JP4444188B2 - GaN系半導体装置 - Google Patents

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本発明はGaN系半導体装置に関し、更に詳しくは、耐圧が高く、オン抵抗が低く、かつ逆方向の電圧印加時におけるリーク電流が少ないGaN系半導体装置に関する。
半導体装置からなる電子デバイスは公知であり、例えば、高耐圧のバイポーラトランジスタによって構成された電力変換装置用のスイッチング素子が知られている。このような大電力用スイッチング素子には耐圧が高いことに加えてオン抵抗が低いことが求められる。このため、近年、バイポーラトランジスタに代えて、オン抵抗の低いパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor FET)や、バイポーラトランジスタとMOSFETとを複合したIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor; 絶縁ゲート型のバイポーラトランジスタ)がスイッチング素子として使用されている(特許文献1を参照)。
さらに、近年、GaNに代表される窒化物系化合物半導体を用いて作製した電子デバイスは、高温動作が可能で、耐圧が高く、そして高速動作も可能なデバイスとして有望視され、その開発が進められている。とくに、高耐圧で大電流動作が可能な電子デバイスとしての応用が検討されていて、例えば、耐圧が高く、オン抵抗が低く、GaN系半導体を用いたショットキーダイオードが提案されている(特許文献2を参照)。
特開平10−242165号公報 特開2004−31896号公報
本発明は、オン抵抗が低く、かつ逆バイアスの電圧印加時におけるリーク電流が少ないとともに、アノード電極とカソード電極間の電界集中の発生も抑制され、高電圧の印加時に空中放電を起こすことがなく、優れた耐圧特性を示すGaN系半導体装置の提供を目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明においては、
層内に2次元電子ガスが発生し、表面が面一状態のIII−V族窒化物半導体層と、
前記III−V族窒化物半導体層の表面にショットキー接合して配設された第1アノード電極と、
前記III−V族窒化物半導体層の表面にショットキー接合し、かつ前記第1アノード電極と電気的に接続して配設され、前記第1アノード電極が形成するショットキーバリアよりも高いショットキーバリアを形成する第2アノード電極と、
前記第2アノード電極から平面的に離隔して、前記III−V族窒化物半導体層の表面に配設されたカソード電極と、
前記第2アノード電極と前記カソード電極との間に位置し、前記III−V族窒化物半導体層の表面に配設された絶縁保護膜と、を備え、
前記第2アノード電極の端部もしくは前記カソード電極の端部の何れか一方または両方が、前記絶縁保護膜の端部上に積層され、且つ当該積層された部分の幅が、夫々0.1μm以上、10μm以下であることを特徴とするGaN系半導体装置が提供される。
このGaN系半導体装置において、
前記III−V族窒化物半導体層には、バンドギャップエネルギーが異なるIII−V族窒化物半導体から成るヘテロ接合構造が少なくとも1つ含まれていることを好適とし、
前記へテロ接合構造は、第1のIII−V族窒化物半導体からなる下層と、前記第1のIII−V族窒化物半導体よりもバンドギャップエネルギーが大きい第2のIII−V族窒化物半導体から成る上層とで形成されていることを好適とする。
また、このGaN系半導体装置において、
前記第1アノード電極は前記第2アノード電極より狭幅であり、かつ第1アノード電極が前記第2アノード電極で被覆され、前記第1アノード電極と前記第2アノード電極で複合アノード電極が形成されていることを好適とする
その場合、前記第2アノード電極の端部もしくは前記カソード電極の端部のいずれ一方または両方は、前記絶縁保護膜の端部の上に積層されていることが好ましい。
更に、このGaN系半導体装置において、
前記第1アノード電極および前記第2アノード電極の配設箇所の前記III−V族窒化物半導体層の厚みは、非配設箇所の厚みよりも薄くなっていて、その場合、前記へテロ接合構造を形成する前記上層と前記下層のうち前記上層の厚みが薄くなっていることを好適とする。
また、前記第1アノード電極と前記第2のIII−V族窒化物半導体から成る上層との間に、前記上層が示すバンドギャップエネルギーよりもバンドギャップエネルギーの小さいIII−V族窒化物半導体層が介挿されていることを好適とする。
また、前記ヘテロ接合構造を形成する前記上層と前記下層の間に、前記上層のIII−V族窒化物半導体のバンドギャップエネルギーよりもバンドギャップエネルギーが大きいIII−V族窒化物半導体から成る中間層が介挿されていることを好適とする。
また、前記カソード電極が配設される前記III−V族窒化物半導体層は、少なくとも前記ヘテロ接合構造を形成する前記下層と接触していることを好適とする。
そして、前記ヘテロ接合構造を形成する前記上層の半導体材料は、次式:
AlInGa1−x−y1−l−kAs
(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦l≦1,0≦k≦1)
で示される組成を有し、
前記へテロ接合構造を形成する前記下層を形成する半導体材料は、次式:
InyGa1-yN (0≦y≦0.5)
で示される組成を有することを好適とする。
このGaN系半導体装置は、III−V族窒化物半導体層内に2次元電子ガスが発生して電流経路の電気抵抗が非常に小さくなっているので、いずれもオン抵抗は30mΩ程度と低く、また100A程度の大電流動作も可能である。
また、逆バイアスの電圧印加時のリーク電流は、1μA以下と従来のGaN系半導体装置に比べて3桁程度低い値になる。
そして、絶縁保護膜の働きで、第2アノード電極の端部とカソード電極の端部における電界集中が緩和されているので、高電圧を印加しても空中放電などは起こらず耐圧特性が非常に優れている。
本発明装置の1例Cを第1の実施例形態として図1に示す。
装置Cは、サファイア基板のような絶縁性または半絶縁性の基板11の上に、所定厚みのバッファ層12、後述するIII−V族窒化物半導体層13が順次積層された構造を有するダイオードである。
バッファ層12の半導体材料としては、通常、GaN,AlN、AlGaN、などが使用され、それらの多層構造や、AlN/GaNの超格子構造などとして使用されることもある。
そして、III−V族窒化物半導体層13の両側には、後述するコンタクト層14が当該半導体層13と面一状態で形成され、その表面にカソード電極15が配設されている。
ここで、半導体層13は、あるバンドギャップエネルギーを有する第1のIII−V族窒化物半導体で形成した下層13Aと、この下層13Aを構成する半導体材料のバンドギャップエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有する第2のIII−V族窒化物半導体で形成した上層13Bを積層して成るヘテロ接合構造を有している。
したがって、下層13Aと上層13Bの界面13Cはヘテロ接合界面になっていて、この界面13Cの直下に位置する下層13Aの表層部にはピエゾ効果により2次元電子ガス16が層状に発生している。
下層13Aを構成する第1のIII−V族窒化物半導体(これをAとする)と上層13Bを構成する第2のIII−V族窒化物半導体(これをBとする)の組合せ(これをB/Aで表す)としては、例えば、 AlGaN/GaN、AlInGaN/GaN、AlInGaN/InGaN、AlGaN/InGaNなどをあげることができる。また、上層13Bと下層13Aの間に、上層13Bよりもさらに大きなバンドギャップエネルギーを有する中間層を挿入する場合には、上層/中間層/下層としてはAlGaN/AlN/GaNなどの構成をあげることができる。
所定の幅Dで形成されている上記した上層13Bの表面には、その略中央位置に幅Dよりも狭幅な幅dを有する第1アノード電極17Aが、上層13Bとショットキー接合して配設されている。通常、Dは6〜200μm、dは、Dを超えない範囲で、2〜200μmに設定される。
この第1アノード電極17Aを被覆した状態で、第1アノード電極17Aよりも広幅な第2アノード電極17Bが形成されている。したがって、第1アノード電極17Aと第2アノード電極17Bは電気的に接続していて、全体として複合アノード電極17を構成している。
そして、第2アノード電極17Bのすそ野部分もまた、第1アノード電極13Aの場合と同様に、上層13Bとショットキー接合している。その場合、第2アノード電極17Bと上層13Bで形成されるショットキーバリアの高さの方が、第1アノード電極17Aと上層13Bで形成されるショットキーバリアの高さよりも高くなっている。第2アノード電極17Bが上層13Bと接合している部分の幅は2〜10μmである。
例えば、上層13Bがn型GaNで形成されている場合、第1アノード電極17Aの材料としては、例えば、Ti、W、Ag、Al、Taなどが使用され、また、第2アノード電極17Bの材料としては、例えば、Pt、Ni、Pd、Au、Cuなどをあげることができる。
また、第1アノード電極17Aの厚みは0.02〜0.5μm、第2アノード電極17Bの厚みは0.02〜0.5μm程度に設定することが好ましい。
第2アノード電極17Bの端部17bとカソード電極15の端部15aの間に表出している上層13Bの表面は、端部17bと端部15aの両方に接触した状態で絶縁保護膜18によって被覆されている。
この絶縁保護膜18の構成材料としては、高誘電率を有する材料を使用することを好適とする。例えば、SiN、SiO、Al、Ta、SiO1−Xなどをあげることができる。
この絶縁保護膜18は、複合アノード電極17とカソード電極15間に高電圧を印加したときに、両極間における空中放電の発生を抑制して装置の損壊を防止するために配設される。また同時に両極の端部における電界集中の発生を緩和して装置全体の耐圧を高めるために配設される。絶縁保護膜の厚みは、通常、0.1〜2μm程度である。
配設の態様としては、図1で示したように、絶縁保護膜18の端部が第2アノード電極17Bの端部17bとカソード電極15の端部15aのいずれとも接触するように配設される。具体的には、絶縁保護膜18は、端部17b、端部15aの端面の双方と接触して配設される。
また、図2で示したように、絶縁保護膜18の両端部を、それぞれ、第2アノード電極17Bの端部17bとカソード電極15の端部15aで重なり幅がアノード電極とカソード電極間の距離の半分以下となるように被覆し、互いの端部を積層した態様で配設してもよい。通常、アノード電極とカソードで極間の距離は1〜50μm程度であり、それぞれの電極と絶縁保護膜との重なり幅は0.1μm以上、10μm以下とすることが好ましい。
この場合には、第2アノード電極17Bの端部17bと絶縁保護膜18の端部との間の接触面積、およびカソード電極15の端部15aと絶縁保護膜18の端部との間の接触面積は、単純な端面相互の接触状態の場合に比べて大きくなるので、両極の端部間における電界集中の発生が大幅に緩和されて、装置Cの耐圧は高くなり、空中放電も起こりにくくなる。
この装置Cにおいて、複合アノード電極17に順バイアスの電圧印加を行なったときに形成される電流経路は、複合アノード電極17→上層13B→下層13Aの表層部に発生している2次元電子ガス16→カソード電極15の経路である。
2次元電子ガス16は高い電子移動度を備えた層であるため、下層13Aに形成される上記した電流経路の電気抵抗は非常に小さい。したがって、この装置Cは電流経路にこのような特性を有する2次元電子ガスを含んでいるので、2次元電子ガスを含まない装置に比べて、オン抵抗は大幅に低くなっている。
そして、装置Cの場合、電流経路に位置するIII−V族窒化物半導体層13とカソード電極15の間にコンタクト層14が介在しているので、一層有効にオン抵抗を低下させることができる。
具体的には、この装置Cの場合、半導体層13の両側をエッチング除去して、そこに例えば、n型不純物がドープされたGaNやInGaNなどのような半導体材料から成るコンタクト層14を形成し、このコンタクト層14の表面にカソード電極15が、直接、オーミック接合して配設された構造になっている。
その場合、コンタクト層14は、その内側の側面14aが下層13Aの表層部に発生している2次元電子ガス16の端部と接触するような厚み、すなわち、ヘテロ接合界面13Cを含むような厚みで形成されることが好適である。
また、特開2002−184972号公報が開示するように、半導体層13の両側のエッチング除去時に、ヘテロ接合界面13Cの下方に位置する下層13Aの水平方向へのエッチング量を上層13Bに比べて多くすることにより、両側部にアンダカット部を形成し、そこと接触した状態でコンタクト層14を形成することも好適である。下層13Aに発生している2次元電子ガス16とコンタクト層14との電気的接続は一層確実になるからである。
この装置Cにおいて、複合アノード電極17に順バイアスの電圧印加を行なうと、ショットキーバリアの高さが相対的に低い第1アノード電極17Aが直ちに作動し、その後、印加電圧が上昇していく過程で第2アノード電極17Bが作動する。
したがって、順方向の電流立ち上がりは早くなるのでオン抵抗が低く、かつオン電圧を0に近づけることができる。
一方、逆バイアスの電圧印加を行なうと、第2アノード電極17Bのすそ野部分の直下に位置する上層13Bでは空乏層が広がり、電流経路はピンチオフされ、電流が遮断される。
また、印加電圧が高電圧になっても、第2アノード電極17Bの端部17bとカソード電極15の端部15aの間には上層13Bの表面を被覆する絶縁保護膜18が配設されているので、電極の端部における電界集中は緩和され、空中放電も起こりずらくなり、装置の高耐圧特性は向上する。
本発明装置の第2の実施態様を図3に示す。
この装置Cは、図1の装置Cにおいて複合アノード電極17が配設されている箇所の上層13Bの厚みを、配設されていない他の箇所よりも薄くした構造であることを除いては、装置Cと同様の構成をとる。
この装置Cの場合、複合アノード電極17の直下における上層13Bの厚みを薄くしているので、逆バイアスの電圧印加を行なうと、わずかな電圧の印加であっても、第2アノード電極17Bのすそ野部分の直下で広がる空乏層はヘテロ接合界面13Cを大きく越境して下層13Aの下方まで広がっていくことができる。そのため、下層13Aの表層部に発生していた2次元電子ガス16は空乏層によって消滅する。
したがって、この装置Cの場合、複合アノード電極17からカソード電極15に至る電流経路の一部に2次元電子ガス16が含まれていたとしても、逆バイアスの電圧印加時にその電流経路を確実に遮断することができる。
すなわち、この装置Cは、逆バイアスの電圧印加時におけるリーク電流の発生を抑制することができる。
そして、第2アノード電極17Bとカソード電極15の間に絶縁保護膜18が配設されているので高耐圧特性を備えている。
なお、装置Cの場合のように複合アノード電極17の配設箇所の上層13Bの厚みを薄くするだけではなく、例えば、上層13Bの厚みを全層に亘って薄くしても上記した効果を達成することができる。むしろ、上層の一部を薄くするという作業を省略できるという点で上層を全層に亘って薄くすることの方が好適である。
本発明装置の第3の実施態様Cを図4に示す。
この装置Cは、図1の装置Cにおいて、上層13Bを構成するIII−V族窒化物半導体のバンドギャップエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有するIII−V族窒化物半導体から成る層19が、第1アノード電極17Aと接触して上層13B内に形成されていることを除いては、装置Cと同様の構成をとる。
この装置Cの場合、第2アノード電極17Bと層19が形成するショットキーバリアの高さは、第1アノード電極17Aと上層13Bが形成するショットキーバリアの高さよりも低くなっている。
そして、この層19の形成に際して用いるIII−V族窒化物半導体としてバンドギャップエネルギーがより小さい材料を用いることにより、第1アノード電極17Aと層19が形成するショットキーバリアの高さをより一層低くすることができる。
その結果、複合アノード電極17に順バイアスの電圧印加を行ったときに、迅速に第1アノード電極17Aは機能して、装置Cに比べても、オン電圧を一層低くすることができる。また絶縁保護膜18の作用で高耐圧特性を備えている。
図5は、装置Cにおいて、上層13Bに上記した層19を形成した構造の装置Cを示す。
この装置Cは、既に説明した装置Cの特性、すなわち逆バイアスの電圧印加時におけるリーク電流の発生を抑制する特性を具備するとともに、上記した装置Cの特性、すなわち順バイアスの電圧印加時にオン電圧が一層低下するという特性を備え、しかも絶縁保護膜18の作用で高耐圧特性を備えている。
本発明装置の第4の実施態様Cを図6に示す。
この装置Cは、上層13Bと下層13Aの間に、上層13Bを構成するIII−V族窒化物半導体のバンドギャップエネルギーよりも大きいバンドギャップエネルギーを有するIII−V族窒化物半導体から成る中間層20が介挿されていることを除いては、装置Cと同様の構成をとる。
この装置Cの場合、下層13Aと中間層20のバンドギャップエネルギーの差は装置Cの場合よりも大きくなっている。
そのため、装置Cに比べて、この中間層20と下層13Aの界面ではピエゾ効果はより効率的に発現し、下層13Aの表層部に発生する2次元電子ガス16は高濃度になる。
したがって、複合アノード電極17に順バイアスの電圧印加時におけるオン抵抗は一層低くなる。
図7は装置Cにおいて、III−V族窒化物半導体層13に上記した中間層20を介挿した構造の装置Cを示す。
この装置Cは、装置Cの特性に加えて、順バイアスの電圧印加時におけるオン抵抗が一層低くなるという特性も備えている。
以上説明した装置において、III−V族窒化物半導体の層を構成する半導体材料としては、例えば、次式:
AlInGa1−x−y1−l−kAs(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1,0≦l≦1,0≦k≦1である)で示される材料が好適である。
この材料は、窒化物系の化合物半導体が本質的に備えている特性を有し、高温動作、高耐圧、高速動作を目標とするGaN系半導体装置の材料として好適である。
とくに、コンタクト層15、装置Cや装置Cの層19の材料としては、n型不純物を高濃度にドーピングしたInGa1-yN(上式でx=0,l=0,k=0の場合)が好適である。
このn型不純物をドーピングしたInGa1-yNをコンタクト層15の材料として用いる場合、このInGa1-yNはバンドギャップエネルギーが小さいので、ここにカソード電極15をオーミック接合すると抵抗が低下する。そして更に、n型不純物のドーピング濃度を高めると、上記した抵抗を更に低くすることができる。
また、上層13Bを上記したn型不純物をドーピングしたInGa1-yNで構成すると、第1アノード電極17Aとの間で形成されるショットキーバリアの高さを一層低くすることができるので、順バイアスの電圧印加時におけるオン電圧をより一層低下させることができる。そして、n型不純物が5×1017cm-3以上ドーピングされていると、第1アノード電極17Aが作動したときに、装置内に電流が流れやすくなって好適である。
また、上層13Bと下層13Aから成るIII−V族窒化物半導体層13において、下層13AにはMg、Zn、Cの1種または2種以上のp型不純物をドーピングすることが好ましい。
下層13Aの真性度が高くなり、複合アノード電極17に逆バイアスの電圧印加を行ったときに、空乏層は下層13Aに広がりやすくなり、下層13Aの表層部に発生している2次元電子ガス16が消滅してリーク電流の発生を抑制する効果が高まるからである。
また、装置C、C、Cにおいて、複合アノード電極17の配設箇所における上層13Bの厚みは、10nm以下に設定することが好ましい。複合アノード電極17に逆バイアスの電圧印加を行ったときに、第2アノード電極17Bの直下で広がる空気層が下層13Aに到達しやすくなり、もってリーク電流の発生を効率よく抑制することができるからである。
また、装置C、Cにおける中間層20の厚みは5nm以下に設定することが好ましい。この中間層20を構成する材料のバンドギャップエネルギーは非常に大きく、電子に対する障壁として作用するので、この厚みが厚すぎると抵抗が増加するからである。
なお、この中間層20の構成材料としては、まずAlNをあげることができる。この材料は、前記した組成式の材料において、バンドギャップエネルギーが最も大きい材料である。
中間層20をこの材料で形成する場合は、AlN層20と上層13Bとの界面における結晶性を高めるために、両層の間に、バンドギャップエネルギーの大きさが両材料の中間に位置する材料、例えばAlGa1-xNから成る層を介在させてもよい。また、上層13Bよりもバンドギャップエネルギーが大きいという条件を満たす限り、中間層20の材料としてAlGa1−xNを使用することもできる。
実施例1
MOCVD(Metal Organic Chemical Deposition)装置を用い、基板11としてサファイア基板を用いて、図1で示したGaN系半導体装置Cを次のようにして製造した。
サファイア基板11をMOCVD装置に導入し、ターボポンプで装置内の真空度を1×10-6hPa以下になるまで真空引きしたのち、真空度を100hPaにしてサファイア基板11を温度1100℃に昇温・加熱した。
温度が安定した時点で、基板11を900rpmで回転させ、装置内に、トリメチルガリウム(TMG)を流量100cm/minで、アンモニアを流量12L/minで4分間導入し、基板11の表面にGaNから成る厚み50nm程度のバッファ層12を成膜した。
ついで、TMG100cm/min、アンモニア12L/min、CCl10cm/minを装置内に導入して1000秒間の結晶成長を行い、バッファ層12の上に、GaNから成る厚み2000nmの下層13Aを成膜した。
なお、CClは、結晶成長層(下層)の真性度を高めるためのドーパントであるCの原料である。
ついで、トリメチルアルミニウム(TMA)を流量50cm/min、TMGを流量100cm/min、アンモニアを流量12L/minで装置内に導入して60秒間の結晶成長を行い、下層13Aの上にi−Al0.2Ga0.8Nから成る厚み30nmの上層13Bを成膜した。
ついで、上層13Bの全面にSiO膜を成膜し、カソード電極15を配設すべき箇所のSiO膜を除去し、Clガスをエッチャントの主体とするエッチング装置を用いて上層13Bをエッチングし、深さ50nm程度の溝を刻設した。この深さは上層と下層のヘテロ接合界面13Cよりも20nm程度下方であり、下層13Aの表層部に発生する2次元電子ガス16の位置よりも充分下方になっている。
ついで、再びMOCVD装置を用いて、流量50cm/minのトリメチルインジウム(TMI)、流量100cm/minのTMG、流量12L/minのアンモニア、流量10cm/minのSiH(n型不純物用)を用い、成長温度1050℃で5分間の結晶成長を行い、形成された溝に、n−In0.2Ga0.8N(キャリア濃度1×1019cm)を充填してコンタクト層14を形成した。
そして、通常のEB蒸着法とリフトオフ法により、上層13Bの表面に、Ti/Alから成る幅(d)10μmの第1アノード電極17Aと、幅(D)20μmのPt/Auから成る第2アノード電極17Bを成膜して複合アノード電極17を配置した。
ついで、コンタクト層14の上にTaSiにAuが積層された構造を有するカソード電極15を配置した。
最後に、プラズマCVD法により、アノード電極およびカソード電極を除いた部位に厚さ0.3μmのSiNを積層し、次いで、厚さ0.5〜1μmのSiO2を積層して、SiN/SiO2の構造を有する絶縁保護膜18を配設した。
この装置Cにつき、リーク電流および耐圧を測定した。リーク電流は100μA、オン抵抗は50mΩ程度、耐圧は300V程度が得られた
実施例2
実施例1の製造工程において、コンタクト層14を形成したのち再び全面にSiO膜を成膜し、そのSiO膜のうち複合アノード電極を配設すべき箇所を除去して開口し、塩素系、塩化物系またはメタン系のエッチングガスを用いたドライエッチング装置でエッチング処理を行なって、上層13Bに、幅10μm、深さ20nmの溝を形成した。
ついで、実施例1の場合と同様にして、溝の中に複合アノード電極、カソード電極、および絶縁保護膜を配置して、図3で示した構造の装置Cを製造した。
この装置Cのリーク電流および耐圧を測定した。リーク電流は1μA以下、オン抵抗は50mΩ程度、耐圧は500V程度が得られた。
実施例3
実施例1の製造工程において、コンタクト層14を形成したのち再び全面にSiO膜を成膜し、そのSiO膜のうち、図4で示した層19を形成すべき箇所を除去して開口し、塩素系、塩化物系またはメタン系のエッチングガスを用いたドライエッチング装置でエッチング処理を行なって、上層13Bに幅10μm、深さ20nmの溝を形成した。
ついで、再びMOCVD装置を用いて、流量25cm/minのTMA、流量50cm/minのTMG、流量12L/minのアンモニアを用いた結晶成長を行ない、溝をAlo.1Ga0.9Nで充填した。
その後、実施例1の場合と同様にして、複合アノード電極、カソード電極、および絶縁保護膜を形成して、図4で示した構造の装置Cを製造した。
この装置Cのリーク電流は1μA以下、オン抵抗は40mΩ程度、耐圧は500V程度であった。
実施例4
実施例1の製造工程において、下層13Aを成膜したのち、ガス源を流量50cm/minのTMAと流量12L/minのアンモニアに切り換えて結晶成長を行ない、AlNから成る厚み2nmの中間層20を成膜した。
その後は、実施例1の場合と同様にして、図6で示した装置Cを製造した。
この装置Cのリーク電流は1μA以下、オン抵抗は30mΩ程度、耐圧は500V程度であった。
本発明のGaN系半導体装置は、オン抵抗は低く、リーク電流も小さく、そして耐圧特性が非常に優れているので、DC−DCコンバータやインバータなどの電源用電子デバイスとして使用することができる。
本発明のGaN系半導体装置Cを示す断面図である。 第2アノード電極と絶縁保護層とカソード電極との相互の配置状態を示す部分断面図である。 本発明のGaN系半導体装置Cを示す断面図である。 本発明のGaN系半導体装置Cを示す断面図である。 本発明のGaN系半導体装置Cを示す断面図である。 本発明のGaN系半導体装置Cを示す断面図である。 本発明のGaN系半導体装置Cを示す断面図である。
符号の説明
11 基板
12 バッファ層
13 III−V族窒化物半導体層
13A 下層
13B 上層
13C ヘテロ接合界面
14 コンタクト層
14a コンタクト層14の側面
15 カソード電極
15a カソード電極15の端部
16 2次元電子ガス
17 複合アノード電極
17A 第1アノード電極
17B 第2アノード電極
17b 第2アノード電極17Bの端部
18 絶縁保護膜
19 III−V族窒化物半導体から成る層
20 III−V族窒化物半導体から成る中間層


Claims (5)

  1. 層内に2次元電子ガスが発生し、表面が面一状態のIII−V族窒化物半導体層と、
    前記III−V族窒化物半導体層の表面にショットキー接合して配設された第1アノード電極と、
    前記III−V族窒化物半導体層の表面にショットキー接合し、かつ前記第1アノード電極と電気的に接続して配設され、前記第1アノード電極が形成するショットキーバリアよりも高いショットキーバリアを形成する第2アノード電極と、
    前記第2アノード電極から平面的に離隔して、前記III−V族窒化物半導体層の表面に配設されたカソード電極と、
    前記第2アノード電極と前記カソード電極との間に位置し、前記III−V族窒化物半導体層の表面に配設された絶縁保護膜と、を備え、
    前記第2アノード電極の端部もしくは前記カソード電極の端部のいずれか一方または両方が、前記絶縁保護膜の端部上に積層され、且つ当該積層された部分の幅が、夫々0.1μm以上、10μm以下であることを特徴とするGaN系半導体装置。
  2. 前記III−V族窒化物半導体層には、バンドギャップエネルギーが異なるIII−V族窒化物半導体から成るヘテロ接合構造が少なくとも1つ含まれている請求項1のGaN系半導体装置。
  3. 前記へテロ接合構造は、第1のIII−V族窒化物半導体から成る下層と、前記第1のIII−V族窒化物半導体よりもバンドギャップエネルギーが大きい第2のIII−V族窒化物半導体から成る上層とで形成されている請求項2のGaN系半導体装置。
  4. 前記第1アノード電極は前記第2アノード電極より狭幅であり、かつ第1アノード電極が前記第2アノード電極で被覆され、前記第1アノード電極と前記第2アノード電極で複合アノード電極が形成されている請求項1〜3のいずれかのGaN系半導体装置。
  5. 前記第2アノード電極の端部もしくは前記カソード電極の端部のいずれか一方または両方は、前記絶縁保護膜の端部の上に積層されている請求項1のGaN系半導体装置。
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