JP4439057B2 - コンバインの集稈装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインの後部に上下回動可能に排藁受部材を配置し、脱穀後の排藁を排藁受部材で集稈して、前記排藁受部材を駆動回動して放出する集稈装置の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンバインの後部、或いは、コンバイン後部に取り付ける排藁の集稈装置であって、略水平方向に突出して上下回動可能な受部材が排藁を受け止め、排藁が一定量に達すると、該受部材が下方に回動してこれを放出する構造のものが公知となっている。この受部材の回動構造は受部材をバネにて上方にのみ付勢し、受部材が受け止める排藁の重量が設定量以上になると、その重みがバネ付勢力に勝って、受部材が下方に回動し、これによって排藁を放出するというものであり、同一出願人による実願昭56−99955号或いは実願昭61−95182号に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような回動構造を有する集稈装置においては、排藁を放出した後の受部材の元の位置への復帰に問題が生ずることがある。例えば、集稈量を少なくしたいときには、わずかな排藁量で受部材が下方へ回動するようにバネの付勢力を弱くするが、この付勢力を弱くすると、放出が行われて下方から上方へ受部材が復帰するときの動作が緩慢となる。つまり、下方へ回動した放出位置からもとの位置に戻るまでの時間が長くなるので、排藁は固まって落ちずだらだらと引きずる如く落ちて回収するときに再び集める必要が生じてくる。また反対に、排藁を多く集稈する場合や湿った排藁を集稈する場合には、バネの付勢力を強めるが、受部材の下方から上方への復帰力が強いために藁を放出しきっていないのに、受部材が復帰を始め、藁を載置したまま上方への回動が始まって集稈量が一定とならなかったり、上方へ回動して戻った位置で停止したときに、その反動で受部材上に落ちてきた藁をはね上げて集稈姿勢を崩すことがあったのである。
【0004】
このような実状に鑑み、受部材の復帰を強制的に行わせるようにした技術が、同一出願人による実願平5−63529により公知となっおり、モーターにより駆動する構成としていた。しかし、このような構造は一般的にコスト高になることが多く、電動のモータの場合は、受部材の復帰を知らせるセンサーなどが必要となる。また、コンバインのエンジンなどから駆動をとった場合は、その回転数と集稈装置の回転数に大きな開きがあることが多いため、減速の手段をとらなけれはならない。ところが、その構造はスペースをとり、やはりコスト高にならざるを得ない。本発明においては、コンバインのエンジンなどから集稈装置を強制作動させるための駆動源をとり、その伝達機構(減速機構)を低コストで実現するものとした。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、コンバインの後部に上下回動可能に排藁受部材(2)を配置し、脱穀後の排藁を該排藁受部材(2)で集稈して放出する集稈装置(30)であって、駆動源からの動力を間欠駆動機構を介して、排藁受部材回動機構(31)に伝える構成とし、該間欠駆動機構は、駆動源からの動力により、伝動軸(12)上のディスク(13)を回転し、該ディスク(13)上にロッド(14)の一端を枢結し、該ロッド(14)の他端をアーム体(17)の先端に枢結し、該アーム体(17)の回動基部であるボス部(17a)にワンウェイクラッチ(16)を設け、該ワンウェイクラッチ(16)を介して間欠回転軸(7)を間欠回転し、該間欠回転軸(7)の他端にカム(6)を固設し、該カム(6)の外周に、アーム体(8)の先端のローラー(10)を接当させ、該カム(6)によりアーム体(8)を上下に回動させ、該アーム体(8)のボス部(8s)に集稈軸(3)を固設して、前記集稈軸(3)により該排藁受部材(2)を上下動させるものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載のコンバインの集稈装置において、前記集稈軸(3)は排藁受部材(2)を固設したパイプ軸(3b)と、該パイプ軸(3b)に内嵌して回転自在とした支持軸(3a)とにより構成し、該支持軸(3a)は側板(9)を貫通し、該支持軸(3a)に前記アーム体(8)を固設し、前記支持軸(3a)に固設したアーム(3d)と側板(9)との間には、バネ(20)を介装し、該バネ(20)により、該アーム体(8)のローラー(10)を、カム(6)に常時接当する方向に付勢したものである。
請求項3においては、請求項2記載のコンバインの集稈装置において、該支持軸(3a)に固設したアーム(3d)と、前記パイプ軸(3b)に固設した別のアーム(3c)との間に、設定荷重以上の負荷がかかると折れる部材を介装し、該部材を介して、支持軸(3a)の往復回動をパイプ軸(3b)に伝達するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を添付の図面を用いて説明する。図1は本発明の集稈装置の斜視図、図2は同じく排藁受部材を下降させた状態の斜視図、図3は変速装置の斜視図、図4は集稈軸の支持部の斜視図、図5は排藁受部材の他の実施例を示す斜視図、図6は排藁受部材の他の実施例を示す斜視図、図7は排藁受部材の取付基部の拡大図である。
【0008】
図1、図2は本発明による集稈装置30の一例を示している。集稈装置30は、コンバイン本体の後部に配設される排藁処理装置としてのカッター装置1の後面に配設される。但し、排藁処理装置はカッター装置に限定されるものではなく、結束装置等であっても構わない。
【0009】
集稈装置30は集稈軸3が側板9・9間に回転自在に左右方向に横架されて、該集稈軸3より後水平方向に排藁受部材2・2・・・が互いに平行に突設され、脱穀装置で脱穀された後の排藁が、排藁チェーン4によって後方へ搬送されて、カッター装置1で切断しないように切り換えた状態とした場合に、排藁受部材2・2・・・上に落下する。そして、ある程度の落下量または時間が経過すると、後述する排藁受部材回動機構31を介して集稈軸3が回動されて、その結果排藁受部材2・2・・・は図中A方向に回動されて、排藁を圃場面上に落下させるのである。排藁が落下後、集稈軸3が元の位置に復帰し、排藁受部材2も元の位置に戻り、再び落下してくる排藁を再び受けるようになるのである。
【0010】
まず、集稈装置30の動力伝達構成から説明する。集稈装置30の排藁受部材2を上下回動するために、駆動源となるエンジンより排藁処理装置に伝えられた動力を伝達して駆動する。前記左右一側の側板9の上部にはベアリングを介して伝動軸12が回転自在に支持され、該伝動軸12上に入力プーリー5が固設され、ベルト11を介して動力が伝達される。26はクラッチレバーであり、該クラッチレバー26を回動することにより、テンションアーム27が回動されて、テンションプーリー28がベルト11を緊張または解除して、動力の断接を可能としている。該入力プーリー5への動力源としては、モーター等による駆動が考えられるが、新たにモーターを設置するためにコスト高の要因となる。従って、コンバインが本来備えているエンジンからの動力を入力プーリー5に伝えることとする。但し、エンジンの出力回転数は一般的に毎分数千回転の高速回転であるため、集稈装置の回転に必要な毎分数十回転の低速回転に減速する必要がある。
【0011】
即ち、前記伝動軸12の他端には、図3に示すように、側板9の内側においてディスク13が固設され、該ディスク13上にリンクボール等を介してロッド14の一端を連結し、クランク運動する構成としている。前記ロッド14他端は下方に延設されて、アーム体17の先端に枢結され、該アーム体17はボス17aとアーム17bで構成され、該ボス17aは回動基部となり、内径部にワンウェイクラッチ16を内装し、該ワンウェイクラッチ16の内径部に軸7が挿入されている。該軸7は側板9を貫通してベアリングを介して回転自在に支持され、該軸7の外端にカム6を固設している。
【0012】
次に、排藁受部材回動機構31の構成について説明する。前記集稈軸3は側板9・9に回転自在に支持されており、一端は側板9を貫通して、図1に示すように、外端部にアーム体8を固設している。該アーム体8はボス8aとアーム8bからなり、該アーム8bの回動基部側にボス8aを配置し、該アーム8bは前方、つまり、排藁受部材2と反対方向に延設して、その先端にローラー10が回転自在に配置されている。該ローラー10は前記カム6の下方に位置され、該カム6の外周がローラー10に当接されるように配設されている。よって、排藁受部材2・2・・・の自重によって下方回動すると、ローラー10は上方へ回動し、常時カム6に当接するのである。なお、この方法でカム6からローラー10に確実に当接しない事態が生じる場合にはバネ等の付勢部材を用いて強制的に当接力を加える構成とすることもできる。
【0013】
このバネにより付勢する実施例を図4より説明する。集稈軸3を端部の支持軸3aと該支持軸3aに外嵌するパイプ軸3bより構成し、互いに回転自在に連結されている。該支持軸3aは側板9を貫通して外側で、前記アーム体8を固設し、内側でアーム発明が突設されている。また、パイプ軸3bの端部より前記アーム3dの方向に合わせてアーム3cが突設されている。そして、このアーム3c・3dにはそれぞれピン孔が開口されて、リベット22によって連結されて、動力が伝達されるようにしている。但し、リベット22の代わりにピンまたはボルト等を用いることも可能であり、ボルト・ナットにより固定することでガタつきがなく組立も容易にすることができる。また、一定以上の負荷がかかると折れるような材質とすることで、設定荷重以上の負荷がかかると折れて、損傷を防止する作用をもたせることもできる。そして、このリベット22を外すことによりパイプ軸3bは回動自在となり、排藁受部材2を上昇回動位置、または、下方回動位置の収納位置に位置させることができる。
【0014】
そして、図4において、集稈軸3には捩じりバネ20が外嵌されて、該捩じりバネ20の一端が側板9に固定された金具23に係止され、他端が前記アーム3cまたは3dに係止される。即ち、金具23は側板9の内側より突設され、該側板9に回動可能に取り付けられている集稈軸3はアーム3cまたはアーム3dを介して図3におけるB方向に付勢される。この方向は図1に示すA方向と一致し、この方向への付勢力はカム6に対するローラー10の当接力を上げる方向となる。
【0015】
また、このように強制的に集稈軸3を回動付勢することは次のような効果をもたらす。即ち、従来のバネによる設定重量で放出する構成では、排藁受部材2が下降回動して藁を圃場に放出したとき、排藁受部材2には急に負荷(藁の重み)が消滅したことによる反動が生じ、上側へ回動しようとしたり、上端で振動等が生じてその動作が不確実となることがあるが、常時下方へ付勢して負荷の開放状態がないことによってその反動を消滅または減少させることができるのである。更に、実施例ではストッパーボルト21とストッパーボルト25を設けている。これらストッパーに集稈軸3に固設したアーム3cまたは3dを当接させることにより、集稈軸3のオーバーラン等を防止し、回動範囲を制限している。
【0016】
次に、図1において動力伝達について説明する。駆動源からの動力は、ベルト11により入力プーリー5に伝えられ、軸12を介して図3のディスク13を回転させる。該ディスク13に枢支されたロッド14はディスク13の回転運動を往復運動に変えて、アーム体17を往復運動させる。該アーム体17は軸7を回動させようとするが、ワンウェイクラッチ16が介装されているためロッド14が一方向に回動したときのみ軸7を回転させるのである。
【0017】
この軸7の回転は、前記ロッド14が一方向に動作したときのみ、ワンウェイクラッチ16により回転するため間欠の回転運動となる。また、一回の間欠運動により軸7が回転していく角度はロッド14のアーム体17に対するその取付け位置で決定される。即ち、ロッド14の往復ストロークは一定であるので、ロッド14のアーム体17への取付位置がアーム体17に対して大きなアーム回転半径となっているときは、その動きは軸7への回転角度としては小さなものになり、一回の間欠運動では軸7はわずかしか動作しないことになる。反対に、ロッド14のアーム体17への取付位置がアーム体17に対して小さなアーム回転半径となっているときにはその動きは軸7の回転角度としては大きなものとなり、一回の間欠運動でも軸7を大きく動作させることができる。例えば、図3において、ロッド14を孔17−1に取り付ければ軸7の一回の間欠運動は小さな角度となり、ロッド14を孔17−2に取り付ければ軸7は一回の間欠運動で大きな角度で回転することになる。
【0018】
このように駆動伝達経路に、クランク機構とロッド14とアーム体17とワンウェイクラッチ16を用いることによって、往復運動を間欠回転運動として減速することが可能となり、そして、減速装置を構成するとともに、ロッド14とアーム体17の取付位置を変更することによって減速幅を変更でき、変速装置29も同時に構成することができるのである。なお、間欠駆動機構を本実施例ではワンウェイクラッチを用いているが、結果として従動側に間欠的な駆動を連続的に与えられ、減速ができるものであればワンウェイクラッチに限定するものではなく、割り出し機構等で構成することもできる。
【0019】
そして、この間欠運動は連続的に軸7に与えられることで、トータル的に減速されることになり、この減速幅はロッド14とアーム体17の取付位置を変更することで行えるのである。よって、変速装置29を歯車やプーリー等を用いれば、コスト、部品点数、スペース等いずれも大きなものとなってしまうが、ロッドとワンウェイクラッチとアームの構成なので、安価で容易に構成することができるのである。
【0020】
前記軸7に減速機構で減速された動力がカム6に伝えられ、該カム6の回転によって、該カム6に当接したローラー10が上下方向の往復運動となる。該カム6は図1、図2に示すように、略扇形で重心より偏心した位置に回転軸心があり、半径が大なる外周部Vと半径が小なる外周部Yを有し、ローラー10が外周部Vに当接している間は図1に示すように、排藁受部材2は略水平方向に位置して、コンバインから排出される排藁を受け止めて溜める。
【0021】
そして更にカム6が回転されて、半径が小なる外周部Yにローラー10が当接するようになると、図2に示すように、排藁受部材2は下降回動されて、排藁が圃場に落下して放出される。そして、最小径部を通過すると半径が徐々に大きくなり、排藁受部材2は上昇回動されて前記の略水平の元の位置に戻されるのである。なお、排藁受部材2を略水平位置に維持するためにカム6の半径が大なる外周部Vは同一半径とし、半径が小なる外周部Yとの間の過渡部は徐々に半径が変化するようにして、滑らかに排藁受部材2が昇降回動するように構成し、そして、常にローラー10がカム6と当接させるようにすることで、排藁受部材2を強制的に回動するようにしている。
【0022】
また、確実な排藁の落下については十分な落下のための時間が必要であるが、落下させるときに排藁受部材2が最下降位置で静止することと、排藁受部材2の迅速な下降上昇とは相反する動作であるから、それを同時に達成させることは難しい。そこで、本発明においては、排藁受部材2の形状を工夫することにより、排藁の落下時の摩擦抵抗を小さくし、また、排藁受部材2を弾性体で構成したものである。
【0023】
即ち、排藁受部材2は断面が円状で、鋼棒等の可撓性(弾性)材料で構成され、集稈軸3より突設したステー33に取り付けられており、図7に示すように、その両端は円弧状に曲げられており、一方の取付基部側2aはボルト32にてステー33に固定され、その近傍には回り止めのための捩じり部2bを形成して、前記ステー33先端をL字状に折り曲げた部分に捩じり部2bを係合するようにし、他方は直線状に後方へ延設して先端部2cを円弧状に折り曲げて排藁が落下するときに引っ掛からないようにしている。
【0024】
このような構成において、排藁受部材2が水平方向に位置しているときに排藁が落下して載置されて溜まり、カム6が回転されることにより、排藁受部材2が下降されると、一定量溜まった排藁はその自重によって排藁受部材2上をスベリ落ちていく。この時排藁受部材2の断面形状が円形であるため摩擦が少なく移動が速やかに行われ、その落下速度は排藁受部材2の下降速度よりも速いために確実に排藁は圃場面に落下する。そして、先端部2cは円弧状であるために引っ掛かることもなく略一定の姿勢で放出されるのである。
【0025】
また、排藁受部材2は弾性体で構成されているために、コンバインをバックさせたときに、誤って土手等の障害物に当たるようなことがあっても、変形するだけであり、排藁受部材2自身が有する弾性により吸収され、障害物から離れれば元に戻り、破損しにくい構成となっている。
【0026】
また、排藁受部材2は前述のような形状に限定するものではなく、図5に示すように、複数の短冊状の板部材34・34・・・を上下方向に向けながら集稈軸3より後方へ平行に延設して構成することもできる。なお、動力の伝達は集稈装置30’の回動中心となる鉛直方向の支持軸40上に歯車41を設け、入力プーリーより伝動軸やベベルギヤや歯車等を介して図示しないカムに動力を伝達する構成とし、ベベルギヤや歯車で減速するようにしている。また、図6に示すように、所定量の排藁を十分載置できるだけの面積を有する板部材35を集稈軸3より突設する集稈装置30”とすることもできる。なお、この実施例の動力伝達構成は入力軸からベベルギヤ、歯車、クランク機構等を介してカム6に動力を伝える構成としている。
【0027】
また、図5、図6に示す36・37は排藁の落下位置を牽制する部材であり、棒部材で構成している。この牽制部材36・37はコンバインの排藁の排出口上方より後下方の板部材34または35の後端部まで延設して、排藁が板部材34または35から落下しないようにせき止める。そして、板部材34または35が下方へ回動することによって一気に落下して、束の状態で圃場に放出されるのである。なお、この牽制部材36・37は前述した図1の構成にも適用できるものである。
【0028】
以上のように、エンジン等の駆動源から減速機構を介して集稈装置を駆動し、、排藁の落下を確実なものとすることができるのであるが、更に駆動源からの伝動機構において、車速と比例するように変速する構成とすることも可能である。即ち、コンバインが処理する藁の量はその車速に比例する。つまり、車速が速い場合穀稈の処理量も多くなり、排藁もそれに比例して増加する。よって、車速が速い場合には、その走行速度に合わせて集稈装置への入力回転も上げて処理を速くする。逆に、遅い場合には入力回転を下げるのである。これを実現させるために、例えば、駆動源と入力プーリーの間にベルト式無段変速装置を配置して、該無段変速装置の変速手段をワイヤー等を介して車速変速機構となる主変速レバーと連結するのである。但し、前記変速装置はベルト式無段変速装置に限定するものではなく、また、車速変速機構も主変速レバーに限定するものではない。また、車速に同調して駆動される刈取部より集稈装置に動力を伝達する構成とすることも可能である。また、当然ながら車速と無関係に集稈装置の処理を速くしたり遅くしたりすることもできる。
【0029】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、以下の効果を奏するものである。
請求項1に記載の如く、コンバインの後部に上下回動可能に排藁受部材(2)を配置し、脱穀後の排藁を該排藁受部材(2)で集稈して放出する集稈装置(30)であって、駆動源からの動力を間欠駆動機構を介して、排藁受部材回動機構(31)に伝える構成とし、該間欠駆動機構は、駆動源からの動力により、伝動軸(12)上のディスク(13)を回転し、該ディスク(13)上にロッド(14)の一端を枢結し、該ロッド(14)の他端をアーム体(17)の先端に枢結し、該アーム体(17)の回動基部であるボス部(17a)にワンウェイクラッチ(16)を設け、該ワンウェイクラッチ(16)を介して間欠回転軸(7)を間欠回転し、該間欠回転軸(7)の他端にカム(6)を固設し、該カム(6)の外周に、アーム体(8)の先端のローラー(10)を接当させ、該カム(6)によりアーム体(8)を上下に回動させ、該アーム体(8)のボス部(8s)に集稈軸(3)を固設して、前記集稈軸(3)により該排藁受部材(2)を上下動させるので、間欠駆動機構によって駆動源からの回転を減速することが可能となり、安価で簡単な機構で減速装置を構成することができて、排藁受部材回動機構を駆動することができる。また、集稈装置を強制的に駆動するようになり、集稈量の多少によって集稈姿勢が乱れたり、放出が乱れたりすることがない。
【0030】
請求項2に記載の如く、請求項1記載のコンバインの集稈装置において、前記集稈軸(3)は排藁受部材(2)を固設したパイプ軸(3b)と、該パイプ軸(3b)に内嵌して回転自在とした支持軸(3a)とにより構成し、該支持軸(3a)は側板(9)を貫通し、該支持軸(3a)に前記アーム体(8)を固設し、前記支持軸(3a)に固設したアーム(3d)と側板(9)との間には、バネ(20)を介装し、該バネ(20)により、該アーム体(8)のローラー(10)を、カム(6)に常時接当する方向に付勢し、強制的に集稈軸3を回動付勢することにより次のような効果をもたらす。
即ち、常にローラー10がカム6と当接させるようにすることで、排藁受部材2を強制的に回動するようにしている。
また、従来のバネによる設定重量で放出する構成では、排藁受部材2が下降回動して藁を圃場に放出したとき、排藁受部材2には急に負荷(藁の重み)が消滅したことによる反動が生じ、上側へ回動しようとしたり、上端で振動等が生じてその動作が不確実となることがあるが、常時下方へ付勢して負荷の開放状態がないことによってその反動を消滅または減少させることができるのである。
【0031】
請求項3に記載の如く、請求項2記載のコンバインの集稈装置において、該支持軸(3a)に固設したアーム(3d)と、前記パイプ軸(3b)に固設した別のアーム(3c)との間に、設定荷重以上の負荷がかかると折れる部材を介装し、該部材を介して、支持軸(3a)の往復回動をパイプ軸(3b)に伝達するので、設定荷重以上の負荷がかかると該部材が折れて、コンバインの集稈装置の損傷を防止する作用を持たせることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の集稈装置の斜視図である。
【図2】 同じく排藁受部材を下降させた状態の斜視図である。
【図3】 変速装置の斜視図である。
【図4】 集稈軸の支持部の斜視図である。
【図5】 排藁受部材の他の実施例を示す斜視図である。
【図6】 排藁受部材の他の実施例を示す斜視図である。
【図7】 排藁受部材の取付基部の拡大図である。
【符号の説明】
2 排藁受部材
29 変速装置
30 集稈装置
31 排藁受部材回動機構
Claims (3)
- コンバインの後部に上下回動可能に排藁受部材(2)を配置し、脱穀後の排藁を該排藁受部材(2)で集稈して放出する集稈装置(30)であって、駆動源からの動力を間欠駆動機構を介して、排藁受部材回動機構(31)に伝える構成とし、該間欠駆動機構は、駆動源からの動力により、伝動軸(12)上のディスク(13)を回転し、該ディスク(13)上にロッド(14)の一端を枢結し、該ロッド(14)の他端をアーム体(17)の先端に枢結し、該アーム体(17)の回動基部であるボス部(17a)にワンウェイクラッチ(16)を設け、該ワンウェイクラッチ(16)を介して間欠回転軸(7)を間欠回転し、該間欠回転軸(7)の他端にカム(6)を固設し、該カム(6)の外周に、アーム体(8)の先端のローラー(10)を接当させ、該カム(6)によりアーム体(8)を上下に回動させ、該アーム体(8)のボス部(8s)に集稈軸(3)を固設して、前記集稈軸(3)により該排藁受部材(2)を上下動させることを特徴とするコンバインの集稈装置。
- 請求項1記載のコンバインの集稈装置において、前記集稈軸(3)は排藁受部材(2)を固設したパイプ軸(3b)と、該パイプ軸(3b)に内嵌して回転自在とした支持軸(3a)とにより構成し、該支持軸(3a)は側板(9)を貫通し、該支持軸(3a)に前記アーム体(8)を固設し、前記支持軸(3a)に固設したアーム(3d)と側板(9)との間には、バネ(20)を介装し、該バネ(20)により、該アーム体(8)のローラー(10)を、カム(6)に常時接当する方向に付勢したことを特徴とするコンバインの集稈装置。
- 請求項2記載のコンバインの集稈装置において、該支持軸(3a)に固設したアーム(3d)と、前記パイプ軸(3b)に固設した別のアーム(3c)との間に、設定荷重以上の負荷がかかると折れる部材を介装し、該部材を介して、支持軸(3a)の往復回動をパイプ軸(3b)に伝達することを特徴とするコンバインの集稈装置。
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