JP4445111B2 - プラズマ表面処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ表面処理装置に関する技術分野に属し、詳細には、プラズマを利用して基材の表面に成膜、加工、クリーニング等の表面処理をするプラズマ表面処理装置に関する技術分野に属し、特には、基材表面にプラズマCVDによる成膜をするプラズマ表面処理装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
近年、雰囲気制御されたチャンバー内にて、プラズマを応用した成膜、加工、クリーニング等の表面処理が盛んに試みられている。そして、かかる表面処理により得られた機能性薄膜を利用してハードコーティングや太陽電池等への適用が進められている。
【0003】
アモルファスシリコンのような機能性薄膜を太陽電池に適用するためには、その製造コストの低減が最重要課題であり、製造時における成膜コストの低減は成膜速度の高速化または成膜面積の大面積化によって達成される。
【0004】
成膜手法については、これまでに種々の成膜手法が提案されてきたが、現在、工業的には反応容器内に平行平板型電極を設けたプラズマCVD装置が一般的に用いられている。このプラズマCVD装置は、平行平板型電極の一方の平板型電極に高周波電力または直流電力を印加し、接地された他方の平板型電極との間でプラズマを発生させ、このプラズマ中に反応ガスを供給し、反応ガスをプラズマにより分解することにより板状基材(基板)上に薄膜を形成させるものである。
【0005】
このようなプラズマCVD装置においては、プラズマ空間に均一に且つ効率よく反応ガスを供給することが大面積の均一な薄膜を形成させるためには必要となる。しかしながら、広い領域にわたって反応ガスを均一に且つ効率よく供給することは困難である。
【0006】
一般に、平行平板型電極を設けたプラズマCVD装置(平行平板型電極式プラズマCVD装置)においては、電極内(平板型電極と基板の間)のガスの流れを均一にするために圧力を数百ミリトール程度以下にしなければならず、この場合、高エネルギー粒子の基材表面への衝突を避けるため、良品質膜の作製の際にはプラズマ発生のために大電力を投入することにより成膜速度を高くすることはできない。一方、反応ガスの濃度を高くして高速成膜を行う場合には、反応ガス圧力の上昇とともに電極間のギャップも狭くなり、プラズマ空間に対するガス供給が不均一になるため、均一な薄膜の形成は困難となる。
【0007】
このため、均一かつ大面積で良質な薄膜を形成するためには成膜速度を極めて遅くする必要があり、例えば、太陽電池として機能する良好な膜質を有するアモルファスシリコン薄膜を得るためには一般には成膜速度を0.1〜0.3nm/秒程度と非常に遅くして薄膜を形成する必要があり、結果としてスループットは低くとどまってしまう。
【0008】
また、太陽電池として必要な積層構造を製造する製造装置とした場合には、製造装置の設置の占有面積が大きくなり、結果として太陽電池の製造コスト増大を招くことになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような背景のもと、均質な薄膜を高速で且つ大面積で形成させることができる画期的な方法および装置が提案され、この詳細は特開平9−104985号公報に記載されている。この公報記載の方法は、基本的には、電極に高周波電力または直流電力を印加することによりプラズマを発生させ、該プラズマ中に反応ガスを供給して化学反応により基板上に薄膜を形成する方法であって、前記電極として回転電極を用いることを特徴とする高速成膜方法(回転電極式高速成膜方法)である。また、この公報記載の装置は、基本的には、電極に高周波電力または直流電力を印加することによりプラズマを発生させ、該プラズマ中に反応ガスを供給して化学反応により基板上に薄膜を形成する成膜装置であって、前記電極として回転電極が設けられていることを特徴とする高速成膜装置(回転電極式高速成膜装置)である。この公報記載の装置の例を図1に示す。なお、回転電極とは、回転する電極のことである。
【0010】
上記公報記載の方法によれば、高濃度の反応ガスの供給と、これに伴う電極の温度上昇の防止が可能である。また、従来の平行平板型電極を設けたプラズマCVD装置による場合には不可能であった1気圧(1.01325×105 Pa)に近い圧力でプラズマを発生させることが可能である。このような圧力のプラズマは、平均自由行程が小さく、電子温度が低いため、イオン等による損傷が少なく、高品質な薄膜を高速で得ることができる。一方、上記公報記載の装置によれば、上記の如き優れた高速成膜方法を行うことができる。
【0011】
このように上記公報記載の方法は均質な薄膜を高速で且つ大面積で形成させることができる画期的な方法であり、上記公報記載の装置はこのような画期的な成膜を行うことができるものであるが、成膜コストの低減の観点からすると、薄膜形成の生産性をさらに向上することは望まれるところである。
【0012】
本発明は、このような事情に着目してなされたものであって、その目的は、上記公報(特開平9−104985号公報)記載の方法及び装置の場合よりも、薄膜形成の生産性をさらに向上することができ、また、プラズマを利用する加工、クリーニング等のプラズマ表面処理の生産性を向上することができるプラズマ表面処理装置を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係るプラズマ表面処理装置は、請求項1〜記載のプラズマ表面処理装置としており、それは次のような構成としたものである。
【0014】
即ち、請求項1記載のプラズマ表面処理装置は、回転電極に基材を対向させて前記回転電極と前記基材との間にプラズマを発生させて前記基材の表面処理をするプラズマ表面処理装置において、前記基材が複数であると共に、これらの複数の基材が前記回転電極の両側に配置されており、前記基材と前記回転電極との間隔、前記基材の移動速度、前記基材の移動方向の少なくとも一つを、前記複数の基材の各々について独立に制御する基材の移動手段を備えていることを特徴とするプラズマ表面処理装置である(第1発明)。
【0015】
請求項2記載のプラズマ表面処理装置は、回転電極に基材を対向させて前記回転電極と前記基材との間にプラズマを発生させて前記基材の表面処理をするプラズマ表面処理装置において、前記基材が複数であると共に、これらの複数の基材が前記回転電極の両側に配置されており、前記複数の基材の各々または前記複数の基材の保持手段の各々に独立してプラズマを発生させる電力を供給する手段を備えていることを特徴とするプラズマ表面処理装置である(第2発明)。請求項3記載のプラズマ表面処理装置は、回転電極に基材を対向させて前記回転電極と前記基材との間にプラズマを発生させて前記基材の表面処理をするプラズマ表面処理装置において、前記基材が複数であると共に、これらの複数の基材が前記回転電極の両側に配置されており、前記複数の基材の各々または前記複数の基材の保持手段の各々にそれぞれ周波数の異なる高周波電力を供給する手段を備えていることを特徴とするプラズマ表面処理装置である(第3発明)。
【0016】
なお、上記の「回転電極に基材を対向させて前記回転電極と前記基材との間にプラズマを発生させて前記基材の表面処理をするプラズマ表面処理装置において、前記基材が複数であると共に、これらの複数の基材が前記回転電極の両側に配置されているもの(プラズマ表面処理装置)」を、以降、「本発明の基礎発明に係るプラズマ表面処理装置」という。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、例えば次のような形態で実施する。
チャンバー内に回転電極を設け、前記回転電極の両側に基材(被表面処理材)をそれぞれ前記回転電極に対向させて配置する。このとき、前記基材は基材保持手段により保持される。そして、前記基材または前記基材保持手段を接地すると共に前記回転電極に高周波電力または直流電力を印加し得るようにするか、あるいは、前記回転電極を接地すると共に前記基材または前記基材保持手段に高周波電力または直流電力を印加し得るようにして、前記回転電極と前記基材との間にプラズマを発生させ得るようにする。そうすると、本発明の基礎発明に係るプラズマ表面処理装置が得られる。このプラズマ表面処理装置の一例を図2に示す。尚、この図2に示すプラズマ表面処理装置においては、回転電極は形状が円柱状であり、その中心軸を水平にして設けられている。また、基材は前記回転電極の両側に一つずつ配置されている。即ち、前記回転電極の下側に一つの基材が配置され、前記回転電極の上側に一つの基材が配置されている。
【0018】
上記プラズマ表面処理装置において、高周波電力または直流電力を印加して回転電極と基材との間にプラズマを発生させる。そして、このプラズマ中に表面処理の目的に応じた表面処理用ガスを供給する。そうすると、前記基材の表面処理が行われる。
【0019】
このような形態で本発明の基礎発明に係るプラズマ表面処理装置が得られ。尚、本発明において、回転電極とは、前記公報(特開平9−104985号公報)記載の回転電極の場合と同様、回転する電極のことである。回転電極と基材との間にプラズマを発生させることとは、回転電極と基材との間の個所(空間領域)にプラズマを発生させることである。これは、回転電極と基材によりプラズマを発生させることを意味するものではない。回転電極と基材(いずれか一方:接地、他方:電力印加)によりプラズマを発生させる場合もあるし、回転電極と基材保持手段(いずれか一方:接地、他方:電力印加)によりプラズマを発生させる場合もある。
【0020】
以下、本発明について主にその作用効果を説明する。
【0021】
本発明に係るプラズマ表面処理装置は、前述のように、回転電極に基材を対向させて前記回転電極と前記基材との間にプラズマを発生させて前記基材の表面処理をするプラズマ表面処理装置において、前記基材が複数であるとともに、これらの複数の基材が前記回転電極の両側に配置されてい
【0022】
従って、本発明に係るプラズマ表面処理装置によれば、前記公報(特開平9−104985号公報)記載の方法及び装置の場合よりも、薄膜形成の生産性をさらに大幅に向上することができ、また、プラズマを利用する加工、クリーニング等のプラズマ表面処理の生産性を著しく向上することができるようになる。この詳細を以下説明する。
【0023】
前記公報記載の方法及び装置の場合には、基材(被表面処理材)が回転電極の片側(下側)に回転電極と対向して配置され、該基材と前記回転電極との間にプラズマを発生させて該基材の表面処理がなされる。これに対し、本発明に係るプラズマ表面処理装置による場合には、基材が回転電極の両側(例えば、上側及び下側)にそれぞれが回転電極と対向して配置されているので、これらの基材と前記回転電極との間にそれぞれプラズマを発生させて、これらの基材の表面処理を同時になし得る。例えば、基材が回転電極の上側と下側とにそれぞれが回転電極と対向して配置されている場合、回転電極の上側に配置されている基材と回転電極との間にプラズマを発生させて該基材の表面処理をなし得ると共に、回転電極の下側に配置されている基材と回転電極との間にプラズマを発生させて該基材の表面処理をなし得る。故に、本発明に係るプラズマ表面処理装置によれば、前記公報記載の方法及び装置の場合に比較し、薄膜形成等のプラズマ表面処理の生産性を2倍に高めることができる。
た、前記公報記載の方法及び装置の場合には効率よく利用することができなかった長寿命ラジカルを、積極的に利用することができ、これによりプラズマ表面処理の生産性を飛躍的に向上することができるようになる。
【0024】
即ち、前記公報記載の方法及び装置の場合には、基材と回転電極との間のプラズマ発生部は回転電極の片側のみであり、このプラズマ発生部においてプラズマにより生じた長寿命ラジカルは回転電極の表面上を回転電極の回転方向にガス等の流体と共に流動するが、回転電極の回りを一周するまでに消滅することが多いので、長寿命ラジカルのままで前記プラズマ発生部に流入することは殆どない。これに対して、本発明に係るプラズマ表面処理装置による場合には、基材と回転電極との間のプラズマ発生部は回転電極の両側(例えば上側及び下側)にあるので、回転電極の片側(例えば上側)のプラズマ発生部においてプラズマにより生じた長寿命ラジカルは回転電極の表面上を回転電極の回転方向にガス等の流体と共に流動し、消滅するまでに、長寿命ラジカルのままで回転電極の他方の片側(例えば下側)のプラズマ発生部に流入し、このプラズマ発生部での基材の薄膜形成速度等のプラズマ表面処理速度を向上させ、これにより、プラズマ表面処理の生産性を飛躍的に向上させることができるようになる。
【0025】
このように、本発明に係るプラズマ表面処理装置によれば、前記公報(特開平9−104985号公報)記載の方法及び装置の場合に比較し、同時にプラズマ表面処理し得る基材の量(回転電極の寸法を同一としたときの一つの回転電極当たり)が同一処理条件において2倍であって極めて多く、また、長寿命ラジカルをプラズマ表面処理に利用することができ、このため、前記公報記載の方法及び装置の場合よりも、薄膜形成の生産性をさらに大幅に向上することができ、また、プラズマを利用する加工、クリーニング等のプラズマ表面処理の生産性を著しく向上することができるようになる。
【0026】
尚、前記公報記載の装置の場合、回転電極を設けたチャンバー等の表面処理室の数を増やせば、プラズマ表面処理の生産量を増大することができるが、この場合には装置の設置面積の増大及び装置コストの増大を招くだけでなく、各表面処理室に対してガス導入や真空引き等を行う必要があり、表面処理コストの増大を招くという不利な点がある。これに対し、本発明に係るプラズマ表面処理装置によれば、上記の如き不利な点を殆ど招来することなく、プラズマ表面処理の生産量を増大することができる利点がある。
【0027】
また、本発明に係るプラズマ表面処理装置においては、回転電極の片側(例えば下側)に成膜処理用基材を配置すると共に、回転電極の他方の片側(例えば上側)にクリーニング処理用基材を配置して、プラズマ表面処理を行うと、成膜処理用基材への成膜処理と共に、回転電極に付着した余分な薄膜等をクリーニング処理用基材に付着させることにより回転電極から除去することが可能となるという利点もある。
【0028】
本発明に係るプラズマ表面処理装置を用いるに際し、回転電極に高周波電力又は直流電力を印加する場合には基材または基材保持手段を接地し(あるいは高周波的に接地と等価とし)、基材または基材保持手段に高周波電力又は直流電力を印加する場合には回転電極を接地し(あるいは高周波的に接地と等価とし)、回転電極と基材との間にプラズマを発生させ、このプラズマ中に表面処理の目的に適したガスを供給して基材の表面処理をする。このとき、基材の被表面処理面の全体をできるだけ均一に表面処理し得るように通常は基材を移動させながら、あるいは、回転電極を移動させながら表面処理を行う。
【0029】
上記の如く基材を移動させながら表面処理を行う場合、基材の移動手段を設ける必要がある。この場合、基材の移動手段としては、基材と回転電極との間隔、基材の移動速度、基材の移動方向の少なくとも一つを、基材の各々について独立に制御するものを用いるようにすると、基材の特性等に応じた的確なプラズマの発生を基材の各々について独立にさせることができ、また、基材の表面処理の目的に応じた的確な表面処理を基材の各々について独立に行うことができる(第発明)。
【0030】
例えば、基材の移動速度を基材の各々について独立に制御することができる場合、基材上に形成させる膜厚が基材によって各々異なる場合にも的確に対応できる。基材の移動方向を基材の各々について独立に制御することができる場合、クリーニングやプラズマ窒化などの処理をする場合には基材の各々を同一方向に移動させて処理し、一方、回転電極の回転方向が成膜特性に大きな影響を及ぼす場合には図3に例示する如く基材を互いに反対方向に移動させて処理することにより、良好な薄膜を形成させることができる。
【0031】
図3に例示する如く基材を互いに反対方向に移動させる場合、排気ダクトを互いに干渉することなく配置することができ、このため、成膜の際に粒子が発生する場合でも排気ダクトの設計の自由度が高く、ひいては効率のよい捕集が可能となる。また、このように基材を互いに反対方向に移動させる場合、これを図4に示す如き構成の装置(即ち、最も厚い膜厚が必要なi層の成膜に本発明に係るプラズマ表面処理装置、n層の成膜及びp層の成膜に従来の平行平板型電極を設けたプラズマCVD装置を用いた装置)に適用すると、タンデム型太陽電池の製造等をより省スペースの成膜装置で行うことが可能となる。
【0032】
回転電極の方を接地し(あるいは高周波的に接地と等価とし)、基材または基材の保持手段の方に電力を供給して前記回転電極と前記基材との間にプラズマを発生させる場合、前記基材の各々または前記基材の保持手段の各々に独立してプラズマを発生させる電力を供給する手段を備えていることが望ましい(第発明)。この場合、前記基材の各々または前記基材の保持手段の各々に独立してプラズマを発生させる電力を供給することができるので、それぞれの基材に対してのプラズマの条件(状態)を制御でき、このため、より高品質な薄膜の作製等の表面処理を行うことが可能となる。このとき、プラズマの状態をインピーダンス変化、プラズマ発光種の発光強度変化(ネットワークアナライザ、プラズマ分光装置でそれぞれ測定)を測定することにより求め、この測定の結果をフイードバックすると、より均質な成膜等の表面処理を行うことができる。この例を図5に示す。図5の場合、プラズマの状態の測定にプラズマ分光装置が用いられている。
【0033】
このように基材の各々または基材の保持手段の各々に独立してプラズマを発生させる電力を供給する手段を備えている場合、前記基材の各々または前記基材の保持手段の各々にそれぞれ周波数の異なる高周波電力を供給することにより、高周波的干渉を抑えることができ、ひいては異常放電を防ぐことが可能となる(第発明)。
【0034】
また、回転電極に電力を供給する場合においても、上記の電力を供給する手段として形成される高周波回路にコイルやコンデンサー(これに等価的な回路も含む)を挿入することによって、各々の基材に対する表面処理に最適な電力供給が可能となる。
【0035】
本発明において、回転電極の形状は特には限定されないが、多くの場合は円筒状(略円筒状を含む)又は円柱状(略円柱状を含む)である。回転電極の配置は特には限定されないが、通常、その中心軸を水平(略水平を含む)又は鉛直(略鉛直を含む)にして設けられる。
【0036】
基材は回転電極の両側に配置される。この基材の配置の例を以下に記述する。回転電極がその中心軸を水平にして設けられている場合には、基材は回転電極の上下あるいは左右に配置される。回転電極がその中心軸を鉛直にして設けられている場合には、基材は回転電極の左右あるいは前後に配置される。このとき、いずれの基材も回転電極と間隔をおいて対向していることが必要であるが、回転電極の両側(例えば左と右)に配置された基材同士が回転電極の中心軸に対して対象の位置関係にあることは必ずしも必要ではない。
【0037】
基材は回転電極の両側に配置される必要はあるが、回転電極の両側に一つずつ配置されることには限定されず、例えば回転電極の左側に一つ以上の基材を配すると共に回転電極の右側に一つ以上の基材を配することができる。
【0038】
基材としては、その形状は多くの場合において板状であるが、板状のものに限定されず、種々の形状のものを使用することができる。尚、形状が板状であるときの基材を、以下、基板という。
【0039】
基材の保持及び移動は、例えば下記のようにして行う。回転電極がその中心軸を水平にして設けられ、基材が回転電極の上下に配置される場合、基材をトレイ上に治具を用いてネジ等で固定し、この両端の回転電極の中心軸に垂直な部分をクランプ等により把持する。表面処理室内の圧力が高い場合には、真空チャック等も使用できる。このようにすると、回転電極の上下に基材を配置しても、基材の落下等の支障を生じることなく、また、回転電極と基材とのギャップを一定に保ったままでプラズマ表面処理をし得る。基材の移動はトレイの両端に具備されたローラを表面処理室内に固定されたレールの上を転がすことにより行う。この場合、ローラとレール対を複数設け、表面処理室間の搬送用と表面処理室内での移動用に分けておくと、表面処理の際の基材の複雑な動きに対応可能となる。
【0040】
基材が回転電極の左右に配置される場合、上記トレイを用いる方法の他、基材の上端をクランプにより保持し、保持部に設置したローラを用いて基材を搬送することも可能である。
【0041】
回転電極の支持及び回転のさせ方の例を以下に記述する。回転電極の回転軸の両端をベアリングを介してチャンバーに回転可能に支持させ、チャンバーに固定されたモータ(回転駆動手段)とマグネットカップリング又は磁性流体シール軸等を通じて実質的に結合する。そして、前記モータを駆動させる。そうすると、回転電極が回転する。
【0042】
回転電極と基材との間にプラズマを発生させるに際し、プラズマの発生の手段については限定されず、公知の全ての技術を適用することができる。
【0043】
表面処理室内へのガスの導入方法については特には限定されないが、回転電極の回転に伴う回転電極の表面上の流体の流れの方向からみてプラズマ発生部の上流部にガスを導入すると、プラズマ発生部へのガスの導入を円滑に行うことができる。
【0044】
【実施例】
本発明の実施例を以下説明する。尚、本発明はこの実施例に限定されるものではない。実施例1〜5は本発明の基礎発明の実施例(即ち、本発明の基礎発明に係るプラズマ表面処理装置に関する実施例)、実施例6〜8は本発明の第1〜3発明の実施例である。
【0045】
〔実施例1(本発明の基礎発明の実施例)〕
実施例1に係るプラズマ表面処理装置の概要を図2に示す。このプラズマ表面処理装置の構成を以下説明する。
【0046】
図2に示すように、チャンバー内に回転電極をその中心軸を水平にして設け、前記回転電極の両側に板状の基材(基板)をそれぞれ前記回転電極に対向させて配置している。即ち、前記回転電極の上側に1枚の基板を水平の状態で前記回転電極に対向させて配置すると共に、前記回転電極の下側に1枚の基板を水平の状態で前記回転電極に対向させて配置している。尚、各基板と回転電極とは少し間隔をおいて離れており、両者の間には間隙がある。
【0047】
このとき、基板と回転電極との間の間隙部での最狭間隙部の寸法は0.5mmである。回転電極はアルミ合金よりなり、その形状はドラム状であり、寸法は直径:300mm、長さ(幅):400mmである。回転電極は回転軸を有し、この回転軸の両端はベアリングを介してチャンバーに回転可能に支持され、マグネットカップリングを通じてモータに連結されている。回転電極の最高回転速度は5000rpmに設定した。
【0048】
基板はガラスよりなる基板(ガラス基板)であり、その寸法は厚み:4mm、幅:300mm、長さ:400mmである。基板はトレイ及びクランプ等を有する基板保持手段により保持される。この基板保持手段は移動可能であり、この移動により基板が移動可能となっている。
【0049】
上記基板保持手段の少なくとも中央部は導電性を有し、その部分は銅箔を介して基板移動中も接触を保つようにして接地されている。一方、上記回転電極には、インピーダンス間マッチングユニット等を介して高周波電源(周波数:150MHz)が接続されている。
【0050】
このような構成を有する実施例1に係るプラズマ表面処理装置を用いて、アモルファスシリコンの薄膜の形成を行った。この詳細を以下説明する。
【0051】
上記プラズマ表面処理装置のチャンバー内の真空排気をターボ分子ポンプとドライポンプからなる排気装置により行った後、このチャンバー内にヘリウム(希釈ガス)と水素及びシランの混合ガス(反応ガス)とをマスフローコントローラを通じて導入し、チャンバー内の圧力を1気圧(1.01325×105 Pa)とした。このとき、チャンバー内の水素濃度は5vol%、シラン濃度は0.5vol%である。
【0052】
この状態で回転電極を加熱し、更に回転電極を回転速度:2000rpmで回転させると共に前記回転電極に高周波電源から周波数:150MHzの高周波電力を印加し、前記回転電極と前記ガラス基板との間の間隙部にプラズマを発生させ、これと共に基板保持手段を移動させて基板を移動させながら、前記ガラス基板上へのアモルファスシリコンの薄膜の形成を行った。このとき、回転電極への供給電力は1000Wとした。基板の移動方向は水平方向であって回転電極の中心軸と垂直な方向となるようにした。基板の移動速度は20mm/秒とした。成膜時間は20秒とした。
【0053】
この結果、ガラス基板上に均質且つ均一な厚みのアモルファスシリコンの薄膜が形成されたものが2枚(1回の成膜処理当たり)得られた。この薄膜の厚みは0.5μm であった。
【0054】
比較のために実施した比較例1を以下説明する。
【0055】
前記実施例1に係るプラズマ表面処理装置の場合と同様のチャンバー内に同様の回転電極をその中心軸を水平にして設けた。そして、前記回転電極の下側に前記実施例1の場合と同様の基板(1枚)を水平の状態で前記回転電極に対向させて配置した。即ち、前記回転電極の上側には基板を配置せず、前記回転電極の下側にのみ1枚の基板を配置した。この点を除き、前記実施例1に係るプラズマ表面処理装置の場合と同様の構成のもの(比較例1に係るプラズマ表面処理装置)を準備した。
【0056】
上記比較例1に係るプラズマ表面処理装置を用いて、前記実施例1に係るプラズマ表面処理装置による場合と同様の方法により、アモルファスシリコンの薄膜の形成を行った。
【0057】
この結果、ガラス基板上に均質且つ均一な厚みのアモルファスシリコンの薄膜が形成されたものが1枚(1回の成膜処理当たり)得られた。この薄膜の厚みは0.1μm であった。
【0058】
以上よりわかる如く、実施例1の場合は、比較例1の場合に比較し、1回(20秒)の成膜処理により形成される薄膜の厚みが5倍大きいので、成膜速度(基板1枚当たり)が5倍高いことになる。また、実施例1の場合は、比較例1の場合に比較し、1回の成膜処理により得られる薄膜形成材の枚数が2倍多い。従って、一定の厚みの薄膜を形成させる際、実施例1の場合は、比較例1の場合に比較し、薄膜形成の生産性が10倍高められることになる。
【0059】
尚、上記実施例1においては、基板保持手段が接地されているが、基板保持手段が導電性を有していなくて、基板が導電性を有する場合には、基板を接地すればよい。両方とも導電性を有する場合には、いずれかを接地すればよい。
【0060】
〔実施例2(本発明の基礎発明の実施例)〕
前記回転電極をリード線等を介して接地し、一方、前記基板保持手段の導電性を有する部分にインピーダンス間マッチングユニット等を介して高周波電源(周波数:150MHz)を接続した。この点を除き、実施例1の場合と同様の構成のもの(実施例2に係るプラズマ表面処理装置)を準備した。
【0061】
上記実施例2に係るプラズマ表面処理装置を用いて、前記実施例1に係るプラズマ表面処理装置による場合と同様の方法により、アモルファスシリコンの薄膜の形成を行った。但し、前記回転電極を接地し、前記基板保持手段に高周波電力を印加した。
【0062】
この結果、ガラス基板上に均質且つ均一な厚みのアモルファスシリコンの薄膜が形成されたものが2枚(1回の成膜処理当たり)得られた。この薄膜の厚みは0.4μm であった。従って、一定の厚みの薄膜を形成させる際、実施例2の場合は、比較例1の場合に比較し、薄膜形成の生産性が8倍高められることがわかった。
【0063】
尚、上記実施例2においては、基板保持手段に高周波電力を印加しているが、基板保持手段が導電性を有していなくて、基板が導電性を有する場合には、基板に高周波電力を印加すればよい。両方とも導電性を有する場合には、いずれかに高周波電力を印加すればよい。
【0064】
〔実施例3(本発明の基礎発明の実施例)〕
前記回転電極の左右に前記実施例1の場合と同様の基板を鉛直にした状態で前記回転電極に対向させて配置した。即ち、前記回転電極の左側に1枚の基板を鉛直にした状態で前記回転電極に対向させて配置すると共に、前記回転電極の右側に1枚の基板を鉛直にした状態で前記回転電極に対向させて配置した。この点を除き、実施例1の場合と同様の構成のもの(実施例3に係るプラズマ表面処理装置)を準備した。
【0065】
上記実施例3に係るプラズマ表面処理装置を用いて、前記実施例1に係るプラズマ表面処理装置による場合と同様の方法により、アモルファスシリコンの薄膜の形成を行った。この結果、ガラス基板上に均質且つ均一な厚みのアモルファスシリコンの薄膜が形成されたものが2枚(1回の成膜処理当たり)得られた。この薄膜の厚みは0.5μm であった。
【0066】
従って、一定の厚みの薄膜を形成させる際、実施例3の場合は、実施例1の場合と同様に、比較例1の場合に比較し、薄膜形成の生産性が10倍高められることがわかった。
【0067】
〔実施例4(本発明の基礎発明の実施例)〕
前記実施例1に係るプラズマ表面処理装置の場合と同様のチャンバー内に同様の回転電極をその中心軸を鉛直にして設けた。そして、前記回転電極の左右に前記実施例1の場合と同様の基板を鉛直にした状態で前記回転電極に対向させて配置した。即ち、前記回転電極の左側に1枚の基板を鉛直にした状態で前記回転電極に対向させて配置すると共に、前記回転電極の右側に1枚の基板を鉛直にした状態で前記回転電極に対向させて配置した。この点を除き、実施例1の場合と同様の構成のもの(実施例4に係るプラズマ表面処理装置)を準備した。
【0068】
上記実施例4に係るプラズマ表面処理装置を用いて、前記実施例1に係るプラズマ表面処理装置による場合と同様の方法により、アモルファスシリコンの薄膜の形成を行った。この結果、ガラス基板上に均質且つ均一な厚みのアモルファスシリコンの薄膜が形成されたものが2枚(1回の成膜処理当たり)得られた。この薄膜の厚みは0.5μm であった。
【0069】
従って、一定の厚みの薄膜を形成させる際、実施例4の場合は、実施例1の場合と同様に、比較例1の場合に比較し、薄膜形成の生産性が10倍高められることがわかった。
【0070】
〔実施例5(本発明の基礎発明の実施例)〕
実施例5に係るプラズマ表面処理装置は、基板保持手段を固定とし、回転電極を移動可能にしたものであり、この点を除き実施例1の場合と同様の構成を有するものである。このプラズマ表面処理装置を用いて、前記実施例1に係るプラズマ表面処理装置による場合と同様の方法により、アモルファスシリコンの薄膜の形成を行った。但し、基板保持手段とともに基板は固定し、回転電極を移動させながら、成膜を行った。回転電極の移動方向は水平方向であって回転電極の中心軸と垂直な方向となるようにした。
【0071】
この結果、ガラス基板上に均質且つ均一な厚みのアモルファスシリコンの薄膜が形成されたものが2枚(1回の成膜処理当たり)得られた。この薄膜の厚みは0.5μm であった。従って、一定の厚みの薄膜を形成させる際、実施例5の場合は、実施例1の場合と同様に、比較例1の場合に比較し、薄膜形成の生産性が10倍高められることがわかった。
【0072】
〔実施例6(本発明の第1発明の実施例)〕
実施例6に係るプラズマ表面処理装置は、基板と回転電極との間隔、基板の移動速度、基板の移動方向を基板の各々について独立に制御することができる基板の移動手段が備えている。そして、実施例1の場合と同様の回転電極の上側に実施例1の場合と同様のガラス基板が水平の状態で前記回転電極に対向させて配置され、前記回転電極の下側にポリイミドよりなる基板(ポリイミド基板)が水平の状態で前記回転電極に対向させて配置されている。これらの点を除き、実施例1の場合と同様の構成を有するものである。
【0073】
上記実施例6に係るプラズマ表面処理装置を用いて、前記実施例1に係るプラズマ表面処理装置による場合と同様の方法により、アモルファスシリコンの薄膜の形成を行った。但し、前記基板の移動手段により、ガラス基板と回転電極の最狭間隙部の寸法は実施例1の場合と同様の0.5mmとし、ポリイミド基板と回転電極の最狭間隙部の寸法は0.3mmとした。また、前記基板の移動手段により、ガラス基板の移動方向とポリイミド基板の移動方向とが反対方向になるようにした。更に、前記基板の移動手段により、各々の基板の移動速度を変えた。即ち、ガラス基板の移動速度を20mm/秒とし、ポリイミド基板の移動速度を30mm/秒とした。
【0074】
この結果、ガラス基板上に0.5μm の均一な厚みの均質なアモルファスシリコンの薄膜が形成されたものと、ポリイミド基板上に0.3μm の均一な厚みの均質なアモルファスシリコンの薄膜が形成されたものとが得られた。
【0075】
従って、基板の材質が異なると共に基板によって形成する薄膜の所要厚みが異なる場合であっても、これらの基板に対して同時に薄膜形成をし得、所要厚みの薄膜を同時に形成し得ることが確認された。
【0076】
〔実施例7(本発明の第2発明の実施例)〕
実施例7に係るプラズマ表面処理装置は、基板の保持手段の各々に独立してプラズマを発生させる電力を供給する手段を備えている。そして、実施例1の場合と同様の回転電極の上側に実施例1の場合と同様のガラス基板が水平の状態で前記回転電極に対向させて配置され、前記回転電極の下側にステンレス鋼よりなる基板(ステンレス基板)が水平の状態で前記回転電極に対向させて配置されている。これらの点を除き、実施例2の場合と同様の構成を有するものである。
【0077】
上記実施例7に係るプラズマ表面処理装置を用いて、前記実施例2に係るプラズマ表面処理装置による場合と同様の方法により、アモルファスシリコンの薄膜の形成を行った。但し、前記電力を供給する手段により、各々の基板の保持手段への供給電力を変えた。即ち、ガラス基板の保持手段への供給電力は1000Wとし、ステンレス基板の保持手段への供給電力は500Wとなるようにした。
【0078】
この結果、ガラス基板上に0.4μm の均一な厚みのアモルファスシリコンの薄膜が形成されたものと、ステンレス基板上に0.5μm の均一な厚みのアモルファスシリコンの薄膜が形成されたものとが得られた。これらは、いずれも均質であると共に品質に優れていた。
【0079】
従って、基板の材質が異なると共に基板によって最適なプラズマ発生条件としての供給電力が異なる場合であっても、これらの基板に対して同時に薄膜形成をし得、各々の基板に対して最適なプラズマ発生条件下で同時に薄膜形成をし得ることが確認された。
【0080】
尚、上記実施例7においては、基板の保持手段の各々に独立して電力を供給しているが、基板保持手段が導電性を有していなくて、各々の基板が導電性を有する場合には、基板の各々に独立して電力を供給すればよい。
【0081】
〔実施例8(本発明の第3発明の実施例)〕
実施例8に係るプラズマ表面処理装置は、基板の保持手段の各々にそれぞれ周波数の異なる高周波電力を供給する手段を備えている。そして、実施例1の場合と同様の回転電極の上側に実施例1の場合と同様のガラス基板が水平の状態で前記回転電極に対向させて配置され、前記回転電極の下側にアルミよりなる基板(アルミ基板)が水平の状態で前記回転電極に対向させて配置されている。これらの点を除き、実施例2の場合と同様の構成を有するものである。
【0082】
上記実施例8に係るプラズマ表面処理装置を用いて、前記実施例2に係るプラズマ表面処理装置による場合と同様の方法により、アモルファスシリコンの薄膜の形成を行った。但し、高周波電力を供給する手段により、各々の基板の保持手段に対し、それぞれ周波数の異なる高周波電力を印加した。即ち、ガラス基板の保持手段には周波数:150MHzの高周波電力を印加し、アルミ基板の保持手段には周波数:100MHzの高周波電力を印加した。
【0083】
この結果、高周波的干渉がなく、異常放電を完全に防止し得た。そして、ガラス基板上に0.4μm の均一な厚みのアモルファスシリコンの薄膜が形成されたものと、アルミ基板上に0.3μm の均一な厚みのアモルファスシリコンの薄膜が形成されたものとが得られた。これらは、いずれも均質であると共に品質に優れていた。
【0084】
従って、高周波的干渉による異常放電の発生のない状態で、各々の基板についての薄膜形成を同時にし得、各々の基板に対して最適なプラズマ発生条件下で同時に薄膜形成をし得ることが確認された。
【0085】
【発明の効果】
本発明に係るプラズマ表面処理装置によれば、前記公報(特開平9−104985号公報記載の方法及び装置)記載の方法及び装置の場合に比較し、同時にプラズマ表面処理し得る基材の量が2倍であって極めて多く、また、長寿命ラジカルをプラズマ表面処理に利用することができ、このため、前記公報記載の方法及び装置の場合よりも、薄膜形成の生産性をさらに大幅に向上することができ、また、プラズマを利用する加工、クリーニング等のプラズマ表面処理の生産性を著しく向上することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の回転電極式プラズマ成膜装置(特開平9−104985号公報記載の装置)の概要を示す模式図である。
【図2】 本発明の基礎発明の実施例に係るプラズマ表面処理装置の概要を示す模式図である。
【図3】 本発明に係るプラズマ表面処理装置の一例についての概要を示す模式図である。
【図4】 本発明に係るプラズマ表面処理装置のタンデム型太陽電池製造への適用例を示す模式図である。
【図5】 本発明に係るプラズマ表面処理装置の一例についての概要を示す模式図である。

Claims (3)

  1. 回転電極に基材を対向させて前記回転電極と前記基材との間にプラズマを発生させて前記基材の表面処理をするプラズマ表面処理装置において、前記基材が複数であると共に、これらの複数の基材が前記回転電極の両側に配置されており、前記基材と前記回転電極との間隔、前記基材の移動速度、前記基材の移動方向の少なくとも一つを、前記複数の基材の各々について独立に制御する基材の移動手段を備えていることを特徴とするプラズマ表面処理装置。
  2. 回転電極に基材を対向させて前記回転電極と前記基材との間にプラズマを発生させて前記基材の表面処理をするプラズマ表面処理装置において、前記基材が複数であると共に、これらの複数の基材が前記回転電極の両側に配置されており、前記複数の基材の各々または前記複数の基材の保持手段の各々に独立してプラズマを発生させる電力を供給する手段を備えていることを特徴とするプラズマ表面処理装置。
  3. 回転電極に基材を対向させて前記回転電極と前記基材との間にプラズマを発生させて前記基材の表面処理をするプラズマ表面処理装置において、前記基材が複数であると共に、これらの複数の基材が前記回転電極の両側に配置されており、前記複数の基材の各々または前記複数の基材の保持手段の各々にそれぞれ周波数の異なる高周波電力を供給する手段を備えていることを特徴とするプラズマ表面処理装置。
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