JP4442350B2 - 車両用シート - Google Patents
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Description
前記車両用シート90は、図6に示すように、車室外では車椅子として使用可能であり、車室内では乗員が着座する座席として使用可能な構成のシート装置92を備えている。シート装置92は、そのシート装置92に対応するシート移動装置70に連結できるように構成されている。そして、シート装置92がシート移動装置70に連結させられた状態で、シート移動装置70が動作することにより、シート装置92は車室内と車室外との間で移動可能となる。また、車室外まで移動させられたシート装置92は、シート移動装置70から切り離されることで、通常の車椅子と同様に使用できるようになる。
請求項1の発明は、車室外では車椅子として使用可能であり、車室内では乗員が着座する座席として使用可能なシート装置を載せる連結ベースを備え、そのシート装置を前記連結ベースに載せて連結した状態で車室内と車室外との間で移動させられるように構成されており、前記車室外まで移動させて車椅子として使用可能な前記シート装置に対して前記連結ベースを下降させて、そのシート装置と前記連結ベースとを切り離すシート移動装置と、前記シート装置の代わりに前記シート移動装置の前記連結ベースに載せられてその連結ベースに連結される部材であり、車椅子を載せられるように構成された支持部材と、前記支持部材に装着されており、前記支持部材に載せられた前記車椅子を相対移動不能な状態でその支持部材に連結する連結機構とを有することを特徴とする。
請求項3の発明によると、車椅子は、その車椅子の左右両側で前後方向に延びる主フレームと、前記左右の主フレームに対して直角に位置決めされており、両端部が前記左右の主フレームにそれぞれ固定されている基準フレームとを備えており、前記支持部材は、前記車椅子の前記主フレームを下方から支えるフレーム受け部と、その車椅子の基準フレームと下方から嵌合することで、その支持部材に対する前記車椅子の位置決めを行う位置決め部とを備えており、前記支持部材に装着された前記連結機構は、前記車椅子に掛けられて、その車椅子の基準フレームが前記支持部材の位置決め部と嵌合する方向で、かつ前記車椅子の主フレームが前記支持部材のフレーム受け部を押圧する方向に、前記車椅子を引っ張るフックを備えていることを特徴とする。
このため、車椅子が支持部材に対して位置決めされた状態で固定されるようになる。
即ち、衝撃により車椅子の基準フレームが位置決め部を破壊する方向に移動したときでも、その基準フレームが鉤部に係合するため、車椅子が支持部材から外れることがない。
シート移動装置70は、図5に示すように、通常はシート装置92を車室外の乗降位置と車室内の後部座席との間で移動させる装置であり、車室内の回転テーブル71上に設置されている。なお、回転テーブル71はスライド機構70mの働きで車両の前後方向にも移動可能に構成されている。
回転テーブル71上には、シート装置92がドア開口k側を向いた状態で、可動部材73mを車両Mの幅方向(左右方向)に移動させる主スライド機構73が設けられている。また、主スライド機構73の可動部材73mには左右一対の四節リンク機構74の基端部が連結されている。四節リンク機構74は支持ローラ(図示省略)を備えており、その支持ローラが回転テーブル71のガイドレール(図示省略)上を車両Mの幅方向(左右方向)に転動可能なように構成されている。前記ガイドレールの上面は、先端部分で先端側が低くなるような傾斜面(カム面)となっている。このため、主スライド機構73の可動部材73mが回転テーブル71上を左方向(車室外方向)に移動すると、その可動部材73mの働きで四節リンク機構74の支持ローラがガイドレールの上面に沿って転動し、その支持ローラがカム面に到達した段階で、四節リンク機構74が下方に回動するようになる。四節リンク機構74の先端部には補助スライド機構72が連結されており、その補助スライド機構72にシート装置92を載せる連結ベース76が支持されている。連結ベース76は、補助スライド機構72の働きで四節リンク機構74の先端部に対して車幅方向(左右方向)に移動可能に構成されている。
乗降位置まで下ろされたシート装置92は、前後の車輪が引き出されて車椅子状態となった後、シート移動装置70の連結ベース76から切り離される(図6参照)。車椅子状態のシート装置92とシート移動装置70の連結ベース76との切り離しは、車椅子状態のシート装置92に対してシート移動装置70の連結ベース76を一定量下降させ、さらにそのシート装置92を前進させることで自動的に行われる。また、車椅子状態のシート装置92とシート移動装置70の連結ベース76との連結は、上記と逆の手順で行われる。即ち、基準レベルに位置決めされた連結ベース76に対して車椅子状態のシート装置92が後退し、そのシート装置92の下側に連結ベース76が規定位置まで入り込んだ状態で、その連結ベース76が一定量リフトアップされることにより自動的に行われる。
図2(A)に示すように、連結ベース76の上面には、シート装置92の前部下側に設けられた左右のフック(図示省略)が掛けられる左右の連結ピン76pと、シート装置92の裏側コネクタ(図示省略)と電気的に接続される表側コネクタ76c、及びシート装置92の後部下側の被係合部(図示省略)と係合する係合部76fが設けられている。
支持ベース30は、車椅子20をシート移動装置70の連結ベース76に固定するための板状部材であり、図2(B)に示すように、ベース本体31を備えている。ベース本体31は、連結ベース76に合わせて角形に形成されており、先端部に前向きの把手31h、後端部に上向きの把手31hが設けられている。ベース本体31の前部裏側には、幅方向両側(左右)にフック31fが設けられており、それらのフック31fがそれぞれ連結ベース76の左右の連結ピン76pと係合可能に構成されている。また、ベース本体31の後部裏側には、中央に被係合部(図示省略)が形成されており、その被係合部に連結ベース76の係合部76fが係合可能に構成されている。
即ち、前後の把手31hを持って、ベース本体31の前記被係合部を連結ベース76の係合部76fに掛け、そのベース本体31を連結ベース76の上に重ねた状態で、ベース本体31の左右のフック31fを連結ベース76の左右の連結ピン76pに係合させることで、ベース本体31は連結ベース76に固定される。
また、ベース本体31の裏側には、連結ベース76の表側コネクタ76cに対応する位置に、その表側コネクタ76cと電気的に接続される裏側コネクタ(図示省略)が設けられている。
ベース本体31の上面には、前部中央に山形をした位置決め部33が設けられている。位置決め部33は、ベース本体31に対する車椅子20の前後方向の位置決めを行う部分であり、前傾状態で形成されている。位置決め部33の前面は、車椅子20のアタッチメントバー23(後記する)をガイドするガイド面33mとなっている。また、位置決め部33のガイド面33mの下部には、そのガイド面33mにガイドされたアタッチメントバー23を嵌合状態で収納する断面U字形の位置決め溝33uがベース本体31の幅方向に延びるように形成されている。
車椅子20を支持ベース30のベース本体31にセットするには、図3(A)に示すように、シート移動装置70の連結ベース76によって乗降位置に保持されたベース本体31に対して車椅子20を後退させる。これによって、車椅子20の下側にベース本体31が入り込むようになり、車椅子20のアタッチメントバー23がベース本体31の位置決め部33のガイド面33mに当接した状態で、その車椅子20の後退が規制される。この状態で、ベース本体31がシート移動装置70によってリフトアップされると、車椅子20のアタッチメントバー23が、図3(B)に示すように、ガイド面33mにガイドされて断面U字形の位置決め溝33uに収納される。さらに、その車椅子20の左右の主フレーム22がベース本体31のフレーム受け部32(図2(B)参照)によって支持される。この状態で、車椅子20はベース本体31に対して規定位置に位置決めされるようになる。
また、ベース本体31の上面には、位置決め部33の左右位置で、かつ、図3(C)に示すように、その位置決め部33のガイド面33mよりも若干後方位置に、側面逆L字形の鉤部35が固定されている。鉤部35は、車椅子20のアタッチメントバー23が位置決め部33を破壊して後方に移動しようとするときに、そのアタッチメントバー23と係合可能になように構成されている。このため、車椅子20が車室内で後部座席として使用されているときに、例えば、車両Mが追突されてアタッチメントバー23により位置決め部33が破損した場合でも、車椅子20がベース本体31から外れて後方に移動するような不具合は生じない。
即ち、支持ベース30のベース本体31が本発明の支持部材に相当し、車椅子20のアタッチメントバー23が本発明の基準フレームに相当する。
前記巻取り機構は、クラッチ付きモータ45と、そのクラッチ付きモータ45によって水平回転可能に構成された右歯車46rと、左歯車46fとを備えている。左歯車46fはクラッチ付きモータ45によって回転させられる歯車であり、右歯車46rは左歯車46fと噛合して、その左歯車46fによって回転させられる構成である。さらに、前記巻取り機構は、ワイヤ44を巻き取るための左プーリ47fと右プーリ47rとを備えており、その左プーリ47fの外周に設けられた歯車に左歯車46fが噛合している。また、右プーリ47rの外周に設けられた歯車に右歯車46rが噛合している。
上記構成により、クラッチ付きモータ45が駆動されると、右歯車46r及び左歯車46fを介して左プーリ47f及び右プーリ47rが巻取り方向に回転し、左右のワイヤ44が巻き取られて左右のフック42が引っ張られる。
ベース本体31には、図2(B)に示すように、左歯車46f及び右歯車46rの上方に横棒49bが渡されており、この横棒49bにフック42が掛けられるようになっている。即ち、ベース本体31に車椅子20がセットされていない状態(空の状態)では、フック42は横棒49bに掛けられる。
また、横棒49bの両側には、左右のフック42がその横棒49bに掛けられていることを検知するフックスイッチ49sが設けられている。
車椅子20を乗車させる場合には、先ず、シート移動装置70が動作して、車室内にある連結ベース76が車室外の乗降位置まで移動させられる(図1)参照)。次に、連結ベース76に支持ベース30がセットされる。支持ベース30のセットは、支持ベース30のベース本体31(以下、支持ベース30という)の被係合部を連結ベース76の係合部76f(図2(A)参照)に掛け、その支持ベース30を連結ベース76の上に重ねた状態で、支持ベース30の左右のフック31fを連結ベース76の左右の連結ピン76pに係合させることにより行う。ここで、支持ベース30の裏側コネクタと連結ベース30の表側コネクタ76cとの接続は、支持ベース30を連結ベース76の上に重ねた状態で行われる。
このようにして、連結ベース76に支持ベース30がセットされると、連結機構40のフック42が横棒49bから外された状態で、図3(A)に示すように、車椅子20が支持ベース30の上方に移動させられる。即ち、車椅子20が後退することで、支持ベース30が車椅子20の下側に入り込み、その車椅子20のアタッチメントバー23が位置決め部33のガイド面33mに当接した状態で車椅子20の後退が止められる。この状態で、連結機構40の左右のフック42が車椅子20の左右の後部ホルダ27にそれぞれ掛けられる。
そして、引続きシート移動装置70が動作することにより、支持ベース30を介して連結ベース76に固定された車椅子20は車室内の後部座席まで移動させられる。
車椅子20から外された左右のフック42は、支持ベース30の横棒49bに掛けられる。これによって、左右のフックスイッチ49sが動作し、それらのフックスイッチ49sが動作することで、シート移動装置70が連結ベース30及び支持ベース30を車室内に移動させる方向に動作可能となる。
例えば、本実施形態に係る巻取り機構では、左右の歯車46f,46r及び左右のプーリ47f,47rを設け、左右のワイヤ44をそれぞれ巻き取る例を示したが、一本のワイヤを左右共通にして、ワイヤの先端に左右一対のフック42を設ける構成も可能である。
また、本実施形態では、フック42、ワイヤ44及び巻取り機構からなる連結機構40を例示したが、フック及びリンク等を利用して連結機構を構成することも可能である。
また、本実施形態では、後部座席として使用される車両用シート10を例に説明したが、前記車両用シート10を助手席あるいは運転席に使用することも可能である。
22 主フレーム
23 アタッチメントバー(基準フレーム)
30 支持ベース(支持部材)
31 ベース本体(支持部材)
32 フレーム受け部
35 鉤部
40 連結機構
42 フック
70 シート移動装置
Claims (4)
- 車室外では車椅子として使用可能であり、車室内では乗員が着座する座席として使用可能なシート装置を載せる連結ベースを備え、そのシート装置を前記連結ベースに載せて連結した状態で車室内と車室外との間で移動させられるように構成されており、前記車室外まで移動させて車椅子として使用可能な前記シート装置に対して前記連結ベースを下降させて、そのシート装置と前記連結ベースとを切り離すシート移動装置と、
前記シート装置の代わりに前記シート移動装置の前記連結ベースに載せられてその連結ベースに連結される部材であり、車椅子を載せられるように構成された支持部材と、
前記支持部材に装着されており、前記支持部材に載せられた前記車椅子を相対移動不能な状態でその支持部材に連結する連結機構と、
を有することを特徴とする車両用シート。 - 請求項1に記載された車両用シートであって、
前記支持部材の裏側には、前記連結ベースの表側に設けられた表側コネクタと電気的に接続可能な裏側コネクタが設けられていることを特徴とする車両用シート。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された車両用シートであって、
前記車椅子は、その車椅子の左右両側で前後方向に延びる主フレームと、前記左右の主フレームに対して直角に位置決めされており、両端部が前記左右の主フレームにそれぞれ固定されている基準フレームとを備えており、
前記支持部材は、前記車椅子の前記主フレームを下方から支えるフレーム受け部と、その車椅子の基準フレームと下方から嵌合することで、その支持部材に対する前記車椅子の位置決めを行う位置決め部とを備えており、
前記支持部材に装着された前記連結機構は、前記車椅子に掛けられて、その車椅子の基準フレームが前記支持部材の位置決め部と嵌合する方向で、かつ前記車椅子の主フレームが前記支持部材のフレーム受け部を押圧する方向に、前記車椅子を引っ張るフックを備えていることを特徴とする車両用シート。 - 請求項3に記載された車両用シートであって、
前記支持部材には、衝撃により車椅子の基準フレームが位置決め部を破壊する方向に移動したときに、その基準フレームと係合可能な鉤部が設けられていることを特徴とする車両用シート。
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