JP4447800B2 - 巻取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、巻取装置にかかり、特に、電気二重層コンデンサや各種二次電池の製造に際し用いられる巻取装置を含む技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば電気二重層コンデンサの製造に際し、巻取装置が用いられる。該巻取装置においては、セパレータと称される帯状の絶縁材の一端が引出装置(チャック)によって把持されて長手方向に引き出される。また、引き出されたセパレータに対してスリットを有する巻芯が突出させられ、これにより、セパレータがスリットにて捕捉されることとなる。また、別途配設された一対の電極箔搬送装置によって、マイナス及びプラスの帯状の電極箔の各一端が前記巻芯の方へと搬送され、案内される。そして、巻芯が回転させられることで、セパレータ及び一対の電極箔が所定長さまで巻き取られる。このとき、一対の電極箔は、セパレータによって互いに絶縁状態で巻き取られることとなる。その後、電極箔が切断され、セパレータが切断され、さらにテープ等で外周が固定されることでコンデンサ素子が得られる。
【0003】
近年、製品の形状上の要請から、巻芯として断面非円形状のもの(例えば、楕円形状、長円形状、菱形状等)が採用されるようになってきている。ところで、このような巻芯を使用する場合には、巻芯の径が部位によって相違するために、一定速度で巻芯を回転させたのでは、巻取速度(セパレータや電極箔が単位時間当たりに巻き取られる量)に斑が生じてしまう。そのため、セパレータや電極箔にたるみ等が生じたり、巻ズレが生じたりしてしまうといった不具合が起こるおそれがある。
【0004】
これに対し、特開2000−68170号公報に開示された技術では、上述したセパレータ等の帯状体の搬送経路に設けられた回転体の回転を検知するべく、エンコーダを別途設けることとしている。そして、同公報においては、かかるエンコーダの信号に基づいて、フィードバック制御を行う点が記されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記公報に開示された技術では次に記すような問題がある。すなわち、上記技術では、帯状体の引き取られる速度に基づいて、巻芯の駆動がフィードバック制御される構成となっているため、制御に遅延が生じてしまう。特に、巻芯の回転速度が高速になればなるほど、上記遅延に基づく悪影響が生じてしまい、巻ズレ等の不具合が依然として生じてしまうこととなる。
【0006】
また、上記技術では、搬送経路の途中に回転体やエンコーダといった部材を別途設ける必要があり、装置全体が複雑化したり、コストの増大を招いてしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上記各事情に鑑みてなされたものであり、たるみや巻ズレ等による不具合をより確実に抑制することのできる巻取装置を提供することを主たる目的の一つとしている。
【0008】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成し得る特徴的手段について以下に説明する。また、各手段につき、特徴的な作用及び効果を必要に応じて記載する。
【0009】
手段1.断面非円形状をなし、帯状材を巻き取るための巻芯と、前記巻芯を回転させるための回転駆動手段と、前記巻芯の回転角度又は回転角度に関する情報を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記回転角度又は回転角度に関する情報に基づき、前記帯状材の巻き取られる速度が所定速度となるような前記回転駆動手段の駆動速度を演算し、前記回転駆動手段を前記駆動速度で駆動させるための制御手段とを備えたことを特徴とする巻取装置。
【0010】
手段1によれば、回転駆動手段によって、断面非円形状をなす巻芯が回転させられ、該回転に伴って帯状材が巻き取られる。かかる巻取に際し、巻芯の回転角度又は回転角度に関する情報が検出手段によって検出される。そして、検出された回転角度又は回転角度に関する情報に基づき、制御手段では、前記帯状材の巻き取られる速度が所定速度となるような回転駆動手段の駆動速度が演算され、その回転駆動手段が前記駆動速度で駆動させられる。従って、巻芯の回転角度に対応して回転駆動手段の駆動速度が適切に制御され、帯状材は、ほぼ所定速度で巻き取られることとなる。このため、巻取速度が所定速度から逸脱してしまうことによる帯状材のたるみや巻ズレといった不具合が抑制される。また、そのときどきの巻芯の回転角度に応じたフィードフォワード制御が行われることから、帯状体の引き取られる速度に基づいて巻芯の駆動がフィードバック制御されていた従来技術とは異なり、制御に遅延が生じない。さらに、帯状材の搬送経路の途中に帯状材の速度を検出するための部材を別途設ける必要がないため、装置全体が複雑化やコストの増大を抑制することができる。
【0011】
手段2.断面非円形状をなし、帯状材を巻き取るための巻芯と、前記巻芯を回転させるための回転駆動手段と、前記巻芯の回転角度又は回転角度に関する情報を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記回転角度又は回転角度に関する情報に基づき、前記帯状材の巻き取られる速度をほぼ一定の速度とするべく前記回転駆動手段の駆動速度を演算し、前記回転駆動手段が前記駆動速度で駆動させるための制御手段とを備えたことを特徴とする巻取装置。
【0012】
手段2によれば、回転駆動手段によって、断面非円形状をなす巻芯が回転させられ、該回転に伴って帯状材が巻き取られる。かかる巻取に際し、巻芯の回転角度又は回転角度に関する情報が検出手段によって検出される。そして、検出された回転角度又は回転角度に関する情報に基づき、制御手段では、前記帯状材の巻き取られる速度がほぼ一定となるような回転駆動手段の駆動速度が演算され、その回転駆動手段が前記駆動速度で駆動させられる。従って、巻芯の回転角度に対応して回転駆動手段の駆動速度が適切に制御され、帯状材は、ほぼ一定速度で巻き取られることとなる。このため、巻取速度に斑が生じてしまうことが抑制され、帯状材にたるみ等が生じたり、巻ズレが生じたりしてしまうといった不具合が抑制される。また、そのときどきの巻芯の回転角度に応じたフィードフォワード制御が行われることから、帯状体の引き取られる速度に基づいて巻芯の駆動がフィードバック制御されていた従来技術とは異なり、制御に遅延が生じない。さらに、帯状材の速度を検出するための部材を別途設ける必要がないため、装置全体が複雑化やコストの増大を抑制することができる。
【0013】
手段3.前記巻芯は、長さを異にする短径部分と長径部分とを有しており、前記制御手段は、前記帯状材が前記巻芯の短径部分方向において巻き取られているときの前記回転駆動手段の駆動速度が、前記帯状材が前記巻芯の長径部分方向において巻き取られているときの前記回転駆動手段の駆動速度よりも早くなるよう前記回転駆動手段を駆動制御するものであることを特徴とする手段1又は2に記載の巻取装置。
【0014】
手段3によれば、巻芯は、長さを異にする短径部分と長径部分とを有しているため、仮に一定速度で巻芯が回転された場合には、帯状材の巻き取られる速度に差が生じてしまうこととなる。これに対し、本手段では、制御手段によって、帯状材が巻芯の短径部分方向において巻き取られているときの回転駆動手段の駆動速度が、長径部分方向において巻き取られているときの駆動速度よりも早くなるよう、回転駆動手段が駆動制御される。このため、帯状材の巻き取られるときの速度差がより確実に少なくさせられることとなり、手段1,2による作用効果がより確実に奏される。
【0015】
手段4.前記回転駆動手段は、回転軸を備えたサーボモータであり、前記検出手段は、前記サーボモータに搭載されたインクリメンタルタイプのエンコーダと、前記巻芯の回転に際しての原点位置を検出可能な原点センサとを備えていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の巻取装置。
【0016】
手段4によれば、サーボモータの回転軸が回転駆動されることに基づいて巻芯が回転させられる。また、サーボモータに搭載されたインクリメンタルタイプのエンコーダから、サーボモータの回転角度情報が得られることと、原点センサにより巻芯の回転に際しての原点位置が検出されることとに基づいて、巻芯の回転角度又は回転角度に関する情報が正確に得られる。従って、帯状材の搬送経路の途中に、回転体やエンコーダといった部材を別途設ける必要がなく、手段1乃至3の作用効果がより確実に奏されることとなる。
【0017】
手段5.前記検出手段は、さらに、前記エンコーダからのパルス及び原点センサからの原点位置検出信号に基づいて、前記巻芯の回転角度に対応するカウント数を出力可能なカウンタを備えていることを特徴とする手段4に記載の巻取装置。
【0018】
手段5によれば、検出手段のカウンタによって、エンコーダからのパルス及び原点センサからの原点位置検出信号に基づいて、巻芯の回転角度に対応するカウント数が出力されるため、巻芯の回転角度又は回転角度に関する情報が正確かつ容易に得られる。
【0019】
手段6.前記回転駆動手段は、回転軸を備えたサーボモータであり、前記検出手段は、前記サーボモータに搭載されたアブソリュートタイプのエンコーダであることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の巻取装置。
【0020】
手段6によれば、サーボモータの回転軸が回転駆動されることに基づいて巻芯が回転させられる。また、サーボモータに搭載されたアブソリュートタイプのエンコーダによって、サーボモータの絶対回転角度情報が得られることに基づいて、巻芯の回転角度又は回転角度に関する情報が正確に得られる。従って、帯状材の搬送経路の途中に、回転体やエンコーダといった部材を別途設ける必要がなく、手段1乃至3の作用効果がより確実に奏されることとなる。また、この場合、原点センサ等も不要となる。
【0021】
手段7.前記サーボモータの回転軸が1回転する間に、前記巻芯の半回転が丁度整数回行われるように前記サーボモータ及び前記巻芯間の回転伝達比を設定したことを特徴とする手段6に記載の巻取装置。
【0022】
手段7によれば、サーボモータの回転軸が1回転する間に、巻芯の半回転が丁度整数(0又は負の値は除かれる)回行われるようにサーボモータ及び巻芯間の回転伝達比が設定されている。このため、サーボモータの絶対回転角度情報に基づいて、巻芯の回転角度又は回転角度に関する情報を把握するに際して、複雑な過程を経ずとも容易かつ正確に把握することが可能となる。
【0023】
手段8.前記制御手段は、前記巻芯が1回転する間に前記エンコーダから出力されるパルス数を所定段階に分割し、該分割されたパルス数単位で、前記サーボモータの駆動速度を演算し、前記サーボモータを前記駆動速度で駆動させるべく速度指令を出力するものであることを特徴とする手段4乃至7のいずれかに記載の巻取装置。
【0024】
手段8によれば、制御手段では、巻芯が1回転する間にエンコーダから出力されるパルス数が所定段階に分割され、該分割されたパルス数単位で、サーボモータの駆動速度が演算され、速度指令が出力される。そして、これによりサーボモータが前記駆動速度で駆動させられる。このため、制御の複雑化を招くことなく、上記作用効果が奏されることとなる。
【0025】
手段9.長さを異にする短径部分と長径部分とを有するとともに対称形状をなし、帯状材を巻き取るための巻芯と、前記巻芯を回転させるためのサーボモータと、前記サーボモータに搭載され、少なくとも前記サーボモータの回転駆動に基づく信号を出力可能なエンコーダと、前記巻芯の回転角度が原点角度であることを検出可能な原点検出手段と、前記エンコーダからの信号及び前記原点検出手段からの原点角度検出に基づいて前記巻芯の回転角度又は回転角度に関する情報を把握するとともに、該把握に基づいて、前記帯状材の巻き取られる速度をほぼ一定の速度とするべく前記サーボモータの目標となる駆動速度を演算し、前記サーボモータを前記目標となる駆動速度で駆動させるための制御手段とを備えたことを特徴とする巻取装置。
【0026】
手段9によれば、巻芯がサーボモータによって回転させられ、これにより帯状材が巻き取られる。この巻芯は、長さを異にする短径部分と長径部分とを有するとともに対称形状をなしており、巻芯が一定速度で回転させられた場合には回転角度に応じて帯状材の巻き取られる量が相違することとなる。さて、サーボモータに搭載されたエンコーダにより、少なくともサーボモータの回転駆動に基づく信号が出力されるとともに、原点検出手段によって巻芯の回転角度が原点角度であることが検出される。そして、エンコーダからの信号及び原点検出手段からの原点角度検出に基づいて、制御手段では、巻芯の回転角度又は回転角度に関する情報が把握されるとともに、該把握に基づいて、サーボモータの目標となる駆動速度が演算され、サーボモータが前記目標となる駆動速度で駆動させられる。これにより、帯状材の巻き取られる速度がほぼ一定の速度させられる。このため、巻取速度に斑が生じてしまうことが抑制され、帯状材にたるみ等が生じたり、巻ズレが生じたりしてしまうといった不具合が抑制される。また、そのときどきの巻芯の回転角度に応じたフィードフォワード制御が行われることから、帯状体の引き取られる速度に基づいて巻芯の駆動がフィードバック制御されていた従来技術とは異なり、制御に遅延が生じない。さらに、帯状材の速度を検出するための部材を別途設ける必要がないため、装置全体が複雑化やコストの増大を抑制することができる。
【0027】
手段10.前記原点検出手段は、前記エンコーダに具備されたもの又は前記巻芯の回転に際しての原点位置を検出可能な原点センサであることを特徴とする手段9に記載の巻取装置。
【0028】
手段10によれば、巻芯の回転に際しての原点位置が確実に検出される。特に、前記原点検出手段がエンコーダに具備されたものである場合には、別途原点センサを設ける必要がなく、装置全体が複雑化やコストの増大をより確実に抑制することができる。
【0029】
手段11.長さを異にする短径部分と長径部分とを有するとともに対称形状をなし、帯状材を巻き取るための巻芯と、前記巻芯を回転させるための回転駆動手段と、前記巻芯の回転角度が原点角度であることを検出可能な原点検出手段と、前記巻芯が前記原点角度から少なくとも半回転するまでの間を1周期として、前記帯状材の巻き取られる速度をほぼ一定の速度とするべく、前記巻芯の回転角度に対して前記回転駆動手段の目標となる駆動速度を予め設定しておき、その設定した駆動速度で前記回転駆動手段を駆動させるべく角度位置指令を出力可能な制御手段とを備えたことを特徴とする巻取装置。
【0030】
手段11によれば、長さを異にする短径部分と長径部分とを有するとともに対称形状をなす巻芯が回転駆動手段によって回転させられ、これにより帯状材が巻き取られる。また、原点検出手段では、巻芯の回転角度が原点角度であることが検出される。ここで、制御手段では、巻芯が前記原点角度から少なくとも半回転するまでの間を1周期として、前記帯状材の巻き取られる速度をほぼ一定の速度とするべく、前記巻芯の回転角度に対して前記回転駆動手段の目標となる駆動速度が予め設定されている。そして、制御手段によって前記設定に基づく角度位置指令が出力され、前記設定された駆動速度で回転駆動手段が駆動させられる。このため、巻取速度に斑が生じてしまうことが抑制され、帯状材にたるみ等が生じたり、巻ズレが生じたりしてしまうといった不具合が抑制される。また、そのときどきの巻芯の回転角度に対応するフィードフォワード制御が行われることから、帯状体の引き取られる速度に基づいて巻芯の駆動がフィードバック制御されていた従来技術とは異なり、制御に遅延が生じない。さらに、帯状材の速度を検出するための部材のみならず、回転駆動手段(又は巻芯)の回転角度を把握するための手段を別途設ける必要もないため、装置全体の複雑化やコストの増大をより確実に抑制することができる。
【0031】
手段12.前記角度位置指令は、ピッチが前記回転駆動手段の回転駆動の駆動速度に比例するパルス信号に基づくものであることを特徴とする手段11に記載の巻取装置。
【0032】
手段12によれば、制御手段による角度位置指令は、ピッチが回転駆動手段の回転駆動の駆動速度に比例するパルス信号であるため、回転駆動手段を容易に制御することができる。
【0033】
手段13.前記帯状材は、プラス電極箔、マイナス電極箔及び前記両電極箔を絶縁状態に維持するためのセパレータよりなることを特徴とする手段1乃至12のいずれかに記載の巻取装置。
【0034】
手段13によれば、プラス電極箔、マイナス電極箔及び前記両電極箔を絶縁状態に維持するためのセパレータが巻き取られるに際し、上述した各作用効果が奏される。
【0035】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、第1の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0036】
図2に示すように、電解二重層コンデンサを製造するための巻取装置1は、回転駆動手段を構成するサーボモータ2の回転に基づいて回転可能に軸支された巻芯3を備えている。サーボモータ2には、エンコーダ4が直接的に搭載されている。巻芯3は、軸部5と、軸部5の先端に設けられた本体部6とを備えている。本体部6は例えば断面略楕円形状をなし、その中央にはスリット7が形成されている。また、巻芯3は、その軸線方向に出没可能となっており、非巻取時には没入状態、巻取時には突出状態をとるようになっている。
【0037】
図1に示すように、上記巻芯3には、図の上方から帯状体を構成する帯状のセパレータ11,12が供給されるようになっている。すなわち、セパレータ11,12は、絶縁紙よりなり、セパレータ原反繰出部13,14においてロール状に巻回されている。ロール状に巻回されたセパレータ11,12の搬送経路の途中には、所定の張力を付与するためのテンションローラ等が設けられている。
【0038】
また、同図において、巻取装置1は、帯状材を構成するマイナス電極箔15及びプラス電極箔16をそれぞれ前記巻芯3(巻取部)の方に案内するための機構が設けられている。すなわち、同図左部には、マイナス電極箔原反繰出部17において、帯状のマイナス電極箔15がロール状に巻回されている。同図右部には、プラス電極箔原反繰出部18において、帯状のプラス電極箔16がロール状に巻回されている。両電極箔15,16は、共にアルミニウム箔によって構成されている。
【0039】
前記マイナス電極箔15の搬送経路の途中には、該マイナス電極箔15を挟持してその先端を前記巻芯3の方へ案内するためのマイナス電極箔案内手段19が設けられている。同様に、プラス電極箔16の搬送経路の途中には、該プラス電極箔16を挟持してその先端を前記巻芯3の方へ案内するためのプラス電極箔案内手段20が設けられている。これら両案内手段19,20には、各電極箔15,16を切断するための図示しないカッタ等も設けられている。
【0040】
また、巻取装置1には、前記巻芯3の近傍(図1の巻取部近傍)において、前記セパレータ11,12を巻芯3に対し押さえ付けるための一対の押さえローラ21,22や、セパレータ11,12を切断するためのセパレータカッタ23や、セパレータ11,12の先端部分を把持して引っ張り込むためのセパレータチャック(図示略)等が設けられている。さらに、巻取装置1には、前記巻芯3の下方において、テープ24を貼着するための貼着機構25が設けられている。
【0041】
図2に示すように、巻芯3の軸部5及びサーボモータ2の回転軸2aには、タイミングベルト26が縣装されており、これにより、サーボモータ2の回転軸2aの回転駆動力が巻芯3に伝達されるようになっている。また、軸部5の基端部にはドグ27が設けられ、その近傍には、フォトセンサよりなる原点センサ28が設けられている。すなわち、巻芯3が回転して、ドグ27が所定位置に到達したとき、その旨が原点センサ28によって検出され、これにより原点位置信号が出力されるようになっている。
【0042】
図4は、本実施の形態における前記巻芯3の回転(回転速度)を制御するための電気的構成を示すブロック図である。巻取装置1は、巻芯3の回転制御を司るための制御部31を備えている。制御部31はパルスカウンタ32、演算装置33及びメモリ34を備えている。メモリ34には、操作パネル等より入力された初期データ(例えば巻芯3の本体部6の長径及び短径等)や、前記原点センサ28による検出があった場合には巻芯3の回転角度が所定の原点角度(例えば0度度)であるといった設定事項等の各種データが記憶されている。そして、演算装置33での演算に際し、前記各種データが参酌されるようになっている。
【0043】
また、前記サーボモータ2に搭載されたエンコーダ4は、いわゆるインクリメンタルタイプであって、巻芯3(軸部5)の相対回転位置を検出するべく、パルス信号を出力するようになっている。該パルス信号は、基本的にはサーボモータ2の回転速度を制御するためのサーボアンプ35に入力されるのであるが、本実施の形態では、前記エンコーダ4より出力されたパルス信号は、別途制御部31のパルスカウンタ32へも出力されるようになっている。
【0044】
そして、原点センサ28からの原点位置信号と、エンコーダ4からのパルス信号とに基づいて、パルスカウンタ32では、現在の巻芯3の回転角度に対応するパルス数が計数されるようになっており、その計数信号が演算装置33へと入力されるようになっている。なお、パルスカウンタ32では、巻芯3が1回転する間にエンコーダ4から出力されるパルス数(後述するパルス数P)と同数の数値が予め設定されており、計数されるカウント数が前記設定された数値に達した場合に、該カウント数が0にクリアされるようになっている。さらに、演算装置33では、前記計数信号に基づいて、前記メモリ34に記憶された各種データを参酌しつつ、指令速度を演算し、該指令速度に対応する指令信号をサーボアンプ35へと出力するようになっている。そして、サーボアンプ35は、前記指令信号に基づいてサーボモータ2の回転速度をフィードフォワード制御するとともに、エンコーダ4からのパルス信号に基づいて速度補正等を行うようになっている。
【0045】
次に、上記のように構成されてなる巻取装置1を用いた巻取手法の概略について簡単に説明する。
【0046】
まず、図3(a)に示すように、図示しないセパレータチャックにて、前記2枚のセパレータ11,12の先端部分を把持し、図の下方へと引っ張り込む。次に、それまで没入状態にあった巻芯3を突出させる。すると、この時点において、巻芯3のスリット7内にセパレータ11,12が入り込む格好となる。
【0047】
続いて、図3(b)に示すように、巻芯3を所定角度(図では90度)だけ回動させるとともに、前記一対の押さえローラ21,22にてセパレータ11,12が位置ズレしないように押さえ付ける。またこのとき、前記セパレータチャックによる把持を解除する。
【0048】
この状態から、図3(c)に示すように、さらに巻芯3を所定角度(図ではさらに180度)だけ回動させる。この時点で、セパレータ11,12は巻芯3に巻き付かれ、位置ズレ等のおそれがなくなる。そして、この時点において、前記押さえローラ21,22による押さえを解除する。
【0049】
続いて、前記マイナス電極箔案内手段19及びプラス電極箔案内手段20によって、図3(d)に示すように、それぞれマイナス電極箔15及びプラス電極箔16を所定位置に案内する。より詳しくは、互いに絶縁状態が維持されるように、セパレータ11,12で挟み込まれるように両電極箔15,16を案内する。なお、このとき一方の電極箔15又は16をまず案内しておき、所定角度(例えば360度)だけ巻芯3を回転させた後で、他方の電極箔16又は15を案内することとしてもよい。
【0050】
その後、巻芯3を高速で回転させることで、巻芯3に対し、セパレータ11,12及び電極箔15,16を巻き付けてゆく。そして、所定回転数だけ巻き取った後、仕上げ段階として、両電極箔15,16を前記案内手段19,20に設けられたカッタで切断し、その後セパレータカッター23でセパレータ11,12を切断する。さらにその後、貼着機構25によって、外周部分にテープ24が貼付けられる。これにより、電解コンデンサ素子が得られることとなる。該電解コンデンサ素子は、巻芯3が没入することによって該巻芯3から取り外される。このように、上記一連の工程を経ることで、巻取作業が完了する。
【0051】
さて、次には、このような巻取作業を行うに際し、前記巻芯3の高速回転中の速度制御に関して詳細に説明することとする。
【0052】
本実施の形態におけるサーボモータ2は、前記高速回転に際し、一定の速度で回転させられる訳ではなく、後述するように、制御部31によるフィードフォワード制御が実行された上で速度が制御される。
【0053】
ここで、本実施の形態のような断面非円形状(例えば断面略楕円形状)の巻芯3が採用されている場合、該巻芯3の回転速度を一定にすると、セパレータ11,12、両電極箔15,16(以下、これらを便宜上帯状材と称する)が巻き取られる速度には、図5に記すように斑が生じることとなる。より詳しくは、同図において、例えば、巻芯3が長径がW、短径がLの断面略楕円形状をなしているとして、その巻芯3の長径が縦方向を向いているときの回転角度を0度とし、かつ、そのときの帯状材の巻き取られる速度をVとする。回転角度が0度から90度に至るまでの間、帯状材の巻き取られる速度(長さ)は増大し、回転角度が90度のときの帯状材の巻き取られる速度はおよそV*(W/L)となる。また、回転角度が90度から180度に至るまでの間、帯状材の巻き取られる速度(長さ)は減少し、回転角度が180度のときの帯状材の巻き取られる速度はおよそVとなる。このように、断面略楕円形状の巻芯3を一定速度で回転させた場合には、帯状材の巻き取られる速度は略正弦波状に変化することとなる。
【0054】
上記の事象を踏まえて、本実施の形態では、図6に示すように、サーボモータ2の回転速度に関しフィードフォワード制御を実行するようにしている。すなわち、前記回転角度が0度に相当する時点から1回転して回転角度が360度に相当する時点までの間にエンコーダ4から出力されるパルスの数をPとする。このパルス数Pを所定数で分割し(図では16分割)、各分割パルス数毎にサーボモータ2の指令速度を設定することとしている。つまり、回転角度が0度に相当する時点に相当する時点でのパルス数カウント値を0として、パルス数カウント値が0のときの指令速度を例えばS*W/Lに設定したとする。次に、パルス数カウント値が0を超えてP/16となるまでの間、P/16を超えてP/8となるまでの間、P/8を超えて3P/16となるまでの間といった具合に段階的に指令速度を遅くしていき、3P/16を超えてP/4となるまでの間の速度指令をS(速度指令の中では最小の値)に設定する。
【0055】
そして、パルス数カウント値がP/4を超えて5P/16となるまでの間、5P/16を超えて3P/8となるまでの間、3P/8を超えて7P/16となるまでの間といった具合に段階的に指令速度を早くしていき、7P/16を超えてP/2となるまでの間の速度指令をS*W/L(速度指令の中では最大の値)に設定する。このような速度指令の変更をP/16ずつのピッチで行ってゆく。つまり、上記図3の波形とは逆の波形(図では矩形波であるが、滑らかな波形でもよい)を描くよう、回転角度(位置)に応じてサーボモータ2の指令速度を変更してゆくのである。
【0056】
このように、本実施の形態によれば、巻芯3の角度を検出し、その角度に応じて速度指令が変更されるようなフィードフォワード制御を行うこととしている。このため、別途搬送経路途中にローラを設けるとともに、該ローラに検出手段を設け、検出された巻取速度に基づいて巻芯の駆動がフィードバック制御されていた従来技術とは異なり、制御に遅延が生じてしまうことがない。すなわち、本実施の形態では、巻芯3の形状に起因する巻取速度の斑を予め把握しておき、その把握結果に基づいて回転角度(位置)に応じて回転速度をそのときどきに応じて変更することとしている。従って、帯状材が巻き取られる速度に斑が生じにくく、結果として、帯状材にたるみ等が生じたり、巻ズレが生じたりしてしまうといった不具合を起こりにくくすることができる。特に、巻芯3の回転速度が高速になったとしても、従来技術による遅延等が起こらない。
【0057】
また、搬送経路の途中に回転体やエンコーダといった部材を別途設ける必要があった従来技術とは異なり、エンコーダ4の搭載されたサーボモータ2を用いるといった比較的簡易な構成でもって上記作用効果が奏される。その結果、装置全体の複雑化、コストの増大といった不具合をも抑制することができる。
【0058】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。但し、上述した第1の実施の形態と重複する点についてはその説明を省略することとし、以下には相違点を中心として説明することとする。
【0059】
上記第1の実施の形態では、巻芯3の回転角度を把握するために、インクリメンタルタイプのエンコーダ4を採用することとし、また、軸部5にドグ27を設けるとともに、その近傍に原点センサ28を設けることとしていた。これに対し、本実施の形態では、図7に示すように、ドグ27及び原点センサ28を省略することとしている。また、これとともに、前記エンコーダ4に代えて、アブソリュートタイプのエンコーダ40をサーボモータ2に搭載することとしている。
【0060】
図8は、本実施の形態における前記巻芯3の回転(回転速度)を制御するための電気的構成を示すブロック図である。本実施の形態における制御部41は、演算装置42及びメモリ43を備えており、第1の実施の形態で用いられているパルスカウンタが省略されている。メモリ43には、第1の実施の形態と同様の各種データが記憶されている。
【0061】
さて、サーボモータ2に搭載されたアブソリュートタイプのエンコーダ40は、巻芯3(軸部5)の絶対回転位置を検出するべく、現在位置信号を出力するようになっている。該現在位置信号は、基本的にはサーボモータ2の回転軸2aの回転角度を示す信号である。従って、サーボモータ2の回転軸2aの回転角度と、巻芯3の軸部5の回転角度との対応関係が予め把握できていれば、前記現在位置信号に基づいて巻芯3の回転角度(位置)が把握できることとなる。例えば、回転軸2aと軸部5の回転伝達比は1:1であれば、現在位置信号はそのまま巻芯3の回転角度信号となる。上記比率は特に限定されるものではないが、サーボモータ2の回転軸2aが1回転する間に、巻芯3の半回転が丁度整数回分となるように前記伝達比を設定するのが望ましい。
【0062】
そして、演算装置42では、エンコーダ40より入力される現在位置信号に基づき、回転伝達比を参酌しつつ、巻芯3の回転角度を把握するとともに、指令速度を上記第1の実施の形態と同様の要領で算出する。さらに演算装置42は、上記実施の形態と同様のフィードフォワード制御を実行すべく、サーボアンプ35に対し、速度指令信号を出力する。
【0063】
このように、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の作用効果に加えて、アブソリュートタイプのエンコーダ40を用いることで、ドグ27及び原点センサ28を省略できるというメリットがある。
【0064】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。上記第1及び第2の実施の形態では、巻芯3の現在の回転角度(現在位置)を把握(検出)した上で、サーボモータ2の回転速度を制御する点に特徴を有している。これに対し、本実施の形態では、現在の回転角度(現在の位置)を逐一把握するようなことを行わないという点に特徴を有している。なお、本実施の形態において用いられるエンコーダは、インクリメンタルタイプでも、アブソリュートタイプでもよいが、以下にはインクリメンタルタイプのエンコーダ4を用いた場合を中心として説明する。
【0065】
図9に示すように、巻芯3の回転制御を司るための制御部51は第1の実施の形態と同様にパルスカウンタ52、演算装置53及びメモリ54を備えている。メモリ54には、上記各実施の形態と同様、各種データが記憶されている以外にも、上記第1の実施の形態で説明した図6に示すようなチャート(巻芯3が1回転(半回転でもよい)する間のパルス数毎のサーボモータ2の目標となる駆動速度)が記憶されている。
【0066】
また、サーボモータ2に搭載されたインクリメンタルタイプのエンコーダ4は、パルスをサーボアンプ35にのみ出力するようになっている。
【0067】
そして、原点センサ28からの原点位置信号と、演算装置53が出力したパルス信号とに基づいて、パルスカウンタ52では、現在の巻芯3の回転角度に対応するパルス数が計数されるようになっており、その計数信号が演算装置53へと入力されるようになっている。なお、パルスカウンタ52では、第1の実施の形態と同様、巻芯3が1回転する間にエンコーダ4から出力されるパルス数と同数の数値が予め設定されており、計数されるカウント数が前記設定された数値に達した場合に、該カウント数が0にクリアされるようになっている。
【0068】
さて、演算装置53では、前記計数信号に基づいて、原点位置が把握される。また、演算装置53は、指令速度を演算していた上記実施の形態とは異なり、前記原点位置に基づいて位置指令を行うべく、サーボアンプ35に対しパルスを出力する。より詳しく説明すると、ここにいうパルスは、速度及び相対移動量に関する情報を具備しており、所定時間内に多くのパルスが出力された場合にはサーボアンプ35によってサーボモータ2が高速で回転させられることとなる。このため、原点位置を検出した演算装置53は、メモリ54に記憶されている前記チャートに従って、角度位置指令たるパルス(位置指令)を出力してやることで、フィードフォワード制御を実行するのである。このように構成したとしても、制御に遅延が生じてしまうことがなく、帯状材が巻き取られる速度に斑を生じにくくすることができ、結果として、帯状材にたるみ等が生じたり、巻ズレが生じたりしてしまうといった不具合を起こりにくくすることができる。また、装置全体の複雑化、コストの増大といった不具合をも抑制することができる。
【0069】
なお、上記制御を行うに際しては、巻芯3が1回転する毎に原点位置を検出することとしてもよいし、一旦検出した後は、巻取が終了するまでひたすらパルス(位置指令)を出力し続けることとしてもよい。
【0070】
また、前記インクリメンタルタイプのエンコーダ4に代えて、アブソリュートタイプのエンコーダ40を用いることとしてもよい。この場合には、原点センサ28、パルスカウンタ52等を省略することもできる。
【0071】
さらに、本実施の形態において、サーボアンプ35及びサーボモータ2に代えて、パルスモータを用いることとしてもよい。
【0072】
尚、上述した実施の形態の記載内容に限定されることなく、例えば次のように実施してもよい。
【0073】
(a)上記実施の形態では、断面略楕円形状をなす巻芯3を採用することとしたが、採用される巻芯は、一定速度で回転させられたときに帯状材の巻き取られる速度に差異が生じうる断面非円形状をなしていればよい。従って、例えば断面略長方形状、断面略正方形状(正多角形状)、断面略菱形状、断面略長円形状等をなしていてもよい。また、相対する2枚の板状体によって巻芯を構成してもよい。
【0074】
(b)電気二重層コンデンサ以外にも、リチウムイオン電池等の電池類、或いは、アルミ電解コンデンサ等の他のコンデンサ類を製造する際に用いられる巻取装置に具体化することも可能である。
【0075】
(c)帯状材の種類や枚数は、上記実施の形態のものに限定されるものではなく、例えばセパレータの枚数を1枚としてもよい。
【0076】
(d)タイミングベルト26等を介することなくサーボモータ2の回転軸2aに対し巻芯3を直接連結してもよい。
【0077】
(e)上記実施の形態では、断面略楕円形状の巻芯3を採用している都合上、略正弦波状のチャートに従ってサーボモータ2の回転速度を制御するようにしているが、チャートの形状は巻芯の形状によって臨機応変に設定すればよく、必ずしも正弦波状に限定されるものではない。
【0078】
(f)上記実施の形態では1回転分のパルス数を16分割することとしているが、分割数は何ら制限されるものではない。すなわち、より細やかな制御を行おうとすれば、さらに分割数を増やしてやって、滑らかな曲線に近づけることが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る巻取装置の概略構成を示す正面図である。
【図2】巻取装置の主要部分を示す部分斜視図である。
【図3】巻芯への巻取工程を説明するための模式図である。
【図4】巻取装置の主要部分の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】巻芯の回転速度を一定とした場合の回転角度に対する帯状材の巻き取られる速度の関係を示すグラフである。
【図6】パルス数カウント値に対するサーボモータへの指令速度の関係を示すチャートである。
【図7】第2の実施の形態における巻取装置の主要部分を示す部分斜視図である。
【図8】巻取装置の主要部分の電気的構成を示すブロック図である。
【図9】第3の実施の形態における巻取装置の主要部分の電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…巻取装置、2…回転駆動手段を構成するサーボモータ、2a…回転軸、3…巻芯、4、40…検出手段を構成するエンコーダ、11,12…帯状体を構成するセパレータ、15…帯状体を構成するマイナス電極箔、16…帯状体を構成するプラス電極箔、27…ドグ、28…原点検出センサ、31,41,51…制御手段を構成する制御部、32…カウンタを構成するパルスカウンタ、33,42,53…演算装置、34,43,54…メモリ、35…サーボアンプ。

Claims (12)

  1. プラス電極箔、マイナス電極箔及び前記両電極箔を絶縁状態に維持するためのセパレータよりなる帯状材を巻き取るための巻芯と、
    前記巻芯を回転させるための回転駆動手段とを備えた巻取装置であって、
    前記巻芯は断面非円形状をなし、
    前記巻芯の回転角度又は回転角度に関する情報を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された前記回転角度又は回転角度に関する情報に基づき、前記帯状材の巻き取られる速度が所定速度となるような前記回転駆動手段の駆動速度を演算し、前記回転駆動手段を前記駆動速度で駆動させるようフィードフォワード制御を行う制御手段と
    を備えたことを特徴とする巻取装置。
  2. プラス電極箔、マイナス電極箔及び前記両電極箔を絶縁状態に維持するためのセパレータよりなる帯状材を巻き取るための巻芯と、
    前記巻芯を回転させるための回転駆動手段とを備えた巻取装置であって、
    前記巻芯は断面非円形状をなし、
    前記巻芯の回転角度又は回転角度に関する情報を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された前記回転角度又は回転角度に関する情報に基づき、前記帯状材の巻き取られる速度をほぼ一定の速度とするべく前記回転駆動手段の駆動速度を演算し、前記回転駆動手段前記駆動速度で駆動させるようフィードフォワード制御を行う制御手段と
    を備えたことを特徴とする巻取装置。
  3. 前記巻芯は、長さを異にする短径部分と長径部分とを有しており、前記制御手段は、前記帯状材が前記巻芯の短径部分方向において巻き取られているときの前記回転駆動手段の駆動速度が、前記帯状材が前記巻芯の長径部分方向において巻き取られているときの前記回転駆動手段の駆動速度よりも早くなるよう前記回転駆動手段を駆動制御するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の巻取装置。
  4. 前記回転駆動手段は、回転軸を備えたサーボモータであり、前記検出手段は、前記サーボモータに搭載されたインクリメンタルタイプのエンコーダと、前記巻芯の回転に際しての原点位置を検出可能な原点センサとを備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の巻取装置。
  5. 前記検出手段は、さらに、前記エンコーダからのパルス及び原点センサからの原点位置検出信号に基づいて、前記巻芯の回転角度に対応するカウント数を出力可能なカウンタを備えていることを特徴とする請求項4に記載の巻取装置。
  6. 前記回転駆動手段は、回転軸を備えたサーボモータであり、前記検出手段は、前記サーボモータに搭載されたアブソリュートタイプのエンコーダであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の巻取装置。
  7. 前記サーボモータの回転軸が1回転する間に、前記巻芯の半回転が丁度整数回行われるように前記サーボモータ及び前記巻芯間の回転伝達比を設定したことを特徴とする請求項6に記載の巻取装置。
  8. 前記制御手段は、前記巻芯が1回転する間に前記エンコーダから出力されるパルス数を所定段階に分割し、該分割されたパルス数単位で、前記サーボモータの駆動速度を演算し、前記サーボモータを前記駆動速度で駆動させるべく速度指令を出力するものであることを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の巻取装置。
  9. プラス電極箔、マイナス電極箔及び前記両電極箔を絶縁状態に維持するためのセパレータよりなる帯状材を巻き取るための巻芯と、
    前記巻芯を回転させるためのサーボモータとを備えた巻取装置であって、
    前記巻芯は長さを異にする短径部分と長径部分とを有するとともに対称形状をなし、
    前記サーボモータに搭載され、少なくとも前記サーボモータの回転駆動に基づく信号を出力可能なエンコーダと、
    前記巻芯の回転角度が原点角度であることを検出可能な原点検出手段と、
    前記エンコーダからの信号及び前記原点検出手段からの原点角度検出に基づいて前記巻芯の回転角度又は回転角度に関する情報を把握するとともに、該把握に基づいて、前記帯状材の巻き取られる速度をほぼ一定の速度とするべく前記サーボモータの目標となる駆動速度を演算し、前記サーボモータを前記目標となる駆動速度で駆動させるようフィードフォワード制御を行う制御手段と
    を備えたことを特徴とする巻取装置。
  10. 前記原点検出手段は、前記エンコーダに具備されたもの又は前記巻芯の回転に際しての原点位置を検出可能な原点センサであることを特徴とする請求項9に記載の巻取装置。
  11. プラス電極箔、マイナス電極箔及び前記両電極箔を絶縁状態に維持するためのセパレータよりなる帯状材を巻き取るための巻芯と、
    前記巻芯を回転させるための回転駆動手段とを備えた巻取装置であって、
    前記巻芯は長さを異にする短径部分と長径部分とを有するとともに対称形状をなし、
    前記巻芯の回転角度が原点角度であることを検出可能な原点検出手段と、
    前記巻芯が前記原点角度から少なくとも半回転するまでの間を1周期として、前記帯状材の巻き取られる速度をほぼ一定の速度とするべく、前記巻芯の回転角度に対して前記回転駆動手段の目標となる駆動速度を予め設定しておき、その設定した駆動速度で前記回転駆動手段を駆動させるべく角度位置指令を出力可能な制御手段と
    を備えたことを特徴とする巻取装置。
  12. 前記角度位置指令は、ピッチが前記回転駆動手段の回転駆動の駆動速度に比例するパルス信号に基づくものであることを特徴とする請求項11に記載の巻取装置。
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