JP2001007092A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents
プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法Info
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Abstract
てもプラズマ処理用電極と基板との間にプラズマ処理用
ガスを安定して供給することができるプラズマ処理装置
およびプラズマ処理方法を提供する。 【解決手段】 プラズマ処理装置100は、基板2が搭
載される試料台4と、基板2と対向して配置されるプラ
ズマ処理用電極1と、プラズマ処理用電極1に高周波電
圧を印加する高周波電源3と、少なくとも基板2の第1
表面2aにプラズマ処理用ガスを供給するガス供給手段
とを備え、高周波電源3からプラズマ処理用電極1に高
周波電圧を印加してプラズマ処理用ガスに基づくプラズ
マを発生させ、プラズマを該基板2の第1表面2aに作
用させることにより基板2をプラズマ処理するプラズマ
処理装置であって、試料台4は、試料台4に対してプラ
ズマ処理用電極1側の第2表面上の第1領域に形成され
る第1導電体41を有し、第1領域は、プラズマ処理装
置100により基板2に施されるべきプラズマ処理によ
るパターン形状に対応する領域を含む。
Description
のパターン形状で、成膜、加工や表面処理などのプラズ
マ処理を行うプラズマ処理方法およびプラズマ処理装置
に関する。特に基板にダメージを与えずに、高速にパタ
ーン形成、切断加工などを行う場合に好適なプラズマ処
理装置およびプラズマ処理方法に関する。
など、脆性材料の切断加工には、従来からダイシング装
置が使用されている。この加工原理は微細クラックによ
る脆性破壊を利用したものであるから、切断した部分か
らチッピングが発生する。特に薄型ウエハを分断する場
合にはこのチッピングが原因となり、ウエハや分断後の
チップが割れてしまう事が多い。また、チッピングによ
るダメージがICチップの電気特性を劣化させてしま
う。
のダメージを与えずに切断加工を行う手法が、特開平9
−31670号公報に開示されている。この加工方法は
プラズマCVM法と呼ばれ、ブレード状の電極を用いて
局所的なプラズマを発生させる。そして、プラズマ中の
反応性ラジカルを被加工物表面の原子と化学反応させ
て、生成した反応生成物を気化除去することにより切断
加工を行う。
を、図14および図15を参照して説明する。図14に
おいて、101は、円柱形状の電極基体102の外周に
一本又は複数本のブレード103を突設した形状の加工
電極である。
る。加工電極101は図示しない回転駆動機構によって
回転可能となされている。104はSiウエハなどの被
加工物、105は高周波電源、106は試料台をそれぞ
れ示している。試料台106は図中のX,θ方向に移動
可能である。
されて、図示しない反応容器の内部に配置されている。
反応容器の内部には、不活性ガス及び反応ガスからなる
加工用ガスが充てんされ、密封若しくは循環されてい
る。加工用ガスの圧力は1気圧以上が好ましい。反応ガ
スは、被加工物104の材質に応じて決定され、被加工
物104がSiウエハの場合には、SF6やCF4などの
ハロゲン系ガスが用いられる。不活性ガスとしてはHe
などが用いられる。
レード103の外周面103aが被加工物104と所定
のギャップGを保持して対向する様に配置されている。
この構成において加工電極101を図中の矢印DR方向
に高速回転させると、粘性によりブレード103の外周
面103aに引き連れられた加工用ガスが前記ギャップ
G内に供給される。
101に高周波電圧を印加すると、ブレード103の外
周部103aで電界集中が起こる。外周部103aで電
界集中が起こると、ギャップG部で加工用ガスに基づく
プラズマPが局所的に発生する。
ラジカルが被加工物104の表面の原子と化学反応し、
生成した反応生成物が気化除去されることにより、被加
工物104の表面が局所的に加工される。なお前記の高
周波電圧の周波数は150MHz程度である。
方向に移動させると、被加工物104の表面に、一本又
は複数本の溝110が形成される。前記の矢印X方向移
動は、1回の1方向移動であっても良いし、複数回の往
復移動であってよい。また、X方向の移動速度、または
往復回数を、適宜に調整する事により、切断加工が行わ
れる。更に前記の切断加工後に、試料台106をθ方向
に90°回転させて同様の加工を行う事により、被加工
物104は複数の小片に分断される。
工方法では、1気圧以上程度の高圧力の加工用ガス雰囲
気内において、ブレード状電極に150MHz程度の高
周波電圧を印加している。このため、電界によるイオン
や電子の振動振幅が非常に小さく、またイオン、電子、
ラジカルの平均自由行程が非常に短い。
部に高密度のプラズマが局在化する。そして局在化した
プラズマ中の、反応性ラジカルが被加工物に作用する事
になる。
いるため、被加工物104が非常に薄いものであって
も、チッピングや割れなどのダメージを与えずに切断加
工を行う事ができる。特に、Siウエハをチップ分断す
る場合に好適であり、チッピングや割れを防止できると
ともに、分断後のICチップの電気特性にも悪影響を与
えない。更にプラズマCVMによる切断加工方法は、加
工電極101を高速に回転させる構成としているため、
ギャップG内に加工用ガスが安定に供給され、また反応
生成物が効率的に除去される。
きる。なお、切断溝幅を狭くする場合にはブレード10
3の厚みtを薄くすれば良い。
切断加工方法は、ダイシング加工の課題を解決できる効
果的な加工方法であるが、下記の様な解決すべき課題が
ある。
103の厚みtを薄くする事が要求される。しかしブレ
ード厚tが薄いと、ブレード外周面103aの加工用ガ
ス輸送効果が小さい。すなわち、図15に示す如く、ブ
レード103の側面方向に加工用ガスが逃げてしまい、
ギャップG部(切断すべき部分)への加工用ガスの供給
が不十分となる。これが切断速度向上の妨げになる。
界集中により局所的なプラズマを発生させているため、
ブレード103の外周部103aでの電界集中部におい
て2次電子が発生し、アーク放電が起こりやすい。アー
ク放電を避けるため、加工電極101に大電力を投入で
きず、これが切断速度向上の妨げになる。
表面に絶縁物をコーティングする事も考えられるが、こ
れに伴いブレード厚が厚くなり、切断溝が広くなってし
まうので望ましくない。
図14に示す様に複数本のブレード103を用いる事が
望ましい。しかし,切断パターン(切断ピッチ)の異な
る被加工物に対応するためには、その度にブレード間隔
の異なる加工電極101に交換する必要がある。回転体
である加工電極101を交換する作業は極めて煩雑であ
る。
6を90°回転させて直交する切断溝を形成し、複数の
小片に分断する場合に特に問題となる。すなわち、それ
ぞれの方向で異なるピッチの切断溝を形成しようとする
場合には、1方向の切断毎にブレード間隔を変更するた
めにブレード間隔の異なる加工電極101に交換しなけ
ればならなず、コスト的にも、時間的にも不利である。
領域の幅(例えば、加工幅や切断溝幅)が狭い場合であ
ってもプラズマ処理用電極と基板との間にプラズマ処理
用ガスを安定して供給することができるプラズマ処理装
置およびプラズマ処理方法を提供することにある。
ることができるプラズマ処理装置およびプラズマ処理方
法を提供することにある。
ン形状で基板をプラズマ処理する際でも部品の交換が容
易なプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を提供す
ることにある。
理装置は、基板が搭載される試料台と、該基板と対向し
て配置されるプラズマ処理用電極と、該プラズマ処理用
電極と該試料台との間に高周波電圧を印加する高周波電
源と、少なくとも該基板の第1表面にプラズマ処理用ガ
スを供給するガス供給手段とを備え、該高周波電源から
該プラズマ処理用電極と該試料台の間に該高周波電圧を
印加して該プラズマ処理用ガスに基づくプラズマを発生
させ、該プラズマを該基板の該第1表面に作用させるこ
とにより該基板に対してプラズマ処理を施すプラズマ処
理装置であって、該試料台は、該基板に対して該プラズ
マ処理を施すべきパターン形状に対応する第1領域に形
成される第1導電体を有し、そのことにより上記目的が
達成される。
ズマ処理用電極側の第2表面上に形成されてもよい。
形成される絶縁体をさらに有してもよい。
ズマ処理用電極と反対側に形成される第2導電体をさら
に有し、該第2導電体は、該第1導電体と電気的に接続
され、該第2導電体は、接地されてもよい。
形成される絶縁体を更に有してもよい。
マ処理用電極との間で実質的にプラズマが発生しない程
度に十分厚くてもよい。
用電極との間で該第1領域に比べて低密度のプラズマが
発生するような厚みを有してもよい。
用電極と該基板との間に該プラズマ処理用ガスを供給す
るように回転してもよい。
質的に平行な軸を中心とする円柱形状を有し、該プラズ
マ処理用電極は、該軸を中心として回転してもよい。
質的に垂直な軸を中心とする円板形状を有してもよい。
て回転してもよい。
んでもよい。
んでもよい。
に係るプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法であ
って、該ガス供給手段により少なくとも該基板の該第1
表面に該プラズマ処理用ガスを供給するステップと、該
高周波電源により該プラズマ処理用電極と該試料台との
間に高周波電圧を印加するステップと、該基板の該第1
表面に該パターン形状にてプラズマ処理を施すステップ
とを包含し、そのことにより上記目的が達成される。
に係るプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法であ
って、該ガス供給手段により少なくとも該基板の該第1
表面に該プラズマ処理用ガスを供給するステップと、該
高周波電源により該プラズマ処理用電極と該試料台との
間に高周波電圧を印加するステップと、該パターン形状
にて該基板の切断加工を行うステップとを包含し、その
ことにより上記目的が達成される。
プラズマ処理装置100の基本構成について図1〜図6
を用いて説明する。図1において、1は円柱形状のプラ
ズマ処理用電極であり、図示しない回転駆動機構によっ
て回転可能となされている。
どの絶縁物が溶射法などによってコーティングされてい
る。2はSiウエハなどの基板、3は高周波電源、4は
試料台をそれぞれ示している。なおプラズマ処理用電極
1の軸方向長さLは、その方向における試料台4の長さ
lと同程度であり、図15に示した従来のブレード10
3の厚みtと比べて十分に大きいものである。また、試
料台4は、少なくとも図中のX方向に移動可能である。
断面図、図3は試料台4の斜視図である。
第1の導電体41と絶縁体42とからなる。第1の導電
体41は、ステンレス、アルミニウム、ニッケルなどの
金属製である。第1の導電体41は、基板2の第1表面
である表面2aに対してプラズマ処理を施すべきパター
ン形状と略同一のパターン形状に形成されている。第1
の導電体41は、試料台4のプラズマ処理用電極1側の
表面4aに形成されている。尚、試料台4のプラズマ処
理用電極1側の表面4aが、特許請求の範囲における第
2表面に対応する。
様なプラズマ処理を行う場合には、その切断溝に対応し
て、図3に示す様に、第1の導電体41はグリッド状に
形成される。この場合、グリッド状の第1の導電体41
の各ラインの線幅は数10μm〜200μm程度で、そ
のピッチは10mm程度である。第1の導電体41はそ
の周囲の平面部41aにて接地されている。
縁体42の表面には、グリッド状の第1の導電体41が
埋込まれる様に溝が形成されている。試料台4は、第1
の導電体41が絶縁体42の溝部に埋込まれて構成され
る。
2は、第1の導電体41および絶縁体42と実質的に接
触している。絶縁体42は、真空チャックとして基板2
を吸着固定するものであっても良い。尚、絶縁体42を
真空チャックとする場合には、絶縁体42に多数の孔開
け加工を施すか、又は、多孔質からなる絶縁体42を用
いれば良い。
について説明する。尚、以下では主に、プラズマ処理が
基板に施す加工である場合について説明するが、成膜や
表面処理など如何なるプラズマ処理にも適用可能であ
る。
理方法のフローチャートを示す。図5、図1、図2、図
3および図4を参照して、基板2は、前述の様に、試料
台4上に搭載される。そしてプラズマ処理用電極1と所
定のギャップGを保持して対向する様に、反応容器11
(図1)内に配置される。ギャップGは数10μm〜数
100μm程度に設定される。
(図1)によって、不活性ガス及び反応ガスからなるプ
ラズマ処理用ガスが供給される(S501)。ガス供給
部12から供給されたプラズマ処理用ガスはその後、反
応容器11の内部で密封若しくは循環されている。プラ
ズマ処理用ガスの圧力は好ましくは1気圧程度に設定さ
れる。プラズマ処理用ガスに含まれる反応ガスは、目的
とするプラズマ処理に応じて決定される。例えば、基板
2がSiウエハであり、基板2に対する加工を行う場合
には、SF6やCF4などのハロゲン系ガスが用いられ
る。プラズマ処理用ガスに含まれる不活性ガスには、例
えばHeが用いられる。プラズマ処理用ガス中の反応ガ
スの濃度は、0.1%〜20%程度に設定される。
基板2の表面2aに供給されていればよく、上記構成に
限らず、基板2の表面2aに局所的にプラズマ処理用ガ
スを供給するものであっても良い。又、基板2の表面2
a近傍において、使用済みのプラズマ処理用ガスや反応
生成ガスを排気する様な構成を併用しても良い。また大
気中へのガスのリークが特に問題にならなければ、反応
容器11も必ずしも必要ではない。
1を図1、図2中の矢印DR方向に高速回転させると、
プラズマ処理用ガスがプラズマ処理用電極1の外周面1
aに引き連れられて前述したギャップG内に安定に供給
される。この状態で高周波電源3からプラズマ処理用電
極1に高周波電圧を印加すると、ギャップG内に高周波
電界が発生する(S502)。高周波電圧の周波数は、
不活性ガスの種類、ギャップGの大きさなどによって異
なるが、不活性ガスがHeであり、ギャップが数100
μm程度の場合には150MHz程度が望ましい。
体41と絶縁体42とが存在している。プラズマ処理用
電極1と第1の導電体41とが対向する空間Aでは電界
集中が起こる。一方、プラズマ処理用電極1と絶縁体4
2とが対向する空間Bでは、電界強度が非常に小さい。
この結果、第1の導電体41と対向する空間Aにおい
て、プラズマ処理用ガスに基づくプラズマPが点在して
発生する事になる。そして、この点在したプラズマPの
作用によって、基板2表面の空間Aと対向する部分が局
所的にプラズマ処理される。例えば、基板2の加工を行
う場合には、プラズマP中の反応ガスに基づくラジカル
が基板2の表面の原子と化学反応し、生成した反応生成
物が気化除去されることによって、基板2の表面が局所
的に加工される。尚、空間Aと対向し、第1導電体41
が配置される領域が、特許請求の範囲における第1領域
に対応する。また、空間Bと対向し絶縁体42が配置さ
れる領域が特許請求の範囲における第2領域に対応す
る。
させると、基板2の表面全域に前記と同様のプラズマ処
理が施される。その結果、例えば、基板2の加工の場合
には、図4に示す如くに、第1の導電体41と同じパタ
ーンの溝10が、基板2の表面に形成される(S50
3)。なお試料台4のX方向の移動は、1回の1方向移
動であっても良いし、複数回の往復移動であってもよ
い。
マ処理方法のフローチャートを示す。基板2の表面にプ
ラズマ処理用ガスを供給し(S601)、高周波電源3
によりプラズマ処理用電極1に高周波電圧を印加する
(S602)点は、図5を参照して前述したプラズマ処
理方法と同一であるので説明を省略する。この例の場合
には、反応ガスとして基板加工用のガスを用いる。例え
ば、Siウエハの加工を行う場合には、ハロゲン系ガス
を用いる。
どを調整し、基板2の表面各部におけるプラズマ滞在時
間を調整する事によって、前記のパターンの溝10に沿
って切断加工が行われる(S603)。基板2がSiウ
エハである場合には、上記の様にして、ICチップに分
断される。
が試料台4に対してプラズマ処理用電極1側の表面に形
成される例を説明したが、本発明はこれに限定されな
い。図2の試料台4の上下を反転させて、絶縁体42
が、第1の導電体41の上部に存在する構成、即ち第1
の導電体41が試料台4に対してプラズマ処理用電極1
と反対側の表面に形成される構成としても良い。又、図
2の試料台4の表面全域に、更に絶縁体が設けられた構
成としても良い。
処理装置およびプラズマ処理方法によれば、従来のプラ
ズマCVMによる切断加工方法と同様に、ラジカルの化
学反応を用いているため、基板2が非常に薄いものであ
っても、チッピングや割れを発生させずに切断加工を行
う事ができる。また基板2がSiウエハである場合、分
断後のICチップの電気特性に悪影響を与えない。
置およびプラズマ処理方法によれば、基板2に対してプ
ラズマ処理を施すべきパターン形状を、試料台4の第1
の導電体41のパターン形状によって得ているため、プ
ラズマ処理用電極1として、従来技術のブレード103
よりも回転軸方向に長い円柱形状の電極を用いる事がで
きる。
マ処理用ガスの輸送効果を大きくすることができるの
で、ギャップG内に十分なプラズマ処理用ガスを安定に
供給できる。この結果、プラズマ処理を施すべき幅(例
えば、加工幅や切断溝幅)が非常に狭い場合であっても
プラズマ処理装置の処理速度、例えば加工速度、切断速
度を大幅に向上させることができる。
装置およびプラズマ処理方法によれば、電界集中は特に
第1の導電体41の近傍で起る。第1の導電体41は基
板2の下部に位置するため、第1の導電体41の電界集
中部は直接プラズマに晒されない。この結果、電界集中
部でのプラズマ中の電子やイオンの衝突に起因するアー
ク放電を防止することができる。
処理の場合、即ちいわゆるフルダイスの場合には、最終
的には第1の導電体41の電界集中部がプラズマに晒さ
れる事になるが、対向するプラズマ処理用電極1を絶縁
物でコーティングしていれば何ら問題はない。このた
め、プラズマ処理用電極1に大電力を投入する事ができ
るので、プラズマ処理装置の処理速度、例えば加工速
度、切断速度の更なる向上を図ることができる。
装置およびプラズマ処理方法によれば、基板2に対して
プラズマ処理すべきパターン形状を、試料台4の第1の
導電体41によって決定しているため、ライン状、グリ
ッド状、円弧状など如何なるパターンにも対応可能であ
る。基板に対して直交する2方向の切断溝を、それぞれ
異なるピッチで形成する場合にも、第1の導電体41を
図3に示したグリッド状とする事によって対応可能であ
る。また、基板に対して、随時異なるパターン形状でプ
ラズマ処理を施す必要がある場合には、試料台4のみを
交換すればよく、回転機能を有するプラズマ処理用電極
を交換する様な繁雑な作業を行う必要がない。
8を用いて説明する。実施の形態2が実施の形態1と異
なる点は、第1の導電体41の接地方法のみである。実
施の形態1と共通の構成および共通のプラズマ処理方法
については説明を省略する。
に係るプラズマ処理装置200の試料台204の断面図
及び斜視図である。実施の形態2では、絶縁体242の
下方に第2の導電体243が配置される。第2の導電体
243は、第1の導電体241と電気的に接続してい
る。そして第2の導電体243を接地する事によって、
第1の導電体241を接地電位としている。第1の導電
体241は実施の形態1と同様の構成を有する。
同様に、第1の導電体241の近傍で電界集中が起こ
る。なお、第2の導電体243も、絶縁体242を介し
てプラズマ処理用電極1と対向しているが、絶縁体24
2の厚みD1を厚くしておけば、これと対向する空間B
での電界強度を弱める事ができる。
ズマ処理用電極1との間の空間Bにおいて実質的にプラ
ズマが発生しない程度に十分厚い。すなわち、実施の形
態1と同様に、第1の導電体241と対向する空間Aに
おいて、プラズマ処理用ガスに基づくプラズマPを、点
在して発生させる事ができる。その後の試料台204の
移動方法については、実施の形態1と同様である。
0は、実施の形態1に係るプラズマ処理装置100と同
様の効果を示すものであるが、実施の形態2に係るプラ
ズマ処理装置200では、第1の導電体41を接地する
ための平面部41aが不要であるため、プラズマ処理用
電極1と平面部41aとの間で不要なプラズマが発生す
る事を防止することができる。
例えば図9に示すような手順に基づけばよい。図9
(a)を参照して、第1の導電体241と第2の導電体
243とを一体的に加工する。図9(b)を参照して、
溶射法等により絶縁物242を形成する。図9(c)を
参照して、絶縁物242の表面を研磨すると試料台20
4が完成する。
204を変更するのみで、実施の形態1または2と同様
の手法によって基板2の薄板加工を行う事も可能であ
る。この場合には、反応ガスとして、基板2の加工が可
能なガスを用いる。そして、例えば、試料台4の全面を
導体とすれば良い。この様にすれば基板2の全面が加工
され、基板2の薄板加工が施される。この後、図2又は
図7に示す試料台4、204に変更し、実施の形態1、
2を実施すれば、簡単な変更のみで、薄板加工と切断加
工との双方を実施できる。
図11を用いて説明する。実施の形態3の基本構成は実
施の形態2と同様であり、共通の構成および共通のプラ
ズマ処理方法については、説明を省略する。尚、本実施
形態では、反応ガスとして基板2の加工が可能なガスを
用いる。
0が実施の形態2に係るプラズマ処理装置200と異な
る点は、絶縁体342の厚みが実施の形態2に係る絶縁
体242の厚みよりも薄い事である。絶縁体342は、
基板2に対して薄板加工を施すことができる程度のプラ
ズマが発生するような厚みD2を有する。
同様に第1の導電体341の近傍で電界集中が起こる。
しかし、絶縁体342の厚みD2が薄いため、絶縁体3
42と対向する空間Bの電界強度は、実施の形態2の場
合よりも大きくなる。
空間Aに高密度のプラズマが発生し、絶縁体342と対
向する空間Bには、空間Aで発生するプラズマの密度よ
りも低密度のプラズマが発生する。つまり、基板2の上
方でプラズマの空間分布ができる。
理速度(本実施形態の場合には加工速度)に対応するか
ら、基板2は図11に示す様にプラズマ処理(加工)さ
れる。空間Aに対応する基板2の部分の加工量H1と空
間Bに対応する基板2の部分の加工量H2との比は、絶
縁体342の厚みD2によって調整することができる。
つまり、加工量H1と加工量H2との比を大きくするた
めには絶縁体342の厚みD2を厚くし、加工量H1と
加工量H2との比を小さくするためには絶縁体342の
厚みD2を薄くすれば良い。
04を図1中のX方向に移動させると、基板2の表面全
域がプラズマ処理(加工)される。この結果、基板2の
薄板加工を行いながら、基板2を小片に切断することが
できる。
施の形態2と同様のプラズマ処理(切断加工)に加え
て、同時に基板2に薄板加工を施す事ができる。この効
果は、例えば、100μm以下程度の厚みの薄型のIC
チップを作製する場合などに特に有効である。すなわ
ち、ウエハを薄型加工した後、この薄型ウエハを搬送
し、チップに分断するようなプロセスの代替として、本
実施形態を適用した場合、そのプロセス数を削減できる
とともに、割れの発生しやすい薄型ウエハを搬送しなく
て済む。
実施の形態1〜3においては、プラズマ処理用電極1と
して、円柱形状のプラズマ処理用電極1を用いた例を説
明してきた。しかし本発明ではプラズマ処理用電極1の
形状はこれに限定されない。プラズマ処理用電極1の形
状はギャップ部に効率的にプラズマ処理用ガスを供給で
きるものであれば良い。例えば、図12に示す様に、基
板2の表面に対して実質的に垂直な回転軸401Aを有
する円板形状のプラズマ処理用電極401であっても良
い。この場合も前述した実施の形態1〜3と同様の効果
を呈する。なおプラズマ処理速度が特に要求されない場
合には、プラズマ処理用電極401は回転せず、静止し
ているものであっても良い。
実施の形態1〜3では、主に半導体ウエハのチップ分断
や薄板加工を例に挙げて説明してきた。しかし、本発明
は、これらに限定されない。本発明は、パターン形状の
成膜や表面処理など、所定のパターン形状にてプラズマ
処理を行うものであれば、如何なる形態のプラズマ処理
にも適用可能である。例えば、図3に示す試料台4を用
いて基板2上に成膜を行うと、図4の溝10が形成され
るかわりに、溝10に対応する部分に選択的に薄膜が形
成される。又、表面処理の場合には、溝10に対応する
部分が選択的に表面処理される。尚、反応ガスとして
は、成膜の場合には成膜用のガスを、表面処理の場合に
は表面処理用のガスを用いる。例えば、パターン形状の
Si薄膜を形成する場合には、SiH4などのSi原子
を含むガスが単体で、あるいはH2などの他のガスと混
合して用いられる。また、パターン形状にて親水性の表
面処理を施す場合には、アルコール類のような有機溶媒
が用いられる。
ス基板でもよく、又、基板の上に薄膜素子が形成されて
いるものであっても良い。例えば、本発明は機械的ダメ
ージ、熱的ダメージなどのダメージを嫌う半導体薄膜素
子作製プロセスへの適用が有効である。一例として、薄
膜太陽電池においては、セルの直列接続のための集積型
構造が知られており、ガラスなどの基板上や、基板上に
形成された透明電極上にラインパターン状にSi薄膜を
ダメージなく形成する必要がある。
れかの手法により、ライン状の薄膜パターンを得る事が
出来る。第1の手法においては、まず基板上(透明電極
上)の全面に公知の手法でSi薄膜を形成しておき、そ
の後、本発明のプラズマ処理方法によって、Si薄膜に
対してライン状のパターニング加工を行えば良い。又、
第2の手法の場合には、本発明のプラズマ処理方法によ
って基板上(透明電極上)に直接ラインパターン状のS
i薄膜を形成すれば良い。何れの手法であっても、図1
3に示すように、第1の導電体541を、ライン状とす
る事によって、ダメージなくラインパターン状の半導体
薄膜素子を形成することができる。なお、第1の手法の
場合には、第1の導電体541に対応する部分がパター
ニング加工され、第2の手法の場合には、第1の導電体
541に対応する部分にパターン状薄膜が形成されるの
で、何れの手法を用いるかによって、第1の導電体54
1の線幅は異なる。
処理装置およびプラズマ処理方法において、試料台に、
基板の表面に施すべきプラズマ処理のパターン形状と略
同一のパターンで第1の導電体が配置されているから、
基板に対して所定のパターン形状でプラズマ処理(例え
ば、溝加工や切断加工)を行う事ができる。
を有する電極を用い、ラジカル反応を利用した切断加工
を行う場合に効果的であり、基板をダメージなく切断加
工できるとともに、その切断速度を高める事ができる。
装置およびプラズマ処理方法によって機能素子を形成す
るから、ダメージなく機能素子を高速にプラズマ処理で
きる。特に薄型ウエハをICチップに切断する場合に好
適であり、高速にチップ切断しながら、チッピングや割
れを防止し、ICチップの電気特性にも悪影響を与えな
い。
き領域の幅(例えば、加工幅や切断溝幅)が狭い場合で
あってもプラズマ処理用電極と基板との間にプラズマ処
理用ガスを安定して供給することができるプラズマ処理
装置およびプラズマ処理方法を提供することができる。
することができるプラズマ処理装置を提供することがで
きる。
ーン形状で基板をプラズマ処理する際でも部品の交換が
容易なプラズマ処理装置を提供することができる。
理装置の構成図。
置の断面図。
図。
置によって作製される機能素子の説明図。
法のフローチャート。
理方法のフローチャート。
置の断面図。
図。
法の説明図。
装置の断面図。
装置によるプラズマ処理方法の説明図。
るプラズマ処理装置の断面図。
る試料台の斜視図。
Claims (15)
- 【請求項1】 基板が搭載される試料台と、該基板と対
向して配置されるプラズマ処理用電極と、該プラズマ処
理用電極と該試料台との間に高周波電圧を印加する高周
波電源と、少なくとも該基板の第1表面にプラズマ処理
用ガスを供給するガス供給手段とを備え、該高周波電源
から該プラズマ処理用電極と該試料台の間に該高周波電
圧を印加して該プラズマ処理用ガスに基づくプラズマを
発生させ、該プラズマを該基板の該第1表面に作用させ
ることにより該基板に対してプラズマ処理を施すプラズ
マ処理装置であって、 該試料台は、該基板に対して該プラズマ処理を施すべき
パターン形状に対応する第1領域に形成される第1導電
体を有するプラズマ処理装置。 - 【請求項2】 該第1導電体は、該試料台に対して該プ
ラズマ処理用電極側の第2表面上に形成される、請求項
1に記載のプラズマ処理装置。 - 【請求項3】 該試料台は、該第1領域以外の第2領域
に形成される絶縁体をさらに有する、請求項1に記載の
プラズマ処理装置。 - 【請求項4】 該試料台は、該第1導電体に対して該プ
ラズマ処理用電極と反対側に形成される第2導電体をさ
らに有し、 該第2導電体は、該第1導電体と電気的に接続され、 該第2導電体は、接地される、請求項1に記載のプラズ
マ処理装置。 - 【請求項5】 該試料台は、該第1領域以外の第2領域
に形成される絶縁体を更に有する、請求項4に記載のプ
ラズマ処理装置。 - 【請求項6】 該絶縁体の厚みは、該第2領域と該プラ
ズマ処理用電極との間で実質的にプラズマが発生しない
程度に十分厚い、請求項5に記載のプラズマ処理装置。 - 【請求項7】 該絶縁体は、該第2領域と該プラズマ処
理用電極との間で該第1領域に比べて低密度のプラズマ
が発生するような厚みを有する、請求項5に記載のプラ
ズマ処理装置。 - 【請求項8】 該プラズマ処理用電極は、該プラズマ処
理用電極と該基板との間に該プラズマ処理用ガスを供給
するように回転する、請求項1に記載のプラズマ処理装
置。 - 【請求項9】 該プラズマ処理用電極は、該第1表面と
実質的に平行な軸を中心とする円柱形状を有し、 該プラズマ処理用電極は、該軸を中心として回転する、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。 - 【請求項10】 該プラズマ処理用電極は、該第1表面
と実質的に垂直な軸を中心とする円板形状を有する、請
求項1に記載のプラズマ処理装置。 - 【請求項11】 該プラズマ処理用電極は、該軸を中心
として回転する、請求項10に記載のプラズマ処理装
置。 - 【請求項12】 該パターン形状は、グリッドパターン
を含む、請求項1に記載のプラズマ処理装置。 - 【請求項13】 該パターン形状は、ライン状パターン
を含む、請求項1に記載のプラズマ処理装置。 - 【請求項14】 請求項1に記載のプラズマ処理装置を
用いたプラズマ処理方法であって、 該ガス供給手段により少なくとも該基板の該第1表面に
該プラズマ処理用ガスを供給するステップと、 該高周波電源により該プラズマ処理用電極と該試料台と
の間に高周波電圧を印加するステップと、 該基板の該第1表面に該パターン形状にてプラズマ処理
を施すステップとを包含するプラズマ処理方法。 - 【請求項15】 請求項1に記載のプラズマ処理装置を
用いたプラズマ処理方法であって、 該ガス供給手段により少なくとも該基板の該第1表面に
該プラズマ処理用ガスを供給するステップと、 該高周波電源により該プラズマ処理用電極と該試料台と
の間に高周波電圧を印加するステップと、 該パターン形状にて該基板の切断加工を行うステップと
を包含するプラズマ処理方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009054777A (ja) * | 2007-08-27 | 2009-03-12 | Toyo Advanced Technologies Co Ltd | プラズマ加工装置及びプラズマ加工方法 |
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KR101328076B1 (ko) * | 2011-11-22 | 2013-11-13 | 한국기계연구원 | 플라즈마를 국부적으로 발생시키는 장치 |
-
2000
- 2000-03-14 JP JP2000071347A patent/JP3597105B2/ja not_active Expired - Fee Related
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