JP2000068247A - レジストアッシング方法およびレジストアッシング装置 - Google Patents

レジストアッシング方法およびレジストアッシング装置

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JP2000068247A
JP2000068247A JP10237795A JP23779598A JP2000068247A JP 2000068247 A JP2000068247 A JP 2000068247A JP 10237795 A JP10237795 A JP 10237795A JP 23779598 A JP23779598 A JP 23779598A JP 2000068247 A JP2000068247 A JP 2000068247A
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Japan
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gas
resist
ashing
plasma
substrate
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JP10237795A
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Toru Okuda
徹 奥田
Kazuhiro Nishikawa
和宏 西川
Yuzo Mori
勇▲蔵▼ 森
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のレジストアッシング方法においては、
素子の特性が劣化することやバースト現象が発生するこ
とを避けるために基板温度を一定温度以下に維持してア
ッシングを行うと、アッシングレートが小さくなり、ア
ッシング工程に要する時間が長くなってしまう。 【解決手段】 本発明のレジストアッシング方法は、表
面にレジスト層が形成された基板を提供する工程と、少
なくとも酸素と希ガスとを含む0.1気圧以上10気圧
以下の混合ガスに高周波電圧を印加することによってプ
ラズマを発生させる工程と、レジスト層を除去する工程
とを包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レジストアッシン
グ方法およびレジストアッシング装置に関する。特に、
Al配線を有する半導体素子等に要求される低温でのレ
ジストアッシングや、イオン注入などによって表面部が
変質したレジストのアッシングに使用される、レジスト
アッシング方法およびレジストアッシング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体素子等の製造においては、基板上
に回路パターンを形成するために、まずレジストパター
ンを形成して、レジストパターンにマスクを配置してエ
ッチングなどを行い、所望の回路パターンを形成する。
回路パターンを形成した後、レジストパターンを除去す
る必要がある。
【0003】このレジストを除去する方法として、例え
ば、1Torr程度の真空下で酸素プラズマを発生さ
せ、プラズマをレジストに作用させてアッシング(灰
化)除去する方法が広く知られている。
【0004】一般にレジストアッシングには、プラズマ
中のラジカルなどの励起種がレジストと反応してレジス
トを除去する作用(化学効果に基づく作用)と、プラズ
マ中のイオンなどが電界によって力を受けて加速し、レ
ジストと衝突してレジストを除去する作用(イオンアシ
スト効果に基づく作用)とがある。しかし、イオンアシ
スト効果に基づく作用は、半導体素子へのダメージが大
きく、ダメージを低減し、ダメージを抑えるためには、
プラズマ発生部と基板とを離して配置した同軸電極型ア
ッシング装置や、ダウンフローアッシング装置などを使
用する必要がある。半導体素子に用いられるAl配線
は、高温での処理でダメージを受け易い。
【0005】一方、プラズマCVM(Chemical Vaporiz
ation Machining)は、高速度で低ダメージの無歪精密
加工をすることが可能である(特開平4−128393
号公報)。プラズマCVMは、プラズマ中のラジカルな
どによる化学反応を主として利用した低ダメージの加工
方法であり、高密度のラジカルを生成することができる
ため、プラズマCVMによって高速度の加工が実現でき
る。
【0006】また、プラズマCVMで使用する電極を回
転電極とし、回転電極の回転運動により、電極表面でガ
スを巻き込んでプラズマ領域にガスを供給することが特
開平9−31670号公報に記載されている。この文献
には、回転電極による効果として、加工速度、ガス利用
効率、加工精度、加工能率の向上が挙げられている。
【0007】さらに、プラズマCVMを用いて有機材料
を加工することが、特開平6−246542号公報に開
示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
レジストアッシング方法では、以下のような問題点があ
った。
【0009】半導体素子の製造において、高ドーズ量の
イオン注入がしばしば行われる。しかし、高ドーズ量の
イオン注入時にマスクとして使用されたレジストは、表
面部が変質している。通常のレジストアッシング方法で
は、アッシング後にも残渣が見いだされ、レジストを完
全に除去することができないという問題がある。表面部
に形成された変質層を除去する手段として、H20を含
むガスを用いてプラズマ処理し、変質層を除去すること
が特開平2−237118号公報に開示されている。
【0010】レジスト変質層のアッシングに関しては、
ある一定以上に基板温度を上げると、レジスト変質層が
飛び散るという、いわゆるバーストと呼ばれる現象が生
じる問題がある。バーストが発生すると、パーティクル
汚染という問題となるので、基板温度を上げることなく
アッシングすることが要求されている。
【0011】レジストアッシングにおいては、素子の特
性を劣化させないために、基板温度を一定温度以上に上
昇させることなく、アッシング処理をすることが要求さ
れる。またレジスト変質層をアッシングする場合にも、
上述したバースト現象が発生するのを避けるために、基
板温度が一定以上に上昇しないようにする必要がある。
【0012】しかしながら、基板温度を一定温度以下に
維持してアッシングを行うためには化学反応による発熱
量を抑えることが必要になる。発熱量を抑えるために
は、アッシングレートを小さく設定しなければならず、
この結果、アッシング工程に要する時間が長くなってし
まう。
【0013】また、上記特開平6−246542号公報
に記載されたプラズマCVMを利用した方法では、基板
温度が上昇することやそれに対する対策として基板を冷
却することに関しては考慮されていない。また、上記特
開平9−31670号公報に記載されたプラズマCVM
を利用した方法では、電極を回転させることにより、電
極を冷却する効果が記述されているが、同様に基板を冷
却することに関しては何も記載されていない。
【0014】本発明は、従来のレジストアッシング方法
における、上述のような問題点を解決し、レジストアッ
シングを高速で行ないながら基板温度の上昇を抑え、良
好な半導体素子が得られる、レジストアッシング方法を
提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のレジストアッシ
ング方法は、表面にレジスト層が形成された基板を提供
する工程と、少なくとも酸素と希ガスとを含む0.1気
圧以上10気圧以下の混合ガスに高周波電圧を印加する
ことによってプラズマを発生させる工程と、該レジスト
層を除去する工程とを包含し、これにより、上記目的が
達成される。
【0016】前記ガスにおける酸素の分圧が20Tor
r以上70Torr以下であってもよい。
【0017】前記レジスト層の表面に前記混合ガスのガ
ス流を形成してもよい。
【0018】本発明のレジストアッシング装置は、表面
にレジスト層が形成された基板が内部に配置される反応
容器と、該基板を保持し該反応容器内に配置されたステ
ージと、該反応容器内に少なくとも酸素と希ガスとを含
む混合ガスを供給し、0.1気圧以上10気圧以下の雰
囲気を形成するガス供給手段およびガス排気手段と、該
混合ガスに高周波電圧を印加することによってプラズマ
を発生させるプラズマ発生手段とを備え、これにより、
上記目的が達成される。
【0019】前記プラズマ発生手段は、前記反応容器内
に配置された加工用電極と、該加工用電極と対向して前
記反応容器内に配置された対向電極と、該加工用電極と
該対向電極とに前記高周波電圧を供給する高周波電源と
を備え、該加工用電極は、回転可能であり、そのことに
よって前記レジスト層上に前記混合ガスのガス流を形成
してもよい。
【0020】前記加工用電極は、複数の孔を有し、該複
数の孔を通して前記プラズマ中のラジカルを前記レジス
ト面付近に供給してもよい。
【0021】前記レジストアッシング装置は、前記加工
用電極を冷却する冷却手段をさらに備えてもよい。
【0022】本発明の他のレジストアッシング装置は、
表面にレジスト層が形成された基板を保持するステージ
と、少なくとも酸素と希ガスとを含む混合ガスをガス供
給口に供給するガス供給手段と、ガス排気口から該混合
ガスを排気するガス排気手段と、加工用電極と、該加工
用電極と対向する対向電極と、該加工用電極と該対向電
極とに高周波電圧を供給する高周波電源とを備え、該混
合ガスに該高周波電圧を印加することによってプラズマ
を発生させるプラズマ発生手段とを備え、該ガス供給口
および該ガス排気口は、該加工用電極と該対向電極との
間に形成されるプラズマ発生領域を該混合ガスが通過す
るガス流を形成し、これにより上記目的が達成される。
【0023】以下、作用について説明する。
【0024】本発明のレジストアッシング方法によれ
ば、酸素と希ガスとを含む0.1気圧以上10気圧以下
のガス雰囲気を形成する。これにより、放熱効果を高め
ることができるので、高速のアッシングレートに設定す
ることができる。アッシングレートを高めることができ
るため、低温、低ダメージの条件下でアッシングをする
ことが可能である。従って、本発明のレジストアッシン
グ方法では、表面に変質層を有するレジストであって
も、バースト現象を抑えるようにアッシングをすること
ができる。
【0025】また、本発明のレジストアッシング装置に
よれば、0.1気圧以上10気圧以下のガス雰囲気を形
成するガス供給手段およびガス排気手段と、ガス雰囲気
中にプラズマを発生させるプラズマ発生手段とを備えて
いる。これにより、高密度のガス中にプラズマを発生さ
せることができる。このようなレジストアッシング装置
を使用してアッシングをすると、高いアッシングレート
でレジストアッシングをすることができるため、低温、
低ダメージの条件下でアッシングをすることが可能であ
る。
【0026】また、本発明の他のレジストアッシング装
置においては、ガス供給口およびガス排気口が、加工用
電極と対向電極との間に形成されるプラズマ発生領域を
混合ガスが通過するガス流を形成するので、大気開放系
においても高密度のガス中にプラズマを発生させること
ができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明のレジストアッシング方法
および装置によれば、基板の周りにガス雰囲気が形成さ
れ、反応熱のために温度が上昇した基板を、ガスを媒介
として放熱することができる。
【0028】従来のレジストアッシング方法では、1T
orr程度以下の圧力下でアッシングが行われるため、
ガスを媒介とする放熱能力は小さい。
【0029】これに対して、本発明のレジストアッシン
グ方法では、0.1気圧以上10気圧以下のガス雰囲気
を形成する。0.1気圧以上とすることにより、高密度
のプラズマを発生させることができ、高速でレジストを
除去できる。また、0.1気圧以上10気圧以下のガス
雰囲気では荷電粒子の平均自由行程がμmオーダ以下で
あるため、荷電粒子の衝突による、基板へのダメージが
低減できる。また、10気圧以上の圧力を設定すると、
プラズマを発生させることやプラズマを維持させること
が難しく、従って、アッシングに使用する装置の構成が
複雑になる。この結果、装置のコストの上昇につなが
る。
【0030】0.1気圧以上10気圧以下の高圧力のガ
ス雰囲気は、1Torr程度以下の低圧力より高い熱伝
導を有しているため、レジストの化学反応等によって発
生する熱を基板周辺から放出することができる。
【0031】さらに、加工用電極を回転させることによ
って基板付近にガスの流れを形成し、温度上昇したガス
を循環あるいは排気するとともに、温度上昇していない
低温のガスを供給すれば、放熱効果をさらに促進させる
ことができる。加工用電極に孔を形成することによっ
て、基板へのダメージをさらに低減しながら基板付近の
放熱を高めることができる。温度上昇したガスを循環あ
るいは排気すること、あるいは温度上昇していない低温
のガスを供給することと、基板を保持するステージある
いは加工用電極を冷却し、基板、ガス、レジストを冷却
する方法とを組み合わせてもよい。
【0032】0.1気圧以上10気圧以下の高圧力のガ
ス雰囲気でアッシングをする場合、変質層を有するレジ
ストをアッシングしても、ガス圧力によってレジスト変
質層は基板面に押さえつけられる。この結果、バースト
現象が発生する臨界温度を上昇させることができる。
【0033】上述したような高密度のガス雰囲気を形成
するには、プラズマの発生を容易にし、かつプラズマの
維持を容易にするため、He、Ne、Arなどの希ガス
を混合するとよい。
【0034】上述したような高密度のガス雰囲気におい
て、高速度のアッシングを行なうことにより、効果的に
基板を冷却することができる。
【0035】以下、図面を参照しながら本発明の実施の
形態を説明する。
【0036】(第1の実施の形態)図1Aおよび図1B
は、本発明の第1の実施の形態のレジストアッシング装
置100の構成を示す。
【0037】図1Aは、斜視図であり、図1Bは、断面
図である。
【0038】レジストアッシング装置100は、表面に
レジスト層が形成された基板4が内部に配置される反応
容器1と、基板4を保持し反応容器1内に配置されたス
テージ5と、反応容器1内に少なくとも酸素と希ガスと
を含む混合ガスを供給し、0.1気圧以上10気圧以下
の雰囲気を形成するガス供給手段2およびガス排気手段
3と、混合ガスに高周波電圧を印加することによってプ
ラズマ11を発生させるプラズマ発生手段とを備えてい
る。レジストアッシング装置100は、ガス供給口8と
ガス排出口9とをさらに備えている。
【0039】プラズマ発生手段は、反応容器1内に配置
された加工用電極6aと、基板4を挟んで加工用電極6
aと対向して反応容器1内に配置された対向電極(ここ
では、ステージ5を兼ねる)と、加工用電極6aと対向
電極とに高周波電圧を供給する高周波電源7とを備えて
いる。加工用電極6aは、回転可能であり、そのことに
よってレジスト層上に混合ガスのガス流を形成する。ス
テージ5は、接地されている。レジストアッシング装置
100では、ステージ5は、加工用電極6aに対向して
配置される対向電極を兼ねている。加工用電極6aは、
円筒型回転体であり、基板の表面に沿った面と実質的に
平行な軸を中心として、回転することができる。基板4
は、Siウエハと、ウエハ上に2μmの厚みで塗布され
たレジスト(ヘキストジャパン製AZP4400)とか
ら構成されている。
【0040】以下、第1実施の形態のレジストアッシン
グ装置100を使用したレジストアッシング方法の概要
を説明する。
【0041】まず、表面にレジスト層が形成された基板
4を反応容器1内のステージ5上に提供する。次に、ガ
ス供給手段2から少なくとも酸素と希ガスとを含む混合
ガスを反応容器1内に流し、同時にガス排気手段3によ
って混合ガスを排気することにで、0.1気圧以上10
気圧以下の雰囲気を形成する。
【0042】高周波電源7と加工用電極6aとステージ
(対向電極)5とによって高周波電圧を印加する。0.
1気圧以上10気圧以下の高密度の混合ガスに高周波電
圧を印加することによってプラズマ11を発生させる。
【0043】発生したプラズマ11をレジスト層に作用
させることによって、レジスト層を除去する。後述する
ように、レジストアッシングを効果的に行うためには、
反応容器1内の混合ガスにおける酸素の分圧が20To
rr以上70Torr以下であると好ましい。また、後
述するように、レジストアッシングの効果を高めるため
に、レジスト層の表面に混合ガスのガス流を形成すると
よい。
【0044】以下、レジストアッシング装置100を使
用したレジストアッシング方法を詳細に説明する。
【0045】基板4は、例えば、フォトリソグラフィに
より配線パターンが形成されたSiウエハやガラス等の
基板である。配線上には約1μm厚みのレジストが存在
する。
【0046】基板4をステージ5上に載置した後、ガス
供給手段2とガス排気手段3とによって、ガス供給口8
およびガス排気口9を介して反応容器内にヘリウムと酸
素との混合ガスを流す。例えば、He:99.5%、O
2:0.5%の割合の混合ガスを使用する。このとき、
反応容器1内の圧力を1気圧に設定すると好ましい。
【0047】次に高周波電源7によって、マッチング回
路(図示せず)を介して加工用電極6に高周波電圧を印
加し、加工用電極6a近傍にプラズマ11を発生させ
る。このときの電源周波数を150MHzとした。加工
用電極6aとして、直径200mmのものを用いた。加
工用電極6aの円筒形の中心軸を回転軸として、500
0rpmの回転速度で加工用電極6aを回転させた。な
お、回転速度はできるだけ速いことが望ましく、用いる
回転機構の性能に応じて適宜設定すればよい。ステージ
5は、基板4を嵌め込むように保持する。
【0048】図2は、図1Aおよび図1Bに示された加
工用電極6a、基板4およびステージ5の配置を示す。
【0049】図2は、加工用電極6a、基板4およびス
テージ5を加工用電極6aの回転軸と垂直な方向からみ
た断面図である。
【0050】基板4は、ステージ5の表面から距離dだ
け突き出ている。距離dの算出には、次の式を用いた。
【0051】d=tx(εa/εg) ここで、tは基板4の厚み、εaは電極間空間(ここで
は加工用電極6aとステージ5との間の空間)の誘電
率、εgは基板4の誘電率である。
【0052】領域1は、加工用電極6aとステージ5と
が基板4を挟んで対向する領域である。領域2(a)お
よび領域2(b)は、加工用電極6aとステージ5とが
直接対向する領域である。上記のような方法で求めた距
離dだけ、基板4をステージ5の表面から突き出すこと
により、加工用電極6aとステージ5とをコンデンサと
みなしたとき、領域1における加工用電極6aとステー
ジ5との間の電界強度と、領域2(a)および領域2
(b)における加工用電極6aとステージ5との間の電
界強度とを、一致させることができる。この結果、プラ
ズマ発生領域における電界の不均一性を抑えることがで
き、基板4上のレジストアッシングの均一性を向上させ
ることができる。加工用電極6aと基板4との間の最小
ギャップを、300μmに設定した。
【0053】以下、図1Aおよび図1Bを再び参照し
て、レジストアッシング装置100において、プラズマ
11を発生させる手順を説明する。
【0054】高周波電源7によって、マッチング回路を
介して加工用電極6aに高周波電圧を印加し、加工用電
極6aの近傍にプラズマ11を発生させた。酸素分圧に
よって最適な投入電力は異なるが、1例として、投入電
力1kW以下にてプラズマ11を発生させ、投入電力を
5kWまで上昇させ、レジストアッシングを行なった。
【0055】図1Bに示すように、プラズマ11は、加
工用電極6aと基板4との間、あるいは加工用電極6a
とステージ5の加工用電極6aと対向する部位との間に
帯状に発生する。プラズマ11を発生させた後、投入電
力を5kWまで上昇させるまでの段階では、加工用電極
6aと対向する部分は、図1Aに示されるように、ステ
ージ5における部位5aだけであるように設定する。こ
のようにすると、5kWまで電力を上昇させる過程で
は、プラズマ11は基板4に作用しない。この結果、プ
ラズマ11を発生させる電力が所望の電力(5kW)に
達し、プラズマ11を安定に発生させた後で、プラズマ
11を基板4に作用させることができる。これによっ
て、基板4の全面に対してむらのない均一なアッシング
を施すことができる。投入電力が所望の5kWになった
後で、加工用電極6aと基板4とのギヤップ、あるいは
加工用電極6aとステージ5とのギャップを一定に保ち
ながら、ステージ5を移動させる。
【0056】加工用電極6aの回転軸と直交方向に、加
工用電極6aと基板4とのギャップを一定に保ちながら
ステージ5を走査させてもよい。ステージ5を走査させ
ることによって、基板4の全面を加工することができ
る。例えば、基板4を25mmの領域だけ走査させても
よい。
【0057】加工用電極6aは、プラズマ11の発生し
た位置で回転するが、この回転する周の方向と逆方向
に、ステージ5を移動し、ステージ5を1回送ることに
よってレジストを除去した。ステージを1方向に移動さ
せることにより、複数枚の基板4を連続的に送り出し、
連続的なアッシング処理を行なうことも可能となる。
【0058】加工用電極6aを回転させることにより、
加工用電極6aの回転する周方向にガス流を形成した。
加工用電極6aと基板4との間の、数100μm程度の
微小ギャップにガスを移送し、さらにガスを排除した。
加工用電極6aを回転させることにより、レジストを除
去する過程において発生する反応生成物も微小ギャップ
から排除される。上述のように、加工用電極6aが回転
する周方向と逆方向にステージ5を送ることにより、一
端排除された反応生成物が基板4上のレジストを除去し
た領域に再び付着することを避けることができる。
【0059】加工用電極6aを回転させることによっ
て、加工用電極6aの上部に存在する冷却されたガスを
プラズマ11発生領域(加工領域)に移送することがで
きる。この結果、高温になったプラズマガスあるいは基
板4を冷却することができ、基板4へのダメージをさら
に減少させながらレジストアッシングを進めることがで
きる。
【0060】図3は、図1に示されたレジストアッシン
グ装置100を使用してアッシングを実施したときの、
アッシングレートと基板温度との関係を示す。
【0061】図3において、横軸はアッシングレートで
あり、縦軸は基板温度である。線Aは、レジストアッシ
ング装置100によるアッシングレートを示す。線B
は、従来のレジストアッシング装置によるアッシングレ
ートを示す。図3に示されるように、レジストアッシン
グ装置100によるアッシングにおいても、従来のレジ
ストアッシング装置によるアッシングにおいても、投入
電力を上げることによってアッシングレートを向上させ
ると、基板温度も上昇する。しかし、アッシング装置1
00を使用してアッシングをすると、従来のアッシング
方法でアッシングするときに比べ、基板温度の上昇を低
減させることができる。この結果、図3に示されるよう
に、同じ基板温度でのアッシングレートを比較すると、
従来のアッシング装置でのアッシングレートに比べ、ア
ッシング装置100でのアッシングレートは高くなって
いる。従って、低温でアッシングを行なう必要があると
きでも、従来の方法に比べ、アッシングレートを大きく
設定することができる。
【0062】次に、アッシングレートと酸素分圧との関
係について説明する。
【0063】反応種である酸素ラジカルが多いほど、ア
ッシングレートは大きくなる。プラズマ中で生成される
酸素ラジカルは、印加される電界に沿って運動する荷電
粒子(例えばHeイオン)と、酸素分子との衝突によっ
て主に生成されるものと考えられる。元となる酸素分子
の量が多いほど、すなわち酸素分圧が高いほど、酸素ラ
ジカルも増加し、アッシングレートが高くなる。ある値
まで酸素分圧が上がると、酸素分子の量はアッシングに
十分な一定の量となり、生成される酸素ラジカル量は飽
和してしまう。従って、ある値の酸素分圧に対応した、
アッシングレートの上限が存在する。さらに、酸素分圧
を上げると、酸素分子が過度に存在することになり、プ
ラズマ中の荷電粒子の運動を酸素分子が阻害する効果が
大きくなる。この結果、酸素ラジカルが生成される量は
低下し、アッシングレートも小さくなる。
【0064】上記のような、酸素分圧とアッシングレー
トとの関係を評価する試験を行なった。
【0065】図4は、図1に示されるレジストアッシン
グ装置100を使用したときのアッシングレートと酸素
分圧との関係を示す。
【0066】酸素分圧が低い領域では、酸素分圧が大き
くなるに従ってレジストアッシングレートは増加してゆ
く。図4に示されるように、およそ40Torr以上に
酸素分圧を上げると、レジストアッシングレートは低下
し、さらにおよそ80Torr以上に酸素分圧を大きく
すると、発生したプラズマを維持できなくなった。従っ
て、酸素分圧が20Torrから70Torrである
と、高速度でレジストを除去することができる。酸素分
圧が30Torrから50Torrであると、さらに好
ましい。酸素分圧40Torrの場合、レジスト除去速
度は4μm/minであった。このように高速でアッシ
ングを行うことができる一方、残渣を発生することはな
かった。酸素分圧が40Torrより低い場合でも、例
えば、2.8μm/minの高速アッシングレートを実
現することができた。
【0067】上述した試験では、Heおよび酸素を反応
容器内に流し、反応容器内のガス雰囲気を1気圧とし
た。0.2気圧、0.5気圧、2気圧にガス雰囲気の圧
力を変え、他は上述の試験と同じ条件で試験をしたが、
上述の試験と同様に好ましいアッシングレートでアッシ
ングをすることができた。また、第1実施の形態では、
Heと酸素との混合ガスを使用したが、Heの代わりに
Ne、Arといった希ガスを用いてもよい。アッシング
工程前のエッチング工程等によって基板4上に反応生成
物が付着している場合、反応生成物を除去するためにハ
ロゲン系のガス、例えばCF4やSF6などを混合ガスに
添加してもよい。CF4やSF6などを混合ガスに添加す
ることによって、レジストアッシングと同時に反応生成
物を除去することができる。
【0068】第1の実施の形態のレジストアッシング方
法は、ICや液晶など、レジストアッシング工程を含む
如何なるデバイスプロセスにも適用可能である。第1の
実施の形態のレジストアッシング方法では、円筒型回転
体という形状の加工用電極を使用したが、他の形状の加
工用電極を使用してもよい。
【0069】(第2の実施の形態)図5は、本発明の第
2の実施の形態のレジストアッシング装置200の構成
を示す。
【0070】レジストアッシング装置200は、第1の
実施の形態のレジストアッシング装置100と異なり、
加工用電極6bを備えている。加工用電極6bの他の構
成は、第1の実施の形態のレジストアッシング装置10
0と同様である。従って、加工用電極6bの他は、第1
の実施の形態のレジストアッシング装置100と同じ符
号を用いて説明する。
【0071】図5に示されるように、加工用電極6bは
円盤型回転体の形状を有し、基板4表面と垂直な軸を中
心として回転することができる。ガス移送手段およびガ
ス排除手段である加工用電極6bを備えたレジストアッ
シング装置200を使用してアッシングを行うと、加工
用電極6aを備えたレジストアッシング装置100でア
ッシングを行ったときと同様に、加工用電極6bは回転
することができるため、基板4表面付近にガスを移送、
排除することが可能となる。
【0072】また、円盤型回転体である加工用電極6b
を備えたレジストアッシング装置においては、加工用電
極6bの円盤型の面に実質的に平行な面で、基板4を複
数配置することができるので、多数の枚数の基板を一括
して処理することができる。
【0073】(第3の実施の形態)図6は、本発明の第
3の実施の形態のレジストアッシング装置300の構成
を示す。
【0074】レジストアッシング装置300は、第1の
実施の形態のレジストアッシング装置100と異なり、
ステージ15とは別の対向電極20を備えている。
【0075】レジストアッシング装置300は、表面に
レジスト層が形成された基板14が内部に配置される反
応容器22と、基板14を保持し反応容器22内に配置
されたステージ15と、反応容器22内に少なくとも酸
素と希ガスとを含む混合ガスを供給し、0.1気圧以上
10気圧以下の雰囲気を形成するガス供給手段12およ
びガス排気手段13と、混合ガスに高周波電圧を印加す
ることによってプラズマを発生させるプラズマ発生手段
とを備えている。レジストアッシング装置300は、ガ
ス供給口18とガス排気口19とをさらに備えている。
【0076】プラズマ発生手段は、反応容器22内に配
置された加工用電極16と、加工用電極16と対向して
反応容器22内に配置された対向電極20と、加工用電
極16と対向電極20とに高周波電圧を供給する高周波
電源17とを備えている。対向電極20は、加工用電極
16の円筒面と対向して配置されている。対向電極20
は、基板14の加工位置よりガス流の上流側に位置して
いる。高周波電源17から高周波電圧を加工用電極16
に供給し、加工用電極16と対向電極20との間にプラ
ズマ21を発生させる。さらに加工用電極16の回転運
動により形成されるガス流によって、プラズマ21中の
ラジカルが基板14表面付近に移送され、レジストを加
工する。
【0077】第1および第2の実施の形態で説明したよ
うに、レジストアッシング装置100、200を用いた
レジストアッシング方法は、基板4へのダメージが小さ
な加工方法である。プラズマ21中に存在する、ダメー
ジの原因となるイオンが基板14へ衝突することを妨げ
ることによって、さらに基板14へのダメージを低減す
ることができる。
【0078】レジストアッシング装置300では、加工
用電極16と対向電極20とのギャップに形成される電
界によって、ギャップの近傍のイオンは、ギャップに捕
捉される。レジストアッシング装置300では、基板1
4をこのギャップから離して配置する。このため、イオ
ンと基板14との衝突頻度を著しく減少させ、基板14
のダメージを低減しながらアッシングをすることができ
る。レジストアッシング装置300を用いたアッシング
方法では、第1の実施の形態のアッシング方法と比較し
て、アッシングレートは低速になった。しかしながら、
レジストアッシング装置300を用いたアッシング方法
では、基板14の温度上昇が著しく抑えられるため、第
1の実施の形態のアッシング方法に比べ、さらに低ダメ
ージでレジストを除去することができた。
【0079】なお、レジストアッシング装置300にお
いて、加工用電極16を接地し、対向電極20に高周波
電圧を印加しても良い。この場合、回転する加工用電極
16に電圧を印加しないので、レジストアッシング装置
300の構成をより簡単なものにすることができる。
【0080】(第4の実施の形態)図7Aおよび図7B
は、本発明の第4の実施の形態のレジストアッシング装
置400の構成を示す。
【0081】レジストアッシング装置400は、表面に
レジスト層が形成された基板34が内部に配置される反
応容器31と、基板34を保持し反応容器31内に配置
されたステージ35と、反応容器31内に少なくとも酸
素と希ガスとを含む混合ガスを供給し、0.1気圧以上
10気圧以下の雰囲気を形成するガス供給手段32およ
びガス排気手段33と、混合ガスに高周波電圧を印加す
ることによってプラズマ41を発生させるプラズマ発生
手段とを備えている。レジストアッシング装置400
は、ガス供給口38とガス排気口39とをさらに備えて
いる。
【0082】プラズマ発生手段は、反応容器31内に配
置された加工用電極36と、加工用電極36と対向して
反応容器31内に配置された対向電極40と、加工用電
極36と対向電極40とに高周波電圧を供給する高周波
電源37とを備えている。加工用電極36は、複数の孔
を有し、複数の孔を通してプラズマ41中のラジカルを
レジスト面付近に供給する。加工用電極36は、円筒面
に多数の孔を有した中空円筒形状であり、基板34表面
と平行な軸を中心として回転することができる。加工用
電極36の内部には、加工用電極36と軸を共有し、円
筒体形状の対向電極40が配置されている。加工用電極
36と対向電極40との間に発生したプラズマ41中の
ラジカル42は、加工用電極36の円筒面の多数の孔を
介して、基板34表面付近に供給される。
【0083】図7Cは、図7Aおよび図7Bに示された
加工用電極36の円筒面に形成された孔を示す。加工用
電極36では、複数の孔36a、36b、36c(ここ
では、3個の孔に符号を付けて示すが、孔の個数は複数
であれば何個でもよい)は、千鳥状に配置されている。
加工用電極36の円筒面上に形成された孔の面積が、円
筒の回転軸方向で評価してみたときほぼ一定であると、
アッシングを行うときに加工用電極36の回転軸方向で
エッチングレートを均一にすることができ、良好な加工
面が得られる。加工用電極36において孔を千鳥状に配
置することで、加工用電極36の回転軸方向の孔の面積
をほぼ一定にすることができる。
【0084】レジストアッシング装置400では、プラ
ズマ41中のイオンは加工用電極36と対向電極40と
のギャップに捕捉されており、基板34はこのギャップ
から離れて配置しているため、基板34へのダメージを
著しく低減しながらアッシングをすることが可能であ
る。
【0085】(第5の実施の形態)図8は、本発明の第
5の実施の形態のレジストアッシング装置500の構成
を示す。
【0086】レジストアッシング装置500は、表面に
レジスト層が形成された基板54が内部に配置される反
応容器51と、基板54を保持し反応容器51内に配置
されたステージ55と、反応容器51内に少なくとも酸
素と希ガスとを含む混合ガスを供給し、0.1気圧以上
10気圧以下の雰囲気を形成するガス供給手段52およ
びガス排気手段53と、混合ガスに高周波電圧を印加す
ることによってプラズマ61を発生させるプラズマ発生
手段とを備えている。レジストアッシング装置500
は、ガス供給口58と、ガス排出口59と、加工用電極
56を冷却する冷却手段62とをさらに備えている。
【0087】プラズマ発生手段は、反応容器51内に配
置された加工用電極56と、加工用電極56と対向して
反応容器51内に配置された対向電極(ここでは、ステ
ージ55を兼ねる)と、加工用電極56と対向電極とに
高周波電圧を供給する高周波電源57とを備えている。
加工用電極56は、基板の表面に沿った面と実質的に平
行な軸を中心として、回転可能である。ステージ55
は、接地されている。レジストアッシング装置500で
は、ステージ55は、加工用電極56に対向して配置さ
れる対向電極を兼ねている。
【0088】図8に示されるように、レジストアッシン
グ装置500は、第1の実施の形態のレジストアッシン
グ装置100と異なり、加工用電極56の内部に冷却手
段62を有している。このため、レジストアッシング装
置500では、加工用電極56および基板54を冷却す
る能力を大幅に上げることができる。加工用電極56
は、円筒型回転体である。加工用電極56は、内部に円
筒型回転体を冷却させるための冷却手段62を有してい
る。ここでは1例として、金属円筒を加工することによ
って冷却手段62を作製し、できあがった金属円筒製冷
却手段62を加工用電極56の内部に配置し、さらに、
冷却手段62の内部に冷却水を流し、循環させた。
【0089】レジスト除去工程中、プラズマ61の発生
に伴う熱あるいはプラズマ61とレジストとの反応によ
って発生した熱等により、加工した基板54の温度が上
昇する。レジストアッシング装置500では、加工用電
極56を冷却しているため、加工用電極56周囲のガス
が冷却される。従って、加工用電極56の回転によっ
て、第1の実施の形態のレジストアッシング方法に比べ
て低温に冷却されたガスが移送され、プラズマ61発生
部に供給される。レジストアッシング装置500を用い
たアッシング方法によれば、基板54を冷却する能力が
高められ、基板54へのダメージがさらに低減されたア
ッシングが可能になる。また、低温ガスの移送によっ
て、基板54へのダメージを低減させるとともに、反応
レジストの残骸物を除去することができる。
【0090】ここでは1例として、第1の実施の形態の
加工用電極6aの内部に冷却手段を備えているような構
成のレジストアッシング装置500を説明した。このよ
うな構成以外に、第3、第4の実施の形態の加工用電極
16、36の内部に冷却手段を備えているような構成に
なるように、レジストアッシング装置500の構成を変
更しても、アッシングを実行したとき基板54の温度の
上昇を低減しながらアッシングをすることができる。
【0091】(第6の実施の形態)図9は、本発明の第
6の実施の形態のレジストアッシング装置600の構成
を示す。
【0092】レジストアッシング装置600は、表面に
レジスト層が形成された基板74を保持するステージ7
5と、ステージ75の近傍に配置されたガス供給口78
およびガス排気口79と、少なくとも酸素と希ガスとを
含む混合ガスをガス供給口78に供給するガス供給手段
72と、ガス排気口79から混合ガスを排気するガス排
気手段73と、混合ガスに高周波電圧を印加することに
よってプラズマを発生させるプラズマ発生手段とを備え
ている。
【0093】ガス供給手段72およびガス排気手段73
は、0.1気圧以上10気圧以下の雰囲気を形成する。
ガス供給手段72とガス供給口78との間のガス供給経
路およびガス排気手段73とガス排気口79との間のガ
ス排気経路は、ステージ75側に開口部を有する片開放
空間を形成している。プラズマ発生手段は、加工用電極
76と、加工用電極76と対向する対向電極(ここで
は、ステージ75を兼ねる)と、加工用電極76と対向
電極とに高周波電圧を供給する高周波電源77とを備え
ている。ステージ75は、接地されている。レジストア
ッシング装置600において、ステージ75は、加工用
電極76に対向して配置される対向電極を兼ねている。
加工用電極76は円筒型回転体である。
【0094】図9に示されるように、レジストアッシン
グ装置600は、反応容器を使用せずに、大気開放系に
おいて使用できる装置である。
【0095】ガス供給経路は、ガス供給手段72とガス
供給口78との間に配置され、ガスを移送する。ガス排
気経路は、ガス排気手段73とガス排気口79との間に
配置され、ガスを移送する。ガス供給口78およびガス
排気口79は、加工用電極76と対向電極(ステージ7
5)との間のギャップすなわちプラズマ発生領域71の
近傍に配置されており、このプラズマ発生領域71を通
過する高密度のガス流を基板74上に形成する。さら
に、加工用電極76が回転することによって、回転周方
向にガス流を形成することとができる。加工用電極76
の回転でガス流を形成しながら、ガス供給口78を介し
てガス供給を実施し、さらに、ガス排気口79を介して
ガス排気を実施し続けることによって、基板74表面付
近にガスを高効率で供給・排気することができる。な
お、加工用電極76を回転させる必要は必ずしもない。
【0096】加工用電極76、ガス供給手段72および
ガス供給口78は、基板74表面付近にガスを移送する
ガス移送手段を構成し、加工用電極76、ガス排気手段
73およびガス排気口79は、基板74表面付近のガス
を排除するガス排除手段を構成する。レジストアッシン
グ装置600を用いてアッシングを行うと、高密度のガ
ス雰囲気を形成することができるため、アッシングレー
トが高められる。さらに、レジストアッシング装置60
0では、上述したようなガス移送手段およびガス排除手
段を有するので、基板74を冷却する能力が高められて
いる。
【0097】レジストアッシング装置600では、反応
容器を使用しない大気開放系において基板74と加工用
電極76との間に集中的に高密度のガス雰囲気を形成で
きるので、加工用電極76に高周波電圧を供給すれば、
第1〜第5の実施の形態のレジストアッシング装置10
0〜500と同様に、高密度のガスに基づくプラズマを
発生させることが可能である。レジストアッシング装置
600を使用したレジストアッシング方法によれば、大
気開放系においてレジストアッシングを行うことがで
き、反応容器は不要となる。反応容器内のガスを置換す
る工程が不要となるので、レジストアッシング装置60
0を簡略化することができる。この結果、アッシング処
理作業を簡略化することができ、レジストアッシングに
要するコストを低減することができる。
【0098】
【発明の効果】上述したように、本発明のレジストアッ
シング方法では、表面に変質層を有するレジストであっ
ても、バースト現象を抑えるようにアッシングをするこ
とができる。また、低温、低ダメージの条件下でアッシ
ングをすることができるので、半導体素子の特性を劣化
させることなくアッシングをすることができ、半導体素
子の製造にかかるコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1A】本発明の第1の実施の形態のレジストアッシ
ング装置100の構成を示す図である。
【図1B】本発明の第1の実施の形態のレジストアッシ
ング装置100の構成を示す図である。
【図2】図1Aおよび図1Bに示された加工用電極6
a、基板4およびステージ5の配置を示す図である。
【図3】図1に示されたレジストアッシング装置100
を使用してアッシングを実施したときの、アッシングレ
ートと基板温度との関係を示す図である。
【図4】図1に示されるレジストアッシング装置100
を使用したときのアッシングレートと酸素分圧との関係
を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態のレジストアッシン
グ装置200の構成を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態のレジストアッシン
グ装置300の構成を示す図である。
【図7A】本発明の第4の実施の形態のレジストアッシ
ング装置400の構成を示す図である。
【図7B】本発明の第4の実施の形態のレジストアッシ
ング装置400の構成を示す図である。
【図7C】図7Aおよび図7Bに示された加工用電極3
6の円筒面に形成された孔を示す図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態のレジストアッシン
グ装置500の構成を示す図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態のレジストアッシン
グ装置600の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 反応容器 2 ガス供給手段 3 ガス排気手段 4 基板 5 ステージ 6a 加工用電極 7 高周波電源 8 ガス供給口 9 ガス排気口
フロントページの続き (72)発明者 西川 和宏 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 森 勇▲蔵▼ 大阪府交野市私市8丁目16番19号 Fターム(参考) 5F004 AA06 BA06 BA20 BB25 BB32 BD01 DA00 DA22 DA23 DA26 DB26

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にレジスト層が形成された基板を提
    供する工程と、 少なくとも酸素と希ガスとを含む0.1気圧以上10気
    圧以下の混合ガスに高周波電圧を印加することによって
    プラズマを発生させる工程と、 該レジスト層を除去する工程とを包含するレジストアッ
    シング方法。
  2. 【請求項2】 前記ガスにおける酸素の分圧が20To
    rr以上70Torr以下である、請求項1に記載のレ
    ジストアッシング方法。
  3. 【請求項3】 前記レジスト層の表面に前記混合ガスの
    ガス流を形成する、請求項1に記載のレジストアッシン
    グ方法。
  4. 【請求項4】 表面にレジスト層が形成された基板が内
    部に配置される反応容器と、 該基板を保持し該反応容器内に配置されたステージと、 該反応容器内に少なくとも酸素と希ガスとを含む混合ガ
    スを供給し、0.1気圧以上10気圧以下の雰囲気を形
    成するガス供給手段およびガス排気手段と、 該混合ガスに高周波電圧を印加することによってプラズ
    マを発生させるプラズマ発生手段とを備える、レジスト
    アッシング装置。
  5. 【請求項5】 前記プラズマ発生手段は、前記反応容器
    内に配置された加工用電極と、該加工用電極と対向して
    前記反応容器内に配置された対向電極と、該加工用電極
    と該対向電極とに前記高周波電圧を供給する高周波電源
    とを備え、 該加工用電極は、回転可能であり、そのことによって前
    記レジスト層上に前記混合ガスのガス流を形成する、請
    求項4に記載のレジストアッシング装置。
  6. 【請求項6】 前記加工用電極は、複数の孔を有し、該
    複数の孔を通して前記プラズマ中のラジカルを前記レジ
    スト面付近に供給する、請求項5に記載のレジストアッ
    シング装置。
  7. 【請求項7】 前記レジストアッシング装置は、前記加
    工用電極を冷却する冷却手段をさらに備える、請求項5
    に記載のレジストアッシング装置。
  8. 【請求項8】 表面にレジスト層が形成された基板を保
    持するステージと、 少なくとも酸素と希ガスとを含む混合ガスをガス供給口
    に供給するガス供給手段と、 ガス排気口から該混合ガスを排気するガス排気手段と、 加工用電極と、該加工用電極と対向する対向電極と、該
    加工用電極と該対向電極とに高周波電圧を供給する高周
    波電源とを備え、該混合ガスに該高周波電圧を印加する
    ことによってプラズマを発生させるプラズマ発生手段と
    を備え、 該ガス供給口および該ガス排気口は、該加工用電極と該
    対向電極との間に形成されるプラズマ発生領域を該混合
    ガスが通過するガス流を形成する、レジストアッシング
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003203902A (ja) * 2002-01-07 2003-07-18 Sekisui Chem Co Ltd アッシング処理方法
WO2003090269A1 (en) * 2002-04-19 2003-10-30 Psk Inc. Method for ashing

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