JP4448089B2 - 二酸化炭素を用いて製紙組成物の電気的性質を改変する方法 - Google Patents

二酸化炭素を用いて製紙組成物の電気的性質を改変する方法 Download PDF

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Description

背景
本発明は、製紙プロセス及びシステムに関する。より具体的には、本発明は、製紙組成物の電気的性質の調節に関する。
紙は、多くのコロイド状成分、ポリマー成分、及び溶液成分を混合し、その後コロイド状の懸濁液を細いスリットを通して金網上に流すことにより作製される。紙パルプは、明瞭な降伏値を有する疑似塑性材料である。降伏応力の大きさ、及び粘度が剪断速度と伴に変化する方式は、パルプの円滑な流出及び金網に移動した際に適切な厚さを生ずるのに重要である。これら流動特性は、必要があれば監視され、調節されるべきである。
コロイド科学は、広い範囲の、一見すると非常に異なるシステムを包含する。多くの天然製品及び人工製品並びにプロセスを、コロイドシステムであるとみなすことができる。例えば、シェービングクリーム、及びペイント等の市販の製品、マヨネーズ及びビール等の食料及び飲料、並びに農業用土壌及び生体細胞等の自然のシステムは、全てコロイドシステムである。
コロイドを簡単に述べると、2つの物質の均質混合物である。微細に分割された状態における分散相またはコロイド相は、分散媒と呼ばれる第2の物質中に均一に分布される。分散相は、ガス、液体または固体であり得る。分散媒中に存在するコロイド状物質の大きさは、約10〜10,000オングストローム(1〜1000ナノメータ)(The American Heritage Dictionary, fourth edition, Houghton Miflin Company, p.365,2000)の大きさの間で異なり得る。コロイド粒子の表面のごく近傍における電荷及び静電ポテンシャルの分布は、重要である。その理由は、導電度、拡散係数のような多くの輸送性、及び多くのシステムの流れが、電荷分布により決定されるからである。
上に示したように、製紙組成物(または完成紙料)は、原料(繊維、填料等)と、溶解し、コロイド状に分散した材料(塩、ポリマー、分散剤等)を含有する凝集相(一般的には水)で構成されている。しかし、全ての完成紙料(粒子及び水相)の全体の電荷、または平均電荷が中性でなければならない(電気的中性の原理)。しかしながら、個々の成分は、正(カチオン性)、負(アニオン性)、または中性であり得る。さらに、各粒子は、多くの個々のカチオン性及びアニオン性部位に由来する特異的な平均電荷を有し、水相は、溶解した及びコロイド状の物質からの「平均」電荷を有する。
繊維及び微粉の界面化学的性質は、繊維または微粉の表面の化学組成物に依存する。例えば、機械的及び(または)化学的パルプ化プロセスから生じるパルプ繊維は、水中に分散させた際に、ある一定の電荷を得る。ヘミセルロースカルボキシル基及びリグニンカルボキシル基、リグニンフェノールOH基、糖アルコール基、ヘミアセタール基、並びにリグノスルホナート基のような、木材パルプ中に存在するいくつかのイオン化する基が存在する。
繊維及び微粉は、水中に溶解した物質の種類と濃度に依存して、電荷を得ることもできる。例えば、溶解した塩は、イオン交換挙動を有する傾向にあり、パルプ繊維上に生じる電荷は、負(または)正(または)中性のいずれでもあり得る。カルボキシル基による引力(イオン吸着)の強度は、イオン価数及びイオン種の関数である。種々のイオンについての木部繊維の引力の強度は、次の順序で生じる:Na<K<Ag<Ca2+=Mg2+=Ba2+<Al3+(William E. Scott, Wet End Chemistry, TAPPI, Ed.1996, page16)。
上記事項に関し、添加剤も同様に重要である。表1に示した多くの添加剤が表面電荷を有する。電荷の種類と強度は、使用した添加剤に基づいて変化する。これら化学物質には、歩留まり向上剤、凝集剤、脱水促進剤、樹脂、分散剤、キレート剤、スケール防止剤、防錆剤、スライム防止剤等が含まれる。
Figure 0004448089
使用した水の種類、及び用いたプロセス条件の変化も、存在するイオンの量に影響を及ぼし得る。現行の工業上の傾向は、製紙中の新鮮水の使用を最小限にし、より多くのプロセス水を再利用するものである。プロセス水の再利用は、システム中に蓄積するイオンを増加させる。水中に溶解した電荷は、ナトリウム、カルシウム、クロライド、およびスルフェートのようなイオンの形態で存在する種々の可溶性の塩の存在に主に起因する。
表面電荷を調べる通常の方法は、ゼータ電位の測定(実際の表面電荷を測定するよりもむしろ)によるものである。ゼータ電位は、電気的二重層のシュテルン層とグイ−チャップマン領域の間の界面における電位として説明される。これら電位の強さ及び関連する距離は、疎水性の懸濁液の凝析または凝集に対する抵抗性を決定する(William E.
Scott, Wet End Chemistry, TAPPI, Ed.1992, page 3-4)。ゼータ電位は、システム中の動電電荷の状態の指標として、製紙業者にしばしば用いられる。
ゼータ電位の利用及び測定は、製紙業者にいくつかの利点を提供する。これは、与えられた添加剤に対するパルプ繊維の吸収力を提供し得る。また、これは、電荷バランスを得るために必要とされる添加剤の種類を選択するのに役立ち得る。さらに、これは、設定値からのフラッグずれ(flagging deviation)による不調を予測するために用いられ得る。
ゼータ電位測定及びその製紙業者に対する利点のいくつかの代表的な開示には以下のものが含まれる:WO 99/54741 A1 (Goss等)、EP 0 079 726 A1 (Evans等)、WO 98/12551 (Tijero Miguel)、及びU.S. 4,535,285 (Evans等)、“Wet-End Chemistry of Retention, Drainage, and Formation Aids”Pulp and Paper Manufacture, Vol.6 : Stock Preparation (Hagemeyer, R. W., Manson, D. W., 及び Kocurek, M. J.,編集), Unbehend, J.E., Chap. 7 : 112-157 (1992)、“Use of Potentiometric Titration and Polyelectrolyte Titration to Measure the Surface Charge of Cellulose Fiber” Gill, R. I. S., Fundamentals Pmkg. (Baker & Punton編集) Trans. 9th Fundamental Res. Symp.(Cambridge), Vol.1:437-452(Sept. 1989)、“Adsorption of Ions at the Cellulose/Aqueous Electrolyte Interface” Harrington, T. M.; Midmore, B. R, JCS Faraday I 80, no.6: 1525-1566 (June 1984)、“SURFACE PHENOMENA” Clark, J. d’A, Pulp Technol. & Trmt. for Paper (Miller Freeman Publns.), Chap. 4 : 87-105 (1978)、“ADSORPTION AND FLOCCULATION MECHANISMS IN PAPER STOCK SYSTEMS”Britt, K. W.; Dillon, A. G.; Evans, L. A., TAPPI Papermakers Conf. (Chicago) Paper IIA-3 : 39-42 (April 18-20, 1977)、並びに“ZETA-POTENTIAL MEASUREMNETS IN PAPER MANUFACTURE” Lindstorm, T.; Soremark, C., Papier 29, no. 12 : 519-525 (Dec. 1975)。
製紙中に測定されるゼータ電位値は、システムに依存し、プロセスの変化及び乱れにより変化する。システムの最適値からのゼータ電位のかなりのずれは、セルロース製品の製造及び質に影響を及ぼす。概して、ゼロに近いか、わずかにマイナスのゼータ電位が望ましいということが多く提唱されている。しかしながら、具体的な抄紙機について目的とするゼータ電位値は、完成紙料のタイプ、製造速度、製品等級、周囲条件、個々のオペレーターの能力、個々の出発原料、及び添加剤等の種々の要因に関連して変化する。
ゼータ電位値のずれ、またはフラッグ乱れ(flagged upsets)を回避、または修正する1つの方法は、添加剤を製紙プロセスの種々の部分/段階に導入することにより、製紙プロセスを調整することによるものである。しかしながら、添加剤の導入は、かなりの欠点を有する。
第1に、プロセスへの添加剤の導入は、製紙組成物との不明な化学的相互作用を引き起こす。不測の化学反応は、プロセスへの影響が好ましくない反応生成物を結果として生じ得る。これら化学反応へのより多くの知識なしには、プロセス条件を、望ましくない効果を修正するように調節することは困難である。
第2に、長時間に渡るプロセスへの添加剤の導入は、添加剤と製紙組成物の成分との、既知の反応生成物の蓄積を生じる。これらの何れかについて濃度の上限に一度達すると、プロセスを停止しなければならない。その場合、オペレーターはパルプを捨てるか、リサイクルできるようにパルプを処理せざるを得ないであろう。また、オペレーターは、プロセスから製紙組成物の水溶性成分を排出せねばならず、新鮮水と添加剤と伴に製紙組成物の水溶性成分を補充しなければならない。最も重要なことに、製造量が有意に低下する。
第3に、プロセスへの添加剤の導入は、製紙組成物中の繊維、コロイド種、及び溶解種の物理的相互作用をも複雑にする。例えば、大きい表面電荷を有するコロイドが適切に中和されないと、それらは逆に荷電した種と凝集することがあり、それによってプロセス中で不適切な時間で凝結を生じる。逆に、コロイドが十分な電荷を有していない時は、凝集及び凝結は適切な時間で起こり得ないか、全く起こらず、すなわちそれらは水相に懸濁したまま残存する。
第4に、いくつかの添加剤は、望ましくないことに、プロセス中の種々の機械部品と反応し得る。長時間に渡るこれらの部品の腐食は、機械の故障をもたらし得る。結果として、プロセスを停止しなければならず、問題の部品を修理し、または交換しなければならない。これは、しばしば非常に費用がかかる。
上記した欠点にも関わらず、カチオン性またはアニオン性の化学添加剤の添加が、多く提唱されている。いくつかは、この種類の改変についての種々の方法を提唱している。
U.S. 6,072,309(Watson等)は、ゼータ電位を調節するために、カチオン(溶解したアルミニウムカチオン及び鉄カチオンを含む)のような電解質の使用を示唆している。
U.S. 5,365,775(Penniman)は、製紙プロセスへの適切なポリマーの添加によるゼータ電位の調節を開示している。
“INTERFACIAL PROPERTIES OF POLYELECTROLYTE-CELLULOSE SISTEMS; ELECTROKINETIC PROPERTIES OF CELLULOSE FIBERS WITH ADSORBED MONOLAYERS OF CATIONIC POLYELECTROLYTE”(Onabe, F., J. Appl. Polymer Sci. 23, no. 10: 2909-2922 (May 15, 1979))からの抄録は、カチオン性高分子電解質、すなわちポリ(ジメチルジアリルアンモニウムクロライド)の不可逆的に吸収された単分子層を伴う及び伴わないアセテートグレードの溶解パルプ繊維についてのゼータ電位の測定を開示している。吸収されたポリマーの量が増加すると、繊維の負のゼータ電位が、ゼータ電位の極性が正に逆転するまで減少した。ゼータ電位値の著しい変化は、飽和した単分子層の形成が完了した際には、観察されなかった。この抄録は、飽和単分子層形成における繊維表面の単位面積あたりの吸収された部分の数が、繊維表面の単位面積あたりのカルボキシル基の数よりも大きいならば、カチオン性高分子電解質の飽和単一層が形成されるまでは、セルロース繊維の電荷を制御することができるということを示唆している。
“COMPARATIVE EVALUATION OF ELECTROKINETIC BEHAVIOR OF POLYELECTROLYTE-CELLULOSE SYSTEMS”(Onabe, F., J. Soc. Fiber Sci. Technol. Japan (Sen-i Gakkaishi) 34, no. 11: T494-504 (Nov. 1978)についての抄録は、カチオン性のウエットエンド添加剤によるパルプ繊維における静電荷制御のメカニズム、及び表面電荷の制御における対イオンの機能の解明に導く研究を開示している。不可逆的に吸収されたポリマー層を有する系では、多層についてのゼータ電位は、増加した塩濃度でも負の値のままであるのに対し、単分子層を伴う繊維の負のゼータ電位は、正の値に極性を逆転させた。種々のイオン価の対イオンを含有する系中で、正及び負の電荷をもつ双方の繊維の極性が、塩濃度の増加によって逆転した。抄紙機のウエットエンド工程を模倣する2つの系では、負の電荷をもつ繊維は、ミョウバンの添加を増加させても負のままであるが、高分子電解質の添加量を増加することによって、正電荷へと逆転した。電気二重層モデルが、この系の動電学的挙動を説明するために提唱される。繊維上の効果的な電荷制御のための多価イオンの特異的な吸着の重要性が、論証されている。
“DRAINAGE AND RETENTION MECHANISMS OF PAPERMAKING SYSTEMS TREATED WITH CATIONIC POLYMERS”(Moore, E. E., Tappi 58, no.1: 99-101 (Jan., 1975))についての抄録は、脱水促進剤及び歩留まり向上剤を使用する製紙システムの最適な水切れまたは歩留まりは、物質表面の電荷の中和の程度に必ずしも相関しないということを開示している。ミョウバンを含有する晒パルプ懸濁液において、繊維表面の電荷は逆転するけれど、カチオン性ポリアクリルアミドの量の増加に伴って、水切れまたは歩留まりを非常に高めることができる。これらの性質とゼータ電位の相関の欠如は、電荷の中和以外のメカニズムが優勢であり得ることを示している。
“IMPORTANCE OF ELECTROKINETIC PROPERTIES OF WOOD FIBER FOR PAPERMAKING”(Lindstorm, T.; Soremark, C.; Heinegard, C.; Martin-Lof, S., Conference: TAPPI Papermakers Conf. (Boston): 77-84 (June 3-6, 1974))についての抄録は、ゼータ電位の変化と、分散セルロース材料(微結晶セルロース溶液)へのカチオン性ポリアクリルアミドの添加による凝結についての傾向を開示している。最適な凝結が、ほぼゼロのゼータ電位において起こった。ゼータ電位とワイヤ上の1パス歩留まりとの相関を決定するためのミル試験は、ゼータ電位が低くなるにつれ歩留まりが増加することを示した。
“RETENTION AND RETENTION AIDS”(Ninck Blok, C. J. J.; Klein, B. de, Papierwereld 22, no.3: 69-81 (March, 1967))についての抄録は、カチオン性歩留まり向上剤吸着と、露出した繊維表面との明らかな関係を開示している。カチオン性歩留まり向上剤の吸収量に関連したパルプ繊維のゼータ電位測定は、負から正の電荷値への変化を示す。歩留まりが高まるのは、おそらくゼータ電位の変化によるものであるということが示唆されている。
“Online Cationic-Demand Measurement for Wet-End Papermaking”(Veal, C., 1997 Engineering & Papermakers: Forming Bonds for Better Papermaking Conference, (TAPPI Press): 287-296 (October 6, 1997; TAPPI Press))についての抄録は、カチオン性材料の最適化された制御は、強度特性を高め、走行性、水切れ、及び紙料が抄紙機に到達する前の完成紙料の電荷特性の変化を測定または検出することを必要とする、測定の間のコロイド状及び溶解した電荷の形成を改善することが開示されている。
“Starches for Surface Sizing and Wet-End Addition”(Brouwer, P. H., Wochenbl. Papierfabr. 124, no.1: 19-23 (January 15, 1996))は、抄紙機のウェットエンド工程は、繊維表面(ゼータ電位)及び水相(可溶性電荷)の双方における電荷がほぼゼロであるときに最も良い結果を与えることを開示し、適切なカチオン性添加剤(ポリアクリルアミド等)が使用されることを示唆している。
さらに他にも別の添加剤の添加が提唱されている。
“Interactions Between Cationic Starches and Papermaking Fibers; Effect of Starch Characteristics on Fiber Surface Charge and Starch Retention”(Gupta, B. Scott, W., 1995 Papermakers Conference: Proceedings (TAPPI): 85-96 (April 26, 1995; TAPPI Press))は、時間依存性の挙動に関して、デンプンのDS及び添加量の程度が、表面電荷に影響を及ぼす最も重要な要因であることを開示し、個々の応用についてデンプンを選択した際に、デンプンの歩留まりの測定が行われるべきであり、並びにデンプンのDS及び添加量の程度は、可変的に取り扱われるべきであることを提唱している。
“INFLUENCE OF ALUM AND pH ON THE ZETA POTENTIAL OF FIBERS AND ADDITIVES”(McKenzie, A. W.; Balodis, V.; Milgrom, A., Appita 23 no.1: 40-4 (July, 1969))は、繊維、デンプン、及び二酸化チタン上に通常確認される負の電荷が、硫酸アルミニウムの存在下で逆転し得ることが開示されている。たいていの場合、電荷の逆転は、繊維または他の添加剤の表面上のコロイド状アルミナの吸着に起因していた。
上記範囲の電気的性質の他に、二酸化炭素(CO)を製紙プロセスに添加することが、種々の理由のためにいくつか提唱されている。
WO 99/24661 A1は、脱水装置の直前に、二酸化炭素で処理することによるパルプ懸濁液の水切れの改良を開示している。
US 2002/0092636 A1 及び US 6,599,390 B2 は、異なる形態の炭酸カルシウムを沈殿させるために、水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムを含有するパルプを含む種々の反応器への二酸化炭素の添加が開示されている。
US 2002/0148581 A1 は、二酸化炭素の添加による損紙pHの制御が開示されている。
US 2002/0162638 A1 は、低い純度を有する二酸化炭素とパルプ懸濁液中の添加剤の沈殿が開示されている。
US 2002/0134519 A1 は、pH制御と二酸化炭素によって金属水酸化物を形成することにより、有害な物質を除去することを開示している。
US 6,251,356 B1 は、水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムを含む加圧された反応器からの炭酸カルシウムの沈殿を開示している。
US 6,436,232 B1 及び US 6,537,425 B2 は、炭酸カルシウムを沈殿させるために、水酸化カルシウムを含むパルプに、二酸化炭素を添加することを開示している。
これらの開示があるにもかかわらず、二酸化炭素と、ゼータ電位、導電度、及び電荷要求量等の製紙組成物の電気的性質との間の相互作用は認められていない。ゼータ電位、導電度、電荷要求量等の製紙組成物の電気的性質の測定に基づいて、製紙組成物に二酸化炭素を添加することを開示したものはない。製紙組成物の電気的性質に対して二酸化炭素を添加することの利点を評価したものはない。
従って、当業者は、ゼータ電位、導電度、電荷要求量、及び流動電位等の製紙組成物の電気的性質を調節するための、製紙システムへのより適切な添加剤についての要望が在することを認めるであろう。彼等は、また、しばしば不所望にも、製紙プロセスを停止しなければならないような、時間の経過と共に蓄積する傾向のない添加剤への要望が在することも認めるであろう。さらに、抄紙機の機械部品に不都合な影響を与えることのない添加剤への要望が在することも認めるであろう。なおさらに、製紙工程に添加された際に、パルプ繊維スラリー、希釈されたパルプ繊維スラリー、損紙、白水、巻取り紙、及び平判紙の性質を改善し得る添加剤への要望が在することも認めるであろう。
発明の概要
本発明の目的は、ゼータ電位、電荷要求量(electrical charge demand)、及び導電度等の製紙組成物の電気的性質を調節するための改良方法を提供することである。他の目的は、しばしば不所望にも、製紙プロセスを停止しなければならないような、時間と共に蓄積する傾向のない、より適切な添加剤を用いる製紙組成物の電気的性質を調節する改良方法を提供することである。本発明のさらに他の目的は、抄紙機の機械部品に不都合な影響を及ぼすことのない添加剤を用いる製紙組成物の電気的性質を調節する改良方法を提供することである。他の目的は、製紙プロセスに加えられた際に、パルプ繊維スラリー、希釈されたパルプ繊維スラリー、損紙、白水、巻取り紙、及び平判紙の性質を改良する添加剤を用いる製紙組成物の電気的性質を調節する改良方法を提供することである。
これらの要求などを満たすために、製紙組成物の電気的性質を調節する方法が、以下の工程を含むものとして提供される。コロイド相、水相、及び任意にパルプ繊維を含む少なくとも1つの製紙組成物を提供する。少なくとも1つの製紙組成物の1つの組成物のコロイド相、水相、及び任意のパルプ繊維のそれぞれが、電気的性質及び電気的性質に基づく関連値を有する。二酸化炭素を、関連する電気的性質値を実質的に調節するような量で、少なくとも1つの製紙組成物の少なくとも1つに導入する。
また、製紙組成物に導入される化学添加剤の量を減少させる方法が、以下の工程を含むものとして提供される。コロイド相、水相、及び任意にパルプ繊維を含む少なくとも1つの製紙組成物を提供する。少なくとも1つの製紙組成物の1つの組成物のコロイド相、水相、及び任意のパルプ繊維のそれぞれが、電気的性質及び電気的性質に基づく関連値を有する。化学添加剤を、少なくとも1つの製紙組成物の少なくとも1つに導入する。化学添加剤が導入された少なくとも1つの製紙組成物の少なくとも1つの組成物に、二酸化炭素を導入し、一方同時に化学添加剤の量を減少させる。二酸化炭素の量は、関連した電気的性質値が実質的に調節されるような量である。
発明の詳細な記述
本発明者らは、製紙組成物中への二酸化炭素の導入が、組成物中の成分の種々の電気的性質を改変するために用いられ得ることを驚くべきことに発見した。これらの電気的性質の調節により、製紙プロセス及びシステム、これらから製造される巻取り紙及び平判紙について多くの利点がもたらされる。
本発明の重要な利点は、ゼータ電位を改変するために必要である、デンプン、ポリマー等の追加の化学物質の使用を最小限にすることである。これは、システム中の追加の化学物質の蓄積を最小限にすることにも役立つ。例えば、パルプスラリー及び(または)完成紙料の電気的性質の変動を最小限にするように導入されると、二酸化炭素の添加は有利であり得る。完成紙料の電気的性質は、歩留まり、水切れ(ウェブ形成中の)、及び紙の性質に著しい影響を有し得ることは十分に既定の事実である。歩留まり及び水切れ等のパラメータの変動は、機械の張力制御に直接的な影響を有し得る。これは、寸法安定性に影響を及ぼすことがあり、不均等なウェブ特性をもたらし、おそらくウェブは破れる(すなわち、中断時間)。
本発明の方法において、二酸化炭素は、少なくとも1つの製紙組成物中に導入され、ここで、この各々の製紙組成物には、コロイド相、水相、及び任意に繊維が含まれる。製紙組成物のうちの1つの組成物のコロイド相、水相、及び任意の繊維のうちの少なくとも1つは、電気的性質及び電気的性質に基づく、関連する電気的性質値を有する。二酸化炭素は、測定した電気的性質値が実質的に調節されるような量で導入される。
「実質的に調節される」という語は、電気的性質値が、晒パルプ繊維の水溶性スラリーについて少なくとも約1%、または白水中に見受けられる成分と混合された晒パルプ繊維の水溶性スラリーについて少なくとも約2%が調節されることを意味する。約5%より大きい調節のように、「本質的」以上に調節された性質値についても本発明の範囲内である。
好ましくは、本発明の実施は、4つまでの製紙組成物を含む。第1の製紙組成物には、パルプ繊維のスラリー、コロイド相、及び水相が含まれる。第2及び第3の製紙組成物は、それぞれ損紙、白水である。第4(任意の)の製紙組成物は、第1の製紙組成物の希釈されたものである。好ましくは、第1の製紙組成物は、第4の製紙組成物を提供するために希釈される。
製紙組成物のいずれか1つは、その成分の電気的性質が測定されるものであり、導入された二酸化炭素を受け取るものであり得る。あるいは、製紙組成物(その成分の電気的性質が測定される)は、二酸化炭素を受け取る製紙組成物とは異なる。あるいは、二酸化炭素は、少なくとも2つの製紙組成物中に導入され、この2つの製紙組成物の1つは、その成分の電気的性質が測定されたものであり得るか、測定されたものであり得ない。好ましくは、第2の製紙組成物は、二酸化炭素を受容するものである。好ましくは、第2の製紙組成物は、その成分の電気的性質が測定されるものである。
電気的性質には、制限されないが、ゼータ電位、導電度、電荷要求量、流動電位等が含まれる。好ましくは、電気的性質は、ゼータ電位、導電度、電荷要求量、流動電位、及びこれらの2つまたは3つの組み合わせを含む群から選択される。さらに好ましくは、電気的性質は、ゼータ電位か電荷要求量である。最も好ましくは、電気的性質は、ゼータ電位である。
電気的性質及びそれらの調節は、電気的性質に基づく値を報告する測定機械により測定され得る。二酸化炭素は、制限されないが、晒パルプ繊維のスラリー(希釈されているかいないかいずれにせよ)、白水と混合した晒パルプ繊維のスラリー(希釈されているかいないかいずれにせよ)、損紙と混合した晒パルプ繊維のスラリー(希釈されているかいないかいずれにせよ)、白水及び損紙と混合した晒パルプ繊維のスラリー(希釈されているかいないかいずれにせよ)、損紙、並びに白水を含むいずれの製紙組成物にも導入され得る。また、測定装置も、インラインまたはオンラインであり得る。
各々の製紙組成物の各々の成分が、電気的性質を有しているため、各々のこれら成分は、電気的性質に基づいた値を有する。「基づく」との語は、制限されないが、測定装置により直接的に表示される値(アナログ値)、及びアナログ値から数学的に求められる値を含む。言い換えれば、この値は、電気的性質の特性の表示である。例えば、ゼータ電位の電気的性質は、mVの単位で表現される値を有し、一方、電荷要求量の電気的性質は、カチオン性またはアニオン性滴定剤のmLの語でしばしば表される値を有する。他の例のとして、導電度は、典型的に、ミリジーメンス(mS)、マイクロジーメンス(μS)、ミリモー、またはミクロモーの単位で表される値を有する。さらに他の例として、流動電位は、典型的に、mA単位または流動電位単位(SPU)で表現される値を有する。
各組成物のそれぞれの成分についての各電気的性質は、必ずしも同じではない。むしろ、「各々の少なくとも1つの製紙組成物のそれぞれのコロイド相、水相、及び任意のパルプ繊維は、電気的性質に基づいた対応する電気的性質値を有する」という語は、組み合わせ/置換の大多数を完全に含めたものであるとみなされる。各々の製紙組成物について、各1つの成分(懸濁した固体、水相、及びパルプ繊維(含まれる場合))は、その成分に関連した電気的性質についての値を有することを意味する。同じ電気的性質が、問題となる製紙組成物の各々の成分に当てはまるということは要求されない。例えば、パルプ繊維についての電気的性質がゼータ電位であり得る一方で、水相の電気的性質が電荷要求量であり得る。他の例としては、パルプ繊維の電気的性質及び水相の電気的性質が同じであり得る。これは、異なる製紙組成物(1を超えて含まれるとき)は、対応する成分について同じ電気的性質を有する必要はないことを意味する。例えば、第1の製紙組成物において、水相の電気的性質が導電度であり得る一方で、第2の製紙組成物において、水相の電気的性質が電荷要求量であり得る。
本発明に含まれるパルプは、パルプ化工程を経たリグセルロース原料である。好ましくは、漂白されている。繊維は、有縁壁孔を有する繊維仮道管及び単壁孔を有する靭皮状繊維を含む、長く、円筒型のリグノセルロース細胞である。繊維は、微粉と区別され得る長さを有する。当業者は、微粉には、非常に短い繊維、繊維屑、放射細胞、または200メッシュのような標準的なメッシュスクリーンを通る機械的処理から生じる細片が含まれると認めるであろう。
本発明により意図される製紙組成物の種類には、限定されないが、晒パルプ繊維のスラリー、白水と混合した晒パルプ繊維のスラリー、損紙と混合した晒パルプ繊維のスラリー、白水及び損紙と混合した晒パルプ繊維のスラリー、損紙、並びに白水が含まれる。晒パルプ繊維のスラリーは、白水及び(または)損紙と混合したか否かのいずれにしろ、希釈されたものでもあり得る。希釈は、1以上のパルプチェスト、混合チェスト、抄紙機チェスト、ワイヤピット、リファイナー(空気分離機、スクリーナー、及び(または)クリーナー等)、ヘッドボックス、及びこれらの間の部分で行われ得る。希釈は、製紙プロセスの短回路においても行われ得るが、紙料調製中にも行われ得る。
各々の上記の種類の製紙組成物には、コロイド相及び水相を含む白水を除いては、パルプ繊維、コロイド相、及び水相が含まれる。
コロイドは、水相中の固体の均質混合物である。コロイド相は、微細に分割された状態で、水相中に均一に分布する。水相は、分散媒と呼ばれることがある。コロイド相中の物質の大きさは、10〜10,000オングストローム、またはそれ以上の大きさで変化し得る。コロイド相には、限定されないが、固体無機化合物、界面活性剤及び(または)結晶変性剤と組み合わされた固体炭酸カルシウム、ポリマー等の固体有機化合物、水に不溶の液体有機化合物、ファイバーファイン、他の微細繊維、充填剤粒子、及びサイズ剤粒子が含まれる。結晶変性剤には、「種結晶」として働く材料が含まれ、その周りでは溶解した炭酸カルシウムが、固体炭酸カルシウムが生成するプロセスの間中、沈殿する。
製紙組成物の水相には、カチオン、アニオン、及び電荷をもたない化学種等の水中に溶解した種々の化学種が含まれる。典型的なカチオンには、Ca++が含まれる。典型的なアニオンには、HCO 及びCO 2−が含まれる。
図1に最もよく図示されるように、製紙プロセスの典型的な短回路には、以下の構成要素が含まれる。パルプチェスト1からのパルプは、混合チェスト4に供給される。パルプは、乾燥した状態になく、むしろパルプ繊維、コロイド相、及び水相のスラリー中に存在することに注意すべきである。従って、それは、「製紙組成物」の意味内に含まれる。また、1つのパルプチェストのみが示されているが、1種類を超えるパルプまたは1を超えるパルプチェストの使用は、本発明に含まれる。
他のパルプ繊維、微粉を含む他のコロイド相、及びディスクフィルター7からの水相も、混合チェスト4に供給される。種々のパルプ、コロイド相、及び水相は混合され、パルプチェスト中のパルプスラリーのものよりもわずかに低い繊維濃度を生じる。結果として生じる希釈されたスラリーは、続いて抄紙機チェスト10に供給され、そこでさらに希釈されて、ワイヤピット13に供給され、そこでもなおさらに希釈される。このさらに希釈されたスラリーは、続いてリファイナー16に供給され、そこで脱気され、スクリーンにかけられ、及び(または)クリーナーにかけられる。ここから、精製されたスラリーが、ヘッドボックス19に供給され、ここでさらに希釈される。
ヘッドボックス19において、希釈され、精製されたスラリーの流れは、製紙ワイヤ22にこの流れが到達した際に、希釈され、精製されたスラリーの流れが製紙ワイヤ22の全上面を覆うように、水平方向に配送される。製紙ワイヤ22において、希釈され、精製されたスラリーは、次の加工のための湿紙を与えるために、脱水される。
水相の多くと少なくとも一部のコロイド相は、製紙ワイヤ22に保たれないが、代わりに白水25として、製紙ワイヤ22の下面から収集される。白水25は、ワイヤピット13及びディスクフィルター7に再循環される。白水25からの少なくとも一部の水相とコロイド相は、ディスクフィルター7から白水貯蔵器34に至り、そこでパルプ紙料調製を含む、製紙設備の種々の部分において用いられる。白水に由来する少なくとも多少の水相及びコロイド相はディスクフィルター7に存在し、混合チェスト4においてパルプと混合される。白水25には、コロイド相(微粉を含む)と水相が含まれる。
不適当であると認められた紙のウエットウェブまたは紙のドライウェブの部分は、ミル水(mill water)及び(または)白水中に収集され、損紙28を提供する。損紙28は、損紙システム31にて収集されて、ここでさらに精製され、その後ディスクフィルター7及び混合チェスト4に提供される。損紙の少なくとも一部分はディスクフィルター7を出て、混合チェスト4にてパルプと混合される。損紙28にはパルプ繊維、コロイド相、及び水相が含まれる。
当業者は、本発明の方法が、製紙組成物の電気的性質の調節が有益であり得る多くの他の製紙システムにおいて行われ得ることを認めるであろう。
望まれるなら、電気的性質は適切な測定装置により測定され得る。測定装置は、実験室におけるようにオフライン、またはオンラインであり得る。オンラインの測定装置が使用される場合は、上記のプロセス及びシステム中の任意の部分に配置され得る。同様に、オフライン装置が使用される場合は、試料は、上記のプロセス及びシステム中の任意の地点からの製紙組成物から取り出され得る。例えば、損紙のパルプ繊維の電気的性質は、損紙が確認される任意の場所に、オンライン測定装置を設置することにより測定され得るし、または任意の部分において損紙の試料を取り出すことにより測定され得る。
ゼータ電位測定に適した装置が何種類かある。これら装置の多くは、電気泳動、流動電流、流動電位、及び電気浸透のうちのいずれか1つを使用する。流動電位原理に基づくゼータ電位測定装置は(実験室用及び工業用オンラインのものを含む)、以下の方法で操作される。測定中液体を、圧力勾配を利用して、パルプ繊維、微粉、及び他の完成紙料成分から形成されたプラグを通して強制的に流す。流動電位は、流れる液体により形成されたプラグの間で、プラグの両側に置かれた電極を用いて測定される。ゼータ電位は、以下の式を用いて計算される。
Figure 0004448089
(式中、
ζ=ゼータ電位
=流動電位(2つの電極間の電位)
κ=液体の導電度
η=流れる溶液の粘度
ε=電解定数
ε=液体の比誘電率
ΔP=パッド間の液体圧力降下)。
電荷要求量の測定に利用できる適切な装置がいくつかある。当業者に理解されるように、電荷要求量は、ゼロ電位にまで試料を滴定するために必要とされる電気的に荷電した滴定剤の量である。電荷要求量は、溶解したアニオンまたはカチオンと、試料中のポリマー、コロイド、及び微粒子の1以上の荷電した性質を測定し得る。
電荷要求量を測定するために適した装置の1つは、Particle Charge Detector PCD−03である。この装置及び測定方法は、「粒子」電荷を指す一方で、この装置及び測定方法は試料の電荷要求量、多くの場合は溶解したイオン種の電荷要求量を、実際は測定している。PCDは全ての製紙組成物に使用され得る一方で、パルプスラリーろ液、損紙、ろ液、及び白水のような、パルプ繊維がろ過されていない試料の測定に、しばしば用いられる。
PCD 03でなされる測定は、以下の原理に基づいている。中央の要素は、備え付けられた変位ピストンを有するプラスチックの測定セルである。水溶性試料が測定セル中に満たされると、分子はピストンのプラスチック表面とセル壁面に、ファンデルワールス力の働きにより吸着する。対イオンは、比較的遊離した状態のままである。限定された狭い隙間が、セル壁面とピストンの間に与えられる。モーターにより起動させると、ピストンが測定セル中を往復し、遊離対イオンを供出する強い液体の流れが形成され、対イオンを吸着した試料から分離する。組込みの電極において、対イオンが電流を誘起し、これは整流され電子的に増幅される。流動電流が、ディスプレイ上に適切な表示で示される。
試料の定量的な電荷測定のために、高分子電解質滴定を行う必要があり、これはゼロ電荷(0mV)点を同定するために流動電位を用いる。利用できる滴定装置には、Mutek Titrator PCD−02 バージョン1が含まれる。
滴定装置の使用により、既知の電荷密度の反対に荷電した高分子電解質が、滴定液として試料に加えられる。滴定液の電荷は、試料の存在する電荷を中和する。滴定は、ゼロ電荷(0mV)の点に到達するとすぐに中断される。滴定剤の消費(mL)は、次の計算の基礎となる実際の測定値である。アニオン性試料については、用いられる滴定剤は、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド(Poly−Dadmac)0.001N等である。
具体的な電荷量q[eq/g]は、以下の式により計算される。
Figure 0004448089
(式中、
V=消費滴定剤体積(L)
c=滴定剤濃度[eq/L]
wt=試料の重量[g])。
いくつかの同一の試料を比較すべき時は、電荷量qは、与えられた試料が同一の条件下、すなわち、同一の試料重量及び滴定剤濃度で滴定されるならば、計算する必要はない。この場合、消費された滴定剤の測定体積(mL)を直接的に用いることができ、得られた値を、直接的に比較することができる。このような関係において、試料のアニオン要求量及びカチオン要求量という語は、よく用いられる。
どの種類の測定装置を選択しても、最小限の原材料費での良質な生産を維持しまたは改変するために、電気的性質の値を監視するために用いられ得る。しかしながら、電気的性質を注意深く監視してさえも、これらの測定は、この電気的性質に基づく値を調節するに不適切な方法である場合には殆ど役にたたない。この問題を解決するために、本発明者らは、電気的性質の値を容易に調節するために、二酸化炭素を製紙組成物中に導入することができることを驚くべきことに見出した。種々の理由のために望ましくない値を、より容認できる値に調節するために好都合に利用できる。また、例えば当業者またはモデルにより最適であると認定された値のような、予め決められた値または値の範囲に、電気的性質を調節するために利用できる。
ガス状の二酸化炭素(CO2(g))が製紙組成物等の水系に導入されると、CO2(g)の一部は、以下の反応式で示される通り、溶解して遊離CO2(aq)になる。
Figure 0004448089
COが水中に溶解すると、水和して炭酸(HCO)が得られる。本反応が遅いことに注意すべきである(“Ionic Equilibrium-Solubility and pH Calculations” J.N.Butler著, John Wiley & Sons, INC., 1998, chapter 10, p.365)。HCOは、以下の反応式で示される通り、HとHCO イオンに解離し得る。
Figure 0004448089
これらのイオンの発生は、パルプ繊維、パルプ微粉、及びコロイドの電気的性質の調節において重要である。
二酸化炭素は、製紙組成物中にガスを導入する適切な任意の方法、限定されないが、加圧またはパージングにより導入され得る。
本発明の実施の例として、プラスのゼータ電位をより少ないプラスにすることができる。特定の理論に拘束されるものではないが、水中の二酸化炭素の水和により生成した、溶解したHCO イオン及び続くそれらの解離は、正に荷電したパルプ繊維及び(または)コロイドに引きつけられるようになり、プラスのゼータ電位を引き下げるものと思われる。理論的に、ゼロのゼータ電位に到達するまで、これは続き得る。二酸化炭素の導入は、ゼータ電位を調節するための化学添加剤の必要を減らすが故に、ゼータ電位の制御問題を解決するための従来の試みと比較して有利である。二酸化炭素が導入されず、添加剤の必要が減少しない場合、これらの添加剤は、上記した不利な点を有しながら製紙組成物中にしばしば蓄積する。
別の例として、マイナスのゼータ電位をより少ないマイナスにすることができる。しばしば、当業者は、製紙プロセス中のある点において、ゼータ電位が容認しがたいほど低いことを観測する。これは、ずれ、乱れ、または配慮の原因と考えられる。その場合、二酸化炭素が、過度にマイナスのゼータ電位等を効率的に且つ効果的に上げるために利用され得る。
加えて、導入される二酸化炭素の量を制御することによって、当業者は、所望のゼータ電位の範囲または別のゼータ電位にさえも、ゼータ電位を調節することができる。驚くべきことに、本発明者らは、与えられたpHの変化について、ゼータ電位を二酸化炭素の導入を通して、従来の添加剤と比較してより大幅に調節できることを見出した。
この開示した発明を考慮すれば、当業者は、製紙プロセスを行う間に、明らかになった知識を利用することにより、製紙プロセスの一部または複数の部分において、ゼータ電位を制御及び(または)調節する方法を認識し、理解するであろう。当業者は、同様に、ゼータ電位のずれ、またはシステムの乱れを分析することもできるであろう。
本発明の実施は、電荷要求量に関しても同様に適用できる。電荷要求量が容認しがたいほど高くても、製紙組成物中に二酸化炭素を導入すると、驚くべき幅で全体の要求量が予想外に減少する。
同様に、本発明は導電度に関しても実施され得る。驚くべきことに、製紙組成物中への二酸化炭素の導入は、予想外の量で導電度を減少させる。
当業者は、流動電位が同様に調節され、または制御され得ることもまた理解するであろう。
これらの調節は、カルシウム塩が、特に炭酸カルシウムが存在すると、さらにより驚くべき方法でなされ得る。炭酸カルシウムが存在する場合に得られる結果は、沈降炭酸カルシウム(PCC)に対して重質炭酸カルシウム(GCC)のように、炭酸カルシウムの形態が異なっても、著しく変化しない。
さらに、本発明の実施は、炭酸カルシウムスラリーがパルプスラリーと混合される前に、二酸化炭素を炭酸カルシウムスラリーに導入した場合に、パルプスラリーに対する驚くべき調節をも達成した。これが行われると、得られるゼータ電位調節は、二酸化炭素を伴わずに炭酸カルシウムが導入される場合と比較してよりずっと望ましい。

試料調製
実験の第1のセットにおいて、2つの異なるパルプスラリーを使用し、スラリータイプ1及びスラリータイプ2とした。
スラリータイプ1:本スラリーを生成するために用いられた、化学的にパルプ化され及び漂白された広葉樹材(HW)パルプ並びに針葉樹材(SW)パルプは、Econotech Service, Derwent, B.C., Canadaから入手した。用いたパルプ種には、北部広葉樹材、すなわちポプラ、及び北部針葉樹材が含まれた。得られたパルプシートを、タッピ(TAPPI)試験方法(T200 sp−96)番に基づいて、Valleyビーターを用いて叩解した。広葉樹材及び針葉樹材を、カナダ標準ろ水度(CSF)で、それぞれ450及び430のろ水度にまで精製した。
0.5%濃度のパルプスラリータイプ1を、60%のHW及び40%のSWの割合を用いて調製した。パルプスラリーを脱イオン水を用いて調製した。スラリーを調製するために用いたミキサーは、IEC Controls製の“Square D”ミキサーであった。生じた混合パルプスラリーを3℃で貯蔵した。このスラリーの試料を、実験を進める前に、室温(20±2℃)にて平衡化した。
タイプ1のスラリーの初期性質を表2Aに示す。
Figure 0004448089
スラリータイプ2を、再パルプ化バージン標準コピー用紙から作製した。オフィスマックスプレミウムクオリティコピー用紙(Office Max Premium Quality Copy Paper)の500シートの1パックは、Lamort Pulper de Laboratoireにて再パルプ化された。コピー用紙の規格は以下の通りであった。
・3ホールパンチ
・8.5×11レターサイズ白紙
・20#連量
・84白色度
・無酢紙
スラリータイプ2を、Lamort repulperに1503gのコピー用紙と、総量が12.0リットルの熱い水道水を導入することにより調製した。再パルプ化プロセス中、2つの混合スピード設定を用いた。すなわち、(1)高速(総混合時間:2分)及び(2)低速(総混合時間:8分)であった。混合速度の順序を、再パルプ化プロセスの間中変化させた。これは如何なることを意味するか。再パルプ化されたスラリーを脱イオン水で希釈し、濃度4.0%を有するスラリータイプ2を生成した。
タイプ2スラリーの初期性質を、表2Bに示す。
Figure 0004448089
本表において示される初期パルプスラリー性質(平均値)は、異なる時間において測定されたパルプスラリー性質に相当する(すなわち、同一のパルプスラリーの経時測定ではない)。スラリーを調製するために脱イオン水を用いた場合、ほぼ導電度はない。従って、これは、非常にマイナスのゼータ電位を生じる。
実験の第2のセットにおいて、2つの異なる溶液を用いた。第1の溶液は、ウエットエンドろ液流(200メッシュを通してろ過された)から成った。第2の溶液は、5×希釈のミル白水(脱イオン水を希釈に用いた)から成った。両タイプの溶液/ろ液は、Abitibi-Consolidated in Beaupre, Quebec により供給された。希釈していない白水は、非常に高い導電度とこれに付随したアニオン性電荷を有した。関連測定装置により比較的低い導電度とアニオン性電化がより適切に測定されるように、白水を5回希釈した。溶液の性質については表2Cを参照されたい。
Figure 0004448089
試験条件:反復性及び再現性
試験のために用いられたゼータ電位測定装置は、BTG Industries, Norcross, GA. から入手可能である“Mutek-model no. SZP 06”メータであった。Mutek装置(SZP-06)の再現性を評価する試みにおいて、同一試料(500.0g)の5回測定を行った。この再現性試験のために、タイプ1スラリーを、Aldrichから供給されたNaOH(1.019N濃度)を用いてpHを10.65に調節した。結果を表3に示す。
Figure 0004448089
Mutek装置の再現性を評価する試みにおいて、同一のスラリー調製物(スラリータイプ1)の異なる試料(5)を、Mutek装置を用いて測定した。この個々の試料について、CaCO(沈降炭酸カルシウム PCC)をパルプスラリーに添加した。スラリーを、900rpmで90分の合計時間、IECミキサーにおいて混合した。15%のPCCを、繊維の初期絶乾重量に基づいてパルプスラリーに添加した。
Figure 0004448089
Mutek装置の再現性を評価する別の試みにおいて、ミル白水中に希釈されたパルプの5つの部分を測定した。パルプは、上述した、化学的にパルプ化され及び漂白されたHWパルプ並びにSWパルプの80/20混合物であった。生じるパルプスラリーを、900rpmで10分間の合計時間、IECミキサーにおいて混合した。
Figure 0004448089
パルプスラリーのpH変化の効果
2つのタイプの実験を、パルプスラリーのゼータ電位に対するpH変化の効果を検討するために行った。両タイプの実験のために、スラリータイプ1を、1.019N水酸化ナトリウム(NaOH)を用いて10.20にpHを調節した。
第1に、0.1N硫酸(HSO)(Aldrich社製)の漸増的な添加を、500gのパルプスラリー(スラリータイプ1)に加えた。各漸増的な酸添加後に、パルプスラリーを、Caframoミキサー(モデル RZR-2000)を用いて、700rpmで2分間混合した。一度試料が十分に混合されると、pHを測定し、Mutek装置をゼータ電位、導電度、入口電位、及び圧力を測定するために用いた。
第2に、ガス状の二酸化炭素(CO)(Air Liquide社製)を、スラリーのpHを変えるために用いた。二酸化炭素の流速を、マスフローコントローラ(MKS Instruments社製のモデルMKSタイプ246B)を用いて調節し、1/4インチのステンレス鋼“浸漬”チューブを用いて溶液に供給した。パルプを実験用ミキサー(モデル RZR-2000)を用いて200rpmで、時間及びCO流速を変えて(CO流速とスパージング時間については表5を参照)混合した。
Figure 0004448089
図2における結果から、スラリーを酸性化するためにHSOが用いられた場合、ゼータ電位の急な変化が、およそ5.0のパルプスラリーのpHにおいて起こったことが観察された。しかしながら、それ以前の酸性化(pH10.20〜pH5.0まで)は、ゼータ電位に対してわずかな効果のみを有した。
パルプスラリーにCOを添加することもまた、ゼータ電位を改変した。しかしながらこれらの実験において、炭酸は弱酸であるために、pHを10.20から4.65にまで下げることのみが可能であった。pH4.65の後のCO添加は、pHを下げず、及びゼータ電位の増加も観測されなかった。
驚くべきことに、結果は、図2に最も良く示されている通り、10.20〜4.65のpH範囲において、パルプスラリーのゼータ電位改変に関して、COはHSOよりも、より効果的であったことを示している。製紙業者の関心の対象となるpH範囲(4〜8)において、COを用いた場合、HSOを用いたものに対して、ゼータ電位改変が、pHの単位変化よりもより大きいものであった。また、COと比較して、HSOにより得られた同じゼータ電位は、HSOを用いた調節によるpHの非常に大きい降下が必要とされた。pH変化は、製紙プロセスのウエットエンド、または短回路における多くの他の条件に影響を及ぼすため、このことは重要である。従って、本発明の実施は、HSOを添加する従来の方法により得られるものと比較して、非常に予期しない結果を生み出すことは明らかである。
パルプスラリーの初期のpHの影響を調べるため、上述した2つと同様の実験を、pHを調節していないスラリータイプ1を用いて行った。pHの漸増的な改変を、COを用いて行った。実験条件は、前記した通り、pHを調節したスラリーについて用いた条件と同一であった。比較結果を表6に示す。表6には、表5の結果を再度含め、初期pH調節における相違を示すことに注意すべきである。
表6に示すデータの通り、ゼータ電位に対する二酸化炭素添加の有利な効果は、初期のpHまたはpH範囲に依存しない。
Figure 0004448089
スラリーへの塩添加の効果
ゼータ電位に対する塩添加の効果を調べるために、実験を行った。塩化カリウム(KCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カルシウム(CaCl)、及び塩化アルミニウム(AlCl)の塩溶液を、パルプスラリータイプ1に加えた。KCl、NaCl、及びCaCl溶液を調製するために、Fisher Scientific 社により供給された特級試薬を脱イオン水中に溶解した。AlCl溶液は、LabChem 社により供給された。AlCl溶液のAl濃度を、Perkin Elmer 社製の Graphite Furnace Atomic Absorption Spectrometer (GFAA)モデルSIMAA 6000により決定した。調製した溶液の濃度を表7に示す。
Figure 0004448089
調製した溶液を、パルプスラリー(タイプ1)の500.0g試料に加え、Caframoミキサー(モデル RZR-2000)を用いて、700rpmで5分間混合した。混合後、Mutek装置をゼータ電位を決定するために用いた。結果を、図3に図表を用いて示す。
図3によく示されるように、パルプスラリーのゼータ電位は、用いた塩の種類、またはより特異的には、対応するカチオンのイオン価に依存して変化する。これらの結果は、他者により行われた同様のタイプの実験と一致する(A.M Scallan 及び J. Grignon, Svensk Papperstidning nr2, 1979, page40)。カチオンは、懸濁液中の繊維の負に荷電した外面を引きつけ、その電荷及び水和直径に依存して、二重層の厚さを収縮するか膨張するかのいずれかであることが提唱されている(Cohen,W.E., Farrant, G. 及び Watson,A.J.:Proc. Aust. Pulp Paper Ind. Tech. Assoc.3 (1949) 72)。
ゼータ電位に対するCO及び塩添加(NaCl及びCaCl)の効果を調べるため、実験を行った。これらの実験において、8.8mLの0.5mol/LのNaCl及びCaCl溶液をタイプ1スラリー(NaCl及びCaClの0.0044モル相当)に加えた。その後、混合物をCaframoミキサーを用いて、700rpmで5分間混合した。二酸化炭素ガスを1/4インチステンレス鋼“浸漬”チューブを用いて、塩を含有するパルプスラリー中に導入した。COの流速を500mL/分に保った。COを添加する間中、スラリーを200rpmで混合した。結果を図4に示す。図4において、コントロールとして示された実験は、塩を添加していないパルプスラリーに対応することに注意すべきである。
結果は、ゼータ電位を、塩が存在するかどうかに関わらず、二酸化炭素の添加により調節することができることを示している。
炭酸カルシウム添加の効果
これらの実験を、スラリータイプ1を用いて行った。パルプスラリーの初期pHを、1.019N NaOHを用いて、10.65に調節した。スラリーは、スラリー中のCaCOの解離を最小限にするようにpHを調節された。CaCOを、500.0gのパルプスラリー(0.5%濃度)に加えた。その後、スラリーを、Caframoミキサーを用いて、700rpmで5分間混合した。続いて、測定を、Mutek SZP-06メーターを用いて行い、また、pHも測定した。GCC及びPCC量を、パルプの絶乾重量に基づいて加えた。結果を表8に示す。重質炭酸カルシウム(GCC)を、OMYA(Omyafil)から入手し、及び沈降炭酸カルシウム(PCC)を、Specialty Minerals Inc(Albacar HO #(A-8-124-32))から入手した。
Figure 0004448089
上記した通り、PCCまたはGCCの添加は、初期はゼータ電位を増加させる傾向にあるが、その後減少させる。同様に、PCCまたはGCCの添加は、初期は導電度を増加させる傾向にあるが、その後減少させる。このように、製紙プロセスへのPCCまたはGCC添加は、ゼータ電位または導電度について望ましくない程度の不安定さで導入され得る。
炭酸カルシウム及び二酸化炭素の効果
これらの実験は、スラリータイプ1を用いて行った。2つの異なるタイプの炭酸カルシウム(CaCO)を、ゼータ電位に対する影響を決定するために、実験に用いた。重質炭酸カルシウム(GCC)を、OMYA(Omyafil)から入手し、及び沈降炭酸カルシウム(PCC)を、Specialty Minerals Inc(Albacar HO #(A-8-124-32))から入手した。
CaCOを、500.0gのパルプスラリー(0.5%濃度)に加え、スラリーをCaframoミキサーを用いて、700rpmで5分間混合した。パルプに対して炭酸カルシウム(GCC)15%は、パルプの初期の絶乾質量に基づくものであり、及び全量の炭酸カルシウムをCO添加前に加えた。二酸化炭素ガスを、1/4インチのステンレス鋼“浸漬”チューブを用いて500mL/分の流速で導入した。スラリーに二酸化炭素を添加する間中、試料をCaframoミキサーを用いて、200rpmで混合した。続いて、Mutek SZP-06メーターを用いて測定を行った。また、pHも測定した。結果を図5に示す。
二酸化炭素の添加に対する炭酸カルシウムの種類と源を比較するために、比較実験をPCCを用いて行った。二酸化炭素添加の流速を500mL/分に固定し、PCCの初期濃度を、パルプの絶乾重量に対して15%に固定した。GCCとPCCの比較結果を図6に示す。
異なるPCC及びGCC濃度を含有するスラリー中にCOを導入する効果を調べるために、以前に検討した試料(表8を参照のこと)を実験に使用した。実験の間中、COを2つの異なるレベル、すなわち200mL及び2400mLで添加した。スラリー試料に200mLのCOが導入される実験については、流速は250mL/分であった。一方で、スラリー試料に2400mLのCOが導入される実験については、500mL/分の流速を用いた。スラリーを混合するために、Caframoミキサーを用いた。前述した通り、CaCOを添加する間中、混合速度は5分間で700rpmであった。CO添加の間中、混合速度は、200rpmに固定した。これらの実験の結果を、表9及び表10に示す。
データが示す通り、本発明者らは、二酸化炭素の導入が、スラリーのゼータ電位を有利に且つ驚くほど調節するために用いられ得るばかりでなく、スラリーが固体の炭酸カルシウムを含有する場合、結果がさらにより予想外であることをさらに見出した。この場合は、増加する。さらに、固体炭酸カルシウムの添加によりゼータ電位に対する効果が低減するにも関わらず、二酸化炭素は、低減した効果分、またそれ以上に効果を逆転させる。また、本発明者らは、固体炭酸カルシウムの存在下でのゼータ電位に対する二酸化炭素の効果は、PCCとGCCのように、固体炭酸カルシウムの種類に依存しないことを見出した。
Figure 0004448089
Figure 0004448089
本発明者らは、また、スラリーへの「減少した」二酸化炭素の添加の効果を調べた。以下の実験を、スラリータイプ1を用いて行った。パルプの絶乾重量に対して15%の固定した添加量のPCCをスラリーに加えた。PCCとスラリー(10,000g)を、IECミキサーを用いて、900rpmで90分間混合した。スラリーを調製すると同時に、スラリー/PCC混合物の500gの試料にCOを加えた。COの流速を50mL/分(1/4インチの“浸漬”チューブを通して)に固定し、CO添加が行われている間中、Caframoミキサーを用いて200rpmで混合した。
Figure 0004448089
残留Ca2+濃度を、Cole-Parmer Instruments社により供給されたカルシウムイオン選択的電極(ISE)(#24502−08)、及びOkaton社製のIONS 5メーターを用いて測定した。試料を、0.45ミクロンフィルター(Pall Gelman Laboratory社製)を用いて、カルシウムISEを使用する前にろ過したことに注意すべきである。驚くべきことに、結果は、COの体積が増加した場合(時間で示される通り)、ゼータ電位及び導電度も増加したことを示している。同様に、残留Ca2++濃度も増加した。
CO存在下での種々のカルシウム塩の効果
図7において、全ての以前に検討した実験データであって、その中でカルシウム含有塩を用いたものをプロットする。加えて、酢酸カルシウム(0.5mol/L溶液)をスラリーに添加した実験結果もまた、プロットする。これらの実験中で固定された可変性のものは、スラリータイプ1の500g試料に添加されたカルシウムの量(濃度)であった。図7に示す全ての実験において、500gのスラリー試料に添加したカルシウムの量は、0.0044モルであった。従前の実験の通り、COの流速を500mL/分に固定した。酢酸カルシウムの添加の後に、混合物をCaframoミキサーを用いて、5分間700rpmで混合した。CO添加の間中、混合物を200rpmで混合した。
図7に示した通り、二酸化炭素の添加は、カルシウム塩が存在した場合、ゼータ電位を予想外に調節/増加した。固体炭酸カルシウム(PCCまたはGCC)が存在する場合に、ゼータ電位の有意な増加は、さらにより予想外である。
リサイクル完成紙料に対するCO添加の効果
再パルプ化されたスラリーへのCO添加の効果を調べるために、スラリータイプ2を用いた。これらの試料にCaCOを加えなかった点に注意することは重要である。これらの実験において、COを1/4インチステンレス鋼「浸漬」チューブを用いてスラリーに添加した。COの流速は750mL/分であった。最初に観測され得ることは、システムのゼータ電位がスラリータイプ1と比較して比較的低いことである(−127.3mV平均値対−45.3mV平均値)。これは、最パルプ化されたスラリーが、かなりの量の灰(すなわち、CaCO充填材)を含むからであると理解できる。さらに、水道水(硬水)を再パルプ化プロセスのために(すなわち、10%濃度のスラリーを生じさせるために)用いた。データを図8に示す。
驚くべきことに、二酸化炭素の添加は、パルプ、カルシウム塩含有パルプ、炭酸カルシウム含有パルプから形成されたスラリーのゼータ電位を調節/増加するばかりでなく、損紙のような、リサイクルされた完成紙料についてもゼータ電位を調節/増加する。
パルプスラリーと混合する前のCaCOへのCO添加
パルプスラリーに炭酸カルシウムスラリーを導入する前の、炭酸カルシウムスラリーへの二酸化炭素の添加の効果を試験した。
まず、60/40のHW/SW混合物を調製した(性質については表2Bを参照のこと)。次に、10%のCaCO(PCC)スラリーを調製し(脱イオン水中のPCCを用いて)、及び5つの200mL試料に分けた。続いて、500ml/分の一定の流速のCOを、各200mLのPCCスラリー試料に加えた。CO添加の間中、PCCスラリーを400rpmで(Caframoミキサー モデルRZR−2000を用いて)混合した。二酸化炭素の流速を、マスフローコントローラー(MKS Instruments社製のモデルMKS タイプ246B)を用いて制御し、1/4インチスレンレス鋼“浸漬”チューブを用いて溶液に供給した。4つの試料について、加えた二酸化炭素の体積を検討した。5番目の試料を、コントロールとして用い、これは二酸化炭素を一切受け取らなかった。CO体積は、500mLのCO、2500mLのCO、7500mLのCO、及び14000mLのCOであった。
その後、2.5mLのPCC/COスラリーを、0.5%濃度のパルプスラリーの4つの500g試料に加えた。PCC添加後、生じるスラリーを700rpmで10分間(Caframoミキサーを用いて)混合した。次に、Mutek SZP装置を試料(パルプスラリー)を分析するために用いた。pH及び温度も、測定した。結果を表12に示す。
予想外なことに、データは、まず二酸化炭素が炭酸カルシウムスラリーに添加され、その後パルプスラリーに添加された際には、初期のパルプスラリーから、ゼータ電位は増加し、且つ導電度は減少し得ることを示す。実際に、本発明は、パルプまたはパルプ微粉含有組成物への二酸化炭素の添加に限定されない。むしろ、二酸化炭素の添加を炭酸カルシウムスラリーに対して行うことができ、これを後にパルプまたはパルプ微粉含有組成物に導入し、それによってその電気的性質を調節する。
Figure 0004448089
希釈された白水溶液のPCDに対するCOの効果
希釈された白水(希釈された白水の性質については表2Cを参照のこと)へのCO添加の効果を調べるために、中空軸ミキサー(すなわち、ガス再循環のための中空軸及び中空のRushtonタービン)を用いた1リットルガラス反応器中で行った。密封することができる反応器は、2,620mLの正確な体積を有し、Verre−Labo Mula(France)により製造されている。COを、スパージャーが設けられた、溶液(またはスラリー)に浸漬された1/4チューブを通して添加した。
各実験について、1000gの希釈された(5×)白水を、反応器に導入した。これらの実験について、CaCOを、希釈された白水試料に加えなかったことに注意すべきである。反応器を密封し、その後、内容物を1500rpmで混合した。一度反応器の内容物が5分間混合されると、COを反応器に導入し、内容物を15分間、1500rpmで混合した。3つの異なるCO添加量を、この簡単な実験で検討した。結果を表13に示す。
表13に示される通り、データは、COの添加が、白水に対してさえ、電荷要求量を効果的に低下させるということを驚くべきことに示した。
Figure 0004448089
CaCO含有希釈白水溶液のPCDに対するCOの効果
希釈された白水にCOを添加する効果を調べるために(希釈については表2C参照 溶液(またはスラリー)に浸漬した、スパージャーを設けた1/4チューブ
各実験について、990gの希釈された(5×)白水と10.0gのPCC(Albacar HO、Specialty Minerals Inc.社製)を反応器中に導入した。反応器を密封し、その後内容物を1500rpmで混合した。一度反応器の内容物を5分間混合したら、COを反応器に導入し、反応器の内容物を15分間混合した。
3つの異なる 白水の性質)これにはPCCが添加されている(二酸化炭素添加前) 実験を、中空軸ミキサー(すなわち、ガス再循環のための中空軸及び中空のRushtonタービン)を用いたガラス反応器中で行った。密封することができる反応器は、2620mLの正確な体積を有し、Verre−Labo Mula(France)により製造されている。COは を通して 添加量をこの簡単な実験の間中調べた。結果を表14に示す。
表14に示されるとおり、データは、CaCOを加えた白水へのCOの添加は、有意に導電度を上昇させ、且つPCDを低下させることを驚くべきことに示す。CaCOを添加しない白水と比較して、COの添加は、非常により大きい量でPCDを低下させる。
Figure 0004448089
SOとのCOの効果の比較
これらの実験を、中空軸反応器(前記したもの)を用いて行った。これらの実験において、COを1000gの希釈された白水に加え、10分間、1500rpmで(中空軸構成を用いて)混合した。pH、温度、導電度、TDS、及びPCDを記録した。その後、10.0gの白水を反応器から除去し、10.0gのPCCを加えた。pHを調節した白水/PCC混合物を10分間混合した後、試料をpH、温度、導電度、TDS、及びPCDについて分析した。
表17には、この短実験の結果が示されている。表中、6.39のpHを得るためには、0.573gの4.0NのHSOが必要とされることが示されている。全く同じ実験を、COをHSOにより置き換えることを除いては、行った。言い換えれば、酸を、CO添加の後に得られる同一の目的のpH(すなわち、pH=6.39)を得るために用いた。
結果は、同一の目的のpHレベルに到達するために、HSOと比較してCOを用いた際は、試料のPCDは酸を用いた場合よりもわずかに低いことを示している。PCC添加後は、初期のpH調節のためにCOを用いた試料は、酸でpHを調節した試料と比べて、非常により低いPCDを有した。
これらの実験に用いた硫酸は、Fisher Scientific certified ACS により、濃度4Nで提供された。
表15においてデータが示す通り、COの添加は、同一のpHに到達する添加の間、HSOと比べて導電度をより大きく増加させる。また、COの添加は、同一のpHに到達する添加の間、HSOと比べて電荷要求量をより大きく減少させる。
Figure 0004448089
“汚濁”パルプスラリーのゼータ電位及びPCDに対するCOの効果
COをCaCO含有(いわゆる)“汚濁”パルプスラリーに導入することが、ゼータ電位及びPCDをどの程度までに改変するかを決定するために実験を行った。両スラリーを調製するために用いたパルプは、British Columbiaに位置する不特定の原料から、Econotech Service, Derwent, B.C., Canadaにより調製された、化学的にパルプ化され、及び漂白された広葉樹材(HW)及び針葉樹材(SW)であった。用いたパルプ種は、北部広葉樹材、すなわちポプラ、及び北部針葉樹材であった。購入した市販のパルプシートを、タッピ試験方法T200 sp−96番に基づいてValleyビーターを用いて叩解した。広葉樹材及び針葉樹材を、461及び451のカナダ標準ろ水度(CSF)のろ水度にまで、それぞれ精製した。
本実験中で用いられたパルプスラリーの濃度は、2.5%濃度であった。パルプスラリーを80%HWと20%SWの割合を用いて調製した。パルプスラリーを、前記白水(Beaupre, Quebec, Canada [Abitibi-Consolidated]に位置するミルからの)の10×希釈物を用いて調製した。スラリーを調製するために用いたミキサーは、IEC Controls社製の“Square D”ミキサーであったことに注意すべきである。
まず、白水を10回希釈した。すなわち10×希釈物にした。次に、パルプスラリーを、希釈した白水と共に80/20のHW/SW混合物を用いて、2.5%濃度で調製した。1300gのパルプスラリーを反応器に加え、1500rpmで30分間混合した。ベースライン測定をその後行った。その後、13.93gのPCCを加え、この混合物を15分間混合した。
ゼータ電位、pH、温度、導電度、TDS、及びPCDを測定し、記録した。また、25mlの試料(200メッシュを通してろ過した)を、PCD試験を行うために取り出した。その後、10kg/トン繊維と当量のCO添加量を加え、15分間混合した。その後、ゼータ電位、pH、温度、導電度、TDS、及びPCDを測定し、記録した。
この実験を、中空軸ミキサー(すなわち、ガス再循環のための中空軸及び中空のRushtonタービンを使用したもの)のあるガラス反応器中で行った。反応器は、2,620mLの正確な体積を有し、Verre−Labo Mula(France)により製造されている。本実験のために、CO導入、及び続く混合の間中、反応器を密閉した。表16に示すデータの通り、製紙プロセス中で見出されるものに近いスラリーへのCOの添加は、電荷要求量を低下させ、且つゼータ電位を増加させる。
Figure 0004448089
上に示した通り、データは、パルプ、炭酸カルシウム、及び白水を含有するスラリーが、導電度、ゼータ電位、及び電荷要求量であるその電気的性質を有意に調節されたことを予想外に示している。特に、電荷要求量及びゼータ電位を低下させ、一方で導電度を驚くべき方法で増加させた。
上述した例に見られる通り、製紙組成物への二酸化炭素の導入は、驚くべきことに、構成成分の電気的性質を調節し、従って製紙組成物の電気的性質を調節する。これは、製紙業者にとって、多くの利点を生じる。第1に、二酸化炭素の添加は、製紙プロセスが望ましくない時間の間停止されることを必要とするような、長時間に渡り蓄積する傾向がない。第2に、二酸化炭素の添加は、その化学的反応性が望ましい程度に確実に知られていない高価な添加剤の必要を減少させる、または除去さえし得る。第3に、二酸化炭素の添加は、試料調製中、短回路中のある地点、パルプスラリー中に炭酸カルシウムスラリーを導入する前の炭酸カルシウムスラリー中のような、製紙プロセスの多くの異なる地点で行われ得る。
当業者により、本発明の範囲は、上記の具体的な実施形態または例に限定されないことが理解されるであろう。
本発明の方法を行うために適したシステムの概略図。 種々のpH範囲についてのCO及びHSOによるゼータ電位に対する効果を示すグラフ。 種々の塩の異なる濃度のゼータ電位に対する効果を示すグラフ。 種々の塩添加についてのCOによるゼータ電位に対する効果を示すグラフ。 CO及び炭酸カルシウムの添加によるゼータ電位に対する効果を示すグラフ。 種々の流速のCOにおけるGCC及びPCCによるゼータ電位に対する効果を比較するグラフ。 CO2存在下での種々のカルシウム塩によるゼータ電位に対する効果を示すグラフ。 炭酸カルシウムを含有しない再パルプ化組成物によるゼータ電位に対する効果を示すグラフ。

Claims (21)

  1. コロイド相、水相、及びパルプ繊維を含む少なくとも1つの製紙組成物であって、前記少なくとも1つの製紙組成物のうちの1つの組成物のコロイド相、水相、及びパルプ繊維のそれぞれが、ゼータ電位ゼータ電位に基づく関連値を有するところの製紙組成物を提供する工程、
    関連したゼータ電位の値が実質的に調節されるような量で、前記少なくとも1つの製紙組成物のうちの少なくとも1つの組成物に二酸化炭素を導入する工程
    ゼータ電位に基づいた予め決められた値、または予め決められた値の範囲を選択する工程、
    少なくとも1つの製紙組成物のうちの少なくとも1つ組成物のコロイド相、水相、及びパルプ繊維のうちの少なくとも1つのゼータ電位を測定し、それによって測定値を得る工程であって、前記調節した値が、測定値よりも予め決められた値または値の範囲により近いところの工程、
    測定した値を、前記予め決められた値または値の範囲と比較する工程、および
    比較工程に基づいて導入する二酸化炭素の量を選択する工程
    を含む、製紙組成物の電気的性質を改変するための方法。
  2. 前記少なくとも1つの製紙組成物がさらに固体炭酸カルシウムを含み、前記固体炭酸カルシウムの少なくとも一部が、前記二酸化炭素を導入する工程の際に溶解される請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも1つの製紙組成物は、第1、第2、第3、及び第4の製紙組成物を含み、それにおいては、
    第1の製紙組成物は、パルプ繊維を含むパルプスラリーであり、
    第2の製紙組成物は損紙であり、
    第3の製紙組成物は、パルプ繊維を実質的な量で含まない白水であり、
    第4の製紙組成物は、第1の製紙組成物を希釈したものであり、
    前記第1の製紙組成物または第4の製紙組成物のパルプ繊維を製紙ワイヤ上で脱水し、この製紙ワイヤにおいて、第2及び第3の製紙組成物が生成される工程
    をさらに含む請求項1に記載の方法。
  4. 前記二酸化炭素が導入される少なくとも1つの製紙組成物として、前記第1の製紙組成物を選択する工程をさらに含む請求項3に記載の方法。
  5. 前記二酸化炭素が導入される少なくとも1つの製紙組成物として、前記第2の製紙組成物を選択する工程をさらに含む請求項3に記載の方法。
  6. 前記二酸化炭素が導入される少なくとも1つの製紙組成物として、前期第3の製紙組成物を選択する工程をさらに含む請求項3に記載の方法。
  7. 前記二酸化炭素が導入される少なくとも1つの製紙組成物として、前記第4の製紙組成物を選択すること
    をさらに含む請求項3に記載の方法。
  8. 前記第1の製紙組成物、第2の製紙組成物、第3の製紙組成物、第4の製紙組成物のうちの少なくとも1つの組成物のコロイド相及び繊維の少なくとも一方の関連するゼータ電位の値がマイナスであり、これをより少ないマイナスに調節する請求項に記載の方法。
  9. 前記第1の製紙組成物、第2の製紙組成物、第3の製紙組成物、第4の製紙組成物のうちの少なくとも1つの組成物のコロイド相及び繊維の少なくとも一方の関連するゼータ電位の値がプラスであり、これをより少ないプラスに調節する請求項に記載の方法。
  10. 前記二酸化炭素が導入される少なくとも1つの製紙組成物が、少なくとも3%の濃度で存在するパルプ繊維を含む請求項に記載の方法。
  11. 前記二酸化炭素が導入される少なくとも1つの製紙組成物が、少なくとも3%の濃度で存在するパルプ繊維を含む請求項に記載の方法。
  12. 前記二酸化炭素が導入される少なくとも1つの製紙組成物が、少なくとも3%の濃度で存在するパルプ繊維を含む請求項に記載の方法。
  13. 導入される二酸化炭素の量を調整装置を用いて制御する工程であって、前記調整装置が前記比較工程を行うところの工程
    をさらに含む請求項に記載の方法。
  14. 前記調整装置が、プログラム可能な論理コントローラを含む請求項13に記載の方法。
  15. 前記第1の製紙組成物の供給を提供するためのパルプチェストを提供する工程、
    前記パルプチェストの下流に設けられ、前記第4の製紙組成物を受け取り、及びパルプ繊維を製紙ワイヤの上面に分配するヘッドボックスを提供する工程、
    二酸化炭素を導入する点を選択する工程であって、選択した点が、パルプチェストのところにあるか、パルプチェストの下流にあり、且つヘッドボックスの非隣接的に上流にあるところの工程
    をさらに含む請求項に記載の方法。
  16. 前記二酸化炭素が導入される少なくとも1つの製紙組成物として、前記第1の製紙組成物を選択する工程、
    前記第1の製紙組成物について少なくとも3%の繊維濃度を選択する工程、
    予め決められたゼータ電位の値またはゼータ電位の値の範囲を選択する工程、
    前記コロイド相、水相、及び繊維のうちの少なくとも1つのゼータ電位を測定する工程、
    測定値を前記予め決められた値または値の範囲と比較する工程、及び
    前記比較工程に基づいて、導入する二酸化炭素の量を選択する工程
    をさらに含む請求項に記載の方法。
  17. 前記二酸化炭素が導入される少なくとも1つの製紙組成物として、前記第4の製紙組成物を選択する工程、
    予め決められたゼータ電位の値またはゼータ電位の値の範囲を選択する工程、
    前記コロイド相、水相、及び繊維のうちの少なくとも1つのゼータ電位を測定する工程、
    測定値を前記予め決められた値と比較する工程、及び
    前記比較工程に基づいて、導入される二酸化炭素の量を選択する工程
    をさらに含む請求項に記載の方法。
  18. 前記二酸化炭素が導入される少なくとも1つの製紙組成物として、前記第2の製紙組成物を選択する工程、
    予め決められたゼータ電位の値またはゼータ電位の値の範囲を選択する工程、
    前記コロイド相、水相、及び繊維のうちの少なくとも1つのゼータ電位を測定する工程、
    測定値と前記予め決められた値または値の範囲を比較する工程、及び
    前記比較工程に基づいて、導入される二酸化炭素の量を選択する工程
    さらに含む請求項に記載の方法。
  19. 前記二酸化炭素が導入される少なくとも1つの製紙組成物として、前記第3の製紙組成物を選択する工程、
    予め決められたゼータ電位の値またはゼータ電位の値の範囲を選択する工程、
    前記コロイド相、水相、及び繊維のうちの少なくとも1つのゼータ電位を測定する工程、
    測定値と前記予め決められた値または値の範囲を比較する工程、及び
    前記比較工程に基づいて、導入される二酸化炭素の量を選択する工程
    さらに含む請求項に記載の方法。
  20. 前記ゼータ電位に基づいて、予め決められた値または値の範囲を選択する工程、及び
    少なくとも1つの製紙組成物のうちの少なくとも1つの組成物のコロイド相、水相、及びパルプ繊維のうちの少なくとも1つのゼータ電位を測定し、それによって測定値を得る工程であって、前記調節した値が測定値よりも、前記予め決められた値により近いところの工程
    をさらに含む請求項に記載の方法。
  21. 製紙組成物に導入される化学添加剤の量を減少させる方法であって、
    コロイド相、水相、及びパルプ繊維を含む少なくとも1つの製紙組成物を提供する工程であって、前記少なくとも1つの製紙組成物のうちの1つの組成物のコロイド相、水相、及びパルプ繊維のそれぞれが、ゼータ電位、及びゼータ電位に基づいた関連する値を有するところの工程、
    前記少なくとも1つの製紙組成物のうちの少なくとも1つの組成物に化学添加剤を導入する工程、
    化学添加剤が導入された少なくとも1つの製紙組成物のうちの少なくとも1つの組成物に二酸化炭素を導入し、一方同時に前記化学添加剤の量を減少させる工程であって、二酸化炭素の量は、関連するゼータ電位の値が本質的に調節されるものであるところの工程、
    ゼータ電位に基づいた予め決められた値、または予め決められた値の範囲を選択する工程、
    少なくとも1つの製紙組成物のうちの少なくとも1つ組成物のコロイド相、水相、及びパルプ繊維のうちの少なくとも1つのゼータ電位を測定し、それによって測定値を得る工程であって、前記調節した値が、測定値よりも予め決められた値または値の範囲により近いところの工程、
    測定した値を、前記予め決められた値または値の範囲と比較する工程、および
    比較工程に基づいて導入する二酸化炭素の量を選択する工程
    を含む方法。
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