JP4444439B2 - ろう付け装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ろう付け時酸化防止用の不活性雰囲気内で基板を冷却するろう付け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のろう付け装置は、ろう付け時酸化防止用の不活性雰囲気が内部に満たされた不活性雰囲気チャンバ内に搬送された基板に、この不活性雰囲気チャンバ内の不活性雰囲気とは別のほぼ常温の不活性ガスを供給して吹き付けて、この基板を冷却している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ろう付け装置では、不活性雰囲気チャンバ内に満たされた不活性ガスとは別に供給される不活性ガスを吹き付けて、不活性雰囲気チャンバ内に搬送される基板を冷却しているため、この不活性雰囲気チャンバには、順次、新規に取り込まれる不活性ガスが外部から供給されている。
【0004】
この結果、不活性雰囲気チャンバ内の不活性ガスが、順次、外部へと排気されていることとなり、不活性雰囲気形成のための不活性ガスに加え、基板を冷却するために必要な不活性ガスの量が追加されるので膨大となり、基板を製造する際に必要な製造コストが多大となる。このため、この基板を製造するためには、多量の不活性ガスが必要であるので、製造コストの削減が容易ではないという問題を有している。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、不活性雰囲気の有効利用により製造コストが削減できるろう付け装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
求項記載のろう付け装置は、ろう付け時酸化防止用の不活性雰囲気で内部が満たされ、この内部に基板が配設される不活性雰囲気チャンバと、この不活性雰囲気チャンバから前記不活性雰囲気を回収して循環させ、はんだ付けを終え冷却工程に到達した前記基板へと前記不活性雰囲気を圧送する雰囲気循環手段と、この雰囲気循環手段により圧送されて前記基板へ供給される前記不活性雰囲気を冷却する冷却手段と、前記不活性雰囲気チャンバ内に搬送される基板の搬送方向に対して傾斜して配設され、この基板にろう材を付着させる噴流ノズルを具備し、前記冷却手段は、一側辺が前記噴流ノズルと略平行で、他側辺が前記基板の搬送方向に対して略直角な略扁平扇状に形成され、前記不活性雰囲気チャンバ内に搬送される基板の搬送面に沿って配設された冷却ジャケットを備え、この冷却ジャケットは、この冷却ジャケットの基端に開口され不活性雰囲気を内部に供給するガス供給口と、前記冷却ジャケットの先端に開口されこの冷却ジャケットに供給されて冷却した前記不活性雰囲気を吹き付けて前記基板を冷却させる複数のガス吹付け口とを有しているものである。
【0007】
そして、この構成では、ろう付け時酸化防止用の不活性雰囲気で内部が満たされた不活性雰囲気チャンバ内に配設された基板は、はんだ付けを終え冷却工程に到達した際に、この不活性雰囲気チャンバから雰囲気循環手段により回収され冷却手段により冷却され、さらにこの雰囲気循環手段で循環されて圧送される不活性雰囲気で冷却される。この結果、不活性雰囲気チャンバ内に満たされた不活性雰囲気を雰囲気循環手段および冷却手段で循環させるとともに、冷却して圧送し、基板を強制冷却することにより、ろう付け強度を確保している。このため、不活性雰囲気を節約して基板が冷却可能となるので、不活性雰囲気を無駄なく有効に利用可能となり、製造コストが削減される。
【0008】
また、不活性雰囲気チャンバ内でろう付け時の酸化防止に用いられた不活性雰囲気が、循環されて基板の冷却に再利用されるとともに、従来の冷却ファンによる冷却と異なり、不活性雰囲気チャンバ内の不活性雰囲気に外部空気を巻き込むおそれがなく、不活性雰囲気チャンバ内の酸素濃度の上昇が防止される。
【0009】
特に、不活性雰囲気チャンバ内に搬送された基板は、噴流ノズルによりろう材が付着された後、この基板の搬送面に沿って配設され、冷却ジャケットの複数のガス吹付け口から噴出される不活性雰囲気で冷却される。このとき、一側辺が噴流ノズルと略平行で、他側辺が基板の搬送方向に対して略直角な略平板扇状に冷却ジャケットを形成したため、噴流ノズルが基板の搬送方向に対して傾斜している場合であっても、不活性雰囲気チャンバ内の基板がより均一に冷却可能となるとともに、限られた三角スペースを有効に利用して不活性雰囲気の有効利用が可能な冷却ジャケットが設置される。この結果、噴流ノズルを基板の搬送方向に対して傾斜したことにより生じる、例えば、基板にろう材を付着した際のはんだ切れが良く、基板にろう材によるブリッジができにくいなどの効果を損なうことなく、均一な急冷が可能となる。
【0010】
請求項記載のろう付け装置は、請求項記載のろう付け装置において、冷却手段は、雰囲気循環手段により圧送されて供給される不活性雰囲気を冷却するとともに、この不活性雰囲気中の不純物を除去する熱交換フィルタを備えているものである。
【0011】
そして、この構成では、不活性雰囲気チャンバから雰囲気循環手段により回収されて圧送されて供給される不活性雰囲気を冷却手段である熱交換フィルタで冷却するとともに不純物を除去した後に、この不活性雰囲気を基板へと圧送して、この不活性雰囲気で不活性雰囲気チャンバ内に配設された基板を冷却している。この結果、冷却作用と同時に、不活性雰囲気チャンバ内の不活性雰囲気中に含まれる不純物が除去されるので、フィルタリングにより再生された不活性雰囲気で基板が冷却可能となる。このため、不活性雰囲気チャンバ内の不活性雰囲気が冷却雰囲気により汚染されることもない。
【0012】
求項記載のろう付け装置は、請求項1または2記載のろう付け装置において、冷却ジャケットは、この冷却ジャケット内に設けられ、この冷却ジャケットの基端側から供給される不活性雰囲気を略均等にこの冷却ジャケットの先端側に向けて供給させる整流板を有しているものである。
【0013】
そして、この構成では、冷却ジャケットの基端側から供給される不活性雰囲気を略均等にこの冷却ジャケットの先端側に向けて供給させる整流板を冷却ジャケット内に設けたことにより、不活性雰囲気チャンバ内の基板に対して、冷却ジャケットで冷却した不活性雰囲気が雰囲気循環手段でより均一に圧送可能となる。この結果、不活性雰囲気チャンバ内の基板に対する冷却ジャケットによる冷却がより均一になる。特に、略扇状に形成された冷却ジャケットの先端に開口した複数のガス吹付け口に対し、整流板により不活性雰囲気流量が均等に分配供給される。
【0014】
請求項記載のろう付け装置は、請求項1乃至3のいずれか記載のろう付け装置において、冷却ジャケットは、扁平中空略扇状のジャケット本体と、このジャケット本体内の空間を上下に仕切る冷却板と、この冷却板により仕切られた前記ジャケット本体内の一側空間に形成され、内部に冷媒を通過させる冷媒室と、この冷媒室内に設けられ、この冷媒室の基端から供給された冷媒をこの冷媒室の先端に向けて通過させた後に、前記ジャケット本体の一側辺に沿って通過させ、この冷媒室の基端に向けて通過させて排出させる仕切板と、前記冷却板により仕切られた前記ジャケット本体内の他側空間に形成され、不活性雰囲気チャンバ内に搬送される基板の搬送面に沿って配設され、前記冷媒室内を通過する冷媒により内部を通過する不活性雰囲気が前記冷却板を介して冷却される不活性雰囲気室とを有しているものである。
【0015】
そして、この構成では、ジャケット本体内の空間を冷却板により上下に仕切った一側空間に形成した冷媒室内に設けた仕切板により、この冷媒室の基端から供給された冷媒は、この冷媒室の先端に向けて通過した後に、ジャケット本体の一側辺に沿って通過し、さらにこの冷媒室の基端に向けて通過した後に排出される。このため、冷媒室内の隅々を冷媒が巡回して通過するので、冷却板により仕切られたジャケット本体内の他側空間に形成され、不活性雰囲気チャンバ内に搬送される基板の搬送面に沿って配設された不活性雰囲気室内を通過する不活性ガスが冷却板を介して冷媒室内を通過する冷媒にてより効率良く冷却される。特に、冷却板を介し冷媒で効率良く強制冷却された不活性雰囲気は、高温に加熱された鉛フリーろう材をも急冷することが可能であり、所定のろう付け強度が確保される。さらに、冷媒室の基端から冷媒が供給および排出されるため、ジャケット本体に対する冷媒の配管が容易になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のろう付け装置の第1の実施の形態の構成を図1を参照して説明する。
【0017】
図1において、1aはろう付け装置で、このろう付け装置1aは、不活性雰囲気チャンバ2を有し、この不活性雰囲気チャンバ2内を貫通して配設された搬送手段としての基板搬送コンベヤ3で基板としてのプリント基板Pを搬送し、このプリント基板Pの被ろう付け面を加熱した後に、このプリント基板P上に搭載した各電子素子などの電極部に対して噴流したろう材としてのはんだSを接触させ、さらにこのプリント基板Pを冷却する噴流式のはんだ付け装置である。
【0018】
そして、不活性雰囲気チャンバ2は、略水平に配設されており、ろう付け、すなわちはんだ付け時における酸化防止用である不活性雰囲気としての窒素ガス(N)などの不活性ガスGが内部に充填、すなわち満たされている。また、この不活性雰囲気チャンバ2内には、この不活性雰囲気チャンバ2内にプリント基板Pを搬入するとともに、この不活性雰囲気チャンバ2内から搬出する基板搬送コンベヤ3が配設されており、この基板搬送コンベヤ3は、図1に示す左右方向に搬送方向を有している。
【0019】
また、不活性雰囲気チャンバ2の搬入側には、プリント基板Pを搬入した後に、このプリント基板Pの裏面を加熱するための基板予加熱空間部11が形成されており、この基板予加熱空間部11の下方には、基板搬送コンベヤ3により搬送されるプリント基板Pの裏面を予加熱する加熱手段としてのプリヒータ12が配設されている。このプリヒータ12は、蛇行させた状態で、基板予加熱空間部11の下方に配設されたシーズヒータである。
【0020】
さらに、不活性雰囲気チャンバ2の搬出側には、プリント基板Pおよび基板搭載部品とともに、これらにはんだ付けされたはんだSを冷却した後に、このプリント基板Pをこの不活性雰囲気チャンバ2内から外部へと搬出する基板冷却空間部13が形成されている。
【0021】
そして、不活性雰囲気チャンバ2の基板予加熱空間部11と、基板冷却空間部13との間には、基板搬送コンベヤ3により搬送されるプリント基板Pをはんだ付けするための基板はんだ付け空間部14が形成されている。この基板はんだ付け空間部14の下方には、溶融はんだSを内部に貯溜する槽体としてのはんだ槽15が配設されており、このはんだ槽15内には、噴流ノズルとしての1次噴流ノズル16および2次噴流ノズル17が配設されている。
【0022】
さらに、不活性雰囲気チャンバ2の下部には、ノズル挿入口18が開口されており、このノズル挿入口18の開口縁19は、はんだ槽15内に貯溜した溶融はんだS内に挿入されている。これにより、不活性雰囲気チャンバ2の下部は、はんだ槽15と気密に接続されている。
【0023】
また、1次噴流ノズル16および2次噴流ノズル17は、それぞれ電磁誘導ポンプ20a,20bに接続されており、これら1次噴流ノズル16および2次噴流ノズル17それぞれのノズル先端からは、はんだ槽15内に貯溜した溶融はんだSが噴流されており、これら1次噴流ノズル16および2次噴流ノズル17は、基板搬送コンベヤ3にて搬送されるプリント基板Pの裏面に溶融はんだSを付着させる、すなわちはんだ付けする。
【0024】
さらに、不活性雰囲気チャンバ2の基板はんだ付け空間部14の上方は、上方に向けて突出した突出空間部21が形成されており、この突出空間部21の上方には、不活性雰囲気チャンバ2内に窒素ガスなどの不活性ガスGを供給するための不活性ガス供給管21aが設けられている。また、突出空間部21の搬出側に位置する一側には、この不活性雰囲気チャンバ2内の不活性ガスGを回収するための不活性ガス回収口22が穿設されている。
【0025】
そして、この不活性ガス回収口22には、不活性雰囲気チャンバ2内から不活性ガスGを回収して冷却した後に、この冷却後の不活性ガスGを不活性雰囲気チャンバ2の基板冷却空間部13に搬送されたはんだ付け後のプリント基板Pへと圧送し、このプリント基板Pを急冷することによりはんだ付け強度を確保するための基板冷却装置24が接続されている。この基板冷却装置24は、供給される不活性ガスGを冷却するための冷却手段25を備えており、この冷却手段25は、不活性雰囲気チャンバ2の不活性ガス回収口22に接続されている。
【0026】
また、この冷却手段25は、不活性雰囲気チャンバ2から圧送されて供給される不活性ガスGを冷却するとともに、この不活ガスG中にミスト状に漂うフラックスヒュームなどの不純物Iを、この不活性ガスG中から除去する熱交換フィルタ26を備えている。
【0027】
この熱交換フィルタ26は、空冷式であり、断面略矩形筒状の冷却室27を備えており、この冷却室27の一側面の上方には、不活性雰囲気チャンバ2の不活性ガス回収口22に接続される吸込口28が穿設されている。さらに、この冷却室27の一側面の下方には、この冷却室27内を通過する不活性ガスGを排気するための排出口29が穿設されている。
【0028】
また、この冷却室27の他側面は、熱伝導性に優れた素材で形成された冷却面27aとして形成されており、この冷却面27aを介した冷却室27の他側面には、ファン30による送風により冷却室27内を通過する不活性ガスGを冷却するための通風室31が連設されている。この通風室31は、冷却室27の他側面に沿って形成されているとともに、この通風室31の上部および下部には、通風開口31a,31bがそれぞれ開口されている。
【0029】
また、下部の通風開口31bの下方には、ファン30が上方に向けて配設されており、このファン30による送風により通風室31内には順次、冷却媒体としての空気Aが供給、すなわち通風される。この結果、冷却室27内を通過する不活性ガスGは、通風室31に送風された空気Aにより、冷却室27の冷却面27aを介して冷却される。
【0030】
さらに、冷却室27の内部上方には、この冷却室27内を閉塞する状態で、エアフィルタ32が配設されている。このエアフィルタ32は、吸込口28から回収した不活性ガスGが通過することにより、この不活性ガスG中に漂う不純物Iを回収除去、すなわち濾過する。
【0031】
また、エアフィルタ32の下方である冷却室27内には、この冷却室27の一側面および他側面から互い違いに内方に向けて突出した複数の略扁平板状の邪魔板33a,33b,33c,33dが形成されている。これら邪魔板33a,33cは、冷却室27内の一側面より突設されており、この一側面に対して略垂直に突出した後に下方に向けて屈曲して突出している。また、邪魔板33b,33dは、冷却室27内の他側面より突設されており、この他側面に対して略垂直に突出した後に、上方に向けて屈曲して突出し、さらに、この他側面に向けて略垂直に屈曲して突出している。
【0032】
このため、邪魔板33a,33b,33c,33dは、冷却室27の吸込口28から圧送されて供給された不活性ガスGがこの冷却室27内を通過する際に、この不活性ガスGが衝突して、この不活性ガスG中に漂う不純物I、特にフラックスヒュームが液化して、これら邪魔板33a,33b,33c,33d上に付着することにより、この不活性ガスGから不純物Iを回収除去、すなわち濾過する。
【0033】
そして、熱交換フィルタ26の冷却室27の排出口29には、この冷却室27内から排出される不活性ガスGを、はんだ付けを終え冷却工程に到達したプリント基板Pへと圧送する雰囲気循環手段34の一部を構成する圧送手段としてのブロワ34aの吸気口35が接続されている。このブロワ34aには、排気口36が形成されており、この排気口36には、冷却手段25である冷却ジャケットとしての水冷ジャケット41が接続されている。さらに、このブロワ34aは、冷却手段25としての熱交換フィルタ26および水冷ジャケット41により冷却した不活性ガスGを不活性雰囲気チャンバ2内のプリント基板Pへと圧送して、このプリント基板Pを冷却する。すなわち、このブロワ34aは、回収した不活性ガスGを不活性雰囲気チャンバ2内から搬出されようとするプリント基板Pへと圧送し、この不活性ガスGの一部を循環させる。
【0034】
次いで、水冷ジャケット41は、水冷式であり、不活性雰囲気チャンバ2の基板冷却空間部13の下方に取り付けられている。また、この水冷ジャケット41は、不活性雰囲気チャンバ2内から回収して熱交換フィルタ26で冷却して濾過した不活性ガスGをさらに冷却した後に、この不活性ガスGをプリント基板Pの裏面へとブロワ34aによる圧送力により吹き付けて、このプリント基板Pを強制冷却する。
【0035】
さらに、この水冷ジャケット41は、略扁平中空なジャケット本体41aを備えており、このジャケット本体41a内には、このジャケット本体41a内の空間を上下に仕切る冷却板42が取り付けられている。この冷却板42は、熱伝導率に優れた金属材料などで形成されている。また、この冷却板42により仕切られたジャケット本体41a内の一側空間である下方に位置する空間部には、冷媒としての液体である水Wを内部に通過させる冷媒室44が形成されている。
【0036】
また、冷却板42により仕切られたジャケット本体41a内の他側空間である上方に位置する空間部には、内部に不活性ガスGを通過させる不活性雰囲気室としてのガス室43が形成されている。このガス室43は、不活性雰囲気チャンバ2内に搬送されるプリント基板Pの搬送面に沿って配設されている。また、このガス室43内を通過する不活性ガスGは、冷媒室44を通過する水Wとの温度差により、冷却板42を介して水Wにより冷却される。
【0037】
そして、このガス室43の一側面には、熱交換フィルタ26を通過した後の不活性ガスGをガス室43内に供給するためのガス供給口45が穿設されている。このガス供給口45は、ブロワ34aの排気口36に接続されており、このブロワ34aの圧送力により、熱交換フィルタ26により冷却された後の不活性ガスGが圧送されて供給される。
【0038】
また、ガス室43の上面には、このガス室43内を通過する際に冷却された不活性ガスGを噴出し、この不活性ガスGをプリント基板Pの裏面に吹き付けて、このプリント基板Pを冷却する小径なガス吹付け口46が複数穿設されている。
【0039】
さらに、ガス室43のガス供給口45が位置する側面である冷媒室44の一側面には、この冷媒室44内に水Wを供給するための冷媒供給口としての水供給口47が穿設されている。また、冷媒室44の下面で水供給口47の反対側には、冷媒室44内に供給された水Wを排出するための冷媒排出口としての水排出口48が穿設されている。この結果、水Wが水供給口47から供給された後に冷媒室44内を通過して水排出口48から排出されることにより、水Wとの温度差で冷却板42を介してガス室43を通過する不活性ガスGを冷却する。
【0040】
ここで、冷却手段25は、熱交換フィルタ26と、水冷ジャケット41とを備えており、また、雰囲気循環手段34には、不活性雰囲気チャンバ2と、熱交換フィルタ26の冷却室27と、ブロワ34aと、水冷ジャケット41のガス室43とが含まれている。そして、不活性ガスGは、これら不活性雰囲気チャンバ2、熱交換フィルタ26の冷却室27、ブロワ34aおよび水冷ジャケット41のガス室43内を循環する。
【0041】
次に、上記第1の実施の形態の作用を説明する。
【0042】
基板搬送コンベヤ3の搬送始端にプリント基板Pを載置すると、この基板搬送コンベヤ3によりプリント基板Pが不活性雰囲気チャンバ2内に搬送される。
【0043】
この後、この基板搬送コンベヤ3が、このプリント基板Pを不活性雰囲気チャンバ2の基板予加熱空間部11内へと搬送すると、この基板予加熱空間部11に配設したプリヒータ12が、このプリント基板Pを予加熱する。
【0044】
次いで、このプリント基板Pが基板はんだ付け空間部14のはんだ槽15の上部へと搬送されると、1次噴流ノズル16および2次噴流ノズル17から噴流される乱流波(1次波)および整形波(2次波)の各溶融はんだSでこのプリント基板Pをはんだ付けする。
【0045】
さらに、このプリント基板Pが水冷ジャケット41上へと搬送されると、この水冷ジャケット41のガス吹付け口46から圧送されて噴出される冷却された不活性ガスGが、このプリント基板Pの裏面に吹き付けられてプリント基板Pおよび基板搭載部品とともに、高温のはんだ継手部が冷却される。
【0046】
これにより、水冷ジャケット41のガス吹出し口46から圧送される不活性ガスGは、プリント基板Pを冷却するとともに、不活性雰囲気チャンバ2の基板冷却空間部13に循環され、この基板冷却空間部13を不活性ガスGで満たすから、不活性雰囲気チャンバ2の基板搬出口より基板はんだ付け空間部14内への外気の侵入を防止できる。
【0047】
一方、常に新鮮な不活性ガスGが不活性ガス供給管21aより基板はんだ付け空間部14へと供給されるが、はんだ付け雰囲気として用いられた後は、この不活性ガスGが不活性ガス回収口22から回収される。すると、この不活性ガスGは、吸込口28から熱交換フィルタ26の冷却室27内へと圧送されて、エアフィルタ32を通過した後に、邪魔板33aと邪魔板33bとの間を通過し、この後、邪魔板33bと邪魔板33cとの間を通過し、さらに、邪魔板33cと邪魔板33dとの間を通過して、排出口29からブロワ34aの吸気口35へと送られる。
【0048】
このとき、プリント基板Pをはんだ付けする際に生じるフラックスヒュームなどの不純物Iがこの不活性ガスG中に漂うため、この不活性ガスGは、エアフィルタ32を通過する際に、この不活性ガスG中に漂う不純物Iが濾過されるとともに、各邪魔板33a,33b,33c,33d間を通過する際に、これら邪魔板33a,33b,33c,33dそれぞれに衝突して、この不活性ガスG中に漂う不純物I、特にミスト状のフラックスヒュームが液化して付着しこの不純物Iが濾過される。また、不活性ガスGは、冷却室27内を通過する際に、通風室31内に送風された空気Aとにより冷却面27aを介して熱交換されて冷却される。
【0049】
次いで、この不活性ガスGは、ブロワ34aの排気口36から圧送された後、水冷ジャケット41のガス供給口45へと圧送されてガス室43内へと供給される。
【0050】
そして、この不活性ガスGは、ガス室43内を通過する際に冷媒室44内を通過する水Wとにより冷却板42を介して熱交換されて冷却される。
【0051】
この後、この不活性ガスGは、ガス室43を通過した後、ガス吹付け口46からプリント基板Pへと圧送されてこのプリント基板Pを冷却し、不活性雰囲気チャンバ2の基板冷却空間部13へと送られる。
【0052】
この結果、この不活性ガスGは、ブロワ34aによる圧送により、不活性雰囲気チャンバ2、熱交換フィルタ26および水冷ジャケット41内を循環する。
【0053】
上述したように、上記第1の実施の形態によれば、不活性雰囲気チャンバ2内から不活性ガスGを回収し、この回収した不活性ガスGを熱交換フィルタ26および水冷ジャケット41で冷却した後に、この不活性ガスGをブロワ34aでプリント基板Pに圧送して、このプリント基板Pを強制冷却するので、はんだ付け強度を確保できる。
【0054】
この結果、不活性雰囲気チャンバ2内の不活性ガスGを有効利用して冷却することにより、未使用の新鮮な不活性ガスで冷却する場合に比べると、不活性ガスGを無駄なく有効に利用できる。よって、不活性ガスGの総使用量を節約できるため、このプリント基板Pを製造する際における製造コストを削減できる。
【0055】
また、不活性雰囲気チャンバ2から回収した不活性ガスGは、熱交換フィルタ26の冷却室27を通過する際に冷却されるとともに、この不活性ガスG中に漂う不純物Iが回収除去される。このため、不活性雰囲気チャンバ2内ではんだSを噴流させる際等に生じる不純物Iが熱交換フィルタ26で回収除去できるので、不活性雰囲気チャンバ2内に汚れた不活性ガスGを戻すことを防止しつつ、プリント基板Pを冷却できる。
【0056】
この結果、冷却作用と同時に、不活性雰囲気チャンバ2内の不活性ガスG中に含まれる不純物Iを除去できるので、フィルタリングにより再生した不活性ガスGでプリント基板Pを冷却できる。このため、不活性雰囲気チャンバ2内の不活性ガスGが冷却後の不活性ガスGで汚染されることもない。
【0057】
よって、不活性雰囲気チャンバ2内ではんだ付け時の酸化防止に用いられた不活性ガスGを、循環させてプリント基板Pの冷却に再利用できるので、従来の冷却ファンのように外気を不活性雰囲気チャンバ2内に巻き込むことがなく、不活性雰囲気チャンバ2内の酸素濃度の上昇を防止できるとともに、プリント基板Pを冷却するために必要な不活性ガスGの総使用量をより節約でき、プリント基板Pを製造する際における製造コストをより削減できる。
【0058】
さらに、不活性雰囲気チャンバ2内から回収した不活性ガスGを、熱交換フィルタ26で冷却した後に、さらに、水冷ジャケット41で冷却しているため、不活性ガスGをより効率良く冷却できる。よって、不活性雰囲気チャンバ2の基板冷却空間部13内に搬送されるはんだ付け後のプリント基板Pをより効率良く冷却できる。
【0059】
また、不活性ガスGが熱交換フィルタ26の各邪魔板33a,33b,33c,33dに衝突することにより、この不活性ガスG中に漂うミスト状の不純物Iが液化して回収除去された際には、この不純物I、特にフラックスヒューム等は、各邪魔板33a,33b,33c,33dおよび冷却室27内の側壁等を伝わって、この冷却室27の底に貯溜する。このため、不活性雰囲気チャンバ2内の不活性ガスG中から不純物I、特にフラックスヒューム等を容易に回収できる。
【0060】
なお、上記第1の実施の形態では、不活性雰囲気チャンバ2内から回収した不活性ガスGを熱交換フィルタ26で冷却した後に、水冷ジャケット41でさらに冷却する構成について説明したが、このような構成に限定されることはなく、不活性雰囲気チャンバ2内から回収した不活性ガスGを冷却した後に、この不活性ガスGを圧送して活性雰囲気チャンバ2内へと循環させ、この不活性ガスGでこの不活性雰囲気チャンバ2内のプリント基板Pを冷却する構成であればよい。
【0061】
次に、本発明の第2の実施の形態の構成を図2および図3を参照して説明する。
【0062】
この図2および図3に示すろう付け装置1bは、基本的には図1に示すろう付け装置1aと同一であるが、1次噴流ノズル16および2次噴流ノズル17がプリント基板Pの搬送方向に対して傾斜している。
【0063】
そして、1次噴流ノズル16および2次噴流ノズル17それぞれの先端には、細孔状の噴流口51,52がそれぞれ形成されている。これら噴流口51,52は、図2に示すように、不活性雰囲気チャンバ2内に貫通して配設した基板搬送コンベヤ3によるプリント基板Pの搬送方向に対向して約45度、それぞれの長手方向が傾斜して配設されている。
【0064】
また、水冷ジャケット41は、一側辺が1次噴流ノズル16および2次噴流ノズル17の長手方向それぞれと略平行で、他側辺が基板搬送コンベヤ3によるプリント基板Pの搬送方向に対して直角な略扁平中空扇状のジャケット本体41aを備えており、このジャケット本体41aは、不活性雰囲気チャンバ2内の基板搬送コンベヤ3によるプリント基板Pの搬送面に沿って、かつこの基板搬送コンベヤ3の下方に配設されている。
【0065】
さらに、ジャケット本体41aの基端には、基板搬送コンベヤ3の搬送面の一側より略垂直に突出する接続基部54が形成されており、この接続基部54には、ブロワ34aの排気口36に接続された図示しないホースと、ジャケット本体41a内に水Wを供給および排出させる図示しないホースとしての供給管および排出管とが接続されている。
【0066】
また、ジャケット本体41a内には、図3(a)、(b)および(c)に示すように、内部に不活性ガスGを通過させるガス室43と、内部に水Wを通過させる冷媒室44とが形成されており、これらガス室43および冷媒室44とは、ジャケット本体41aと同形の略扁平扇状に形成さている。
【0067】
そして、冷媒室44の下面の基端、すなわち接続基部54の下面側には、この冷媒室44の基端に位置する面に沿って水供給口47および水排出口48が並設されている。これら水供給口47および水排出口48には、供給管および排出管が接続されている。また、冷媒室44内には、この冷媒室44の基端から直線的に扇形の一方の先端近傍まで進んだ後に、屈曲して他方の先端近傍まで進む略ヘの字状の仕切板61が設けられている。
【0068】
この仕切板61は、冷媒室44内の上下面それぞれに接続されており、水供給口47から供給された水Wを、この冷媒室44の一方の先端に向けて通過させた後、この冷媒室44の先端に位置する側面、すなわち水冷ジャケット41の一側辺に沿って冷媒室44の他方の先端に向けて通過させ、さらにこの冷媒室44の基端に向けて通過させる。
【0069】
また、ガス室43の上面の基端、すなわち接続基部54の上面側には、このガス室43内に不活性ガスGを供給するガス供給口45が穿設されており、このガス供給口45には、ブロワ34aの排気口36に接続されたホースが接続されている。さらに、このガス室43の上面の先端側には、複数、例えば16個のガス吹付け口46が穿設されている。これらガス吹付け口46は、1次噴流ノズル16の噴流口51および2次噴流ノズル17の噴流口52それぞれの長手方向に沿って、すなわちガス室43の先端側に位置する一側辺に沿って複数列、例えば2列に並設されている。
【0070】
さらに、ガス室43内には、このガス室43内の基端から先端、すなわち1次噴流ノズル16の噴流口51および2次噴流ノズル17の噴流口52の長手方向に沿ったこのガス室43の一側辺に向かうに連れて徐々に互いに拡開する複数の、例えば3枚の整流板62a,62b,62cが設けられている。これら整流板62a,62b,62cは、ガス室43のガス供給口45へと供給された不活性ガスGを、このガス室43の先端側に向けて略均等に分配して通過させた後、各ガス吹付け口46から略均等に上方に向けて噴出させる。
【0071】
次に、上記第2の実施の形態の作用を説明する。
【0072】
この図2および図3に示すろう付け装置1bは、基本的には図1に示すろう付け装置1aの作用と同様である。
【0073】
ブロワ34aを始動すると、不活性ガス供給管21aから供給された不活性雰囲気チャンバ2内の不活性ガスGが不活性ガス回収口22から回収されて、熱交換フィルタ26へと圧送される。
【0074】
そして、この不活性ガスGは、熱交換フィルタ26により冷却されるとともに、この不活性ガスG中に漂う不純物Iが回収された後、ブロワ34aへと吸気され、この後、水冷ジャケット41のガス供給口45へと圧送される。
【0075】
ここで、このガス供給口45からガス室43内へと圧送された不活性ガスGは、このガス室43内の整流板62a,62b,62cにより、このガス室43の基端から先端に向けて略均等に分配供給される。
【0076】
このとき、この不活性ガスGは、冷媒室44の水供給口47から供給されてこの冷媒室44内を仕切板61に沿って通過する水Wとの温度差により熱交換されて、冷却板42を介して冷却される。また、この水Wは、冷媒室44内を通過した後、水排出口48から外部へと排出される。
【0077】
さらに、ガス室43内で冷却された不活性ガスGは、各ガス吹付け口46から不活性雰囲気チャンバ2内へと圧送されて、このガス室43の上方に基板搬送コンベヤ3により搬送されたはんだ付け後のプリント基板Pへと圧送されて、このプリント基板Pを冷却する。
【0078】
この結果、不活性ガスGは、不活性雰囲気チャンバ2、熱交換フィルタ26、ブロワ34aおよび水冷ジャケット41内を循環する。
【0079】
上述したように、上記第2の実施の形態によれば、不活性雰囲気チャンバ2内から回収した不活性ガスGを冷却した後に、この不活性ガスGをプリント基板Pへと圧送して、このプリント基板Pを冷却するため、図1に示すろう付け装置1aと同様の効果を奏することができる。
【0080】
さらに、それぞれの長手方向が互いに略平行で、基板搬送コンベヤ3の搬送方向に対して約45度傾斜して配設された1次噴流ノズル16および2次噴流ノズル17それぞれの長手方向と一側辺が略平行で、プリント基板Pの搬送方向に対して他側辺が直角な略扁平扇状に、水冷ジャケット41を設けたため、1次噴流ノズル16および2次ノズル17それぞれがプリント基板Pの搬送方向に対して傾斜している場合であっても、不活性雰囲気チャンバ2内に搬送されるはんだ付け後のプリント基板Pをより均一に冷却できるとともに、限られた三角スペースを有効に利用して水冷ジャケット41を設置できる。
【0081】
よって、この冷却ジャケット41を用いることにより、1次噴流ノズル16および2次噴流ノズル17を互いにプリント基板Pの搬送方向に対して傾斜して配設できるので、これら1次噴流ノズル16および2次噴流ノズル17それぞれをプリント基板Pの搬送方向に対して傾斜したことにより生じる、例えば、プリント基板Pに1次噴流ノズル16および2次噴流ノズル17ではんだSを付着させた際におけるはんだ切れを向上でき、また、プリント基板Pに対するはんだSによるブリッジの形成を防止できるなどといった効果を損なうことなく、プリント基板Pを均一に急冷できる。
【0082】
また、水冷ジャケット41のガス室43内に、このガス室43の一側辺に向かうに連れて徐々に互いに拡開する整流板62a,62b,62cを設けたことにより、ガス供給口45から供給された不活性ガスGを、このガス室43の基端から先端に向けて略均等に通過させることができる。このため、ガス室43内で不活性ガスGをより均一に効率良く冷却できるとともに、ガス吹付け口46から不活性ガスGをより均一にプリント基板へと圧送できるので、はんだ付け後のプリント基板Pをより均一かつ効率良く冷却できる。特に、略扁平中空扇状に形成した水冷ジャケット41の先端に開口した複数のガス吹付け口46に対し、整流板62a,62b,62cにより不活性ガスGの流量を均等に分配供給できる。
【0083】
さらに、複数のガス吹付け口46をガス室43の先端側に位置した一側辺に沿って2列に並設したことにより、これらガス吹付け口46は、1次噴流ノズル16の噴流口51および2次噴流ノズル17の噴流口52それぞれの長手方向に沿って並設される。この結果、これらガス吹付け口46から冷却後の不活性ガスGを圧送させてプリント基板Pを冷却することにより、基板搬送コンベヤ3により搬送されるはんだ付け後のプリント基板Pをより均一かつ効率良く冷却できる。
【0084】
そして、水冷ジャケット41の冷媒室44の接続基部54の下面側に、この接続基部54の基端に沿って水供給口47および水排出口48を並設したため、これら水供給口47と水排出口48とが近接する。この結果、これら水供給口47および水排出口48に対する供給管および排出管の配管作業を容易にできるとともに、配管スペースを削減できる。
【0085】
また、水冷ジャケット41の冷媒室44内に仕切板61を設けたことにより、水供給口47から冷媒室44内へと供給された水Wが、この冷媒室44の一方の先端に向けて通過した後に、この冷媒室44の先端に位置する一側辺に沿ってこの冷媒室44の他方の先端に向けて通過し、さらに、この冷媒室44の基端に向けて通過する。この結果、冷媒室44内の隅々を水Wが巡回するとともに、ガス室43のガス吹付け口46と対向する冷媒室44の一側辺に沿って水Wが通過するので、ガス室43内を通過する不活性ガスGをより効率良く冷却できる。
【0086】
特に、冷却板42を介し水Wで効率良く強制冷却した不活性ガスGは、高温に加熱された鉛フリーはんだであっても急冷できるので、所定のはんだ付け強度を確保できる。
【0087】
さらに、水冷ジャケット41の接続基部54が基板搬送コンベヤ3の搬送面の一側面から突出しており、この接続基部54に水供給口47、水排出口48およびガス供給口45を設けたため、水Wを供給および排出するための供給管および排出管と、不活性ガスGを圧送させるためのホースなどとの接続作業を容易にできる。この結果、各ホースを束ねる等できるので、配管が整理でき、さらには、メンテナンスを容易にできる。
【0088】
なお、上記各実施の形態では、1次噴流ノズル16および2次噴流ノズル17から噴流される溶融はんだSを、基板搬送コンベヤ3にて搬送されるプリント基板Pに付着させて、このプリント基板Pをはんだ付けした後、このはんだ付け後のプリント基板Pを冷却する噴流式のはんだ付け装置について説明したが、このような構成に限定されることはなく、加熱したプリント基板Pを冷却できる構成であればどのような構成であってもよい。
【0089】
このため、例えば、不活性ガスGが内部に満たされた不活性雰囲気チャンバ2内に、基板搬送コンベヤ3を配設し、この不活性雰囲気チャンバ2内である基板搬送コンベヤ3の搬送始端側に、この基板搬送コンベヤ3により搬送されるプリント基板Pを加熱する加熱手段を設け、また、この不活性雰囲気チャンバ2内である基板搬送コンベヤ3の搬送終端側に、不活性雰囲気チャンバ2から不活性ガスGを回収して循環させ、この基板搬送コンベヤ3により搬送される加熱後のプリント基板Pへと圧送する雰囲気循環手段34を設け、さらに、この雰囲気循環手段34により圧送されて供給される不活性ガスGを冷却する冷却手段25を設けたリフロー装置などであってもよい。
【0090】
【発明の効果】
求項記載のろう付け装置によれば、ろう付け時酸化防止用の不活性雰囲気を不活性雰囲気チャンバから雰囲気循環手段および冷却手段で回収した後に冷却し、はんだ付けを終え冷却工程に到達した基板へと圧送してこの基板を強制冷却することにより、ろう付け強度を確保し、また、不活性雰囲気チャンバ内の不活性雰囲気を循環させつつ冷却してこの不活性雰囲気で基板を冷却するので、不活性雰囲気を無駄なく節約できるから、製造コストを削減でき、さらに、不活性雰囲気チャンバ内で不活性雰囲気が、循環されて基板の冷却に再利用できるとともに、従来の冷却ファンによる冷却と異なり、不活性雰囲気チャンバ内の不活性雰囲気に外部空気を巻き込むおそれがなくなるので、不活性雰囲気チャンバ内の酸素濃度の上昇を防止できる。特に、不活性雰囲気チャンバ内に配設された基板は、噴流ノズルによりろう材が付着された後、略平板扇状の冷却ジャケットの複数のガス吹付け口から吹き付けられる不活性雰囲気で冷却されるため、噴流ノズルが基板の搬送方向に対して傾斜している場合であっても、不活性雰囲気チャンバ内の基板をより均一に冷却できるとともに、限られた三角スペースを有効に利用して不活性雰囲気の有効利用が可能な冷却ジャケットを設置できるので、噴流ノズルを基板の搬送方向に対して傾斜したことにより生じる、例えば、基板にろう材を付着した際のはんだ切れが良く、基板にろう材によるブリッジができにくいなどの効果を損なうことなく、基板を均一に急冷できる。
【0091】
請求項記載のろう付け装置によれば、前記効果に加え、不活性雰囲気チャンバ内に配設された基板は、雰囲気循環手段および熱交換フィルタにより不活性雰囲気チャンバから回収された後に冷却され、かつ不純物が除去された不活性雰囲気の圧送により冷却されるため、冷却作用と同時に、不活性雰囲気チャンバ内の不活性雰囲気中に含まれる不純物を除去できるので、フィルタリングにより再生した不活性雰囲気で基板を冷却でき、不活性雰囲気チャンバ内の不活性雰囲気を冷却雰囲気が汚染することもない。
【0092】
求項載のろう付け装置によれば、前記効果に加え、不活性雰囲気を略均等に先端側に向けて供給する整流板を冷却ジャケット内に設けたため、不活性雰囲気チャンバ内の基板に対してより均一に冷却ジャケットで冷却した不活性雰囲気を雰囲気循環手段で圧送できるから、この基板に対する冷却ジャケットによる冷却をより均一にでき、さらには、この整流板により略扇状の冷却ジャケットの各ガス吹付け口に対する不活性雰囲気の流量を均等に分配供給できる。
【0093】
請求項記載のろう付け装置によれば、前記効果に加え、冷却ジャケットの冷媒室内に供給された冷媒は、この冷媒室内の仕切板により、この冷媒室の先端に向けて通過した後にジャケット本体の一側辺に沿って通過し、さらに冷媒室の基端に向けて通過するため、冷媒室内の隅々を冷媒が巡回して通過するので、冷却板を介して不活性雰囲気室内を通過する不活性雰囲気をより効率良く冷却でき、さらに、冷却板を介し冷媒で効率良く強制冷却した不活性雰囲気で、高温に加熱した鉛フリーろう材をも急冷できるので、所定のろう付け強度を確保でき、また、冷媒室の基端から冷媒を供給および排出可能であるため、冷却ジャケットに対する冷媒の配管を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のろう付け装置の第1の実施の形態を示す説明図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態を示す上面図である。
【図3】 同上ろう付け装置の冷却手段である冷却ジャケットを示す説明図である。
(a)冷却ジャケットの上面図
(b)同上冷却ジャケットの側面図
(c)同上冷却ジャケットの底面図
【符号の説明】
1a,1b ろう付け装置
2 不活性雰囲気チャンバ
16 噴流ノズルとしての1次噴流ノズル
17 噴流ノズルとしての2次噴流ノズ
25 冷却手段
26 熱交換フィルタ
34 雰囲気循環手段
41 冷却ジャケットとしての水冷ジャケット
41a ジャケット本体
42 冷却板
43 不活性雰囲気室としてのガス室
44 冷媒室
45 ガス供給口
46 ガス吹付け口
61 仕切板
62a,62b,62c 整流板
G 不活性雰囲気としての不活性ガス
I 不純物
P 基板としてのプリント基板
S ろう材としてのはんだ
W 冷媒としての水

Claims (4)

  1. ろう付け時酸化防止用の不活性雰囲気で内部が満たされ、この内部に基板が配設される不活性雰囲気チャンバと、
    この不活性雰囲気チャンバから前記不活性雰囲気を回収して循環させ、はんだ付けを終え冷却工程に到達した前記基板へと前記不活性雰囲気を圧送する雰囲気循環手段と、
    この雰囲気循環手段により圧送されて前記基板へ供給される前記不活性雰囲気を冷却する冷却手段と、
    前記不活性雰囲気チャンバ内に搬送される基板の搬送方向に対して傾斜して配設され、この基板にろう材を付着させる噴流ノズルを具備し、
    前記冷却手段は、一側辺が前記噴流ノズルと略平行で、他側辺が前記基板の搬送方向に対して略直角な略扁平扇状に形成され、前記不活性雰囲気チャンバ内に搬送される基板の搬送面に沿って配設された冷却ジャケットを備え、
    この冷却ジャケットは、この冷却ジャケットの基端に開口され不活性雰囲気を内部に供給するガス供給口と、前記冷却ジャケットの先端に開口されこの冷却ジャケットに供給されて冷却した前記不活性雰囲気を吹き付けて前記基板を冷却させる複数のガス吹付け口とを有している
    ことを特徴としたろう付け装置。
  2. 冷却手段は、雰囲気循環手段により圧送されて供給される不活性雰囲気を冷却するとともに、この不活性雰囲気中の不純物を除去する熱交換フィルタを備えている
    ことを特徴とした請求項記載のろう付け装置。
  3. 冷却ジャケットは、この冷却ジャケット内に設けられ、この冷却ジャケットの基端側から供給される不活性雰囲気を略均等にこの冷却ジャケットの先端側に向けて供給させる整流板を有している
    ことを特徴とした請求項1または2記載のろう付け装置。
  4. 冷却ジャケットは、
    扁平中空略扇状のジャケット本体と、
    このジャケット本体内の空間を上下に仕切る冷却板と、
    この冷却板により仕切られた前記ジャケット本体内の一側空間に形成され、内部に冷媒を通過させる冷媒室と、
    この冷媒室内に設けられ、この冷媒室の基端から供給された冷媒をこの冷媒室の先端に向けて通過させた後に、前記ジャケット本体の一側辺に沿って通過させ、この冷媒室の基端に向けて通過させて排出させる仕切板と、
    前記冷却板により仕切られた前記ジャケット本体内の他側空間に形成され、不活性雰囲気チャンバ内に搬送される基板の搬送面に沿って配設され、前記冷媒室内を通過する冷媒により内部を通過する不活性雰囲気が前記冷却板を介して冷却される不活性雰囲気室と
    を有していることを特徴とした請求項1乃至3のいずれか記載のろう付け装置。
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