JP4438189B2 - 拡声通話システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅や事務所あるいは工場等で用いられるインターホンシステム、テレビドアホンシステム又は住宅情報盤システムのように複数の屋内通話端末及び屋外通話端末で構成される拡声通話システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、屋外に設置される1乃至複数の屋外通話端末(ドアホン子器)と、ドアホン子器に2線の信号線で接続され、屋内に設置される屋内主通話端末(インターホン親機)と、屋内に設置され、2線の信号線でインターホン親機と接続される屋内副通話端末(インターホン副親機)とで構成され、インターホン親機及びインターホン副親機はマイクロホン、スピーカ、音声スイッチを具備して、インターホン親機とドアホン子器、インターホン副親機とドアホン子器、インターホン親機とインターホン副親機、並びにインターホン副親機同士の各通話系で拡声通話を可能としたドアホンシステム(拡声通話システム)が従来より提供されている。この種の拡声通話システムでは、上述のような各通話系における通話音量を一定に保つことが望まれており、そのために音声信号を2線の信号線を介してベースバンド伝送方式で伝送する従来の多くの拡声通話システムにおいては、信号線上に挿入する損失の損失量を各通話系毎に切り換えるようにしている。
【0003】
図5は上記従来の拡声通話システムの一例を示す概略ブロック図である。インターホン親機10は、マイクロホン11及びスピーカ12と、マイクロホン11の出力(送話信号)を増幅するマイクロホン増幅器13と、スピーカ12への入力(受話信号)を増幅するスピーカ増幅器14と、2線の信号線とマイクロホン11及びスピーカ12がそれぞれ接続される各2線の通話路との間で2線から4線並びに4線から2線への変換を行う2線−4線変換回路15と、2線−4線変換回路15へ入力する送話信号を増幅する送話信号増幅器16と、2線−4線変換回路15から出力する受話信号を増幅する受話信号増幅器17と、音声スイッチ18と、2線−4線変換回路15をドアホン子器40とインターホン副親機30とに切り換えて択一的に接続する切換部19とを備えている。また、インターホン副親機30は切換部19を除いてインターホン親機10とほぼ共通の構成を有し、マイクロホン31、スピーカ32、マイクロホン増幅器33、スピーカ増幅器34、2線−4線変換回路35、送話信号増幅器36、受話信号増幅器37並びに音声スイッチ38を備えている。さらに、ドアホン子器40はマイクロホン41及びスピーカ42と、マイクロホン増幅器43と、スピーカ増幅器44と、2線−4線変換回路45とを備えている。
【0004】
インターホン親機10並びにインターホン副親機30が備える音声スイッチ18,38は、送話信号と受話信号の何れかの信号を減衰させて半二重通話とすることにより、スピーカ12,32からマイクロホン11,31への音の回り込み、および2線−4線変換回路15,35におけるインピーダンス不整合に因り生じる送話信号増幅器16,36から受話信号増幅器17,37への回り込み(反射)によるハウリングを抑圧するものであって、信号線に出力する送話信号を減衰する送話信号減衰器18aと、信号線から入力する受話信号を減衰する受話信号減衰器18bと、送話信号減衰器18aに入力する送話信号を分岐して所定の利得で増幅する第1の増幅器18cと、受話信号減衰器18bに入力する受話信号を分岐して所定の利得で増幅する第2の増幅器18dと、第1及び第2の増幅器18c,18dで増幅した送話信号並びに受話信号に基づいて通話状態(送話状態と受話状態)を判定するとともに判定結果に応じて送話信号減衰器18a並びに受話信号減衰器18bの利得を調整する判定制御部18eとを具備する。而して、判定制御部18eでは、第1の増幅器18cから出力する送話信号のレベルが第2の増幅器18dから出力する受話信号のレベルよりも高ければ送話状態と判定して受話信号減衰器18bの利得を減少させるとともに送話信号減衰器18aの利得を増大させ、反対に第1の増幅器18cから出力する送話信号のレベルが第2の増幅器18dから出力する受話信号のレベルよりも低ければ受話状態と判定して受話信号減衰器18bの利得を増大させるとともに送話信号減衰器18aの利得を減少させる。
【0005】
ここで、来訪者がドアホン子器40の具備する呼出釦を押操作するなどしてインターホン親機10の切換部19がドアホン子器40側に切り換えられ、インターホン親機10とドアホン子器40との間に信号線を介して通話系が形成された場合、インターホン親機10の音声スイッチ18が送話状態にあって送話信号減衰器18aの利得が最大、受話信号減衰器18bの利得が最小の状態にあるとき(図6参照)、インターホン親機10のマイクロホン11に入力される音響信号の音圧からドアホン子器40のスピーカ42前方約0.5mの点に生じる音圧への伝達利得をKTdとし、インターホン親機10の音声スイッチ18が受話状態にあって送話信号減衰器18aの利得が最小、受話信号減衰器18bの利得が最大の状態にあるとき、ドアホン子器40のマイクロホン41に入力される音響信号の音圧からインターホン親機10のスピーカ12前方約0.5mの点に生じる音圧への伝達利得をKRdとする。また、インターホン親機10の切換部19がインターホン副親機30側に切り換えられ、インターホン親機10とインターホン副親機30との間に信号線を介して通話系が形成された場合、インターホン親機10の音声スイッチ18が送話状態にあり且つインターホン副親機30の音声スイッチ38が受話状態にあるとき、インターホン親機10のマイクロホン11に入力される音響信号の音圧からインターホン副親機30のスピーカ32前方約0.5mの点に生じる音圧への伝達利得をKTfとし、インターホン親機10の音声スイッチ18が受話状態にあり且つインターホン副親機30の音声スイッチ38が送話状態にあるとき、インターホン副親機30のマイクロホン31に入力される音響信号の音圧からインターホン親機10のスピーカ12前方約0.5mの点に生じる音圧への伝達利得をKRfとする。
【0006】
さらに、ドアホン子器40において、マイクロホン41に入力される音響信号の音圧から2線−4線変換回路45を経て2線に変換された直後の点Aに生じる電圧への変換利得をGTd、インターホン親機10からの送話信号により点Aに生じる電圧からドアホン子器40のスピーカ42前方約0.5mの点に生じる音圧への変換利得をGRdとする。同様に、インターホン副親機30において、マイクロホン31に入力される音響信号の音圧から2線−4線変換回路35を経て2線に変換された直後の点Bに生じる電圧への変換利得をGTf、インターホン親機10からの送話信号により点Bに生じる電圧からインターホン副親機30のスピーカ32前方約0.5mの点に生じる音圧への変換利得をGRfとする。
【0007】
一般に、インターホン親機10とドアホン子器40の間の通話音量と、インターホン親機10とインターホン副親機40の通話音量とが略等しくなることが要求される。すなわち、KTd=KTf、KRd=KRfとなることが望まれる。一方、通常は上記各変換利得GTd,GTf,GRd,GRfの間には、GTd<GTf、GRd<GRfなる大小関係が存在する。
【0008】
そこで、従来の多くの拡声通話システムにおいては、インターホン親機10及びインターホン副親機30の2線−4線変換回路15,35と切換部19,39との間に損失Lo及びLfを各々挿入し、上記各変換利得GTd及びGTfと、GRd及びGRfの間の差を上記損失Lo及びLfの損失量を調整することで補正している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の多くの拡声通話システムにおいては、各通話系毎の通話音量を一定に保つことはできるものの、インターホン親機10およびインターホン副親機30における音声スイッチ18,38の切換特性(特に、ヒステリシス特性や通話反転特性)が通話系毎に異なってしまうという課題がある。その結果、例えば、インターホン親機10とドアホン子器40との間で行うドアホン通話においてはバランスよく音声スイッチ18が切り換わるが、インターホン親機10とインターホン副親機30との間で行う内線通話においては音声スイッチ18,38が片方向(受話方向又は送話方向)に倒れやすくなる等の不具合を生じることがあった。また、これを解決するがために、結果的にインターホン親機10とドアホン子器40との間のドアホン通話と、インターホン親機10とインターホン副親機30との間の内線通話とで通話音量を変えてしまうこともあった。
【0010】
このような課題を明確にするために、図7に示す拡声通話システムにおけるインターホン親機10の音声スイッチ18の動作を例として具体的に説明する。インターホン親機10の音声スイッチ18では、送話信号減衰器18aへの入力信号Tinを第1の増幅器18c(利得G1)により増幅した信号Tin’と、受話信号減衰器18bへの入力信号Rinを第2の増幅器18d(利得G2)により増幅した信号Rin’とに基づいて判定制御部18eが通話状態を判定し、判定結果に応じて送話信号減衰器18aおよび受話信号減衰器18bの利得を調整するものである。ここで、従来の拡声通話システムにおいては、第1の増幅器18c及び第2の増幅器18dの利得G1,G2は通話系に依らず、一定の値である。このような音声スイッチ18において、その切換性能はインターホン親機10のマイクロホン11に入力される音響信号の音圧から第1の増幅器18aに入力される電圧への変換利得ΓM、ドアホン子器40又はインターホン副親機30のマイクロホン41,31に入力される音響信号の音圧から第2の増幅器18dに入力される電圧への変換利得ΓRd,ΓRf、音声スイッチ18からスピーカ12及びマイクロホン11側をみたときの音響結合利得ζA、音声スイッチ18から回線(信号線)側をみたときの回線結合利得ζHd(ドアホン子器40との通話時)、ζHf(インターホン副親機30との通話時)により決定される(但し、ζHにはドアホン子器40及びインターホン副親機30における音響結合を経て帰還する系の利得も含まれる)。
【0011】
ここで、変換利得ΓMとΓRdとの差、およびΓMとΓRfとの差が主としてヒステリシス特性(通話バランス)を左右し、音響結合利得ζAと回線結合利得ζHd,ζHfが主として通話反転特性(交互通話時の音声スイッチ18の追従性)を左右する。すなわち、ΓRdとΓRfとに差があれば、インターホン親機10からみたときのドアホン子器40との通話時とインターホン副親機30との通話時とで音声スイッチ18のヒステリシス特性が異なり、ζHd,ζHfとに差があれば、インターホン親機10からみたときのドアホン子器40との通話時とインターホン副親機30との通話時とで音声スイッチ18の通話反転特性が異なる。一般に、インターホン親機10からドアホン子器40をみたときのインピーダンスとインターホン副親機30をみたときのインピーダンスが異なり、また、ドアホン子器40における音響結合利得とインターホン副親機30における音響結合利得が異なるため、ζHdとζHfは異なる値となる。したがって、通話反転特性はドアホン子器40との通話時とインターホン副親機30との通話時とでは異なり、その両方を最適化するような設計をすることができない(例えば、ドアホン子器40との通話時の通話反転特性を最適化するように音声スイッチ18の各パラメータを設計した場合、インターホン副親機30との内線通話時の通話反転特性に関しては最適化されない)。通話反転特性が極端に悪い場合にはブロッキングを生じてしまう。
【0012】
一方、前述したように、インターホン親機10からみたときのドアホン子器40とのドアホン通話時とインターホン副親機30との内線通話時とで通話音量が一定になるように設計された場合においては、インターホン副親機30の音声スイッチ18が送話状態であれば、ΓRd=ΓRfとなる。但し、ΓRfはインターホン副親機30の音声スイッチ18の状態により変化し、インターホン副親機30の送話信号減衰器18aと受話信号減衰器18bとの合計損失量(利得)をLf[dB]とすれば、ΓRfは以下の範囲をとりうる。
【0013】
ΓRd−Lf≦ΓRf≦ΓRd(単位はdB)(式1)
したがって、インターホン親機10の音声スイッチ18においては、ドアホン子器40とのドアホン通話時において通話バランスがよい状態(両端のマイクロホンに入力される音声信号のレベル差に応じて送話状態、受話状態のいずれかに片寄ることなく、均等に切り換わる状態)に設計されている場合、すなわち、
ΓM+G1=ΓRd+G2(単位はdB)(式2)
となるように第1及び第2の増幅器18c,18dの利得G1,G2が設計されている場合には、(式1)、(式2)の関係から、
ΓM+G1≧ΓRf+G2(単位はdB)(式3)
となる。したがって、この場合には、インターホン副親機30との内線通話時にインターホン親機10の音声スイッチ18が送話状態に倒れやすくなり、図8に示すようなヒステリシス特性になる。ここでは、一例としてインターホン親機10の音声スイッチ18に限って説明したが、インターホン副親機30の音声スイッチ38に関しても同様の課題があることはいうまでもない。また、インターホン副親機30の接続台数によってもΓRf,ζHfの値は異なる。
【0014】
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、音声スイッチの切換特性が通話系毎に異なることがなく、且つ各通話系における通話音量を一定に保つことが可能な拡声通話システムを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、屋内に設置される主通話端末、屋内に設置される1乃至複数の副通話端末、および屋外に設置される1乃至複数の屋外通話端末を2線の信号線で接続し、各通話端末間で信号線を介してベースバンド伝送方式により送話信号並びに受話信号からなる音声信号を伝送してなり、信号線に出力する送話信号を減衰する送話信号減衰手段と、信号線から入力する受話信号を減衰する受話信号減衰手段と、送話信号減衰手段に入力する送話信号を分岐して所定の利得で増幅する第1の増幅器と、受話信号減衰手段に入力する受話信号を分岐して所定の利得で増幅する第2の増幅器と、第1及び第2の増幅器で増幅した送話信号並びに受話信号に基づいて通話状態を判定するとともに判定結果に応じて送話信号減衰手段並びに受話信号減衰手段の利得を調整する判定制御手段とを具備する音声スイッチが主通話端末並びに副通話端末に設けられた拡声通話システムにおいて、主通話端末又は副通話端末の少なくとも何れか一方と他の通話端末との間に音声信号が送受信される通話系が形成される際に主通話端末又は副通話端末の音声スイッチが具備する第1及び第2の増幅器の利得を当該通話系に対して予め設定された適値に調整する通話制御手段を備え、集音した音を送話信号として出力するマイクロホンと、受話信号に応じて鳴動するスピーカと、2線の信号線とマイクロホン及びスピーカがそれぞれ接続される各2線の通話路との間で2線から4線並びに4線から2線への変換を行う2線−4線変換手段と、2線−4線変換手段に入力する送話信号を増幅する第3の増幅器と、スピーカに入力する受話信号を増幅する第4の増幅器とが主通話端末及び副通話端末に設けられ、主通話端末又は副通話端末の少なくとも何れか一方と他の通話端末との間に音声信号が送受信される通話系が形成される際に主通話端末又は副通話端末の通話制御手段が第3及び第4の増幅器の利得を当該通話系に対して予め設定された適値に調整することを特徴とし、主通話端末又は副通話端末の少なくとも何れか一方と他の通話端末との間に音声信号が送受信される通話系が形成される際に、通話制御手段にて主通話端末又は副通話端末の音声スイッチが具備する第1及び第2の増幅器の利得を当該通話系に対して予め設定された適値に調整するため、音声スイッチの切換特性が通話系毎に異なることがなく、且つ各通話系における通話音量を一定に保つことが可能となる。さらに、各部に入力される送話信号並びに受話信号のレベルを各通話系毎に細かく調整することができるため、各通話系毎の通話音量、通話バランス並びに通話反転特性にばらつきをなくし、且つブロッキングに対するマージンを所望の値に設定することができる。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記適値を記憶する電気的に書き換え可能な不揮発性の記憶手段を主通話端末及び副通話端末に設けたことを特徴とし、主通話端末と副通話端末の筐体形状が異なる場合においても両端末で通話制御手段等を共通化することができ、加工費等のコストを低減できる。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、屋外に設置され来訪者を撮像するテレビカメラを有する1乃至複数のカメラ付き屋外通話端末が信号線を介して主通話端末に接続され、カメラ付き屋外通話端末ではテレビカメラで撮像した映像信号を変調し音声信号と多重化して信号線に送出し、主通話端末にはモニタが設けられ信号線を介して受信した映像信号を復調しテレビカメラで撮像された映像をモニタに映し出すとともに、屋外通話端末並びにカメラ付き屋外通話端末の動作電源を信号線に重畳して主通話端末から伝送し、集音した音を送話信号として出力するマイクロホンと、受話信号に応じて鳴動するスピーカと、2線の信号線とマイクロホン及びスピーカがそれぞれ接続される各2線の通話路との間で2線から4線並びに4線から2線への変換を行う2線−4線変換手段とを屋外通話端末並びにカメラ付き屋外通話端末に具備し、屋外通話端末並びにカメラ付き屋外通話端末の2線−4線変換手段における整合インピーダンスが略等しい値に設定されてなり、主通話端末から屋外通話端末並びにカメラ付き屋外通話端末をみたときのベースバンド帯域における両者のインピーダンスを略等しくする疑似負荷を屋外通話端末が具備する2線−4線変換手段に信号線と並列に接続したことを特徴とし、屋外通話端末とカメラ付き屋外通話端末とが混在するシステム構成において、主通話端末又は副通話端末において何れの屋外通話端末との間に通話系が形成されているかを判別しなくても、両屋外通話端末との間の通話における通話音量、通話バランス、通話反転特性を一定化することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を従来例で説明したドアホンシステムに適用した実施形態について説明するが、これに限定する趣旨ではなく、ドアホンシステム以外の拡声通話システム全般に本発明の技術的思想が適用可能である。
【0020】
本発明の実施形態を説明する前に、本発明と基本構成が共通である参考例について説明する。
図1に本参考例における主通話端末たるインターホン親機10の概略ブロック図を示す。但し、インターホン親機10の基本構成は従来例のものと共通であり、共通する構成については同一の符号を付して説明を省略する。また、本参考例におけるインターホン副親機は切換部19を備えていない点を除いてインターホン親機10と同一の構成を有し、ドアホン子器は従来例と同一の構成を有しているので、図示及び説明は省略する。
【0021】
本参考例では、音声スイッチ18が具備する第1及び第2の増幅器18c,18dが可変利得増幅器で構成され、インターホン親機10とインターホン副親機又はドアホン子器との間に音声信号が送受信される通話系が形成される際にインターホン親機10の音声スイッチ18が具備する第1及び第2の増幅器18c,18dの利得G1,G2をその通話系に対して予め設定された適値に調整する通話制御部20と、各通話系毎の利得G1,G2の適値を記憶する記憶部21とを備えている。
【0022】
通話制御部20はCPUを主構成とし、ドアホン子器40が具備する呼出釦を来訪者が押操作したときに信号線を介して伝送される制御信号(呼出信号)や、インターホン副親機30が具備する通話釦を家人が押操作したときに信号線を介して伝送される制御信号(内線呼出信号)などが入力ポートに入力されるとともに、出力ポートから出力する利得調整信号により第1及び第2の増幅器18c,18dの利得G1,G2を所望の値に個別に可変制御することができる。なお、上記制御信号は音声信号に重畳して伝送される。
【0023】
第1及び第2の増幅器18c,18dの利得G1,G2は、予め各通話系(インターホン親機10とドアホン子器との間で行うドアホン通話の通話系、インターホン親機10とインターホン副親機との間で行う内線通話の通話系)毎に音声スイッチ18のヒステリシス特性及び通話反転特性を考慮した最適値が算出されており、各通話系が形成される直前に通話制御部20によって切り換えられる。ここで、ヒステリシス特性が最適化されるという状態は、各通話系において両端のマイクロホン(例えば、ドアホン通話においてはインターホン親機10のマイクロホン11とドアホン子器のマイクロホン)に入力される音声信号のレベルに応じて、音声スイッチ18がバランスよく切り換わり、判定される通話状態に片寄りがない状態を意味する。
【0024】
而して、従来例で説明したようにドアホン通話時よりも内線通話時に第2の増幅器18dの利得G2を大きい値とする(又は、第1の増幅器18cの利得G1を小さい値とする)ことにより、ヒステリシス特性を最適化することができる。なお、どの程度大きい値にするか(又は小さい値にするか)は事前の実験的検討に基づいて設定される。また、通話反転特性を最適化する(音声スイッチ18における送話状態から受話状態への通話反転、および受話状態から送話状態への通話反転における通話反転時間、通話反転しきい値を所定の範囲内におさめる)ためには、
ζA+G1≒ζH+G2 (式4)
となるように第1及び第2の増幅器18c,18dの利得G1,G2を設計する必要があり、本参考例ではζA,ζHを各通話系毎に事前に測定しておき、ヒステリシス特性を最適化し且つ上記(式4)を満足するように第1及び第2の増幅器18c,18dの利得G1,G2の値(適値)を設定する。そして、このように設定された第1及び第2の増幅器18c,18dの利得G1,G2の適値のデータが記憶部21に記憶される。この記憶部21はEEPROMのような電気的に書き換えが可能な不揮発性メモリからなる。
【0025】
而して、インターホン親機10の通話制御部20では、ドアホン子器又はインターホン副親機からの制御信号が入力ポートに入力されると、切換部19を制御してドアホン子器との間のドアホン通話又はインターホン副親機との間の内線通話の通話系を形成する前に、形成しようとする通話系に応じた利得G1,G2の適値のデータを記憶部21から読み出して第1及び第2の増幅器18c,18dの利得G1,G2を適値に一致させ、その後に切換部19を制御してドアホン通話又は内線通話の通話系を形成する。この結果、第1及び第2の増幅器18c,18dの利得G1,G2が各通話系毎の最適値に設定されてからドアホン通話又は内線通話が開始されるため、音声スイッチ18の切換特性が通話系毎に異なることがなく、且つ各通話系における通話音量を一定に保つことが可能となる。
【0026】
なお、インターホン副親機30はインターホン親機10とほぼ共通の構成を有するものであり、複数台のインターホン副親機30が設置されるシステム構成においては、インターホン副親機30同士の間で内線通話の通話系が形成される際にも利得G1,G2の適値のデータを記憶部(図示せず)から読み出して第1及び第2の増幅器38c,38dの利得G1,G2を適値に一致させるようにすれば、音声スイッチ38の切換特性がインターホン副親機30同士の内線通話でも他の通話系(例えば、インターホン親機10との間の内線通話)と異なることがなく、且つ各通話系における通話音量を一定に保つことが可能である。
【0027】
ところで、第1及び第2の増幅器18c,18dの利得G1,G2の適値は、一般にインターホン親機10の筐体形状に依存するものである(インターホン副親機についても同様)。したがって、インターホン親機10とインターホン副親機の筐体形状が異なる場合においては、通話制御部20を構成するCPU等にはインターホン親機10とインターホン副親機で共通のものを使い、記憶部21に記憶する利得G1,G2の適値データのみをインターホン親機並びにインターホン副親機(インターホン副親機が複数台ある場合には各インターホン副親機毎)で個別に設定すればよい。このため、通話端末毎に異なるCPU(同じ型番のものであってもマスクROMの内容が異なる場合も含む)を搭載する必要がなくなり、システム設計に費やすコストを大幅に削減(合理化)することができる。
【0028】
(実施形態1)
図2に本実施形態におけるインターホン親機10の概略ブロック図を示す。但し、インターホン親機10の基本構成は従来例並びに参考例のものと共通であり、共通する構成については同一の符号を付して説明を省略する。また、本実施形態におけるインターホン副親機は切換部19を備えていない点を除いてインターホン親機10と同一の構成を有し、ドアホン子器は従来例と同一の構成を有しているので、図示及び説明は省略する。
【0029】
本実施形態のインターホン親機10では、参考例において2線−4線変換回路15と切換部19との間に挿入されていた損失Loが削除されるとともにスピーカ増幅器14及び送話信号増幅器16が可変利得増幅器で構成され、インターホン親機10とインターホン副親機又はドアホン子器との間に音声信号が送受信される通話系が形成される際にインターホン親機10の音声スイッチ18が具備する第1及び第2の増幅器18c,18dの利得G1,G2に加えて、スピーカ増幅器14及び送話信号増幅器16の利得G3,G4が通話制御部20によりその通話系に対して予め設定された適値に調整されるものである。なお、スピーカ増幅器14及び送話信号増幅器16の利得G3,G4の適値は、各通話系毎の通話音量が一定となり、音声スイッチ18のヒステリシス特性及び通話判定特性が各通話系毎にばらつかないように事前の実験的検討に基づいて各通話系毎に設定され、設定された利得G3,G4の適値のデータが利得G1,G2の適値のデータとともに記憶部21に記憶される。
【0030】
而して、インターホン親機10の通話制御部20では、ドアホン子器又はインターホン副親機からの制御信号が入力ポートに入力されると、切換部19を制御してドアホン子器との間のドアホン通話又はインターホン副親機との間の内線通話の通話系を形成する前に、形成しようとする通話系に応じた利得G1〜G4の適値のデータを記憶部21から読み出して、第1及び第2の増幅器18c,18dの利得G1,G2と、スピーカ増幅器14及び送話信号増幅器16の利得G3,G4とを適値に一致させ、その後に切換部19を制御してドアホン通話又は内線通話の通話系を形成する。この結果、第1及び第2の増幅器18c,18dの利得G1,G2とスピーカ増幅器14及び送話信号増幅器16の利得G3,G4とが各通話系毎の最適値に設定されてからドアホン通話又は内線通話が開始されるため、各通話系毎に第1及び第2の増幅器18c,18dの利得G1,G2と、スピーカ増幅器14及び送話信号増幅器16の利得G3,G4とを細かに調整することができる。その結果、参考例に比較して各通話系毎の通話音量、通話バランス並びに通話反転特性にばらつきをなくし、且つブロッキングに対するマージンを所望の値に設定することができるという利点がある。
【0031】
(実施形態2)
本実施形態では、図3に示すように屋外に設置され来訪者を撮像するテレビカメラ56を有する1乃至複数のカメラ付き屋外通話端末たるカメラ付きドアホン子器50がドアホン子器40とともに信号線を介してインターホン親機10に接続されている。
【0032】
カメラ付きドアホン子器50は、ドアホン子器40と同構成のマイクロホン51、スピーカ52、マイクロホン増幅器53、スピーカ増幅器54、2線−4線変換回路55に加えて、CCDカメラ等からなるテレビカメラ56と、テレビカメラ56から出力する映像信号を処理する映像信号処理回路57と、映像信号処理回路57で処理された映像信号を変調して2線−4線変換回路55から出力する音声信号に重畳し信号線を介してインターホン親機10に伝送する変調回路58と、後述するようにインターホン親機10から信号線に重畳されて伝送される直流電源を受けて内部の動作電源を作成する受電回路59とを備えている。また、テレビカメラを有しない通話専用のドアホン子器40にも、インターホン親機10から信号線に重畳されて伝送される直流電源から受けて内部の動作電源を作成する受電回路46が設けてある。
【0033】
一方、本実施形態におけるインターホン親機10は、実施形態1の構成に加えて、信号線を介してカメラ付きドアホン子器50から音声信号に重畳して伝送される映像信号を復調する復調回路22と、復調回路22で復調された映像信号に基づいてテレビカメラ56で撮像された映像をモニタ部24に表示させる映像表示回路部23と、CRT等からなるモニタ部24と、ドアホン子器40及びカメラ付きドアホン子器50用の直流電源を音声信号に重畳し信号線を介して伝送する給電回路25とを備えている。なお、図3ではインターホン親機10が具備する通話制御部20並びに記憶部21と、インターホン副親機30とについては参考例及び実施形態1と共通であるから図示及び説明を省略している。
【0034】
而して、カメラ付きドアホン子器50の呼出釦(図示せず)が来訪者によって押操作されると、信号線を介して制御信号(呼出信号)がインターホン親機10に伝送され、インターホン親機10において呼出音が鳴動する。この呼出音に応答するように家人によってインターホン親機10の具備する応答釦(図示せず)が押操作されると、カメラ付きドアホン子器50に制御信号が伝送され、テレビカメラ56で撮像された来訪者の映像(製造信号)がカメラ付きドアホン子器50からインターホン親機10に伝送されてモニタ部24で表示される。なお、インターホン親機10とカメラ付きドアホン子器50との間で行われるドアホン通話については、ドアホン子器40との間で行われるドアホン通話と共通であるから説明は省略する。
【0035】
ところで、インターホン親機10からみたカメラ付きドアホン子器50並びにドアホン子器40のベースバンド帯域におけるインピーダンスに着目した等価回路を図4(a)及び(b)にそれぞれ示す。同図(a)及び(b)において、Z0は2線−4線変換回路55,45の整合インピーダンスを表し、同図(a)において、Z1はカメラ付きドアホン子器50の受電回路59の等価インピーダンスを表し、さらに同図(b)において、Z2はドアホン子器40の受電回路46の等価インピーダンスを表す。
【0036】
ここで、カメラ付きドアホン子器50の受電回路59で消費される電流I1は、ドアホン子器40の受電回路46で消費される電流I2よりも、テレビカメラ56並びに映像信号処理回路57で消費される電流分だけ大きい値となる。したがって、カメラ付きドアホン子器50の受電回路59の等価インピーダンスZ1はドアホン子器40の受電回路46の等価インピーダンスZ2よりも小さい値となる。その結果、インターホン親機10から見たベースバンド帯域におけるカメラ付きドアホン子器50のインピーダンスがドアホン子器40のインピーダンスよりも小さくなる。このようなインターホン親機10から見たときのベースバンド帯域におけるインピーダンスの差は、カメラ付きドアホン子器50との間で行われるドアホン通話と、ドアホン子器40との間で行われるドアホン通話との間に通話音量及びインターホン親機10における回線結合利得に差異をもたらす。その結果、インターホン親機10とカメラ付きドアホン子器50及びドアホン子器40との間で行われる各ドアホン通話における通話特性(通話音量及び音声スイッチ18の切換特性)が異なってしまうことになる。
【0037】
そこで、本実施形態においては、図3に示すようにインターホン親機10からドアホン子器40並びにカメラ付きドアホン子器50をみたときのベースバンド帯域における両者のインピーダンスを略等しくするために、インピーダンス補償用の疑似負荷47をドアホン子器40が具備する2線−4線変換回路45に信号線と並列に接続している。図4(b)には疑似負荷47のインピーダンスZcを含めたドアホン子器40の等価回路が示してあり、この疑似負荷47のインピーダンスZcは以下のようにして設計される。
【0038】
いま、図3(a)に示したカメラ付きドアホン子器50の等価回路における合成インピーダンスZa、並びに同図(b)に示したドアホン子器40の等価回路における合成インピーダンスZbは次式で与えられる。
【0039】
Za=Z0×Z1/(Z0+Z1)
Zb=Z0×Z2×Zc/(Z0×Z2+Z2×Zc+Zc×Z0)
疑似負荷47のインピーダンスZcは、2つの合成インピーダンスZa,Zbを等しくするような値に設計されるため、上記2つの式から次式により与えられる。
【0040】
Zc=Z1×Z2/(Z2−Z1)
したがって、疑似負荷47のインピーダンスZcを上式で与えられる値に設計すれば、インターホン親機10から見たベースバンド帯域におけるカメラ付きドアホン子器50のインピーダンスとドアホン子器40のインピーダンスを略一致させることができ、テレビカメラを有しないドアホン子器40とカメラ付きドアホン子器50とが混在するシステム構成において、インターホン親機10(又はインターホン副親機30)において何れの子機との間に通話系が形成されているかを判別しなくても、ドアホン子器40並びにカメラ付きドアホン子器50との間の通話における通話音量、通話バランス、通話反転特性を一定化することができる。
【0041】
【発明の効果】
請求項1の発明は、屋内に設置される主通話端末、屋内に設置される1乃至複数の副通話端末、および屋外に設置される1乃至複数の屋外通話端末を2線の信号線で接続し、各通話端末間で信号線を介してベースバンド伝送方式により送話信号並びに受話信号からなる音声信号を伝送してなり、信号線に出力する送話信号を減衰する送話信号減衰手段と、信号線から入力する受話信号を減衰する受話信号減衰手段と、送話信号減衰手段に入力する送話信号を分岐して所定の利得で増幅する第1の増幅器と、受話信号減衰手段に入力する受話信号を分岐して所定の利得で増幅する第2の増幅器と、第1及び第2の増幅器で増幅した送話信号並びに受話信号に基づいて通話状態を判定するとともに判定結果に応じて送話信号減衰手段並びに受話信号減衰手段の利得を調整する判定制御手段とを具備する音声スイッチが主通話端末並びに副通話端末に設けられた拡声通話システムにおいて、主通話端末又は副通話端末の少なくとも何れか一方と他の通話端末との間に音声信号が送受信される通話系が形成される際に主通話端末又は副通話端末の音声スイッチが具備する第1及び第2の増幅器の利得を当該通話系に対して予め設定された適値に調整する通話制御手段を備え、集音した音を送話信号として出力するマイクロホンと、受話信号に応じて鳴動するスピーカと、2線の信号線とマイクロホン及びスピーカがそれぞれ接続される各2線の通話路との間で2線から4線並びに4線から2線への変換を行う2線−4線変換手段と、2線−4線変換手段に入力する送話信号を増幅する第3の増幅器と、スピーカに入力する受話信号を増幅する第4の増幅器とが主通話端末及び副通話端末に設けられ、主通話端末又は副通話端末の少なくとも何れか一方と他の通話端末との間に音声信号が送受信される通話系が形成される際に主通話端末又は副通話端末の通話制御手段が第3及び第4の増幅器の利得を当該通話系に対して予め設定された適値に調整することを特徴とし、主通話端末又は副通話端末の少なくとも何れか一方と他の通話端末との間に音声信号が送受信される通話系が形成される際に、通話制御手段にて主通話端末又は副通話端末の音声スイッチが具備する第1及び第2の増幅器の利得を当該通話系に対して予め設定された適値に調整するため、音声スイッチの切換特性が通話系毎に異なることがなく、且つ各通話系における通話音量を一定に保つことが可能となり、さらに、各部に入力される送話信号並びに受話信号のレベルを各通話系毎に細かく調整することができるため、各通話系毎の通話音量、通話バランス並びに通話反転特性にばらつきをなくし、且つブロッキングに対するマージンを所望の値に設定することができるという効果がある。
【0043】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記適値を記憶する電気的に書き換え可能な不揮発性の記憶手段を主通話端末及び副通話端末に設けたことを特徴とし、主通話端末と副通話端末の筐体形状が異なる場合においても両端末で通話制御手段等を共通化することができ、加工費等のコストを低減できるという効果がある。
【0044】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、屋外に設置され来訪者を撮像するテレビカメラを有する1乃至複数のカメラ付き屋外通話端末が信号線を介して主通話端末に接続され、カメラ付き屋外通話端末ではテレビカメラで撮像した映像信号を変調し音声信号と多重化して信号線に送出し、主通話端末にはモニタが設けられ信号線を介して受信した映像信号を復調しテレビカメラで撮像された映像をモニタに映し出すとともに、屋外通話端末並びにカメラ付き屋外通話端末の動作電源を信号線に重畳して主通話端末から伝送し、集音した音を送話信号として出力するマイクロホンと、受話信号に応じて鳴動するスピーカと、2線の信号線とマイクロホン及びスピーカがそれぞれ接続される各2線の通話路との間で2線から4線並びに4線から2線への変換を行う2線−4線変換手段とを屋外通話端末並びにカメラ付き屋外通話端末に具備し、屋外通話端末並びにカメラ付き屋外通話端末の2線−4線変換手段における整合インピーダンスが略等しい値に設定されてなり、主通話端末から屋外通話端末並びにカメラ付き屋外通話端末をみたときのベースバンド帯域における両者のインピーダンスを略等しくする疑似負荷を屋外通話端末が具備する2線−4線変換手段に信号線と並列に接続したことを特徴とし、屋外通話端末とカメラ付き屋外通話端末とが混在するシステム構成において、主通話端末又は副通話端末において何れの屋外通話端末との間に通話系が形成されているかを判別しなくても、両屋外通話端末との間の通話における通話音量、通話バランス、通話反転特性を一定化することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例におけるインターホン親機の概略ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態1におけるインターホン親機の概略ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態2におけるインターホン親機、ドアホン子器並びにカメラ付きドアホン子器の概略ブロック図である。
【図4】同上の動作説明図である。
【図5】従来のシステム構成例を示す概略ブロック図である。
【図6】同上の動作説明図である。
【図7】同上の動作説明図である。
【図8】同上の動作説明図である。
【符号の説明】
10 インターホン親機
11 マイクロホン
12 スピーカ
15 2線−4線変換回路
18 音声スイッチ
18a 送話信号減衰器
18b 受話信号減衰器
18c 第1の増幅器
18d 第2の増幅器
18e 判定制御部
19 切換部
20 通話制御部
21 記憶部
Claims (3)
- 屋内に設置される主通話端末、屋内に設置される1乃至複数の副通話端末、および屋外に設置される1乃至複数の屋外通話端末を2線の信号線で接続し、各通話端末間で信号線を介してベースバンド伝送方式により送話信号並びに受話信号からなる音声信号を伝送してなり、信号線に出力する送話信号を減衰する送話信号減衰手段と、信号線から入力する受話信号を減衰する受話信号減衰手段と、送話信号減衰手段に入力する送話信号を分岐して所定の利得で増幅する第1の増幅器と、受話信号減衰手段に入力する受話信号を分岐して所定の利得で増幅する第2の増幅器と、第1及び第2の増幅器で増幅した送話信号並びに受話信号に基づいて通話状態を判定するとともに判定結果に応じて送話信号減衰手段並びに受話信号減衰手段の利得を調整する判定制御手段とを具備する音声スイッチが主通話端末並びに副通話端末に設けられた拡声通話システムにおいて、主通話端末又は副通話端末の少なくとも何れか一方と他の通話端末との間に音声信号が送受信される通話系が形成される際に主通話端末又は副通話端末の音声スイッチが具備する第1及び第2の増幅器の利得を当該通話系に対して予め設定された適値に調整する通話制御手段を備え、集音した音を送話信号として出力するマイクロホンと、受話信号に応じて鳴動するスピーカと、2線の信号線とマイクロホン及びスピーカがそれぞれ接続される各2線の通話路との間で2線から4線並びに4線から2線への変換を行う2線−4線変換手段と、2線−4線変換手段に入力する送話信号を増幅する第3の増幅器と、スピーカに入力する受話信号を増幅する第4の増幅器とが主通話端末及び副通話端末に設けられ、主通話端末又は副通話端末の少なくとも何れか一方と他の通話端末との間に音声信号が送受信される通話系が形成される際に主通話端末又は副通話端末の通話制御手段が第3及び第4の増幅器の利得を当該通話系に対して予め設定された適値に調整することを特徴とする拡声通話システム。
- 前記適値を記憶する電気的に書き換え可能な不揮発性の記憶手段を主通話端末及び副通話端末に設けたことを特徴とする請求項1記載の拡声通話システム。
- 屋外に設置され来訪者を撮像するテレビカメラを有する1乃至複数のカメラ付き屋外通話端末が信号線を介して主通話端末に接続され、カメラ付き屋外通話端末ではテレビカメラで撮像した映像信号を変調し音声信号と多重化して信号線に送出し、主通話端末にはモニタが設けられ信号線を介して受信した映像信号を復調しテレビカメラで撮像された映像をモニタに映し出すとともに、屋外通話端末並びにカメラ付き屋外通話端末の動作電源を信号線に重畳して主通話端末から伝送し、集音した音を送話信号として出力するマイクロホンと、受話信号に応じて鳴動するスピーカと、2線の信号線とマイクロホン及びスピーカがそれぞれ接続される各2線の通話路との間で2線から4線並びに4線から2線への変換を行う2線−4線変換手段とを屋外通話端末並びにカメラ付き屋外通話端末に具備し、屋外通話端末並びにカメラ付き屋外通話端末の2線−4線変換手段における整合インピーダンスが略等しい値に設定されてなり、主通話端末から屋外通話端末並びにカメラ付き屋外通話端末をみたときのベースバンド帯域における両者のインピーダンスを略等しくする疑似負荷を屋外通話端末が具備する2線−4線変換手段に信号線と並列に接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の拡声通話システム。
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