JP4444531B2 - 簡易検測車およびその較正方法 - Google Patents

簡易検測車およびその較正方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4444531B2
JP4444531B2 JP2001216702A JP2001216702A JP4444531B2 JP 4444531 B2 JP4444531 B2 JP 4444531B2 JP 2001216702 A JP2001216702 A JP 2001216702A JP 2001216702 A JP2001216702 A JP 2001216702A JP 4444531 B2 JP4444531 B2 JP 4444531B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
measurement
measured
error
offset
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001216702A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003028627A (ja
Inventor
徹夫 山田
信一 福原
雅弘 山田
英夫 廣川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Hitachi High Technologies Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi High Technologies Corp filed Critical Hitachi High Technologies Corp
Priority to JP2001216702A priority Critical patent/JP4444531B2/ja
Publication of JP2003028627A publication Critical patent/JP2003028627A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4444531B2 publication Critical patent/JP4444531B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、簡易検測車およびその軌道狂い測定方法に関し、詳しくは、簡易検測車において、その較正を手測定に近い値になるように効率よく較正でき、測定したレールの変位、高低差等の軌道狂いの測定値の測定誤差を低減することができるような簡易検測車およびその較正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
軌道を構成する左右のレールは、種々の要因により基準位置に対して変位していわゆる軌道狂いを生ずる。軌道狂いには、左右のレールの高低狂いと通りの狂いや、両レールの軌間狂い、水準面に対する傾斜角の狂いなどの各種がある。この高低と通りの狂い量は、10mの測定弦(単に10m弦という)により測定するものと規定されており、これに対して主要線区においては、大型の軌道検測車により営業列車と同一の高速度で走行中に、10m弦の両軌道狂い量が測定されている。しかし大型軌道検測車は支線区や側線などの測定には不向きであるため、これに代わり手押しで低速度で走行し、各軌道狂い量を測定する簡易な軌道検測車がこの出願人により、特開平7−223539号、特開平9−188246号、特開平10−170251号等として特許出願されている。この簡易型軌道検測車(簡易検測車)は、小型軽量とするために直径の小さい車輪と、長さの短い台車を使用し、規定の測定弦長10mの1/8の1.25m弦を構成して、その測定データをデータ処理により10m弦のデータに変換することが特徴である。
【0003】
図4は、上記の簡易検測車10の要部の斜視図を示し、以下この発明に関係する要点を説明する。
簡易検測車10は、左右のレールRL,RLに対応する基準梁1および回動梁2と、 これらの中心部をスプリング31によりスプリング31が挿着された筒部分(首部)が進退して弾性的に結合する結合梁3とによりH型のフレームが構成され、両梁1,2の両端部には、レールの踏面に接触する走行車輪(高低測定車輪)41と、頭部の内側面(以下単に頭側面という)に接触する案内車輪(通り測定車輪)42よりなる走行車輪部4A,4Bが、測定弦長Lを1.25mとしてそれぞれ配設され、両梁1,2の中心部には、高低変位測定車輪(あるいは高低変位検出車輪)51と通り変位測定車輪(あるいは通り変位検出車輪)52よりなる変位検出部5Aと5Bがそれぞれ配設されている。また簡易検測車10にはデータ処理装置6が搭載されている。
なお、簡易検測車10は、スプリング31を圧縮してスプリング31が挿着された筒部分(首部)を後退させて結合梁3を収縮して左右のレールRL,RLレールにセットされる。
【0004】
図5において、(a)は走行車輪部4A,4Bの直角断面と平面図を示し、両梁1,2の側面に固定した支持具43,44に対して、走行車輪41を水平に、支持具44の下部に案内車輪42を垂直にそれぞれ軸支して構成される。案内車輪42には、軌道の曲線部や分岐部を円滑に通過するために、平面図に示すように複数の補助ローラー421が円弧状に付加されている。
【0005】
図5(b)は変位検出部5A,5Bの直角断面を示し、両梁1,2の側面に垂直に固定した軸受け511と、これを貫通する昇降ロッド512、その下部に圧縮状態でスプリング513を嵌挿して固定した支持具514、および支持具514に水平に軸支された高低変位測定車輪51を有し、高低変位測定車輪51は、スプリング513により押圧されてレールRLの踏面Tに接触し、その高低変位に追従して昇降し、この変位量は、支持具514の上面を反射面とし、軸受け511などに取り付けた光センサ515(レールの高低を測定する光学変位量センサ、いわゆる高低センサ)により検出される。また両梁1,2の底面に固定した支持板521と、これに水平に固定した軸受け522、これを貫通する左右移動ロッド523、その先端に圧縮状態でスプリング524を嵌挿して固定されたL型支持具525、および、L型支持具525の下部に垂直に軸支された通り変位測定車輪52を有し、通り変位測定車輪52は、スプリング524に押圧されてレールRLの頭側面Sに接触し、その左右変位に追従して左右移動し、この変位量は、L型支持具525の垂直面を反射面とし、軸受け522などに取り付けた光センサ526(レールの通りを測定する光学変位量センサ,いわゆる通りセンサ)により検出される。
【0006】
左右にある両光センサ515,526の検出信号はデータ処理装置6に入力して、1.25m弦の高低狂い量と通り狂い量が算出され、ついで両狂い量のデータは10m弦に変換され、これらの1.25m弦と、10m弦の左右のレールの高低と通り狂い量の各データは、図示しない距離パルスをカウントして距離カウントをする距離計から出力される位置座標が付加されてデータ処理装置6に記憶されかつプリンタによりプリントされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
1.25m弦で測定したデータを10m弦の測定データに変換する場合に測定誤差が問題になる。そのために簡易検測車により軌道狂い測定を行う場合には、装置が測定装置として精度の高い測定に適する、正常な状態にあるかどうか、確認することが必要になる。
測定装置が正常な状態かどうかは、同じレールの同じ地点での手測定の測定値と現在の簡易検測車による測定値とを比較すれば判定できるが、レールについて精度の高い手測定を各項目について行うには作業時間が相当かかり、作業効率が悪い。それを簡易検測車でレール測定を行う都度実行しなければならない。しかも、手測定の測定結果に基づいて簡易検測車の測定値を較正する作業もばかにならない。
この発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決するものであって、簡易検測車の較正を手測定に近い値になるように効率よく較正でき、測定したレールの変位、高低差等の軌道狂いの測定値の測定誤差を低減することができる簡易検測車およびその較正方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するためのこの発明の簡易検測車の特徴は、軌道狂いの測定項目の少なくとも1つを同一地点のレールについて手測定した手測定値とこの簡易検測車で測定した測定値との差をオフセット値として記憶する記憶手段と、任意のレールについての測定値をオフセット値により補正して測定値として算出する測定値算出手段と、測定値算出手段により基準レールについて測定した測定値算出手段により算出された測定値を管理値として記憶手段に記憶し、次回に基準レールを測定したときの測定値算出手段により算出された測定値と管理値との誤差を算出する誤差算出手段と、記憶手段に記憶されたオフセット値を誤差により補正してオフセット値を更新するオフセット値更新手段とを備えるものである。
また、この発明の簡易検測車における軌道狂い測定方法の特徴は、軌道狂いの測定項目の少なくとも1つを同一地点のレールについて手測定した手測定値とこの簡易検測車で測定した測定値との差をオフセット値として求めてこの簡易検測車のメモリに記憶し、任意のレールについての測定値をオフセット値により補正して測定値として算出するものであって、基準レールについて測定しオフセット値により補正したときの測定値を管理値としてメモリに記憶し、次に基準レールを測定しオフセット値により補正したときの測定値と管理値との誤差を算出して、メモリに記憶されたオフセット値を、算出した誤差により補正して更新するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
このように、ある地点のレールについて最初の手測定と簡易検測車による測定値との差をオフセット値として記憶手段(例えばメモリ)に記憶しておき、測定値をこのオフセット値で補正することで手測定に近い測定値を得るようにする。さらに、基準レールを測定した値を管理値として保持しておき、次に基準レールを測定したときにその測定値と管理値との間に誤差が生じたときには、その誤差分だけオフセット値を補正して更新する。このことで、基準レールを媒介としてオフセット値を管理することができ、簡易検測車の較正を自動的に行うことができる。
この場合、管理値を得るときの基準レールの測定は、オフセット値を得たときのできるだけすぐ後に行うことが好ましい。
また、オフセット値を得たときと基準レールを測定したときに温度差があるときにはオフセット値を基準レールの測定値の基準温度、例えば、25°Cのときの測定値に温度補正をして基準レールの測定値を補正するとよい。
その結果、簡易検測車の較正を手測定に近い値になるように効率よくかつ自動的に較正でき、測定したレールの変位、高低差等の軌道狂いの測定値の測定誤差を低減することができる。
なお、基準レールは、変形のない軌道上の1地点であるか、較正器として設定されたレールであって、そのレール長さ、レール間隔が測定され既知のものである。さらには重量に対してあるいは特定の簡易検測車を載置したときにそのレールのたわみ量等も分かっているものが好ましい。
【0010】
【実施例】
図1は、この発明の簡易検測車を適用した一実施例のブロック図であり、図2は、その較正処理のフローチャート、図3は、基準レールの説明図である。なお、図4、図5と同一あるいは同等の構成要素は同一の符号で示し、その説明を割愛する。
図1における簡易検測車10aのデータ処理装置6aには、ある地点の実際のレールを手測定したときのレールの通りと高低等の各測定値と簡易検測車10aで同じ地点のレールを測定したときの同様な各測定値との誤差がオフセット値ΔdL1,ΔdR1,ΔdL2,ΔdR2としてメモリ61に記憶されている。そして、通りと高低の各変位量の測定値は、このオフセット値により補正された上で測定値とされる。
さらに、基準レールを測定したときの通りと高低等の各測定値がメモリ61に測定管理値AL1,AR1、AL2,AR2として記憶されている。
なお、以下の説明では、通りと高低の測定値を代表例として説明し、両レールの軌間狂い等の測定値については割愛する。
簡易検測車10aは、レール測定に当たって、まず、基準レールを測定して測定値と測定管理値AL1,AR1、AL2,AR2と比較して誤差が一定値以上か否かを判定して、簡易検測車10aが異常か否か、誤差補正できるか、正常かの判定をする。誤差補正をするときにはオフセット値を誤差補正して更新する。
【0011】
すなわち、この発明を適用した簡易検測車10aは、オフセット値で測定値を補正するレール測定を行い、手作業に近い正しい測定値を得る。そして、このオフセット値に従って基準レールを測定してその測定値を媒介としてオフセット値の管理をし、オフセット値を更新することで簡易検測車10aを自動的に較正する。
そこで、まず、最初にオフセット値が得たらそれをメモリに記憶しておき、その後につづいて簡易検測車で基準レールを測定して、この時得られた通りと高低の各測定値をオフセット値により補正してそれぞれを測定管理値としてメモリに記憶しておく。そして、次回のレール測定のときに基準レールを測定して同様な各測定値を得て、この各測定値と先に記憶した測定管理値との間で差を誤差として算出する。各測定値についてのそれぞれの誤差が小さいときに簡易検測車10aを正常と判断してレール狂いの測定を行う。それぞれの測定値の誤差が所定値より大きいときにはそれぞれのオフセット値を誤差補正し、さらにいずれかの誤差がさらに大きいときには装置異常とする。
以下、そのデータ処理装置6aによる測定管理値の生成とオフセット値の管理の仕方について詳細に説明する。
【0012】
簡易検測車10aのデータ処理装置6aには、MPU60とメモリ61、キーボード62、CRTディスプレイ63、インタフェース64等により構成され、これらがバス65により相互に接続されている。そして、メモリ61には、軌道変位量測定プログラム61aと、10m弦データ変換プログラム61b、オフセット値算出プログラム61c、管理値算出・オフセット値更新ログラム61d、オフセット値テーブル61e、パラメータ領域61f等が格納されている。また、インタフェース64を介して接続されたHDD(ハードディスク装置)等の外部記憶装置66には各種の測定データファイルが格納されている。なお、ここでのキーボード62は、CRTディスプレイ63の画面にタッチして入力する画面挿着型のタッチパネルをここでは使用している。
また、インタフェース64には、左右の光センサ515(高低センサ),515と、左右の光センサ526(通りセンサ),526とが接続され、各光センサから得られる変位量の測定データが入力される。
【0013】
軌道変位量測定プログラム61aは、MPU60により実行されて、これの実行によりMPU60は、左右の光センサ526,526と左右の光センサ515,515とによりそれぞれ測定されたデータをインタフェース64を介して読込み、メモリ61の作業領域に記憶する。そして、10m弦データ変換プログラム61bをコールする。
10m弦データ変換プログラム61bは、MPU60により実行されてこれの実行によりMPU60は、複数の各測定データ、例えば、1.25m弦で前後5mの範囲(10m弦の円弧上の7ポイント分)の測定データを離散値として扱い、所定の伝達関数Hにより測定データを変換して10m弦の測定データとし、さらにオフセット値テーブル61eに記憶された通り左、通り右、高低左、高低右に対応する各オフセット値ΔdL1,ΔdR1,ΔdL2,ΔdR2を読出して10m弦に変換した測定値をオフセット補正して、それらを測定位置のデータととも外部記憶装置66に記憶する。
ここで、伝達関数Hは、10m弦の測定データを算出する関数であって、現在の測定値算出点をh8の位置とすると、
Hh8=h1+2h2+3h3+4h4+5h5+6h6+7h7+8h8+7h9++6h10+5h11+4h12+3h13+2h14+h15
となる。
すなわち、測定値算出点をh8の8×h8の測定データに対して10m弦の円弧上の位置h8の7ポイント手前のh1+h2+h3+h4+h5+h6+h7の1.25m弦上の各測定点のデータに係数1、2…、7を順次掛け、さらに位置h8の7ポイント後ろh9+h10+h11+h12+h13+h14+h15の1.25m弦上の各測定点のデータに係数7、6…、1を順次掛けて、それぞれ値を加算した値として得られる。このとき、10m弦上の円弧上に1.25mの弦を採ることになるので、各測定点のピッチは、10m弦上の円弧上において0.625mになる。
その一般式は、Hhn+8=hn+1+2hn+2+3hn+3+4hn+4+5hn+5+6hn+6+7hn+7+8hn+8+7hn+9+6hn+10+5hn+11+4hn+12+3hn+13+2hn+14+hn+15
となる。ただし、nは整数値である。
なお、測定位置のデータは、従来技術で説明したように、図示しない距離カウントの距離計が出力する位置座標により得るが、この測定位置データについては公知であり、発明に直接関係していないので割愛する。
【0014】
オフセット値算出プログラム61cは、キーボード62から入力される特定の機能キー入力(手測定値入力キー)によりMPU60により実行されて、このキー入力に応じて行うこのプログラムの実行によりMPU60は、ある地点の実際のレールを手測定したときの通り左、通り右、高低左、高低右の各測定値がキーボード62から入力されたときにそれらを外部記憶装置66の所定の領域に記憶する。
さらに、キーボード62から入力される別の特定の機能キー入力(オフセット値算出キー)によりMPU60により実行されて、このキー入力に応じて行うこのプログラムの実行によりMPU60は、軌道変位量測定プログラム61aをコールして、簡易検測車10aで同じ地点のレールを測定したときの左右の光センサ526と左右の光センサ515から得られる各測定データにより算出された10m弦における通り左、通り右、高低左、高低右の各測定値(このときには測定値のオフセット補正はしない。)と先に外部記憶装置66に記憶された手測定時の通り左、通り右、高低左、高低右の対応する測定値との差ΔdL1,ΔdR1,ΔdL2,ΔdR2を算出してそれぞれの差をオフセット値としてそれぞれをオフセット値テーブル61eの対応するデータ位置に記憶する。
なお、オフセット値テーブル61eは、通り左、通り右、高低左、高低右に対応して各オフセット値を記憶するテーブルである。
【0015】
管理値算出・オフセット値更新ログラム61dは、図3に示す基準レール7に簡易検測車10aが載置されてキーボード62から入力される、さらに別の特定の機能キー入力(管理値入力キー)により、このプログラムがコールされてMPU60により実行される。これの実行によりMPU60は、まず、軌道変位量測定プログラム61aをコールして実行し、簡易検測車10aで基準レール7を測定したときに左右の光センサ526と左右の光センサ515から得られる測定データにより算出された10m弦における通り左、通り右、高低左、高低右の各測定値を得て、これをオフセット値テーブル61eを参照して各測定値に対応するオフセット値ΔdL1,ΔdR1,ΔdL2,ΔdR2を読出してこれによりそれぞれの測定値を補正して通り左、通り右、高低左、高低右についての手測定に対応する各測定値を算出する。そして、パラメータ領域61fに測定管理値が記憶されていないときには、算出したそれらを基準レールについての通り左、通り右、高低左、高低右の各測定値を各測定管理値AL1,AR1、AL2,AR2としてパラメータ領域61fに記憶する。
【0016】
一方、MPU60は、パラメータ領域61fに測定管理値AL1,AR1、AL2,AR2がすでに記憶されているときには、基準レール7について通り左、通り右、高低左、高低右の算出された各測定値(オフセット補正済みのもの)と、すでに記憶されている測定管理値AL1,AR1、AL2,AR2との間で通り左、通り右、高低左、高低右についての誤差を算出する。そして誤差が一定値以下、例えば、2mm以下のときには、基準レール7についての測定値が正常と判断して、これによりこの測定装置も正常と判定して実際のレール測定に入り、測定される地点のレールについて簡易検測車10aにより軌道の狂い測定を行う。
さらに、通り左、通り右、高低左、高低右についてのいずれかの誤差が10mm以上のときには、MPU60は、基準レール7についての測定値が異常と判定して、簡易検測車10a自体が異常であるとし、簡易検測車10aの点検調整を行い、実際のレール測定には入らない。
またさらに、2mmを越え、10mm未満のときには、MPU60は、測定管理値AL1,AR1、AL2,AR2について算出したそれぞれの誤差分で補正してオフセット値ΔdL1,ΔdR1,ΔdL2,ΔdR2について誤差分の補正をして更新する。
【0017】
図2は、このような較正処理のフローチャートである。
まず、キーボード62から入力されるキーに応じて入力キーの判定処理が行われ(ステップ101)、入力キーが手測定値入力キーであるときには、そのキー入力によりMPU60がオフセット値算出プログラム61cを実行して、MPU60は、ある地点の実際のレールを手測定したときの通り左、通り右、高低左、高低右の各測定値が次にキーボード62から入力されたときにそれらを外部記憶装置66の所定の領域に記憶する(ステップ102)。そしてこの処理を終了する。
次に、ステップ101のキー判定処理において、入力キーがオフセット値算出キーであるときには、そのキー入力によりMPU60は、軌道変位量測定プログラム61aをコールして実行して、簡易検測車10aで同じ地点のレールを測定したときの左右の光センサ526と左右の光センサ515から得られる測定データを読込んで得て(ステップ103)、算出された10m弦における通り左、通り右、高低左、高低右の各測定値と先に外部記憶装置66に記憶された手測定時の通り左、通り右、高低左、高低右の対応する測定値の各測定差ΔdL1,ΔdR1,ΔdL2,ΔdR2をオフセット値として算出して(ステップ104)、そのそれぞれをオフセット値テーブル61eの対応するデータ位置に記憶する(ステップ105)。そして、この処理を終了する。
【0018】
次に、ステップ101のキー判定処理において、キーボード62から入力された機能キーの入力が管理値入力キーであるときには、このキー入力により、MPU60は、管理値算出・オフセット値更新ログラム61dを実行して簡易検測車10aで基準レールを測定したときに左右の光センサ526と左右の光センサ515から得られる測定データにより算出された10m弦における通り左、通り右、高低左、高低右の各測定値(オフセット補正済みのもの)を得て(ステップ106)、パラメータ領域61fに測定管理値が記憶されているかの判定をして(ステップ107)、ここでNO条件のときには、算出した基準レールについて通り左、通り右、高低左、高低右の各測定値をオフセット値で補正して各測定管理値AL1,AR1、AL2,AR2としてパラメータ領域61fに記憶する(ステップ108a)。そして、この処理を終了する。
ステップ106の判定において、YES条件のときには、オフセット値テーブル61eを参照して各測定値に対応するオフセット値ΔdL1,ΔdR1,ΔdL2,ΔdR2を読出して(ステップ108)、これによりそれぞれの測定値を補正して通り左、通り右、高低左、高低右について手測定に対応する各測定値を算出する(ステップ109)。次に、算出したそれらを基準レールについて通り左、通り右、高低左、高低右の各測定値と記憶されている測定管理値AL1,AR1、AL2,AR2との間で通り左、通り右、高低左、高低右について誤差を算出する(ステップ110)。そして各誤差を判定して(ステップ111)、通り左、通り右、高低左、高低右についてのすべての誤差が一定値以下、例えば、2mm以下のときには、正常の表示をCRTディスプレイ63上にする(ステップ112)。そして、この処理を終了する。
この基準レール7の測定により、オペレータは、測定装置が正常と判定して実際に測定される地点のレールについて簡易検測車10aにより軌道の狂い測定を行う。
【0019】
一方、ステップ111の判定において、通り左、通り右、高低左、高低右についての少なくともいずれか1つの誤差が10mm以上のときには、MPU60は、異常と判定して異常の表示をCRTディスプレイ63上にする(ステップ113)。そして、この処理を終了する。これによりオペレータは、簡易検測車10aの点検調整の指示をして、レール測定には入らない。
さらに、ステップ111の判定において、通り左、通り右、高低左、高低右についてのそれぞれの誤差が判定結果が2mmを越え、10mm未満の範囲ときには、MPU60は、オフセット値テーブル61eから各オフセット値ΔdL1,ΔdR1,ΔdL2,ΔdR2を読出して、各オフセット値ΔdL1,ΔdR1,ΔdL2,ΔdR2を、通り左、通り右、高低左、高低右について算出した対応するそれぞれの誤差分でそれぞれに補正(オフセット値補正)してオフセット値テーブル61eに記憶して各オフセット値を更新する(ステップ114)。
そして、オフセット値の更新完了をCRTディスプレイ63の画面上に表示する(ステップ115)。そして、この処理を終了する。
これにより、オペレータは、実際に測定される地点のレールについて簡易検測車10aにより軌道の狂い測定を行う指示をする。
このように基準レール7を測定することで、簡易検測車10aの正常、異常の判定とオフセット値の自動更新を行う。
【0020】
図3は、基準レールの説明図であって、図3(a)は、その平面図、図3(b)は、その側面図である。
基準レール7は、レールの長さと幅、そしてたわみ量、重量とが既知のものであって、通常、基準測定温度25°Cに設定され、定盤の上に載置されている。
図では、基準測定温度25°Cにおいて、レール71,72の長さ1500mm、レール結合軸73,74間隔が1250mm、レール71,72の間隔が1067mm、レール結合軸73,74の長さが1227mm、たわみ量が2μm、重量が35kgである。
この基準レール7の上に簡易検測車10aが載置され、通り測定や高低測定が行われる。なお、簡易検測車10aがレール上を移動して測定する場合には、簡易検測車10aは基準レール7上を移動することはないので、移動の際発生する距離パルスを発生させて等価的に移動させた状態に設定して各種の測定値を得ることになる。
【0021】
以上説明してきたが、実施例では、基準レールは、温度25°Cの基準温度で測定するようにしているが、測定データを温度補正特性に従って温度補正をすれば、どのような温度において測定されてもよい。なお、温度補正特性は、各温度に対する実測データの特性グラフから得られるものである。
実施例では、オフセット値は、簡易検測車10aのデータ処理装置6aでオフセット値算出プログラム61cにより自動的に算出しているが、簡易検測車10aからオフセット補正しない測定値をレール上の手測定と同じ地点で得て、これと手作業の測定値との差を各測定値について算出して、それらをデータ処理装置6aに入力してオフセット値テーブル61eに記憶するようにしてもよい。なお、オフセット値テーブル61eは、通り左、通り右、高低左、高低右に対応して各オフセット値を記憶したテーブルであるが、通り左、通り右、高低左、高低右に対応してオフセット値が記憶され、各オフセット値がそれぞれ検索、参照できるものであれば、これはテーブル形式のものである必要はない。
なお、ここでの簡易検測車とは、規定の測定弦長10mよりn分の1(ただしnは2以上の整数)小さい弦の検測車であって、その1/8の1.25m弦に限定されるものではなく、例えば、これの倍の2.5m弦の検測車等を含むものである。それらは、10m弦への演算処理が必要になる。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、この発明にあっては、ある地点のレールについて最初の手測定と簡易検測車による測定値との差をオフセット値としてメモリに記憶しておき、測定値をこのオフセット値で補正することで手測定に近い測定値を得るようにする。さらに、基準レールを測定した値を管理値として保持しておき、次に基準レールを測定したときにその測定値と管理値との間に誤差が生じたときには、その誤差分だけオフセット値を補正して更新する。このことで、基準レールを媒介としてオフセット値を管理することができ、簡易検測車の較正を自動的に行うことができる。
その結果、簡易検測車の較正を手測定に近い値になるように効率よく較正でき、測定したレールの変位、高低差等の軌道狂いの測定値の測定誤差を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の簡易検測車を適用した一実施例のブロック図である。
【図2】図2は、その較正処理のフローチャートである。
【図3】図3は、基準レールの説明図であり、(a)は、基準レールの平面図、(b)は、側面図である。
【図4】図4は、簡易検測車の要部の斜視図である。
【図5】図5は図4の部分詳細図で、(a)は従来の走行車輪部の直角断面と平面図、(b)は従来の変位検出部の直角断面図である。
【符号の説明】
1…基準梁、2…回動梁、3…結合梁、
4A,4B…走行車輪部、41…走行車輪、
42…案内車輪、43、44…支持具、
5A,5B…変位検出部、51…高低変位測定車輪、
511…軸受け、512…昇降ロッド、
513…スプリング、514…支持具、515…光センサ、
52…通り変位測定車輪、521…支持板、
522…軸受け、523…左右移動ロッド、
524…スプリング、525…L型支持具、
526…光センサ、
6,6a…データ処理装置、10,10a…簡易検測車、
60…MPU、61…メモリ、
61a…軌道変位量測定プログラム、
61b…10m弦データ変換プログラム、
61c…オフセット値算出プログラム、
61d…管理値算出・オフセット値更新ログラム、
61e…オフセット値テーブル、
61f…パラメータ領域、
62…キーボード、63…CRTディスプレイ、
64…インタフェース、65…バス、66…外部記憶装置、
RL…レール、T…レールの踏面、S…レールの頭側面。

Claims (7)

  1. 軌道狂いの測定項目の少なくとも1つを同一地点のレールについて手測定した手測定値とこの簡易検測車で測定した測定値との差をオフセット値として記憶する記憶手段と、
    任意のレールについての測定値を前記オフセット値により補正して測定値として算出する測定値算出手段と、
    前記測定値算出手段により基準レールについて測定した前記測定値算出手段により算出された前記測定値を管理値として前記記憶手段に記憶し、次回に前記基準レールを測定したときの前記測定値算出手段により算出された測定値と前記管理値との誤差を算出する誤差算出手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記オフセット値を前記誤差により補正して前記オフセット値を更新するオフセット値更新手段とを備えることを特徴とする簡易検測車。
  2. さらに10m/n(ただしnは2以上の整数)の測定弦を構成する走行車輪と、前記10m/nの測定弦の測定値を10mの測定弦の測定値に変換する変換手段とを有し、前記測定項目は、レールの通りと高低であって、前記測定値算出手段はこれらの測定値を得るものであり、これら通り測定値および高低の測定値は、前記変換手段により10mの測定弦に変換した値であり、前記オフセット値は、前記通り測定値および前記高低の測定値に対応してそれぞれ10mの測定弦に変換した値である請求項1記載の簡易検測車。
  3. さらに1.25mの測定弦を構成する走行車輪と、前記1.25mの測定弦の測定値を10mの測定弦の測定値に変換する変換手段とを有し、前記測定項目は、レールの通りと高低であって、前記測定値算出手段はこれらの測定値を得るものであり、これら通り測定値および高低の測定値は、前記変換手段により10mの測定弦に変換した値であり、前記オフセット値は、前記通り測定値および前記高低の測定値に対応してそれぞれ10mの測定弦に変換した値である請求項1記載の簡易検測車。
  4. さらに、前記誤差が所定値以上のときに前記誤差により前記記憶手段に記憶された前記オフセット値を更新し、前記誤差が所定値未満のときには前記オフセット値の更新をしない請求項2記載の簡易検測車。
  5. 前記誤差が第1の所定値から第2の所定値未満の範囲にあるときは前記誤差により前記記憶手段に記憶された前記オフセット値を更新し、前記誤差が第1の所定値未満のときには前記オフセット値の更新をせず、前記誤差が前記第2の所定値以上のときに装置異常と判定する異常判定手段を有する請求項2記載の簡易検測車。」
  6. 軌道狂いの測定項目の少なくとも1つを同一地点のレールについて手測定した手測定値とこの簡易検測車で測定した測定値との差をオフセット値として求めてこの簡易検測車のメモリに記憶し、任意のレールについての測定値を前記オフセット値により補正して測定値として算出するものであって、基準レールについて測定し前記オフセット値により補正したときの測定値を管理値として前記メモリに記憶し、次に前記基準レールを測定し前記オフセット値により補正したときの測定値と前記管理値との誤差を算出して、前記メモリに記憶された前記オフセット値を、算出した前記誤差により補正して更新することを特徴とする簡易検測車の較正方法。
  7. さらに、前記誤差が所定値以上のときに前記誤差により前記オフセット値を更新し、前記誤差が所定値未満のときには前記オフセット値の更新をしない請求項6記載の簡易検測車の較正方法。
JP2001216702A 2001-07-17 2001-07-17 簡易検測車およびその較正方法 Expired - Fee Related JP4444531B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001216702A JP4444531B2 (ja) 2001-07-17 2001-07-17 簡易検測車およびその較正方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001216702A JP4444531B2 (ja) 2001-07-17 2001-07-17 簡易検測車およびその較正方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003028627A JP2003028627A (ja) 2003-01-29
JP4444531B2 true JP4444531B2 (ja) 2010-03-31

Family

ID=19051145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001216702A Expired - Fee Related JP4444531B2 (ja) 2001-07-17 2001-07-17 簡易検測車およびその較正方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4444531B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106352824B (zh) * 2016-08-31 2019-01-25 沈阳东软医疗系统有限公司 一种悬吊设备运动位置的校正装置及校正方法
CN113609565B (zh) * 2021-08-16 2024-04-16 中国铁道科学研究院集团有限公司 铁路桥梁轨道静态长波不平顺的验收方法及装置
CN115962704B (zh) * 2023-03-16 2023-05-19 蒂升电梯(中国)有限公司成都分公司 一种高效测量电梯导轨直线度的装置及其测量方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003028627A (ja) 2003-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101918792B (zh) 用于校准坐标测量装置的方法及其坐标测量机
CN102472616B (zh) 坐标测量机(cmm)和补偿坐标测量机误差的方法
US20050283989A1 (en) Method of inspecting workpieces on a measuring machine
JP3337245B2 (ja) 送り台によって支持された走査素子ないし工具の有効な瞬時位置を測定するための方法及び装置
US4663852A (en) Active error compensation in a coordinated measuring machine
EP1239263B1 (en) Position measuring apparatus and working apparatus using the same
US7318284B2 (en) Method of calibrating a scanning system
CN100460814C (zh) 使用机器测量制品的方法和设备
JPH0310042B2 (ja)
JP4642504B2 (ja) 重量測定装置
JPH07324929A (ja) 座標測定装置を用いて加工物の座標を測定する方法
JP3400393B2 (ja) レーザ干渉装置
JP2561861B2 (ja) 組合わされたスケールと干渉計
JP4444531B2 (ja) 簡易検測車およびその較正方法
CA1295420C (en) Method and apparatus for measuring deviations from flatness
JP2727067B2 (ja) 形状測定機
CN111854587B (zh) 一种导轨五自由度运动误差在线测量装置及方法
JP5290038B2 (ja) 測定装置及び測定方法
JPH03156307A (ja) 修正表面検証用可動装置
JP2003019956A (ja) 簡易検測車およびその軌道狂い測定方法
JP2005055221A (ja) 走査型面形状測定装置および面形状測定方法
JPS60213810A (ja) 位置感知装置
JPH10239012A (ja) 輪郭形状測定方法及び輪郭形状測定機
JPH0428686A (ja) エレベータガイドレールの据付誤差測定装置
CN113029614B (zh) 高铁轮对测量机几何误差补偿方法及装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20060516

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070724

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091008

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091027

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091209

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20091209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100112

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140122

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees