JP2002293146A - 乗用田植機 - Google Patents

乗用田植機

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JP2002293146A
JP2002293146A JP2001101460A JP2001101460A JP2002293146A JP 2002293146 A JP2002293146 A JP 2002293146A JP 2001101460 A JP2001101460 A JP 2001101460A JP 2001101460 A JP2001101460 A JP 2001101460A JP 2002293146 A JP2002293146 A JP 2002293146A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の乗用型の田植機の小型化・簡素化を図
るべく、フロントアクスル部とリアアクスル部とをミッ
ションケースに一体的に形成した一体型のミッションケ
ースが知られている。しかし、該ミッションケース後部
の左右略中央は下方に大きく突出しており、ここにセン
ターフロートが当たるため、センターフロートを後方に
退避させる必要があり、機体前後長が長くなっていた。 【解決手段】 リアアクスル部38を平面視及び背面視
で門型形状に形成したり、該リアアクスル部38にファ
イナルケース16を設けるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用田植機に係わ
り、詳しくは、リアアクスル部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の乗用型の田植機は、前後方向に長
く横設される左右一対のメインフレームの前後端部に前
輪と後輪を配し、前後の各々の車輪を駆動するためにミ
ッションケースが独立して配置され、この前後のミッシ
ョンケースを強固に連結するために、剛性のある左右一
対の大型のメインフレームによって支持する構成となっ
ていた。しかし、このような構成においては、機体が大
型化し、機体重量が増えて、コストアップが避けられな
かった。そこで、機体の左右略中央に前後方向に延出す
るミッションケースを設け、該ミッションケースの前部
にフロントアクスル部を設け、後部にはリアアクスル部
を設け、該フロントアクスル部とリアアクスル部とを前
記ミッションケースに一体的に形成(以下「一体型ミッ
ションケース」とする)することにより、ミッションケ
ースが機体の一構成要素として機能し、左右一対のメイ
ンフレームへの負担を軽減することができ、メインフレ
ームの小型・簡素化が可能な乗用田植機が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな一体型ミッションケースにおいては、図18(a)
(b)に示すように、一体型ミッションケース250の
最下面250aは、リアアクスル部251の最下面25
1aよりも低位置にあり、植付部で均平用に設けたフロ
ートのうち左右幅中央位置のセンターフロートは、ミッ
ションケース250の最下面250aによる干渉を受け
る。そのため、センターフロートは後方に退避せざるを
得ず、機体の前後長が長くなり、機体の前後バランスが
悪化する、という懸念があった。また、圃場が浅い場合
には、リアアクスル部251よりも下方に突出する一体
型ミッションケース250によって、センターフロート
前方が掘削されるため、センターフロートに設けた植深
さ調整用センサが圃場面を誤って検知し、植深さ精度が
悪化する、という懸念もあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。すなわち、請求項1においては、機
体の左右略中央に前後方向に延出するミッションケース
を設け、該ミッションケースの前後部に各々フロントア
クスル部とリアアクスル部とを設け、該フロントアクス
ル部とリアアクスル部とを前記ミッションケースに一体
的に形成した乗用田植機において、リアアクスル部を平
面視及び背面視で門型形状に形成したものである。請求
項2においては、機体の左右略中央に前後方向に延出す
るミッションケースを設け、該ミッションケースの前後
部に各々フロントアクスル部とリアアクスル部とを設
け、該フロントアクスル部とリアアクスル部とを前記ミ
ッションケースに一体的に形成した乗用田植機におい
て、リアアクスル部にファイナルケースを設けたもので
ある。請求項3においては、機体の左右略中央に前後方
向に延出するミッションケースを設け、該ミッションケ
ースの前後部に各々フロントアクスル部とリアアクスル
部とを設け、該フロントアクスル部とリアアクスル部と
を前記ミッションケースに一体的に形成した乗用田植機
において、アルミダイカストにより製造したミッション
ケースを用いると共に、リアアクスル部には、該リアア
クスル部の左右延出部内を分割可能な隔壁を設けたもの
である。請求項4においては、前記門型に構成したリア
アクスル部の門型の内側に補強部材を設けるものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に示す実施例を基に説明する。図1は、本発明に係わる
乗用田植機の全体側面図、図2は同じく平面図、図3は
車体フレームへとミッションケースの概略斜視図、図4
はエンジンとミッションケース間の概略斜視図、図5は
ミッションケース全体の左側面図、図6はミッションケ
ース前部の左側面図、図7はミッションケース後部の左
側面図、図8はミッションケース全体の平面展開断面
図、図9はミッションケース前部の平面展開断面図、図
10はミッションケース後部の平面展開断面図、図11
はミッションケース前部における入力軸からPTO出力
軸までの動力伝達構成を示す平面展開断面図、図12は
ミッションケース前部における副変速軸から主変速軸ま
での動力伝達構成を示す平面展開断面図、図13はリア
アクスル部の平面形状及び平面構造を示すミッションケ
ース後部の平面展開断面図、図14はリアアクスル部の
背面形状を示すミッションケースの背面図、図15はフ
ロート支持部の平面図、図16は同じく側面図、図17
は植付部昇降時のセンターフロートの昇降軌跡を示す植
付部の側面図、図18は従来の乗用田植機のリアアクス
ル部の構造を示す説明図であり、(a)はリアアクスル
部の側面図、(b)は同じく平面図である。
【0006】初めに、本発明に係わる乗用田植機の全体
構成について、図1乃至図3により説明する。乗用田植
機は、走行車両1と、該走行車両1の後部に連結した植
付部9とで構成されている。そして、走行車両1の前部
及び後部にはそれぞれ前輪2と後輪3とが懸架され、車
体フレーム4の前部には動力部であるエンジン5が搭載
されている。
【0007】該エンジン5後方の車体フレーム4の左右
略中央には前後方向に長く形成したミッションケース6
が配置されており、該ミッションケース6の前部に前輪
2が支持され、後部に後輪3が支持されている。エンジ
ン5を覆うボンネット22の両側には予備苗載台90が
配設されると共に、車体カバー20によってミッション
ケース6等が覆われている。該車体カバー20の後上部
には運転席7が設けられ、車体カバー20の前部のボン
ネット22の後方には操向ハンドル8が配設されてい
る。
【0008】前記植付部9は、4条植えとした苗載台9
1や複数の植付爪93等から構成されており、前高後低
に配設した苗載台91を、下部レール95及びガイドレ
ール96を介して植付伝動フレーム92に左右往復摺動
自在に支持させると共に、ロータリケースの回転により
先端が楕円状軌跡を描く植付爪93を、植付伝動フレー
ム92の後部に配設している。従って、前輪2及び後輪
3を走行駆動して移動させるとともに、左右に往復摺動
可能な苗載台91から1株分の苗を植付爪93によって
取り出し、連続的に苗植え作業が行えるようになってい
る。
【0009】植付伝動フレーム92の前部には、ローリ
ング支点軸17を介してヒッチ94が設けられ、該ヒッ
チ94は、ヒッチ94上部に枢支されているトップリン
ク11と、ヒッチ94下部に枢支されているロワーリン
ク12とを含む昇降リンク機構10を介して走行車両1
の後部に連結されている。
【0010】このうちトップリンク11は、背面視逆U
字状のリアフレーム43の上部に軸支される一方、ロワ
ーリンク12は、前部に側面視三角状の支持体12aを
有し、該支持体12aの前部が、前記リアフレーム43
の下部に軸支されると共に、支持体12aの上部には、
昇降リンク機構10を昇降駆動させる昇降シリンダー1
5が連結されている。そして、リアフレーム43は、前
記ミッションケース6の後部に一体的に設けられている
リアアクスルケース38に、取付プレート39を介して
連結されている。
【0011】このような構成により、昇降リンク機構1
0昇降可能な平行リンクが形成されており、圃場の凹凸
に合わせて昇降させても、植付けられた苗の植付け姿勢
が変わらないようにしている。さらに、前記リアフレー
ム43は昇降リンク機構10の支持部としても兼用され
ており、植付部9の安定した昇降、部品点数の削減、構
成のシンプル化が図られているのである。なお、前記支
持体12aの上部とロワーリンク12の後端部との間に
は補強アーム12bが連結されており、ロワーリンク1
2の剛性を高めるようにしている。
【0012】また、運転席7等が設置される車体カバー
20には、主変速レバー75、苗継ぎレバー76、副変
速レバー72、植付昇降レバー77、主クラッチペダル
74、ブレーキペダル73等が配設され、植付部9の下
部には、植付部9を一定の高さに保持する均平用のセン
ターフロート97とサイドフロート98・99が配設さ
れている。前記センターフロート97は、走行車両1の
左右中心線上に配置され、センターフロート97の左右
対称位置にサイドフロート98・99が配設されて、植
付部9の左右のバランスを良好に保ち、植え付け姿勢を
安定させて、正確に植え付けができるようにしている。
【0013】次に、このような全体構成を有する乗用田
植機において、ミッションケース6に係わる各部の構成
について説明する。まず、ミッションケース6の走行車
両1への取付け構成について、図1乃至図4により説明
する。ミッションケース6を取り付ける前記車体フレー
ム4は、平面視拡開した略U字状をなすフロントフレー
ム40と、ミッションケース6と平行に前後方向に形成
された左右一対のサイドフレーム41・42と、前記リ
アフレーム43とから構成されている。そして、サイド
フレーム41・42の前端部は、フロントフレーム40
背面に連結されると共に、サイドフレーム41・42の
前後方向略中央部41a・42aより後方側は、上方に
向かって屈曲形成された上、該サイドフレーム41・4
2の後端部には、前記リアフレーム43の閉塞側上部が
連結されている。
【0014】前記前後方向略中央部41a・42aより
も後方には、センター連結フレーム46が横架され、前
後方向略中央部41a・42aよりも前方には、フロン
ト連結フレーム45が横架されており、該フロント連結
フレーム45の両側端部と前記フロントフレーム40の
両側端部との間には、平面視L字状に曲げたステー29
が介設固定されている。そして、該ステー29の外側に
は角パイプ状の保持部28が固定され、該保持部28に
前記予備苗載台90の支柱90aが嵌入して固定される
ようにしている。
【0015】なお、フロント連結フレーム45でサイド
フレーム41・42より両側方への延出部には、補強板
47が設けられており、該補強板47により、前記保持
部28とサイドフレーム41・42との間は強固に連結
され、予備苗載台90の支柱90aを確実に支持固定で
きるようにしている。
【0016】また、フロントフレーム40の左右中央よ
り後下方に向かって平板状の支持部材50が略水平に延
設され、該支持部材50上に前記エンジン5が載置固定
されている。そして、支持部材50の後端部は前記連結
フレーム45によって支持されると共に、支持部材50
には、前から順に開口部50a・50bが穿設されてい
る。
【0017】前記開口部50a・50bは、機体全体の
軽量化を図るとともに、エンジン5の放熱効果を促進す
るためのものである。また、この支持部材50は平板状
であるため、エンジン5下部の保護カバーとしても利用
でき、別途保護カバーを設ける場合に比べて、部品点数
の削減、軽量化することができ、さらには組立工数を減
らすこともでき、コストダウンが図れるようになってい
る。
【0018】このような構成において、ミッションケー
ス6の前端部は、前記支持部材50の後端部上面に設け
られた取付部材49に連結されると共に、ミッションケ
ース6の前後途中部は、前記センター連結フレーム46
の機体幅方向略中央に設けられた取付部材48の下部に
連結されている。なお、該取付部材48の上部には、前
記植付部9を昇降させる油圧式の昇降シリンダー15の
基部が連結されている。さらに、前述の如く、ミッショ
ンケース6の後部は、一体的に設けられたリアアクスル
ケース38を介して、取付プレート39によってリアフ
レーム43下端に連結されている。
【0019】すなわち、車体フレーム4にミッションケ
ース6の前、後、中央を連結することにより、ミッショ
ンケース6を、車体フレーム4と共に田植機の有効な強
度補強部材として機能させ、車体フレーム4の水平、垂
直、ねじり方向の剛性及び強度を大きく向上するように
しているのである。
【0020】次に、ミッションケース6の概略構造につ
いて、図1、図5乃至図10により説明する。ミッショ
ンケース6の前部には、各種変速機構が内設される変速
室60が形成され、該変速室60の左右両側面にはフロ
ントアクスルケース37が一体的に固設されている。該
フロントアクスルケース37の左右端部より下方に向か
っては、車軸ケースが固設され、該車軸ケースの下端部
に前輪2を固設する前車輪軸66が軸支されている。
【0021】一方、前述の如く、ミッションケース6の
後端部には、軸芯を左右方向に持つ筒状のリアアクスル
ケース38が一体的に形成され、該リアアクスルケース
38内には、前から順に、サイドクラッチ機構79、中
間軸31が設けられている。該中間軸31の左右両端部
には減速ギア32が固設され、該減速ギア32は減速ギ
ア33に噛合され、該減速ギア33は、前記後輪3を外
側端部に固設した後車輪駆動軸69の内側端部に固設さ
れている。そして、これら減速ギア32・33の外側に
は、中間軸31、後車輪駆動軸69を軸支するファイナ
ルケース16が覆設されている。
【0022】このように、フロントアクスルケース37
とリアアクスルケース38とをミッションケース6に一
体的に設けると、ミッションケース6により前後車輪2
・3を支持することができ、前述のように機体強度補強
部材としてのフレームの一部を担うことができるので、
車体フレーム4への負担を軽減することができる。
【0023】また、前記変速室60の右側部には、植付
伝達室34が形成され、該植付伝達室34の後部には前
後方向に軸芯を有する植付PTO軸65が軸支されてお
り、該植付PTO軸65後端は、図示せぬPTO伝動軸
等を介して前記植付部9に連結され、苗植え装置駆動の
ための動力を伝達するようにしている。同様にして、変
速室60の左側部にも、施肥伝達室201が形成され、
該施肥伝達室201の後部に前後方向に軸芯を有する施
肥PTO軸202が軸支され、該施肥PTO軸202後
端は、変速機等を介して、運転席7後方の側条施肥機2
05に連結され、該側条施肥機205駆動のための動力
を伝達するようにしている。このように、植付PTO軸
65・施肥PTO軸202は、いずれもミッションケー
ス6の側面から後方に向かって延出されているため、植
付部9を昇降させたときにも干渉されることがなく、動
力を安定して伝達することができる。
【0024】次に、このようなミッションケース6内へ
の動力入力構成について、図1、図3、図4により説明
する。前記支持部材50上にはエンジン5が載置固定さ
れると共に、該エンジン5から左側方には出力軸52が
突出され、該出力軸52上に、一対の皿状の円錐プーリ
からなる駆動プーリ53が固設されている。
【0025】一方、前記ミッションケース6前部からは
入力軸56が側方に突出され、該入力軸56にも、同様
にして一対の皿状の円錐プーリからなる従動プーリ55
が取り付けられると共に、該従動プーリ55と前記駆動
プーリ53との間にはベルト54が巻回されて、ベルト
式無段変速機構13が形成されている。
【0026】そして、該ベルト式無段変速機構13にお
いて、前記円錐プーリ間に形成される溝幅を変更するこ
とにより、各プーリ53・55の有効径を自在に変化さ
せ、ミッションケース6内へ、エンジン5からの動力を
変速して入力できるようにしている。
【0027】次に、ミッションケース6内における動力
伝達構成について、図4乃至図6、図9乃至図12によ
り説明する。図4乃至図6、図11に示すように、前記
変速室60においては、入力軸56の斜め下後方に、副
変速軸63、主変速軸61が順に平行に軸支され、さら
に、このうちの副変速軸63の後方には、後進軸67、
株間変速軸68、PTO出力軸64も順に平行に軸支さ
れている。
【0028】このうちの入力軸56の一端は、前述の如
く、ベルト式無段変速機構13を介してエンジン5の出
力軸52に連結連動されており、該エンジン5側の駆動
プーリ53とミッションケース6側の従動プーリ55と
は略直線上に配設され、前輪2及び後輪3に動力を伝達
する動力伝達経路が省スペースで効率のよい配置構成と
なっている。
【0029】また、入力軸56の他端は、ミッションケ
ース6より右外側方に突出され、該突出部にはクラッチ
機構14が設けられる一方、入力軸56上の左右略中央
には、大径ギア121a・小径ギア121bからなる二
連の遊嵌ギア121が配置されており、後で詳述するク
ラッチ機構14により、入力軸56から遊嵌ギア121
までの動力伝達が断接できるようにしている。
【0030】すなわち、エンジン5からの動力をミッシ
ョンケース6に入力し、該ミッションケース6内で変速
して前輪2と後輪3に動力を伝達する乗用田植機におい
て、ミッションケース6の一側面より入力軸56となる
伝達軸を突出し、該伝達軸の突出部にクラッチ機構14
を設けたので、該クラッチ機構14に外部から容易にア
クセスすることができ、クラッチ機構をミッションケー
ス6内部に設けた場合に比べ、製造時の組み立て性、点
検時のメンテナンス性が向上する。
【0031】また、エンジン5からの動力をミッション
ケース6に入力し、該ミッションケース6内で変速して
前輪2と後輪3に動力を伝達する乗用田植機において、
ミッションケース6の両側面より入力軸56を突出し、
該入力軸56の一側には、前記エンジン5との間の変速
機構であるベルト式無段変速機構13を設け、他側に
は、クラッチ機構14を設けたので、機体の左右バラン
スが良くなり走行安定性が向上し、また、機体幅を狭く
して小型化を図ることができる。更には、前記変速機構
の仕様変更、例えば、ベルト式無段変速機構13から油
圧式無段変速機構への変更に対しては、クラッチ機構1
4はそのままで変速機構の変更のみで対応でき、クラッ
チ機構の共有化による部品コストの低減を図ることがで
きる。
【0032】図11、図12に示すように、副変速軸6
3上には、右側から順に、前記遊嵌ギア121に噛合可
能でスプライン嵌合した二連の摺動ギア120と、固定
ギア118と、大径ギア119a・小径ギア119bか
らなる固定ギア119とが配置され、そのうちの摺動ギ
ア120には、シフトフォーク101が嵌合されてい
る。該シフトフォーク101はフォーク軸102に固設
され、該フォーク軸102は前記副変速レバー72に連
結連動している。
【0033】ここで、摺動ギア120は低速ギア120
aと高速ギア120bとから構成されており、副変速レ
バー72を操作して摺動ギア120を右方に摺動し、摺
動ギア120の低速ギア120aを前記遊嵌ギア121
の小径ギア121bと噛合させることにより、低速伝達
可能としている。逆に、摺動ギア120を左方に摺動
し、摺動ギア120の高速ギア120bを前記遊嵌ギア
121の大径ギア121aと噛合させることにより、高
速伝達可能として、副変速機構70を構成している。
【0034】図5、図9、図10、図12に示すよう
に、主変速軸61上の左右略中央には、ギア122aと
駆動スプロケット122bからなる動力分岐ギア122
が固設されており、該動力分岐ギア122の左側には前
記固定ギア119に噛合可能な二連の摺動ギア124が
配置されている。該摺動ギア124にもシフトフォーク
103が嵌合され、該シフトフォーク103はフォーク
軸104に固設され、該フォーク軸104は前記主変速
レバー75に連結連動されている。さらに、主変速軸6
1の右側端部にはブレーキ機構78が設けられており、
該ブレーキ機構78により、主変速軸61を制動して駐
車ブレーキの役目を果たしている。
【0035】ここで、摺動ギア124は低速ギア124
aと高速ギア124bとから構成されており、主変速レ
バー75を操作して摺動ギア124を右方に摺動し、摺
動ギア124の高速ギア124bを、前記固定ギア11
9の大径ギア119aと噛合させることにより、高速伝
達可能としている。逆に、摺動ギア124を左方に摺動
し、摺動ギア124の低速ギア124aを前記固定ギア
119の小径ギア119bと噛合させることにより、低
速伝達可能として、主変速機構71を構成しているので
ある。
【0036】そして、主変速軸61上の駆動スプロケッ
ト122bとミッションケース6後部の従動スプロケッ
ト126との間には、チェーン張り86により張設され
たチェーン80が巻回され、主変速軸61の駆動力が後
車輪駆動軸69に伝達できるようにする一方、主変速軸
61上のギア122aには、左右の前車輪駆動軸62を
駆動する差動装置81のリングギア123が噛合されて
おり、動力分岐ギア122を用いて動力を前後2方向に
分岐するようにしている。
【0037】また、図9に示すように、該差動装置81
側部にはデフロック機構84が配置されている。該デフ
ロック機構84においては、リングギア123の側端部
にロック用のギア123aが形成され、該ギア123a
に前車輪駆動軸62上にスプライン係合されているロッ
ク体136側面の噛合歯136aが係合可能となってい
る。該ロック体136はバネ85によって外側に付勢さ
れ、前車輪駆動軸62の段差部に当接するように付勢さ
れている。この位置では、リングギア123のギア12
3aとロック体136側面の噛合歯136aとが係合さ
れない非係合位置となっており、左右の前車輪駆動軸6
2・62が差動される。
【0038】前記ロック体136外周面の外側には溝1
36bが形成され、ミッションケース6に枢支したロッ
ク操作ピン137先部が係合されている。該ロック操作
ピン137先部には、片側を半円状にした当接部137
aが形成される一方、逆側は凹状部137bが形成さ
れ、さらに、ロック操作ピン137基部にはアーム13
8が突設されている。
【0039】前記アーム138は、図9に示す状態で
は、ロック操作ピン137の当接部137aがロック体
136の溝136bに位置し、ロック体136をリング
ギア123に対して非係合位置に位置させている。そし
て、アーム138が、図示せぬデフロック操作レバーに
連動して回動され、ロック操作ピン137が回転される
と、当接部137aでロック体136を押して、噛合歯
136aとギア123aとが係合される。この係合によ
って、リングギア123がロック体136を介して前車
輪駆動軸62に係合された、いわゆる「差動装置81の
ロック状態」となり、左右の前車輪駆動軸62・62が
差動されないデフロック機構84が構成されている。
【0040】また、図11、図12に示すように、後進
軸67上の左半分には、中間ギア127が固設され、該
中間ギア127は、前記副変速軸63上の固定ギア11
8と常時噛合する入力ギア127aと、大径ギア127
b・小径ギア127dと、逆転ギア127cとからな
り、該逆転ギア127cは、前記主変速軸61上の低速
ギア124aと噛合可能である。
【0041】ここで、主変速レバー75を操作して、主
変速軸61の低速ギア124aを副変速軸63の固定ギ
ア119から離脱させて更に左方に摺動させると、この
主変速軸61の低速ギア124aは、後進軸67の逆転
ギア127cと噛合するようになり、入力軸56から副
変速軸63まで伝達されてきた駆動力は、副変速軸63
→固定ギア118→入力ギア127a→後進軸67→逆
転ギア127c→低速ギア124a→主変速軸61のよ
うに伝達される。つまり、駆動力はそのまま主変速軸6
1には伝達されず、後進軸67で一旦回転方向が逆転さ
れた後、逆転の駆動力として主変速軸61に伝達される
のである。
【0042】そして、図11に示すように、株間変速軸
68上の右半分には、第一ギア131a・第二ギア13
1b・第三ギア131cからなる固定ギア131が配置
され、左半分には、株間変速用の爪式クラッチ82が設
けられている。該爪式クラッチ82においては、株間変
速軸68上に、内側面に噛合歯を固設した高速クラッチ
ギア129と低速クラッチギア130とが遊嵌され、そ
のうち高速クラッチギア129は前記大径ギア127b
に、低速クラッチギア130は前記小径ギア127dに
常時噛合されている。さらに、この高速クラッチギア1
29と低速クラッチギア130との間には、左右両側面
に噛合歯を固設した摺動クラッチ爪128がスプライン
嵌合されると共に、該摺動クラッチ爪128には、シフ
トフォーク106が嵌合され、該シフトフォーク106
は、フォーク軸107上を移動可能に外嵌され、図示せ
ぬ操作手段に連結連動されている。
【0043】ここで、該操作手段を操作して摺動クラッ
チ爪128を右方に摺動し、摺動クラッチ爪128の噛
合歯を高速クラッチギア129の噛合歯に係合させるこ
とにより、前記後進軸67に入力された駆動力は、大径
ギア127b→高速クラッチギア129→摺動クラッチ
爪128→株間変速軸68→固定ギア131のようにし
て高速伝達可能としている。逆に、摺動クラッチ爪12
8を左方に摺動し、摺動クラッチ爪128の噛合歯を低
速クラッチギア130の噛合歯に係合させることによ
り、前記後進軸67に入力された駆動力は、小径ギア1
27d→低速クラッチギア130→摺動クラッチ爪12
8→株間変速軸68→固定ギア131のように低速伝達
可能としている。
【0044】また、図9、図11に示すように、PTO
出力軸64の右半分には筒体108が遊嵌され、該筒体
108の外周には、スプライン嵌合した摺動ギア132
と、前記第三ギア131cに常時噛合する遊嵌ギア13
3とが外嵌されている。該摺動ギア132にはシフトフ
ォーク105が嵌合されており、該シフトフォーク10
5は、前記フォーク軸107上を左右動可能に外嵌され
ると共に、図示せぬ操作手段に連結連動されている。
【0045】さらに、筒体108の左方には、PTO出
力軸64への駆動力の断接を行うPTOクラッチ83が
設けられている。該PTOクラッチ83においては、右
側面に噛合歯を固設した摺動クラッチ爪134が、PT
O出力軸64にスプライン嵌合された上、押圧バネ11
1により、筒体108の左側端に固設したクラッチギア
135の噛合歯に係合する方向に付勢されており、さら
に、摺動クラッチ爪134には、フォーク109が嵌合
され、該フォーク109はミッションケース6に軸支さ
れる操作軸110に連結されている。そして、該操作軸
110には、PTOクラッチレバーを兼用する前記植付
昇降レバー77が連結連動されている。
【0046】ここで、摺動ギア132を左方に摺動し
て、摺動ギア132の左側面からの突出部132aを、
遊嵌ギア133に開口した受け孔部133aに係合する
と、それまで小径の前記第一ギア131aまたは第二ギ
ア131b→摺動ギア132→筒体108と伝達されて
きた駆動力は、大径の第三ギア131c→遊嵌ギア13
3→摺動ギア132→筒体108の順で伝達されるよう
になり、筒体108の回転速度を変速することができ
る。
【0047】そして、植付昇降レバー77を操作して摺
動クラッチ爪134を左方に摺動させることにより、該
摺動クラッチ爪134の噛合歯と前記筒体108のクラ
ッチギア135の噛合歯との係合を解除して、筒体10
8→クラッチギア135→摺動クラッチ爪134→PT
O出力軸64という動力伝達経路を切断可能として、P
TOクラッチ83を形成している。
【0048】次に、前記リアアクスルケース38に関す
る各種構成について、図13乃至図17により説明す
る。まず、リアアクスルケース38内における動力伝達
の詳細構成について説明する。図13に示すように、ク
ラッチ軸35の左右中央部にはボス部125が固設さ
れ、該ボス部125の外周面上には、前記従動スプロケ
ット126が固設されてチェーン80が巻回されると共
に、ボス部125の左右両側のクラッチ軸35には、摺
動ギア257がスプライン嵌合されている。該摺動ギア
257にはギア259が噛合され、該ギア259は、前
記減速ギア32を固設した中間軸31の内端部に固設さ
れている。
【0049】前記摺動ギア257には、ミッションケー
ス6上面に枢支した操作軸260に固設するフォークが
嵌合され、操作軸260上部に固設するアーム261を
回動操作することで、操作軸260が回動し、摺動ギア
257が摺動されるようにしている。摺動ギア257を
内側に摺動させると、摺動ギア257内側がボス部12
5内に係合されて動力が伝達され、後車輪駆動軸69が
駆動される。一方、摺動ギア257を外側に摺動させる
と、ボス部125と摺動ギア257との係合が外れ、動
力の伝達が離脱されると同時に、摺動ギア257の外側
端部に形設したパットと挟持体によって構成されるブレ
ーキ256が作動し、摺動ギア257の回動が制動され
て後車輪駆動軸69の回動が停止され、このような動力
断接機構と制動機構とから前記サイドクラッチ機構79
が形成されている。
【0050】このような構成において、前記主変速軸6
1からチェーン80を介して従動スプロケット126ま
で伝達されてきた駆動力は、従動スプロケット126→
ボス部125→サイドクラッチ機構79→ギア259→
中間軸31→減速ギア32→減速ギア33→後車輪駆動
軸69のように伝達される。
【0051】次に、リアアクスルケース38内の構造に
ついて説明する。ここで、図18(a)(b)に示すよ
うに、前述の如く、センターフロートを後方に退避する
必要がないようにするには、ミッションケース250下
方にセンターフロートのための空間を確保する方法が考
えられ、それには、中間軸253を左右に大きく延出さ
せてリアアクスル部251を門型にすればよい。しか
し、そのためには、中間軸253上の二連の中間ギア2
55も、非常に幅広の大きなギアで構成しなければなら
ず、部品コストのアップや、機体重量の増加が避けられ
ない、という問題があった。
【0052】これに対して、図13、図14に示すよう
に、前記中間軸31は、左中間軸23と右中間軸24の
2部材から構成されており、該左右の中間軸23・24
のいずれも、前記サイドクラッチ軸35よりも外側方に
延出されると共に、その延出端は、前記ファイナルケー
ス16前部の内壁に回動可能に枢支されている。そし
て、該延出端に前記減速ギア32が外嵌固設され、この
減速ギア32、及び減速ギア32と噛合する減速ギア3
3との占める分だけ後方に離間した位置に、前記後車輪
駆動軸69が横設されている。
【0053】このような構成により、リアアクスルケー
ス38は、左右中間軸23・24を内挿する側方延出部
263と、該側方延出部263の延出端から斜め下後方
に突設される後方延出部264とから形成されており、
平面視及び背面視で門型形状を呈している。さらに、該
後方延出部264側面の開口部には、前記減速ギア32
・減速ギア33が収納されると共に、外側方からは、中
間軸23・24、及び後車輪駆動軸69の外側端を軸支
する前記ファイナルケース16が覆設されている。
【0054】すなわち、機体の左右略中央に前後方向に
延出するミッションケース6を設け、該ミッションケー
ス6の前後部に各々フロントアクスル部であるフロント
アクスルケース37とリアアクスル部であるリアアクス
ルケース38とを設け、該フロントアクスルケース37
とリアアクスルケース38とを前記ミッションケース6
に一体的に形成した乗用田植機において、リアアクスル
ケース38内でサイドクラッチ軸35から後車輪駆動軸
69まで動力を伝達する中間軸31は、左右2分割に構
成すると共に、該左右の中間軸23・24は、ともに前
記サイドクラッチ軸35よりも外側方に延出させたの
で、中間ギアを大きくすることなく中間軸を側方に延出
させることができ、低コスト、かつ軽量な構成からなる
門型形状のリアアクスル部を製造できるのである。この
ような門型形状にすることにより、後述の如く、植付部
9を一定の高さに保持する均平用のセンターフロート9
7が、前記リアアクスル部下面による干渉を受けにくく
なり、植付部9を走行車両1に近接できるため、機体の
前後長を短くして機体の前後バランスを向上させること
ができる。更には、圃場が浅い場合でも、ミッションケ
ース6下面によって、センターフロート97前方が削ら
れることがなくなり、センターフロート97に設けた植
深さ調整用センサが作動せず誤った深さを検知すること
がなく、植深さ精度も向上するのである。
【0055】また、図13に示すように、左右の中間軸
23・24の間には、円筒状カラーなどの保持部材26
2が介設され、該保持部材262の両側端部の内周面に
はテーパ部262a・262aが形成されると共に、左
右中間軸23・24の保持部材側端部の外周面にもテー
パ部23a・24aが形成されており、左右中間軸23
・24の内側端が保持部材262に挿嵌されて保持可能
な構成となっている。同時に、この挿嵌部には、ギア2
59の内側凹部が外嵌されており、ギア259も保持部
材262により支持可能な構成となっている。
【0056】このような構成において、リアアクスルケ
ース38を組み立てる場合、左右の中間軸23・24が
なくとも、左右二つ割りのリアアクスルケース38間に
保持部材262を介装し、該保持部材262にギア25
9を外嵌・支持すると共に、後車輪駆動軸69や減速ギ
ア33などを装着するといったことができ、組み立て時
の自由度が大きく向上する。
【0057】すなわち、前記左右の中間軸23・24間
には保持部材262を設け、該保持部材262と中間軸
23・24に渡って中間ギアであるギア259を設ける
ので、左右の中間軸23・24がなくとも、前記保持部
材262を用いてギア259を仮止めすることにより組
立が容易に行えるため、組み立て性が向上し、また、組
立後も、ギア259の倒れを確実に防止することがで
き、耐久性のアップを図ることができるのである。
【0058】さらに、前記保持部材262の左右端部
と、中間軸23・24の保持部材側端部には、嵌合可能
なテーパ262a・262a・23a・24aを形成す
るので、リアアクスルケース38とファイナルケース1
6との合わせ面の開口部から組み立てる際でも、各テー
パがガイドとなり、確実に中間軸23・24をリアアク
スルケース38内に挿設することができ、組み立て性が
一層向上する。
【0059】なお、交換が容易な中間軸23・24の内
側端近傍の外周面には、凹状の溝部280を形成し、中
間軸23・24の断面積を小さくすることにより、駆動
系における最弱部を設けている。これにより、たとえ急
激な負荷等が駆動系にかかった場合でも、該最弱部に応
力を集中させて優先的に破損を発生させることができ
る。なお、最弱部としては、本実施例のような溝部以外
に、穴やスリワリなどで軸断面を小さくした部分であっ
ても、あるいは、低強度の材料を用いた部分であっても
よく、実強度が低下すれば特に限定されない。
【0060】すなわち、容易に交換可能な部位の軸であ
る中間軸23・24に駆動系の最弱部である溝部280
を意図的に設けたので、急激な負荷等による駆動系の破
損位置を自在に制御することができ、また、その最弱部
を設ける部品を容易に交換可能とすることにより、駆動
系の不要な強度アップを避け、部品の軽量化、コストダ
ウン、及び破損時のメンテナンス性や修理性を大きく向
上させることができるのである。
【0061】また、図13、図14に示すように、ミッ
ションケース6は左右二つ割りに構成され、各半割りミ
ッションケース6a・6bは、いずれもアルミダイカス
ト法で製造される。ここで、アルミダイカスト法とはア
ルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯を金型に加圧注
入して鋳物を得る精密鋳造法の一種であり、寸法が正確
で仕上げがほとんど不必要、かつ機械的性質が優秀で、
大量生産に適するという特徴を有する。そして、前記半
割りミッションケース6a・6bにおいては、前記側方
延出部263内に上下方向に隔壁265を設け、該隔壁
265により側方延出部263内を前室263aと後室
263bとに分割可能な構成としている。
【0062】このような構成により、半割りミッション
ケースの金型の湯口から注入された溶湯は、分割されて
狭くなった前室263a・後室263b内を、途中で途
切れることなく隅々まで流入していくため、巣・偏析な
どの欠陥や未凝固部などのない健全な鋳物が得られるの
である。
【0063】すなわち、機体の左右略中央に前後方向に
延出するミッションケース6を設け、該ミッションケー
ス6の前後部に各々フロントアクスル部であるフロント
アクスルケース37とリアアクスル部であるリアアクス
ルケース38とを設け、該フロントアクスルケース37
とリアアクスルケース38とを前記ミッションケース6
に一体的に形成した乗用田植機において、アルミダイカ
ストにより製造したミッションケース6を用いると共
に、リアアクスルケース38には、該リアアクスルケー
ス38の左右延出部である側方延出部263内を分割可
能な隔壁265を設けたので、ミッションケース6をア
ルミダイカストで製造時の湯回り性が大きく改善され、
巣・偏析などの欠陥や未凝固部のない健全なミッション
ケース6を得ることができる。
【0064】更に、門型に形成したリアアクスルケース
38の門型の内側には補強部材266が設けられてい
る。即ち、前記側方延出部263と後方延出部264の
内側面間、詳しくは、中間軸23・24と後車輪駆動軸
69の軸心を通る面に、平面視L字状に構成したプレー
ト状の補強部材266が介設されている。該補強部材2
66は、ミッションケース6の左右中央部ほど前後幅を
狭くして、センターフロート97を干渉しにくくしてい
る。このように補強部材266を設けることで、側方延
出部263と後方延出部264間の連結を強化し、門型
形状のリアアクスルケース38全体の剛性を高めてい
る。但し、側方延出部263と後方延出部264を斜め
にリンク等で連結した補強構成とすることもできる。
【0065】すなわち、前記リアアクスル部であるリア
アクスルケース38の門型内側部には、補強部材266
を設けるので、門型形状のリアアクスルケース38の強
度を確保することができ、過負荷によるリアアクスルケ
ース38の破損や変形などのトラブルを防止することが
できるのである。
【0066】次に、リアアクスルケース38とセンター
フロート97との位置関係について説明する。図15、
図16に示すように、前記植付伝動フレーム92は、左
右平行に前後方向に配置した伝動パイプ268・269
と、十字型管継ぎ手270・271を介して連結する横
連結パイプ272からなり、このうちの左側伝動パイプ
268の前部に配置する十字型管継ぎ手270の側面に
は、前上方向きに支持プレート273が突設されるとと
もに、横連結パイプ272の右側前部より前上方向きに
支持プレート274が前記支持プレート273と平行に
突設され、更に横連結パイプ272の左右中央部より前
方にローリング支点軸17を嵌合する連結部材275が
配設されて、連結部材275は前記ヒッチ94に左右回
動可能に連結されている。
【0067】そして、植付伝動フレーム92の下部に
は、支点軸267が左右のサイドフロート98・99の
幅に合わせて横設され、該支点軸267は両側をU字状
に構成した図示せぬ取付プレートの凹部に嵌合され、該
取付プレートの上端が、前記支持プレート273・27
4の下部にボルト等で固定され、支点軸267が植付伝
動フレーム92に支持されている。
【0068】該支点軸267より前方には、操作アーム
276が突出され、操作アーム276の後端部より上方
に向かって植深さ設定レバー277が設けられており、
オペレーターが植深さ設定レバー277を操作し易く、
容易に調整できるようにしている。さらに、支点軸26
7の適所位置より後下方の各フロートの後部に向けて支
持アーム278・278・・・が突設され、該支持アー
ム278・278・・・の後部に各フロートの後部が枢
支されている。このうちのセンターフロート97の前部
上には、植付部と田面間の距離を検知するためのセンサ
ーリンク279が配置され、操作アーム276と支持さ
れており、該センサーリンク279に接続された図示せ
ぬセンサによって、植深さを検出し調整できるようにし
ている。
【0069】そして、図17に示すように、このような
構成よりなるセンターフロート97の前端は、ミッショ
ンケース6の後端に位置する後車輪駆動軸69の下方に
位置するようにしている。このような配置構成とするた
めに、前記昇降リンク機構10のトップリンク11とロ
ワーリンク12の長さは従来よりも短く構成すると共
に、リアアクスルケース37を、前述の如く、平面視及
び背面視で門型形状とし、リアアクスルケース38の後
下部6cには、センターフロート97の低位置58から
高位置59までの昇降軌跡30が重ならないようにして
いる。
【0070】このような構成により、植付部9を昇降し
た時にはセンターフロート97前端は、リアアクスルケ
ース38を回避してその後部に近接して昇降させること
ができ、センターフロート97を、従来のように大きく
後方に退避する必要がない。さらに、前述したように、
このリアアクスルケース38の後方延出部264の外側
面には開口部を設け、該開口部には、外側方より、中間
軸23・24、及び後車輪駆動軸69の外側端を軸支す
るファイナルケース16が覆設する構成としている。
【0071】すなわち、機体の左右略中央に前後方向に
延出するミッションケース6を設け、該ミッションケー
ス6の前後部に各々フロントアクスル部であるフロント
アクスルケース37とリアアクスル部であるリアアクス
ルケース38とを設け、該フロントアクスルケース37
とリアアクスルケース38とを前記ミッションケース6
に一体的に形成した乗用田植機において、リアアクスル
ケース38を平面視及び背面視で門型形状に形成したの
で、植付部9を一定の高さに保持する均平用のセンター
フロート97が、前記リアアクスル部下面による干渉を
受けにくくなり、植付部9を走行車両1に近接できるた
め、機体の前後長を短くして機体の前後バランスを向上
させることができる。更に、圃場が浅い場合でも、ミッ
ションケース6下面によって、センターフロート97前
方が掘削されることがなくなり、センターフロート97
に接続した植深さ調整用センサが圃場面を誤って検知す
ることがなく、植深さ精度も向上するのである。
【0072】また、リアアクスルケース38にはファイ
ナルケース16を設けたので、ファイナルケース16を
着脱するだけで、リアアクスルケース38内の中間軸2
3・24などの構成部材を機体側方から容易に組み立
て、あるいは分解できるようになり、メンテナンス性、
組み立て性が大きく向上するのである。
【0073】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏する。すなわち、請求項1のように、機
体の左右略中央に前後方向に延出するミッションケース
を設け、該ミッションケースの前後部に各々フロントア
クスル部とリアアクスル部とを設け、該フロントアクス
ル部とリアアクスル部とを前記ミッションケースに一体
的に形成した乗用田植機において、リアアクスル部を平
面視及び背面視で門型形状に形成したので、植付部を一
定の高さに保持する均平用のセンターフロートが、リア
アクスル部下面による干渉を受けにくくなり、植付部を
走行車両に近接できるため、機体の前後長を短くして機
体の前後バランスを向上させることができ、更には、圃
場が浅い場合でも、ミッションケース下面によって、セ
ンターフロート前方が掘削されることがなくなり、セン
ターフロートに接続した植深さ調整用センサが圃場面を
誤って検知することがなく、植深さ精度も向上するので
ある。
【0074】請求項2のように、機体の左右略中央に前
後方向に延出するミッションケースを設け、該ミッショ
ンケースの前後部に各々フロントアクスル部とリアアク
スル部とを設け、該フロントアクスル部とリアアクスル
部とを前記ミッションケースに一体的に形成した乗用田
植機において、リアアクスル部にファイナルケースを設
けたので、ファイナルケースを着脱するだけで、リアア
クスル部内の中間軸などの構成部材を機体側方から容易
に組み立て、あるいは分解できるようになり、メンテナ
ンス性、組み立て性が大きく向上するのである。
【0075】請求項3のように、機体の左右略中央に前
後方向に延出するミッションケースを設け、該ミッショ
ンケースの前後部に各々フロントアクスル部とリアアク
スル部とを設け、該フロントアクスル部とリアアクスル
部とを前記ミッションケースに一体的に形成した乗用田
植機において、アルミダイカストにより製造したミッシ
ョンケースを用いると共に、リアアクスル部には、該リ
アアクスル部の左右延出部内を分割可能な隔壁を設けた
ので、ミッションケースをアルミダイカストで製造時の
湯回り性が大きく改善され、巣・偏析などの欠陥や未凝
固部のない健全なミッションケースを得ることができ
る。
【0076】請求項4のように、請求項1又は請求項2
記載の門型に構成したリアアクスル部の門型の内側に補
強部材を設けるので、側方延出部と後方延出部間の連結
を強化し、門型形状のリアアクスル部全体の剛性を高め
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる乗用田植機の全体側面図であ
る。
【図2】同じく平面図である。
【図3】車体フレームへとミッションケースの概略斜視
図である。
【図4】エンジンとミッションケース間の概略斜視図で
ある。
【図5】ミッションケース全体の左側面図である。
【図6】ミッションケース前部の左側面図である。
【図7】ミッションケース後部の左側面図である。
【図8】ミッションケース全体の平面展開断面図であ
る。
【図9】ミッションケース前部の平面展開断面図であ
る。
【図10】ミッションケース後部の平面展開断面図であ
る。
【図11】ミッションケース前部における入力軸からP
TO出力軸までの動力伝達構成を示す平面展開断面図で
ある。
【図12】ミッションケース前部における副変速軸から
主変速軸までの動力伝達構成を示す平面展開断面図であ
る。
【図13】リアアクスル部の平面形状及び平面構造を示
すミッションケース後部の平面展開断面図である。
【図14】リアアクスル部の背面形状を示すミッション
ケースの背面図である。
【図15】フロート支持部の平面図である。
【図16】同じく側面図である。
【図17】植付部昇降時のセンターフロートの昇降軌跡
を示す植付部の側面図である。
【図18】従来の乗用田植機のリアアクスル部の構造を
示す説明図であり、(a)はリアアクスル部の側面図、
(b)は同じく平面図である。
【符号の説明】
6 ミッションケース 16 ファイナルケース 37 フロントアクスル部 38 リアアクスル部 263 延出部 265 隔壁 266 補強部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体の左右略中央に前後方向に延出する
    ミッションケースを設け、該ミッションケースの前後部
    に各々フロントアクスル部とリアアクスル部とを設け、
    該フロントアクスル部とリアアクスル部とを前記ミッシ
    ョンケースに一体的に形成した乗用田植機において、リ
    アアクスル部を平面視及び背面視で門型形状に形成した
    ことを特徴とする乗用田植機。
  2. 【請求項2】 機体の左右略中央に前後方向に延出する
    ミッションケースを設け、該ミッションケースの前後部
    に各々フロントアクスル部とリアアクスル部とを設け、
    該フロントアクスル部とリアアクスル部とを前記ミッシ
    ョンケースに一体的に形成した乗用田植機において、リ
    アアクスル部にファイナルケースを設けたことを特徴と
    する乗用田植機。
  3. 【請求項3】 機体の左右略中央に前後方向に延出する
    ミッションケースを設け、該ミッションケースの前後部
    に各々フロントアクスル部とリアアクスル部とを設け、
    該フロントアクスル部とリアアクスル部とを前記ミッシ
    ョンケースに一体的に形成した乗用田植機において、ア
    ルミダイカストにより製造したミッションケースを用い
    ると共に、リアアクスル部には、該リアアクスル部の左
    右延出部内を分割可能な隔壁を設けたことを特徴とする
    乗用田植機。
  4. 【請求項4】 前記門型に構成したリアアクスル部の門
    型の内側に補強部材を設けることを特徴とする請求項1
    記載の乗用田植機。
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