JP4439894B2 - 蒸着用るつぼ及び蒸着装置 - Google Patents

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Description

本発明は薄膜形成装置に関し、特に蒸着により成膜可能な材料を用いて蒸着により成膜するための機構を備えた薄膜形成装置に関する。
近年、FPD(フラットパネルディスプレイ)と呼ばれる薄型の表示装置は、モバイル機器などの携帯される電子機器用のディスプレイを始め、テレビやパソコンのモニタなどに適用され、需要が拡大している。
特に有機物を含む層に電流を流すことにより発光する、電界発光素子を用いたディスプレイは自発光、低消費電力、高速応答性など有利な特性を有するため、次世代のディスプレイとして実用化が推し進められ、最近では一部実用化されるところまできている。
電界発光素子の発光層となる有機化合物を含む層は大きくわけて高分子系と低分子系の材料を用いるものがあり、高分子系の材料はスピンコート法などに代表される塗布法やインクジェット法などにより成膜され、低分子系の材料は主に蒸着法により成膜されている。
低分子系の材料を基板に蒸着し成膜する際、従来の蒸着装置では基板ホルダに基板を設置し、蒸発源と、余分に昇華する材料の基板への到達を防止するシャッターと、蒸発源を加熱するヒーターとを有している。そして、このヒーターにより加熱された蒸発源の中の蒸着材料が昇華し、回転する基板に成膜される。この際、基板上に均一に成膜される為に基板と蒸発源との間は基板サイズにもよるが、大型基板になると1m以上離れているものもある。
このような従来の蒸着装置や蒸着方法では、昇華した蒸着材料の殆どが蒸着装置の成膜室内の内壁、シャッターまたは防着シールド(蒸着材料が成膜室の内壁に付着することを防ぐための保護板)に付着していた。そのため、非常に高価である電界発光素子用の蒸着材料の利用効率が約1%以下と極めて低く、発光装置の製造コストは非常に高価なものとなっていた。
また、大面積基板になると基板の中央部と周縁部とで膜厚が不均一になりやすく、さらに、蒸着装置は基板を回転させる構造であるため、大面積基板を目的とする蒸着装置には限界があった。
これらの点から上記課題を解決する1つの手段として、本出願人は特許文献1や特許文献2に記載されているような蒸着装置を提案している。
特開2001−247959号公報 特開2002−60926号公報
これらに記載の装置においては、蒸発源が加熱部より脱着可能であり、加熱して昇華させながら移動する可動部を有し、材料毎や蒸発源中の材料が無くなる毎に蒸発源を交換して使用する構成となっている。
特許文献1や特許文献2のような装置を用いて蒸着を行う場合、蒸発源は内部の材料が無くなる毎に交換を行う必要がある。交換を行う際には再度蒸発源を加熱をして蒸着できる温度まで上げる必要があり、大幅に時間をロスしてしまう。そのため、できるだけ蒸発源として用いられる蒸着用るつぼの容積は大きい方が望ましい。
しかし、蒸発源11を加熱するヒーター14を有する加熱部10は蒸発源として用いられる蒸着用るつぼ交換の簡便性から図10のように上部が開口した形状となっている。蒸着用るつぼが有底筒状の胴部と貫通孔の開いた蓋部に分かれているのも蒸発源交換の簡便性からである。蒸発源11より昇華もしくは溶解して蒸発した蒸着材料が出てくる為の蒸発口(貫通孔)12は蒸着用るつぼの蓋13のほぼ中央部に形成されるため、加熱部10と貫通孔の位置は離れてしまっている。
ところで、この蒸着用るつぼ11は金属やセラミックにより作られていることが多い。特にチタン製のものはその加工のしやすさや、安定性、価格の安さで良く用いられるが、熱伝導率が低いため、前述のようにヒーターと蓋に開いた貫通孔が離れているとヒーターと貫通孔の付近の蓋との間に大きな温度差ができてしまい、一度蒸発した蒸着材料が温度の低い蓋で冷却され即に付着して材料の利用効率を低下させてしまう場合がある。
しかし、熱伝導率の高い金属やセラミックはその加工性や耐熱性に問題があったり、非常に高価であったりするため、蒸着用るつぼ11に適用するには問題があった。
また、蒸着材料自体の熱伝導性が悪いと、蒸発源11の内壁近辺の蒸着材料と中央部の蒸着材料に温度差ができてしまい、中央部の蒸着材料が十分に暖まらず十分な蒸着レートが得られないという問題もあった。特に前述したような比較的高い温度をかけないと蒸発しない材料では、ほとんど蒸着できないといった状況であった。
本発明ではこれらの問題を鑑み、安価で加工が容易な材料を用いて作製された蒸着用るつぼを用いて、比較的高い昇華温度もしくは蒸発温度を持つ蒸着材料の蒸着を行ったとしても、貫通孔付近につまりを生じさせずに安定に蒸着を行うことが可能である蒸着用るつぼ及び蒸着装置を提供することを目的とする。
また、大幅な蒸着用るつぼの変更を行うことなく、熱伝導性の悪い蒸着材料も十分な蒸着レートで蒸着できるような蒸着用るつぼ及び蒸着装置を提供することを目的とする。
なお、本明細書中においては蒸着用るつぼと蒸発源はほぼ同じ意味で用いられるが、特にるつぼそのものを指す場合は蒸着用るつぼ、蒸着材料が充填され蒸着装置に設置された状態のるつぼを蒸発源として使い分けている。
そこで、本発明における構成の一つとしては、貫通孔が設けられた蒸着用るつぼの蓋を熱伝導率の高い物質でコーティングすることで、蓋とヒーター部分の温度差を緩和し、貫通孔付近の蓋の温度が低かったために起きていた蒸着材料による貫通孔のつまりを抑制し、加熱部から蒸発源が脱着可能な蒸着装置においても、蒸着レートの安定化、蒸着用るつぼの大容積化を実現することが可能となる。結果として製品の品質を安定に保つことや、スループットの向上、低価格化を見込める。
上記構成は、蒸着材料の突沸を防ぐために設けられる内蓋に適用しても同様の効果が得られる。さらに、蓋、内蓋自体を熱伝導率の大きい材料で作製してしまっても良い。また、これらは少なくとも元々の蒸着用るつぼより熱伝導性の高い物質を用いれば効果が得られるものであるが、より好ましくは熱伝導性の高い物質、例えば金、銀、白金、銅、アルミニウム、ベリリウム、炭化ケイ素及び窒化炭素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、酸化ベリウム、窒化アルミニウムから一種もしくは複数種を使用温度、蒸着材料との反応性、加工性などを考慮して適宜用いることが望ましい。
本発明における他の構成としては、蒸着用るつぼの内部に熱伝導率の高い物質で構成されている構造体を少なくとも蒸着材料充填部の壁面又は底面もしくは両方に接するように設ける。この際、この構造体は有底筒状の胴部内に均等に存在するようにすることが望ましい。これにより、蒸着材料にこの構造体より壁面の熱が伝わり、充填された材料を均等に加熱することが可能となる。結果として、熱伝導率の低い蒸着材料であったとしても、均等に加熱することができ、昇華、蒸発された蒸着材料が貫通孔で固体に戻ってしまうことも防げる上、安定した蒸着レートを得ることができるようになる。
本発明の他の構成は蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と、貫通孔の開いた蓋を有し、前記蓋は前記蓋の主構成材料より熱伝導性の高い物質により被覆されていることを特徴とする蒸着用るつぼである。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と、貫通孔の開いた蓋と内蓋を有し、前記内蓋は前記内蓋の主構成材料より熱伝導性の高い物質により被覆されていることを特徴とする蒸着用るつぼである。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と、貫通孔の開いた蓋と内蓋を有し、前記蓋及び前記内蓋は各々の主構成材料より熱伝導性の高い物質により被覆されていることを特徴とする蒸着用るつぼである。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と、貫通孔の開いた蓋を有し、前記蓋は前記蓋の主構成材料より熱伝導性の高い物質により形成されていることを特徴とする蒸着用るつぼである。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と、貫通孔の開いた蓋と内蓋を有し、前記内蓋は前記内蓋の主構成材料より熱伝導性の高い物質により形成されていることを特徴とする蒸着用るつぼである。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と、貫通孔の開いた蓋と内蓋を有し、前記蓋及び内蓋は各々の主構成材料より熱伝導性の高い物質により形成されていることを特徴とする蒸着用るつぼである。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と、少なくとも前記有底筒状の胴部内壁面に接して、前記蒸着材料より熱伝導率の高い物質により形成された部品を有することを特徴とする蒸着用るつぼである。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と、少なくとも前記有底筒状の胴部内底面に接して、前記蒸発材料より熱伝導率の高い物質により形成された部品を有することを特徴とする蒸着用るつぼである。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と、貫通孔の開いた蓋を有しており、前記蓋は熱伝導性の高い物質により被覆されていることを特徴とする蒸着用るつぼである。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と、貫通孔の開いた蓋と内蓋を有しており、前記内蓋は熱伝導性の高い物質により被覆されていることを特徴とする蒸着用るつぼである。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と、貫通孔の開いた蓋と内蓋を有しており、前記蓋及び内蓋は熱伝導性の高い物質により被覆されていることを特徴とする蒸着用るつぼである。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と、貫通孔の開いた蓋を有しており、前記蓋は熱伝導性の高い物質により形成されていることを特徴とする蒸着用るつぼである。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と、貫通孔の開いた蓋と内蓋を有しており、前記内蓋は熱伝導性の高い物質により形成されていることを特徴とする蒸着用るつぼである。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と、貫通孔の開いた蓋と内蓋を有しており、前記蓋及び内蓋は熱伝導性の高い物質により形成されていることを特徴とする蒸着用るつぼである。
本発明の他の構成は、前記蒸発源は蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と、少なくとも前記有底筒状の胴部内壁面に接して、熱伝導率の高い物質により形成された構造物を有することを特徴とする蒸着用るつぼである。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と、少なくとも前記有底筒状の胴部内底面に接して、熱伝導率の高い物質により形成された構造物を有することを特徴とする蒸着用るつぼである。
本発明の他の構成は、前記構成において、前記熱伝導率の高い物質とは金、銀、白金、胴、ベリリウム、炭化ケイ素及び窒化炭素ダイヤモンド、窒化ホウ素、炭化ケイ素、酸化ベリウム、窒化アルミニウムのうち一種もしくは複数種であることを特徴とする。
本発明の他の構成は、前記構成において、前記構造物の形態はワイヤー状、球状もしくは板状のうち1形態もしくは複数形態であることを特徴とする。
本発明の他の構成は、前記構成において、前記構造物の形態はワイヤー状、球状もしくは板状のうち1形態もしくは複数形態が組み合わされた形状であることを特徴とする。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と貫通孔の開いた蓋を有し前記蓋が前記蓋の構成材料より熱伝導性の高い物質により被覆されているるつぼと、前記るつぼを加熱する加熱部を有する蒸発源を有し、前記るつぼは前記加熱部より脱着可能であることを特徴とする蒸着装置である。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と貫通孔の開いた蓋と内蓋を有し前記内蓋が前記内蓋の構成材料より熱伝導性の高い物質により被覆されているるつぼと、前記るつぼを加熱する加熱部を有する蒸発源を有し、前記るつぼは前記加熱部より脱着可能であることを特徴とする蒸着装置である。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と貫通孔の開いた蓋と内蓋を有し前記蓋及び内蓋が各々の構成材料より熱伝導性の高い物質により被覆されているるつぼと、前記るつぼを加熱する加熱部を有する蒸発源を有し、前記るつぼは前記加熱部より脱着可能であることを特徴とする蒸着装置である。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と貫通孔の開いた蓋を有し前記蓋が前記有底筒状の胴部より熱伝導性の高い物質により形成されているるつぼと、前記るつぼを加熱する加熱部を有する蒸発源を有し、前記るつぼは前記加熱部より脱着可能であることを特徴とする蒸着装置である。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と貫通孔の開いた蓋と内蓋を有し前記内蓋が前記有底筒状の胴部より熱伝導性の高い物質により形成されているるつぼと、前記るつぼを加熱する加熱部を有する蒸発源を有し、前記るつぼは前記加熱部より脱着可能であることを特徴とする蒸着装置である。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と貫通孔の開いた蓋を有し前記蓋及び内蓋が前記有底筒状の胴部より熱伝導性の高い物質により形成されているるつぼと、前記るつぼを加熱する加熱部を有する蒸発源を有し、前記るつぼは前記加熱部より脱着可能であることを特徴とする蒸着装置である。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と貫通孔の開いた蓋を有し少なくとも前記有底筒状の胴部内壁面に接して、前記前記有底筒状の胴部より熱伝導率の高い物質により形成された部品を有するるつぼと、前記るつぼを加熱する加熱部を有する蒸発源を有し、前記るつぼは前記加熱部より脱着可能であることを特徴とする蒸着装置である。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と貫通孔の開いた蓋を有し少なくとも前記有底筒状の胴部内底面に接して、前記前記有底筒状の胴部より熱伝導率の高い物質により形成された部品を有するるつぼと、前記るつぼを加熱する加熱部を有する蒸発源を有し、前記るつぼは前記加熱部より脱着可能であることを特徴とする蒸着装置である。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と貫通孔の開いた蓋を有し前記蓋が熱伝導性の高い物質により被覆されているるつぼと、前記るつぼを加熱する加熱部を有する蒸発源を有し、前記るつぼは前記加熱部より脱着可能であることを特徴とする蒸着装置である。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と貫通孔の開いた蓋と内蓋を有し前記内蓋が熱伝導性の高い物質により被覆されているるつぼと、前記るつぼを加熱する加熱部を有する蒸発源を有し、前記るつぼは前記加熱部より脱着可能であることを特徴とする蒸着装置である。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と貫通孔の開いた蓋と内蓋を有し前記蓋及び内蓋が熱伝導性の高い物質により被覆されているるつぼと、前記るつぼを加熱する加熱部を有する蒸発源を有し、前記るつぼは前記加熱部より脱着可能であることを特徴とする蒸着装置である。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と貫通孔の開いた蓋を有し前記蓋が熱伝導性の高い物質により形成されているるつぼと、前記るつぼを加熱する加熱部を有する蒸発源を有し、前記るつぼは前記加熱部より脱着可能であることを特徴とする蒸着装置である。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と貫通孔の開いた蓋と内蓋を有し前記内蓋が熱伝導性の高い物質により形成されているるつぼと、前記るつぼを加熱する加熱部を有する蒸発源を有し、前記るつぼは前記加熱部より脱着可能であることを特徴とする蒸着装置である。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と貫通孔の開いた蓋を有し前記蓋及び内蓋が熱伝導性の高い物質により形成されているるつぼと、前記るつぼを加熱する加熱部を有する蒸発源を有し、前記るつぼは前記加熱部より脱着可能であることを特徴とする蒸着装置である。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と貫通孔の開いた蓋を有し少なくとも前記有底筒状の胴部内壁面に接して、熱伝導率の高い物質により形成された部品を有するるつぼと、前記るつぼを加熱する加熱部を有する蒸発源を有し、前記るつぼは前記加熱部より脱着可能であることを特徴とする蒸着装置である。
本発明の他の構成は、蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と貫通孔の開いた蓋を有し少なくとも前記有底筒状の胴部内底面に接して、熱伝導率の高い物質により形成された部品を有するるつぼと、前記るつぼを加熱する加熱部を有する蒸発源を有し、前記るつぼは前記加熱部より脱着可能であることを特徴とする蒸着装置である。
本発明の他の構成は、前記構成において、前記熱伝導率の高い物質とは金、銀、白金、胴、ベリリウム、炭化ケイ素及び窒化炭素ダイヤモンド、窒化ホウ素、炭化ケイ素、酸化ベリウム、窒化アルミニウムのうち一種もしくは複数種であることを特徴とする。
本発明の他の構成は、前記構成において、前記構造物の形態はワイヤー状、球状もしくは板状のうち1形態もしくは複数形態であることを特徴とする。
本発明の他の構成は、前記構成において、前記構造物の形態はワイヤー状、球状もしくは板状のうち1形態もしくは複数形態が組み合わされた形状であることを特徴とする。
本発明の他の構成は、上記構成において、前記蒸着源は蒸着しながら一軸又は2軸又は3軸方向に自在に位置制御可能な位置制御手段を有することを特徴とする。
本発明の構成を取ることにより、安価で加工も容易な材料を使用して作製された蒸着用るつぼであっても、使用に際して貫通孔付近に蒸着材料が付着し、蒸着レートが不安定になることを防ぐことができる。また、上部が開口している加熱部から蒸発源が脱着可能な蒸着装置においても、貫通孔に蒸着材料が付着することを防止することができるので、貫通孔のつまりを防止することができ、メンテナンスや蒸発源の交換に要する時間を短縮し、スループットを上げることが可能となる。さらに、貫通孔付近の蓋とヒーター部との温度差を小さくすることができるので、貫通孔のつまりが起こりにくくなり、蒸着材料切れによる蒸発源の交換の頻度を少なくすることができ、スループットが向上する。
また、蒸着用るつぼ内に高熱伝導率を有する物質を少なくとも蒸着材料充填部壁面に接するように設けることで、蒸着材料中へヒーターの熱が伝わりやすくなるため、蒸着材料中における温度差が小さくなり、蒸着レートの安定化につながる。
本発明における実施の形態について以下に示す。
(実施の形態1)
図1(A)(B)に本発明の構成の一部である蒸着用るつぼ11の斜視図を示す。蒸着用るつぼ11は有底筒状の胴部(蒸着材料充填部)21と貫通孔12を有する蓋部13に分かれている。この蒸着用るつぼは蒸着材料を搬送する容器として使用することもできる。
蒸着材料充填部21には、銅フタロシアニン(CuPc)、4,4'−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、トリス−8−キノリノナトアルミニウム錯体(Alq3)、フッ化リチウム(LiF)、酸化モリブデン(MoOx)等電界発光素子を形成するために必要な材料が充填され、蒸着する層に合わせて所望の材料を充填した蒸発源を用いて蒸着を行う。蒸着用るつぼには図1(C)のように蒸着材料の突沸防止の為の内蓋22を設けても良い。
蒸着用るつぼ11の材料はチタン、タンタル、モリブデン、タングステン、窒化ボロン、その他等任意の材料から、使用温度、反応性など考慮し、適宜選択して良く、容器の厚みは蒸着材料の想定内容量や形状、あるいは材料の熱伝導率などを考慮して決めれば良い。そして、本実施の形態においては貫通孔を有する蓋13又は内蓋22もしくはその両方は各々の主構成材料より熱伝導率の高い物質において被覆されている。
貫通孔を有する蓋13又は内蓋22もしくはその両方を被覆する材料としては、各々の主構成材料より熱伝導率の高い物質であれば効果を発揮するが、より好ましい高い熱伝導率を有する物質は銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)及びベリリウム(Be)である。これらの材料は非常に高い熱伝導率を有するため、高い効果を期待することができる。なお、白金(Pt)は上記の材料よりは熱伝導率は低いものの、比較的高い熱伝導率を有し且つ非常に安定であることから望ましい材料のうちの一つといえる。これらの物質の合金を用いても良い。貫通孔を有する蓋13及び内蓋22は蒸着材料の蒸着温度、蒸着材料との反応性などを考慮し適宜選択する。
このような、材料を被膜として形成する方法としては、蒸着法、スパッタリング法、溶射、電界メッキ、無電界メッキ、溶融メッキ、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、粉体塗装、インクジェット法、薄膜シートを巻くなど様々な方法が考えられる。これらに挙げた方法で無くとも貫通孔を有する蓋13又は内蓋22もしくはその両方に密着した膜が得られるようであればどんな方法を用いてもかまわない。
このように形成された貫通孔を有する蓋13又は内蓋22もしくはその両方を有する蒸着用るつぼ11及び蒸着装置を用いて電界発光素子の作製を行うと、加熱部と貫通孔12付近の蓋及び内蓋22の温度差が緩和されるため、蒸着材料が貫通孔12または内蓋22付近に付着することを防ぐことができ、蒸着レートが安定するため当該るつぼ及び装置を用いて形成した電界発光装置の特性にバラツキが出ることを防ぐことが可能となる。
また、上部が開口している加熱部から蒸発源が脱着可能な蒸着装置においても、貫通孔12に蒸着材料が付着することを防止することができるので、貫通孔12のつまりを防止することができ、メンテナンスや蒸発源の交換に要する時間を短縮し、スループットを上げることが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、従来より使用していた蒸着用るつぼの貫通孔の開いた蓋13又は内蓋22もしくはその両方に、各々の主構成材料より熱伝導率の高い物質で被膜を形成することにより課題を解決する方法を説明したが、本実施の形態では、他の方法により課題を解決する方法を図1を参照しながら説明する。
本実施の形態では、貫通孔の開いた蓋13と内蓋22自体を従来蒸着用るつぼの材料として用いられていた材料より熱伝導率が高い材料で形成する。この際、蒸着材料充填部21は従来と同様の材料で形成することができる。
このように形成された貫通孔を有する蓋13又は内蓋22もしくはその両方を用いた蒸着用るつぼ11及び蒸着装置を用いて電界発光素子の作製を行うと、上部が開口している加熱部から蒸発源が脱着可能な蒸着装置においても、加熱部と貫通孔12付近の蓋の温度差を緩和することができる。
また、蓋13又は内蓋22もしくはその両方のみを熱伝導率の高い物質で形成し胴部は従来のものを用いることができるため、高価な材料であっても、加工が容易であるため、製造コストは安くなる。さらに、実施の形態1のように薄膜を形成することが困難である材料であっても、使用することが可能となる。
本実施の形態は、従来蒸着用るつぼを作製する際に用いられていた材料より熱伝導率の高い物質を蓋13又は内蓋22もしくはその両方の材料とすれば効果を得ることができるが、より高い効果を得るためには高い熱伝導率を有する材料、好ましくは金、銀、白金、銅、アルミニウム、ベリリウム、炭化ケイ素及び窒化炭素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、酸化ベリウム、窒化アルミニウムなどから一種もしくは複数種を使用温度、用いられる予定の蒸着材料との反応性などを考慮して適宜選択すればよい。
このように形成された貫通孔を有する蓋13又は内蓋22もしくはその両方を用いた蒸着用るつぼ及び蒸着装置を用いて電界発光素子の作製を行うと、加熱部から蒸発源が脱着可能な蒸着装置においても、加熱部と貫通孔12付近の蓋の温度差が緩和されるため、蒸着材料が貫通孔12付近に付着することを防ぐことができ、蒸着レートが安定するため当該るつぼ及び装置を用いて形成した電界発光措置の特性にバラツキが出ることを防ぐことが可能となる。
また、貫通孔12に蒸着材料が付着することを防止することができるので、貫通孔12のつまりを防止することができ、メンテナンスや蒸発源の交換に要する時間を短縮し、スループットを上げることが可能となる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の他の実施の形態について図2を参照しながら説明する。銅フタロシアニンや酸化モリブデン、フッ化リチウムなど、電界発光素子に用いることのできる材料のなかでも比較的高い温度をかけないと蒸発しない物質を蒸着しようとした場合、材料自体の位置による加熱温度の違いが問題となってくる。
すなわち、蒸発源の壁面及び底面付近の材料は十分に熱せられ、蒸着材料が蒸発する温度となっていても中央部の材料は加熱が足りず、蒸発しない状態となる。当然、蒸着レートが小さく、また不安定なものとなるため、特に蒸発源を移動しながら蒸着を行う場合においては実用に耐えうるものではない。かといって、ヒーターの温度を上げてしまうと壁面部の材料の焦げ付きが起こり、高価な蒸着材料がダメになるばかりか蒸着用るつぼが再使用できなくなってしまう場合もある。
そこで、本実施の形態では、図2(A)に示すように少なくとも蒸着用るつぼにおける蒸着材料充填部の壁面もしくは底面に接するように形成された部品を有することを特徴とする。
部品はその一部が蒸着材料充填部の壁面もしくは底面に接していればどのような形状をしていても良いが、例えば図2(A)〜(E)のような形状が考えられる。部品は蒸着材料充填部内に均等に存在していることが望ましく、これにより蒸着材料に均等に熱を加えることが可能となり安定したレートを得ることができ、さらにその安定したレートを得るまでの時間を短縮することも可能である。
図2(A)にはワイヤ状の材料を少なくとも蒸着材料充填部21の壁面と底面のどちらかに接するように成形した部品31が蒸着材料充填部内に仕込まれている。蒸着材料30は部品31より伝わってきた熱により均等に加熱される。部品31の形状は蒸着材料充填部21内部を均等に占めると蒸着材料30に均等に熱が加わるため望ましい。これにより、蒸着レートが安定する迄の時間も短くなり、蒸着レートの安定性も高くなるため、スループットの向上や製品のバラツキ及びムラの低減が図れる。
図2(B)には複数の球状の部品32が少なくとも蒸着材料充填部21の壁面と底面もしくは他の球状の部品のどれかに接するように蒸着材料充填部内に仕込まれている。蒸着材料30は部品32より伝わってきた熱により均等に加熱される。これにより、蒸着レートが安定する迄の時間も短くなり、蒸着レートの安定性も高くなるため、スループットの向上や製品のバラツキ及びムラの低減が図れる。
図2(C)には板状の部品33もしくは複数の板状の材料を組み合わせて作製された部品33が少なくとも蒸着材料充填部21の壁面と底面のどちらかに接するように蒸着材料充填部内に仕込まれている。部品33の形状は蒸着材料充填部21内部を均等に占めると蒸着材料30に均等に熱が加わるため望ましい。これにより、蒸着レートが安定する迄の時間も短くなり、蒸着レートの安定性も高くなるため、スループットの向上や製品のバラツキ及びムラの低減が図れる。
図2(D)は蒸着材料充填部内部の壁面及び底面に、蒸着用るつぼ11の主構成材料より熱伝導率の高い材料の薄膜34を形成した例である。薄膜34の材料、形成法については実施の形態1と同様であるので割愛する。
図2(E)はワイヤ状の材料が蒸着材料充填部内部の壁面及び底面に接するように螺旋状に形成された部材35が蒸着材料充填部21に仕込まれている。図2(D)及び(E)はこの構成のみではあまり効果を発揮しないが、図2(A)〜(C)と組み合わせることによってより大きな効果を得ることができる。
図2(A)〜(E)の構成は自由に組み合わせて用いることができ、さらに部品はこれらに挙げた形状でなくとも蒸着材料充填部の少なくとも壁面もしくは底面に接するように仕込まれたものであればどのような形状であってもかまわなが、蒸着材料充填部内部を巨視的に偏り無く存在するような形状が好ましい。
部品の材料としては、想定する蒸着材料より熱伝導率が高ければある程度の効果は発揮すると思われるが、より好ましくは熱伝導率が高い材料、すなわち金、銀、白金、銅、アルミニウム、ベリリウム、炭化ケイ素及び窒化炭素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、酸化ベリウム、窒化アルミニウムなどから一種もしくは複数種を想定される使用温度、蒸着材料との反応性などを考慮して用いれば良い。また、使用される部品の形状も材料によって適宜選択する。また、加工性によりおのずと材料により適用できる形状は決まってくる。
本実施の形態に示したような蒸着用るつぼを用いると、壁面付近にある蒸着材料と、中央部にある蒸着材料の温度差を小さくすることができ、蒸着レートやその安定性を高めることができる。そのため、スループットが向上し、蒸発源を移動して蒸着する機構を有する蒸着装置、成膜装置及び製造装置において面内の膜厚バラツキを押さえることができ、表示ムラや不良の少ない高品質な表示装置を提供することが可能となる。また、いつも用いている蒸着用るつぼ内に仕込むだけのものであるので、非常に安価に対策を行うことが可能となる。
(実施の形態4)
図3は本発明を用いた製造装置の一例である。
図3において、300は基板、310は成膜室、320、330は搬送室、340はるつぼ設置室、315は蒸発源駆動用ロボット、342はるつぼ搬送ロボット、341はるつぼ設置用回転台、311、312、313は各部屋を仕切るシャッター、343は扉である。
基板300は、搬送室320から成膜室310内に搬送される。選択的に蒸着を行う場合には、蒸着マスクと基板との位置合わせを行った後に蒸着を行う。
加熱部200には、発光素子の材料が充填された蒸着用るつぼ(蒸発源)100が2個セットされている。図示しないが、各蒸発源の上部にはスライド式のシャッターが設けられている。図3には2個の蒸着用るつぼを備えた蒸発源が示してあるが、3個あるいはそれ以上の蒸着用るつぼを備えても良く、本発明は図3の構成に限定されない。2個の蒸着用るつぼには同じ材料を充填しても良く、ホスト材料とドーパント材料のように異なる材料を充填しても良い。
加熱部200にセットされた蒸発源100は加熱され、蒸着温度以上に加熱されると蒸発源上部の貫通孔から蒸着粒子が飛び出すこととなる。ここで、所定の成膜レートまで待機する。本発明によれば、蒸発源上部が冷めにくい構造となっているため、開口していても、材料が貫通孔で詰まりにくく、安定した成膜レートが得られるようになる。所定の成膜レートで安定させた後、基板シャッター(図示しない)を開け、蒸発源を移動させる蒸着用ロボットを駆動して、基板上に蒸着を行う。蒸発源の往復を繰り返すことによって、基板上に均一な膜が形成される。蒸着終了後、基板シャッターを閉じ、基板を搬送室330に搬送する。この蒸着を繰り返し行うことで、大量の基板に発光素子の材料を成膜することが出来る。
また、図3の製造装置には加熱部200にセットした蒸発源を交換する機構が設けられている。以下、その手順について説明する。
るつぼ設置室をベントし、大気圧とする。この時、シャッター313があるため、搬送室310の真空度はそのままの状態である。扉343を開け、蒸着用るつぼ設置用回転台に発光素子の材料が充填されたるつぼ(蒸発源)をセットした後、扉を閉め、搬送室と同じ真空度、あるいはそれ以下の真空度になるまでに引く。るつぼ設置室は成膜室よりチャンバーが小さいため、短時間で所定の圧力まで達することが可能である。所定の真空度に達したら、シャッター313を開け、るつぼ搬送ロボット342を駆動し、加熱部にセットされている第1の容器と取り出し、容器設置用回転台341にセットする。容器設置用回転台を回転し、材料の充填された蒸着用るつぼを取り出し、加熱部にセットする。
なお、本発明における搬送機構は、図3(B)に記載されるように蒸着用るつぼ100の上方から、るつぼ搬送用ロボットのつまみ部が、蒸着用るつぼの内側を引っ掛けて搬送する構造に限定されるものではなく、蒸着用るつぼの側面をつまんで搬送する構成でも構わない。
なお、るつぼ設置用回転台341にセットされている蒸着用るつぼは、真空排気している間に内蔵したヒータで蒸着用るつぼを材料が飛ばない程度の温度まで加熱しておいてもよく、交換後の加熱時間が短縮され、スループットの高い装置となる。
以上の構成でなる本発明について、以下に示す実施の形態でもってさらに詳細な説明を行うこととするが、本発明は以下の形態に限定されるものではない。
(実施の形態5)
図4にマルチチャンバー型の製造装置の上面図を示す。図4に示す製造装置は、スループット向上を図ったチャンバー配置としている。
図4は、シャッター500a〜500nと、基板投入室520と、封止、取出室519と、搬送室504、514と、成膜室506、509と、るつぼ設置室526a〜526dと、前処理室503と、封止基板ロード室517と、シーリング室518とを有するマルチチャンバーの製造装置である。
以下、予め陽極(第1の電極)と、該陽極の端部を覆う絶縁物(隔壁)とが設けられた基板を図4に示す製造装置に搬入し、発光装置を作製する手順を示す。なお、アクティブマトリクス型の発光装置を作製する場合、予め基板上には、陽極に接続している薄膜トランジスタ(電流制御用TFT)およびその他の薄膜トランジスタ(スイッチング用TFTなど)が複数設けられ、薄膜トランジスタからなる駆動回路も設けられている。また、単純マトリクス型の発光装置を作製する場合にも図4に示す製造装置で作製することが可能
である。
まず、基板投入室520に上記基板をセットする。基板サイズは、320mm×400mm、370mm×470mm、550mm×650mm、600mm×720mm、680mm×880mm、1000mm×1200mm、1100mm×1250mm、さらには1150mm×1300mmのような大面積基板でも対応可能である。
基板投入室520にセットした基板(陽極と、該陽極の端部を覆う絶縁物とが設けられた基板)は搬送室504に搬送する。なお、搬送室504には基板を搬送または反転するための搬送機構(搬送ロボットなど)と真空排気手段とが設けており、他の搬送室514も同様にそれぞれ搬送機構と真空排気手段とが設けてある。搬送室504に設けられたロボットは、基板の表裏を反転させることができ、成膜室506に反転させて搬入することができる。また、搬送室504は大気圧もしくは真空を維持することができる。搬送室504は、真空排気処理室と連結されており、真空排気して真空にすることも、真空排気した後、不活性ガスを導入して大気圧にすることもできる。
また、上記の真空排気処理室としては、磁気浮上型のターボ分子ポンプ、クライオポンプ、またはドライポンプが備えられている。これにより各室と連結された搬送室の到達真空度を10-5〜10-6Paにすることが可能であり、さらにポンプ側および排気系からの不純物の逆拡散を制御することができる。装置内部に不純物が導入されるのを防ぐため、導入するガスとしては、窒素や希ガス等の不活性ガスを用いる。装置内部に導入されるこれらのガスは、装置内に導入される前にガス精製機により高純度化されたものを用いる。従って、ガスが高純度化された後に蒸着装置に導入されるようにガス精製機を備えておく必要がある。これにより、ガス中に含まれる酸素や水、その他の不純物を予め除去することができるため、装置内部にこれらの不純物が導入されるのを防ぐことができる。
また、基板投入室520にセットする前には、点欠陥を低減するために第1の電極(陽極)の表面に対して界面活性剤(弱アルカリ性)を含ませた多孔質なスポンジ(代表的にはPVA(ポリビニルアルコール)製、ナイロン製など)で洗浄して表面のゴミを除去することが好ましい。洗浄機構として、基板の面に平行な軸線まわりに回動して基板の面に接触するロールブラシ(PVA製)を有する洗浄装置を用いてもよいし、基板の面に垂直な軸線まわりに回動しつつ基板の面に接触するディスクブラシ(PVA製)を有する洗浄装置を用いてもよい。
また、基板側の成膜面からの水分の進入を防止するため、有機化合物を含む膜の蒸着直前に真空加熱を行うことが好ましく、基板を搬送室504から真空加熱が可能な前処理室503に搬送し、上記基板に含まれる水分やその他のガスを徹底的に除去するために、脱気のためのアニールを真空(5×10-3Torr(0.665Pa)以下、好ましくは10-4〜10-6Pa)で行う。特に、層間絶縁膜や隔壁の材料として有機樹脂膜を用いた場合、有機樹脂材料によっては水分を吸着しやすく、さらに脱ガスが発生する恐れがあるため、有機化合物を含む層を形成する前に100℃〜250℃、好ましくは150℃〜200℃、例えば30分以上の加熱を行った後、30分の自然冷却を行って吸着水分を除去する真空加熱を行うことは有効である。
また、必要であれば、成膜室512で大気圧下、または減圧下でインクジェット法やスピンコート法やスプレー法などで高分子材料からなる正孔注入層を形成してもよい。また、インクジェット法で塗布した後、スピンコータで膜厚の均一化を図ってもよい。同様に、スプレー法で塗布した後、スピンコータで膜厚の均一化を図ってもよい。また、基板を縦置きとして真空中でインクジェット法により成膜を行ってもよい。
例えば、成膜室512で第1の電極(陽極)上に、正孔注入層(陽極バッファー層)として作用するポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ショウノウスルホン酸水溶液(PANI/CSA)、PTPDES、Et−PTPDEK、またはPPBAなどを全面に塗布、焼成してもよい。焼成する際には前処理室503で行うことが好ましい。
スピンコートなどを用いた塗布法で高分子材料からなる正孔注入層を形成した場合、平坦性が向上し、その上に成膜される膜のカバレッジおよび膜厚均一性を良好なものとすることができる。特に発光層の膜厚が均一となるため均一な発光を得ることができる。この場合、正孔注入層を塗布法で形成した後、蒸着法による成膜直前に真空加熱(100〜200℃)を行うことが好ましい。
例えば、第1の電極(陽極)の表面をスポンジで洗浄した後、基板投入室520に搬入し、成膜室512に搬送してスピンコート法でポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDOT/PSS)を全面に膜厚60nmで塗布した後、前処理室503に搬送して80℃、10分間で仮焼成、200℃、1時間で本焼成し、さらに蒸着直前に真空加熱(170℃、加熱30分、冷却30分)した後、成膜室506に搬送して大気に触れることなく蒸着法で発光層の形成を行えばよい。特に、ITO膜を陽極材料として用い、表面に凹凸や微小な粒子が存在している場合、PEDOT/PSSの膜厚を30nm以上の膜厚とすることでこれらの影響を低減することができる。
また、スピンコート法によりPEDOT/PSSを成膜した場合、全面に成膜されるため、基板の端面や周縁部、端子部、陰極と下部配線との接続領域などは選択的に除去することが好ましく、前処理室503でマスクを使用してO2アッシングなどにより選択的に除去することが好ましい。前処理室503はプラズマ発生手段を有しており、Ar、H、F、およびOから選ばれた一種または複数種のガスを励起してプラズマを発生させることによって、ドライエッチングを行う。マスクを使用することによって不要な部分だけ選択的に除去することができる。また、陽極表面処理として紫外線照射が行えるように前処理室503にUV照射機構を備えてもよい。
次いで、搬送室504に連結された成膜室506へ基板を搬送機構511により搬送して、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、または電子注入層となる低分子からなる有機化合物層を適宜成膜する。発光素子の材料を適宜選択することにより、発光素子全体として、単色(具体的には白色、赤色、緑色、または青色)の発光を示す発光素子を形成することができる。成膜は蒸発源200を備えたロボットが移動することで成膜を行い、蒸発源には発光素子の材料が充填された蒸着用るつぼをセットすることができる。上記蒸着用るつぼの材質はチタンで構成され、上部には蒸発するための開口部が設けられている。
また、成膜室506には、実施の形態2に示したようにるつぼ設置室526a〜526dが設けられており、発光素子の材料が充填された蒸着用るつぼが複数備えられている。必要な材料が充填されている蒸着用るつぼを成膜室に搬送し、順次蒸着を行う。また、フェイスダウン方式で基板をセットし、CCDなどで蒸着マスクの位置アライメントを行い、抵抗加熱法で蒸着を行うことで選択的に成膜を行うことができる。蒸着が終了すると基板は次の搬送室側に搬送されることとなる。
次いで、搬送室514内に設置されている搬送機構により、基板を成膜室506から取り出し、大気にふれさせることなく、成膜室510に搬送して陰極(または保護膜)を形成する。この陰極は、抵抗加熱を用いた蒸着法により形成される無機膜(MgAg、MgIn、CaF2、LiF、CaNなどの合金、または周期表の1族もしくは2族に属する元素とアルミニウムとを共蒸着法により形成した膜、またはこれらの積層膜)である。また、スパッタ法を用いて陰極を形成してもよい。
また、上面出射型または両面出射型の発光装置を作製する場合には、陰極は透明または半透明であることが好ましく、上記金属膜の薄膜(1nm〜10nm)、或いは上記金属膜の薄膜(1nm〜10nm)と透明導電膜との積層を陰極とすることが好ましい。この場合、スパッタ法を用いて成膜室509で透明導電膜(ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等)からなる膜を形成すればよい。以上の工程で積層構造の発光素子が形成される。
また、搬送室514に連結した成膜室509で窒化珪素膜、または窒化酸化珪素膜からなる保護膜を形成して封止してもよい。この場合、成膜室509内には、珪素からなるターゲット、または酸化珪素からなるターゲット、または窒化珪素からなるターゲットが備えられている。また、固定している基板に対して棒状のターゲットを移動させて保護膜を形成してもよい。また、固定している棒状のターゲットに対して、基板を移動させることによって保護膜を形成してもよい。
例えば、珪素からなる円盤状のターゲットを用い、成膜室雰囲気を窒素雰囲気または窒素とアルゴンを含む雰囲気とすることによって陰極上に窒化珪素膜を形成することができる。また、炭素を主成分とする薄膜(DLC膜、CN膜、アモルファスカーボン膜)を保護膜として形成してもよく、別途、CVD法を用いた成膜室を設けてもよい。ダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜とも呼ばれる)は、プラズマCVD法(代表的には、RFプラズマCVD法、マイクロ波CVD法、電子サイクロトロン共鳴(ECR)CVD法、熱フィラメントCVD法など)、燃焼炎法、スパッタ法、イオンビーム蒸着法、レーザー蒸着法などで形成することができる。成膜に用いる反応ガスは、水素ガスと、炭化水素系のガス(例えばCH4、C22、C66など)とを用い、グロー放電によりイオン化し、負の自己バイアスがかかったカソードにイオンを加速衝突させて成膜する。また、CN膜は反応ガスとしてC24ガスとN2ガスとを用いて形成すればよい。なお、DLC膜やCN膜は、可視光に対して透明もしくは半透明な絶縁膜である。可視光に対して透明とは可視光の透過率が80〜100%であることを指し、可視光に対して半透明とは可視光の透過率が50〜80%であることを指す。
次いで、発光素子が形成された基板を搬送室514から封止室519に搬送する。
封止基板は、封止基板ロード室517に外部からセットし、用意される。なお、水分などの不純物を除去するために予め真空アニールを行うことが好ましい。そして、封止基板に発光素子が設けられた基板と貼り合わせるためのシール材を形成する場合には、シーリング室518でシール材を形成し、シール材を形成した封止基板を封止基板ストック室530に搬送する。なお、シーリング室518において、封止基板に乾燥剤を設けてもよい。また、封止基板ストック室530に蒸着の際に使用する蒸着マスクをストックしてもよい。なお、ここでは、封止基板に対してシール材を形成した例を示したが、特に限定されず、発光素子が形成された基板にシール材を形成してもよい。
次いで、封止、取出室519で基板と封止基板と貼り合わせ、貼り合わせた一対の基板を封止、取出室519に設けられた紫外線照射機構によってUV光を照射してシール材を硬化させる。なお、ここではシール材として紫外線硬化樹脂を用いたが、接着材であれば、特に限定されない。
次いで、貼り合わせた一対の基板を封止、取出室519から取り出す。
以上のように、図4に示した製造装置を用いることで完全に発光素子を密閉空間に封入するまで大気に曝さずに済むため、信頼性の高い発光装置を作製することが可能となる。また、蒸発源が移動し、成膜室506内を基板が移動することで蒸着は終了するため、短時間に蒸着が完了し、スループットよく発光装置を作製することができる。
なお、ここでは図示しないが、各処理室での作業をコントロールするための制御装置や、各処理室間を搬送するための制御装置や、基板を個々の処理室に移動させる経路を制御して自動化を実現するコントロール制御装置などを設けている。
また、図4に示す製造装置では、陽極として透明導電膜(または金属膜(TiN)が設けられた基板を搬入し、有機化合物を含む層を形成した後、透明または半透明な陰極(例えば、薄い金属膜(Al、Ag)と透明導電膜の積層)を形成することによって、上面出射型(或いは両面出射)の発光素子を形成することも可能である。なお、上面出射型の発光素子とは、陰極を透過させて有機化合物層において生じた発光を取り出す素子を指している。
また、図4に示す製造装置では、陽極として透明導電膜が設けられた基板を搬入し、有機化合物を含む層を形成した後、金属膜(Al、Ag)からなる陰極を形成することによって、下面出射型の発光素子を形成することも可能である。なお、下面出射型の発光素子とは、有機化合物層において生じた発光を透明電極である陽極からTFTの方へ取り出し、さらに基板を通過させる素子を指している。
以上のように、本実施例の製造装置は、あらゆる有機発光素子の素子の製造に対応することができ、さらに、長時間に渡って蒸着を行うことが可能になるため、大幅に生産性を向上することができる。
実施の形態1で述べたように、蒸着用るつぼは蒸着材料を搬送する際にも用いることが可能である。
搬送する容器の形態について図11(A)を用いて具体的に説明する。搬送に用いる上部(721a)と下部(721b)に分かれる搬送用容器は、搬送用容器の上部に設けられた蒸着用るつぼを固定するための固定手段706と、固定手段に加圧するためのバネ705と、搬送用容器の下部に設けられた搬送用容器を減圧保持するためガス経路となるガス導入口708と、上部容器721aと下部容器721bとを固定するOリングと、留め具702と有している。この搬送用容器内には、精製された蒸着材料が封入された蒸着用るつぼ701が設置されている。なお、搬送用容器はステンレスを含む材料で形成されるとよい。
材料メーカーにおいて、蒸着用るつぼ701に精製した蒸着材料を封入する。そして、Oリングを介して第2の上部721aと下部721bとを合わせ、留め具702で上部容器721aと下部容器721bとを固定し、搬送用容器内に第1の容器701を密閉する。その後、ガス導入口708を介して搬送用容器内を減圧し、更に窒素雰囲気に置換し、バネ705を調節して固定手段706により第1の容器701を固定する。なお、搬送用容器内に乾燥剤を設置してもよい。このように搬送用容器内を真空や減圧、窒素雰囲気に保持すると、蒸着材料へのわずかな酸素や水の付着でさえも防止することができる。
この状態で発光装置メーカーへ搬送され、図11(B)のように第1の容器701を蒸着室へ設置する。その後、加熱により蒸着材料は昇華もしくは溶融して蒸発し、蒸着膜の成膜が行われる。
このように蒸着材料の搬送にも用いられる蒸着用るつぼを使用して蒸着を行う蒸着装置は、加熱部から蒸発源が脱着されるようになっているため、加熱部の上部が開口している構造となっている。そのため、加熱部と貫通孔が離れてしまうため、貫通孔のつまりなどが起きやすくなってしまう。そのため、実施の形態1や実施の形態2の構成の蒸着用るつぼの適用は非常に好適である。
なお、本実施例は実施の形態1乃至実施の形態5と組み合わせて用いることが可能である。
図5に本発明の蒸着用るつぼを使用して蒸着を行った場合の温度変化と蒸着レートの推移を示す。本実施例では、蒸着用るつぼの材料としてチタンを用い、蓋には銀の薄膜を巻き、内蓋には銀の薄膜を成膜し、さらに実施の形態3における図2(A)及び(E)を適用した蒸着用るつぼにおいて酸化モリブデンMoOxを蒸着した結果である。
何も対策を行わない場合、蒸着レートは7×10-3〜8×10-3nm/sが限界であり、ほとんど蒸着されず、それも時間と共にさらに小さくなってゆく。また温度も加熱を始めてから蒸着が可能な温度に安定するまで1時間以上かかる。本発明を適用した図5を見ると、蒸着レートも巨視的に1×10-2nm/sで安定しており、温度の立ち上がりも30分程度と早いことがわかる。
このように本発明を使用することで、蒸着レートの安定性が向上し、さらに材料の温度が蒸着可能な温度に安定するまでの時間を短縮することができるため、大画面の表示装置であっても、ムラ無く高品質な画像を提供することが可能となり、さらにスループットも向上するため、稼働コストを圧縮することができ製品の低価格化も見込める。
本実施例では、本発明を使用して薄膜トランジスタ及び容量、そして電界発光装置を作製する方法について図6、図7を参照しながら説明する。
まず、基板800上に下地絶縁膜801を形成してから非晶質ケイ素膜を成膜し、結晶化を促進する元素を用いて結晶化することで結晶質ケイ素膜とする。
基板800としてはガラス基板、石英基板、結晶性ガラスなどの絶縁性基板や、セラミック基板、ステンレス基板、金属基板(タンタル、タングステン、モリブデン等)、半導体基板、プラスチック基板(ポリイミド、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン等)等を用いることができるが、少なくともプロセス中に発生する熱に絶えうる材料を使用する。これら基板は必要に応じてCMP等により研磨してから使用してもよい。本実施の形態においてはガラス基板を使用する。
下地膜801は基板800中のアルカリ金属やアルカリ土類金属が、結晶性ケイ素膜中に拡散するのを防ぐ為に設ける。このような元素は結晶性ケイ素膜の半導体特性に悪影響をおよぼしてしまうためである。材料としては酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化酸化ケイ素及び窒化酸化ケイ素などを用いることができ、単層または積層構造とすることにより形成する。なお、アルカリ金属やアルカリ土類金属の拡散の心配のない基板であれば特に下地絶縁膜は設ける必要がない。
本実施例においては下地絶縁膜801は積層構造により作製し、1層目の絶縁膜として窒化酸化ケイ素膜を50nm、2層目の絶縁膜として酸化窒化ケイ素膜を100nmで形成した。なお、窒化酸化ケイ素膜と酸化窒化ケイ素膜はその窒素と酸素の割合が異なっていることを意味しており、前者の方がより窒素の含有量が高いことを示している。1層目の下地膜は、プラズマCVD法により、原料ガスにSiH4、N2O、NH3、H2を使用し、圧力が40Pa(0.3Torr)、RFパワーが50W、RF周波数が60MHz、基板温度が400℃として形成する。2層目の下地膜は同じくプラズマCVD法により、原料ガスにSiH4、N2Oを用い、圧力が40Pa(0.3Torr)、RFパワーが150W、RF周波数が60MHz、基板温度が400度の条件で形成する。
続いて下地絶縁膜上に非晶質ケイ素膜を25〜100nm(好ましくは30〜60nm)の膜厚で形成する。作製方法としては、公知の方法、例えばスパッタ法、減圧CVD法、またはプラズマCVD法等が使用できる。本実施の形態では、プラズマCVD法により膜厚50nmに形成する。
続いて非晶質ケイ素膜の結晶化を行う。結晶化は非晶質ケイ素膜の結晶化を促進する元素を用い、加熱処理を行うことによって行う。結晶化を促進する元素とは、代表的にはニッケルが挙げられ、このような元素を用いることによって用いない場合に比べて低温、短時間で結晶化が行われるためガラス基板など比較的熱に弱い基板を使用する際に好適に用いることが可能である。このような結晶化を促進する元素としては、ニッケルの他に鉄、パラジウム、スズ、鉛、コバルト、白金、銅、金などがある。この中から一種もしくは複数種を用いればよい。
このような元素の添加方法としては、例えばこのような元素の塩を溶媒に溶かしてスピンコート法やディップ法などで塗布する方法がある。溶媒としては有機溶媒や水などが使用できるが、ケイ素膜上に直接触れるため、半導体特性に悪影響を及ぼさないものを選ぶことが肝要である。また、塩についても同様である。
本実施の形態では、結晶化を促進する元素としてNiを用いる場合の一例を照会する。Niは酢酸塩や硝酸塩を10ppm水溶液として用いると良い。この水溶液をスピンコート法により非晶質ケイ素膜上に塗布するのだが、ケイ素膜の表面は疎水性であるために均一に塗布できない可能性があるので、あらかじめオゾン水などで非晶質ケイ素膜表面を処理し、極薄い酸化膜を形成しておくことが好ましい。
結晶化を促進する元素の非晶質ケイ素膜への導入方法としては他にイオン注入法、Niを含有する水蒸気雰囲気中での加熱、ターゲットをNi材料としてのスパッタリングなどが考えられる。
次いで、加熱処理を行い、非晶質半導体膜を結晶化させる。触媒元素を用いているため、500〜650度で2〜24時間程度加熱処理を行えばよい。この結晶化処理により、非晶質ケイ素膜は結晶質ケイ素膜となる。この際、磁場をかけて、その磁気エネルギーと合わせて結晶化させてもよいし、高出力マイクロ波を使用しても構わない。本実施の形態では、縦型炉を用いて500℃で1時間熱処理後、550度で4時間熱処理を行うことで結晶質ケイ素膜が形成される。
続いて、レーザによる結晶化を行っても良い。結晶質ケイ素膜中の欠陥を低減させることにより結晶性を向上させる。レーザ結晶化法は、レーザ発振装置として、パルス発振型、または連続発振型の気体または固体及び金属レーザ発振装置を用いれば良い。気体レーザとしては、エキシマレーザ、Arレーザ、Krレーザ等があり、固体レーザとしては、YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライドレーザ、サファイアレーザ、金属レーザとしては、ヘリウムカドミウムレーザ、銅蒸気レーザ、金蒸気レーザが挙げられるなどがある。固体レーザのレーザ媒質である結晶には、Cr3+、Cr4+、Nd3+、Er3+、Ce3+、Co2+、Ti3+、Yb3+又は、V3+から選択される一種又は複数種が不純物としてドープされている。
レーザ発振装置により発振されたレーザは光学系を用いて線状にして照射を行うと好ましい。線状レーザは通常用いられるシリンドリカルレンズや凹型を有するミラーなどを用いることで得ることができる。照射条件としては、パワー密度が0.01〜100MW/cm2程度、照射雰囲気としては大気、または酸素濃度を制御した雰囲気、N2雰囲気または真空中が挙げられる。また、パルス発振のレーザを用いる場合には、周波数30〜300Hzとし、レーザエネルギー密度を100〜1500mJ/cm2(代表的には200〜500mJ/cm2)とするのが望ましい。このとき、レーザ光をレーザビームのFWHMで計算して50〜98%オーバーラップさせても良い。なお、本実施の形態において結晶化雰囲気は大気中とする。
大気中でレーザー照射を行うと、結晶質ケイ素膜上に自然酸化膜である酸化ケイ素膜が形成される。この膜質は制御できないため、除去してしまうことが望ましい。
次に結晶質ケイ素膜上に酸化ケイ素膜を形成する。酸化ケイ素膜は酸素雰囲気中でのUV光の照射、熱酸化法、ヒドロキシラジカルを含むオゾン水又は過酸化水素による処理等により形成する。次いでスパッタ法YCVD法にてゲッタリングサイトを形成する。スパッタで形成するときはゲッタリングサイトはアルゴン元素を含む非晶質ケイ素膜を膜厚50nm堆積することで形成する。成膜条件は、成膜圧力:0.3Pa、ガス(Ar)流量:50(sccm)、成膜パワー:3kW、基板温度:150℃とした。なお、上記条件での非晶質ケイ素膜に含まれるアルゴン元素の原子濃度は、3×1020/cm3〜6×1020/cm3、酸素の原子濃度は1×1019/cm3〜3×1019/cm3程度である。その後、ラピッドアニール装置を用いて650℃、3分の加熱処理を行いゲッタリングする。
加熱処理を行うことで結晶質ケイ素膜中の結晶化を促進する元素の少なくとも一部をゲッタリングサイトに移動する。この際の加熱処理によりゲッタリングサイト上には酸化ケイ素膜よりなる自然酸化膜が形成されている。
この後、フッ素と界面活性を示す物質を含む液により、自然酸化膜を除去し、ゲッタリングサイトをTMAH(Tetra methyl ammonium hydroxide)含有水溶液を用いて60度程度に加熱し、エッチングする。
その後、エッチングストッパーをフッ素と界面活性を示す物質を含む液でエッチングし、除去する。ゲッタリングのエッチングストッパー膜として用いられた酸化ケイ素膜中にはニッケルが多量に含まれている可能性があり、その後の処理を行うことで活性層が汚染される心配もあるため、除去することが望ましい。
続いて、結晶質ケイ素膜に必要に応じてしきい値をコントロールするための微量の不純物を添加する、いわゆるチャネルドーピングを行う。要求されるしきい値を得るために、ボロンもしくはリン等をイオンドーピング法などにより添加する。
その後、図7(A)に示すように、所定の形状にパターニングし、島状の結晶質ケイ素膜801a〜801dを得る。パターニングは、結晶質ケイ素膜にフォトレジストを塗布し、所定のマスク形状を露光し、焼成して、結晶性半導体膜上にマスクを形成し、このマスクを用いて、ドライエッチング法により結晶質ケイ素膜をエッチングすることで行われる。ドライエッチング法のガスは、CF4と、O2等を用いて行えば良い。
続いて、結晶性半導体膜801a〜801dを覆うようにゲート絶縁膜を形成する。ゲート絶縁膜はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い膜厚を40〜150nmとしてケイ素を含む絶縁膜で形成する。本実施例では、ゲート絶縁膜はプラズマCVD法により酸化窒化珪素膜を115nmの厚さに形成する。
次いで、ゲート絶縁膜上に第1の導電層として膜厚30nmの窒化タンタル(TaN)802とその上に第2の導電層として膜厚370nmのタングステン(W)803を形成する。TaN膜、W膜共スパッタ法で形成すればよく、TaN膜はTaのターゲットを用いて窒素雰囲気中で、W膜はWのターゲットを用いて成膜すれば良い。
なお、本実施例では第1の導電層を膜厚30nmのTaN、第2の導電層を膜厚370nmのWとしたが、第1の導電層と第2の導電層は共にTa、W、Ti、Mo、Al、Cu、Cr、Ndから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素膜に代表される半導体膜を用いてもよい。また、AgPdCu合金を用いてもよい。さらに、その組み合わせも適宜選択すればよい。膜厚は第1の導電層が20〜100nm、第2の導電層が100〜400nmの範囲で形成すれば良い。また、本実施の形態では、2層の積層構造としたが、1層としてもよいし、もしくは3層以上の積層構造としてもよい。
次に、前記導電層をエッチングして電極及び配線を形成するため、フォトリソグラフィーにより露光工程を経てレジストからなるマスクを形成する。第1のエッチング処理では第1のエッチング条件と第2のエッチング条件でエッチングを行う。レジストによるマスクを用い、エッチングし、ゲート電極及び配線を形成する。エッチング条件は適宜選択すれば良い。
本法では、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)エッチング法を使用した。第1のエッチング条件として、エッチング用ガスにCF4、Cl2とO2を用い、それぞれのガス流量比を25/25/10(sccm)とし、1.0Paの圧力でコイル型電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエッチングを行う。基板側(試料ステージ)にも150WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。この第1のエッチング条件によりW膜をエッチングして第1の導電層の端部をテーパー形状とする。
続いて、第2のエッチング条件に移ってエッチングを行う。レジストからなるマスクをのこしたまま、エッチング用ガスにCF4とCl2を用い、それぞれのガス流量比を30/30(sccm)、圧力1.0Paでコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して約15秒程度のエッチングを行う。基板側(試料ステージ)にも20WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。CF4とCl2を混合した第2のエッチング条件ではW膜及びTaN膜とも同程度にエッチングされる。なお、ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。この第1のエッチング処理において、電極に覆われていないゲート絶縁膜は20nm〜50nm程度エッチングされ、基板側に印加されたバイアス電圧の効果により第1の導電層及び第2の導電層の端部はテーパー状となる。
次いで、レジストからなるマスクを除去せずに第2のエッチング処理を行う。第2のエッチング処理では、エッチング用のガスにSF6とCl2とO2を用い、それぞれのガス流量比を24/12/24(sccm)とし、1.3Paの圧力でコイル側の電力に700WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを発生して25秒程度エッチングを行う。基板側(試料ステージ)にも10WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加した。このエッチング条件ではW膜が選択的にエッチングされ、第2形状の導電層を形成した。このとき第1の導電層はほとんどエッチングされない。第1、第2のエッチング処理によって第1の導電層802a〜802d、第2の導電層803a〜803dよりなるゲート電極が形成される。
そして、レジストからなるマスクを除去せず、第1のドーピング処理を行う。これにより、結晶性半導体層にN型を付与する不純物が低濃度に添加される。第1のドーピング処理はイオンドープ法又はイオン注入法で行えば良1オンドープ法の条件はドーズ量が1×1013〜5×1014atoms/cm2、加速電圧が40〜80kVで行えばよい。本実施の形態では加速電圧を50kVとして行った。N型を付与する不純物元素としては15族に属する元素を用いることができ、代表的にはリン(P)または砒素(As)が用いられる。本実施の形態ではリン(P)を使用した。その際、第1の導電層をマスクとして、自己整合的に低濃度の不純物が添加されている第1の不純物領域(N--領域)を形成した。
続き、レジストからなるマスクを除去する。そして新たにレジストからなるマスクを形成して第1のドーピング処理よりも高い加速電圧で、第2のドーピング処理を行う。第2のドーピング処理もN型を付与する不純物を添加する。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜3×1015atoms/cm2、加速電圧を60〜120kVとすれば良い。本実施の形態ではドーズ量を3.0×1015atoms/cm2とし、加速電圧を65kVとして行った。第2のドーピング処理は第2の導電層を不純物元素に対するマスクとして用い、第1の導電層の下方に位置する半導体層にも不純物元素が添加されるようにドーピングを行う。
第2のドーピングを行うと、結晶性半導体層の第1の導電層と重なっている部分のうち、第2の導電層に重なっていない部分もしくはマスクに覆われていない部分に、第2の不純物領域(N-領域)が形成される。第2の不純物領域には1×1018〜5×1019atoms/cm3の濃度範囲でN型を付与する不純物が添加される。また、結晶性半導体膜のうち、第1形状の導電層にもマスクにも覆われておらず、露出している部分(第3の不純物領域:N+領域)には1×1019〜5×1021atom/cm3の範囲で高濃度にN型を付与する不純物が添加される。また、半導体層にはN+領域が存在するが、一部マスクのみに覆われている部分がある。この部分のN型を付与する不純物の濃度は、第1のドーピング処理で添加された不純物濃度のままであるので、引き続き第1の不純物領域(N--領域)と呼ぶことにする。
なお、本実施の形態では2回のドーピング処理により各不純物領域を形成したが、これに限定されることは無く、適宜条件を設定して、一回もしくは複数回のドーピングによって所望の不純物濃度を有する不純物領域を形成すれば良い。
次いで、レジストからなるマスクを除去した後、新たにレジストからなるマスクを形成し、第3のドーピング処理を行う。第3のドーピング処理により、Pチャネル型TFTとなる半導体層に前記第1の導電型及び前記第2の導電型とは逆の導電型を付与する不純物元素が添加された第4の不純物領域(P+領域)及び第5の不純物領域(P-領域)が形成される。
第3のドーピング処理では、レジストからなるマスクに覆われておらず、更に第1の導電層とも重なっていない部分に、第4の不純物領域(P+領域)が形成され、レジストからなるマスクに覆われておらず、且つ第1の導電層と重なっており、第2の導電層と重なっていない部分に第5の不純物領域(P-領域)が形成される。P型を付与する不純物元素としては、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)など周期律表第13族の元素が知られている。
本実施の形態では、第4の不純物領域及び第5の不純物領域を形成するP型の不純物元素としてはホウ素(B)を選択し、ジボラン(B26)を用いたイオンドープ法で形成した。イオンドープ法の条件としては、ドーズ量を1×1016atoms/cm2とし、加速電圧を80kVとした。
なお、第3のドーピング処理の際には、Nチャネル型TFTを形成する部分はレジストからなるマスクに覆われている。
ここで、第1及び第2のドーピング処理によって、第4の不純物領域(P+領域)及び第5の不純物領域(P-領域)にはそれぞれ異なる濃度でリンが添加されている。しかし、第4の不純物領域(P+領域)及び第5の不純物領域(P-領域)のいずれの領域においても、第3のドーピング処理によって、P型を付与する不純物元素の濃度が1×1019〜5×1021atoms/cm2となるようにドーピング処理される。そのため、第4の不純物領域(P+領域)及び第5の不純物領域(P-領域)は、Pチャネル型TFTのソース領域及びドレイン領域として問題無く機能する。
なお、本実施の形態では、第3のドーピング一回で、第4の不純物領域(P+領域)及び第5の不純物領域(P-領域)を形成したが、ドーピング処理の条件によって適宜複数回のドーピング処理により第4の不純物領域(P+領域)及び第5の不純物領域(P-領域)を形成してもよい。
これらのドーピング処理によって、第1の不純物領域(N--領域)804、第2の不純物領域(N-領域)805、第3の不純物領域(N+領域)806、807、第4の不純物領域(P+領域)808、809、及び第5の不純物領域(P-領域)810、811が形成される。
次いで、レジストからなるマスクを除去して第1のパッシベーション膜812を形成する。この第1のパッシベーション膜としてはケイ素を含む絶縁膜を100〜200nmの厚さに形成する。成膜法としてはプラズマCVD法や、スパッタ法を用いればよい。
本実施例では、プラズマCVD法により膜厚100nmの窒素を含む酸化珪素膜を形成した。窒素を含む酸化珪素膜を用いる場合には、プラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3から作製される酸化窒化ケイ素膜、またはSiH4、N2Oから作製される酸化窒化ケイ素膜、あるいはSiH4、N2OをArで希釈したガスから形成される酸化窒化ケイ素膜を形成すれば良い。また、第1のパッシベーション膜としてSiH4、N2O、H2から作製される酸化窒化水素化ケイ素膜を適用しても良い。もちろん、第1のパッシベーション膜812は、本実施の形態のような酸化窒化ケイ素膜の単層構造に限定されるものではなく、他のケイ素を含む絶縁膜を単層構造、もしくは積層構造として用いても良い。
次いで、第1のパッシベーション膜812上に、層間絶縁膜813を形成する。層間絶縁膜としては、無機絶縁膜や有機絶縁膜を用いることができる。無機絶縁膜としては、CVD法により形成された酸化ケイ素膜や、SOG(Spin On Glass)法により塗布された酸化ケイ素膜などを用いることができ、有機絶縁膜としてはポリイミド、ポリアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)、アクリルまたはポジ型感光性有機樹脂、ネガ型感光性有機樹脂、ケイ素と酸素との結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む、または置換基にフッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有する材料、いわゆるシロキサンの膜を用いることができる。また、それらの積層構造を用いても良い。
本実施の形態では、シロキサンにより層間絶縁膜813を形成する。層間絶縁膜としては、シロキサン系ポリマーを全面塗布した後、50〜200℃、10分間の熱処理によって乾燥させ、さらに300〜450℃、1〜12時間の焼成処理を行う。この焼成により、1μm厚のシロキサンの膜が全面に成膜される。この工程は、シロキサン系ポリマーの焼成を行うと共に、第1のパッシベーション膜812中の水素によって、半導体層を水素化及び不純物の活性化をすることが可能であるため、工程数を削減でき、プロセスを簡略化することが可能である。水素化は、第1のパッシベーション膜に含まれる水素によって、半導体層のダングリングボンドを終端するものである。
シロキサン以外の材料で層間絶縁膜を形成する場合には、水素化及び活性化の為に加熱処理が必要となる。その場合は層間絶縁膜を形成する前に別に加熱処理(熱処理)を行う工程が必要となる。熱処理法としては、酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の窒素雰囲気中において400〜700℃で行えば良く、本実施の形態では410℃、1時間の熱処理で活性化処理を行った。なお、熱処理法の他に、レーザーアニール法、又はラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することができる。
また、第1のパッシベーション膜812を形成する前に加熱処理を行ってもよい。但し、第1の導電層802a〜802d及び第2の導電層803a〜803dを構成する材料が熱に弱い場合には、本実施の形態のように配線などを保護するため、第1のパッシベーション膜812を形成した後で熱処理を行うことが望ましい。さらに、この場合、第1のパッシベーション膜がないため、パッシベーション膜に含まれる水素を利用しての水素化は行うことができない。この場合は、プラズマにより励起された水素を用いる手段(プラズマ水素化)を用いての水素化や、3〜100%の水素を含む雰囲気中において、300〜450℃で1〜12時間の加熱処理による水素化を用いれば良い。
この後、層間絶縁膜813を覆うように、CVD法により窒化ケイ素膜、窒化酸化ケイ素膜又は酸化窒化ケイ素膜を形成しても良い。この膜は、後に形成される導電膜をエッチングするときに、エッチングストッパーとして働き、層間絶縁膜のオーバーエッチングを防止することができる。さらにこの上に、スパッタリング法により窒化珪素膜を形成してもよい。この窒化珪素膜は、アルカリ金属イオンの移動を抑制する働きがあるため、後に形成される画素電極からのリチウム元素、ナトリウム等の金属イオンが半導体薄膜へ移動するのを抑制することができる。
次に、層間絶縁膜813のパターニング及びエッチングを行い、結晶質半導体層801a〜801dに達するコンタクトホールを形成する。コンタクトホールのエッチングは、CF4とO2とHeの混合ガスを用いてシロキサン膜をエッチングし、続いてCHF3のガスによりゲート絶縁膜である酸化シリコン膜をエッチングし、除去することで形成する。
この際、コンタクトホールを開口することによって結晶質半導体層801a〜801dの表面が露出した状態となるが、この露出面に自然酸化膜が形成してしまう場合がある(図示せず)。このような自然酸化膜があると、配線と結晶質ケイ素膜間の抵抗が高くなってしまい、駆動電圧が上がったり、動作しなくなってしまう恐れがあるため、このような自然酸化膜は配線を形成する前に除去してしまうことが望ましい。
続いて、コンタクトホール中に金属膜を積層し、パターニングしてソース電極及びドレイン電極を形成する。本実施例では、窒素元素を含むチタン膜上に、チタン−アルミニウム合金膜とチタン膜を積層しそれぞれ100nm\350nm\100nmに積層したのち、所望の形状にパターニング及びエッチングして3層で形成されるソース電極及び/又はドレイン電極814〜821を形成する。
一層目の窒素原子を含むチタン膜はターゲットをチタンとし、窒素とアルゴンの流量を1:1としてスパッタリング法により形成する。上記のような窒素元素を含むチタン膜を、シロキサン系の膜の層間絶縁膜上に形成すると、膜はがれしにくく、且つ結晶性ケイ素膜と低抵抗接続を有する配線を形成することができる。
ここまでで、薄膜トランジスタや容量などの半導体素子を作成することができた。本実施例では、結晶化を促進する元素を用いた結晶性シリコン膜を用いたトップゲートの薄膜トランジスタを用いたが、非晶質半導体膜を用いたボトムゲート型の薄膜トランジスタを画素部に用いることも可能である。非晶質半導体は珪素だけではなくシリコンゲルマニウムも用いることができ、シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。
また非晶質半導体中に0.5nm〜20nmの結晶を粒観察することができる微結晶半導体膜を用いてもよい。また0.5nm〜20nmの結晶を粒観察することができる微結晶はいわゆるマイクロクリスタル(μc)とも呼ばれている。セミアモルファス半導体であるセミアモルファスシリコン(SASとも表記する)は、珪化物気体をグロー放電分解することにより得ることができる。代表的な珪化物気体としては、SiH4であり、その他にもSi26、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることができる。この珪化物気体を水素、水素とヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ばれた一種または複数種の希ガス元素で希釈して用いることでSASの形成を容易なものとすることができる。希釈率は10倍〜1000倍の範囲で珪化物気体を希釈することが好ましい。グロー放電分解による被膜の反応生成は0.1Pa〜133Paの範囲の圧力で行えば良い。グロー放電を形成するための電力は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHzの高周波電力を供給すれば良い。基板加熱温度は300度以下が好ましく、100〜250度の基板加熱温度が好適である。
このようにして形成されたSASはラマンスペクトルが520cm-1よりも低波数側にシフトしており、X線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。未結合手(ダングリングボンド)の中和剤として水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。膜中の不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分の不純物は1×1020cm-1以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019/cm3以下、好ましくは1×1019/cm3以下とする。TFTにしたときのμ=1〜10cm2/Vsecとなる。
これまでの工程において、薄膜トランジスタのソース電極、ドレイン電極の形成と同時に配線も形成されるが、本発明を使用する場合はアノード線もしくはカソード線に接続する為に基板の周囲にそれら線に平行して形成される引き回し配線は形成する必要はない。その代わり、実施の形態1に示したような、外部接続部をアノード線もしくはカソード線の両端に形成する構成を適用する場合はこれまでの工程と同時に外部接続部もに図1、図2示したような位置に形成し、アノード線もしくはカソード線の両端は近い方の外部接続部と接続される。実施の形態2に示したような封止缶を利用する構成を適用する場合、封止缶と接続する方の端部には他の配線は接続されない。
続いてこれらの半導体素子を用いて発光装置を作成する工程に入る。
本実施例で説明する発光装置は一対の電極間に発光する物質を含む層を挟み込み、電極間に電流を流すことで発光する素子をマトリクス状に配列させたものである。発光素子の発光機構は、一対の電極間に有機化合物層を挟んで電圧を印加することにより、陰極から注入された電子および陽極から注入された正孔が有機化合物層中の発光中心で再結合して分子励起子を形成し、その分子励起子が基底状態に戻る際にエネルギーを放出して発光するといわれている。
励起状態には一重項励起と三重項励起が知られ、発光はどちらの励起状態を経ても可能であると考えられている。故に、素子の特徴によって一つの発光装置内において、一重項励起状態の素子あるいは三重項励起状態の素子を混在させても良い。例えばRGBの三色において、赤に三重項励起状態を取る素子、青と緑に一重項励起状態を取る素子としても良い。また、三重項励起状態を取る素子は一般に発光効率が良いため、駆動電圧の低下にも貢献する。
発光素子の材料としては、低分子、高分子、低分子と高分子の間の性質を持つ中分子の発光材料があるが、本実施例では蒸着法により電界発光層を形成するため、低分子の発光材料を使用する。低分子材料も高分子材料も溶媒に溶かすことでスピンコートやインクジェット法により塗布することができる。また、有機材料のみではなく、無機材料との複合材料も使用することができる。
前工程によって作製された薄膜トランジスタのドレイン電極と一部重なるようにして、発光素子の第1の電極901を形成する。第1の電極は発光素子の陽極、または陰極になる電極であり、陽極とする場合は仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物などを用いることが好ましい。仕事関数としては仕事関数4.0eV以上がだいたいの目安となる。具体例な材料としては、ITO(indium tin oxide)、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(indium zinc oxide)、酸化インジウムに2〜20%の酸化珪素(SiO2)を混合したITSO、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、又は金属材料の窒化物(TiN)等を用いることができる。
陰極として用いる場合は、仕事関数の小さい(仕事関数3.8eV以下が目安)金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的な材料としては、元素周期律の1族又は2族に属する元素、すなわちLiやCs等のアルカリ金属、及びMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、及びこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li)や化合物(LiF、CsF、CaF2)の他、希土類金属を含む遷移金属を用いて形成することができる。但し、本実施の形態において第2の電極は透光性を有するため、これら金属、又はこれら金属を含む合金を非常に薄く形成し、ITO、IZO、ITSO又はその他の金属(合金を含む)との積層により形成することができる。
本実施例では第1の電極901は陽極とし、ITSOを用いた。電極としてITSOを用いた場合は真空中もしくは大気圧中において150度〜450度好ましくは300度〜400度でベークを行うと発光装置の信頼性が向上する。また、シロキサンよりなる層間絶縁膜813とITSOよりなる第1の電極との間に窒化ケイ素膜を形成していると、第1の電極方向への発光効率が向上するため望ましい構成である。
また、本実施例において第1の電極は薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極を作製した後に形成されるが、始めに第1の電極を形成しその後薄膜トランジスタの電極を作製してもかまわない。
画素部の薄膜トランジスタに接続されている画素電極である第1の電極901の端部を覆うように絶縁膜902を形成する。この絶縁膜902は土手や隔壁と呼ばれるものである。絶縁膜902としては、無機絶縁膜や有機絶縁膜を用いることができる。無機絶縁膜としては、CVD法により形成された酸化ケイ素膜や、SOG(Spin On Glass)法により塗布された酸化ケイ素膜などを用いることができ、有機絶縁膜としては感光性または非感光性のポリイミド、ポリアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)、アクリルまたはポジ型感光性有機樹脂、ネガ型感光性有機樹脂、ケイ素と酸素との結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む、または置換基にフッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有する材料、いわゆるシロキサンの膜を用いることができる。また、それらの積層構造を用いても良い。感光性の有機物を使用して形成すると、開口部の形状が曲率半径が連続的に変化する形状となり電界発光層を蒸着する際に段切れなどが起こりにくいものとなり好適である。本実施例では感光性のポリイミドを使用した。
続いて、蒸着装置を用いて、蒸発源を移動させながら蒸着を行う。蒸着用るつぼは母材をチタンとし、その貫通孔の開いた蓋及び内蓋には銀が成膜されている。また、蒸着用るつぼの材料充填部には銀製のワイヤーが蒸着材料充填部の内壁に接するように設けられ、さらにその立体構造は蒸着材料充填部の内部の空間を均等に占めるように形成、配置することが望ましい。
蒸着は実施の形態4及び5に示したような方法で行えば良く、例えば真空度が5×10-3Torr(0.665Pa)以下、好ましくは10-4〜10-6Torrまで真空排気された成膜室で蒸着を行う。蒸着の際、抵抗加熱により、予め有機化合物は気化されており、蒸着時にシャッターが開くことにより基板の方向へ飛散する。気化された有機化合物は、上方に飛散し、メタルマスクに設けられた開口部を通って基板に蒸着され、電界発光層903(第1の電極側から正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層)が形成される。なお、電界発光層903の構成はこのような積層でなくとも良く、単層、混合層で形成されていても良い。
本発明の蒸着用るつぼ及び蒸着装置を用いれば、加熱部から蒸発源が脱着可能な蒸着装置においても、蒸着時に抵抗加熱によるヒーターと貫通孔付近の蓋との温度差を小さくすることができるため、貫通孔での蒸着材料の付着を軽減することができ、つまりによる蒸発源交換やメンテナンスの頻度を低くすることができ、スループットが向上する。さらに、貫通孔が詰まることによる蒸着レートの変化を抑えることができ、バラツキの少ない高品質なディスプレイを提供することが可能となる。
電界発光層903を形成したら、第2の電極904を電界発光層903に接して形成する。本実施例では第1の電極901が陽極であるため、第2の電極904は陰極として形成する。陰極材料は先に述べたような材料を使用すれば良く、本実施例ではLiを含む材料を薄く形成した後、スパッタリング法によりITOを成膜することで透明性を有する第2の電極(陰極)904を形成した。
本実施例では第1の電極901、第2の電極904両方とも透光性を有する材料で形成されているため、基板の上面、下面両方より光を取り出すことが可能となる。もちろん、どちらかの電極の透光性を制御したり、電界発光層より基板側に使用される材料によっては上面のみ、下面のみの発光を得ることも可能である。
図7(B)は上面発光の構成の1例であり、画素電極901と薄膜トランジスタの電極を異なる層に形成した例である。第1の層間絶縁膜813及び第2の層間絶縁膜903は図7における層間絶縁膜813と同様の材料で作製することができ、その組み合わせも自由に行えるが、今回はどちらの層もシロキサンにより形成する。画素電極901は第2の層間絶縁膜903側からAl−Si\TiN\ITSOと積層して形成したが、もちろん単層でもかまわないし、2層、あるいは4層以上の積層構造でもかまわない。
ところで、第2の電極904をスパッタリング法により形成する場合、電子注入層の表面もしくは電子注入層と電子輸送層の界面にスパッタリングによるダメージが入ってしまうことがある。これは特性に悪影響を及ぼす可能性がある。これを防ぐためには、スパッタリングによるダメージを受けにくい材料を第2の電極404に最も近い位置に設けるとよい。このようなスパッタダメージを受けにくい材料で、電界発光層903に用いることができる材料としては酸化モリブデン(MoOx)が挙げられる。しかし、MoOxは正孔注入層として好適な物質であるため、第2の電極904に接して設けるには第2の電極904を陽極とする必要がある。
そこで、この場合は本実施例のように図8(A)の順で形成するのでは無く、図8(B)のように第1の電極901を陰極として形成し、その後順に、(電子注入層)、(電子輸送層)、発光層、(正孔輸送層)、正孔注入層(MoOx)、第2の電極(陽極)と形成し、画素の駆動用薄膜トランジスタはNチャネル型とする必要がある。なお、括弧内のそれぞれの機能を有する層は必ずしも必須のものではなく、適宜用いればよい。MoOxは本発明の蒸着用るつぼ及び蒸着装置を用いて成膜される。本発明の蒸着用るつぼ及び蒸着装置を用いて成膜されたMoOxはx=3.2〜3.0のわずかに酸素過剰な酸化モリブデン膜が形成され、好適に用いられる。
また、MoOx層は銅フタロシアニン(CuPc)などの有機金属錯体や有機物と共蒸着することで有機、無機の混合層としても良い。
上述のように第2の電極を陽極とし駆動用薄膜トランジスタをNチャネル型としなければいけない場合、画素部の薄膜トランジスタはもともとN型であるa−Si:Hを半導体層としたトランジスタを用いると工程が簡略化されて好適である。駆動回路部が同一基板上に形成されている場合は駆動回路部のみレーザ等を照射することで結晶化して用いるとよい。
このように酸化モリブデン(MoOx)を用いられるのだが、MoOxの蒸発温度が比較的高いため、従来電界発光素子を形成するための構成である蒸着用るつぼや蒸着装置では蒸着レートが小さい、もしくはほとんど蒸着されないといった問題があったが、本実施例のように銀など、熱伝導率が高い物質で形成された構造物を少なくとも蒸着用るつぼの内壁に接するように設けることでMoOxに均等にヒーターの熱が伝わるようになり、蒸着レートが向上した。また、蒸着温度が高いということは、蒸発したMoOxが固体に戻ってしまう温度も他の材料より高いということであるため、蒸着用るつぼの蓋及び内蓋もしくはその両方に熱伝導率の高い物質で膜を形成して使用することは非常に効果的である。
その後、プラズマCVD法により窒素を含む酸化珪素膜を第2のパッシベーション膜905として形成した。窒素を含む酸化珪素膜を用いる場合には、プラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3から作製される酸化窒化ケイ素膜、またはSiH4、N2Oから作製される酸化窒化ケイ素膜、あるいはSiH4、N2OをArで希釈したガスから形成される酸化窒化ケイ素膜を形成すれば良い。また、第1のパッシベーション膜としてSiH4、N2O、H2から作製される酸化窒化水素化ケイ素膜を適用しても良い。もちろん、第2のパッシベーション膜905は単層構造に限定されるものではなく、他のケイ素を含む絶縁膜を単層構造、もしくは積層構造として用いても良い。また、窒化炭素膜と窒化ケイ素膜の多層膜やスチレンポリマーの多層膜、窒化ケイ素膜やダイヤモンドライクカーボン膜を窒素を含む酸化珪素膜の代わりに形成してもよい。
続いて電界発光素子を水など劣化を促進する物質から保護するために、表示部の封止を行う。対向基板を封止に用いる場合は、絶縁性のシール剤により、外部接続部が露出するように貼り合わせる。対向基板と素子基板との間の空間には乾燥した窒素などの不活性気体を充填しても良いし、シール剤を画素部全面に塗布しそれにより対向基板を形成しても良い。シール剤には紫外線硬化樹脂などを用いると好適である。シール剤には乾燥剤やギャップを一定に保つための粒子を混入しておいても良い。続いて外部接続部にフレキシブル配線基板を貼り付けることによって、電界発光パネルが完成する。
このような電界発光パネルには単色、エリアカラー、フルカラーなどの表示方法があるが、フルカラーにはさらに、RBGの3色塗り分け法、白色光源をカラーフィルタによりRBG化する方法、短波長の色を色変換フィルタを使用して長波長の色に変換する方法などがある。また、色純度を向上させるために、カラーフィルタを用いる場合もある。
本発明が適用される電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディ4ディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それらの電子機器の具体例を図9に示す。
図9(A)は壁掛け型の電界発光表示装置であり、筐体2001、表示部2003、スピーカー部2004等を含む。本発明は、表示部2003の作製に適用される。本発明を使用することにより、大画面の表示装置であってもムラのない高品質な表示を得ることが可能となる。
図9(B)はデジタルスチルカメラであり、本体2101、表示部2102、受像部2103、操作キー2104、外部接続ポート2105、シャッター2106等を含む。本発明は、表示部2102の製造過程に適用することができる。本発明をその製造過程に適用することによって画像の表示をより的確に行うことが可能となる。
図9(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明は、表示部2203を作製する際にに適用することができる。本発明を適用することによって、ムラのない高品質な表示を得ることが可能となる。
図9(D)はモバイルコンピュータであり、本体2301、表示部2302、スイッチ2303、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含む。本発明は、表示部2302を製造する際に適用することができる。本発明は、表示部2102の製造過程に適用することができる。本発明をその製造過程に適用することによって画像の表示をより的確に行うことが可能となる。
図9(E)は携帯型のゲーム機であり、筐体2401、表示部2402、スピーカー部2403、操作キー2404、記録媒体挿入部2405等を含む。本発明は表示部2402を製造する際に適用することができる。本発明は、表示部2102の製造過程に適用することができる。本発明をその製造過程に適用することによって画像の表示をより的確に行うことが可能となる。
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。また、製品の表示品質が向上するため高品質な表示を行える表示装置を搭載した電子機器として製品の競争力を高めることが可能となる。
本発明の構成の一つを示す図(実施の形態1及び2)。 本発明の構成の一つを示す図(実施の形態3)。 本発明を用いた製造装置の図(実施の形態4)。 本発明を用いたマルチチャンバー型の製造装置の図(実施の形態5)。 本発明を用いた際の実験結果(実施例2)。 電界発光装置の作製方法(実施例3)。 電界発光装置の作製方法(実施例3)。 電界発光装置の作製方法(実施例3)。 本発明を用いて作製する電子機器の例(実施例4) 従来の蒸着用るつぼの図。 実施例1を説明する図。

Claims (4)

  1. 蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と、
    貫通孔の開いた蓋及び内蓋と、
    前記胴部内に設けられた部品とを有し、
    前記蓋及び内蓋は各々の構成材料より熱伝導性の高い物質により被覆されており、
    前記部品は、少なくとも前記胴部の壁面または底面に接するように形成された第1の部品と、前記胴部の壁面及び底面に接するように螺旋状に形成された第2の部品とを含み、
    前記第1の部品及び前記第2の部品は、前記蒸着材料よりも熱伝導性の高い物質により形成されており、
    前記蒸着材料は酸化モリブデンであることを特徴とする蒸着用るつぼ。
  2. 請求項1において、
    前記蓋及び前記内蓋はチタンからなり、
    前記熱伝導性の高い物質は銀であることを特徴とする蒸着用るつぼ。
  3. 蒸着材料を充填する有底筒状の胴部と、
    貫通孔の開いた蓋及び内蓋と、
    前記胴部内に設けられた部品とを有し、
    前記蓋及び内蓋は各々の構成材料より熱伝導性の高い物質により被覆されており、
    前記部品は、少なくとも前記胴部の壁面または底面に接するように形成された第1の部品と、前記胴部の壁面及び底面に接するように螺旋状に形成された第2の部品とを含み、
    前記第1の部品及び前記第2の部品は、前記蒸着材料よりも熱伝導性の高い物質により形成されており、
    前記蒸着材料は酸化モリブデンであることを特徴とする蒸着装置。
  4. 請求項3において、
    前記蓋及び前記内蓋はチタンからなり、
    前記熱伝導性の高い物質は銀であることを特徴とする蒸着装置。
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