JP4439132B2 - 乗用田植機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用田植機に係わり、詳しくは、リアアクスル部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の乗用型の田植機は、前後方向に長く横設される左右一対のメインフレームの前後端部に前輪と後輪を配し、前後の各々の車輪を駆動するためにミッションケースが独立して配置され、この前後のミッションケースを強固に連結するために、剛性のある左右一対の大型のメインフレームによって支持する構成となっていた。しかし、このような構成においては、機体が大型化し、機体重量が増えて、コストアップが避けられなかった。そこで、機体の左右略中央に前後方向に延出するミッションケースを設け、該ミッションケースの前部にフロントアクスル部を設け、後部にはリアアクスル部を設け、該フロントアクスル部とリアアクスル部とを前記ミッションケースに一体的に形成(以下「一体型ミッションケース」とする)することにより、ミッションケースが機体の一構成要素として機能し、左右一対のメインフレームへの負担を軽減することができ、メインフレームの小型・簡素化が可能な乗用田植機が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような一体型ミッションケースにおいては、図18(a)(b)に示すように、一体型ミッションケース250の最下面250aは、リアアクスル部251の最下面251aよりも低位置にあり、植付部で均平用に設けたフロートのうち左右幅中央位置のセンターフロートは、ミッションケース250の最下面250aによる干渉を受ける。そのため、センターフロートは後方に退避せざるを得ず、機体の前後長が長くなり、機体の前後バランスが悪化する、という懸念があった。また、圃場が浅い場合には、リアアクスル部251よりも下方に突出する一体型ミッションケース250によって、センターフロート前方が掘削されるため、センターフロートに設けた植深さ調整用センサが圃場面を誤って検知し、植深さ精度が悪化する、という懸念もあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、機体の左右略中央に、前後方向に延出するミッションケース(6)と、該ミッションケース(6)の後部のリアアクスル部(38)とを一体的に構成した乗用田植機において、前記ミッションケース(6)を、左右二つの半割りミッションケース(6a・6b)により構成するとともに、該半割りミッションケース(6a・6b)のリアアクスル部(38・38)を、側方へ延びる側方延出部(263・263)と該側方延出部(263・263)の延出端から後方へ延びる後方延出部(264・264)により平面視門型形状に構成し、前記リアアクスル部(38・38)の後方延出部(264・264)に、ファイナルケース(16・16)を設けたものである。
請求項2においては、前記半割りミッションケース(6a・6b)のリアアクスル部(38・38)の側方延出部(263・263)内に上下方向に隔壁(265・265)を設け、該隔壁(265・265)により側方延出部(263・263)内を前室(263a・263a)と後室(263b・263b)とに分割したものである。
請求項3においては、前記平面視門型形状のリアアクスル部(38・38)の内側に補強部材(266・266)を設けたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を基に説明する。図1は、本発明に係わる乗用田植機の全体側面図、図2は同じく平面図、図3は車体フレームへとミッションケースの概略斜視図、図4はエンジンとミッションケース間の概略斜視図、図5はミッションケース全体の左側面図、図6はミッションケース前部の左側面図、図7はミッションケース後部の左側面図、図8はミッションケース全体の平面展開断面図、図9はミッションケース前部の平面展開断面図、図10はミッションケース後部の平面展開断面図、図11はミッションケース前部における入力軸からPTO出力軸までの動力伝達構成を示す平面展開断面図、図12はミッションケース前部における副変速軸から主変速軸までの動力伝達構成を示す平面展開断面図、図13はリアアクスル部の平面形状及び平面構造を示すミッションケース後部の平面展開断面図、図14はリアアクスル部の背面形状を示すミッションケースの背面図、図15はフロート支持部の平面図、図16は同じく側面図、図17は植付部昇降時のセンターフロートの昇降軌跡を示す植付部の側面図、図18は従来の乗用田植機のリアアクスル部の構造を示す説明図であり、(a)はリアアクスル部の側面図、(b)は同じく平面図である。
【0006】
初めに、本発明に係わる乗用田植機の全体構成について、図1乃至図3により説明する。乗用田植機は、走行車両1と、該走行車両1の後部に連結した植付部9とで構成されている。そして、走行車両1の前部及び後部にはそれぞれ前輪2と後輪3とが懸架され、車体フレーム4の前部には動力部であるエンジン5が搭載されている。
【0007】
該エンジン5後方の車体フレーム4の左右略中央には前後方向に長く形成したミッションケース6が配置されており、該ミッションケース6の前部に前輪2が支持され、後部に後輪3が支持されている。エンジン5を覆うボンネット22の両側には、予備苗載台90が配設されると共に、車体カバー20によってミッションケース6等が覆われている。該車体カバー20の後上部には運転席7が設けられ、車体カバー20の前部のボンネット22の後方には操向ハンドル8が配設されている。
【0008】
前記植付部9は、4条植えとした苗載台91や複数の植付爪93等から構成されており、前高後低に配設した苗載台91を、下部レール95及びガイドレール96を介して植付伝動フレーム92に、左右往復摺動自在に支持させると共に、ロータリケースの回転により先端が楕円状軌跡を描く植付爪93を、植付伝動フレーム92の後部に配設している。従って、前輪2及び後輪3を走行駆動して移動させるとともに、左右に往復摺動可能な苗載台91から1株分の苗を植付爪93によって取り出し、連続的に苗植え作業が行えるようになっている。
【0009】
植付伝動フレーム92の前部には、ローリング支点軸17を介してヒッチ94が設けられ、該ヒッチ94は、ヒッチ94上部に枢支されているトップリンク11と、ヒッチ94下部に枢支されているロワーリンク12とを含む、昇降リンク機構10を介して走行車両1の後部に連結されている。
【0010】
このうちトップリンク11は、背面視逆U字状のリアフレーム43の上部に軸支される一方、ロワーリンク12は、前部に側面視三角状の支持体12aを有し、該支持体12aの前部が、前記リアフレーム43の下部に軸支されると共に、支持体12aの上部には、昇降リンク機構10を昇降駆動させる昇降シリンダー15が連結されている。そして、リアフレーム43は、前記ミッションケース6の後部に一体的に設けられているリアアクスルケース38に、取付プレート39を介して連結されている。
【0011】
このような構成により、昇降リンク機構10の昇降可能な平行リンクが形成されており、圃場の凹凸に合わせて昇降させても、植付けられた苗の植付け姿勢が変わらないようにしている。さらに、前記リアフレーム43は昇降リンク機構10の支持部としても兼用されており、植付部9の安定した昇降、部品点数の削減、構成のシンプル化が図られているのである。なお、前記支持体12aの上部とロワーリンク12の後端部との間には補強アーム12bが連結されており、ロワーリンク12の剛性を高めるようにしている。
【0012】
また、運転席7等が設置される車体カバー20には、主変速レバー75、苗継ぎレバー76、副変速レバー72、植付昇降レバー77、主クラッチペダル74、ブレーキペダル73等が配設され、植付部9の下部には、植付部9を一定の高さに保持する均平用のセンターフロート97とサイドフロート98・99が配設されている。前記センターフロート97は、走行車両1の左右中心線上に配置され、センターフロート97の左右対称位置にサイドフロート98・99が配設されて、植付部9の左右のバランスを良好に保ち、植え付け姿勢を安定させて、正確に植え付けができるようにしている。
【0013】
次に、このような全体構成を有する乗用田植機において、ミッションケース6に係わる各部の構成について説明する。まず、ミッションケース6の走行車両1への取付け構成について、図1乃至図4により説明する。ミッションケース6を取り付ける前記車体フレーム4は、平面視拡開した略U字状をなすフロントフレーム40と、ミッションケース6と平行に前後方向に形成された左右一対のサイドフレーム41・42と、前記リアフレーム43とから構成されている。そして、サイドフレーム41・42の前端部は、フロントフレーム40背面に連結されると共に、サイドフレーム41・42の前後方向略中央部41a・42aより後方側は、上方に向かって屈曲形成された上、該サイドフレーム41・42の後端部には、前記リアフレーム43の閉塞側上部が連結されている。
【0014】
前記前後方向略中央部41a・42aよりも後方には、センター連結フレーム46が横架され、前後方向略中央部41a・42aよりも前方には、フロント連結フレーム45が横架されており、該フロント連結フレーム45の両側端部と、前記フロントフレーム40の両側端部との間には、平面視L字状に曲げたステー29が介設固定されている。そして、該ステー29の外側には角パイプ状の保持部28が固定され、該保持部28に前記予備苗載台90の支柱90aが嵌入して固定されるようにしている。
【0015】
なお、フロント連結フレーム45でサイドフレーム41・42より両側方への延出部には、補強板47が設けられており、該補強板47により、前記保持部28とサイドフレーム41・42との間は強固に連結され、予備苗載台90の支柱90aを確実に支持固定できるようにしている。
【0016】
また、フロントフレーム40の左右中央より後下方に向かって平板状の支持部材50が略水平に延設され、該支持部材50上に前記エンジン5が載置固定されている。そして、支持部材50の後端部は前記連結フレーム45によって支持されると共に、支持部材50には、前から順に開口部50a・50bが穿設されている。
【0017】
前記開口部50a・50bは、機体全体の軽量化を図るとともに、エンジン5の放熱効果を促進するためのものである。また、この支持部材50は平板状であるため、エンジン5下部の保護カバーとしても利用でき、別途保護カバーを設ける場合に比べて、部品点数の削減、軽量化することができ、さらには組立工数を減らすこともでき、コストダウンが図れるようになっている。
【0018】
このような構成において、ミッションケース6の前端部は、前記支持部材50の後端部上面に設けられた取付部材49に連結されると共に、ミッションケース6の前後途中部は、前記センター連結フレーム46の機体幅方向略中央に設けられた取付部材48の下部に連結されている。なお、該取付部材48の上部には、前記植付部9を昇降させる油圧式の昇降シリンダー15の基部が連結されている。さらに、前述の如く、ミッションケース6の後部は、一体的に設けられたリアアクスルケース38を介して、取付プレート39によってリアフレーム43下端に連結されている。
【0019】
すなわち、車体フレーム4にミッションケース6の前、後、中央を連結することにより、ミッションケース6を、車体フレーム4と共に田植機の有効な強度補強部材として機能させ、車体フレーム4の水平、垂直、ねじり方向の剛性及び強度を大きく向上するようにしているのである。
【0020】
次に、ミッションケース6の概略構造について、図1、図5乃至図10により説明する。ミッションケース6の前部には、各種変速機構が内設される変速室60が形成され、該変速室60の左右両側面にはフロントアクスルケース37が一体的に固設されている。該フロントアクスルケース37の左右端部より下方に向かっては、車軸ケースが固設され、該車軸ケースの下端部に前輪2を固設する前車輪軸66が軸支されている。
【0021】
一方、前述の如く、ミッションケース6の後端部には、軸芯を左右方向に持つ筒状のリアアクスルケース38が一体的に形成され、該リアアクスルケース38内には、前から順に、サイドクラッチ機構79、中間軸31が設けられている。該中間軸31の左右両端部には減速ギア32が固設され、該減速ギア32は減速ギア33に噛合され、該減速ギア33は、前記後輪3を外側端部に固設した後車輪駆動軸69の内側端部に固設されている。そして、これら減速ギア32・33の外側には、中間軸31、後車輪駆動軸69を軸支するファイナルケース16が覆設されている。
【0022】
このように、フロントアクスルケース37とリアアクスルケース38とをミッションケース6に一体的に設けると、ミッションケース6により前後車輪2・3を支持することができ、前述のように機体強度補強部材としてのフレームの一部を担うことができるので、車体フレーム4への負担を軽減することができる。
【0023】
また、前記変速室60の右側部には、植付伝達室34が形成され、該植付伝達室34の後部には前後方向に軸芯を有する植付PTO軸65が軸支されており、該植付PTO軸65後端は、図示せぬPTO伝動軸等を介して前記植付部9に連結され、苗植え装置駆動のための動力を伝達するようにしている。同様にして、変速室60の左側部にも、施肥伝達室201が形成され、該施肥伝達室201の後部に前後方向に軸芯を有する施肥PTO軸202が軸支され、該施肥PTO軸202後端は、変速機等を介して、運転席7後方の側条施肥機205に連結され、該側条施肥機205駆動のための動力を伝達するようにしている。このように、植付PTO軸65・施肥PTO軸202は、いずれもミッションケース6の側面から後方に向かって延出されているため、植付部9を昇降させたときにも干渉されることがなく、動力を安定して伝達することができる。
【0024】
次に、このようなミッションケース6内への動力入力構成について、図1、図3、図4により説明する。前記支持部材50上にはエンジン5が載置固定されると共に、該エンジン5から左側方には出力軸52が突出され、該出力軸52上に、一対の皿状の円錐プーリからなる駆動プーリ53が固設されている。
【0025】
一方、前記ミッションケース6前部からは入力軸56が側方に突出され、該入力軸56にも、同様にして一対の皿状の円錐プーリからなる従動プーリ55が取り付けられると共に、該従動プーリ55と前記駆動プーリ53との間にはベルト54が巻回されて、ベルト式無段変速機構13が形成されている。
【0026】
そして、該ベルト式無段変速機構13において、前記円錐プーリ間に形成される溝幅を変更することにより、各プーリ53・55の有効径を自在に変化させ、ミッションケース6内へ、エンジン5からの動力を変速して入力できるようにしている。
【0027】
次に、ミッションケース6内における動力伝達構成について、図4乃至図6、図9乃至図12により説明する。図4乃至図6、図11に示すように、前記変速室60においては、入力軸56の斜め下後方に、副変速軸63、主変速軸61が順に平行に軸支され、さらに、このうちの副変速軸63の後方には、後進軸67、株間変速軸68、PTO出力軸64も順に平行に軸支されている。
【0028】
このうちの入力軸56の一端は、前述の如く、ベルト式無段変速機構13を介してエンジン5の出力軸52に連結連動されており、該エンジン5側の駆動プーリ53とミッションケース6側の従動プーリ55とは略直線上に配設され、前輪2及び後輪3に動力を伝達する動力伝達経路が省スペースで効率のよい配置構成となっている。
【0029】
また、入力軸56の他端は、ミッションケース6より右外側方に突出され、該突出部にはクラッチ機構14が設けられる一方、入力軸56上の左右略中央には、大径ギア121a・小径ギア121bからなる二連の遊嵌ギア121が配置されており、後で詳述するクラッチ機構14により、入力軸56から遊嵌ギア121までの動力伝達が断接できるようにしている。
【0030】
すなわち、エンジン5からの動力をミッションケース6に入力し、該ミッションケース6内で変速して前輪2と後輪3に動力を伝達する乗用田植機において、ミッションケース6の一側面より入力軸56となる伝達軸を突出し、該伝達軸の突出部にクラッチ機構14を設けたので、該クラッチ機構14に外部から容易にアクセスすることができ、クラッチ機構をミッションケース6内部に設けた場合に比べ、製造時の組み立て性、点検時のメンテナンス性が向上する。
【0031】
また、エンジン5からの動力をミッションケース6に入力し、該ミッションケース6内で変速して前輪2と後輪3に動力を伝達する乗用田植機において、ミッションケース6の両側面より入力軸56を突出し、該入力軸56の一側には、前記エンジン5との間の変速機構であるベルト式無段変速機構13を設け、他側には、クラッチ機構14を設けたので、機体の左右バランスが良くなり走行安定性が向上し、また、機体幅を狭くして小型化を図ることができる。更には、前記変速機構の仕様変更、例えば、ベルト式無段変速機構13から油圧式無段変速機構への変更に対しては、クラッチ機構14はそのままで変速機構の変更のみで対応でき、クラッチ機構の共有化による部品コストの低減を図ることができる。
【0032】
図11、図12に示すように、副変速軸63上には、右側から順に、前記遊嵌ギア121に噛合可能でスプライン嵌合した二連の摺動ギア120と、固定ギア118と、大径ギア119a・小径ギア119bからなる固定ギア119とが配置され、そのうちの摺動ギア120には、シフトフォーク101が嵌合されている。該シフトフォーク101はフォーク軸102に固設され、該フォーク軸102は前記副変速レバー72に連結連動している。
【0033】
ここで、摺動ギア120は低速ギア120aと高速ギア120bとから構成されており、副変速レバー72を操作して摺動ギア120を右方に摺動し、摺動ギア120の低速ギア120aを前記遊嵌ギア121の小径ギア121bと噛合させることにより、低速伝達可能としている。逆に、摺動ギア120を左方に摺動し、摺動ギア120の高速ギア120bを前記遊嵌ギア121の大径ギア121aと噛合させることにより、高速伝達可能として、副変速機構70を構成している。
【0034】
図5、図9、図10、図12に示すように、主変速軸61上の左右略中央には、ギア122aと駆動スプロケット122bからなる動力分岐ギア122が固設されており、該動力分岐ギア122の左側には前記固定ギア119に噛合可能な二連の摺動ギア124が配置されている。該摺動ギア124にもシフトフォーク103が嵌合され、該シフトフォーク103はフォーク軸104に固設され、該フォーク軸104は前記主変速レバー75に連結連動されている。さらに、主変速軸61の右側端部にはブレーキ機構78が設けられており、該ブレーキ機構78により、主変速軸61を制動して駐車ブレーキの役目を果たしている。
【0035】
ここで、摺動ギア124は低速ギア124aと高速ギア124bとから構成されており、主変速レバー75を操作して摺動ギア124を右方に摺動し、摺動ギア124の高速ギア124bを、前記固定ギア119の大径ギア119aと噛合させることにより、高速伝達可能としている。逆に、摺動ギア124を左方に摺動し、摺動ギア124の低速ギア124aを前記固定ギア119の小径ギア119bと噛合させることにより、低速伝達可能として、主変速機構71を構成しているのである。
【0036】
そして、主変速軸61上の駆動スプロケット122bとミッションケース6後部の従動スプロケット126との間には、チェーン張り86により張設されたチェーン80が巻回され、主変速軸61の駆動力が後車輪駆動軸69に伝達できるようにする一方、主変速軸61上のギア122aには、左右の前車輪駆動軸62を駆動する差動装置81のリングギア123が噛合されており、動力分岐ギア122を用いて動力を前後2方向に分岐するようにしている。
【0037】
また、図9に示すように、該差動装置81側部にはデフロック機構84が配置されている。該デフロック機構84においては、リングギア123の側端部にロック用のギア123aが形成され、該ギア123aに前車輪駆動軸62上にスプライン係合されているロック体136側面の噛合歯136aが係合可能となっている。該ロック体136はバネ85によって外側に付勢され、前車輪駆動軸62の段差部に当接するように付勢されている。この位置では、リングギア123のギア123aとロック体136側面の噛合歯136aとが係合されない非係合位置となっており、左右の前車輪駆動軸62・62が差動される。
【0038】
前記ロック体136外周面の外側には溝136bが形成され、ミッションケース6に枢支したロック操作ピン137先部が係合されている。該ロック操作ピン137先部には、片側を半円状にした当接部137aが形成される一方、逆側は凹状部137bが形成され、さらに、ロック操作ピン137基部にはアーム138が突設されている。
【0039】
前記アーム138は、図9に示す状態では、ロック操作ピン137の当接部137aがロック体136の溝136bに位置し、ロック体136をリングギア123に対して非係合位置に位置させている。そして、アーム138が、図示せぬデフロック操作レバーに連動して回動され、ロック操作ピン137が回転されると、当接部137aでロック体136を押して、噛合歯136aとギア123aとが係合される。この係合によって、リングギア123がロック体136を介して前車輪駆動軸62に係合された、いわゆる「差動装置81のロック状態」となり、左右の前車輪駆動軸62・62が差動されないデフロック機構84が構成されている。
【0040】
また、図11、図12に示すように、後進軸67上の左半分には、中間ギア127が固設され、該中間ギア127は、前記副変速軸63上の固定ギア118と常時噛合する入力ギア127aと、大径ギア127b・小径ギア127dと、逆転ギア127cとからなり、該逆転ギア127cは、前記主変速軸61上の低速ギア124aと噛合可能である。
【0041】
ここで、主変速レバー75を操作して、主変速軸61の低速ギア124aを副変速軸63の固定ギア119から離脱させて更に左方に摺動させると、この主変速軸61の低速ギア124aは、後進軸67の逆転ギア127cと噛合するようになり、入力軸56から副変速軸63まで伝達されてきた駆動力は、副変速軸63→固定ギア118→入力ギア127a→後進軸67→逆転ギア127c→低速ギア124a→主変速軸61のように伝達される。つまり、駆動力はそのまま主変速軸61には伝達されず、後進軸67で一旦回転方向が逆転された後、逆転の駆動力として主変速軸61に伝達されるのである。
【0042】
そして、図11に示すように、株間変速軸68上の右半分には、第一ギア131a・第二ギア131b・第三ギア131cからなる固定ギア131が配置され、左半分には、株間変速用の爪式クラッチ82が設けられている。該爪式クラッチ82においては、株間変速軸68上に、内側面に噛合歯を固設した高速クラッチギア129と低速クラッチギア130とが遊嵌され、そのうち高速クラッチギア129は前記大径ギア127bに、低速クラッチギア130は前記小径ギア127dに常時噛合されている。さらに、この高速クラッチギア129と低速クラッチギア130との間には、左右両側面に噛合歯を固設した摺動クラッチ爪128がスプライン嵌合されると共に、該摺動クラッチ爪128には、シフトフォーク106が嵌合され、該シフトフォーク106は、フォーク軸107上を移動可能に外嵌され、図示せぬ操作手段に連結連動されている。
【0043】
ここで、該操作手段を操作して摺動クラッチ爪128を右方に摺動し、摺動クラッチ爪128の噛合歯を高速クラッチギア129の噛合歯に係合させることにより、前記後進軸67に入力された駆動力は、大径ギア127b→高速クラッチギア129→摺動クラッチ爪128→株間変速軸68→固定ギア131のようにして高速伝達可能としている。逆に、摺動クラッチ爪128を左方に摺動し、摺動クラッチ爪128の噛合歯を低速クラッチギア130の噛合歯に係合させることにより、前記後進軸67に入力された駆動力は、小径ギア127d→低速クラッチギア130→摺動クラッチ爪128→株間変速軸68→固定ギア131のように低速伝達可能としている。
【0044】
また、図9、図11に示すように、PTO出力軸64の右半分には筒体108が遊嵌され、該筒体108の外周には、スプライン嵌合した摺動ギア132と、前記第三ギア131cに常時噛合する遊嵌ギア133とが外嵌されている。該摺動ギア132にはシフトフォーク105が嵌合されており、該シフトフォーク105は、前記フォーク軸107上を左右動可能に外嵌されると共に、図示せぬ操作手段に連結連動されている。
【0045】
さらに、筒体108の左方には、PTO出力軸64への駆動力の断接を行うPTOクラッチ83が設けられている。該PTOクラッチ83においては、右側面に噛合歯を固設した摺動クラッチ爪134が、PTO出力軸64にスプライン嵌合された上、押圧バネ111により、筒体108の左側端に固設したクラッチギア135の噛合歯に係合する方向に付勢されており、さらに、摺動クラッチ爪134には、フォーク109が嵌合され、該フォーク109はミッションケース6に軸支される操作軸110に連結されている。そして、該操作軸110には、PTOクラッチレバーを兼用する前記植付昇降レバー77が連結連動されている。
【0046】
ここで、摺動ギア132を左方に摺動して、摺動ギア132の左側面からの突出部132aを、遊嵌ギア133に開口した受け孔部133aに係合すると、それまで小径の前記第一ギア131aまたは第二ギア131b→摺動ギア132→筒体108と伝達されてきた駆動力は、大径の第三ギア131c→遊嵌ギア133→摺動ギア132→筒体108の順で伝達されるようになり、筒体108の回転速度を変速することができる。
【0047】
そして、植付昇降レバー77を操作して摺動クラッチ爪134を左方に摺動させることにより、該摺動クラッチ爪134の噛合歯と前記筒体108のクラッチギア135の噛合歯との係合を解除して、筒体108→クラッチギア135→摺動クラッチ爪134→PTO出力軸64という動力伝達経路を切断可能として、PTOクラッチ83を形成している。
【0048】
次に、前記リアアクスルケース38に関する各種構成について、図13乃至図17により説明する。まず、リアアクスルケース38内における動力伝達の詳細構成について説明する。図13に示すように、クラッチ軸35の左右中央部にはボス部125が固設され、該ボス部125の外周面上には、前記従動スプロケット126が固設されてチェーン80が巻回されると共に、ボス部125の左右両側のクラッチ軸35には、摺動ギア257がスプライン嵌合されている。該摺動ギア257にはギア259が噛合され、該ギア259は、前記減速ギア32を固設した中間軸31の内端部に固設されている。
【0049】
前記摺動ギア257には、ミッションケース6上面に枢支した操作軸260に固設するフォークが嵌合され、操作軸260上部に固設するアーム261を回動操作することで、操作軸260が回動し、摺動ギア257が摺動されるようにしている。摺動ギア257を内側に摺動させると、摺動ギア257内側がボス部125内に係合されて動力が伝達され、後車輪駆動軸69が駆動される。一方、摺動ギア257を外側に摺動させると、ボス部125と摺動ギア257との係合が外れ、動力の伝達が離脱されると同時に、摺動ギア257の外側端部に形設したパットと挟持体によって構成されるブレーキ256が作動し、摺動ギア257の回動が制動されて後車輪駆動軸69の回動が停止され、このような動力断接機構と制動機構とから前記サイドクラッチ機構79が形成されている。
【0050】
このような構成において、前記主変速軸61からチェーン80を介して従動スプロケット126まで伝達されてきた駆動力は、従動スプロケット126→ボス部125→サイドクラッチ機構79→ギア259→中間軸31→減速ギア32→減速ギア33→後車輪駆動軸69のように伝達される。
【0051】
次に、リアアクスルケース38内の構造について説明する。ここで、図18(a)(b)に示すように、前述の如く、センターフロートを後方に退避する必要がないようにするには、ミッションケース250下方にセンターフロートのための空間を確保する方法が考えられ、それには、中間軸253を左右に大きく延出させてリアアクスル部251を門型にすればよい。しかし、そのためには、中間軸253上の二連の中間ギア255も、非常に幅広の大きなギアで構成しなければならず、部品コストのアップや、機体重量の増加が避けられない、という問題があった。
【0052】
これに対して、図13、図14に示すように、前記中間軸31は、左中間軸23と右中間軸24の2部材から構成されており、該左右の中間軸23・24のいずれも、前記サイドクラッチ軸35よりも外側方に延出されると共に、その延出端は、前記ファイナルケース16前部の内壁に回動可能に枢支されている。そして、該延出端に前記減速ギア32が外嵌固設され、この減速ギア32、及び減速ギア32と噛合する減速ギア33との占める分だけ後方に離間した位置に、前記後車輪駆動軸69が横設されている。
【0053】
このような構成により、リアアクスルケース38は、左右中間軸23・24を内挿する側方延出部263と、該側方延出部263の延出端から斜め下後方に突設される後方延出部264とから形成されており、平面視及び背面視で門型形状を呈している。さらに、該後方延出部264側面の開口部には、前記減速ギア32・減速ギア33が収納されると共に、外側方からは、中間軸23・24、及び後車輪駆動軸69の外側端を軸支する前記ファイナルケース16が覆設されている。
【0054】
すなわち、機体の左右略中央に前後方向に延出するミッションケース6を設け、該ミッションケース6の前後部に各々フロントアクスル部であるフロントアクスルケース37とリアアクスル部であるリアアクスルケース38とを設け、該フロントアクスルケース37とリアアクスルケース38とを前記ミッションケース6に一体的に形成した乗用田植機において、リアアクスルケース38内でサイドクラッチ軸35から後車輪駆動軸69まで動力を伝達する中間軸31は、左右2分割に構成すると共に、該左右の中間軸23・24は、ともに前記サイドクラッチ軸35よりも外側方に延出させたので、中間ギアを大きくすることなく中間軸を側方に延出させることができ、低コスト、かつ軽量な構成からなる門型形状のリアアクスル部を製造できるのである。このような門型形状にすることにより、後述の如く、植付部9を一定の高さに保持する均平用のセンターフロート97が、前記リアアクスル部下面による干渉を受けにくくなり、植付部9を走行車両1に近接できるため、機体の前後長を短くして機体の前後バランスを向上させることができる。更には、圃場が浅い場合でも、ミッションケース6下面によって、センターフロート97前方が削られることがなくなり、センターフロート97に設けた植深さ調整用センサが作動せず誤った深さを検知することがなく、植深さ精度も向上するのである。
【0055】
また、図13に示すように、左右の中間軸23・24の間には、円筒状カラーなどの保持部材262が介設され、該保持部材262の両側端部の内周面にはテーパ部262a・262aが形成されると共に、左右中間軸23・24の保持部材側端部の外周面にもテーパ部23a・24aが形成されており、左右中間軸23・24の内側端が保持部材262に挿嵌されて保持可能な構成となっている。同時に、この挿嵌部には、ギア259の内側凹部が外嵌されており、ギア259も保持部材262により支持可能な構成となっている。
【0056】
このような構成において、リアアクスルケース38を組み立てる場合、左右の中間軸23・24がなくとも、左右二つ割りのリアアクスルケース38間に保持部材262を介装し、該保持部材262にギア259を外嵌・支持すると共に、後車輪駆動軸69や減速ギア33などを装着するといったことができ、組み立て時の自由度が大きく向上する。
【0057】
すなわち、前記左右の中間軸23・24間には保持部材262を設け、該保持部材262と中間軸23・24に渡って中間ギアであるギア259を設けるので、左右の中間軸23・24がなくとも、前記保持部材262を用いてギア259を仮止めすることにより組立が容易に行えるため、組み立て性が向上し、また、組立後も、ギア259の倒れを確実に防止することができ、耐久性のアップを図ることができるのである。
【0058】
さらに、前記保持部材262の左右端部と、中間軸23・24の保持部材側端部には、嵌合可能なテーパ262a・262a・23a・24aを形成するので、リアアクスルケース38とファイナルケース16との合わせ面の開口部から組み立てる際でも、各テーパがガイドとなり、確実に中間軸23・24をリアアクスルケース38内に挿設することができ、組み立て性が一層向上する。
【0059】
なお、交換が容易な中間軸23・24の内側端近傍の外周面には、凹状の溝部280を形成し、中間軸23・24の断面積を小さくすることにより、駆動系における最弱部を設けている。これにより、たとえ急激な負荷等が駆動系にかかった場合でも、該最弱部に応力を集中させて優先的に破損を発生させることができる。なお、最弱部としては、本実施例のような溝部以外に、穴やスリワリなどで軸断面を小さくした部分であっても、あるいは、低強度の材料を用いた部分であってもよく、実強度が低下すれば特に限定されない。
【0060】
すなわち、容易に交換可能な部位の軸である中間軸23・24に駆動系の最弱部である溝部280を意図的に設けたので、急激な負荷等による駆動系の破損位置を自在に制御することができ、また、その最弱部を設ける部品を容易に交換可能とすることにより、駆動系の不要な強度アップを避け、部品の軽量化、コストダウン、及び破損時のメンテナンス性や修理性を大きく向上させることができるのである。
【0061】
また、図13、図14に示すように、ミッションケース6は左右二つ割りに構成され、各半割りミッションケース6a・6bは、いずれもアルミダイカスト法で製造される。ここで、アルミダイカスト法とはアルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯を金型に加圧注入して鋳物を得る精密鋳造法の一種であり、寸法が正確で仕上げがほとんど不必要、かつ機械的性質が優秀で、大量生産に適するという特徴を有する。そして、前記半割りミッションケース6a・6bにおいては、前記側方延出部263内に上下方向に隔壁265を設け、該隔壁265により側方延出部263内を前室263aと後室263bとに分割可能な構成としている。
【0062】
このような構成により、半割りミッションケースの金型の湯口から注入された溶湯は、分割されて狭くなった前室263a・後室263b内を、途中で途切れることなく隅々まで流入していくため、巣・偏析などの欠陥や未凝固部などのない健全な鋳物が得られるのである。
【0063】
すなわち、機体の左右略中央に前後方向に延出するミッションケース6を設け、該ミッションケース6の前後部に各々フロントアクスル部であるフロントアクスルケース37とリアアクスル部であるリアアクスルケース38とを設け、該フロントアクスルケース37とリアアクスルケース38とを前記ミッションケース6に一体的に形成した乗用田植機において、アルミダイカストにより製造したミッションケース6を用いると共に、リアアクスルケース38には、該リアアクスルケース38の左右延出部である側方延出部263内を分割可能な隔壁265を設けたので、ミッションケース6をアルミダイカストで製造時の湯回り性が大きく改善され、巣・偏析などの欠陥や未凝固部のない健全なミッションケース6を得ることができる。
【0064】
更に、門型に形成したリアアクスルケース38の門型の内側には補強部材266が設けられている。即ち、前記側方延出部263と後方延出部264の内側面間、詳しくは、中間軸23・24と後車輪駆動軸69の軸心を通る面に、平面視L字状に構成したプレート状の補強部材266が介設されている。該補強部材266は、ミッションケース6の左右中央部ほど前後幅を狭くして、センターフロート97を干渉しにくくしている。このように補強部材266を設けることで、側方延出部263と後方延出部264間の連結を強化し、門型形状のリアアクスルケース38全体の剛性を高めている。但し、側方延出部263と後方延出部264を斜めにリンク等で連結した補強構成とすることもできる。
【0065】
すなわち、前記リアアクスル部であるリアアクスルケース38の門型内側部には、補強部材266を設けるので、門型形状のリアアクスルケース38の強度を確保することができ、過負荷によるリアアクスルケース38の破損や変形などのトラブルを防止することができるのである。
【0066】
次に、リアアクスルケース38とセンターフロート97との位置関係について説明する。図15、図16に示すように、前記植付伝動フレーム92は、左右平行に前後方向に配置した伝動パイプ268・269と、十字型管継ぎ手270・271を介して連結する横連結パイプ272からなり、このうちの左側伝動パイプ268の前部に配置する十字型管継ぎ手270の側面には、前上方向きに支持プレート273が突設されるとともに、横連結パイプ272の右側前部より前上方向きに支持プレート274が前記支持プレート273と平行に突設され、更に横連結パイプ272の左右中央部より前方にローリング支点軸17を嵌合する連結部材275が配設されて、連結部材275は前記ヒッチ94に左右回動可能に連結されている。
【0067】
そして、植付伝動フレーム92の下部には、支点軸267が左右のサイドフロート98・99の幅に合わせて横設され、該支点軸267は両側をU字状に構成した図示せぬ取付プレートの凹部に嵌合され、該取付プレートの上端が、前記支持プレート273・274の下部にボルト等で固定され、支点軸267が植付伝動フレーム92に支持されている。
【0068】
該支点軸267より前方には、操作アーム276が突出され、操作アーム276の後端部より上方に向かって植深さ設定レバー277が設けられており、オペレーターが植深さ設定レバー277を操作し易く、容易に調整できるようにしている。さらに、支点軸267の適所位置より後下方の各フロートの後部に向けて支持アーム278・278・・・が突設され、該支持アーム278・278・・・の後部に各フロートの後部が枢支されている。このうちのセンターフロート97の前部上には、植付部と田面間の距離を検知するためのセンサーリンク279が配置され、操作アーム276と支持されており、該センサーリンク279に接続された図示せぬセンサによって、植深さを検出し調整できるようにしている。
【0069】
そして、図17に示すように、このような構成よりなるセンターフロート97の前端は、ミッションケース6の後端に位置する後車輪駆動軸69の下方に位置するようにしている。このような配置構成とするために、前記昇降リンク機構10のトップリンク11とロワーリンク12の長さは従来よりも短く構成すると共に、リアアクスルケース37を、前述の如く、平面視及び背面視で門型形状とし、リアアクスルケース38の後下部6cには、センターフロート97の低位置58から高位置59までの昇降軌跡30が重ならないようにしている。
【0070】
このような構成により、植付部9を昇降した時にはセンターフロート97前端は、リアアクスルケース38を回避してその後部に近接して昇降させることができ、センターフロート97を、従来のように大きく後方に退避する必要がない。さらに、前述したように、このリアアクスルケース38の後方延出部264の外側面には開口部を設け、該開口部には、外側方より、中間軸23・24、及び後車輪駆動軸69の外側端を軸支するファイナルケース16が覆設する構成としている。
【0071】
すなわち、機体の左右略中央に前後方向に延出するミッションケース6を設け、該ミッションケース6の前後部に各々フロントアクスル部であるフロントアクスルケース37とリアアクスル部であるリアアクスルケース38とを設け、該フロントアクスルケース37とリアアクスルケース38とを前記ミッションケース6に一体的に形成した乗用田植機において、リアアクスルケース38を平面視及び背面視で門型形状に形成したので、植付部9を一定の高さに保持する均平用のセンターフロート97が、前記リアアクスル部下面による干渉を受けにくくなり、植付部9を走行車両1に近接できるため、機体の前後長を短くして機体の前後バランスを向上させることができる。更に、圃場が浅い場合でも、ミッションケース6下面によって、センターフロート97前方が掘削されることがなくなり、センターフロート97に接続した植深さ調整用センサが圃場面を誤って検知することがなく、植深さ精度も向上するのである。
【0072】
また、リアアクスルケース38にはファイナルケース16を設けたので、ファイナルケース16を着脱するだけで、リアアクスルケース38内の中間軸23・24などの構成部材を機体側方から容易に組み立て、あるいは分解できるようになり、メンテナンス性、組み立て性が大きく向上するのである。
【0073】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏する。
請求項1のように、機体の左右略中央に、前後方向に延出するミッションケース(6)と、該ミッションケース(6)の後部のリアアクスル部(38)とを一体的に構成した乗用田植機において、前記ミッションケース(6)を、左右二つの半割りミッションケース(6a・6b)により構成するとともに、該半割りミッションケース(6a・6b)のリアアクスル部(38・38)を、側方へ延びる側方延出部(263・263)と該側方延出部(263・263)の延出端から後方へ延びる後方延出部(264・264)により平面視門型形状に構成し、前記リアアクスル部(38・38)の後方延出部(264・264)に、ファイナルケース(16・16)を設けたので、植付部を一定の高さに保持する均平用のセンターフロートが、リアアクスル部下面による干渉を受けにくくなり、植付部を走行車両に近接できるため、機体の前後長を短くして機体の前後バランスを向上させることができる。
更には、圃場が浅い場合でも、ミッションケース下面によって、センターフロート前方が掘削されることがなくなり、センターフロートに接続した植深さ調整用センサが圃場面を誤って検知することがなく、植深さ精度も向上するのである。
【0074】
また、機体の左右略中央に前後方向に延出するミッションケースを設け、該ミッションケースの前後部に各々フロントアクスル部とリアアクスル部とを設け、該フロントアクスル部とリアアクスル部とを前記ミッションケースに一体的に形成した乗用田植機において、リアアクスル部にファイナルケースを設けたので、ファイナルケースを着脱するだけで、リアアクスル部内の中間軸などの構成部材を機体側方から容易に組み立て、あるいは分解できるようになり、メンテナンス性、組み立て性が大きく向上するのである。
【0075】
請求項2のように、前記半割りミッションケース(6a・6b)のリアアクスル部(38・38)の側方延出部(263・263)内に上下方向に隔壁(265・265)を設け、該隔壁(265・265)により側方延出部(263・263)内を前室(263a・263a)と後室(263b・263b)とに分割したので、ミッションケースをアルミダイカストで製造した場合、湯回り性が大きく改善され、巣・偏析などの欠陥や未凝固部のない健全なミッションケースを得ることができる。
【0076】
請求項3のように、前記平面視門型形状のリアアクスル部(38・38)の内側に補強部材(266・266)を設けたので、側方延出部と後方延出部間の連結を強化し、門型形状のリアアクスル部全体の剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる乗用田植機の全体側面図である。
【図2】 同じく平面図である。
【図3】 車体フレームへとミッションケースの概略斜視図である。
【図4】 エンジンとミッションケース間の概略斜視図である。
【図5】 ミッションケース全体の左側面図である。
【図6】 ミッションケース前部の左側面図である。
【図7】 ミッションケース後部の左側面図である。
【図8】 ミッションケース全体の平面展開断面図である。
【図9】 ミッションケース前部の平面展開断面図である。
【図10】 ミッションケース後部の平面展開断面図である。
【図11】 ミッションケース前部における入力軸からPTO出力軸までの動力伝達構成を示す平面展開断面図である。
【図12】 ミッションケース前部における副変速軸から主変速軸までの動力伝達構成を示す平面展開断面図である。
【図13】 リアアクスル部の平面形状及び平面構造を示すミッションケース後部の平面展開断面図である。
【図14】 リアアクスル部の背面形状を示すミッションケースの背面図である。
【図15】 フロート支持部の平面図である。
【図16】 同じく側面図である。
【図17】 植付部昇降時のセンターフロートの昇降軌跡を示す植付部の側面図である。
【図18】 従来の乗用田植機のリアアクスル部の構造を示す説明図であり、(a)はリアアクスル部の側面図、(b)は同じく平面図である。
【符号の説明】
6 ミッションケース
16 ファイナルケース
37 フロントアクスル部
38 リアアクスル部
263 延出部
265 隔壁
266 補強部材

Claims (3)

  1. 機体の左右略中央に、前後方向に延出するミッションケース(6)と、該ミッションケース(6)の後部のリアアクスル部(38)とを一体的に構成した乗用田植機において、前記ミッションケース(6)を、左右二つの半割りミッションケース(6a・6b)により構成するとともに、該半割りミッションケース(6a・6b)のリアアクスル部(38・38)を、側方へ延びる側方延出部(263・263)と該側方延出部(263・263)の延出端から後方へ延びる後方延出部(264・264)により平面視門型形状に構成し、前記リアアクスル部(38・38)の後方延出部(264・264)に、ファイナルケース(16・16)を設けたことを特徴とする乗用田植機。
  2. 前記半割りミッションケース(6a・6b)のリアアクスル部(38・38)の側方延出部(263・263)内に上下方向に隔壁(265・265)を設け、該隔壁(265・265)により側方延出部(263・263)内を前室(263a・263a)と後室(263b・263b)とに分割したことを特徴とする請求項1に記載の乗用田植機。
  3. 前記平面視門型形状のリアアクスル部(38・38)の内側に補強部材(266・266)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の乗用田植機。
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