JP3592221B2 - 刈取収穫機の排ワラ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱穀フィードチェーンの搬送終端部の下方位置に、脱穀処理後の排ワラを細断処理するシリンダカッターを配設してある刈取収穫機の排ワラ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の刈取収穫機の排ワラ処理装置では、脱穀フィードチェーンの搬送終端部を含む状態でシリンダカッターのワラ導入口の上側部を覆う上部カバーを固定状態で設け、この上部カバー内に、前記シリンダカッターのワラ導入口に供給される排ワラを受け止めて、上部カバーの後側板に形成されたワラ排出口を通して機体後方に放出案内する排ワラ放出姿勢と、ワラ導入口への排ワラの供給を許容する開放姿勢とに切替え操作自在な切替え部材、及び、脱穀フィードチェーンの搬送終端部から送出されてくる排ワラをシリンダカッターの掻込み作用領域内に送込み案内する送込み案内姿勢と、脱穀フィードチェーンの搬送終端部から離脱させた非案内姿勢とに揺動切替え自在な排ワラガイド杆を設けていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
排ワラを細断処理する場合には、排ワラガイド杆を送込み案内姿勢に、切替え部材を開放姿勢にそれぞれ設定することにより、シリンダカッターに対する安全性を確保しながら、脱穀フィードチェーンの搬送終端部から送出されてくる排ワラをシリンダカッターのワラ導入口を通して掻込み作用領域内に確実、スムースに移動案内することができる。
【0004】
また、排ワラを長稈のまま放出処理する場合には、排ワラガイド杆を脱穀フィードチェーンの搬送終端部から離間させた非案内姿勢に、切替え部材を排ワラ放出姿勢にそれぞれ切替えることにより、脱穀フィードチェーンの搬送終端部から送出されてくる排ワラを排ワラ放出姿勢にある切替え部材で受止めて、これを上部カバーの後側板に形成されたワラ排出口を通して機体後方に放出案内することができるから、排ワラ細断処理作業と長ワラ放出処理作業との切替えを、重量のあるシリンダカッターを一々取外すこと無く能率良く容易に行なうことができる。
【0005】
しかしながら、長ワラ放出処理作業時において、脱穀フィードチェーンの搬送終端部から送出される排ワラの一部が、脱穀フィードチェーンの搬送力で戻り経路側に巻込まれる可能性があり、このような現象が発生すると、戻り経路側に巻込まれる排ワラが、脱穀フィードチェーンの搬送終端部と排ワラ放出姿勢にある切替え部材との間に詰まり易くなる。
【0006】
特に、シリンダカッターに対する安全を確保するために、脱穀フィードチェーンの搬送終端部を含む状態でシリンダカッターのワラ導入口の上側部を覆う上部カバーが設けられている場合では、脱穀フィードチェーンの搬送終端部と排ワラ放出姿勢にある切替え部材との間で発生した排ワラ詰まり現象の発見が遅れ易く、その結果、排ワラの詰まり解除作業に多くの手間を要するばかりでなく、脱穀フィードチェーンや切替え部材等の変形、破損を招来し易い。
【0007】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、排ワラ細断処理作業と長ワラ放出処理作業との切替えを能率良く、容易に行なうことができるばかりでなく、長ワラ放出処理作業時における排ワラの詰まりに起因する脱穀フィードチェーンや切替え部材等の変形、破損を抑制するとともに、排ワラの詰まり解除作業も迅速、容易に行なうことのできる刈取収穫機の排ワラ処理装置を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1による特徴構成は、脱穀フィードチェーンの搬送終端部の下方位置に、脱穀処理後の排ワラを細断処理するシリンダカッターを配設し、このシリンダカッターのワラ導入口に供給される排ワラを受け止めて機体後方に放出案内する排ワラ放出姿勢と、ワラ導入口への排ワラの供給を許容する開放姿勢とに切替え操作自在な切替え部材を設けてある刈取収穫機の排ワラ処理装置であって、
前記切替え部材が排ワラ放出姿勢にあるとき、脱穀フィードチェーンの搬送終端部での排ワラの巻込みを、それに伴う切替え部材の変位をもって検知するセンサを設け、この巻込み検知センサの検出信号に基づいて少なくとも脱穀フィードチェーンの駆動を停止する制御手段を設けた点にある。
【0009】
〔作用〕
上記特徴構成によれば、前記切替え部材の切替え操作により、脱穀フィードチェーンの搬送終端部から送出されてくる排ワラをシリンダカッターのワラ導入口に供給する排ワラ細断処理作業と、脱穀フィードチェーンの搬送終端部から送出されてくる排ワラを排ワラ放出姿勢にある切替え部材で受止めて、これを機体後方に放出案内する長ワラ放出処理作業とに切替えることができる。
【0010】
しかも、長ワラ放出処理作業において、脱穀フィードチェーンの搬送終端部から送出される排ワラの一部が、脱穀フィードチェーンの搬送力で戻り経路側に巻込まれたとき、この排ワラの巻込みを、それに伴う切替え部材の変位をもって検知する巻込み検知センサの検出信号に基づいて制御手段が作動し、少なくとも脱穀フィードチェーンの駆動を停止することにより、脱穀フィードチェーンの搬送終端部と排ワラ放出姿勢にある切替え部材との間での排ワラの詰まりを初期の段階で停止させることができる。
【0011】
〔効果〕
従って、排ワラ細断処理作業と長ワラ放出処理作業との切替えを能率良く、容易に行なうことができるばかりでなく、長ワラ放出処理作業時における排ワラの詰まりに起因する脱穀フィードチェーンや切替え部材等の変形、破損を抑制するとともに、排ワラの詰まり解除作業も迅速、容易に行なうことができる。
そして、排ワラ細断処理作業と長ワラ放出処理作業とに切替えるための切替え部材が、排ワラの巻込みを検知するための検知部材として兼用構成されているから、巻込み検知センサ構造の簡素化と製造コストの低廉化を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1、図2は、刈取収穫機の一例である二条刈り軽量型コンバインを示し、これは、左右一対のクローラ走行装置Aを備えた機体Bの前部に、二条の植立穀稈を引起して刈取ったのち後方上方に向かって縦搬送する刈取部Cと、操縦塔D1及び運転座席D2を備えた操縦部Dとが左右方向に配備されているとともに、機体Bの前後方向中央部には、刈取部Cの縦搬送装置1から送られてくる刈取穀稈を扱口に沿って挾持搬送する脱穀フィードチェーン2を備え、かつ、脱穀された穀粒を機体の左右方向に沿って移送しながら選別処理するように構成された脱穀装置Eが配備され、更に、機体Bの後部には、脱穀フィードチェーン2の搬送終端部から送出されてくる脱穀処理済みの排ワラを細断処理する排ワラカッターの一例で、排ワラを二つ折りにした状態で細断処理するシリンダカッターFと、脱穀装置Eで脱穀処理された一番穀粒を袋詰めする籾処理部Gとが左右に配備されている。
【0013】
そして、図3、図4に示すように、前記シリンダカッターFのケーシング7の上側部に、脱穀フィードチェーン2の搬送終端部を含む状態でシリンダカッターFのワラ導入口8の上側部を覆う上部カバー3が、脱穀装置Eの後端上部に位置する左右方向の水平軸芯P周りで上下揺動操作自在に配設されていて、該上部カバー3を上方に移動させた開放姿勢に切替え操作したとき、上部カバー3の下端とケーシング7の天板7a上面との間に、脱穀フィードチェーン2の搬送終端部から左右方向に沿う水平姿勢又はそれに近い横向き姿勢で送出されてくる排ワラを長稈のまま機体後方に放出案内するための排ワラ放出通路を現出するように構成してある。
【0014】
また、前記上部カバー3で囲まれたケーシング7の天板7aの後端部には、シリンダカッターFのワラ導入口8を閉止した状態でこれに供給される排ワラを受け止めて機体後方に放出案内する排ワラ放出姿勢と、ワラ導入口8への排ワラの供給を許容する開放姿勢とに切替え操作自在で、かつ、開放姿勢にあるとき、上部カバー3の後側板3aに形成された開口3bを閉止可能なカバー状の切替え部材4が設けられ、更に、前記上部カバー3には、脱穀フィードチェーン2の搬送終端部から送出されてくる排ワラをシリンダカッターFのワラ導入口8を通して掻込み作用領域内に移動案内する排ワラガイド杆5が設けられていて、前記上部カバー3が開放姿勢に切替え操作されたとき、排ワラガイド杆5が脱穀フィードチェーン2の搬送終端部から離間した非案内姿勢になるように構成されている。
【0015】
前記脱穀フィードチェーン2は、脱穀装置Eの扱口の下側に沿って配設される挾持搬送チェーン2Aと、この挾持搬送チェーン2Aの上側挾持搬送部分に対向配置される複数の挾持レール2Bと、脱穀装置Eに設けた取付けフレーム6に対して各挾持レール2Bを上下方向の一定範囲内で移動自在に支持する支持杆2Cと、各挾持レール2Bを挾持搬送チェーン2Aの上側挾持搬送部分側に移動付勢する状態で支持杆2Cに装着される圧縮コイルスプリング2Dとから構成されている。
【0016】
前記シリンダカッターFは、図3〜図6に示すように、脱穀フィードチェーン2の搬送終端部の下方位置に配設されたケーシング7内に、該ケーシング7の天板7aに形成された排ワラ導入口8を通してほぼ水平姿勢又はそれに近い横向き姿勢で送込まれる排ワラを下方に掻込むための掻込みロッド9を備えた第1掻込みドラム10と、第1掻込みドラム10の掻込みロッド9とで排ワラを二つ折りにするための周溝11a及び多数の掻込み突起11bを備えた第2掻込みドラム11と、二本(一本又は三本以上であっても良い)の刃体12aを備えた回転切断具12と、該回転切断具12の刃体12aとによって二つ折りにされた排ワラを細断するための固定刃18とを配設して構成されている。
【0017】
また、図5、図6に示すように、前記第2掻込みドラム11の回転軸11Aを第1掻込みドラム10に対する遠近方向に沿ってケーシング7の側板7bに形成された長孔7cの範囲内で揺動自在に支承する揺動アーム13が設けられ、この揺動アーム13とケーシング7の側板7bとの間には、第2掻込みドラム11を第1掻込みドラム10に対して近接する側に移動付勢するコイルスプリング19が設けられているとともに、前記ケーシング7の天板7a上面が、脱穀フィードチェーン2の搬送終端部から送出されてくる排ワラを長ワラのまま機体後方下方に向かって滑降状態で放出案内可能な後方下がりの傾斜面に形成されている。
【0018】
図5、図6に示すように、前記シリンダカッターFの入力部となる回転切断具12の回転軸12Aに一体回転状態で設けられた第1スプロケット15Aと、第1掻込みドラム10の回転軸10Aに一体回転状態で設けられた第2スプロケット15Bと、揺動アーム13の揺動支点軸13Aに自由回転状態で設けられた第3スプロケット15Cと、ケーシング7の側板7bに固着の支軸15Dに対して自由回転状態で設けられた第4スプロケット15Eとに亘って、第1伝動チェーン15Fを巻回するとともに、第2掻込みドラム11の回転軸11Aには、第3スプロケット15Cに一体形成されたギヤ部15Gに噛合する受動ギヤ15Hを一体回転状態で設け、更に、前記第1掻込みドラム10の回転軸10Aに一体回転状態で設けられた第5スプロケット15Jと、シリンダカッターFの出力部となる回転出力軸15Kに一体回転状態で設けられた第6スプロケット15Lとに亘って第2伝動チェーン15Mを巻回して、シリンダカッターFの各構成部材をスリップのない状態で連動駆動する第1動力伝達機構15が構成されている。
【0019】
また、図3、図4、図6に示すように、前記脱穀装置Eの構成部材のうち、機体の左右方向に沿って選別風を発生する唐箕14の回転軸14Aから回転切断具12の回転軸12Aに動力を伝達する第2動力伝達機構16を設けるとともに、前記回転出力軸15Kから脱穀フィードチェーン2の入力部となる搬送終端側の入力軸2Eにスリップのない状態で動力を伝達する第3動力伝達機構17を設けて、脱穀装置Eの唐箕14からシリンダカッターFを経由して脱穀フィードチェーン2を駆動するように構成されている。
【0020】
前記第2動力伝達機構16は、ケーシング7の側板7bに固定された伝動ケース16A内に、回転切断具12の回転軸12Aに一対のベベルギヤ16Bを介して連動された機体の前後方向に沿う回転伝動軸16Cを設けるとともに、前記唐箕14の回転軸14Aに固着した駆動プーリー16Dと回転伝動軸16Cに固着した従動プーリー16Eとの間に亘って伝動ベルト16Fを巻回し、更に、前記伝動ベルト16Fに対するテンションプーリー16Gを設けて構成されている。
【0021】
前記第3動力伝達機構17は、脱穀フィードチェーン2の搬送終端部に位置する前記入力軸2Eに、挾持搬送チェーン2Aの搬送終端部を巻回するスプロケット2Fと、入力用のスプロケット17Aとを一体回転状態で設けるとともに、前記入力用スプロケット17Aとこれに相対向する回転出力軸15Kの中間部分に一体回転状態で設けられた出力用スプロケット17Bとに亘って伝動チェーン17Cを巻回して構成されている。
【0022】
そして、上述のようにシリンダカッターFを経由して脱穀フィードチェーン2を駆動することにより、例えば、シリンダカッターFでの単位時間当たりの細断処理量が増大して作業負荷が一時的に増大した場合、それに連れてシリンダカッターFでの単位時間当たりの細断処理能力が低下するが、このとき、シリンダカッターFを経由して動力を受けている脱穀フィードチェーン2の搬送速度も低下するため、該脱穀フィードチェーン2による排ワラ供給量が、シリンダカッターFの低下した細断処理能力に応じた供給量に自動的に修正される。
【0023】
従って、シリンダカッターFでの単位時間当たりの細断処理能力が一時的に低下した場合でも、その低下後の処理能力に対応した排ワラ供給量に自動的に修正して、詰まり発生を抑制した状態で能率良く細断処理することができるとともに、シリンダカッターFを介して脱穀フィードチェーン2を駆動するといった伝動系統の合理的な改造で済むから、例えば、シリンダカッターFの作業負荷の検出に基づいて脱穀フィードチェーン2の駆動速度を制御する場合に比して、製造コスト面で有利に実施することができる。
【0024】
前記上部カバー3は、図1、図2に示すように、機体後方及び排ワラの株元側に向かって開口形成されたメインカバー3Aと、このメインカバー3Aの株元側開口縁に揺動開閉自在に枢着されるサイドカバー3Bとからなり、前記メインカバー3Aは、図3、図4に示すように、脱穀装置Eの後部ブラケットに水平軸芯P周りで上下揺動自在に枢着された取付け基材3Cに固定されている。
【0025】
また、前記取付け基材3Cに枢支された左右方向に沿う支持軸20には、メインカバー3Aに形成された貫通孔を通してグリップ部21Aが上方に突出する開閉操作レバー21が取付けられ、この開閉操作レバー21には、脱穀装置E側の取付けフレーム6の後端部に設けた係止ピン22に係合して、上部カバー3を開放操作位置及び閉止操作位置で選択的に保持可能な操作ガイド孔23が形成されているとともに、前記係止ピン22が操作ガイド孔23の開放操作位置及び閉止操作位置に形成された係止孔部23a,23b内に係入する方向に開閉操作レバー21を揺動付勢する捻じりコイルバネ24が設けられている。
【0026】
前記排ワラガイド杆5のうち、上部カバー3の取付け基材3Cに設けたブラケット25にボルト・ナット等で固定される取付け基部5Aは、背面視で左右方向に沿う長円環状形に形成されていて、上部カバー3に対する左右方向での取付け位置を長円孔の範囲内で調節することができるように構成されているとともに、前記取付け基部5Aに連なる途中部分5Bは螺旋状(コイル状)に曲げ形成され、この螺旋部分5Bの捻じり弾性力を利用して、排ワラガイド杆5のガイド部分を、脱穀フィードチェーン2の搬送終端部から送出されてくる排ワラのボリューム変化に対してスムースに追従させながら弾性変位させることができるように構成されている。
【0027】
また、前記上部カバー3を開放姿勢に切替え操作すると、排ワラガイド杆5は、脱穀フィードチェーン2の搬送終端部から後方上方に上部カバー3と一体的に離間移動して、該排ワラガイド杆5の下端が切替え部材4の揺動切替え領域外に退避した非案内姿勢に変更される。つまり、切替え部材4の開放姿勢又は排ワラ放出姿勢への切替え揺動を許容する非案内姿勢に変更される。
【0028】
前記切替え部材4のうち、第1掻込みドラム10の回転に連れてそれの回転軸芯に対して径方向に偏芯した位置で回転しながら該第1掻込みドラム10の径方向に出入するように構成された前記掻込みロッド9に対応する部位には、切替え部材4が排ワラ導入口8を閉止する排ワラ放出姿勢にある状態で、排ワラ導入口8を通して外方に突出移動する掻込みロッド9の通過移動を許容する凸状の通過許容部4aが膨出形成されているとともに、前記切替え部材4の取付け基端部には、該切替え部材4を開放姿勢又は排ワラ放出姿勢に切替え操作するための操作レバー26が固着され、更に、前記ケーシング7の側板7bには、操作レバー26を開放操作位置又は排ワラ放出操作位置で係脱自在に挾持保持するレバー保持部材が設けられている。
【0029】
図3、図4、図7、図8に示すように、前記切替え部材4のうち、操作レバー26の取付け部よりも先端側部分は、脱穀フィードチェーン2の搬送終端部から送出されてくる排ワラがチェーン戻り経路側に巻込まれて、排ワラ放出姿勢にある切替え部材4と脱穀フィードチェーン2の搬送終端部との間の間隙に押込まれたとき、そのときの押込み力で下方に弾性変位可能に構成されているとともに、前記切替え部材4の弾性変位可能部位に対応した特定箇所には、脱穀フィードチェーン2の搬送終端部での排ワラの巻込みを、それに伴う切替え部材4の弾性変位をもって検知するセンサ28が設けられ、この排ワラ巻込み検知センサ28の検出信号に基づいて、少なくとも脱穀フィードチェーン2の駆動を停止する制御手段30の一例で、脱穀フィードチェーン2を含む全ての駆動源となるエンジン29を自動的に停止制御するエンジン自動停止装置が設けられている。
【0030】
そして、長ワラ放出処理作業において、脱穀フィードチェーン2の搬送終端部から送出される排ワラの一部が、脱穀フィードチェーン2の搬送力でチェーン戻り経路側に巻込まれたとき、この排ワラの巻込みを検知する排ワラ巻込み検知センサ28の検出信号に基づいてエンジン自動停止装置30が作動し、脱穀フィードチェーン2含めた全ての駆動を停止することにより、脱穀フィードチェーン2の搬送終端部と排ワラ放出姿勢にある切替え部材4との間での排ワラの詰まりを初期の段階で停止させることができる。それ故に、長ワラ放出処理作業時における排ワラの詰まりに起因する脱穀フィードチェーン2や切替え部材4等の変形、破損を抑制するとともに、排ワラの詰まり解除作業も迅速、容易に行なうことができる。
【0031】
〔その他の実施形態〕
(1) 上述の第1実施形態では、脱穀フィードチェーン2の搬送終端部での排ワラの巻込みを検知する排ワラ巻込み検知センサ28を、排ワラの巻込みに伴う切替え部材4の弾性変位をもって検知するように構成したが、この排ワラ巻込み検知センサ28の検知部を、切替え部材4に形成した貫通孔や切欠き部に臨ませたり、或いは、切替え部材4から外れた位置に配置して、脱穀フィードチェーン2の搬送終端部で巻込まれた排ワラを直接検知するように構成してもよい。
要するに、前記センサ28としては、脱穀フィードチェーン2の搬送終端部での排ワラの巻込みを検知することのできるものであれば、如何なる構造のものを使用してもよい。
(2) 上述の第1実施形態では、前記排ワラ巻込み検知センサ28の検出信号に基づいて、エンジン29を自動的に停止制御するエンジン自動停止装置30を作動させることにより、脱穀フィードチェーン2の駆動を停止させるように構成したが、前記排ワラ巻込み検知センサ28の検出信号に基づいて、脱穀装置Eの出力部からシリンダカッターFの入力部に動力を伝達する第2動力伝達機構16中に介装したクラッチを自動的に切り作動させるソレノイド等のアクチュエータを設けて、シリンダカッターF及び脱穀フィードチェーン2の駆動を停止させるように構成してもよい。
更に、前記排ワラ巻込み検知センサ28の検出信号に基づいて、シリンダカッターFの出力部から脱穀フィードチェーン2の入力部に動力を伝達する第3動力伝達機構17中に介装したクラッチを自動的に切り作動させるソレノイド等のアクチュエータを設けて、脱穀フィードチェーン2の駆動のみを停止させるように構成してもよい。
(3) 上述の第1実施形態では、シリンダカッターFの出力部から脱穀フィードチェーン2の入力部に動力を伝達する第3動力伝達機構17をチェーン伝動機構から構成したが、ギヤ伝動機構やタイミングベルト式伝動機構等の他の伝動機構から構成して実施してもよい。
(4) 上述の第1実施形態では、前記上部カバー3の閉じ姿勢と開放姿勢との切替え操作、及び、前記切替え部材4の開放姿勢と排ワラ放出姿勢との切替え操作を各別に行なうように構成したが、上部カバー3の閉じ姿勢への切替え操作に連動して切替え部材4を開放姿勢に切替え揺動させ、かつ、上部カバー3の開放姿勢への切替え操作に連動して切替え部材4を排ワラ放出姿勢に切替え揺動させるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すコンバイン全体の側面図
【図2】コンバイン全体の平面図
【図3】排ワラ細断処理作業時の要部の断面側面図
【図4】長排ワラ放出処理作業時の要部の断面側面図
【図5】排ワラ処理部の駆動系統を示す分解側面図
【図6】排ワラ処理部の駆動系統を示す展開背面図
【図7】排ワラ細断処理作業時の要部の斜視図
【図8】長排ワラ放出処理作業時の要部の斜視図
【符号の説明】
F シリンダーカッター
2 脱穀フィードチェーン
4 切替え部材
8 排ワラ導入口
28 排ワラ巻込み検知センサ
30 制御手段(エンジン自動停止装置)
Claims (1)
- 脱穀フィードチェーン(2)の搬送終端部の下方位置に、脱穀処理後の排ワラを細断処理するシリンダカッター(F)を配設し、このシリンダカッター(F)のワラ導入口(8)に供給される排ワラを受け止めて機体後方に放出案内する排ワラ放出姿勢と、ワラ導入口(8)への排ワラの供給を許容する開放姿勢とに切替え操作自在な切替え部材(4)を設けてある刈取収穫機の排ワラ処理装置であって、
前記切替え部材(4)が排ワラ放出姿勢にあるとき、脱穀フィードチェーン(2)の搬送終端部での排ワラの巻込みを、それに伴う切替え部材(4)の変位をもって検知するセンサ(28)を設け、この巻込み検知センサ(28)の検出信号に基づいて少なくとも脱穀フィードチェーン(2)の駆動を停止する制御手段(30)を設けてある刈取収穫機の排ワラ処理装置。
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