JP4440839B2 - 目地カバー装置 - Google Patents

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本発明は目地部を介して設けられた左右の建物間の上部の目地部を覆う目地カバー装置に関する。
従来、左右の建物の目地部間の上部を覆う目地カバー装置としては、目地部を介して設けられた左右の建物の一方の建物の目地部側壁面にほぼ垂直状態まで回動するようにヒンジ部材を介して取付けられた一方の目地カバーと、この一方の目地カバーの先端部寄りの底面に上方へ回動可能に接続する接続ヒンジ部材を介して取付けられるとともに、前記ヒンジ部材の取付け部よりも下部に位置する、前記他方の建物の目地部側壁面に外方へ突出する支持部材の上部に支持される他方の目地カバーと、この他方の目地カバーの下方の左右の側壁面に両端部が枢支された、伸縮可能あるいはスライド移動可能に取付けられた少なくとも2個以上の中央維持リンクと、この中央維持リンクの中央部にそれぞれ取付けられた、前記他方の目地カバーの後端部寄りの底面と当接して支持する支持片と、前記他方の目地カバーの先端部寄りの底面部位に固定された先端部が前記他方の建物の目地部側壁面あるいは支持部材に当接する他方の目地カバー回動アームと、一端が前記支持部材の上部に固定され、他端部が一方の建物の目地部側壁面に取付けられた巻取り装置に巻き取られた、前記他方の目地カバーの先端部が前記支持部材の上部へ戻すことができるガイドとなる他方の目地カバー支持装置とで構成されている。
しかしながら、構造が複雑で、コスト高になるとともに、設置に手数がかかるという欠点があった。
特開2004−137768
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、左右の建物が地震等で異なる左右方向に600mmの近接、離間しても、損傷なくその揺れ動きを吸収することができ、構造が簡単で、容易に設置することができるとともに、自動的に元の状態に戻る目地カバー装置を提供することを目的としている。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は目地部を介して設けられた左右の建物の、目地部側の一方の建物の外壁に先端部が上下方向に回動可能で、後端部より上方に位置するように後端部が取付けられたへ字状の一方の目地カバーと、この一方の目地カバーと対応する部位の目地部側の他方の建物の外壁に先端部が上下方向に回動可能で、後端部より上方に位置して、該一方の目地カバーの先端部と重なり合うように後端部が取付けられたへ字状の他方の目地カバーと、前記一方の目地カバーの先端部に形成された、前記他方の目地カバーの先端部の傾斜面の下端部よりもその上端を上部に位置させて、かつ、他方の目地カバーの先端部の傾斜面の上端部よりもその下端を下部に位置させ、一方の目地カバーの先端部と他方の目地カバーの先端部とが重なりあう弧状のガイド部とで目地カバー装置を構成している。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)目地部を介して設けられた左右の建物の、目地部側の一方の建物の外壁に先端部が上下方向に回動可能で、後端部より上方に位置するように後端部が取付けられたへ字状の一方の目地カバーと、この一方の目地カバーと対応する部位の目地部側の他方の建物の外壁に先端部が上下方向に回動可能で、後端部より上方に位置して、該一方の目地カバーの先端部と重なり合うように後端部が取付けられたへ字状の他方の目地カバーと、前記一方の目地カバーの先端部に形成された、前記他方の目地カバーの先端部の傾斜面の下端部よりもその上端を上部に位置させて、かつ、他方の目地カバーの先端部の傾斜面の上端部よりもその下端を下部に位置させ、一方の目地カバーの先端部と他方の目地カバーの先端部とが重なりあう弧状のガイド部とで構成されているので、地震等によって異なる左右方向に大きく近接した場合には、一方の目地カバーと他方の目地カバーの先端部が上方へ回動してその揺れ動きを吸収するとともに、大きく離間した場合には、一方の目地カバーと他方の目地カバーの先端部が離れて、その揺れ動きを吸収することができる。
(2)前記(1)によって、一方の目地カバーと他方の目地カバーとが離れて元の状態に戻ろうとする場合には、弧状のガイド部材に一方の目地カバーの傾斜面の先端部が当接して他方の目地カバーを押し上げるようにして下へもぐり込み、元の状態に自動的に戻すことができる。
(3)前記(1)によって、一方の目地カバー、他方の目地カバー、ガイド部とで構成されているので、構造が簡単で、容易に設置することができる。
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、一方の目地カバーと他方の目地カバーとが離れても、防水シートによって目地部を完全に覆うことができる。
(5)請求項3も前記(1)〜(4)と同様な効果が得られるとともに、一方の目地カバーと他方の目地カバーとを一方の吊り下げ紐と他方の吊り下げ紐によって、確実に一定位置に保持することができ、大きな異なる左右方向の移動が生じても、確実に自動的に元の状態に戻すことができる。
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態より、本発明を詳細に説明する。
図1ないし図6に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1は目地部2を介して設けられた左右の建物3、3の上部の目地部2を覆う本発明の目地カバー装置で、この目地カバー装置1は前記左右の建物3、3の目地部側の一方の建物3の上部外壁3aに前後方向にスライド移動可能で、所定量回動可能なヒンジ部材4を介して取付けられた、先端部が後端部より上方に位置するへ字状の一方の目地カバー5と、この一方の目地カバー5と対応する部位の目地部側の他方の建物3の外壁3aに前後方向にスライド移動可能で、所定量回動可能なヒンジ部材4を介して取付けられた、該一方の目地カバー5の先端部と重なり合う先端部が後端部より上方に位置するへ字状の他方の目地カバー6と、この他方の目地カバー6の先端部に形成された、前記一方の目地カバー5の先端部の傾斜面7の下端部より上部で、上端部よりも下部に位置する弧状のガイド部8と、前記一方の目地カバー5の先端部寄りの底面に固定されたレール9に一端部が前後方向にスライド移動可能に取付けられ、前記他方の目地カバー6の先端部寄りの底面に固定されたレール9に他端部が前後方向にスライド移動可能に取付けられた、ほぼU字状に配置される防水シート10と、前記一方の目地カバー5を常時一定位置に係止できるように、該一方の目地カバー5の先端部寄りの部位と前記一方の建物3との間に介装されたワイヤーやロープ等の一方の吊り下げ紐11、11と、前記他方の目地カバー6を常時一定位置に係止できるように、該他方の目地カバー6の先端部寄りの部位と前記他方の建物3との間に介装されたワイヤーやロープ等の他方の吊り下げ紐12、12とで構成されている。
前記ヒンジ部材4、4は図3に示すように、壁面3a、3aに複数本のビス13等によって固定されるほぼC字状の軸受14が形成された固定金具15と、この固定金具15の軸受14にスライド移動可能で、所定量回動可能な玉縁形状の軸16が形成された、前記一方の目地カバー5の後端部あるいは前記他方の目地カバー6の後端部に複数本のビス17等で取付けられる可動金具18とで構成されている。
上記構成の目地カバー装置1は、通常時には図1および図2に示す状態で目地部2の上部を覆っている。
地震等によって左右の建物3、3が大きく揺れ動き、目地部2が狭くなると図4に示すように一方の目地カバー5と他方の目地カバー6の先端部が押し合い、先端部が上方へ回動してその揺れ動きを吸収し、揺れ動きが停止すると自動的に元の状態へ戻る。
また、目地部2が広くなると図5に示すように、一方の目地カバー5と他方の目地カバー6の先端部が離れるように移動するとともに、防水カバー10も広がり、一方の目地カバー5、他方の目地カバー6、防水カバー10で目地部2を覆う状態となる。揺れ動きが停止したり、目地部2の間隔が元の状態になる場合には、図6に示すように他方の目地カバー6の先端部の弧状のガイド部8と一方の目地カバー5の先端部の傾斜面7とが当接して、スライド移動して元の状態へ自動的に導くことができる。
さらに左右の建物3、3が異なる前後方向に揺れ動いた場合には、一方の目地カバー5と他方の目地カバー6がヒンジ部材4、4の可動金具18、18が前後方向にスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図7ないし図17に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図7ないし図9に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、クランク状に形成した固定金具15A、15Aを用いたヒンジ部材4A、4Aで、一方の目地カバー5と他方の目地カバー6を取付けるとともに、防水カバー10の両端部を固定的に取付けた点で、このようなヒンジ部材4A、4Aを用いて構成した目地カバー装置1Aにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、ヒンジ部材4A、4Aの固定金具15A、15Aで排水用の樋を形成することができる。
図10ないし図14に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、一方の目地カバー5と他方の目地カバー6を複数個の蝶番状のヒンジ部材4B、4Bで一方の建物3の外壁3aと、他方の建物3の外壁3aとに取付けるとともに、該複数個のヒンジ部材4B、4B間で、かつ対向しない部位の一方の建物3の外壁3aと他方の建物3の外壁3aに一方の目地カバー5、他方の目地カバー6を常時一定位置で支持する複数個の支持台19、19を取付けた点で、このように構成した目地カバー装置1Bにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
図15ないし図17に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、一方の目地カバー5と他方の目地カバー6のそれぞれの中央部分寄りの底面部位に、先端部にストッパー20、20を付けたガイドレール21、21を勾配方向に取付け、一方の建物3の外壁3aと他方の建物3の外壁3aに枢支金具22、22を介して取付けられた中間部が下方に少し曲がったアーム23、23、このアーム23、23の先端に取付けられたローラ24、24を前記ガイドレール21、21に挿入して、前記一方の目地カバー5と他方の目地カバー6を常時一定位置に支持する支持機構25、25を用いた点で、このように構成した目地カバー装置1Cにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、前記本発明を実施するための各形態では防水シート10を用いるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、防水シートを設置しないものを用いてもよい。
本発明は目地カバー装置を製造する産業で利用される。
本発明を実施するための最良の第1の形態の平面図。 図1の2−2線に沿う断面図。 本発明を実施するための最良の第1の形態のヒンジ部材の説明図。 本発明を実施するための最良の第1の形態の目地部が狭くなった動作説明図。 本発明を実施するための最良の第1の形態の目地部が広くなった動作説明図。 本発明を実施するための最良の第1の形態のガイド部の動作説明図。 本発明を実施するための第2の形態の平面図。 図7の8−8線に沿う断面図。 本発明を実施するための第2の形態のヒンジ部材の説明図。 本発明を実施するための第3の形態の平面図。 本発明を実施するための第3の形態の底面図。 図10の12−12線に沿う断面図。 本発明を実施するための第3の形態の目地部が狭くなった平面図。 図13の14−14線に沿う断面図。 本発明を実施するための第4の形態の平面図。 図15の16−16線に沿う断面図。 本発明を実施するための第4の形態の支持機構の説明図。
1、 、1A、1B:目地カバー装置、 2:目地部、
3:建物、 4、4A、4B:ヒンジ部材、
5:一方の目地カバー、 6:他方の目地カバー、
7:傾斜面、 8:ガイド部、
9:レール、 10:防水シート、
11:一方の吊り下げ紐、 12:他方の吊り下げ紐、
13:ビス、 14:軸受、
15、15A:固定金具、 16:軸、
17:ビス、 18:可動金具、
19:支持台、 20:ストッパー、
21:レール、 22:枢支金具、
23:アーム、 24:ローラ、
25:支持機構。

Claims (3)

  1. 目地部を介して設けられた左右の建物の、目地部側の一方の建物の外壁に先端部が上下方向に回動可能で、後端部より上方に位置するように後端部が取付けられたへ字状の一方の目地カバーと、この一方の目地カバーと対応する部位の目地部側の他方の建物の外壁に先端部が上下方向に回動可能で、後端部より上方に位置して、該一方の目地カバーの先端部と重なり合うように後端部が取付けられたへ字状の他方の目地カバーと、前記一方の目地カバーの先端部に形成された、前記他方の目地カバーの先端部の傾斜面の下端部よりもその上端を上部に位置させて、かつ、他方の目地カバーの先端部の傾斜面の上端部よりもその下端を下部に位置させ、一方の目地カバーの先端部と他方の目地カバーの先端部とが重なりあう弧状のガイド部とからなることを特徴とする目地カバー装置。
  2. 目地部を介して設けられた左右の建物の、目地部側の一方の建物の外壁に先端部が上下方向に回動可能で、後端部より上方に位置するように後端部が取付けられたへ字状の一方の目地カバーと、この一方の目地カバーと対応する部位の目地部側の他方の建物の外壁に先端部が上下方向に回動可能で、後端部より上方に位置して、該一方の目地カバーの先端部と重なり合うように後端部が取付けられたへ字状の他方の目地カバーと、前記一方の目地カバーの先端部に形成された、前記他方の目地カバーの先端部の傾斜面の下端部よりもその上端を上部に位置させて、かつ、他方の目地カバーの先端部の傾斜面の上端部よりもその下端を下部に位置させ、一方の目地カバーの先端部と他方の目地カバーの先端部とが重なりあう弧状のガイド部と、前記一方の目地カバーの先端部寄りの底面に一端部が取付けられ、前記他方の目地カバーの先端部寄りの底面に他端部が取付けられたほぼU字状に配置される防水シートとからなることを特徴とする目地カバー装置。
  3. 目地部を介して設けられた左右の建物の、目地部側の一方の建物の外壁に先端部が上下方向に回動可能で、後端部より上方に位置するように後端部が取付けられたへ字状の一方の目地カバーと、この一方の目地カバーを常時一定位置に係止できるように、該一方の目地カバーと前記一方の建物との間に介装されたワイヤーやロープ等の一方の吊り下げ紐と、前記一方の目地カバーと対応する部位の目地部側の他方の建物の外壁に先端部が上下方向に回動可能で、後端部より上方に位置して、該一方の目地カバーの先端部と重なり合うように後端部が取付けられたへ字状の他方の目地カバーと、この他方の目地カバーを常時一定位置に係止できるように、該他方の目地カバーと前記他方の建物との間に介装されたワイヤーやロープ等の他方の吊り下げ紐と、前記一方の目地カバーの先端部に形成された、前記他方の目地カバーの先端部の傾斜面の下端部よりもその上端を上部に位置させて、かつ、他方の目地カバーの先端部の傾斜面の上端部よりもその下端を下部に位置させ、一方の目地カバーの先端部と他方の目地カバーの先端部とが重なりあう弧状のガイド部と、前記一方の目地カバーの先端部寄りの底面に一端部が取付けられ、前記他方の目地カバーの先端部寄りの底面に他端部が取付けられたほぼU字状に配置された防水シートとからなることを特徴とする目地カバー装置。
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