した第1の態様と同様の作用効果を奏することができる。
以下、本発明の液体噴射装置をインクジェット式プリンタ1に具体化した一実施の形態を図1〜図7に従って説明する。
図1は、本実施の形態にかかるプリンタ1の外観を示す斜視図である。
同図に示すように、このプリンタ1は略ボックス形状をなしており、例えばテレビラック等へ収納された状態で使用されることを想定して、大凡、ビデオテープレコーダ程度の大きさに形成されている。
このプリンタ1の概略構成について説明すると、略ボックス形状をなす外部ハウジング2の前面にはフロントカバー3が設けられており、このフロントカバー3は手前側に開いた状態(使用状態)と閉じた状態(非使用状態)とを回動自在に構成されている。このフロントカバー3の下部には給紙トレイ4が着脱自在に設けられており、この給紙トレイ4を手前側に引き出して取り外すことにより、印刷用媒体としての印刷紙P(図2参照)をセットすることができる。また、フロントカバー3の上方にはインクカートリッジユニット5が設けられており、このインクカートリッジユニット5には、図示しない複数のインクカートリッジがプリンタ1の幅方向に並んで着脱自在に設けられている。
続いて、このプリンタ1の内部構成について図2を参照しながら説明する。
図2は、プリンタ1の外部ハウジング2を取り外した状態の外観を示す斜視図である。
プリンタ1には、下部シャーシ6と、このプリンタ1の幅方向である主走査方向に延びるメインフレーム7と、そのメインフレーム7の両側に立設され、同プリンタ1の奥行き方向である副走査方向に平行な一対のサイドフレーム8a,8bとが設けられている。これら一対のサイドフレーム8a,8bの間には、各色用のノズル(図示略)を多数個有する記録ヘッド9が取り付けられたキャリッジ10を主走査方向にガイドする主ガイド軸11と副ガイド軸12とが副走査方向に所定の間隔を隔てて設けられている。主ガイド軸11がキャリッジ10の後部に挿通され、そのキャリッジ10の前部が副ガイド軸12によって下から支持されることにより、記録ヘッド9とその記録ヘッド9に対向して配置される案内部材としてのプラテン13との間のクリアランス(所謂プラテンギャップ)が規定されている。
キャリッジ10は、キャリッジモータ14(図3参照)の回転駆動力を受けて、主走査方向に各ガイド軸11,12に沿って往復移動される。言い換えれば、このキャリッジモータ14を回転制御することによって、記録ヘッド9をキャリッジ10と共に主走査方向に往復移動させることができる。
給紙トレイ4にセットされた印刷紙Pは、搬送用モータ15(図3参照)により回転駆動される搬送駆動ローラ21と、その搬送駆動ローラ21の回転に伴って従動回転される搬送従動ローラ22とにより、プラテン13上に案内されて記録ヘッド9の下へ搬送される。そして、搬送された印刷紙Pは、プラテン13によって下から支持された状態で記録ヘッド9からインク滴が吐出(噴射)されることにより、印刷が行われる。
なお、記録ヘッド9はキャリッジ10の下部に設けられているが、このキャリッジ10にはインクカートリッジは搭載されておらず、同キャリッジ10の主走査領域の上側に、上記したように複数のインクカートリッジが主走査方向に並んで着脱自在に配設されている。そして、図示しないインクチューブを介してインクがキャリッジ10に供給されるようになっている。
また、ここでは図示を省略するが、記録ヘッド9の下流側には、上記搬送用モータにより回転駆動される排出駆動ローラと、その排出駆動ローラの回転に伴って従動回転される排出従動ローラとが設けられており、これら各ローラによって印刷紙Pがプリンタ1の外部へと排出されるようになっている。
また、このプリンタ1には、例えばDVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスクDをセット可能なディスクトレイ23が設けられている。このディスクトレイ23は、給紙トレイ4の上方に配置されている。こうしたディスクトレイ23に光ディスクDをセットした状態で同トレイ23を記録ヘッド9の下へ搬送することによって、光ディスクDのラベル面に直接インク滴を吐出して印刷を実行することもできる。
次に、本実施の形態にかかるプリンタ1に使用する記録ヘッド9の一構成例について、図4を参照しながら説明する。なお、図4は、記録ヘッド9の主要部分を示す断面図である。
この記録ヘッド9は、アクチュエータとしての圧電振動子31と、その圧電振動子31の背面(上面)に設けられる上部電極32と、同圧電振動子31の前面(下面)に設けられる下部電極33と、圧力発生ユニット34と、流路ユニット35とを備えている。
圧力発生ユニット34は、圧力室形成基板36と、同基板36の両側に接合される振動板37と流路形成基板38とから構成され、圧力室形成基板36には、圧電振動子31に対応する位置に圧力室39が形成されている。
振動板37は、圧力室形成基板36の上面に接合されており、この振動板37の上面に下部電極33を介在させて圧電振動子31が積層されている。流路形成基板38は、圧力室形成基板36の下面に接合されており、この流路形成基板38には、圧力室39と連通する第1インク流路40と第2インク流路41とが形成されている。
流路ユニット35は、ノズルプレート42と、リザーバ形成基板43と、供給口形成板44とから構成され、リザーバ形成基板43を間に挟むようにして、その下面にノズルプレート42、上面に供給口形成板44がそれぞれ接合されている。そして、この流路ユニット35が上記圧力発生ユニット34の下面に接合されている。
リザーバ形成基板43には、インクを貯留するインクリザーバ45と、ノズルプレート42に形成されたノズル46と連通する第1ノズル連通孔47とが形成されている。供給口形成板44には、インクリザーバ45と第1インク流路40とに連通し、インクリザーバ45内に貯留されているインクを圧力室39へと供給するためのインク供給口48と、第1ノズル連通孔47と第2インク流路41とに連通する第2ノズル連通孔49とが形成されている。
このように構成された記録ヘッド9では、インクリザーバ45から圧力室39を通ってノズル46に至る一連のインク流路が形成される。なお、この記録ヘッド9において、各基板36,38,43は、例えばシリコンウェハをエッチング加工することによって作り付けられるものであるが、この構成に限られず、例えば金属プレート等に圧力室39やインク流路40,41やインクリザーバ45等を形成し、それらを積層し接着させることでインク流路を形成するようにしてもよい。
こうした構成の記録ヘッド9では、圧電振動子31を充電により変形(収縮)させると、振動板37に撓みが生じて圧力室39が収縮する。また、この圧力室39の収縮状態から圧電振動子31を放電により変形(伸張)させると、振動板37の弾性によって圧力室39が膨張する。こうした圧電振動子31の充放電に伴う変形によって圧力室39を一旦膨張させてから収縮させることにより、圧力室39内のインク圧力が高められ、ノズル46からインク滴が吐出される。
次に、プリンタ1の電気的構成について、図3を参照しながら説明する。
同図に示すように、プリンタ1は、プリンタコントローラ50とプリントエンジン51とを備えている。プリンタコントローラ50は、外部インタフェース(外部I/F)52と、各種データを一時的に記憶するRAM53と、制御プログラム等を記憶したROM54と、CPU等を含んで構成された制御部55と、クロック信号CLKを発生する発振回路56と、記録ヘッド9へ供給するための駆動信号COMを発生する駆動信号発生回路57と、内部インタフェース(内部I/F)58とを備えている。一方、プリントエンジン51は、上記制御部55とともにヘッド走査手段を構成するキャリッジモータ14や、搬送用モータ15、及び記録ヘッド9の電気駆動系59を含んで構成されている。
まず、プリンタコントローラ50について説明する。
外部I/F52は、例えば、キャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータ等によって構成される印刷データをホストコンピュータ(例えばパーソナルコンピュータ等)から受信したり、制御部55から出力されるビジー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)等をホストコンピュータに対して送信する。
内部I/F58は、駆動信号発生回路57にて生成される上記駆動信号COMや制御部55にて生成されるドットパターンデータ(ビットマップデータともいう)等を記録ヘッド9の電気駆動系59に送信したり、あるいは、後述する温度検出センサ61によりプリンタ1の使用時の環境温度として検出される記録ヘッド9の周辺域の温度を取得する。
RAM53は、受信バッファ、中間バッファ、出力バッファ及びワークメモリ(図示略)を有している。受信バッファは、外部I/F52を介して受信された印刷データを一時的に記憶し、中間バッファは、制御部55により変換された中間コードデータを記憶し、出力バッファは、ドットパターンデータを記憶する。ドットパターンデータとは、中間コードデータ(例えば階調データ)をデコード(翻訳)することにより得られる印字データである。
ROM54には、各種データ処理を行わせるための制御プログラム(制御ルーチン)の他に、フォントデータ、グラフィック関数等が記憶されている。また、このROM54には、プリンタ1の使用時の環境温度に応じて、記録ヘッド9の各圧電振動子31に供給する駆動信号COM(駆動波形)の電位(波高値)や時間成分を補正(以下「温度補正」という)するためのテーブル、さらには、後述する波形モードを切り替えるための制御データ等が記憶されている。なお、本実施の形態においては、このROM54と制御部55とによって上記温度補正を実現するための補正手段が構成されている。
制御部55は、ROM54に記憶された制御プログラムに従って各種の制御を行う。例えば、制御部55は、受信バッファ内の印刷データを読み出すとと共にこの印刷データを変換して中間コードデータとし、その中間コードデータを中間バッファに記憶させる。また、制御部55は、中間バッファから読み出した中間コードデータを解析し、ROM54に記憶されているフォントデータ及びグラフィック関数等を参照して、ドットパターンデータに展開(デコード)する。そして、制御部55は、必要な装飾処理を施した後にこのドットパターンデータを出力バッファに記憶させる。
制御部55は、記録ヘッド9の1回の主走査にて記録(印刷)可能な1行分のドットパターンデータが得られたならば、この1行分のドットパターンデータを出力バッファから読み出して内部I/F58を通じ順次記録ヘッド9の電気駆動系59に出力する。これにより、キャリッジ10が走査されて1行分の印刷が行われる。そして、出力バッファから1行分のドットパターンデータが出力されると、展開済みの中間コードデータが中間バッファから消去され、次の中間コードデータについての展開処理が行われる。
次に、プリントエンジン51、特に記録ヘッド9の電気駆動系59について説明する。
図3に示すように、この電気駆動系59は、温度検出手段としての温度検出センサ61、デコーダ62、シフトレジスタ回路63、ラッチ回路64、レベルシフタ回路65、スイッチ回路66、及び圧電振動子31を備えている。なお、デコーダ62、シフトレジスタ回路63、ラッチ回路64、レベルシフタ回路65、スイッチ回路66及び圧電振動子31はそれぞれ、記録ヘッド9の各ノズル46毎に設けられている。
この電気駆動系59では、スイッチ回路66に加わるレベルシフタ回路65からのパルス選択データが「1」の場合、スイッチ回路66が接続状態とされて駆動信号COM中のパルス波形が圧電振動子31に直接印加され、圧電振動子31は当該パルス波形に応じて変形する。一方、スイッチ回路66に加わるレベルシフタ回路65からのパルス選択データが「0」の場合、スイッチ回路66が非接続状態とされて圧電振動子31への駆動信号COMの供給が遮断される。このようにスイッチ回路66は、駆動信号COMとレベルシフタ回路65からのパルス選択データとに基づいて、記録ヘッド9の各圧電振動子31に供給する駆動波形(ヘッド駆動信号SD)を発生させる。
本実施の形態においては、こうした駆動波形(ヘッド駆動信号SD)を温度検出センサ61により検出される記録ヘッド9の周辺域の温度に依存した波形で発生させるべく、異なる2つの波形モードがROM54に設定され、これらの各波形モードが制御部55からのモード信号MODEによって切り替えられるようになっている。なお、本実施の形態においては、ROM54と制御部55とによってモード切替手段が構成されている。
詳述すると、制御部55は、温度検出センサ61により検出される温度Tが所定温度(例えば40℃)以下のとき、出力バッファ(RAM53)から読み出したドットパターンデータに基づいて、駆動信号COMをもとに駆動周波数fD (第1周波数)の第1駆動波形(以下「通常波形」という)を発生させる第1の波形モードを実行する。なお、このとき制御部55は、駆動信号COMの各パルス波形に温度Tに応じた温度補正を施し、この補正後の駆動信号COMをもとに通常波形を発生させる。
一方、制御部55は、温度検出センサ61により検出される温度Tが上記所定温度(40℃)を超えているとき、上記第1周波数の1/2倍、即ち、駆動周波数1/2fD (第2周波数)の第2駆動波形(以下「高温波形」という)を発生させる第2の波形モードを実行する。なお、このとき制御部55は、第1の波形モード時と同様、駆動信号COMの各パルス波形に温度Tに応じた温度補正を施し、この補正後の駆動信号COMをもとに高温波形を発生させる。
ここで、本実施の形態においては、記録ヘッド9を主走査方向に往復動させるキャリッジ10の移動速度が第1の波形モードと第2の波形モードとで一定速度に保持されるようになっている。これは、キャリッジ10の移動速度(記録ヘッド9の移動速度)が変更されると、インク滴の吐出タイミングが変更されることによるインク浸透性の相違が色差となって発生する懸念やインク滴着弾位置の誤差が画質差となって発生する懸念があるためである。
従って、上記のように駆動周波数が第1の波形モードのときの1/2倍に設定される第2の波形モードでは、記録ヘッド9の1回の主走査において、同記録ヘッド9から吐出されるインク滴の数が第1の波形モードのときの半分となる。このため、本実施の形態では、制御部55は、第2の波形モードのときの記録ヘッド9の走査数を第1の波形モードのときの2倍に変更するようにしている。このように記録ヘッド9の走査数を2倍に変更することで、記録ヘッド9の一走査分に対応した記録領域のうち、1回目の走査でインク滴吐出がなされなかった画素についての吐出動作を2回目の走査により補間させるようにしている。
即ち、図5に示すように、例えば1画素あたり4回のインク滴吐出が行われる場合、第2の波形モードでは、まず、記録ヘッド9の1回目の走査による往動時にインク滴が一個置きに吐出される。次いで、1回目の走査位置と同じ位置で2回目の走査が行われ、この2回目の走査による往動時に、上述した1回目の走査でインク滴が吐出されなかった各画素内の領域を対象としてインク滴が同じく一個置きに吐出される。そして、この2回目の走査が終了した後に、印刷紙Pの副走査方向への紙送りが行われる。
このように本実施の形態にかかるプリンタ1では、記録ヘッド9の2回の走査によって1走査分に対応する記録領域の吐出動作を行い、同記録ヘッド9の2回の走査毎に印刷紙Pの紙送り動作を1回ずつ行う。
なお、本実施の形態のプリンタ1は、記録ヘッド9の往動時にインク滴を吐出して記録を行う(単方向印刷を行う)ものであるが、記録ヘッド9の往動時と復動時の両方で記録を行う(双方向印刷を行う)プリンタにも本駆動方式を適用することが可能である。このような双方向印刷を行うプリンタでは、記録ヘッドの往動時に記録されなかった画素についての吐出動作を復動時に補間させるようにする。
以下、上記したような各波形モードにおける電気駆動系59の各回路の具体的な動作について詳述する。
まずデコーダ62は、内部I/F58を介して入力される印字データSIに基づいて、上記駆動信号COM中のパルス波形の取り込みに必要なパルス選択データを生成する。本実施の形態においては、インク滴のフル吐出動作(所謂ベタ埋め)を実施する場合を想定しており、この場合にあっては、デコーダ62は当該ベタ埋めに対応する印字データSIをもとにパルス選択データを生成する。
このとき、デコーダ62は、上記モード信号MODEに基づいて、各波形モードにそれぞれ対応するパルス選択データを生成する。具体的には、デコーダ62は、第1の波形モードのときには、上記ベタ埋めに対応する印字データSIに基づいて、1画素に対応する駆動信号COMの1セグメントあたり(1111)のパルス選択データを生成する。これに対し、第2の波形モードのときには、駆動信号COMの1セグメントあたり(1010)のパルス選択データを生成する。
シフトレジスタ回路63は、このデコーダ62から出力されるパルス選択データの各ビットを発振回路56から出力されるクロック信号CLKに同期して順次シリアルで出力する。ラッチ回路64は、このシフトレジスタ回路63から出力されるパルス選択データの各ビットをラッチ信号LATによってラッチすることにより、各波形モードに対応した矩形パルス列を生成し、この矩形パルス列がレベルシフタ回路65を介してスイッチ回路66に供給される。
そして、スイッチ回路66は、当該矩形パルス列と駆動信号COMとの論理積をとることで、各波形モードに対応した駆動波形(ヘッド駆動信号SD)、即ち、第1の波形モードでは駆動周波数fD の通常波形、第2の波形モードでは駆動周波数1/2fD の高温波形を発生させる。なお、本実施の形態においては、上記駆動信号発生回路57とデコーダ62とシフトレジスタ回路63とラッチ回路64とレベルシフタ回路65とスイッチ回路66とによって信号発生手段が構成されている。
図6は、各波形モードにそれぞれ対応した駆動波形(ヘッド駆動信号SD)を示す図である。なお、上記したように、本実施の形態ではインク滴のフル吐出動作(ベタ埋め)を実施する場合を想定しているため、同図では、このベタ埋め制御にかかる駆動波形(SD)を例に示している。
同図において、駆動信号COMは、図3に示す駆動信号発生回路57において生成される各波形モードでそれぞれ共通な信号であり、同一のパルス波形PWを等間隔に含む信号である。
ここで、パルス波形PWは、圧力室39を膨張させて内部を減圧するような電圧を圧電振動子31に供給する第1電圧降下部sa1と、その減圧状態を維持するような電圧を圧電振動子31に供給する第1電圧維持部sa2と、圧力室39を収縮させて内部を加圧するような電圧を圧電振動子31に供給する第1電圧上昇部sa3と、その加圧状態を維持するような電圧を圧電振動子31に供給する第2電圧維持部sa4と、圧力室39を元の状態に戻すような電圧を圧電振動子31に供給する第2電圧降下部sa5とを有している。このパルス波形PW1個によって、各ノズル46毎にインクの特性やノズル46の機械的特性及び製造誤差等に依存した重量のインク滴が吐出されるようになっている。
以下、各波形モードの駆動波形について説明する。
<第1の波形モード>
図6(a)は、第1の波形モード(T≦40℃)に対応した通常波形(SD)を示す波形図である。
この第1の波形モードでは、上記したように、デコーダ62から駆動信号COMの1セグメントあたり(1111)のパルス選択データが出力される。スイッチ回路66は、このパルス選択データの各ビットに基づき生成される矩形パルス列と駆動信号COMとの論理積をとることで、対応する期間のパルス波形PWを当該駆動信号COMから取り込む。即ち、この第1の波形モードでは、スイッチ回路66は、駆動信号COM中の各パルス波形PWを全て取り込むことによって駆動周波数fD の通常波形(SD)を発生させる。
<第2の波形モード>
図6(b)は、第2の波形モード(T>40℃)に対応した高温波形(SD)を示す波形図である。
この第2の波形モードでは、上記したように、デコーダ62から駆動信号COMの1セグメントあたり(1010)のパルス選択データが出力される。スイッチ回路66は、このパルス選択データの各ビットに基づき生成される矩形パルス列と駆動信号COMとの論理積をとることで、対応する期間のパルス波形PWを当該駆動信号COMから取り込む。即ち、この第2の波形モードでは、スイッチ回路66は、駆動信号COM中の各パルス波形を1つ置きに取り込むことによって駆動周波数1/2fD の高温波形(SD)を発生させる。
なお、この第2の波形モードのときには、上記したようにキャリッジ10の移動速度(記録ヘッド9の移動速度)は、第1の波形モードのときと同一速度に制御され、記録ヘッド9の走査数は、第1の波形モードのときの走査数(n回)の2倍(2n回)に制御される。従って、第2の波形モードのときには、第1の波形モードのときの2倍の走査時間(印刷時間)で記録が行われるようになる。
次に、プリンタ1のヘッド駆動制御について、図7を参照しながら説明する。
ここで、ヘッド駆動制御とは、記録ヘッド9に供給する駆動波形を環境温度に応じてより適切なものとするための制御である。具体的には、以下に述べるように、プリンタ1の使用時の環境温度に応じて波形モードを変更(このとき記録ヘッド9の走査数を併せて変更)し、更には、その決定した波形モードに対応する駆動波形に対し適宜温度補正を行うことを特徴としている。この制御ルーチン(図7)はROM54に記憶され、印刷データの受信時に制御部55によって実行される。
即ち、制御部55は、ホストコンピュータ等からの印刷データを外部I/F52を介して受け取ると(ステップS100)、処理を本ルーチンに移行して、本実施の形態にかかるヘッド駆動制御を実行する。なお、このとき、制御部55が受信する印刷データは、ジョブ(Job)単位の印刷データである。
制御部55は、このジョブ単位の印刷データ(印刷ジョブ)を受け取ると、その印刷ジョブに基づき印刷を開始する際に、温度検出センサ61により検出される記録ヘッド9の周辺域の温度(環境温度)Tを内部I/F58を介して取得し、温度Tが40℃以下であるか否かを判断して、波形モードを決定する(ステップS101)。
このとき、温度Tが40℃以下であると判断する場合には、制御部55は、波形モードを第1の波形モードとし、以下、その第1の波形モードでの印刷を実行する(ステップS110)。一方、温度Tが40℃を超えていると判断する場合には、制御部55は、波形モードを第2の波形モードとし、以下、その第2の波形モードでの印刷を実行する(ステップS120)。
ここで、T≦40℃であり、第1の波形モードを実行する場合、制御部55は、電気駆動系59において発生させた通常波形を記録ヘッド9の各圧電振動子31に供給してインク滴の吐出を行わせることにより、印刷を実行する(ステップS111)。なお、このとき通常波形を生成するための原信号となる駆動信号COMには、ROM54に記憶されたテーブルに基づき、環境温度(温度T)に応じた電位補正や時間補正等の温度補正が制御部55によって施され、この温度補正を加えた駆動信号COMをもとに生成される通常波形が記録ヘッド9の各圧電振動子31に供給される。
こうした温度補正が施された通常波形によって、1ページ分の印刷紙Pにおける印刷が終了すると、次いで制御部55は、印刷ジョブの内容を確認し、その印刷ジョブに次ページの印刷を実行すべき旨の指示があるか否かを判断する(ステップS112)。つまり、制御部55は、印刷ジョブが複数ページの印刷を指示するものであるか否かを判断する。
ここで、次ページがないと判断する場合には、制御部55は印刷を終了する。一方、次ページがあると判断する場合には、制御部55は、この2ページ目の印刷を開始するにあたり、温度検出センサ61によって検出される記録ヘッド9の周辺域の温度Tを再度取得する(ステップS113)。そして、新たに取得した温度Tに対応する温度補正を施した駆動信号COMをもとに再度、通常波形を発生させ(ステップS114)、それを記録ヘッド9の各圧電振動子31に供給してインク滴の吐出を行わせることにより、2ページ目の印刷を実行する。
その後、制御部55は、上記ステップS112に移行して再度印刷ジョブを確認し、ここでの判断処理で更に次ページの印刷指示があると判断する場合には、上記ステップS113,ステップS114での処理を同様にして行う。制御部55は、こうした一連の処理を当該ジョブで指示される複数ページ分について繰り返すことで、第1の波形モードでの印刷を実行する。
一方、T>40℃であり、第2の波形モードを実行する場合、制御部55は、電気駆動系59において発生させた高温波形を記録ヘッド9の各圧電振動子31に供給してインク滴の吐出を行わせることにより、印刷を実行する(ステップS121)。なお、このとき高温波形を生成するための原信号となる駆動信号COMには、上記第1の波形モード時と同様、環境温度(温度T)に応じた電位補正や時間補正等の温度補正が制御部55によって施され、この温度補正を加えた駆動信号COMをもとに生成される高温波形が記録ヘッド9の各圧電振動子31に供給される。また、このとき記録ヘッド9の走査数は、上記したように第1の波形モード時の2倍とされることから、第1の波形モード時と比べて2倍の走査時間(印刷時間)で印刷が行われるようになる。
こうした温度補正が施された高温波形によって、1ページ分の印刷紙Pにおける印刷が終了すると、次いで制御部55は、印刷ジョブの内容を確認し、その印刷ジョブに次ページの印刷を実行すべき旨の指示があるか否かを判断する(ステップS122)。
ここで、次ページがないと判断する場合には、制御部55は印刷を終了する。一方、次ページがあると判断する場合には、制御部55は、この2ページ目の印刷を開始するにあたり、温度検出センサ61によって検出される記録ヘッド9の周辺域の温度Tを再度取得する(ステップS123)。そして、新たに取得した温度Tに対応する温度補正を施した駆動信号COMをもとに再度、高温波形を発生させ(ステップS124)、それを記録ヘッド9の各圧電振動子31に供給してインク滴の吐出を行わせることにより、2ページ目の印刷を実行する。
その後、制御部55は、上記ステップS122に移行して再度印刷ジョブを確認し、ここでの判断処理で更に次ページの印刷指示があると判断する場合には、上記ステップS123,ステップS124での処理を同様にして行う。制御部55は、こうした一連の処理を当該ジョブで指示される複数ページ分について繰り返すことで、第2の波形モードでの印刷を実行する。
以上の説明からも分かるように、本実施の形態にかかるヘッド駆動制御では、受信した1つの印刷ジョブに基づく印刷が終了するまでは、各ページ毎に温度補正は行うが、波形モードは最初に決定した波形モードのまま変更しないようにしている。言い換えれば、1つの印刷ジョブに基づく印刷の実行において波形モードが一旦決定された後は、当該実行中に記録ヘッド9の駆動波形が変更されないようにしている。
こうした制御態様とするのは、1つの印刷ジョブに基づく印刷の途中で、波形モード(駆動波形)が切り替えられると、走査時間(印刷時間)が変更されることによるインク浸透性の相違が色差となって発生する懸念があるためである。こうした色差の発生は、環境温度の変化に依るところよりもインク浸透性(つまり時間差)に依るところが大きいことが本願発明者により実験的にも確認されている。
従って、1つの印刷ジョブで複数ページの印刷が指示されるときに、1ページ目が高温波形で印刷された場合には、その後に検出される環境温度に依らず、全てのページにわたって、高温波形での印刷が実行される(ページ毎に各パルス波形の温度補正は行う)。また、1ページ目が通常波形で印刷された場合には、その後に検出される環境温度に依らず、全てのページにわたって、通常波形での印刷が実行される(ページ毎に各パルス波形の温度補正は行う)。
ちなみに、ラック等に収納した状態で使用する本実施の形態のプリンタ1において、その使用時(1ページ目の印刷開始時)に環境温度が40℃を超えるような高温の場合にあっても、上記ラック等にこもった熱は同プリンタ1に備えられる冷却ファン(図示略)が駆動されること等により開放され、温度は次第に低下する傾向にある。従って、1ページ目の印刷を第1の波形モードでの通常波形で開始した後、その後40℃を超えて温度が上昇するようなことは通常は起こり得ないと考えられ、したがって印刷途中で第2の波形モードへ切り替える必要が生ずることもまずないと想定される。
以上記述したように、本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)プリンタ1は、その使用時の環境温度として温度検出センサ61により検出される記録ヘッド9の周辺域の温度Tが所定温度(例えば40℃)以下のときには、駆動信号COM中の各パルス波形PWをそれぞれ取り込み、駆動周波数fD を有する通常波形を発生させる第1の波形モードを実行する。一方、温度検出センサ61により検出される温度Tが上記40℃を超えているときには、駆動信号COM中の各パルス波形PWを1つ置きに取り込み、駆動周波数1/2fD を有する高温波形(SD)を発生させる第2の波形モードを実行する。そして、各波形モードでは記録ヘッド9の移動速度を同一速度とし、第2の波形モードのときには、記録ヘッド9の走査数を第1の波形モードのときの2倍とするようにした。
インク滴が吐出された後のメニスカスの残留振動は、粘度が低下する高温環境下で大きくなり、インク滴が高応答(短い吐出間隔)で連続して吐出されることによって重畳される。本実施の形態では、こうした点に鑑み、プリンタ1の使用環境が上記のような例えば40℃を超えるような高温環境下にあるときには、通常時(40℃以下のとき)に比べて相対的に低い周波数の駆動波形(SD)により記録ヘッド9を駆動させる。これにより、記録ヘッド9から吐出されるインク滴の吐出間隔を長くし、メニスカスの残留振動を減衰させ得る十分な時間を確保することができる。従って、高温環境下でもメニスカスの残留振動を好適に抑制し、インク滴の吐出安定性を向上させることができる。言い換えれば、プリンタ1の使用時に保証し得る環境温度を従来よりも高温側に高く設定することが可能となる。即ち、従来では、インク滴を安定的に吐出することのできる環境温度を最大で40℃としていたのを、本実施の形態では、それよりも高い温度に設定することができるようになる。
(2)本実施の形態では、各波形モードで記録ヘッド9の移動速度を一定速度としたことにより、インク滴の吐出タイミングが変更されることによるインク浸透性の相違が色差となって発生することやインク滴着弾位置の誤差が画質差となって発生することを抑制することができる。
(3)本実施の形態では、1つの印刷ジョブに基づく印刷の実行時に波形モードが一旦決定された後は、たとえその後に環境温度が各波形モードに対応する温度領域の間で変動したとしても、当該1つの印刷ジョブに基づく印刷が終了するまでは、波形モードを切り替えないようにした。これによれば、波形モードの切り替えに伴い、走査時間(印刷時間)が変更されることによるインク浸透性の相違が色差となって発生することを抑制することができる。
(4)本実施の形態では、環境温度に応じて各波形モードの切り替え制御を実行することに加え、更に、それら各波形モードで発生される駆動波形の各パルス波形に、当該環境温度に応じた温度補正を施すようにした。この際、印刷ジョブに複数ページの印刷を実行すべき旨の指示が含まれている場合には、それら各ページ毎に、それぞれ環境温度に対応した温度補正を適宜施すようにした。これによれば、インク滴の吐出安定性を一層向上させることができる。
なお、上記実施の形態においては、以下の態様に変更した変形例を採用してもよい。
(変形例1)記録ヘッド9の構成としては、上記実施の形態に記載したような圧電振動子31の変形によって振動板37を変位させ、それによって圧力室39内の容量を変化させることによりインク滴を吐出させる所謂たわみ振動型の駆動方式のものに限らず、例えば、次のような構成でもよい。即ち、圧電振動子の充電による変形(収縮)で圧力室を膨張させる一方、放電による変形(伸張)で圧力室を収縮させ、それによって圧力室内の容量を変化させることによりインク滴を吐出させる所謂縦振動型の駆動方式の記録ヘッドでもよい。
(変形例2)上記実施の形態では、第1の波形モードで発生させる通常波形と、第2の波形モードで発生させる高温波形とを、共通の駆動信号COMを用いて発生させるようにしたが、高温波形を発生させる方法としてはこの方法のみに限定されない。例えば、駆動信号COMを予め通常波形用と高温波形用とに分けてROM54に記録させておき、図8に示すように、高温波形用の駆動信号COMを通常波形用の駆動信号COMの2倍のパルス間隔で発生させる。そして、第2の波形モード時に、デコーダ62から1セグメントあたり(11)のパルス選択データが出力されるようにすることで、高温波形を発生させるようにしてもよい。
(変形例3)上記実施の形態では、第2の波形モードのとき、第1周波数(駆動周波数fD )の1/2倍に設定される第2周波数(駆動周波数1/2fD )の第2駆動波形で記録ヘッド9を駆動するようにしたが、必ずしも1/2倍とする必要はない。即ち、第2周波数は第1周波数よりも低い周波数に設定されればよく、具体的には第1周波数の1/N倍(N>1)に設定されればよい。そして、このように第2周波数を第1周波数の1/N倍とした場合には、第2の波形モードのときの記録ヘッド9の移動速度を第1の波形モードのときの2/N倍に設定するようにする。この際、第2の波形モードのときの記録ヘッド9の走査数は、上記実施の形態と同様、第1の波形モードのときの2倍とする。こうした制御態様によれば、第1周波数と第2周波数との比率に応じて第2の波形モードのときの記録ヘッド9の移動速度を第1の波形モードのときの2/N倍とすることで、同第2の波形モードのときに、記録ヘッド9からインク滴を一つ置きに吐出させることができるようになる。従って、本変形例を採用した場合にも、上記実施の形態と同様の作用効果を奏する。
(変形例4)上記実施の形態では、第1の波形モードと第2の波形モードとを40℃を基準(所定温度)として切り替え制御するようにしたが、勿論、この温度に限定されるものではない。
(変形例5)上記実施の形態では、液体としてインクを使用したが、その他の液体であってもよい。
(変形例6)上記実施の形態では、液体噴射装置として、ラックなどに収納した状態で使用することを想定したボックス形のプリンタ1に適用したが、こうした態様のプリンタ1に限らず、その他の形状であってもよい。
次に、上記実施の形態及び各変形例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(技術的思想1)主走査方向に往復動する記録ヘッドから液体滴を吐出して印刷を行う液体噴射装置において、
前記記録ヘッドの周辺域の温度を検出する温度検出手段と、
第1周波数の第1駆動波形を発生させるための第1の波形モードと、前記第1周波数の1/N倍(N>2)に設定される第2周波数の第2駆動波形を発生させるための第2の波形モードとが設定され、それら各波形モードを前記温度検出手段により検出される温度に応じて切り替え制御するモード切替手段と、
前記モード切替手段より出力されるモード信号に基づき、前記各波形モードにそれぞれ対応する駆動波形のヘッド駆動信号を発生させる信号発生手段と、
前記第2の波形モードのとき、前記記録ヘッドの移動速度を前記第1の波形モードのときの2/N倍とし、前記記録ヘッドの走査数を前記第1の波形モードのときの2倍とするヘッド走査手段と、を備え、
前記モード切替手段は、
前記温度検出手段により検出される温度が所定温度以下のとき前記第1の波形モードとし、前記温度検出手段により検出される温度が前記所定温度を超えているとき前記第2の波形モードとするよう前記切り替え制御を行う、
ことを特徴とする液体噴射装置。
一実施の形態に係るプリンタ(液体噴射装置)の外観を示す概略斜視図。 外部ハウジングを取り外した状態のプリンタの外観(内部構成)を示す概略斜視図。 プリンタの電気的構成を示すブロック図。 記録ヘッドの一構成例を示す概略断面図。 第2の波形モードにかかる記録ヘッドの吐出動作を示す原理説明図。 各波形モードに対応する駆動波形を示す説明図であり、(a)は第1の波形モードに対応する通常波形、(b)は第2の波形モードに対応する高温波形を示す。 ヘッド駆動制御にかかる制御ルーチンを示すフローチャート。 変形例2にかかる通常波形と高温波形の一例を示す説明図。
符号の説明
1…プリンタ、9…記録ヘッド、13…プラテン、14…キャリッジモータ、54…ROM、55…制御部、57…駆動信号発生回路、61…温度検出センサ、62…デコーダ、63…シフトレジスタ回路、64…ラッチ回路、65…レベルシフタ回路、66…スイッチ回路、T…温度、COM…駆動信号、PW…パルス波形、MODE…モード信号、SD…ヘッド駆動信号、SI…印字データ。

Claims (2)

  1. 主走査方向に往復動する記録ヘッドから液体滴を吐出して印刷を行う液体噴射装置において、
    前記記録ヘッドの周辺域の温度を検出する温度検出手段と、
    第1周波数の第1駆動波形を発生させるための第1の波形モードと、1回の主走査において前記記録ヘッドから吐出される液体滴の数が前記第1の波形モードのときの半分となるように、前記第1周波数の1/2倍に設定される第2周波数の第2駆動波形を発生させるための第2の波形モードとが設定され、それら各波形モードを前記温度検出手段により検出される温度に応じて切り替え制御するモード切替手段と、
    前記温度検出手段により検出される温度に応じて、前記各波形モードにそれぞれ対応する駆動波形の各パルス波形を補正する補正手段と、
    前記モード切替手段より出力されるモード信号に基づき、前記各波形モードにそれぞれ対応する駆動波形のヘッド駆動信号を発生させる信号発生手段と、
    前記記録ヘッドの移動速度を前記第1の波形モードと前記第2の波形モードとで同一の速度とし、前記第2の波形モードのとき、前記記録ヘッドの1走査分に対応した記録領域のうち1回目の走査で液体滴が吐出されなかった領域についての吐出動作を2回目の走査によって補間させるべく、1走査分に対応する各記録領域での前記記録ヘッドの走査数を前記第1の波形モードのときの2倍とするヘッド走査手段と、を備え、
    前記モード切替手段は、
    前記温度検出手段により検出される温度が所定温度以下のとき前記第1の波形モードとし、前記温度検出手段により検出される温度が前記所定温度を超えているとき前記第2の波形モードとするよう前記切り替え制御を行う構成とされ、1つの印刷ジョブに基づく印刷の開始時に前記第1の波形モード又は第2の波形モードを指示するための前記モード信号を出力し、
    前記1つの印刷ジョブで複数ページの印刷が指示されるときには、当該1つの印刷ジョブに基づく印刷が終了するまでページ毎に検出される温度に応じたパルス波形の温度補正を行うが、当該1つの印刷ジョブに基づく印刷途中では前記切り替え制御を行わない、ことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 記録ヘッドを主走査方向に往復動させ、前記記録ヘッドから液体滴を吐出させて印刷を行う液体噴射装置の駆動方法において、
    1つの印刷ジョブに基づく印刷の開始時に、前記記録ヘッドの周辺域の温度が所定温度以下であるか否かを判断し、
    前記温度が前記所定温度以下のとき、第1周波数の第1駆動波形をもとに、前記記録ヘッドをn回走査させて記録動作を行わせる第1の波形モードを実行し、
    前記温度が前記所定温度を超えているとき、1回の主走査において前記記録ヘッドから吐出される液体滴の数が前記第1の波形モードのときの半分となるように、前記第1周波数の1/2倍に設定される第2周波数の第2駆動波形をもとに、前記第1の波形モードのときと同一の移動速度で、前記記録ヘッドの1走査分に対応した記録領域のうち1回目の走査で液体滴が吐出されなかった領域についての吐出動作を2回目の走査によって補間させるべく、n走査分に対応する記録領域で前記記録ヘッドを2n回走査させて記録動作を行わせる第2の波形モードを実行し、
    前記1つの印刷ジョブに基づく印刷を複数のページにわたって行う場合には、各ページ毎に前記記録ヘッドの周辺域の温度に応じてヘッド駆動信号の各パルス波形の補正を行うが、前記1つの印刷ジョブに基づく印刷を前記第1の波形モード又は前記第2の波形モードで開始した後は、当該1つの印刷ジョブに基づく印刷が終了するまで、他の波形モードへの切り替えを行わないようにした
    ことを特徴とする液体噴射装置の駆動方法。
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