JP4437528B2 - ポリアミド樹脂とポリエステルエラストマーからなる複合成形体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリアミド樹脂の優れた強度、剛性および耐衝撃性を有する成形品の表面に柔軟で耐熱性のあるポリエステル系熱可塑性エラストマーを被覆し熱融着することにより、強度、剛性と振動吸収性およびグリップ性、パッキン、シール特性を両立させたポリアミド系樹脂とポリエステル系熱可塑性エラストマーからなる複合成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
硬質材と軟質材による複合成形体はこれまで硬質オレフィン材料とオレフィン系柔軟材等の同質系材料の組み合わせで複合成形し、熱接着させ、各種の商品開発が行われてきた。(例えば、日本ゴム協会誌、Vol.69、No.9、P-631(1996)、およびプラスチックス、Vol.4、No.3、P-30(1997)など)
異材質を熱接着するためには、異材質間の相溶性が極めて重要であり、同質系材料の場合は比較的容易に熱接着が可能である。しかしながら、このような同質系材料の組み合わせは、極めて限定された材料しか使うことが出来ず、用途分野が制限されてしまうという欠点がある。
【0003】
一方、スチレン系熱可塑性エラストマーやオレフィン系熱可塑性エラストマー等の汎用エラストマーにポリエーテルブロックアミドから成るポリアミド系熱可塑性エラストマ―やポリエステル熱可塑性エラストマー等の極性基を持つエンジニヤリングエラストマ−をブレンドし、柔軟材をつくり、ABSやポリカーボネイト、ナイロンおよびPBT等の硬質材と熱接着を行うことが報告されている。(例えば、特公平6−9878号公報、特公平7−11662号公報など)
しかしながら、これらのブレンドによる方法ではポリアミド系樹脂とポリエステル系樹脂のように極性基の異なる組み合わせでは熱接着強度が不十分で複合成形体が剥離するので好ましくない。
【0004】
【特許文献1】
特公平6−9878号公報
【特許文献2】
特公平7−11662号公報
【非特許文献1】
日本ゴム協会誌、Vol.69、No.9、P-631(1996)
【非特許文献2】
プラスチックス、Vol.4、No.3、P-30(1997)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術の問題点を解決するためになされたもので、ポリアミド系樹脂とポリエステル系熱可塑性エラストマーという全く種類の異なる硬質材と柔軟材の組み合わせで熱接着性が優れ、かつ成形性が良好な複合成形体を安価に製造することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに至った。 即ち本発明は、(A)結晶性のポリアミド樹脂としてナイロン6又はナイロン66 25〜70重量%、および(B)JIS−A硬度で98〜45度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを有機過酸化物を用いて押出機で無水マレイン酸基を導入した変性ポリエステル系熱可塑性エラストマー25〜50重量%を含有する樹脂成分100重量部に対し、(C)無機充填材を0〜200重量部含有してなるポリアミド系樹脂組成物からなる成形体に(D)JIS−A硬度96〜92度であるポリエステル系熱可塑性エラストマーを熱接着するインサート成形法で製造した複合成型体であって、ポリアミド系樹脂組成物からなる成形体とポリエステル系熱可塑性エラストマーとの熱接着強度が4kgf/40mm 2 以上であることを特徴とする複合成形体。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に用いる(A)結晶性ポリアミド樹脂とは、少なくとも一部が結晶性であるポリアミド樹脂であり、分子中にアミド結合(−CONH−)を有し、且つ融点(JIS K 7121に準拠して求めた融解ピーク温度)が存在するポリアミド樹脂であり、具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/ナイロン66共重合体、ナイロン46、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン6T/ナイロン66共重合体、ナイロンMXD−6等が挙げられ、本発明においては、特に剛性、耐久性、耐熱性、経済性などの点からナイロン6、ナイロン66が好ましいが、これに限定されるものではない。
本発明に用いる(A)結晶性ポリアミド樹脂の数平均分子量は、7,000〜30,000のものが好ましく用いられる。7,000以下の場合、強度が不足する場合があり、30,000以上の場合は、溶融成形性が悪くなり、好ましくない。
【0008】
本発明に用いる(A)結晶性ポリアミド樹脂の配合量は、全樹脂成分に対して20〜80重量%である。特に好ましくは、50〜70重量%である。20重量%未満では、結晶性ポリアミドが備える高い剛性、耐熱性、耐薬品性のどの長所が損なわれる。80重量%より多いと複合体にした場合にポリエステル系熱可塑性エラストマーとの熱接着性が悪くなる。
【0009】
本発明に用いる(A)結晶性ポリアミド樹脂には、非晶性ポリアミド樹脂を配合しても構わない。具体的には、ナイロン6T/ナイロン66共重合体、ナイロン6T/ナイロン6I共重合体、ナイロンTMD−T/ナイロン6共重合体等が挙げられ、本発明においてはナイロン6T/ナイロン6I共重合体等、さらに種々ナイロン共重合体とのブレンド物を配合しても構わない。
【0010】
本発明に用いる(B)変性したポリエステル系熱可塑性エラストマーとは、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBTともいう)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート、などのハード成分とポリテトラメチレングリコール(PTMGともいう)、ε−カプロラクトン、長鎖のジカルボン酸残基、長鎖のジオール残基などのソフト成分から構成されるポリエーテルエステルブロック共重合体を変性したポリエステル系熱可塑性エラストマーを挙げることが出来る。
【0011】
本発明に用いる(B)変性ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、ポリアミド系樹脂組成物からなる成形体とポリエステル系熱可塑性エラストマーの熱接着強度を高めるために配合される。(B)変性ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、ポリアミド樹脂(A)との相溶性を向上させるため、ポリアミド樹脂(A)と相互作用を持つ構造を導入することによって変性することが必要である。例えば、ポリアミド樹脂(A)と反応する官能基を導入することによって変性することができる。
ポリアミド樹脂と反応する官能基としては、例えば、カルボン酸基、酸無水物基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、オキサドリン基、等が例示されるが、特に酸無水物基が最も反応性が高いので好ましい。
【0012】
本発明に用いる(B)変性ポリエステル系熱可塑性エラストマーの表面硬度は、JIS−A硬度で99〜40度、好ましくは98〜45度である。硬度が99度以上になると複合するポリエステル系熱可塑性エラストマーとの熱接着性が悪くなり、40度以下では耐熱性や成形性が劣り、ポリアミド系樹脂組成物の製造時や成形時に劣化等の問題が発生し好ましくない。
【0013】
本発明に用いる(B)変性ポリエステル系熱可塑性エラストマーの配合量は、全樹脂成分に対して20〜55重量%である。好ましくは25〜50重量%である。20重量%未満ではポリアミド系樹脂組成物からなる成形体とポリエステル系熱可塑性エラストマーとの熱接着強度が弱くなり、55重量%より多い場合はポリアミド系樹脂組成物中の各樹脂の分散状態が、(B)変性したポリエステル系熱可塑性エラストマーが海で(A)のポリアミド樹脂が島の海−島構造になり、好ましくない。
【0014】
本発明におけるポリアミド系樹脂組成物の樹脂成分として、必要に応じて(A)、(B)以外の樹脂成分を配合しても構わない。例えば、耐衝撃性を改良するために変性ポリオレフィンや(B)以外の熱可塑性エラストマーなどを配合しても構わない。
【0015】
前記(B)変性ポリエステル系熱可塑性エラストマーを製造する方法としては、例えば、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと酸無水物等の官能基をもつ化合物および有機過酸化物を混合し、押出機等で溶融混練することで製造できるが、それに限定されるものではない。
【0016】
本発明に用いる(C)無機充填材は、ポリアミド系樹脂組成物からなる成形体の剛性や耐熱性を高めるため適宜配合することができる。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、セラミックス繊維、各種ウイスカー、針状ワラストナイト等の繊維状無機強化材、シリカ、アルミナ、タルク、カオリン、石英、粉状ガラス、マイカ、グラファイト等の粉末状の無機充填材が挙げられる。これらの無機充填材は単体で使用、または2種類以上を併用することも出来る。また、これらの無機充填材は表面処理剤としてシランカップリング剤で処理してもよく、特にアミノシラン処理したものが好ましい。
【0017】
前記(C)無機充填材の配合量は、(A)結晶性ポリアミド樹脂、および(B)変性ポリエステル系熱可塑性エラストマーを含有する樹脂成分100重量部に対して、0〜200重量部である。好ましくは0〜160重量部、特に好ましくは0〜150重量部である。前記無機充填材が200重量部を越えると、成形品外観の光沢斑がおこり外観不良となる傾向があるので好ましくない。
【0018】
本発明におけるポリアミド系樹脂組成物には、通常ポリアミド樹脂組成物に用いられる各種改質剤を配合することができる。例えば、耐候性、耐光性、熱安定性の改良剤であるカーボンブラックや銅酸化物および/またはハロゲン化アルカリ金属化合物、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、更に着色のための顔料、染料、その他に帯電防止剤、難燃剤、滑剤等を配合できる。
【0019】
本発明に用いる(D)ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート、などのハード成分とポリテトラメチレングリコール、ε−カプロラクトン、長鎖のジカルボン酸残基、長鎖のジオール残基などのソフト成分から構成されるポリエーテルエステルブロック共重合体などのポリエステル系熱可塑性エラストマーを挙げることが出来る。
【0020】
(D)ポリエステル系熱可塑性エラストマーの表面硬度は、JIS−A硬度で98〜40度、さらに好ましくは96〜45度である。硬度が98度を越えると振動吸収性やグリップ性およびシール性が劣り、好ましくない。また、45度以下では耐熱性や成形性が劣り、ポリアミド系樹脂組成物からなる成形体との熱接着が困難となり好ましくない。
【0021】
本発明によるポリアミド系樹脂組成物からなる成形体と(D)ポリエステル系熱可塑性エラストマーからなる複合成形体において、両者の熱接着強度は極めて重要である。 ISO527−1、2に準拠した1Aタイプの引張り試験用ダンベルの金型を用い、本発明の(A)、(B)、および(C)からなるポリアミド系樹脂組成物を用いて引張試験用タンベル成形体を成形した後、引張りダンベル成形品の中心部から切断し、片側半分の成形体のみ金型のキュアビティーに装着して(D)ポリエステル系熱可塑性エラストマーを追加成形するインサート成形法で成形し、熱接着性評価用試料を得ることが出来る。この引張りダンベル試験片は中心部にポリアミド系樹脂組成物とポリエステル系熱可塑性エラストマーとの接合面がある。(図−1参照) 本発明のポリアミド系樹脂組成物からなる成形体とポリエステル系熱可塑性エラストマーとの熱接着強度は、この接着評価用引張りダンベル試験片で引張試験評価したとき、3kgf/40mm2 以上であることが好ましい。更に好ましくは、4kgf/40mm2以上である。この熱接着強度が、3kgf/40mm2未満では耐久性のある複合成形体は得られない。一般の結晶性ポリアミド樹脂とポリエステル系熱可塑性エラストマーを同様な方法で評価した熱接着強度は、0〜0.05kgf/40mm2であるのに比べて、本発明による複合成形体の熱接着強度は極めて優れ、耐久性の優れた複合成形体が得られる。
【0022】
本発明における複合成形体の製造法は特に限定されるものではなく、ポリアミド系樹脂組成物からなる成形体にポリエステル系熱可塑性エラストマーを被覆または積層し、熱融着する公知の製造法は全て含まれる。具体的な製造法を例示すると例えば、ポリアミド系樹脂組成物を射出成形した後、直ちに金型を回転してポリアミド系成形体の全面又は一部表面にポリエステル系熱可塑性エラストマーを更に射出成形して被覆、熱融着させる「二色射出成形法」、ポリアミド系樹脂組成物を予め射出成形した成形品を金型のキャビティ中に装着し、成形品の表面全体または一部分にポリエステル系熱可塑性エラストマーで追加成形を行う「アウトサートまたはインサート成形法」、二層押出成形機でポリアミド系樹脂組成物とポリエステル系熱可塑性エラストマーを同時に押出し、熱融着させる「二層押出法」、予め押出し成形や射出成形したポリアミド系成形品の表面に これもまた予め押出し成形や射出成形したポリエステル系熱可塑性エラストマーのシートまたは成形品を積層し、超音波溶着機や振動溶着機等で融着させる「熱ラミー法」、などを採用することができるが、本発明はこれらの製造法に限定されるものではない。
【0023】
本発明のポリアミド系樹脂組成物を用いることにより、高強度、高剛性であり、かつポリエステル系熱可塑性エラストマーとの熱接着強度が高い複合成形体を、特別な接着剤等を使用することなく熱接着により得ることができる。これにより耐久性、機能性、意匠性の高い複合成形体を製造することが出来る。
【0024】
【実施例】
以下実施例を用いて本発明を具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(評価方法)
1.融点
試料を下記条件でDSC測定し、融点(融解ピーク温度Tpm)をJIS K7121に準拠して求めた。
(DSC測定条件)
装置名 ; MacScience社製DSC3100
パン ; アルミパン(非気密型)
試料重量 ; 4mg
昇温開始温度 ; 30℃
昇温速度 ; 20℃/min.
雰囲気 ; アルゴン
【0025】
2.引張り強度、引張り伸度、曲げ強度、曲げ弾性率
強度物性の評価は、ISO 178およびISO 527−1、−2に準拠した引張りおよび曲げ試験片をシリンダー温度250℃、金型温度80℃の条件で射出成形により作製し、引張り試験は、ISO 527−1、−2に、曲げ試験はISO 178 に準拠し、各強度物性を求めた。
【0026】
3.インサート成形品の熱接着強度
ポリアミド系樹脂組成物からなる成形体とポリエステル系熱可塑性エラストマーとの熱接着強度の評価は、図1に示すようにISO 1Aタイプの引張り試験片で、前述したようにポリエステル系熱可塑性エラストマーを追加成形するインサート成形法で製造し、引張り試験で熱接着強度を測定した。ポリエステル系熱可塑性エラストマーの追加成形の条件は、シリンダー温度250℃、金型温度60℃で成形した。引張り試験片の中央に接着面があり、その接着面積は厚み4mm×幅10mm=40mm2である。強度測定時の引張り速度は50mm/分で測定した。
【0027】
(用いた材料)
実施例、比較例に用いた各種原材料および変性物の製造は次のとおりである。
(A)結晶性ポリアミド樹脂として、ナイロン6(東洋紡績(株)製、東洋紡ナイロンT−840、融点:222℃)およびナイロン66(東洋紡績(株)製、東洋紡ナイロンT−661、融点:259℃)を使用した。
【0028】
(B)変性ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、ペルプレン(R)P−280B(東洋紡績(株)製、ハード成分がPBT、ソフト成分がPTMG、硬度99A)を変性前のものとして用い次のように変性した。
上記変性前のポリエステル系熱可塑性エラストマー100重量部、無水マレイン酸(ナカライテスク社:試薬特級)0.4重量部、有機過酸化物としてパークミル(R)D(日本油脂(株)製)0.15重量部を計量し、十分混合した後、30φ2軸押出機を用いてシリンダー温度230℃で混練することにより、押出機内で変性を行いポリエステル系熱可塑性エラストマーに無水マレイン酸基を導入した変性ポリエステル系熱可塑性エラストマーを製造した。
【0029】
(C)無機充填材としては、ガラス繊維(日硝繊(株)製、TP57E)を使用した。
その他、ポリアミド樹脂組成物には、熱安定剤としてイルガノックス(R)B1171(チバガイギー社製)および離型剤としてWax−OP(ヘキストジャパン社製)を使用した。
(D)ポリアミド系樹脂成形体に熱接着させるポリエステル系熱可塑性エラストマーとしてはペルプレンP−55B(東洋紡績(株)製、ハード成分がPBT、ソフト成分がPTMG、硬度94A)を使用した。
【0030】
(ポリアミド系樹脂組成物の製造)
表−1に記載された各成分より樹脂成分を表中の割合で混合し、シリンダー温度240〜270℃に設定した40φ2軸押出機に投入し、ガラス繊維は表中割合になるようにサイドフィードで溶融樹脂中に添加し、混練押出しして水中にキャストし、カットしてペレットを得た。該ペレット100重量部に対して表中の割合で熱安定剤、離型剤を表面添着することで目的の樹脂組成物を得た。
【0031】
(実施例1〜3、比較例1〜3)
実施例、比較例の評価結果は表−1に示した。
実施例1〜3より明らかなように、本発明のポリアミド系被覆成形体の接着面は熱接着性に優れ、強固に結合され、耐久性のあるポリアミド系被覆成形体が得られることが判る。一方、比較例1、2では変性ポリエステル系熱可塑性エラストマーを含有しないポリアミド系樹脂組成物、比較例3では未変性のポリエステル系熱可塑性エラストマーを用いたポリアミド系樹脂組成物である。比較例1、2では良好な物性が発現しているが熱接着性はない。比較例3では良好な物性が発現せず熱接着性は極めて低く、ポリアミド系樹脂組成物からなる成形体とポリエステル系熱可塑性エラストマー間の熱融着はほとんど見られない。特に比較例1と2では金型から評価用試料を取り出す時に既に試験片は接着していない。即ちポリアミド系樹脂組成物とポリエステル系熱可塑性エラストマーとの熱接着力は全くなかった。
【0032】
【表1】
Figure 0004437528
【0033】
【発明の効果】
本発明のポリアミド系樹脂組成物からなる複合成形体は、ポリアミド樹脂組成物とポリエステル系熱可塑性エラストマーとの熱接着性に優れているので、強度、剛性、耐衝撃性に優れ、かつ優れた振動吸収性、パッキンシール性やグリップ性の表面特性を持つ。従って、電動工具、釣具、スポーツ用品、娯楽用品、シフトレバー筐体等の自動車部品、事務用品等の幅広い用途分野に利用することができ、産業界に寄与すること大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 熱接着強度測定用の試験片
【符号の説明】
1:ポリアミド系樹脂組成物で成形した部分
2:ポリエステル系熱可塑性エラストマーで成形した部分
(追加成形部分)
3:両者の熱接着部分

Claims (1)

  1. (A)結晶性のポリアミド樹脂としてナイロン6又はナイロン66 25〜70重量%、および(B)JIS−A硬度で98〜45度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを有機過酸化物を用いて押出機で無水マレイン酸基を導入した変性ポリエステル系熱可塑性エラストマー25〜50重量%を含有する樹脂成分100重量部に対し、(C)無機充填材を0〜200重量部含有してなるポリアミド系樹脂組成物からなる成形体に(D)JIS−A硬度96〜92度であるポリエステル系熱可塑性エラストマーを熱接着するインサート成形法で製造した複合成型体であって、ポリアミド系樹脂組成物からなる成形体とポリエステル系熱可塑性エラストマーとの熱接着強度が4kgf/40mm 2 以上であることを特徴とする複合成形体。
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