JP4436985B2 - 切削インサートを保持するための工具ホルダおよび締付け板 - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、金属の被加工物を削りくず形成して機械加工するための工具ホルダに関する。
【０００２】
菱形、偏菱形および三角形の割出し可能なインサートのような切削インサートを、そのインサートの全周にわたって等角度で機械的に締め付けるための様々な工具ホルダが存在する。こうしたインサートに使用される材料は、通常は、超硬合金材料またはセラミック材料である。
【０００３】
このような割出し可能インサートに一般的に使用されている締め付け装置は、ホルダ内にインサート収容ポケットに向かって上方に延びていて、収容ポケット内に位置するインサートの穴と嵌合するピンを含み、そして、上記ホルダに向かって内方へ旋回運動をさせるようピンに力を加える手段とを含み、さらに、ピンに力を加える手段は、上記ピンの下部部分に作用するために配置され、すなわち、上記ホルダ上に形成されている上方に延びる壁に向かって且つ上記ポケットの後方に向かって、ピンとインサートとの両方を推し進めるように配置される。このタイプの工具ホルダは米国特許第３，３１４，１２６号に開示されている。しかし、このホルダの欠点は、切削インサートの前方の鼻端部分が、上記インサートの下方に位置したシムプレートから分離する傾向を有し、このことが時としてインサートの破損を生じさせる可能性があるということである。
【０００４】
この観点から、本発明の目的は、インサート上に作用する力を加える手段が上記インサートを下方と内方の両方に押すことを確実なものとするような工具ホルダを提供することである。これと同時に、インサートに作用するクランプの前部部分が、被加工物から機械加工中に生じる削りくずによる摩耗から最善の形で保護されることが望ましい。さらに、こうしたインサート内で中実のインサートと中央穴付きインサートとの両方を使用することを可能にする工具ホルダを提供することも望ましい。これらの要求の全てが、公知の仕方で第１と第２の接触面が設けられている締付けねじによって達成され、クランプの形の上記力を加える手段を設けることによって満たされることが可能である。第１の接触面は、インサートの上部接触面と係合可能な上記クランプの前方突出部上に設けられており、一方、第２の接触面は、上記締付けねじの軸線に対して傾斜している接触面と係合するように上記クランプの後方突出部上に設けられている。本発明では、締付けねじの上部部分とコイルばねの上部部分の両方が上記クランプの凹み内の上記ねじの頭部とねじ山との間に位置しており、上記コイルばねの中心軸線がねじ収容凹みの軸線に対して傾斜しており、これと同時に、クランプの上記前方突出部が、インサートの上面に対して上記締付け板を面当接させるようにインサートとクランプとの間で締付け板の凹みの中に収容されている。
【０００５】
次に、本発明の好ましい実施態様を例示する次の添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳細に説明する。
【０００６】
図１〜２には、部分的に示されている旋削用の工具ホルダ１０を備える切削工具の一部分が示されており、この工具ホルダの前方鼻端部分は、多角形の割出し可能切削インサート１１を収容するためのポケットが設けられている。このインサートは菱形の基本形状を有し、超硬合金材料またはセラミック材料で作られている。インサートは、上部平面１２と、上記上部平面に平行な下部平面１３とを有する。インサートは上記上部平面１２と上記下部平面１３とに向かって垂直に延びる複数の側面を有し、これらの側面の２つが１１ａ、１１ｂで示されている。インサートは、中央穴１５を備えるシムプレート１４に面界接した形で載るように配置され且つねじ１６によって係合され、ねじ１６の中心軸線はインサートの平面１２、１３に対して垂直に延びる。インサート収容部分は、底部支持面１７と、底部支持面から垂直の延びる２つの支持面１８、１９とを含む。
【０００７】
ホルダ１０内のインサートポケット内に、インサートを締め付け固定するためにクランプ２０が設けられており、上記クランプは、上記クランプ全体を貫通して延びておりかつホルダ１０内の穴２１にねじ係合させられている締付けねじ２２によって駆動されることが可能であり、上記ねじの中心軸線ＣＬ₁がインサート内の穴１５の中心軸線と平行に延びる。上記クランプの前方端部は、上記第１のクランプ２０と上記インサート１１の間に位置している別個の締付け板２４と係合するようになっていて、下方かつ内方に傾斜した第１の突出部２３の形状であり、そして、上記締付け板２４は中央穴２５を有する。さらに明確に述べると、上記第１の突出部２３は、上記ねじ２２の締め込み時に上記穴２５内に収容され、その結果として上記穴２５の両側の表面５５（図８）に対して圧迫点Ａ₁、Ａ_２（図２参照）において下向きに圧力を及ぼすように構成されている。中央穴２５は、回転対称な形状を有する凹んだ穴であり、内側空洞から入口開口への方向にその直径を増大させることによって上方に拡大する円筒形またはわずかに円錐形の下部壁を含む。突出部２３の前方包囲表面には、対応する形状が備えられている。上記締付け板２４の下面２４ａは平面に研削されており、大きな表面を有するが、上記穴２５は真っ直ぐな円筒形である。このことがインサートの大きな表面全体にわたって表面圧力の分布を確実なものにし、このことは、特にインサートがセラミックで製造される場合に不可欠である。
【０００８】
上記クランプ２０の反対側の部分は、凸形の好ましい傾斜表面２７を有する第２の突出部２８の形状であり、この傾斜表面２７は、締め付け時に上記締付けねじ２２の中心軸線ＣＬ₁に対して同じ角度で傾斜したホルダ１０内の対応する形で傾斜した表面２９ａと面当接するように構成されている。ホルダ１０の下部支持表面を２９ｂで示す。クランプ２０は、穴２１内に部分的に収容されておりかつクランプを外側の位置に横方向に押しやるばね３１に逆らって作用するねじによって、締め付けられることが可能である。止め子手段として機能するピン３２が備えられており、このピンは、上記ねじ２２を締め付ける時にクランプ２０が回転しないことを確実なものにする。
【０００９】
締付けねじ２２はフランジ形の上部頭部部分３３を有し、この上部頭部部分３３は、上記円筒形部分３４よりも小さい直径を有する円筒形の胴部分３５と一体である上記頭部部分よりも幾らか小さい直径を有する隣接した円筒形部分３４と一体である。胴部分３５は、その胴部分３５の直径よりも直径が大きいねじ山付きの下部部分３６の中に延びる。締付け時には、ねじの頭部３３の上面が、周囲を囲む上記クランプ２０の上面とほぼ面一であり、すなわち、上記クランプ２０の凹み３７内に完全に収容されており、その結果として、上記ねじ頭部３３の半径方向の下面が、クランプ２０内の対応する半径方向に延びる表面３８に対して当接した状態で位置させられ、一方、上記ねじ頭部の上面２２はクランプ２０の上面と面一である。
【００１０】
本発明の一側面では、工具ホルダは、締付けねじ２２の上部部分の周囲にコイルばね３１を備えており、したがって、クランプは、ねじ２２を弛める時に上方に押し上げられる。ばね３１は円筒形の胴部分３５に沿って軸方向に延び、クランプ２０内の傾斜穴２１の中に部分的に収容されており、さらに工具ホルダ内の円筒形凹み３９の中に部分的に収容されている。さらに明確に述べると、上記穴２１の中心軸線ＣＬ_３が上記ねじ２２の中心軸線ＣＬ₁に対して鋭角γに延びる。適切な実施形態では、角度γの大きさは２〜１５°の範囲内である。図１に示してあるように、上記コイルばね３１の上部部分は上記傾斜穴２１の中に収容されており、この構成は、ねじ２２の締め付け時にクランプが回転しないように上記円筒形部分３４と上記傾斜穴２１の穴壁との間に一定の遊びが存在すると同時に、上記コイルばね３１の上部部分が上記傾斜穴２１の穴壁と面接触させられるようになっている。
【００１１】
この構成は、ねじ２２を締め付ける時に上記クランプの末端表面の下部部分２８が表面２９ａ、２９ｂと面当接するようになっている。クランプ部分２８が上記表面２９ｂと接触すると直ぐに、堅固で効率的なインサート締付けを得るために前方クランプ部分２３がプレス板２４を介してインサートに向けて下向きの力を及ぼすように、クランプが一定の回転運動を受けるということが理解されなければならない。これと同時に、上記クランプ部分２３の下部末端表面が図１に示すようにインサートの上面に対して一定の遊びを有する形で配置されていることが重要である。さらに、上記プレス板２４の凹み２５内に収容されているクランプ２０の前方突出部２３を有することによって、上記突出部２３の上部部分が、金属機械加工処理から生じる後方に方向付けられた削りくずの衝撃によって摩耗させられないことが確実なものにされる。この効果は、上記プレス板２４の前方部分が上記プレス板の後部部分に比較して隆起した部分を有するという構成によって、さらに効率的である。
【００１２】
上述のように、コイルばね３１の上部部分はクランプの傾斜穴２１の中に収容されており、一方、上記コイルばね３１の下部部分は上記ホルダ１０内の円筒形の座ぐり穴３９の中に部分的に収容されており、この座ぐり穴３９の中心軸線が中心軸線ＣＬ₁と同一である。凹み３９はねじ山付きの穴２１に延び、この穴２１は締付けねじ２２のねじ山付き部分３６を収容する。
【００１３】
本発明の締付け板２４は、上部クランプ２０の材料よりも大きな耐摩耗性と強度とを有する材料で作られなければならない。好ましくは締付け板２４は超硬合金で作られなければならない。好ましい実施形態では、上記締付け板の厚さが切削インサート１１の厚さよりも本質的に小さい。上記締付け板２４の前方末端表面が、前方に収束する２つの平坦な側面４０、４１によって制限されており、これらの側面４０、４１は、インサートの上記収束側面１１ａ、１１ｂが交差する切削インサートの隅部分４３に与えられている隅半径よりも本質的に大きい曲率半径を有する湾曲した鼻端部分４２ｂによって互いに結合されている。図２と図７〜８とに示すように、締付け板２４の前方側面４０、４１はインサートの上面に対して下方に傾斜している。上記側面４０、４１は、湾曲した中央鼻端部分４２ｂとその両側の側部部分４２ａ、４２ｃとを含む鼻端部分４２の対応する傾斜角度よりも小さい角度で傾斜していることが好ましい。好ましくは、これらの側部部分４２ａ、４２ｃは、５〜１５°の範囲内にある部分４０、４１に適用される対応する角度よりも大きい２０〜４５°の角度で傾斜していなければならない。このことが、削りくずが上記側部部分４２ａ、４２ｃに近づく時に、その削りくずの移動の方向をより効率的に変化させることを可能にする。
【００１４】
図３には本発明の別の実施形態が示されている。この場合には、突出部２３は、下方かつ内方に延びる下部部分２３ｂと下方に直線状に延びる上部部分２３ａとによって規定されている。突出部２３全体は、図１〜２の実施形態よりも著しく大きい縦方向の長さを有する。さらに明確に述べると、この場合には、突出部２３は締付け板２４の中央穴２５を完全に貫通して延び、さらに下方に延びてインサート１１の凹み４４と係合する。この構成は、上記突出部の下部末端部分が上記凹み４４の穴壁の下部部分と係合するようになっている。さらに明確に述べると、インサート１１は、回転対称形の凹み４４を備えており、この凹み４４は、円筒形またはわずかに円錐形の表面４６によって画定されている内側空洞４５と、インサートの上面内の入口開口に向かうにつれて直径が増大することによって外方へ拡大する外側空洞４７とを含む。インサートの上面と底面との両方からの入口を有する類似した空洞を有するこうしたインサートが本発明に関連して使用されることが可能であるということを理解されたい。こうしたインサートが図４に示されている。こうしたインサートは、図４に示す通りの２つの互いに反対側の空洞の中間に中実の中央部分４８を備えていることが適切である。
【００１５】
図５には、ホルダの穴２１を画定する中心軸線ＣＬ₁と平行である中心軸線ＣＬ_２を有する中央貫通穴４９をインサート１１が有する、本発明の実施形態が示されている。この場合には、前方突出部２３は、インサート穴４６の中に軸方向に下方に直線状に延びる上部締付け部分２３ａと、インサート穴４９内のわずかに下方に位置している接触箇所２６でインサート穴４９の壁と係合するように下方かつ内方に傾斜角度αに延びる下部締付け部分２３ｂとを含む。上部締付け部分２３の前方包囲表面部分と、上記締付け板２４の前方穴壁は、図１の場合と本質的に同一の形状にされている。傾斜角度αは２〜１５°の範囲内の値を有するべきである。同様に図５に示されているように、締付け部分２８の下部末端部分とホルダの上面との間には表面接触は生じない。
【００１６】
ねじ２２を締め付ける時には、前方締付け部分２３は挿入穴４９の中に内方に押し付けられるだろう。その次に、クランプが、接触区域Ａ₁、Ａ₂（図１〜２にも示されている）に沿って締付け板２４に対して締付け力を及ぼすだろう。ねじ２２を締め付け続けると、上記クランプが同時に弾性湾曲する際に装置全体の最終的な締付けが生じるだろう。
【００１７】
図７〜９には、締付け板２４の幾つかの異なった詳細図が示されている。この締付け板は、前方切削チップ４３に向かうくさび形の輪郭を有する前方部分５０によって制限されており、一方、その後部部分は凸形の湾曲部分５１によって終端されている。上記くさび形部分５０と上記後部凸形部分との間の移行部分は、互いに平行に端縁が延びる２つの直線部分５２、５３から成る。図８に最も明瞭に示されているように、締付け板２４の前方上面５４は後方上面５５に比して隆起している。これらの表面５４，５５が平面でありかつ互いに平行であることが好ましい。クランプ２０の前方部分は上記後方表面５５に載るようになっている。
【００１８】
さらに、突出部２３は締付け板２４の凹み２５の中を通って延びる。さらに、上記後部凸形部分５１は、第１の部分５６ａと第２の部分５６ｂとを含む非対称形の凹み５６を備えており、上記第１の部分５６ａは上記第２の部分５６ｂの半径方向深さよりも小さい半径方向深さを有する。
【００１９】
さらに、上記第１の部分５６ａは肩部５７を備えており、この肩部５７の高さレベルが締付け板２４の厚さの半分に相当する。
【００２０】
図１０〜１１には、クランプ２０と協働する締付け板２４の斜視図と平面図とが示されている。これらの図に示されているように、上記肩部５７は、上記クランプ２０から延びる締付け指状突起５８を収容するようになっている。取り付けの際には、この指状突起５８は最初に部分５６ｂの区域において自由位置に移動させられ、その次に、上記締付け板２４が、上記締付け指状突起５８が肩部５７と面接触させられる位置に反時計回りに回転させられる。この締付け指状突起５８は、平らな形状であり、かつ、上記締付け板の平らな接触表面２４ａに対して幾分か傾斜していることが適切である。上記締付け指状突起のこの回転は、上記締付け板の下側の中にねじ係合しているねじ５９を回転させることによって生じ、それによって、上記ねじ５９は、その頭部が上記クランプ２０の下面６０の高さよりも低い位置に引っ込められるようにねじ係合させられる。
【００２１】
図１２〜１３には、締付け板２４の別の実施形態が示されている。この場合には、締付け板の後部凸形部分５１は、肩部５７によって制限されている単一の凹み５６を備えており、肩部５７の高さは上記締付け板の厚さの半分に相当する値であることが好ましい。さらに、この場合には、締付け指状突起５８が、階段状の形状を有する平らな金属部分であり、上記肩部５７と接触している上部部分５８ａと上記クランプ２０の凹み６１の中にねじ５９によって締め付けられている下部部分５８ｂとを含む。締付け指状突起を収容する凹み５６は、２つの半径方向に延びる側面５６ａ、５６ｂと、上記半径方向側面５６ａ、５６ｂの間を延びる内側表面５６ｃとを含む。
【００２２】
別の実施形態では、この締付け板２４は、切削チップに向けて方向付けられておりかつ上記ホルダ本体１０の内側部分から供給される幾つかの冷却流を有するようになっている幾つかの冷却流路（図示していない）をその下側に備えることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 図１は、本発明の一実施形態による図２に示す通りの工具ホルダの線Ａ〜Ａに沿った断面図である。
【図２】 図２は、図１に示す工具ホルダのクランプおよびインサートの平面図である。
【図３】 図３は、本発明の工具ホルダの別の実施形態の縦断面図である。
【図４】 図４は、切削工具のインサートの縦断面図である。
【図５】 図５は、本発明の別の実施形態の中心線に沿った縦断面図である。
【図６】 図６は、図５にしたがう中央穴を有するインサートの図２にしたがう平面図である。
【図７】 図７は、本発明で使用することになっている締付け板の平面図である。
【図８】 図８は、本発明で使用することになっている締付け板の斜視図である。
【図９】 図９は、本発明で使用することになっている締付け板の斜視図である。
【図１０】 図１０は、本発明の一実施形態によるクランプとその関連の締付け板との斜視図である。
【図１１】 図１１は、図１０に示す本発明の一実施形態によるクランプとその関連の締付け板との平面図である。
【図１２】 図１２は、本発明の別の実施形態によるクランプとその関連の締付け板との斜視図である。
【図１３】 図１３は、図１２に示す本発明の別の実施形態によるクランプとその関連の締付け板との平面図である。

Claims (12)

1. 底面と、前記底面から直立する少なくとも１つの側面（１８）とによって規定されているポケットの中に切削インサート（１１）を保持するための工具ホルダ（１０）であって、
   前記インサートは、上面（１２）と、底面（１３）と、前記上面及び前記底面に交差する端面（１１ａ、１１ｂ）とを有し、且つ頂部クランプの中を完全に貫通して延びておりかつ前記工具ホルダ内の穴とねじ係合する締付けねじ（２２）によって、前記インサートに対して作動するために前記工具ホルダ上に装着されている前方および後方突出部（２３、２８）を有する頂部クランプ（２０）を含む工具ホルダにおいて、
   前記クランプの前方末端部分（２１）が、前記インサートの前記上面（１２）と面当接するようになっている平らな下側接触面を有する締付け板（２４）を完全に貫通する穴（２５）の穴壁と係合させられるべき接触表面を有する突出部の形状であり、且つ
   前記締付け板（２４）の前記穴（２５）の横断面が、前記インサートに下方に向かうにつれて縮小し、且つ前記締付け板が、前記頂部クランプ（２０）の材料よりも高い硬さと耐摩耗性とを有する材料で作られていること、
   を特徴とする工具ホルダ。
2. 前記頂部クランプ（２０）の前記突出部（２３）は、基本的に円筒形状を有し、
   前記突出部の上部部分は、前記締付け板（２４）の前記穴（２５）の中を通って下方に直線状に延びるが、
   前記突出部の下部部分（２３ｂ）は、下方かつ内方に向かって延び且つ前記インサート（１１）の前記上面からわずかに下方の位置で前記インサート（１１）の空洞（４５）と接触するようにすること、
   を特徴とする請求項１に記載の工具ホルダ。
3. 前記締付け板（２４）の厚さは、前記インサートの厚さよりも薄いことを特徴とする請求項１または２に記載の工具ホルダ。
4. 前記インサート（１１）は、互いに反対側に位置する２つの円形の空洞（４５）を含み、且つ
   各空洞は、円筒形またはわずかに円錐形の表面（４６）と、前記インサートの前記上面内の入口開口に向かうにつれて直径が増大することによって外方に拡大する外側空洞（４７）とを含むこと、
   を特徴とする請求項１から３のいずれか１に記載の工具ホルダ。
5. 前記互いに反対側に位置する２つの空洞（４５）は、前記空洞の間に中実の中央心部（４８）を有する座ぐり穴の形であることを特徴とする請求項４に記載の工具ホルダ。
6. ホルダ（１０）と、前記ホルダの前端の凹みの中に位置しているインサート（１１）と、を含む種類の工具ホルダ内で押圧手段として使用されるようになっている締付け板（２４）であって、
   前記ホルダ内のクランプ（２０）が、前記締付け板に係合されるべき前方突出部（２３）によって前記インサートを締め付けるために設けられている締付け板において、
   前記締付け板（２４）は、前方のくさび形部分（５０）と後方の凸形湾曲部分（５１）とによって規定されており、且つ
   前記締付け板は、前方隆起部分（５４）と、前記クランプ（２０）の前記前方突出部（２３）を収容するための穴（２５）を取り囲む後方凹み部分（５５）とを有しており、
   前記締付け板（２４）の前記穴（２５）は、前記締付け板（２４）を完全に貫通しており、前記穴（２５）の横断面は、前記インサートに向かう方向で下方に向かうにつれて縮小する、ことを特徴とする締付け板。
7. 前記後方凸形部分（５１）は、前記くさび形部分（５０）と前記後方凸形部分（５１）との間の互いに反対側に位置した側面部分（５２、５３）を備えており、且つ
   前記側面部分は平らな形状を有しかつ互いに平行であること、
   を特徴とする請求項６に記載の締付け板。
8. 前記後方凸形部分（５１）は、前記クランプ（２０）の前記下面に固定されている羽根形の締付け指状突起（５８）を収容するための半径方向に延びる凹み（５６）を備えており、且つ
   前記指状突起（５８）は、前記凹み（５６）内の肩部（５７）に押し付けて固定されるように構成されていること、
   を特徴とする請求項６または７に記載の締付け板。
9. 前記締付け板の前面が、湾曲した鼻端部分（４２ｂ）によって結合されている前方に終結する２つの平らな側面（４０、４１）を含み、且つ
   前記側面（４０、４１）は、前記湾曲した鼻端部分（４２ｂ）の対応する傾斜角度よりも小さい角度で傾斜していること、
   を特徴とする請求項６から８のいずれか１に記載の締付け板。
10. 前記鼻端部分（４２ｂ）と前記側面（４０、４１）の間に、前記側面（４０、４１）に適用される有効な傾斜角度よりも大きい傾斜角度で傾斜している追加の平らな側部部分（４２ａ、４２ｃ）が設けられていることを特徴とする請求項６から９のいずれか１に記載の締付け板。
11. 前記側部部分（４２ａ、４２ｃ）の前記傾斜角度は２０−４５°であり、且つ
    前記側面（４０、４１）の傾斜角度は５〜１５°であること、
    を特徴とする請求項１０に記載の締付け板。
12. 多角形のインサート（１１）と組み合わせて使用され、且つ前記前方側面（４０、４１）が、前記インサートの切削チップ（４３）に向かって前方に終結する２つの端面（１１ａ、１１ｂ）の間の鼻端角度よりも小さい角度で前方に終結することを特徴とする請求項６から１０のいずれか１に記載の締付け板。

Images