JP4448524B2 - 一軸二舵システム - Google Patents

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Description

マリナー舵を用いた大型船の一軸二舵システムにおいて、特に、停止性能を向上させるためにラダーホーン、あるいは船体に、抵抗となるように操作するフィン等を設けた一軸二舵システムに関する。
従来の大型船用の一軸二舵システムは、一基の推進プロペラの後方に一対の高揚力舵を配設し、各高揚力舵が舵ブレードの内舷側の面上で推進プロペラの軸心とほぼ同じ水準位置にほぼ前縁部から後方に向けてフィンを設け、各舵ブレードの弦長を推進プロペラ直径の60〜45%にするように構成し、両舵の舵角の組み合せにより、制動作用を含めて優れた操縦性を得ており、また、マリナー舵から簡単な吊り舵に変えることを可能にしている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3751260号公報(段落0030〜0043、図1、図2 )
従来の大型船用の一軸二舵システムは、図8に示すような吊舵も使用可能としているが、一軸二舵システムは、従来小型船に適用され操船性能の大幅な向上を実現しており、大型船の場合には舵が大型となるため、小型船の場合のような吊舵ではなく、構造強度上図9に示すようなマリナー舵を用いるのが一般的である。一軸二舵システムの操船性能向上の中でも、大きな機能の一つは、プロペラを正転にしたままでのクラムシェル操舵による停止性能の向上と、その場に停止することの実現にある。
図8(a)は通常航行時の吊舵の側面図、図8(b)はクラムシェル状態の背面図、図8(c)は平面図である。図8において、プロペラ2の後方に一対の吊舵15は船尾1に舵軸16を介して支持されている。クラムシェル操舵は、図8(b)、(c)に示すように両舵を外側にほぼ水平になるまで転舵させることによって、プロペラ後流面を遮蔽し、舵板が受ける抵抗を後進力として、プロペラ逆転による時よりも停止距離と停止時間の短縮化を図り、停止性能を向上させる操船である。
図9は従来のマリナー舵のクラムシェル状態を示し、図9(a)は通常航行時の吊舵の側面図、図9(b)はクラムシェル状態の背面図、図9(c)は図9(b)のA−A断面図、図9(d)は図9(b)のB−B断面図である。
図9において、プロペラ2の後方の船尾1の両舷にラダーホーン3が設けられ、ラダーホーン3に各々舵軸4を介してマリナー舵(以降、舵5という)が支持されている。
しかし、図9に示すように、舵5では上部前縁5aに船体に固定された大きなラダーホーン3が存在し、これが舵5を支える構造となるので、舵5のラダーホーン3の前縁3aに沿って回転する舵5の上部前縁5aが、舵5の下部前縁5bと段差による欠け部Cが生じ、舵5でクラムシェル状態にした場合には、船体中心線イ−イ付近で両舷のラダーホーン3の間に空隙Dが生じる。
この空隙Dをプロペラ2で加速された流れが抜けてしまうために、舵5の抵抗が吊舵の場合に比べて減少する。従って、一軸二舵でクラムシェル状態による停止性能向上効果が、吊舵の場合に比べて劣化してしまうという問題があった。
この発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、大型船の一軸二舵システムにおいて、停止性能を向上させた一軸二舵システムを得ることを目的とする。
本発明の一軸二舵システムは、船尾に設置される一軸のプロペラと、このプロペラの後方で前記プロペラの軸心を挟んで略垂直に配置された両舷のラダーホーンと、この両舷のラダーホーンに舵軸を介して支持された一対の舵と、前記舵軸を回転させる舵回転機構と、前記舵回転機構を制御する制御手段と、を備えた一軸二舵システムにおいて、前記両舷のラダーホーンの間に、垂直フィン軸を介して支持された垂直フィンと、前記垂直フィン軸を回転させる垂直フィン回転機構と、を備え、停船時あるいは減速時に、前記制御手段は、前記舵回転機構により前記一対の舵の後端を外側に開き、前記垂直フィン回転機構により前記一対の舵の上部前縁間の欠け部により生じる前記両舷のラダーホーン内側の空隙を、前記垂直フィンを略左右方向に向けて塞ぐものである。
また、船尾に設置される一軸のプロペラと、このプロペラの後方で前記プロペラの軸心を挟んで略垂直に配置された両舷のラダーホーンと、この両舷のラダーホーンに舵軸を介して支持された一対の舵と、前記舵軸を回転させる舵回転機構と、前記舵回転機構を制御する制御手段と、を備えた一軸二舵システムにおいて、前記両舷のラダーホーンの各々の内側面側に、水平フィン軸を介して支持された水平フィンと、前記水平フィン軸を回転させる水平フィン回転機構と、を備え、停船時あるいは減速時に、前記制御手段は、前記舵回転機構により前記一対の舵の後端を外側に開き、前記水平フィン回転機構により前記一対の舵の上部前縁間の欠け部により生じる前記両舷のラダーホーン内側の空隙を、前記水平フィンを垂直方向に向けて塞ぐものである。
また、船尾に設置される一軸のプロペラと、このプロペラの後方で前記プロペラの軸心を挟んで略垂直に配置された両舷のラダーホーンと、この両舷のラダーホーンに舵軸を介して支持された一対の舵と、前記舵軸を回転させる舵回転機構と、前記舵回転機構を制御する制御手段と、を備えた一軸二舵システムにおいて、前記一対の舵の後端を内側にすぼめるときに、前記舵の舵角が90°にできるだけ近い角度となるように、前記両舷のラダーホーンの間隔を通常より広く設定し、停船時あるいは減速時に、前記制御手段は、前記舵回転機構により前記舵の舵角が前記90°にできるだけ近い角度となるように前記一対の舵の後端を内側にすぼめるものである。
また、前記両舷のラダーホーンの各々の外側面側に、水平フィン軸を介して支持された水平フィンと、前記水平フィン軸を回転させる水平フィン回転機構と、を備え、前記制御手段は、前記水平フィン回転機構により、前記一対の舵の上部前縁の欠け部を、前記外側水平フィンを略垂直方向に向けて塞ぐものである。
また、前記一対の舵の回転と前記垂直フィン、または、前記水平フィンの回転が連動するように、前記舵の回転機構と前記垂直フィン回転機構、または、水平フィンの回転機構とを連結したものである。
本発明によれば、両舷のラダーホーンの間に、垂直フィン軸を介して支持された垂直フィンと、垂直フィン軸を回転させる垂直フィン回転機構と、を備え、停船時あるいは減速時に、制御手段は、舵回転機構により一対の舵の後端を外側に開き、垂直フィン回転機構により一対の舵の上部前縁間の欠け部により生じる両舷のラダーホーン内側の空隙を、垂直フィンを略左右方向に向けて塞ぐので、クラムシェル時の舵抵抗を増加させ、停止性能を向上させることができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1を示す一軸二舵システムのクラムシェル状態の説明図であり、図1(a)は通常航行時の舵の側面図、図1(b)はクラムシェル状態の背面図、図1(c)は図1(a)のA−A断面図であり通常航行時の状態を示している。
図1において、本実施の形態の一軸二舵システムは、船尾1に設置される一軸のプロペラ2と、このプロペラ2の後方で船体の中心線(図のイ−イ)上にあるプロペラ2の軸心を挟んで略垂直に配置された両舷のラダーホーン3と、この両舷のラダーホーン3に舵軸4(軸心は図のロ−ロ)を介して支持された一対の舵5、5と、舵軸4を回転させる舵軸回転機構(図示せず)と、舵軸回転機構を制御する制御手段(図示せず)と、船体の中心線上近傍で、両舷のラダーホーン3の間に、垂直フィン軸6を介して支持された垂直フィン7と、この垂直フィン7を垂直フィン軸6を介して回転させる垂直フィン回転機構(図示せず)とを備えている。
次に、上記のように構成した本実施の形態の動作について説明する。
停船時あるいは減速時には、制御手段は、舵回転機構により一対の舵の後端5cを外側に開き図1(b)に示すようにクラムシェル状態にする。このとき、舵5のラダーホーン3の前縁3aに沿って回転する舵5の上部前縁5aが、舵5の下部前縁5bとの段差によって形成される欠け部Cにより、両舷のラダーホーン3の内側間に空隙が生じるが、この間隙を、垂直フィン軸6を介して垂直フィン回転機構により垂直フィン7を時計回り、あるいは反時計回りに回転させて略左右方向に向けて塞さいでクラムシェル時の全体の舵抵抗を増加させ、停止性能を向上させる。
舵抵抗及び停止性能については、ラダーホーン3の大きさと舵面積のバランスに拠るが、本実施の形態では、左右のラダーホーン3の間の空隙を埋める面積に比例してクラムシェル時の抵抗が増加する。この効果を確認するために模型試験を実施した。今回の模型では、左右のラダーホーン3の間の間隙を埋めると、クラムシェル時(両舵が外側に90度開いた状態)の、船体後方から見た全体の舵投影面積が13.2%増加する。そして、クラムシェル時の前進力を抑制する抵抗が14.5%増加した。従って、この場合、停止距離をほぼ15%短くすることができる。
通常航行時には、図1(c)に示すように、垂直フィン7を船体の前後方向に向け、流れにほぼ平行となるようにし抵抗が最小になるようにし、伴流利得による推進性能を向上させる。
なお、垂直フィン回転機構は垂直フィン7用に設ける場合と、舵5と垂直フィン7が連動して回転するように、舵軸5の回転機構と垂直フィン回転機構を連結する場合がある。舵5と垂直フィン7が連動して回転させるために、舵軸4と垂直フィン軸6を歯車やチエーン等の連結機構で連結させ、舵軸4の回転に伴って、自動的あるいは機械的に垂直フィン軸6を介して垂直フィン7を回転させるようにし、舵角が初期舵角(例えば0°)の場合には、垂直フィン7はほぼ舵と平行に、舵角がクラムシェル状態の場合には垂直フィン7がほぼ左右に向くようにする。
以上のように、両舷のラダーホーン3の間に、垂直フィン軸6を介して支持された垂直フィン7と、垂直フィン軸6を回転させる垂直フィン回転機構と、を備え、停船時あるいは減速時に、制御手段は、舵回転機構により一対の舵の後端5cを外側に開き、垂直フィン回転機構により一対の舵の上部前縁5a間の欠け部Cにより生じる両舷のラダーホーン3内側の空隙を、垂直フィン7を略左右方向に向けて塞ぐので、クラムシェル時の舵抵抗を増加させ、停止性能を向上させることができる。
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2を示す一軸二舵システムのクラムシェル状態の説明図であり、図2(a)はクラムシェル状態の背面図、図2(b)は図2(a)のA−A断面図である。図3は通常航行時の説明図であり、図3(a)は背面図、図3(b)は図2(a)のA−A断面図である。
図2において、実施の形態1の図1と同一部分には同一の符号を付し説明を省略する。
本実施の形態の一軸二舵システムは、両舷のラダーホーン3各々の内側面側に、水平フィン軸8、8を介して支持された一対の水平フィン9と、この水平フィン9を水平フィン軸8を介して回転させる水平フィン回転機構(図示せず)とを備えている。
次に、上記のように構成した本実施の形態の動作について説明する。
停船時あるいは減速時に、制御手段は、舵回転機構により一対の舵5、5の後端5cを外側に開き図2(b)に示すようにクラムシェル状態にする。このとき、舵5のラダーホーン3の前縁3aに沿って回転する舵5の上部前縁5aが、舵5の下部前縁5bとの段差によって形成される欠け部Cにより、両舷のラダーホーン3の内側間に空隙が生じるが、この空隙を、水平フィン軸8を介して水平フィン回転機構により水平フィン9を時計回り、あるいは反時計回りに回転させて略垂直方向に向けて塞さいでクラムシェル時の全体の舵抵抗を増加させ、停止性能を向上させる。
舵抵抗及び停止性能については、実施の形態1と同様に模型試験を実施した結果、クラムシェル時の、船体後方から見た全体の舵投影面積が13.2%増加し、クラムシェル時の前進力を抑制する抵抗が14.5%増加し、停止距離をほぼ15%短くすることができる。
通常航行時には、図3(a)、(b)に示すように、水平フィン9を船体の水平方向に向け、流れにほぼ平行となるようにし抵抗が最小になるようにし、伴流利得や水平フィン9による推力増加等により推進性能を向上させる。
なお、水平フィン回転機構は水平フィン9用に設ける場合と、舵5と水平フィン9が連動して回転するように、舵5の回転機構と水平フィン回転機構を連結する場合がある。
舵5と水平フィン9が連動して回転させる方法は、例えば、図4に示すように、舵軸4と水平フィン軸8の連結機構として、舵軸4に設けた歯車10と連結する歯車11を水平フィン軸8に設け、舵軸4の回転に伴って、自動的あるいは機械的に水平フィン軸8を介して水平フィン9を回転させるようにし、舵角が初期舵角(例えば0°)の場合には、水平フィン9はほぼ水平に、舵角がクラムシェル状態の場合には水平フィン9がほぼ垂直に向くようにする。
以上のように、両舷のラダーホーン3の各々の内側面側に、水平フィン軸8を介して支持された水平フィン9と、水平フィン軸8を回転させる水平フィン回転機構と、を備え、停船時あるいは減速時に、制御手段は、舵回転機構により一対の舵5の後端5cを外側に開き、水平フィン回転機構により一対の舵5、5の上部前縁間5aの欠け部により生じる両舷のラダーホーン3内側の空隙を、水平フィン9を垂直方向に向けて塞ぐので、クラムシェル時の舵抵抗を増加させ、停止性能を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、両舷のラダーホーン3各々の内側面側に、水平フィン軸8、8を介して支持された一対の水平フィン9を設けたが、両舷のラダーホーン3各々の内側面側の間に、一つの水平フィン軸を介して支持された一つの水平フィンを設けてもよい。
実施の形態3.
実施の形態1、2では、停船時あるいは減速時に、一対の舵の後端を外側に開くクラムシェル状態にする場合について示したが、本実施の形態は、一対の舵の後端を内側にすぼめる状態(テイルインボードと称する)にするものである。
図5は、本発明の実施の形態3を示す一軸二舵システムのテイルインボード状態の説明図であり、図5(a)はテイルインボード状態の背面図、図5(b)は図5(a)のA−A断面図である。図6は停止性能と推進性能の関係の説明図である。
図5において、実施の形態2の図2と同一部分には同一の符号を付し説明を省略する。
構成は実施の形態2において、一軸二舵システムは、水平フィン9を省き、停船時あるいは減速時に、テイルインボード状態にするときに、舵5の舵角が90°にできるだけ近い角度となるように、または、推進性能上必要馬力が最小になるように両舷のラダーホーン3の間隔を通常より広くしている。
次に、上記のように構成した本実施の形態の動作について説明する。
停船時あるいは減速時に、制御手段は、舵回転機構により一対の舵の後端を内側にすぼめ、図5(a)、(b)に示すように舵5の舵角が90°にできるだけ近い角度となるようにテイルインボード状態にする。このとき、実施の形態1、2では、クラムシェル状態にするため、舵5の上部前縁5aが、舵5の下部前縁5bとの段差によって形成される欠け部Cにより、両舷のラダーホーン3の内側間に空隙が生じたが、本実施の形態では、欠け部Cが外側となり、両舷のラダーホーン3の内側間は、舵5の後端5cで塞がれ、プロペラ2の後流の強い(流速の早い)流域を遮蔽するので、クラムシェル状態より舵抵抗は大きくなり、停止性能をより向上させることができる。
ここで、本実施の形態では、クラムシェルでなく、テイルインボード状態として、停止性能を向上させたのであるが、その理由について図6により説明する。図6は吊舵15をクラムシェル状態にした場合を示している。一般に、舵面積は、操縦性の観点から決定し、吊舵15の前後バランスは、舵軸16の軸心から吊舵15の前縁15aまでの距離aと、後縁15bまでの距離bのバランスであるが、舵トルク(舵を回転させるトルク)が最小になるように決定する。また、両吊舵15、15の間隔(船体中心線イ−イからの横方向距離L2)は、推進性能が最適になるように(航行時の必要馬力が最小になるように)決定する。
そして、このような条件で決定した結果、クラムシェル時の両吊舵15、15の前縁15aの間隔である舵間隔cが狭い方がクラムシェル時の吊舵15による抵抗が大きくなり、停止性能が向上する。
しかし、上記の条件の中では、一般的に、推進性能が優先されるので、舵間隔cがいつも最小になるとは限らない。舵間隔cとしては、船の大きさ等によって異なるが、例えば、100〜200mm程度がよいと考えられる。最近の例としては、L2=2.55m、a=1.8m、b=2.9mで、c=0.75m(=2.55−1.8)のものがある。
このような場合には、停船時あるいは減速時に、クラムシェルにしても、プロペラ2の後流が歯抜けになってよくないので、テイルインボードの方が操船上望ましい。
上記の例ではL2=2.55mとしたが、クラムシェルによる停止性能が高くなるようにL2を小さくすると、逆に、推進性能が劣化する。実際に、L2を1.95m(c→0.15m)にして模型試験で両者の推進性能を比較した。
その結果、L2を2.25mから1.95mとすると、必要馬力が1.5%程度増加した。
従って、推進性能を劣化させないためには、船体中心線イ−イからの横方向距離L2(二舵のときは両舷のラダーホーンの間隔)を広くする必要があり、停止性能を高めるには、クラムシェルのように舵角を90°に近づけたとき舵間隔cを狭く(例えば、100〜200mm程度)する必要がある。この条件を満たすためには、上述のように舵軸16の軸心から吊舵15の前縁15aまでの距離aが短いのでクラムシェル状態ではむずかしい。
しかし、舵軸16の軸心から吊舵15の前縁15aまでの距離aより、軸心から後縁15bまでの距離bが長いので、吊舵15の後縁15b側を内側とすれば、舵間隔cを狭くでき、距離L1を大きくすれば、テイルインボード状態でも舵角も90°に近づけやすい。上述の図6は吊舵の場合を示したが、マリナー舵でも同様であり、本実施の形態のように、両舷のラダーホーン3の間隔を通常より広くして、テイルインボード状態にするときに、舵5の舵角が90°にできるだけ近い角度となるように、または、推進性能上必要馬力が最小になるようにして、推進性能を劣化させずに、テイルインボード状態での舵抵抗を増加させ、停止性能を向上させることができる。
舵抵抗及び停止性能については、効果を確認するために模型試験を実施した。左右の舵5の舵角は60.9度で行った場合、左右のラダーホーン3の間の空隙が存在するクラムシェル時に比べて、前進力を抑制する抵抗が12.2%増加した。従って、この場合、停止距離をほぼ12%短くすることができる。舵5の舵角をもっと大きくすれば、左右のラダーホーン3の間の空隙が小さくなり、停止距離をもっと短くすることができる。
以上のように、一対の舵5、5の後端を内側にすぼめるときに、舵の舵角が90°にできるだけ近い角度となるように、両舷のラダーホーン3の間隔を通常より広く設定し、停船時あるいは減速時に、制御手段は、舵回転機構により舵の舵角が前記90°にできるだけ近い角度となるように前記一対の舵の後端を内側にすぼめるので、推進性能を劣化させずに、テイルインボード状態での舵抵抗を増加させ、停止性能を向上させることができる。
実施の形態4.
本実施の形態は、実施の形態3の構成に、水平フィンを設けたものである。
図7は、本発明の実施の形態4を示す一軸二舵システムのテイルインボード状態の説明図であり、図7(a)はテイルインボード状態の背面図、図7(b)は図7(a)のA−A断面図である。
図7において、実施の形態2の図2、実施の形態3の図5と同一部分には同一の符号を付し説明を省略する。
一軸二舵システムは、実施の形態3の構成と同様に、テイルインボード状態にするときに、舵5の舵角が90°にできるだけ近い角度となるように、または、推進性能上必要馬力が最小になるように両舷のラダーホーン3の間隔を通常より広くしている。そして、ラダーホーン3の各々の外側面側に、水平フィン軸17に支持された水平フィン18と、この水平フィン18を水平フィン軸17を介して回転させる水平フィン回転機構(図示せず)とを備えている。
次に、上記のように構成した本実施の形態の動作について説明する。
停船時あるいは減速時に、制御手段は、舵5の回転機構により一対の舵5、5の後端を内側にすぼめ図7(a)、(b)に示すようにテイルインボード状態にする。このとき、欠け部Cが外側となり、両舷のラダーホーン3の内側間は、舵5の後端5cで塞がれ、プロペラ2の後流の強い流域を遮蔽するので、推進性能を劣化させずに、クラムシェル状態より舵抵抗は大きくなり、停止性能をより向上させることができる。
さらに、舵5の両外側の欠け部Cは、水平フィン回転機構により舵5の上部前縁5aの欠け部Cを、外側の水平フィン18を水平フィン軸17を介して時計回り、あるいは反時計回りに回転させて略垂直方向に向けて塞さいでテイルインボード時の全体の舵抵抗をさらに増加させ、停止性能をさらに向上させる。
なお、水平フィン回転機構は、実施の形態2と同様に、水平フィン18用に設ける場合と、舵5と水平フィン軸17が連動して回転するように、舵5の回転機構と水平フィン回転機構を連結する場合がある。
以上のように、一対の舵5、5の後端5cを内側にすぼめるときに、舵の舵角が90°にできるだけ近い角度となるように、両舷のラダーホーン3の間隔を通常より広く設定し、両舷のラダーホーン3の各々の外側面側に、水平フィン軸17を介して支持された水平フィン18と、水平フィン軸17を回転させる水平フィン回転機構と、を備え、停船時あるいは減速時に、制御手段は、舵回転機構により舵5の舵角が前記90°にできるだけ近い角度となるように一対の舵5、5の後端5cを内側にすぼめ、水平フィン回転機構により、一対の舵5、5の上部前縁5の欠け部を、外側水平フィン18を略垂直方向に向けて塞ぐので、推進性能を劣化させずに、テイルインボード状態より舵抵抗を大きくし、停止性能をより向上させることができる。
本発明の実施の形態1を示す一軸二舵システムのクラムシェル状態の説明図である。 本発明の実施の形態2を示す一軸二舵システムのクラムシェル状態の説明図である。 本発明の実施の形態2を示す一軸二舵システムの通常航行時の説明図である。 本発明の実施の形態2を示す一軸二舵システムの舵軸と水平フィン軸の連結機構の部分斜視図である。 本発明の実施の形態3を示す一軸二舵システムのテイルインボード状態の説明図である。 本発明の実施の形態3を示す一軸二舵システムに関する停止性能と推進性能の関係の説明図である。 本発明の実施の形態4を示す一軸二舵システムのテイルインボード状態の説明図である。 従来の一軸二舵システムの吊舵のクラムシェル状態の説明図である。 従来の一軸二舵システムのマリナー舵のクラムシェル状態の説明図である。
符号の説明
1 船尾、2 プロペラ、3 ラダーホーン、3a 前縁、4 舵軸、5 舵、5a 上部前縁、5b 下部前縁、5c 後端、6 垂直フィン軸、7 垂直フィン、8 水平フィン軸、9 水平フィン、17 水平フィン軸、18 水平フィン、C 欠け部、D 空隙。

Claims (6)

  1. 船尾に設置される一軸のプロペラと、このプロペラの後方で前記プロペラの軸心を挟んで略垂直に配置された両舷のラダーホーンと、この両舷のラダーホーンに舵軸を介して支持された一対の舵と、前記舵軸を回転させる舵回転機構と、前記舵回転機構を制御する制御手段と、を備えた一軸二舵システムにおいて、
    前記両舷のラダーホーンの間に、垂直フィン軸を介して支持された垂直フィンと、
    前記垂直フィン軸を回転させる垂直フィン回転機構と、
    を備え、
    停船時あるいは減速時に、前記制御手段は、前記舵回転機構により前記一対の舵の後端を外側に開き、前記垂直フィン回転機構により前記一対の舵の上部前縁間の欠け部により生じる前記両舷のラダーホーン内側の空隙を、前記垂直フィンを略左右方向に向けて塞ぐことを特徴とする一軸二舵システム。
  2. 船尾に設置される一軸のプロペラと、このプロペラの後方で前記プロペラの軸心を挟んで略垂直に配置された両舷のラダーホーンと、この両舷のラダーホーンに舵軸を介して支持された一対の舵と、前記舵軸を回転させる舵回転機構と、前記舵回転機構を制御する制御手段と、を備えた一軸二舵システムにおいて、
    前記両舷のラダーホーンの各々の内側面側に、水平フィン軸を介して支持された水平フィンと、
    前記水平フィン軸を回転させる水平フィン回転機構と、
    を備え、
    停船時あるいは減速時に、前記制御手段は、前記舵回転機構により前記一対の舵の後端を外側に開き、前記水平フィン回転機構により前記一対の舵の上部前縁間の欠け部により生じる前記両舷のラダーホーン内側の空隙を、前記水平フィンを垂直方向に向けて塞ぐことを特徴とする一軸二舵システム。
  3. 船尾に設置される一軸のプロペラと、このプロペラの後方で前記プロペラの軸心を挟んで略垂直に配置された両舷のラダーホーンと、この両舷のラダーホーンに舵軸を介して支持された一対の舵と、前記舵軸を回転させる舵回転機構と、前記舵回転機構を制御する制御手段と、を備えた一軸二舵システムにおいて、
    前記一対の舵の後端を内側にすぼめるときに、前記舵の舵角が90°にできるだけ近い角度となるように、前記両舷のラダーホーンの間隔を通常より広く設定し、
    停船時あるいは減速時に、前記制御手段は、前記舵回転機構により前記舵の舵角が前記90°にできるだけ近い角度となるように前記一対の舵の後端を内側にすぼめることを特徴とする一軸二舵システム。
  4. 前記両舷のラダーホーンの各々の外側面側に、水平フィン軸を介して支持された水平フィンと、
    前記水平フィン軸を回転させる水平フィン回転機構と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記水平フィン回転機構により、前記一対の舵の上部前縁の欠け部を、前記外側水平フィンを略垂直方向に向けて塞ぐことを特徴とする請求項3記載の一軸二舵システム。
  5. 前記一対の舵の回転と前記垂直フィンの回転が連動するように、前記舵の回転機と前記垂直フィン回転機構とを連結したことを特徴とする請求項1に記載の一軸二舵システム。
  6. 前記一対の舵の回転と前記水平フィンの回転が連動するように、前記舵の回転機と前記水平フィン回転機構とを連結したことを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の一軸二舵システム。
JP2007058834A 2007-03-08 2007-03-08 一軸二舵システム Active JP4448524B2 (ja)

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