JP4446648B2 - 基準位置学習装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン若しくはその周辺機器の、例えばモータを駆動源とするスロットルバルブ等の被操作体についてその操作位置をフィードバック制御する制御システムに適用され、被操作体の操作位置制御に際して基準となる位置をエンジンの停止後において学習する基準位置学習装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ディーゼルエンジンの出力調整は主に燃料噴射量制御によって行われるため、従来、吸入空気量制御に対する要求は低かった。しかしながら近年高まりつつあるエミッション向上の要求を満たすためには、排気ガス還流(以下「EGR」という)装置を通じて大量のEGR量を確保することが必要となってきている。そして、このような大量のEGR量を確保するためには、ディーゼルエンジンへの吸入空気量そのものを制御する必要が生じるようになってきている。そこで、吸入空気量制御を可能とするためにアクセルペダルとは連動せずに独立して高精度の開度制御が可能なモータ駆動式スロットルシステムが提案されている。
【0003】
このようなシステムは通常、上記吸入空気の調量弁であるスロットルバルブの回転軸に連結されたモータと、同スロットルバルブの開度(スロットル開度)を検出する位置センサとを備えている。そして、位置センサにより検出される現在のスロットル開度と、実現しようとするスロットル開度との偏差に応じてモータの駆動を行うことで開度制御が行われる。
【0004】
ここで、こうした開度制御を正確に行うには、位置センサにより検出されるスロットル開度と実際のスロットル開度とが常に正しく対応している必要がある。しかしながら、位置センサの個体差やその出力特性の経時変化、あるいは取付誤差等々によって、同センサにより検出されるスロットル開度と実際のスロットル開度とが正確に対応しなくなる場合がある。
【0005】
そこで、こうしたシステムにあっては、スロットル開度の制御に際してその基準となる位置を学習する基準位置学習装置を備えることが通例となっている。この基準位置学習装置では、例えばエンジンへの吸入空気の流入が遮断されるようになるスロットルバルブの操作位置、いわゆる全閉位置を基準位置として学習する。これにより、位置センサによって検出されるスロットル開度と実際のスロットル開度との対応関係が維持されるようになる。
【0006】
また、こうした基準位置学習装置には、エンジン停止後においてもそのシステム制御部(エンジン制御ユニット)やモータへの給電を一定の時間だけ確保するためのメインリレーが設けられている。これは次の理由による。ディーゼルエンジンでは通常、上記スロットルバルブの操作位置がエンジン停止時にのみ全閉位置となる。このため、基準位置としてのスロットル全閉位置を学習するためには、同学習を、通常は上記制御部やモータへの給電が遮断されるエンジン停止後に実行する必要がある。そこで、こうしたエンジン停止後も、一定の時間だけは上記制御部やモータへの給電が継続されるように設定された上記メインリレーを通じてエンジン停止後における同制御部やモータへの給電を確保し、これによってエンジン停止後における上記学習の実行を可能にしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンの停止後は、可能な限り早期に上記制御部に対する給電が遮断されることが望ましい。すなわち、上記従来の基準位置学習装置にあっても、上記メインリレーによって設定される一定の時間はできるだけ短い時間であることが望ましい。
【0008】
しかしながら、上記学習は通常、例えば制御部やモータ等に対する安定した給電が確保されていること等といった、上記開度制御が安定して行われることを保証する前提条件が満たされてはじめて実行される。
【0009】
このため、例えばエンジンの停止直前に大きな電力が必要とされる制御や操作がなされていたような場合には、エンジンの停止後、バッテリ電圧がこうした前提条件を満たし得る程度に回復する以前に上記メインリレーがオフとなり、上記学習を実行することができなくなることもある。
【0010】
また、可変容量型ターボチャージャを備えるディーゼルエンジンにあっては、可変ノズルベーンの基準位置についても、エンジンの停止後、同様の基準位置学習が行われることがある。そして、このような場合には、それら両方の基準位置学習でエンジン停止後のバッテリ電圧を消費することとなるため、学習実行のための上記前提条件を早期に満たすことが更に困難となる。
【0011】
一方、従来は、例えば特開平7−27009号公報に見られるように、学習が終了した後にメインリレーをオフにするようにした装置も知られている。このような装置によれば、学習が完了したタイミングでメインリレーをオフにすることが可能になり、学習の実行機会を増やす意味では確かに有利な構成となる。しかしながら、このような装置の場合、上述のようにバッテリ電圧が低く、上記前提条件が満たされないようなことがあると、いつまでたってもメインリレーがオフされず、ひいてはバッテリ電圧の更なる浪費を招くといった新たな不都合が生じるようになる。
【0012】
なお、こうした不都合の発生が懸念される装置は、上述したスロットルバルブの全閉位置を開度制御の基準位置として学習する装置には限られない。例えば、上述した可変容量型ターボチャージャの可変ノズルベーン等を被操作体としてその特定の操作位置を基準位置として学習する装置等にあっても、それら学習がエンジン停止後に実行されるものにあっては、こうした実情も概ね共通したものとなっている。
【0013】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、エンジン停止後における基準位置の学習についての実行機会の確保と、制御部等に対する給電の早期の遮断との好適な両立を図ることのできる基準位置学習装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、エンジン若しくはその周辺機器に搭載されて適宜の駆動手段により操作される被操作体についてその操作位置を検出する位置センサを備え、該位置センサにより検出される操作位置に基づくフィードバック制御を通じて前記被操作体の位置制御を行う制御システムにあって、前記エンジンの停止後に、前記位置センサにて検出される被操作体の特定の操作位置をその位置制御にかかる基準位置として学習する基準位置学習装置において、前記被操作体の位置制御態様に基づいて前記学習の実行についての可否判定を行う学習制御手段と、前記被操作体の位置制御態様に基づいて前記学習の実行のための給電の遮断を許可する第1の処理及び、前記学習制御手段により前記学習の実行が不可能である旨の判定結果が得られたときにはこれをもって速やかに前記制御システムへの給電を遮断する第2の処理を行う給電制御手段とを備えることを要旨としている。
【0015】
(2)請求項2に記載の発明は、エンジン若しくはその周辺機器に搭載される被操作体の操作位置を検出する位置センサを備え、この位置センサにより検出される操作位置に基づくフィードバック制御を通じて前記被操作体の位置制御を行う制御システムにあって、前記エンジンの停止後に前記位置センサにより検出される前記被操作体の特定の操作位置を前記位置制御の基準位置として学習する基準位置学習装置において、前記エンジンの停止後に前記学習を実行することが可能か否かを判定する学習制御手段と、前記被操作体の位置制御態様に基づいて前記学習の実行のための給電の遮断を許可する第1の処理及び、前記学習制御手段により前記学習の実行が可能である旨の判定結果が得られたとき、これに基づいて前記制御システムへの給電を維持し、前記学習の完了後に前記制御システムへの給電を遮断する第の処理及び、前記学習制御手段により前記学習を実行することが不可能である旨の判定結果が得られたとき、これに基づいて速やかに前記制御システムへの給電を遮断する第の処理を行う給電制御手段とを備えることを要旨としている。
【0016】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の基準位置学習装置において、前記給電制御手段は、前記学習制御手段により前記学習の実行が可能である旨の判定結果が得られてから一定時間が経過したことをもって前記学習が完了している旨判定し、これに基づいて前記制御システムへの給電を遮断することを要旨としている。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基準位置学習装置において、前記学習制御手段は、前記エンジンの停止後に前記被操作体の操作位置が前記特定の操作位置にあるか否かを判定し、前記被操作体の位置が前記特定の操作位置にある旨の判定結果が得られた後に前記学習を実行することが可能か否かの判定を行うことを要旨としている。
【0017】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の基準位置学習装置において、前記学習制御手段は、前記学習を実行することが可能か否かの判定を行う前に前記被操作体の操作位置を前記特定の操作位置に変更する処理を行うことを要旨としている。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基準位置学習装置において、前記学習制御手段は、前記被操作体の操作位置が前記特定の操作位置になったこと、及び前記学習の実行に必要とされる給電状態が確保されていることの論理積条件が満たされるときに前記学習の実行が可能である旨判定することを要旨としている。
【0018】
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基準位置学習装置において、前記給電制御手段は、前記被操作体の操作位置が前記特定の操作位置になったこと、及び前記エンジンの回転が停止に至ったことの論理積条件が満たされるときに前記給電の遮断を許可することを要旨としている。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基準位置学習装置において、前記学習制御手段は、前記位置センサにより検出される前記被操作体の操作位置が前記特定の操作位置である状態について、これが所定時間以上にわたり継続して検出されることをもって前記被操作体の実際の操作位置が前記特定の操作位置にある旨判定することを要旨としている。
【0019】
(9)請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基準位置学習装置において、前記被操作体として、前記エンジンに吸入される空気を調量するスロットルバルブを備え、前記被操作体を操作する駆動手段として、電動モータを備えることを要旨としている。
(10)請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の基準位置学習装置において、前記エンジンはディーゼルエンジンであり、前記被操作体の前記特定の操作位置は前記スロットルバルブの全閉位置であることを要旨としている。
【0020】
以下、上記発明による作用効果について記載する。
・上記(1)または(2)に記載の発明によれば、基準位置の学習の実行についての可否判定と、同学習の実行のための給電の遮断とをそれぞれ独立した制御系によって各別に制御することが可能になる。このため、基準位置の学習の実行が可能なときには、同学習を確実に実行した上で、制御部への給電を遮断することが可能になる。その一方、学習の実行が不可能なときには、その判定がなされたことをもって制御部への給電を速やかに遮断することが可能になる。従って、エンジン停止後における基準位置の学習についての実行機会の好適な確保と、制御システムの制御部等に対する給電の早期の遮断との好適な両立を図ることができるようになる。
【0021】
・上記(6)に記載の発明によれば、被操作体の操作位置が特定の操作位置になっているときであって、且つ制御システムによる安定した被操作体の位置制御が可能なときに、基準位置の学習の実行が可能と判定されるようになる。従って、制御システムの異常に起因する基準位置の誤学習についてはこれを好適に抑制することができるようになる。
【0022】
・上記(7)に記載の発明によれば、論理積条件が満たされたとき、換言すれば、基準位置の学習を実行するための必要条件が満たされたときにのみ、同学習のための給電の遮断が許可されるようになる。これにより、意図せぬ給電の遮断を好適に抑制することが可能になる。
【0023】
・上記(8)に記載の発明によれば、被操作体の操作位置が特定の操作位置で所定時間以上安定したことをもって、同被操作体の操作位置が特定の操作位置になったと判定されるようになる。これにより、学習制御手段であれ、給電制御手段であれ、当該条件のより確実な認識のもとに、学習可能の判定や給電遮断の許可判断を行うことができるようになる。
【0024】
・上記(9)に記載の発明によれば、前記課題を直接解消する特に望ましい成果を得ることができる。
・上記(10)に記載の発明によれば、基準位置の学習に際して、スロットルバルブの全閉位置をエンジン停止後において学習せざるを得ないディーゼルエンジンに適用される基準位置学習装置にあって、同学習についての実行機会の確保と、制御部やモータに対する給電の早期の遮断との好適な両立を図ることができるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる基準位置学習装置の一実施の形態について、図1〜図6を参照して説明する。
【0026】
ここでは先ず、本実施の形態にかかる基準位置学習装置の概略構成について、図1を参照して説明する。
なお、図1は、本実施の形態にかかる基準位置学習装置が適用されるディーゼルエンジン、並びにその周辺機器についてその概略構成を示している。
【0027】
同図1に示されるように、ディーゼルエンジン11の燃焼室12には、吸気バルブ(図示略)を備える吸気ポートを介して吸気通路13が接続されている。この吸気通路13には、スロットルバルブ14が設けられている。このスロットルバルブ14の開閉制御を通じて、燃焼室12内に導入される吸入空気量が調整される。また、燃焼室12には排気バルブ(図示略)を備える排気ポートを介して排気通路15が接続されている。
【0028】
一方、本実施の形態の装置は、排気通路15から分岐して吸気通路13の、特にスロットルバルブ14の下流側に合流するEGR(排気再循環)通路16が設けられている。このEGR通路16の途中には、例えばダイアフラム等といったアクチュエータ17によって開閉駆動されるEGR制御バルブ18が設けられている。そして、上記スロットルバルブ14によって吸入空気量を、またこのEGR制御バルブ18によってEGR量をそれぞれ調整することで、燃焼室12内に導入される吸入空気量に対するEGR量の割合であるEGR率が自在に設定されるようになっている。これにより、エンジン11の全運転領域にわたって適切なEGR制御が行われる。
【0029】
また、エンジン11の副燃焼室12aには、燃料を噴射するための燃料噴射ノズル19が設けられている。この燃料噴射ノズル19は、燃料噴射ポンプ20に接続されている。この燃料噴射ポンプ20は、エンジン11の出力軸11aの回転に基づき駆動されて燃料噴射ノズル19に対し燃料を加圧供給する。
【0030】
さらに、本実施の形態の装置は、エンジン11及びその周辺機器に対する給電(オン)とその遮断(オフ)とを切り替えるイグニション(IG)スイッチ21及びメインリレー22が設けられている。具体的には、エンジン11及びその周辺機器は、これらIGスイッチ21及びメインリレー22を介してバッテリ23に接続されている。これにより、エンジン11及びその周辺機器には、IGスイッチ21及びメインリレー22のうち少なくとも一方が「オン」操作されているときにのみ、バッテリ23からの給電がなされるようになっている。
【0031】
さらに、本実施の形態の装置には、エンジン11の運転状態を検出するために、以下の各種センサ等が設けられている。すなわち、スロットルバルブ14の近傍には、その操作位置(スロットル開度TA)を検出するためのスロットルセンサ31が設けられている。また、上記燃料噴射ポンプ20内には、エンジン11の回転速度NEを検出するための回転速度センサ32が設けられている。
【0032】
一方、本実施の形態の装置は、例えばマイクロコンピュータ等からなる電子制御装置30を備えている。この電子制御装置30は、上記スロットルセンサ31や回転速度センサ32等の検出信号を取り込むとともに、それら検出信号に基づき判断されるエンジン11の運転状態に応じて、上記スロットルバルブ14や、アクチュエータ17等を制御する。
【0033】
次に、上述したスロットルバルブ14、並びにその周辺構造について、図2を参照して詳述する。
同図2に示されるように、吸気通路13の通路面積を可変とし、同吸気通路13内を流れる吸入空気量を可変とするためのスロットルバルブ14は、バルブ軸14aに一体回動可能に固定されている。このバルブ軸14aには、例えばDCモータ等からなるモータ24の動力が伝達されている。また、このモータ24の動力は、スロットルセンサ31にも直接伝達されている。これにより、スロットル開度TAが同スロットルセンサ31に直接反映されるようになっている。
【0034】
一方、上記バルブ軸14aには、バルブレバー25が取り付けられている。また、スロットルバルブ14の近傍には、同バルブ14が前記全閉位置となったときに上記バルブレバー25が当接する全閉ストッパ26が設けられている。これにより、スロットルバルブ14がモータ24を通じて閉弁方向に駆動される際には、バルブレバー25が全閉ストッパ26に当接したところでスロットルバルブ14が全閉位置となる。
【0035】
そして、こうしたスロットルバルブ14の位置制御は、上記スロットルセンサ31の検出信号に基づくフィードバック制御を通じて行われる。なお、この位置制御は、同図2においては図示を割愛した電子制御装置30(図1)により実行される。
【0036】
また、本実施の形態の装置では、上記位置制御に際してその基準となる位置を、エンジン11の停止後に、同エンジン11及びその周辺機器への給電を維持した状態で学習するようにしている。具体的には、IGスイッチ21が「オフ」操作されると、上記メインリレー22の「オン」状態を維持する一方、スロットルバルブ14を強制的に全閉位置に操作する処理(強制全閉処理)を実行する。そして、スロットルバルブ14が全閉位置になったときに、そのときのスロットル開度TAを上記位置制御にかかる基準位置として学習する。なお、この学習にかかる各種の制御についても、上記電子制御装置30により実行される。
【0037】
特に、本実施の形態の装置では、上記基準位置の学習の実行についての可否判定と、同学習を行うための給電の遮断(メインリレー22の「オフ」操作)の許可とを、それぞれスロットルバルブ14の位置制御態様に基づき各別に実行するようにしている。これにより、エンジン11の停止後における基準位置の学習についての実行機会の確保と、エンジン11及びその周辺機器への給電の早期の遮断との両立が図られている。
【0038】
詳しくは、上記可否判定では、以下の(条件a)及び(条件b)の論理積条件が満たされているときに、基準位置の学習の実行が可能と判定する。
(条件a)スロットルバルブ14の操作位置が全閉位置になっていること。なお、この条件は、スロットルバルブ14の操作位置が全閉位置にあることが上記スロットルセンサ31によって所定時間以上継続して検出されるときに「オン」操作される全閉安定フラグを通じて判断される。
【0039】
(条件b)基準位置の学習の実行に必要とされる給電状態が確保されていること。具体的には、スロットルバルブ14に異常が生じておらず、且つ上記バッテリ23からモータ24への供給電圧(モータ電圧)が正常範囲内であること。
【0040】
これにより、スロットルバルブ14の操作位置が全閉位置になっているときであって、且つ電子制御装置30による安定したスロットルバルブ14の位置制御が可能であるときにのみ、上記基準位置の学習が実行されるようになっている。
【0041】
一方、上記通電の遮断は、上記(条件a)及び以下の(条件c)の論理積条件が満たされていることをもって許可される。
(条件c)エンジン11の回転が停止に至ったこと。
【0042】
これにより、エンジン11の停止後にスロットルバルブ14が全閉位置となったとき、換言すれば、基準位置の学習を実行するための絶対条件が満たされたときにのみ、同学習のための給電の遮断が許可されるようになる。
【0043】
以下、図3〜図5に示すフローチャートを参照して、こうした基準位置の学習にかかる各種処理の処理手順について詳細に説明する。
なお、図3は上記全閉安定フラグの操作処理についてその処理手順を示し、図4は上記基準位置を学習する処理についてその処理手順を示し、図5は上記メインリレー22の操作要求処理についてその処理手順を示している。また、これらフローチャートに示される一連の処理は、上記電子制御装置30により、それぞれ所定の周期をもって繰り返し実行される。
【0044】
ここでは先ず、図3を参照して、基準位置学習処理の処理手順について詳細に説明する。
同図3に示されるように、この処理では先ず、前記強制全閉処理が実行されているか否かが判断される(ステップS100)。
【0045】
そして、強制全閉処理が実行されていると判断される場合には(ステップS100:YES)、スロットル開度TAが以下の範囲内にあるか否かが判断される。
Ta≦スロットル開度TA<Tb
なお、これらTa及びTbにより定められる範囲は、スロットルバルブ14がとりうる全閉位置を定めた範囲であって、装置の設計に際して定められた範囲である。また、これらTa及びTbにより定められる範囲は、予め電子制御装置30に記憶されている。すなわち、上記判断では、スロットルバルブ14の操作位置が、同バルブ14がとりうる全閉位置の範囲内にあるか否かが判断される。
【0046】
そして、スロットル開度TAが上記範囲内にあると判断される場合には(ステップS101:YES)、次に、
|前回基準位置−スロットル開度TA|<α
といったように、前回学習された基準位置(記憶されている基準位置学習値)とスロットル開度TAとの差の絶対値が所定値αより小さいか否かが判断される(ステップS102)。この判断では、前回学習された基準位置とスロットル開度TAとが懸け離れた位置になっていないことに基づいて、このときのスロットルバルブ14の操作位置が全閉位置になっていることについての信憑性の有無が判断される。
【0047】
そして、前回学習された基準位置とスロットル開度TAとの差の絶対値が所定値αより小さいと判断される場合には(ステップS102:YES)、このときスロットルバルブ14の操作位置が全閉位置になっているとして、全閉安定カウンタのカウント値がインクリメントされる(ステップS103)。なお、この全閉安定カウンタは、スロットルバルブ14の操作位置が全閉位置になっているときにおいてその継続時間を計時するためのカウンタである。
【0048】
一方、上記強制全閉処理が実行されていないと判断される場合には(ステップS100:NO)、そもそも基準位置の学習を実行するタイミングではないとして、上記全閉カウンタのカウント値がクリアされる(ステップS104)。また、スロットル開度TAが上記範囲内ではない場合(ステップS101:NO)、若しくは前回学習された基準位置とスロットル開度TAとの差の絶対値が所定値α以上である場合には(ステップS102:NO)、スロットルバルブ14の操作位置が全閉位置になっていないとして、この場合にも、上記全閉カウンタのカウント値がクリアされる(ステップS104)。
【0049】
このように全閉安定カウンタのカウント値が適宜操作された後、以下の(条件d)及び(条件e)の論理積条件が満たされるか否かが判断される(ステップS105)。
【0050】
(条件d)エンジン11の回転が停止していること。
(条件e)全閉安定カウンタのカウント値が所定値βよりも大きな値となっていること。なお、この所定値βは、スロットルバルブ14の操作位置が全閉位置になった後において同操作位置が全閉位置で確実に安定するようになる時間であり、実験等により求められる。
【0051】
そして、上記(条件d)及び(条件e)が共に満たされていると判断される場合には(ステップS105:YES)、上述した全閉安定フラグが「オン」操作される(ステップS106)。
【0052】
一方、上記(条件d)及び(条件e)のいずれか一方でも満たされていないと判断される場合には(ステップS105:NO)、上記全閉安定フラグが「オフ」操作される(ステップS107)。
【0053】
このように全閉安定フラグが操作された後、本処理は一旦終了される。
次に、上記基準位置学習処理の処理手順について、図4を参照して説明する。
同図4に示されるように、この処理では先ず、上記全閉安定カウンタのカウント値が上記所定値βよりも大きな値となっているか否かが判断される(ステップS200)。
【0054】
そして、上記カウント値が所定値βよりも大きな値となっていると判断される場合には(ステップS200:YES)、次に、スロットル異常が生じていないか否かが判断される(ステップS201)。なお、このスロットル異常は、エンジン11の運転中において、例えば以下のような条件が満たされたときにその発生が判定される。
【0055】
・スロットルセンサ31にて検出されるスロットル開度TAが、一定時間以上、前記フィードバック制御に際して目標とされる開度とならないこと。
・上記モータ24に対して、フィードバック制御に際して許容される最大電流、若しくは最小電流が供給されているにもかかわらず、一定時間以上、スロットル開度TAが上記目標とされる開度にならないこと。
【0056】
すなわち、この判定では、スロットルバルブ14が制御不能な状態に陥っていないか否かが判断される。
そして、スロットル異常が生じていないと判断される場合には(ステップS201:YES)、学習完了フラグが「オフ」にされているか否かが判断される(ステップS202)。なお、この学習完了フラグは、後述する処理(ステップS204〜S206)を通じた基準位置の学習が完了した後に「オン」操作される一方(ステップS207)、エンジン11が始動される毎に「オフ」操作されるフラグである。この学習完了フラグが「オフ」操作されていることをもって、エンジン11の始動後において上記基準位置の学習が未だ実行されていないと判断することができる。
【0057】
そして、学習完了フラグが「オフ」操作されていると判断される場合には(ステップS202:YES)、上記学習を実行する必要があるとして、次に、前記モータ電圧が正常範囲内であるか否かが判断される(ステップS203)。
【0058】
そして、モータ電圧が正常範囲内であると判断される場合には(ステップS203:YES)、以下の処理(ステップS204〜S206)を通じて、上記基準位置の学習が実行される。
【0059】
すなわち先ず、同学習が、バッテリ23が接続された後に初めて実行されるか否かが判断される(ステップS204)。そして、初めて実行されると判断される場合には(ステップS204:YES)、このときのスロットル開度TAが基準位置学習値として記憶される(ステップS205)。
【0060】
一方、基準位置の学習が、バッテリ23が接続された後に既に何回か実行されていると判断される場合には(ステップS204:NO)、記憶されている基準位置学習値と、このときのスロットル開度TAとに基づき、次式から新たな基準位置学習値が算出された後、記憶される(ステップS206)。
基準位置学習値←
(記憶されている基準位置学習値+スロットル開度TA)/2
このように基準位置の学習が実行された後、上記学習完了フラグが「オフ」操作されて(ステップS207)、本処理は一旦終了される。
【0061】
なお、上記基準位置学習処理において、以下のように判断される場合には、基準位置の学習を行うことなく、その処理が一旦終了される。
すなわち、上記全閉安定カウンタのカウント値が所定値β以下であると判断される場合には(ステップS200:NO)、スロットルバルブ14の操作位置が全閉位置になっていない、若しくは全閉位置にはなっているが同位置で安定していないおそれがあるとして、本処理は一旦終了される。
【0062】
また、スロットル異常が生じていると判断される場合には(ステップS201:NO)、精度のよい学習の実行が困難であるとして、本処理は一旦終了される。
【0063】
さらに、学習完了フラグが「オン」操作されていると判断される場合には(ステップS202:NO)、エンジン11の始動後において、既に基準位置の学習が完了しており、同学習を実行する必要がないとして本処理は一旦終了される。
【0064】
加えて、モータ電圧が正常範囲内ではないと判断される場合には(ステップS203:NO)、これも精度のよい学習の実行が困難であるとして、本処理が一旦終了される。
【0065】
次に、メインリレー操作要求処理の処理手順について、図5を参照して詳細に説明する。
同図5に示されるように、この処理では先ず、上記IGスイッチ21が「オン」操作されているか否かが判断される(ステップS300)。
【0066】
そして、IGスイッチ21が「オン」操作されていると判断される場合には(ステップS300:YES)、メインリレーオフ要求フラグが「オフ」操作された後(ステップS301)、本処理は一旦終了される。なお、このメインリレーオフ要求フラグは、同フラグが「オン」操作されているときに、上記メインリレー22の「オフ」操作が許可されるフラグである。従って、この場合には、メインリレー22の「オン」状態が維持される。
【0067】
一方、IGスイッチが「オフ」操作されていると判断される場合には(ステップS300:NO)、次に、前記全閉安定フラグが「オン」操作されているか否かが判断される(ステップS302)。
【0068】
そして、全閉安定フラグが「オフ」操作されていると判断される場合には(ステップS302:NO)、スロットルバルブ14の操作位置が全閉位置で安定しておらず、基準位置の学習の実行についての可否判定がなされていないとして、メインリレーオフ要求フラグを操作することなく、本処理が一旦終了される。すなわち、この場合にも、メインリレー22の「オン」状態が維持される。
【0069】
その後、本処理の実行が繰り返され、全閉安定フラグが「オン」操作されたと判断されるようになると(ステップS302:YES)、メインリレーオフ要求フラグが「オン」操作される(ステップS303)。すなわち、この場合には、メインリレー22の「オフ」操作が許可される。
【0070】
なお、メインリレー22の「オフ」操作は、その許可がなされた後、所定時間経過後に実行される。この所定時間としては、上記学習の実行についての可否判定と、同学習が実行される場合にはその学習とを確実に実行可能な時間が実験等により求められた上で、予め電子制御装置30に記憶されている。すなわち、上記可否判定、及び学習の実行が確実に完了した後に、メインリレー22が「オフ」操作される。
【0071】
以下、上述した各処理がどのように行われるのかを、図6に示すタイミングチャートを参照しつつ説明する。
なお、図6は、以下に記載する各項目についての推移をそれぞれ示している。
(a)IGスイッチの操作状態について。
(b)エンジン回転速度NEについて。
(c)スロットル開度TAについて。
(d)全閉安定カウンタのカウント値について。
(e)全閉安定フラグの操作状態について。
(f)メインリレーオフ要求フラグの操作状態について。
(g)メインリレーの操作状況について。
【0072】
さて、図6(a)に示されるように、IGスイッチ21が「オン」操作されているときには(タイミングt1以前)、図6(e)及び図6(f)に示されるように、全閉安定フラグ及びメインリレーオフ要求フラグが共に「オフ」操作されている。また、このとき、図6(d)に示されるように、全閉安定カウンタのカウント値は「0」になっている。さらには、このとき、図6(g)に示されるように、メインリレー22は「オン」操作されている。
【0073】
そして、IGスイッチ21が「オフ」操作されると(タイミングt1)、その後において、図6(b)に示されるように、エンジン回転速度NEが徐々に低下する。また、その後における前記強制全閉処理の実行に伴って、図6(c)に示されるように、スロットル開度TAが徐々に全閉位置に近づく。
【0074】
そして、スロットル開度TAがスロットルバルブ14がとりうる全閉位置の範囲に該当する位置であって、且つ前回学習された基準位置と近い位置になると(タイミングt2)、図6(d)に示されるように、全閉安定カウンタのカウント値のインクリメントが開始される。
【0075】
その後、全閉安定カウンタのカウント値が所定値βよりも大きな値になると(タイミングt3)、スロットルバルブ14の操作位置が全閉位置で安定したとして、図6(e)に示されるように、全閉安定フラグが「オン」操作される。また、このとき、上記基準位置学習値の学習の実行についての可否判定が開始される。さらに、このとき同時に、図6(f)に示されるように、メインリレーオフ要求フラグも「オン」操作される。
【0076】
そしてその後、図6(g)に示されるように、上記学習の実行に必要とされる所定時間の経過をもって、メインリレー22が「オフ」操作される(タイミングt4)。
【0077】
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)上記実施の形態では、基準位置の学習の実行についての可否判定と、メインリレー22の「オフ」操作とを、それぞれスロットルバルブ14の位置制御態様に基づき各別に実行するようにした。すなわち、上記学習についての可否判定と、同学習の実行のための給電の遮断とがそれぞれ独立した制御系によって各別に制御される。これにより、基準位置の学習の実行が可能なときには、同学習を確実に実行した上で、エンジン11やその周辺機器への給電を遮断することができるようになる。その一方、学習の実行が不可能なときには、その判定がなされたことをもって、エンジン11やその周辺機器への給電を速やかに遮断することができるようになる。従って、エンジン11の停止後における基準位置の学習についての実行機会の好適な確保と、エンジン11やその周辺機器に対する給電の早期の遮断との好適な両立を図ることができる。
【0078】
(2)上記実施の形態では、「スロットルバルブ14の操作位置が全閉位置になっていること」及び「基準位置の学習の実行に必要とされる給電状態が確保されていること」の論理積条件が満たされるときに、基準位置の学習の実行が可能と判定するようにした。これにより、スロットルバルブ14の操作位置が全閉位置になっているときであって、且つ電子制御装置30による安定したスロットルバルブ14の位置制御が可能であるときにのみ、上記基準位置の学習が実行されるようになる。従って、装置の異常に起因する基準位置の誤学習についてはこれを好適に抑制することができるようになる。
【0079】
(3)上記実施の形態では、「スロットルバルブ14の操作位置が全閉位置になっていること」及び「エンジン11の回転が停止に至ったこと」の論理積条件が満たされるときに、メインリレー22の「オフ」操作を許可するようにした。これにより、エンジン11の停止後にスロットルバルブ14が全閉位置となったとき、換言すれば、基準位置の学習を実行するための必要条件が満たされたときにのみ、同学習のための給電の遮断を許可することができるようになる。従って、例えばIGスイッチ21が「オン」操作されているにもかかわらずエンジン11が停止してしまった場合にメインリレー22が「オフ」操作されてしまう等といった、意図せぬ給電の遮断を好適に抑制することができるようになる。
【0080】
(4)上記実施の形態では、「スロットルバルブ14の操作位置が全閉位置になっていること」を、スロットルバルブ14の操作位置が全閉位置にあることがスロットルセンサ31によって所定時間以上継続して検出されることをもって判断するようにした。これにより、当該条件のより確実な認識のもとに、基準位置の学習の実行についての可否判定や、エンジン11及びその周辺機器への給電遮断の許可判断を行うことができるようになる。
【0081】
(5)上記実施の形態によれば、基準位置の学習に際して、スロットルバルブ14の全閉位置をエンジン11の停止後において学習せざるを得ないディーゼルエンジンに適用される基準位置学習装置にあって、同学習についての実行機会の確保と、エンジン11及びその周辺機器に対する給電の早期の遮断との好適な両立を図ることができるようになる。
【0082】
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施の形態では、スロットルバルブ14の操作位置が全閉位置になったことを、同バルブ14の操作位置が全閉位置にあることがスロットルセンサ31によって所定時間以上継続して検出されることをもって判断するようにしたが、これに限られない。スロットルバルブ14の操作位置が全閉位置になったことを確実に判断することさえ可能であれば、その判断を行うための条件は任意に変更可能である。
【0083】
・上記実施の形態では、基準位置の学習の実行についての可否判定を実行するための一条件として、「(条件b)モータ電圧が正常範囲内であること」といった条件を設定した。これに限らず、エンジン11やその周辺機器に対する給電状態であって、基準位置の学習の実行に必要とされる給電状態が確保されていることを的確に判断することができさえすれば、この条件は適宜変更可能である。
【0084】
・上記実施の形態では、「(条件a)スロットルバルブ14の操作位置が全閉位置になっていること」及び「(条件c)エンジン11が停止に至ったこと」の論理積条件が満たされるときに、メインリレー22の「オフ」操作を許可するようにしたが、これに限られない。要は、エンジン11の停止後にスロットルバルブ14が全閉位置となったことを的確に判断することができさえすれば、これら条件は適宜変更可能である。
【0085】
・上記実施の形態では、本発明を、エンジン11の停止後にスロットルセンサ31にて検出されるスロットルバルブ14の全閉位置をその位置制御にかかる基準位置として学習する装置に適用するようにしたが、これに限られない。すなわち、エンジン11の停止後にスロットルバルブ14の操作位置を確実に操作可能な装置であれば、上記全閉位置に代えて、スロットルバルブ14の全開位置、あるいはその中間位置を位置制御にかかる基準位置として学習する装置にも、本発明を適用することはできる。
【0086】
・上記実施の形態では、エンジン11に吸入される空気を調量するスロットルバルブ14にあって、その位置制御にかかる基準位置を学習する装置に本発明を適用するようにしたが、これに限られない。他に、例えば、可変容量型ターボチャージャの可変ノズルベーン等を被操作体としてその特定の位置を基準位置として学習する装置などにも、本発明を適用することはできる。要は、エンジンの停止後に、位置センサにて検出される被操作体の特定の操作位置をその位置制御にかかる基準位置として学習する装置であれば、本発明にかかる基準位置学習装置を適用することは可能である。
【0087】
・また、上記実施の形態では、本発明にかかる基準位置学習装置を燃料噴射ポンプを備えるディーゼルエンジンに適用するようにしたが、これに限られない。本発明にかかる基準位置学習装置は、コモンレール式のディーゼルエンジンやガソリンエンジン等にもその適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態が適用されるエンジン及びその周辺機器についてその概略構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態に採用されるスロットルバルブ及びその周辺構造についてその概略構成を模式的に示す略図。
【図3】全閉安定フラグを操作する処理についてその処理手順を示すフローチャート。
【図4】基準位置を学習する処理についてその処理手順を示すフローチャート。
【図5】メインリレーの操作要求処理についてその処理手順を示すフローチャート。
【図6】同実施の形態にかかる各処理についてその処理態様の一例を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
11…エンジン、11a…出力軸、12…燃焼室、12a…副燃焼室、13…吸気通路、14…スロットルバルブ、15…排気通路、16…EGR通路、17…アクチュエータ、18…EGR制御バルブ、19…燃料噴射ノズル、20…燃料噴射ポンプ、21…IGスイッチ、22…メインリレー、23…バッテリ、24…モータ、25…バルブレバー、26…全閉ストッパ、30…電子制御装置、31…スロットルセンサ、32…回転速度センサ。

Claims (10)

  1. エンジン若しくはその周辺機器に搭載されて適宜の駆動手段により操作される被操作体についてその操作位置を検出する位置センサを備え、該位置センサにより検出される操作位置に基づくフィードバック制御を通じて前記被操作体の位置制御を行う制御システムにあって、前記エンジンの停止後に、前記位置センサにて検出される被操作体の特定の操作位置をその位置制御にかかる基準位置として学習する基準位置学習装置において、
    前記被操作体の位置制御態様に基づいて前記学習の実行についての可否判定を行う学習制御手段と、
    前記被操作体の位置制御態様に基づいて前記学習の実行のための給電の遮断を許可する第1の処理及び、前記学習制御手段により前記学習の実行が不可能である旨の判定結果が得られたときにはこれをもって速やかに前記制御システムへの給電を遮断する第2の処理を行う給電制御手段とを備える
    ことを特徴とする基準位置学習装置。
  2. エンジン若しくはその周辺機器に搭載される被操作体の操作位置を検出する位置センサを備え、この位置センサにより検出される操作位置に基づくフィードバック制御を通じて前記被操作体の位置制御を行う制御システムにあって、前記エンジンの停止後に前記位置センサにより検出される前記被操作体の特定の操作位置を前記位置制御の基準位置として学習する基準位置学習装置において、
    前記エンジンの停止後に前記学習を実行することが可能か否かを判定する学習制御手段と、
    前記被操作体の位置制御態様に基づいて前記学習の実行のための給電の遮断を許可する第1の処理及び、前記学習制御手段により前記学習の実行が可能である旨の判定結果が得られたとき、これに基づいて前記制御システムへの給電を維持し、前記学習の完了後に前記制御システムへの給電を遮断する第の処理及び、前記学習制御手段により前記学習を実行することが不可能である旨の判定結果が得られたとき、これに基づいて速やかに前記制御システムへの給電を遮断する第の処理を行う給電制御手段とを備える
    ことを特徴とする基準位置学習装置。
  3. 請求項1または2に記載の基準位置学習装置において、
    前記給電制御手段は、前記学習制御手段により前記学習の実行が可能である旨の判定結果が得られてから一定時間が経過したことをもって前記学習が完了している旨判定し、これに基づいて前記制御システムへの給電を遮断する
    ことを特徴とする基準位置学習装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の基準位置学習装置において、
    前記学習制御手段は、前記エンジンの停止後に前記被操作体の操作位置が前記特定の操作位置にあるか否かを判定し、前記被操作体の位置が前記特定の操作位置にある旨の判定結果が得られた後に前記学習を実行することが可能か否かの判定を行う
    ことを特徴とする基準位置学習装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の基準位置学習装置において、
    前記学習制御手段は、前記学習を実行することが可能か否かの判定を行う前に前記被操作体の操作位置を前記特定の操作位置に変更する処理を行う
    ことを特徴とする基準位置学習装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の基準位置学習装置において、
    前記学習制御手段は、前記被操作体の操作位置が前記特定の操作位置になったこと、及び前記学習の実行に必要とされる給電状態が確保されていることの論理積条件が満たされるときに前記学習の実行が可能である旨判定する
    ことを特徴とする基準位置学習装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の基準位置学習装置において、
    前記給電制御手段は、前記被操作体の操作位置が前記特定の操作位置になったこと、及び前記エンジンの回転が停止に至ったことの論理積条件が満たされるときに前記給電の遮断を許可する
    ことを特徴とする基準位置学習装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の基準位置学習装置において、
    前記学習制御手段は、前記位置センサにより検出される前記被操作体の操作位置が前記特定の操作位置である状態について、これが所定時間以上にわたり継続して検出されることをもって前記被操作体の実際の操作位置が前記特定の操作位置にある旨判定する
    ことを特徴とする基準位置学習装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の基準位置学習装置において、
    前記被操作体として、前記エンジンに吸入される空気を調量するスロットルバルブを備え、前記被操作体を操作する駆動手段として、電動モータを備える
    ことを特徴とする基準位置学習装置。
  10. 請求項9に記載の基準位置学習装置において、
    前記エンジンはディーゼルエンジンであり、前記被操作体の前記特定の操作位置は前記スロットルバルブの全閉位置である
    ことを特徴とする基準位置学習装置。
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