JP4446145B2 - ベンズアミジン誘導体 - Google Patents
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Description
本発明は活性化血液凝固第X因子を可逆的に阻害して強力な抗凝固作用を示す経口投与可能な新規ベンズアミジン誘導体及びそれらを有効成分として含有する血液凝固抑制剤又は血栓若しくは塞栓によって引き起こされる疾病の予防・治療剤に関するものである。適応する前記疾病として例えば脳梗塞、脳卒中、脳血栓、脳塞栓、一過性脳虚血発作(TIA)、くも膜下出血(血管れん縮)等の脳血管障害における疾病、急性及び慢性心筋梗塞、不安定狭心症、冠動脈血栓等の虚血性心疾患における疾病、肺梗塞、肺塞栓等の肺血管障害における疾病、末梢動脈閉塞症、深部静脈血栓症、汎発性血管内凝固症候群、さらに人工血管術及び人工弁置換後の血栓形成、冠動脈バイパス術後における再閉塞及び再狭窄、経皮的経管式冠動脈形成術(PTCA)または経皮的経管式冠動脈再開通療法(PTCR)等の血行再建後の再閉塞及び再狭窄、体外循環時の血栓形成などが挙げられる。
生活習慣の欧米化、人口の高齢化などに伴い、心筋梗塞、脳血栓症、末梢動脈血栓症をはじめとする血栓塞栓性疾患は年々増加する傾向にあり、その治療の社会的重要性はますます高まっている。抗血液凝固療法は、線溶療法及び抗血小板療法とともに血栓症の治療及び予防における内科的治療法の一端を担っている。
従来、血栓形成抑制剤として抗トロンビン剤の開発が行われてきたが、トロンビンは凝固反応の最終段階であるフィブリノーゲンのフィブリンへの活性化を司るばかりでなく、血小板の活性化及び凝集にも深く関与していることから、その阻害は出血傾向をきたす危険のあることが知られていた。また、経口投与でのbioavailabilityが低く、現在のところ経口投与可能なトロンビン阻害剤は上市されていない。
活性化血液凝固第X因子は外因系及び内因系凝固カスケード反応の合流点に位置し、トロンビンよりも上流に位置するため、本因子の阻害はトロンビン阻害よりも効率的にかつ、特異的に凝固系を阻害できる可能性がある[Tidwell,R.;Webster,W.P.;Shaver,S.R.;Geratz,J.D.トロンボシスリサーチ(THROMBOSISRESEARCH)19巻、339−349ページ、1980年]。
これまで活性化血液凝固第X因子を選択的に阻害するベンズアミジン誘導体が開示されているが(例えばWO9831661、WO9964392)、さらに優れた活性化血液凝固第X因子阻害作用を有し、かつ、優れた抗血液凝固作用を有する薬剤が強く望まれている。
発明の開示
本発明は優れた活性化血液凝固第X因子阻害作用を有する化合物を提供することを目的とする。
本発明は経口投与可能な活性化血液凝固第X因子に特異的な阻害作用を有する化合物を提供することを目的とする。
本発明は上記化合物を含有する抗血液凝固剤または血栓もしくは塞栓の予防、治療剤を提供することを目的とする。
本発明は、又、上記化合物を含有する脳血管障害における疾病、虚血性心疾患における疾病、肺血管障害における疾病、末梢動脈閉塞症、深部静脈血栓症、汎発性血管内凝固症候群、人工血管術及び人工弁置換後の血栓形成、冠動脈バイパス術後における再閉塞及び再狭窄、血行再建後の再閉塞及び再狭窄、体外循環時の血栓形成の予防・治療剤を提供することを目的とする。
本発明は、又、上記化合物を含有する医薬組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記実状を鑑み、種々研究を行った結果、ホスホノエチル基を有する特定の新規ベンズアミジン誘導体が特に優れた活性化血液凝固第X因子阻害作用を有し、血栓・塞栓に基づく種々の疾病の予防並びに治療薬として有用であることを見いだし、本発明を完成するに到った。例えば、後述の式(2−1)で示される化合物は優れた活性化血液凝固第X因子阻害活性を示し(pIC50=8.5)、トロンビン阻害活性を示さず(pIC50=<3.5)、選択的な活性化血液凝固第X因子阻害作用を示した。
また、式(2−1)で示される化合物は優れた抗血液凝固活性も示した(pPT2=6.8)。
すなわち、本発明は下記一般式(1)で示されるベンズアミジン誘導体または医薬的に許容しうる塩、並びにそれらを有効成分とする抗血液凝固剤を提供する。
[式中、Xは、水素原子、カルボキシル基、炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素数1〜3のアルキル基または置換基を有してもよいベンジル基のいずれかを表し、ここで、置換基を有する場合の置換基はカルボキシル基または炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基のいずれかを表し、
Vは置換基を有してもよいベンゾイル基またはピペリジンカルボニル基のいずれかを表し、ここで、置換基を有する場合の置換基は炭素数7〜10のイミノアルキルピペリジルオキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数4〜5のヘテロアリール基、カルバモイル基、または炭素数2〜7のモノもしくはジアルキルカルバモイル基のいずれかを表す。]
発明を実施するための最良の形態
本明細書におけるアルキル基、アルコキシカルボニル基、イミノアルキルピペリジルオキシ基等の成分としてのアルキル基は分岐、環を含んでいてもよい。アルキル基の例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基などの炭素数1〜6、好ましくは1〜5のアルキル基が挙げられる。アルコキシカルボニル基の例としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等の炭素数2〜10、好ましくは2〜8のアルコキシカルボニル基が挙げられ、イミノアルキルピペリジルオキシ基の例としては1−アセトイミドイル−4−ピペリジルオキシ基等の炭素数7〜10のものが挙げられる。
本明細書におけるアリール基はフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられ、ヘテロアリール基は窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1〜2個の複素原子を有する芳香族複素環基が好ましく、例えばピリジル基、ピリミジル基、ピリダジニル基、ピラジニル基等が挙げられる。
本明細書におけるジアルキルカルバモイル基において、2つのアルキル基は結合して環を構成しても良い。また、このときメチレン基が酸素原子、アミノ基、硫黄原子で置換されてもよい。たとえば1−ピロリジンカルボニル基、1−ピペリジンカルボニル基、1−ピペラジンカルボニル基、1−モルホリンカルボニル基等があげられる。
上記一般式(1)において、Xで表される基としては、水素原子、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基が好ましい。
Vで表される基としては、Vが置換基を有してもよいベンゾイル基またはピペリジンカルボニル基のいずれかを表し、ここで、置換基を有する場合の置換基が炭素数7〜10のイミノアルキルピペリジルオキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数4〜5のヘテロアリール基、カルバモイル基、または炭素数2〜7のモノもしくはジアルキルカルバモイル基であるのが好ましい。このうち、Vで表される基としては、1−アセトイミドイル−4−ピペリジルオキシベンゾイル基、1−(4−ピリジル)−ピペリジン−4−カルボニル基、4−(1−ピロリジンカルボニル)ベンゾイル基が好ましい。
また、以下に示される式(2−1)〜(2−6)の化合物またはその医薬的に許容しうる塩が好ましい。
本発明のベンズアミジン誘導体(1)は次に示した方法を用いることにより製造することができる。例えば、一般式(1−1)は次のようにして製造する。
すなわち、窒素上を例えばベンジルオキシカルボニル基あるいはt−ブトキシカルボニル基で保護したアミノアルキルハライド(3)に、溶媒として例えばジメチルホルムアミド等を用い、例えば炭酸カリウム等の塩基存在下3−ヒドロキシ−4−ヨードベンゾニトリル(4)を作用させることによりヨードベンゾニトリル誘導体(5)を得ることができる。そして得られたヨードベンゾニトリル誘導体(5)を、溶媒として例えばジメチルホルムアミド等を用い、例えばHeck反応等により、リン酸ジエステル誘導体(6)へ導くことができる。得られたリン酸ジエステル誘導体(6)の窒素上の保護基は、例えば4規定塩化水素のジオキサン溶液等酸性溶液中で脱保護することによりアミン(7)を得ることができる。
続いて、溶媒として例えばジメチルホルムアミド等を用い、アミン(7)に、例えばトリエチルアミン等の塩基存在下、縮合剤を作用させることにより、カルボン酸との縮合を行い、アミド(8)を得ることができる。得られたアミド(8)に対し、例えば塩化水素等のハロゲン化水素を含有する、例えばエタノール等のアルコールを作用させ、続いて炭酸アンモニウム等のアンモニウム塩を反応させることによりシアノ基をアミジノ基へと変換し、アミジン誘導体(9)を得ることができる。アミジン誘導体(9)に対し、溶媒として例えばメタノール等のアルコールを用い、例えばバラジウムカーボン等の触媒存在下、水素雰囲気下で反応させ、続いて、例えば濃塩酸等の酸性水溶液により加水分解することにより、ベンズアミジン誘導体(1−1)を製造することができる。
このようにして製造される一般式(1)〜式(2−6)で示される化合物およびその塩は、公知の分離精製手段、例えば抽出、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶析、再結晶、転溶、各種クロマトグラフィーなどにより単離精製することができる。
本発明の一般式(1)で示されるベンズアミジン誘導体は、不斉炭素を有する場合があるため光学活性体も考えられるが、本発明で示している化合物はこの光学活性体の混合物や単離されたものも含まれる。
本発明化合物におけるアミジノ基は、生体内でアミジノ基に交換される適当な置換により置換されていてもよい。例えば、一般式(1)において、ベンゼン環に結合しているアミジノ基の二重結合を有する窒素原子に結合している水素原子が、ヒドロキシル基、エトキシ基のようなアルコキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エトキシカルボニル基のようなアルコキシカルボニル基、エチルスルホニル基のようなアルキルスルホニル基、カルバモイル基、ジエトキシカルバモイル基のような1または2の水素がアルキル基で置換しているカルバモイル基、ホルミル基、アセチル基のようなアシル基、アセトキシ基のようなアルキルカルボキシル基で置換されているものが挙げられる。このような基で置換されている本発明の化合物としては、式(2−5)及び(2−6)で示される化合物が挙げられる。
本発明の一般式(1)〜式(2−6)で示されるベンズアミジン誘導体の塩は、医薬的に許容しうるものであれば良く、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸、サリチル酸、マンデル酸、クエン酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、タンニン酸、リンゴ酸、トシル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸との酸付加塩を挙げることができる。
一般式(1)〜式(2−6)で示される化合物またはその塩は、そのままあるいは各種の医薬組成物として投与される。このような医薬組成物の剤形としては、例えば錠剤、散剤、丸剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、溶液剤、糖衣剤、またはデボー剤にしてよく、普通の製剤助剤を用いて常法に従って製造する事ができる。例えば錠剤は、本発明の有効成分であるベンズアミジン誘導体を既知の補助物質、例えば乳糖、炭酸カルシウムまたは燐酸カルシウム等の不活性希釈剤、アラビアゴム、コーンスターチまたはゼラチン等の結合剤、アルギン酸、コーンスターチまたは前ゼラチン化デンプン等の膨化剤、ショ糖、乳糖またはサッカリン等の甘味剤、ペパーミントまたはチェリー等の香味剤、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはカルボキシメチルセルロース等の滑湿剤と混合することによって得られる。
一般式(1)〜式(2−6)で示されるベンズアミジン誘導体を抗凝固剤として使用する場合の投与経路は、経口、非経口のいずれであってもよく、投与量は患者の年齢、体重、状態、および投与法によって異なるが、成人への一日当りの投与量としては、通常、経口投与の場合で0.01〜1000mg、好ましくは0.1〜50mgであり、非経口投与の場合で1μg〜100mg、好ましくは0.01〜10mgである。
一般式(1)〜式(2−6)で示される化合物またはその塩を有効成分とする抗血液凝固剤又は血栓若しくは塞栓によって引き起こされる疾病の予防・治療剤は、例えば脳梗塞、脳卒中、脳血栓、脳塞栓、一過性脳虚血発作(TIA)、くも膜下出血(血管れん縮)等の脳血管障害における疾病、急性及び慢性心筋梗塞、不安定狭心症、冠動脈血栓等の虚血性心疾患における疾病、肺梗塞、肺塞栓等の肺血管障害における疾病、末梢動脈閉塞症、深部静脈血栓症、汎発性血管内凝固症候群、さらに人工血管術及び人工弁置換後の血栓形成、冠動脈バイパス術後における再閉塞及び再狭窄、経皮的経管式冠動脈形成術(PTCA)または経皮的経管式冠動脈再開通療法(PTCR)等の血行再建後の再閉塞及び再狭窄、体外循環時の血栓形成などの予防・治療剤として利用できる。
以下の実施例により本発明を詳細に説明する。これらは本発明の好ましい実施態様であるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 [2−(4−アミジノ−2−[2−[(1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸 二トリフルオロ酢酸塩
工程1 1−(4−ピリジル)−4−ピペリジンカルボン酸エチルの合成
4−クロロピリジン塩酸塩4.0g(26.6mmol)、ピペリジン−4−カルボン酸エチル4.2g(26.6mmol)、トリエチルアミン7.4ml(53.2mmol)をキシレン100ml中130℃で24時間撹拌した。ジクロロメタンを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し表題化合物を得た。
収量 2.95g(12.6mmol) 収率 47%
H−NMR(CDCl3)δ 1.25(3H,t),1.71−1.85(2H,m),2.00(2H,d),2.50−2.60(1H,m),2.90(2H,t),3.81(2H,d),4.20(2H,q),6.66(2H,d),8.26(2H,d)
工程2 1−(4−ピリジル)−4−ピペリジンカルボン酸 塩酸塩の合成
1−(4−ピリジル)−4−ピペリジンカルボン酸エチル2.95g(12.6mmol)をジオキサン100ml中撹拌し、1規定塩酸50mlを加え、95℃で20時間撹拌した。溶媒を留去して表題化合物の粗製物を得た。
収量 3.21g(11.5mmol) 収率 91%
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.54(2H,t),1.90(2H,t),2.60−2.70(1H,m),3.30(2H,t),4.10(2H,d),7.19(2H,d),8.20(2H,d)
工程3 3−ヒドロキシ−4−ヨード安息香酸の合成
3−ヒドロキシ安息香酸30.0g(217mmol)を酢酸200mlに溶解し、一塩化ヨウ素53.0g(326mmol)を室温で加えた。45℃で15時間撹拌後、溶媒を減圧留去して得た残渣を1%チオ硫酸ナトリウム水溶液500mlで2回、水500mlで2回洗浄し、80℃で減圧乾固させることで、表題化合物を得た。
収量 17.2g(65.2mmol) 収率 30%
MS(FAB,m/z) 265(MH+)
H−NMR(DMSO−d6)δ 7.13(1H,dd),7.43(1H,d),7.80(1H,d)
工程4 3−ヒドロキシ−4−ヨードベンゾニトリルの合成
3−ヒドロキシ−4−ヨード安息香酸22.3g(89.7mmol)をテトラヒドロフラン300mlに溶解したものにクロロギ酸エチル19.7ml(206mmol)、トリエチルアミン28.7ml(206mmol)を0℃で加えた。15分撹拌後、生成したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、アンモニアをバブリングして得られたテトラヒドロフラン溶液300mlに、濾液を0℃で加えた。室温で10時間撹拌後、溶媒を減圧留去して得られた残留物をジオキサン450mlに溶解し無水トリフルオロメタンスルホン酸17.4ml(117mmol)、ピリジン21.8ml(269mmol)を0℃で加えた。室温で18時間撹拌後、溶媒を減圧留去して得られた残留物をクロロホルムを抽出溶媒とし常法に従って処理し油状残渣を得た。得られた残留物をテトラヒドロフラン:メタノール(1:1)180mlに溶解したものに1規定水酸化ナトリウム水溶液90ml(90.0mmol)を室温で加えた。そのまま4時間撹拌後、溶媒を減圧留去し、得られた残留物をジクロロメタンで洗浄した。続いて、1規定塩化水素で酸性とし酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトクラフィーで精製し表題化合物を得た。
収量 9.29g(37.9mmol) 収率 42%
MS(FAB,m/z) 246(MH+)
H−NMR(CDCl3)δ 5.63(1H,br),6.96(1H,dd),7.23(1H,d),7.79(1H,d)
工程5 t−ブチル(2−ブロモエチル)カルバマートの合成
2−ブロモエチルアミン 臭化水素酸塩9.22g(45mmol)をジクロロメタン100mlに溶解し、ジ−t−ブチルジカルボネート7.64g(35mmol)、トリエチルアミン10.0g(99mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン100mg(0.82mmol)を加え一晩撹拌した。ジクロロメタンを抽出溶媒とし常法に従って処理し表題化合物を得た。
収量 5.99g(26.7mmol) 収率 76%
H−NMR(CDCl3)δ 1.45(9H,s),3.46(2H,dt),3.51(2H,t),4.95(1H,br)
工程6 3−[2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)−4−ヨードベンゾニトリルの合成
t−ブチル(2−ブロモエチル)カルバマート18.5g(82.6mmol)をDMF200mlに溶解させ、3−ヒドロキシ−4−ヨードベンゾニトリル10.1g(41.3mmol)、炭酸カリウム5.7g(41.3mmol)を加え75℃で3時間撹拌した。酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し表題化合物を得た。
収量 11.0g(28.4mmol) 収率 69%
H−NMR(CDCl3)δ 1.46(9H,s),3.62(2H,dt),4.12(2H,t),7.02(2H,d),7.88(2H,d).
工程7 2−(2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)−4−シアノ−安息香酸メチルエステルの合成
3−(2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)−4−ヨードベンゾニトリル5g(12.88mmol)をN、N−ジメチルホルムアミド(脱水)60mlに溶解し、トリエチルアミン3.6ml(25.8mmol)、メタノール10ml(25.8mmol)、酢酸パラジウム145mg(0.644mmol)を加え、一酸化炭素存在下90℃で6時間攪拌した。溶媒を留去し酢酸エチルを抽出溶媒として常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し表題化合物を得た。
収量 4.11g(12.82mmol) 収率 99.5%
H−NMR(CDCl3)δ 1.44(9H,s),3.61(2H,q),3.94(3H,s),4.12(2H,m),5.38(1H,br),7.21(1H,s),7.38(1H,m),7.87(1H,d).
工程8 3−(2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)−4−ヒドロキシメチルベンゾニトリルの合成
2−(2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)−4−シアノ−安息香酸メチルエステル4.15g(12.95mmol)をテトラヒドロフラン(脱水)60mlに溶解し、氷冷下2Mリチウムボロハイドライド8.6ml(17.2mmol)加え、室温で一晩攪拌した。溶媒を留去し酢酸エチルを抽出溶媒として常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し表題化合物を得た。
収量 2.38g(8.12mmol) 収率 63%
H−NMR(CDCl3)δ 1.41(9H,s),3.00(1H,br),3.60(2H,br),4.10(2H,t),4.70(2H,d),4.95(1H,br),7.07(1H,s),7.30(1H,d),7.41(1H,d).
工程9 3−(2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)−4−ホルミルベンゾニトリルの合成
3−(2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)−4−ヒドロキシメチルベンゾニトリル0.3g(1.03mmol)をジクロロメタン(脱水)3mlに溶解し、活性化二酸化マンガン0.36g(4.1mmol)をアルゴン存在下加え室温で一晩攪拌した。反応液をセライト濾過し、表題化合物を得た。
収量 279mg(0.962mmol) 収率 93%
MS(ESI,m/z) 291(MH−)
H−NMR(CDCl3)δ 1.53(9H,s),3.62(2H,q),4.20(2H,t),4.95(1H,br),7.35(2H,m),7.93(1H,d),10.50(1H,s).
工程10 [2−[(2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)−4−シアノ−フェニル]ビニル]リン酸ジエチルエステルの合成
テトラエチルメチレンジホスホネート0.54ml(2.18mmol)をテトラヒドロフラン(脱水)10mlに溶解し、−78℃にてアルゴン存在下1.54Mn−ブチルリチウムヘキサン溶液1.5ml(1.0mmol)を加え20分攪拌したのち、3−(2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)−4−ホルミルベンゾニトリル527mg(1.82mmol)を加え−78℃で45分攪拌し室温にあげ3時間攪拌した。溶媒を留去しジクロロメタンを抽出溶媒として常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し表題化合物を得た。
収量 0.45g(1.06mmol) 収率 58%
H−NMR(CDCl3)δ 1.17−1.42(6H,m),1.47(9H,s),3.60(2H,br),3.96−4.23(6H,m),5.00(1H,br),6.40(2H,m),7.15(1H,s),7.27(1H,d),7.58(1H,d).
工程11 [2−(4−アミジノ−2−[2−[(1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]エトキシ]フェニル)ビニル]リン酸ジエチルエステル 二トリフルオロ酢酸塩合成
[2−(4−アミジノ−2−[2−[(1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]エトキシ]フェニル)ビニル]リン酸モノエチルエステル 二トリフルオロ酢酸塩合成
[2−[(2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)−4−シアノ−フェニル]ビニル]リン酸ジエチルエステル0.45g(1.06mmol)をジオキサン5ml、4規定塩化水素ジオキサン溶液5mlに溶解させ、室温で3時間撹拌した。溶媒を留去して得られた粗製物をN、N−ジメチルホルムアミド(脱水)10mlに溶解し、1−(4−ピリジル)−4−ピペリジンカルボン酸塩酸塩0.29g(1.2mmol)、2−クロロ−1、3−ジメチルイミダゾニウムクロライド0.5g(2.8mmol)、トリエチルアミン1.8ml(12.8mmol)を加え、一晩撹拌した。ジクロロメタンを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。得られた粗製物を4規定塩化水素ジオキサン溶液5ml、エタノール0.5mlに溶解し、室温で3日間攪拌した。溶媒を留去して得られた残留物をエタノール5mlに溶解し、炭酸アンモニウム0.19g(3.35mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。溶媒を留去して得られた粗製物をオクタドデシル基化学結合型シリカゲルを充填剤とする逆相高速液クロマトグラフィーに付し、トリフルオロ酢酸を0.1%含有する(v/v)水とアセトニトリルの混合溶媒で溶出し、目的フラクションを凍結乾燥することにより表題化合物を得た。
[2−(4−アミジノ−2−[2−[(1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]エトキシ]フェニル)ビニル]リン酸ジエチルエステル 二トリフルオロ酢酸塩
収量 155mg(0.204mmol) 収率 31%
MS(ESI,m/z) 530(MH+)
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.26(6H,t),1.50−1.92(4H,m),2.58(2H,br),3.22(2H,t),3.50(2H,br),4.03(4H,m),4.20(3H,br),6.77(2H,m),7.19(2H,d),7.40−7.74(3H,m),7.96(1H,d),8.21(2H,d),9.33(2H,br),9.36(2H,br).
[2−(4−アミジノ−2−[2−[(1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]エトキシ]フェニル)ビニル]リン酸モノエチルエステル 二トリフルオロ酢酸塩合成
収量 63.4mg(0.087mmol) 収率 13%
MS(ESI,m/z) 502(MH+)
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.23(3H,t),1.50−1.95(4H,m),2.58(2H,br),3.22(2H,t),3.50(2H,br),3.95(2H,m),4.22(3H,br),6.71(2H,m),7.18(2H,d),7.38−7.66(3H,m),7.92(1H,d),8.20(2H,d),9.21(2H,br),9.34(2H,br).
工程12 [2−(4−アミジノ−2−[2−[(1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸モノエチルエステル 二トリフルオロ酢酸塩の合成
[2−(4−アミジノ−2−[2−[(1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]エトキシ]フェニル)ビニル]リン酸モノエチルエステル 二トリフルオロ酢酸塩63.4mg(0.087mmol)gをエタノール2mlに溶解し、アルゴン下10%パラジウム−炭素(50%含水)10mg加え水素存在下室温で一晩攪拌した。水2ml加え、溶媒を留去して得られた粗製物を実施例 1工程 11と同様の操作により表題化合物を得た。
収量 43.1mg(0.059mmol) 収率 68%
MS(ESI,m/z) 504(MH+)
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.20(3H,t),1.58(2H,br),1.80−1.96(4H,m),2.62(2H,br),2.80(2H,br),3.21(2H,t),3.49(2H,q),3.88−3.98(2H,m),4.12(2H,t),4.20(1H,br),7.18(2H,d),7.37−7.42(3H,m),8.21(2H,d),8.28(1H,br),9.18(2H,br),9.25(2H,br).
工程13 [2−(4−アミジノ−2−[2−[(1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸 二トリフルオロ酢酸塩
[2−(4−アミジノ−2−[2−[(1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸モノエチルエステル 二トリフルオロ酢酸塩27.5mg(37.59mmol)gを濃塩酸2mlに溶解し、80℃で11時間攪拌した。溶媒を留去して得られた粗製物を実施例1工程11と同様の操作により表題化合物を得た。
収量 9mg(12.79mmol) 収率 34%
MS(ESI,m/z) (MH+)476
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.50−2.20(6H,m),2.69(2H,br),2.83(2H,br),3.14−3.36(2H,m),3.49(2H,br),4.07−4.26(3H,m),7.14−7.24(3H,m),7.32−7.44(2H,m),8.21(2H,d),8.34(1H,br),9.23(3H,br).
実施例2 [2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(1−(1−アセトイミドイル)−4−ピペリジルオキシ)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸 二トリフルオロ酢酸塩
工程1 [2−[(2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)−4−シアノ−フェニル]ビニル]リン酸ジエチルエステルの合成
3−(2−(t−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)−4−ヨードベンゾニトリル10g(25.76mmol)をN、N−ジメチルホルムアミド(脱水)100mlに溶解し、ジエチルビニルホスホネート4.75ml(30.91mmol)、酢酸パラジウム58mg(0.258mmol)、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン160mg(0.515mmol)を加え、100℃で一晩攪拌した。溶媒を留去し酢酸エチルを抽出溶媒として常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し表題化合物を得た。
収量 9.46g(22.3mmol) 収率 87%
H−NMR(CDCl3)δ 1.38(6H,t),2.15(2H,br),3.60(2H,br),4.11(4H,m),5.18(1H,br),6.40(1H,t),7.13(1H,s),7.29(1H,m),7.58(1H,d),7.72−7.86(1H,m).
工程2 [2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(4−ピペリジルオキシ)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)ビニル]リン酸ジエチルエステル 二トリフルオロ酢酸塩の合成
[2−[(2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)−4−シアノ−フェニル]ビニル]リン酸ジエチルエステル1.5g(3.53mmol)をジオキサン15ml、4規定塩化水素ジオキサン溶液15mlに溶解させ、室温で2時間撹拌した。溶媒を留去して得られた粗製物をN、N−ジメチルホルムアミド(脱水)10mlに溶解し、4−(1−t−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルオキシ)安息香酸1.25g(3.88mmol)、2−クロロ−1、3−ジメチルイミダゾニウムクロライド0.78g(4.59mmol)、トリエチルアミン3ml(21.2mmol)を加え、4時間撹拌し、溶媒を留去した。得られた粗製物を4規定塩化水素ジオキサン溶液50mlに溶解し、エタノール5ml加え、室温で一晩攪拌した。溶媒を留去して得られた残留物をエタノール10mlに溶解し、炭酸アンモニウム1g(17.65mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。溶媒を留去し得られた粗製物をジオキサン30ml、4規定塩化水素ジオキサン溶液30mlに溶解させ、室温で2時間撹拌した。溶媒を留去して得られた粗製物を実施例1工程11と同様の操作により表題化合物を得た。
収量 1.45g(1.88mmol) 収率 53%
工程3 [2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(1−(1−アセトイミドイル)−4−ピペリジルオキシ)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸ジエチルエステル 二トリフルオロ酢酸塩の合成
行程2で得られた[2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(4−ピペリジルオキシ)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)ビニル]リン酸ジエチルエステル 二トリフルオロ酢酸塩1.45g(1.88mmol)をエタノール50mlに溶解し、エチルアセトイミデート塩酸塩0.695g(5.65mmol)、トリエチルアミン1.31ml(9.38mmol)加え、一晩撹拌した。溶媒を留去して得られた粗製物をエタノール50mlに溶解し、10%パラジウム−炭素150mgを加え、水素存在下一晩撹拌した。セライト濾過し、溶媒を留去し、得られた粗精製物を実施例1の行程11と同様の操作を行い表題化合物を得た。
収量 98mg(0.12mmol) 収率 6%
MS(ESI,m/z) 588(MH+)
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.17(6H,t),1.80(2H,br),1.95−2.20(4H,m),2.30(3H,s),2.85(2H,br),3.40−3.80(6H,m),3.90(4H,q),4.25(2H,br),4.80(1H,br),7.06(2H,d),7.42(3H,m),7.86(2H,d),8.60(2H,br),9.11(3H,br),9.26(2H,br).
工程4 [2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(4−ピペリジルオキシ)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸モノエチルエステル 二トリフルオロ酢酸塩の合成
[2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(4−ピペリジルオキシ)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸 二トリフルオロ酢酸塩の合成
行程2と同様の操作から得られた[2−(4−シアノ−2−[2−[4−(1−(1−t−ブトキシカルボニル)−4−ピペリジルオキシ)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)ビニル]リン酸ジエチルエステル0.3g(0.478mmol)をエタノール30mlに溶解し、10%パラジウム−炭素30mgを加え、水素存在下一晩撹拌した。セライト濾過し、溶媒を留去した粗精製物をジオキサン10ml、4規定塩化水素ジオキサン溶液10mlに溶解させ、室温で1時間撹拌した。溶媒を留去し得られた粗製物を4規定塩化水素ジオキサン溶液30mlに溶解し、エタノール3ml加え、室温で一晩攪拌した。溶媒を留去して得られた残留物をエタノール10mlに溶解し、炭酸アンモニウム0.2g(3.5mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。溶媒を留去し得られた粗製物を濃塩酸5ml溶解し、80℃で4時間撹拌した。溶媒を留去し、実施例1の行程11と同様の操作を行い表題化合物を得た。
[2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(4−ピペリジルオキシ)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸モノエチルエステル 二トリフルオロ酢酸塩
収量 53.2mg(0.07mmol) 収率 15%
MS(ESI,m/z) 519(MH+)
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.16(3H,t),1.75−2.00(4H,m),2.10(2H,br),2.85(2H,br),3.10(2H,br),3.25(2H,br),3.60−4.00(4H,m),4.20(2H,br),4.75(1H,br),7.05(2H,d),7.41(3H,m),7.86(2H,d),8.60(2H,m),9.10(2H,br),9.25(2H,br).
[2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(4−ピペリジルオキシ)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸
収量 6.96mg(0.0096mmol) 収率 2%
MS(ESI,m/z) 491(MH+)
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.80(4H,br),2.10(2H,br),2.95(2H,br),3.00−3.75(6H,m),4.20(2H,br),4.70(1H,br),7.05(2H,d),7.40(3H,m),7.88(2H,d),8.56(1H,br),8.74(1H,br),9.06(2H,br),9.22(2H,br).
工程5 [2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(1−(1−アセトイミドイル)−4−ピペリジルオキシ)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸モノエチルエステル 二トリフルオロ酢酸塩の合成
行程4で得られた[2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(4−ピペリジルオキシ)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸モノエチルエステル 二トリフルオロ酢酸塩46.94mg(0.063mmol)をエタノール5mlに溶解し、エチルアセトイミデート塩酸塩75mg(0.57mmol)、トリエチルアミン0.15ml(0.945mmol)加え、一晩撹拌した。溶媒を留去し、実施例1の行程11と同様の操作を行い表題化合物を得た。
収量 34.26mg(mmol) 収率 69%
MS(ESI,m/z) 560(MH+)
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.16(3H,t),1.70−2.00(4H,m),2.10(2H,br),2.30(3H,s),2.85(2H,m),3.50(2H,m),3.60−3.80(4H,m),3.88(2H,q),4.20(2H,br),4.80(1H,br),7.06(2H,d),7.41(3H,m),7.86(2H,d),8.60(1H,br),8.66(1H,br),9.13(3H,br),9.24(2H,br).
工程6 [2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(1−(1−アセトイミドイル)−4−ピペリジルオキシ)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸 二トリフルオロ酢酸塩
行程4で得られた[2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(4−ピペリジルオキシ)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸 二トリフルオロ酢酸塩6.96mg(0.0096mmol)をエタノール5mlに溶解し、エチルアセトイミデート塩酸塩14mg(0.086mmol)、トリエチルアミン0.03ml(0.144mmol)加え、一晩撹拌した。溶媒を留去し、実施例1の行程11と同様の操作を行い表題化合物を得た。
収量 4.87mg(0.0064mmol) 収率 67%
MS(ESI,m/z) 532(MH+)
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.70−1.90(4H,m),2.10(2H,br),2.30(3H,s),2.85(2H,br),2.65(2H,br),3.60−3.85(4H,m),4.20(2H,br),4.80(1H,br),7.06(2H,d),7.40(3H,m),7.87(2H,d),8.60(1H,br),8.72(1H,br),9.08(2H,br),9.16(1H,br),9.22(2H,br).
実施例3 [2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(1−ピロリジンカルバモイル)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸 一トリフルオロ酢酸塩
工程1 [2−(4−シアノ−2−[2−[4−(1−ピロリジンカルバモイル)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)ビニル]リン酸ジエチルエステルの合成
[2−[(2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)−4−シアノ−フェニル]ビニル]リン酸ジエチルエステル化合物0.57g(1.34mmol)をジオキサン10ml、4規定塩化水素ジオキサン溶液10mlに溶解させ、室温で1時間半撹拌した。溶媒を留去して得られた粗製物をN、N−ジメチルホルムアミド(脱水)20mlに溶解し、ピロリジルカルバモイル安息香酸0.32g(1.47mmol)、2−クロロ−1、3−ジメチルイミダゾニウムクロライド0.32g(1.74mmol)、トリエチルアミン1.2ml(8.04mmol)を加え、一晩撹拌し、溶媒を留去した。得られた粗製物を実施例1の行程11と同様の操作を行い表題化合物を得た。
収量 0.52g(0.99mmol) 収率 74%
MS(ESI,m/z) 526(MH+)
H−NMR(CDCl3)δ 1.34(6H,t),1.80−2.05(4H,m),3.40(2H,t),3.60(2H,t),3.95(2H,br),4.13(4H,q),4.25(2H,t),6.40(2H,m),7.17(1H,s),7.54(2H,d),7.63(1H,d),7.85(2H,d),8.20(1H,d).
行程2 [2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(1−ピロリジンカルバモイル)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸ジエチルエステル 一トリフルオロ酢酸塩の合成
行程1で得られた[2−(4−シアノ−2−[2−[4−(1−ピロリジンカルバモイル)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)ビニル]リン酸ジエチルエステル0.5g(0.95mmol)を4規定塩化水素ジオキサン溶液10mlに溶解し、エタノール1ml加え、室温で一晩攪拌した。溶媒を留去して得られた残留物をエタノール5mlに溶解し、炭酸アンモニウム0.3g(4.76mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。溶媒を留去し、得られた粗製物をエタノール5mlに溶解し、10%パラジウム−炭素0.1gを加え、室温で水素存在下一晩撹拌した。セライト濾過し、溶媒を留去し得られた粗精製物を実施例1の行程11と同様の操作を行い表題化合物を得た。
収量 306mg(0.46mmol) 収率 49%
MS(ESI,m/z) 545(MH+)
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.16(6H,t),1.75−2.10(6H,m),2.83(2H,br),3.35(2H,t),3.45(2H,t),3.70−4.00(6H,m),4.30(2H,br),7.42(2H,m),7.58(3H,m),7.90(2H,d),8.86(1H,br),9.02(2H,br),9.25(2H,br).
行程3 [2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(1−ピロリジンカルバモイル)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸モノエチルエステル 一トリフルオロ酢酸塩の合成
[2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(1−ピロリジンカルバモイル)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸 一トリフルオロ酢酸塩の合成
行程2で得られた化合物[2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(1−ピロリジンカルバモイル)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸ジエチルエステル 一トリフルオロ酢酸塩 268mg(0.41mmol)を濃塩酸3mlに溶解し、80℃で8時間撹拌した。溶媒を留去し、実施例1の行程11と同様の操作を行い表題化合物を得た。
[2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(1−ピロリジンカルバモイル)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸モノエチルエステル 一トリフルオロ酢酸塩
収量 14.07mg(0.022mmol) 収率 5%
MS(ESI,m/z) 517(MH+)
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.16(3H,t),1.78−2.00(6H,m),2.85(2H,br),3.34(2H,br),3.47(2H,br),3.72(2H,br),3.90(2H,m),4.30(2H,br),7.41(3H,m),7.58(2H,d),7.91(2H,d),8.90(1H,br),9.01(2H,br),9.22(2H,br).
[2−(4−アミジノ−2−[2−[4−(1−ピロリジンカルバモイル)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸 一トリフルオロ酢酸塩
収量 7.8mg(0.013mmol) 収率 3%
MS(ESI,m/z) 489(MH+)
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.75−1.92(6H,m),2.85(2H,br),3.35(2H,br),3.50(2H,br),3.70(2H,br),4.25(2H,br),7.40(3H,m),7.59(2H,d),7.91(2H,d),8.94(1H,br),9.00(2H,br),9.23(2H,br).
実施例4 (4S)−5−(5−アミジノ−2−(2−(ジエトキシリン酸)エチル)フェノキシ)−4−((1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ)ペンタン酸 二トリフルオロ酢酸塩
工程1 ベンジル(4S)−4−((t−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−ヒドロキシペンタン酸の合成
t−ブトキシカルボニル−D−グルタミン酸−γ−ベンジルエステル25g(74.1mmol)をテトラヒドロフラン350mlに溶解したものにクロロギ酸エチル7.1ml(74.1mmol)、トリエチルアミン10.3ml(74.1mmol)を0℃で加えた。20分撹拌後、生成したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、氷5g、水素化ホウ素ナトリウム2.8g(74.1mmol)を0℃で加え、室温で1時間撹拌し、1規定塩化水素100ml加え、1時間撹拌した。溶媒を留去して得られた残留物を酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトクラフィーで精製し表題化合物を得た。
収量 11.25g(34.8mmol) 収率 47%
H−NMR(CDCl3)δ 1.43(9H,s),2.50(2H,br),3.50−3.70(4H,m),4.80(1H,br),5.10(2H,s),7.35(5H,s).
工程2 ベンジル(4S)−4−((t−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(3−エテニルフェノキシ)ペンタン酸の合成
行程1で得られたベンジル(4S)−4−((t−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−ヒドロキシペンタン酸11.25g(34.8mmol)をジクロロメタン120mlに溶解し、トリエチルアミン9.7ml(69.6mmol)を加え0℃で、メシルクロライド6.0ml(52.2mmol)加え室温で4時間撹拌した。溶媒を留去し、酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。得られた粗製物を、N、N−ジメチルホルムアミド(脱水)100mlに溶解し、リチウムクロライド7.4g(174mmol)を加え、50℃で6時間撹拌した。溶媒を留去し、酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し粗製物を得た。得られた粗製物をN、N−ジメチルホルムアミド(脱水)150mlに溶解し、3−ヒドロキシ−4−ヨードベンゾニトリル6.8g(27.7mmol)、炭酸カリウム5.73g(41.5mmol)、よう化カリウム4.6g(27.7mmol)を加え、90℃で一晩撹拌した。溶媒を留去し、酢酸エチルを抽出溶媒として常法に従って処理し粗製物を得た。続いてシリカゲルカラムクロマトクラフィーで精製し表題化合物を得た。
収量 6.64g(13.5mmol) 収率 39%
H−NMR(CDCl3)δ 1.44(9H,s),2.50(2H,br),3.60(2H,br),3.93(2H,br),4.90(1H,br),5.10(2H,s),6.94−7.04(2H,m),7.36(5H,s),7.88(1H,d).
工程3 ベンジル(4S)−4−((t−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(2−((E)−2−(ジエトキシホスフォリル)エテニル)−5−エテニルフェノキシ)ペンタン酸の合成
行程2で得られたベンジル(4S)−4−((t−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(3−エテニルフェノキシ)ペンタン酸2.2g(4.47mmol)をN、N−ジメチルホルムアミド(脱水)20mlに溶解し、ジエチルビニルホスフォネート0.82ml(5.36mmol)、酢酸パラジウム11mg(0.05mmol)、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン30mg(0.09mmol)加え、90℃で一晩撹拌した。溶媒を留去し、酢酸エチルを抽出溶媒とし常法に従って処理し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得た。
収量 1.66g(2.82mmol) 収率 63%
H−NMR(CDCl3)δ 1.33(6H,m),1.43(9H,s),2.40−2.60(2H,m),3.85−4.20(8H,m),5.00(1H,br),5.13(2H,s),6.00−6.50(2H,m),7.10−7.80(8H,m).
工程4 (4S)−5−(5−アミジノ−2−(2−(ジエトキシリン酸)エチル)フェノキシ)−4−((1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ)ペンタン酸 二トリフルオロ酢酸塩の合成
(4S)−5−(5−アミジノ−2−(2−(エトキシ(ヒドロキシ)リン酸)エチル)フェノキシ)−4−((1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ)ペンタン酸 二トリフルオロ酢酸塩の合成
行程3で得られたベンジル(4S)−4−((t−ブトキシカルボニル)アミノ)−5−(2−((E)−2−(ジエトキシホスフォリル)エテニル)−5−エテニルフェノキシ)ペンタン酸0.414g(0.71mmol)をジオキサン3ml、4規定塩化水素ジオキサン溶液3mlに溶解し、室温で2時間撹拌した。溶媒を留去し、得られた粗製物をN、N−ジメチルホルムアミド(脱水)5mlに溶解し、(1−ピリジン4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸0.16g(0.78mmol)、2−クロロ−1、3−ジメチルイミダゾニウムクロライド0.15g(0.92mmol)、トリエチルアミン0.6ml(4.2mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。溶媒を留去し、得られた粗製物を実施例1の行程11と同様の操作を行った。得られた化合物を4規定塩化水素ジオキサン溶液2.6mlに溶解し、エタノール0.26ml加え室温で一晩撹拌した。溶媒を留去し、得られた粗製物をエタノール5mlに溶解し、炭酸アンモニウム0.2g(3.53mmol)加え、室温で一晩撹拌した。溶媒を留去し、得られた粗製物をエタノール5mlに溶解し、10%パラジウム−炭素0.2gを加え、室温で水素存在下一晩撹拌した。セライト濾過し、溶媒を留去し、得られた粗製物を濃塩酸5mlに溶解し、80℃で一時間半撹拌した。溶媒を留去し、得られた粗精製物を実施例1の行程11と同様の操作を行い表題化合物を得た。
(4S)−5−(5−アミジノ−2−(2−(ジエトキシリン酸)エチル)フェノキシ)−4−((1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ)ペンタン酸 二トリフルオロ酢酸塩
収量 26.7mg(0.032mmol) 収率 4.5%
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.23(6H,br),1.50−2.10(6H,m),2.30(2H,br),2.55−3.15(6H,m),3.15−4.30(12H,m),7.20(2H,br),7.37−7.57(2H,m),8.10(1H,br),8.20(2H,br),9.10(2H,br),9.20(2H,br),9.40(1H,br).
(4S)−5−(5−アミジノ−2−(2−(エトキシ(ヒドロキシ)リン酸)エチル)フェノキシ)−4−((1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ)ペンタン酸 二トリフルオロ酢酸塩
収量 25.5g(0.032mmol) 収率 4.5%
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.19(3H,t),1.60(2H,br),1.80−2.00(4H,m),2.30(2H,br),2.58−2.95(4H,m),3.00−4.30(10H,m),7.18(2H,d),7.38(2H,m),8.06(1H,d),8.20(2H,d),9.04(2H,br),9.23(3H,br).
行程5 (4S)−5−(5−アミジノ−2−(2−リン酸エチル)フェノキシ)−4−((1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ)ペンタン酸 二トリフルオロ酢酸塩
行程4で得られた(4S)−5−(5−アミジノ−2−(2−(エトキシ(ヒドロキシ)リン酸)エチル)フェノキシ)−4−((1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ)ペンタン酸 二トリフルオロ酢酸塩23mg(0.029mmol)をジオキサン5mlに溶解し、トリメチルシリルブロマイド0.03ml(0.23mmol)を加え、室温で3日間撹拌した。溶媒を留去し、得られた粗精製物を実施例1の行程11と同様の操作を行い表題化合物を得た。
収量 10mg(0.013mmol) 収率 44%
MS(ESI,m/z) 548(MH+)
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.60(2H,br),1.70−2.00(4H,m),2.30(2H,br),2.70(2H,br),2.90(2H,br),3.20(2H,br),3.40−4.30(6H,m),7.17(2H,d),7.37(2H,m),8.16(1H,d),8.20(2H,d),9.19(2H,br),9.25(2H,br).
実施例5 [2−(4−ヒドロキシルアミジノ−2−[2−[(1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸 二トリフルオロ酢酸塩
工程1 [2−(4−シアノ−2−[2−[(1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]エトキシ]フェニル)ビニル]リン酸ジエチルエステル 二トリフルオロ酢酸塩の合成
[2−[(2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ)エトキシ)−4−シアノ−フェニル]ビニル]リン酸ジエチルエステル1g(2.36mmol)をジオキサン15ml、4規定塩化水素ジオキサン溶液15mlに溶解させ、室温で2時間撹拌した。溶媒を留去して得られた粗製物をN、N−ジメチルホルムアミド(脱水)30mlに溶解し、1−(4−ピリジル)−4−ピペリジンカルボン酸 塩酸塩540mg(2.60mmol)、2−クロロ−1、3−ジメチルイミダゾニウムクロライド520mg(3.07mmol)、トリエチルアミン2ml(14.2mmol)を加え、一晩撹拌した。溶媒を留去し、実施例1の行程11と同様の操作を行い表題化合物を得た。
収量 1.20g(1.91mmol) 収率 81%
MS(ESI,m/z) 513(MH+)
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.25(6H,t),1.60(2H,br),1.90(2H,br),2.60(2H,br),3.20(2H,br),3.50(2H,br),4.00(4H,q),4.20(3H,br),6.75(1H,t),7.19(2H,d),7.46(1H,d),7.53−7.68(2H,m),7.92(1H,d),8.15(1H,br),8.21(2H,d).
工程2 [2−(4−シアノ−2−[2−[(1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸ジエチルエステル 一トリフルオロ酢酸塩の合成
行程1で得られた[2−(4−シアノ−2−[2−[(1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]エトキシ]フェニル)ビニル]リン酸ジエチルエステル 一トリフルオロ酢酸塩1.2g(1.91mmol)をエタノール10mlに溶解し、10%パラジウム−炭素0.12gを加え、室温で水素存在下一晩撹拌した。セライト濾過し、溶媒を留去し得られた粗精製物を実施例1の行程11と同様の操作を行い表題化合物を得た。
収量 259mg(0.41mmol) 収率 22%
MS(ESI,m/z) 515(MH+)
行程3 [2−(4−ヒドロキシルアミジノ−2−[2−[(1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸モノエチルエステル 二トリフルオロ酢酸塩の合成
[2−(4−ヒドロキシルアミジノ−2−[2−[(1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸 二トリフルオロ酢酸塩の合成
行程2で得られた[2−(4−シアノ−2−[2−[(1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸ジエチルエステル 一トリフルオロ酢酸塩129mg(0.206mmol)をエタノール5mlに溶解し、ヒドロキシルアミン塩酸塩22mg(0.31mmol)、トリエチルアミン0.05ml(0.31mmol)を加え、80℃で4時間撹拌した。溶媒を留去し得られた粗製物に濃塩酸5mlを加え、80℃で4時間撹拌した。溶媒を留去し、実施例1の行程11と同様の操作を行い表題化合物を得た。
[2−(4−ヒドロキシルアミジノ−2−[2−[(1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸モノエチルエステル 二トリフルオロ酢酸塩
収量 31.4mg(0.042mmol) 収率 20%
MS(ESI,m/z) 520(MH+)
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.20(3H,t),1.50−1.70(2H,m),1.80−2.00(4H,m),2.55−2.70(2H,m),2.75−2.90(2H,m),3.20(2H,br),3.50(2H,br),3.95(2H,q),4.10(2H,br),4.20(1H,br),7.17−7.26(3H,m),7.39(2H,d),8.20−8.30(4H,m).
[2−(4−ヒドロキシルアミジノ−2−[2−[(1−(1−ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボニル)アミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸 二トリフルオロ酢酸塩
収量 4.9mg(0.007mmol) 収率 3%
MS(ESI,m/z) 492(MH+)
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.58(2H,br),1.80−1.83(4H,m),2.63(2H,br),2.80(2H,br),3.10−4.00(4H,m),4.05(2H,br),4.15(1H,br),7.15−7.23(3H,m),7.32(2H,d),8.19(2H,d),8.29(2H,br).
実施例6 [2−(4−ヒドロキシルアミジノ−2−[2−[4−(1−ピロリジンカルバモイル)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸 一トリフルオロ酢酸塩
行程1 [2−(4−シアノ−2−[2−[4−(1−ピロリジンカルバモイル)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸ジエチルエステル 一トリフルオロ酢酸塩の合成
実施例3の行程1と同様の操作により得られた[2−(4−シアノ−2−[2−[4−(1−ピロリジンカルバモイル)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)ビニル]リン酸ジエチルエステル0.88g(1.67mmol)をエタノール10mlに溶解し、10%パラジウム−炭素0.1gを加え、室温で水素存在下一晩撹拌した。セライト濾過し、溶媒を留去し得られた粗精製物を実施例1の行程11と同様の操作を行い表題化合物を得た。
収量 692mg(1.31mmol) 収率 78%
MS(ESI,m/z) 528(MH+)
行程2 [2−(4−ヒドロキシルアミジノ−2−[2−[4−(1−ピロリジンカルバモイル)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)ビニル]リン酸モノエチルエステル 一トリフルオロ酢酸塩の合成
[2−(4−ヒドロキシルアミジノ−2−[2−[4−(1−ピロリジンカルバモイル)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)ビニル]リン酸 一トリフルオロ酢酸塩の合成
行程1で得られた[2−(4−シアノ−2−[2−[4−(1−ピロリジンカルバモイル)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)エチル]リン酸ジエチルエステル 一トリフルオロ酢酸塩0.34g(0.66mmol)をエタノール10mlに溶解し、ヒドロキシルアミン塩酸塩70mg(0.98mmol)、トリエチルアミン0.14ml(0.98mmol)を加え、80℃で5時間撹拌した。溶媒を留去し得られた粗製物に濃塩酸5mlを加え、80℃で2.5時間撹拌した。溶媒を留去し、実施例1の行程11と同様の操作を行い表題化合物を得た。
[2−(4−ヒドロキシルアミジノ−2−[2−[4−(1−ピロリジンカルバモイル)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)ビニル]リン酸モノエチルエステル 一トリフルオロ酢酸塩
収量 103.5mg(0.16mmol) 収率 24%
MS(ESI,m/z) 533(MH+)
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.16(3H,t),1.75−2.00(6H,m),2.85(2H,br),3.35(2H,t),3.50(2H,t),3.70(2H,br),3.88(2H,q),4.25(2H,br),7.25(1H,d),7.30(1H,s),7.39(1H,d),7.58(2H,d),7.91(2H,d),8.90(2H,br).
[2−(4−ヒドロキシルアミジノ−2−[2−[4−(1−ピロリジンカルバモイル)ベンゾイルアミノ]エトキシ]フェニル)ビニル]リン酸 一トリフルオロ酢酸塩
収量 46.32mg(0.075mmol) 収率 11%
MS(ESI,m/z) 505(MH+)
H−NMR(DMSO−d6)δ 1.75−2.00(6H,m),2.88(2H,br),3.35(2H,t),3.50(2H,t),3.75(2H,br),4.25(2H,br),7.24(1H,d),7.31(1H,s),7.37(1H,d),7.91−8.00(2H,m),8.96(2H,m).
実施例7 活性化血液凝固因子第X因子阻害活性の測定
評価化合物の水溶液10μlにpH8.4に調整した100mMトリス−塩酸緩衝液130μlを加え、次いでヒト活性化血液凝固因子第X因子(Enzyme Research社製)をpH8.4トリス−塩酸緩衝液で0.5ユニット/mlに調整した溶液10μlを加え、室温で10分間インキュベートした。次いで、N−ベンゾイル−L−イソロイシン−グルタミン−グリシン−L−アルギニン−P−ニトロアニリド塩酸塩((株)ペプチド研究所製)をpH8.4トリス−塩酸緩衝液で0.8mMに調整した溶液50μlを加え、吸光度を測定し、反応初速度を求めた。評価化合物の代わりにpH8.4に調整したトリス−塩酸緩衝液10μlを加えたものをコントロールとした。吸光度の測定はMICROPLATE READER Model 3550−UV(BIO RAD)を用い、405nmの波長で15秒間隔で16分間測定した。評価化合物無添加の時の活性血液凝固第X因子の活性(初速度)を50%阻害するときの評価化合物の濃度の負の対数値を求め(pIC50と略す)、活性化血液凝固第X因子阻害活性の指標とした。
代表的な化合物の活性化血液凝固第X因子阻害活性を下記表−1に示す。
実施例8 トロンビンの阻害活性の測定
評価化合物の水溶液10μlにpH8.4に調整した100mMトリス−塩酸緩衝液130μlを加え、次いでヒトのトロンビン(SIGMA社製)をpH8.4トリス−塩酸緩衝液で2ユニット/mlに調整した溶液10μlを加え、室温で10分間インキュベートした。次いで、D−フェニルアラニン−L−ピペコリル−L−アルギニン−P−ニトロアニリド二塩酸塩(第一化学薬品、S−2238)をpH8.4トリス−塩酸緩衝液で0.4mMに調整した溶液50μlを加え、吸光度を測定し、反応初速度を求めた。評価化合物の溶液の代わりにpH8.4に調整したトリス−塩酸緩衝液10μlを加えたものをコントロールとした。吸光度の測定はMICROPLATE READER Model 3550−UV(BIO RAD)を用い、405nmの波長で15秒間隔で16分間測定した。評価化合物無添加の時のトロンビンの活性(初速度)を50%阻害するときの評価化合物の濃度の負の対数値を求め(pIC50と略す)、トロンビン阻害活性の指標とした。
代表的な化合物のトロンビン阻害活性を下記表−1に示す。
実施例9 抗血液凝固活性の測定
抗血液凝固活性はプロトロンビン時間(PT)測定法を用いて決定した。PT測定は以下に示す通りに行った。すなわち、健常人より採血を行い、3.8%クエン酸三ナトリウム水溶液を10分の1容量加え、遠心操作により血漿を分離した。血漿45μlに評価化合物を含むDMSO溶液5μlを加え、室温で2分間インキュベートした。その血漿溶液を含む試験管をSysmex CA−3000全自動血液凝固測定装置(東亜医用電子社)に設置後、37℃で3分間インキュベートし、Sysmex PT II(東亜医用電子社、ウサギ脳組織トロンボプラスチン、13.2mM塩化カルシウム)100μlを加えた。PTは同装置により自動測定した。評価化合物の溶液の代わりにDMSO5μlを加えたものをコントロールとし、コントロールのPTを2倍に延長する評価化合物濃度の負の対数値を求め(pPT2と略す)、抗血液凝固活性の指標とした。
また、実施例1記載の化合物(式(2−1)で示される化合物)は、優れた抗血液凝固活性も示した(pPT2=6.8)。
この結果により本発明のベンズアミジン誘導体は、活性化血液凝固因子第X因子に特異的な高い阻害活性を示し、これに基づく高い抗凝固活性を示すことがわかった。以下実施例で述べた本発明化合物の構造式を示す。
本発明化合物またはその塩を有効成分とする抗凝固剤は優れた活性化血液凝固第X因子阻害作用に基づく抗血液凝固作用を示す。従って、本発明化合物は脳梗塞、脳卒中、脳血栓、脳塞栓、一過性脳虚血発作(TIA)、くも膜下出血(血管れん縮)等の脳血管障害における疾病、急性及び慢性心筋梗塞、不安定狭心症、冠動脈血栓等の虚血性心疾患における疾病、肺梗塞、肺塞栓等の肺血管障害における疾病、末梢動脈閉塞症、深部静脈血栓症、汎発性血管内凝固症候群、さらに人工血管術及び人工弁置換後の血栓形成、冠動脈バイパス術後における再閉塞及び再狭窄、経皮的経管式冠動脈形成術(PTCA)または経皮的経管式冠動脈再開通療法(PTCR)等の血行再建後の再閉塞及び再狭窄、体外循環時の血栓形成などの予防・治療剤として利用できる。
Claims (13)
- 下記一般式(1)で示されるベンズアミジン誘導体またはその医薬的に許容しうる塩。
[式中、Xは、水素原子、カルボキシル基、炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素数1〜3のアルキル基または置換基を有してもよいベンジル基のいずれかを表し、ここで、置換基を有する場合の置換基はカルボキシル基または炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基のいずれかを表し、
Vは置換基を有してもよいベンゾイル基またはピペリジンカルボニル基のいずれかを表し、ここで、置換基を有する場合の置換基は炭素数7〜10のイミノアルキルピペリジルオキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数4〜5のヘテロアリール基、カルバモイル基、または炭素数2〜7のモノもしくはジアルキルカルバモイル基のいずれかを表す。] - 式中、Vが置換基を有してもよいベンゾイル基またはピペリジンカルボニル基のいずれかを表し、ここで、置換基を有する場合の置換基が炭素数7〜10のイミノアルキルピペリジルオキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数4〜5のヘテロアリール基である請求項1記載のベンズアミジン誘導体またはその医薬的に許容しうる塩。
- 式中、Xが水素原子、カルボキメチル基もしくはカルボキシエチル基のいずれかで表される基である請求項1記載のベンズアミジン誘導体またはその医薬的に許容しうる塩。
- 式中、Xが水素原子、カルボキメチル基もしくはカルボキシエチル基のいずれかで表される基である請求項2記載のベンズアミジン誘導体またはその医薬的に許容しうる塩。
- 式中、Vが1−アセトイミドイル−4−ピペリジルオキシベンゾイル基、1−(4−ピリジル)−ピペリジン−4−カルボニル基もしくは4−(1−ピロリジンカルボニル)ベンゾイル基のいずれかで表される請求項1記載のベンズアミジン誘導体またはその医薬的に許容しうる塩。
- 式中、Vが1−アセトイミドイル−4−ピペリジルオキシベンゾイル基、1−(4−ピリジル)−ピペリジン−4−カルボニル基のいずれかで表される請求項2記載のベンズアミジン誘導体またはその医薬的に許容しうる塩。
- 請求項1から9のいずれか1項記載のベンズアミジン誘導体またはその医薬的に許容しうる塩を有効成分とする医薬組成物。
- 請求項1から9のいずれか1項記載のベンズアミジン誘導体またはその医薬的に許容しうる塩を有効成分として含有する抗血液凝固剤または血栓もしくは塞栓の予防・治療剤。
- 請求項1から9のいずれか1項記載のベンズアミジン誘導体またはその医薬的に許容しうる塩を有効成分として含有する、脳血管障害における疾病、虚血性心疾患における疾病、肺血管障害における疾病、末梢動脈閉塞症、深部静脈血栓症、汎発性血管内凝固症候群、人工血管術及び人工弁置換後の血栓形成、冠動脈バイパス術後における再閉塞及び再狭窄、血行再建後の再閉塞及び再狭窄、体外循環時の血栓形成の予防・治療剤。
- 請求項1から9のいずれか1項記載のベンズアミジン誘導体またはその医薬的に許容しうる塩を有効成分として含有する脳梗塞又は脳卒中の予防・治療剤。
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