JP4436621B2 - 雄型部材と雌型部材の円錐結合構造 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に軸方向の圧縮荷重を受けるようになった雄型部材と雌型部材の円錐結合構造に関する。本発明の結合構造は、特に医用人工装具（プロテーゼ）の分野で利用されるが、これには限定されない。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
円錐形タイプの結合構造、例えば、モースコーン（Morse cone）は、２つの部品を簡単且つ分解可能な仕方で互いに組み付ける周知の解決策である。円錐結合構造は、図１に示すように、一般に金属製の雄型部材１と雌型部材２によって構成されている。雄型部材１は、コーン又は円錐形部分３を有し、このコーン又は円錐形部分は、これと対応関係をなす雌型部材２の円錐形凹部４と嵌合する。雄型部材１及び雌型部材２は、これらが結合位置にあるとき、間隙ｅ１，ｅ２がそれぞれ、雄型部材１のコーン３の遠位端部と雌型部材２の円錐形凹部４の底部との間及び雌型部材２のベース５と雄型部材１の上面又は肩６との間に生じたままであって、それにより凹部４内でのコーン３の食込み効果（wedging ）を得る一方で結合構造を超静圧（hyperstatic ）にするのを回避するよう設計されている。これら間隙ｅ１，ｅ２は、結合構造の使用範囲全体にわたって存続しなければならない。換言すると、雄型部材１及び雌型部材２は、結合構造に加わる軸方向荷重がどれほどのものであっても雌型部材２内への雄型部材１の侵入力に抵抗するよう設計されている。
【０００３】
この種の結合構造により、雌型部材に対する雄型部材の効果的な心出しが得られると共に雌型部材に対する雄型部材の回転が阻止されるようになる。しかしながら、これには、引張抵抗が非常に高い材料で雌型部材を製作する必要がある。確かに、結合構造を形成するため、即ち、雄型部材と雌型部材を互いに組み付けるのに必要なコーン３の角度及び軸方向圧縮力に鑑みて、コーン３と接触状態にある雌型部材の下方部分は永続的に引張力Ｔを受け、この引張力は、使用中、結合構造が軸方向圧縮荷重Ｆを受けると増大する。
【０００４】
したがって、かかる結合構造は、金属で作られ、かくして、非常に高い引張抵抗を備えた雄型部材及び雌型部材に適しているが、かかる結合構造の原理は、結合構造が大きな軸方向圧縮力Ｆ、例えば、或る特定の人工装具が受ける大きな軸方向圧縮荷重を受け、その雌型部材の構成材料の引張抵抗が低いような用途に適用するのは困難であると思われる。かかる場合、確かに、雌型部材は、雌型部材の構成材料の最大引張強さ限度を超えるとすぐに引張力Ｔの作用を受けてその下方部分のところが破断することになる。
【０００５】
本発明は、雌型部材が従来型円錐結合構造において一般に用いられている材料とは異なる材料で作られていて、軸方向圧縮荷重が結合構造に加えられた場合でも雌型部材の受ける引張力を制限できる円錐結合構造を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明によれば、雄型部材のコーンがこれと対応関係をなして雌型部材に形成された凹部の切頭円錐形部分と嵌合する雄型部材と雌型部材の円錐結合構造において、雌型部材は、ヤング率がせいぜい約３５ＧＰａに等しく且つせいぜい雄型部材の構成材料のヤング率に等しい材料で作られ、結合構造の軸線に垂直な雄型部材の表面が、これ又結合構造の軸線に垂直な雌型部材の表面に接触していて、雄型部材と雌型部材が互いに軸方向に当接するようになっていることを特徴とする円錐結合構造が提供される。
【０００７】
かくして、本発明の結合構造では、間隙が雄型部材と雌型部材との間に必然的に残される従来型円錐結合構造とは対照的に、雄型部材と雌型部材は互いに軸方向に当接する。かくして、雌型部材によって支持される引張力の大きさは、一定のままであり、特に、結合構造が大きさの漸増する軸方向圧縮荷重を受けても増大しない。したがって、雌型部材を引張抵抗の低い材料で作ることができる。
【０００８】
雄型部材と雌型部材の連結がわざわざ超静圧であるようにするこの解決策は、雌型部材の固有のレジリエンスにより、換言すると、雌型部材の構成材料のヤング率が低いこと、即ち、約３５ＧＰａ以下であるということ、及び雌型部材が雄型部材と少なくとも同じほど弾性であるということによって実現可能になる。これらの特性により、確かに、雌型部材は、雄型部材とのその組立て中、対応関係にある凹部内でのコーンの食込み効果を達成した後でも弾性変形により雄型部材のコーン沿いに雄型部材に向かって軸方向に動くことができる。雄型部材及び雌型部材を、雌型部材の構成材料の最大引張強さ限度を超える前に雌型部材が雄型部材に軸方向に当接するよう寸法決めすることによって、雄型部材のコーンが雌型部材の凹部内に食い込み、かくして、この凹部内に心出しされて回転が阻止され、しかも、雌型部材の受ける引張力が上述の最大限度よりも低い一定の値に制限されたままである円錐結合構造を得ることができる。
【０００９】
本発明の結合構造の代表的な実施形態では、雌型部材は、ピロカーボンで作られ、雄型部材は、金属、セラミック又はピロカーボンで作られる。
【００１０】
本発明は又、上述した結合構造を有する人工装具であって、結合構造の雌型部材は、人工装具のヘッドを構成し、雄型部材は、人工装具のネックを構成し、人工装具は、テールを更に有している人工装具、例えば、人工とう骨頭、人工尺骨頭又は人工股関節部を提供する。
本発明は更に、上述した結合構造を構成できる１組の雄型部材と雌型部材を提供することを目的としている。
【００１１】
この目的のため、本発明によれば、１組の雄型部材と雌型部材であって、雄型部材は、雌型部材に形成された凹部の切頭円錐形部分と嵌合するようになったコーンを有し、雌型部材は、ヤング率がせいぜい約３５ＧＰａに等しく且つせいぜい雄型部材の構成材料のヤング率に等しい材料で作られ、雄型部材は、コーンの軸線に垂直な当接面を有し、雄型部材と雌型部材は、コーンを凹部の切頭円錐形部分と嵌合させることにより互いに結合され、この結合構造に加えられた軸方向圧縮荷重の作用下において、上記嵌合に起因して生じる凹部内へのコーンの食込み効果が得られた後、雌型部材の弾性変形により雄型部材に対する雌型部材の軸方向変位が生じると、雌型部材の構成材料の最大引張強さ限度を超える前に、雌型部材が雄型部材の当接面に当接できるように寸法決めされていることを特徴とする１組の雄型部材と雌型部材が提供される。本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して行われる本発明の幾つかの実施形態についての以下の詳細な説明から明らかになろう。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下の説明の全体にわたり、特許請求範囲の記載で用いられている「嵌合（又は、嵌入）」は、雌型部材内での雄型部材の動きを封じる調整状態を意味している。
図２は、本発明の第１の実施形態の円錐結合構造又は嵌合構造を示している。この結合構造は、雄型部材１０と、雌型部材１１とから成る。雌型部材１１は、ヤング率又は弾性率が約３５ＧＰａ以下、例えば、約１０ＧＰａ〜３５ＧＰａ、であり雄型部材１０の構成材料のヤング率以下の材料で作られている。一例を挙げると、雌型部材１１をピロカーボンで作り、雄型部材１０を金属、セラミック又はピロカーボンで作るのがよい。好ましくは、雌型部材１１の構成材料は、その引張強さよりも高い圧縮強さ（単位はＭＰａで表される）を有している。
【００１３】
雄型部材１０は、コーン１２と、結合構造の軸線Ａ１、即ち、コーン１２の軸線に垂直な当接面として働く肩１３とを有している。コーン１２は、雌型部材１１に対応関係をなして設けられた凹部１４内に、この凹部の切頭円錐形部分１５に嵌入することによって食い込む。好ましくは、凹部１４は、コーン１２と接触状態にある切頭円錐形部分１５に加えて、切頭円錐形部分１５の小径端部からの切頭円錐形部分１５に続く余裕分として凹部１４の底部に隣接して位置し、雄型コーン１２の遠位端部１２′の直径ｄ２以上の直径ｄ１をもつ円錐形間隙部分１６を有している。円錐形間隙部分１６は、図２に示すように雄型コーン１２の遠位端部１２′を受け入れるのに役立つ。間隙部分１６内への雄型コーン１２のコーン遠位端部１２の挿入を可能にするため、切頭円錐形部分１５の小径ｄ３も又、直径ｄ２以上である。
【００１４】
雄型コーン１２の角度αは、凹部１４の切頭円錐形部分１５の角度と実質的に同一である。この角度は、凹部１４内での雄型コーン１２の嵌合状態をユーザが適度な力を及ぼすことにより解くことができるほど十分に大きく、しかも雄型部材１０と雌型部材１１が互いに対してしっかりと動きが封じられた状態のままであって、雌型部材がその弾性のためにコーン１２に沿ってせり上がることにより雄型部材１０から弛むことがないほど十分小さいものであるように選択されている。実際には、特にピロカーボンで作られた雌型部材の場合、テーパ角度αは代表的には、２．５°〜５°であり、好ましくは約４°である。
【００１５】
雌型部材１１のベース又は近位端面１７は、雄型部材１０の肩１３と接触状態にある。かくして、雌型部材１１の受ける引張力Ｔの強さは、一定のままであり、これは、結合組織が可変強さの軸方向圧縮荷重Ｆを受けた場合でも一定のままである。
【００１６】
図２の結合構造を得るには、雄型部材１０と雌型部材１１を、雄型コーン１２が雌型部材１１の凹部１４に食い込んで図３に示すように雄型部材と雌型部材を互いに対して固定するように互いに組み立て、次に、追加の又は補足的な軸方向圧縮荷重を加えて雌型部材１１のベース１７が肩１３に当接するまで雌型部材１１を雄型部材１０に対して軸方向に変位させる。この軸方向変位中、凹部１４が形成されている雌型部材１１の底部は、拡張し、かくして、テーパ角度αが設けられているので漸増強さの引張力を受けるが、これら引張力は、雌型部材１１が肩１３にいったん接触すると、もはや増大しない。コーン１２及びこれと対応関係を成す凹部１４の寸法形状は、雌型部材１１の構成材料の最大引張強さ限度を超える前に、雌型部材１１のベース１７が肩１３に当接できるように選択されている。
【００１７】
図４は、本発明の第２の実施形態の円錐結合構造を示している。この結合構造は、雄型部材１０ａの当接面が、肩１３ａによっては構成されておらず、雌型部材１１ａの凹部１４ａの底部１４ａ′と接触状態にあるコーン１２ａの遠位端面１２ａ′によって構成されている点において図２に示す結合構造とは異なっている。この第２の実施形態の結合構造は、ベースの幅が狭い雌型部材に一層適している。これは、第１の実施形態の結合構造と同じようなやり方で得られる。
【００１８】
図５〜図１０は、上述の結合原理を用いた人工装具を示している。
図５には、人工とう骨頭が示されている。この人工装具は、ピロカーボン製ヘッド２０、金属製ネック２１及び金属製テール（尾部）２２によって構成されている。ヘッド２０を構成するピロカーボンは、中実一体もの又は黒鉛基材に被着されたピロカーボンの被膜の形態をしている。ヘッド２０は、とう骨頭に置き換わるようになっており、テール２２は、とう骨（radius）に設けられた穴に導入されるようになっている。
【００１９】
ヘッド２０とネック２１は一緒になって図２に示すタイプの結合構造を形成し、ヘッド２０は、少なくとも一部は切頭円錐形の凹部を備えた雌型部材の役割を果たし、雄型部材のネック２１は、コーン及び雌型部材が当接する肩又は当接面（図６参照）を有している。しかしながら、この結合構造は、変形例として、図４に示すタイプのものであってもよい。
【００２０】
テール２２は、従来型円錐形連結構造によってネック２１に結合され、雌型部材、即ち、テール２２の凹部の底部と雄型部材、即ち、ネック２１のコーンの遠位端部との間及び雌型部材のベースと雄型部材の肩との間には間隙が生じている（基準間隔ｅ３，ｅ４を参照のこと）。
【００２１】
このモジュール設計の組立体により、人工装具の各要素２０，２１，２２は、互換性がある。かくして、各要素２０，２１，２２を、種々のサイズに設計でき、これら要素は、そのサイズがたとえどのようなものであっても、同一の寸法形状の凹部又は雄型コーンを有することができ、従って、人工装具の所与の要素を別の寸法の同一要素に交換できるようになっている。かくして、外科医は、ヘッド及びテールのそれぞれの寸法を或る特定の患者についていったん選択しても、上腕骨（humerus）及び尺骨（cubitus ）に対するヘッドの最適な位置決め状態が得られるようネックの寸法を選択することができる。
【００２２】
本発明の人工とう骨頭の別の特徴によれば、とう骨に設けられた穴内への人工装具の効果的な繋留を行うために、テール２２は有利には、ねじ２３を図８に示すようにこの中に挿入すると、横方向に拡開するようになった拡張可能なピンの形態をしている。テール２２は、ねじ２３の導入及び螺入を可能にする螺設部分と、テールの拡開可能な部分を構成する弾性変形可能な脚部２５及びねじ２３の導入中、脚部２５を互いに離隔させるようねじ２３の円錐形遠位部分２７と相互作用すると共にねじ２３の導入をいったん完了すると脚部２５を離隔位置に固定するようねじ２３の円筒形部分２８と相互作用するようになった内部突起２６を有している（図７及び図８を参照のこと）。とう骨の切除表面３０に当接するようになったフランジ２９が、テール２２の近位端部の高さ位置に更に設けられている。テール２２の外面３１は、図５及び図６に示すように、とう骨の穴内へのこのテール２２の繋留の度合いを一層高めるよう好ましくは切込み付きである。
【００２３】
図９は、尺骨頭の人工装具を示している。この人工装具は、尺骨頭に置き換わるようになったピロカーボン製ヘッド４０、金属製ネック４１及び尺骨に設けられた穴に導入されるようになった金属製テール４２によって構成されている。ヘッド４０とネック４１は、図２に示すタイプの結合構造を形成している。しかしながら、この結合構造は、図４に示すタイプのものであってもよい。ネック４１とテール４２は、従来型円錐結合構造により互いに結合される。
【００２４】
図１０は、ピロカーボン製ヘッド５０、金属製ネック５１及び金属製テール５２によって構成された股関節部（hip ）の人工装具、即ち、人工股関節部を示している。ネック５１及びテール５２は好ましくは、単一部品組立体を形成している。ヘッド５０及びネック５１は、図２の結合構造又は、変形例として図４の結合構造と性能が同等の結合構造を形成している。
【図面の簡単な説明】
【図１】従来技術の円錐結合構造の断面図である。
【図２】図１の第１の実施形態の円錐結合構造の断面図である。
【図３】本発明の第１の実施形態の結合構造の中間状態を示す断面図である。
【図４】本発明の第２の実施形態の円錐結合構造を示す断面図である。
【図５】本発明の結合構造を用いた人工とう骨頭を示す分解平面図である。
【図６】組立て状態の図５の人工装具を示す平面図である。
【図７】図６に示す人工装具のテールを構成する拡張ピンを示す断面図である。
【図８】とう骨に挿入された図７の拡張ピンを示す断面図である。
【図９】本発明の結合組織を用いる人工尺骨頭を示す平面図である。
【図１０】本発明の結合組織を用いる人工股関節部を示す平面図である。
【符号の説明】
１０ 雄型部材
１１ 雌型部材
１２ コーン
１３ 当接面
１４ 凹部
１５ 切頭円錐形部分
１６ 円錐形間隙部分
Ａ１ 円錐結合構造の軸線

Claims (19)

1. 雄型部材（10）のコーン（12）がこれと対応関係をなして雌型部材（11）に形成された凹部（14）の切頭円錐形部分（15）と嵌合する雄型部材（10）と雌型部材（11）の円錐結合構造であって、雄型部材（10）及び雌型部材（11）は、補助組付け手段、又は雄型部材（10）及び雌型部材の間の中間本体のいずれも使用することなくコーン（12）を切頭円錐形部分（15）に食い込ませることによって互いの移動が阻止される円錐結合構造において、雌型部材（11）は、ヤング率がせいぜい約３５ＧＰａに等しく且つせいぜい雄型部材の構成材料のヤング率に等しい材料で作られ、結合構造の軸線（A1）に垂直な雄型部材の表面（13）が、これ又結合構造の軸線に垂直な雌型部材の表面（17）に接触していて、雄型部材（10）と雌型部材（11）が互いに軸方向に当接するようになっており、結合構造の軸線に垂直な雄型部材の前記表面（13）は、雄型部材（10）の肩によって構成され、結合構造の軸線に垂直な雌型部材の前記表面（17）は、雌型部材（11）のベースによって構成されていることを特徴とする円錐結合構造。
2. 雌型部材（11）は、ピロカーボンで作られていることを特徴とする請求項１に記載の結合構造。
3. 雄型部材（10）は、金属、セラミック又はピロカーボンで作られていることを特徴とする請求項２に記載の結合構造。
4. 雌型部材（11）の構成材料のヤング率は、約１０ＧＰａ〜約３５ＧＰａである特徴とする請求項１〜３のうちいずれか一に記載の結合構造。
5. 雌型部材（11）の構成材料は、引張抵抗よりも圧縮抵抗のほうが高いことを特徴とする請求項１〜４のうちいずれか一に記載の結合構造。
6. 雄型部材（10）のコーン（12）及び雌型部材（11）の凹部（14）の切頭円錐形部分（15）は、実質的に同一のテーパ角度（α）を有し、前記テーパ角度は、約２．５°〜約５°であることを特徴とする請求項１〜５のうちいずれか一に記載の結合構造。
7. 雄型部材（10）及び雌型部材（11）は、人工装具の部品であることを特徴とする請求項１〜６のうちいずれか一に記載の結合構造。
8. 請求項１〜６のうちいずれか一に記載の結合構造を有する人工装具であって、結合構造の雌型部材は、人工装具のヘッド（20）を構成し、雄型部材は、人工装具のネック（21）を構成し、人工装具は、テール（22）を更に有していることを特徴とする人工装具。
9. テール（22）は、円錐形結合構造によってネック（21）に結合されていることを特徴とする請求項８に記載の人工装具。
10. テール（22）は、拡張可能なピンの形態をしていることを特徴とする請求項８又は９に記載の人工装具。
11. テール（22）の外面（31）は、切込み付きであることを特徴とする請求項１０に記載の人工装具。
12. 人工とう骨頭（20〜22）、人工尺骨頭（40〜42）又は人工股関節部（50〜52）から成ることを特徴とする請求項８〜１１のうちいずれか一に記載の人工装具。
13. １組の雄型部材（10）と雌型部材（11）であって、雄型部材（10）は、補助組付け手段、又は雄型部材（10）及び雌型部材の間の中間本体のいずれも使用することなく雄型部材（10）と雌型部材（11）とが互いに移動するのを阻止するように雌型部材（11）に形成された凹部（14）の切頭円錐形部分（15）に食い込むようになったコーン（12）を有し、雌型部材（11）は、ヤング率がせいぜい約３５ＧＰａに等しく且つせいぜい雄型部材（10）の構成材料のヤング率に等しい材料で作られ、雄型部材は、コーン（12）の軸線（A1）に垂直であり、雄型部材の肩によって構成された当接面（13）を有し、雄型部材と雌型部材は、コーン（12）を凹部（14）の切頭円錐形部分（15）と嵌合させることにより互いに結合され、この結合構造に加えられた軸方向圧縮荷重の作用下において、前記嵌合に起因して生じる凹部（14）内へのコーン（12）の食込み効果が得られた後、雌型部材の弾性変形により雄型部材（10）に対する雌型部材（11）の軸方向変位が生じると、雌型部材（11）の構成材料の最大引張強さ限度を超える前に、雌型部材（11）のベース(17)が雄型部材（10）の当接面（13）に当接できるように寸法決めされていることを特徴とする１組の雄型部材と雌型部材。
14. 雌型部材（11）の凹部（14）の切頭円錐形部分（15）の小径（d3）は、雄型部材（10）のコーン（12）の遠位端部（12′）の直径（d2）に少なくとも等しく、雌型部材（11）の凹部（14）の切頭円錐形部分（15）は、雄型部材（10）のコーン（12）の遠位端部（12′）の直径（d2）に少なくとも等しい直径（d1）のものであり且つ雌型部材（11）が雄型部材（10）の当接面（13）に当接したときにこの遠位端部（12′）を受け入れるようになった間隙部分（16）だけ、その小径端部（d3）の高さ位置のところで余裕をもっていることを特徴とする請求項１３に記載の１組の雄型部材と雌型部材。
15. 雌型部材（11）は、ピロカーボンで作られ、雄型部材（10）は、金属、セラミック又はピロカーボンで作られていることを特徴とする請求項１３又は１４に記載の１組の雄型部材と雌型部材。
16. 雌型部材（11）の構成材料のヤング率は、約１０ＧＰａ〜約３５ＧＰａである特徴とする請求項１３〜１５のうちいずれか一に記載の１組の雄型部材と雌型部材。
17. 雌型部材（11）の構成材料は、引張抵抗よりも圧縮抵抗のほうが高いことを特徴とする請求項１３〜１６のうちいずれか一に記載の１組の雄型部材と雌型部材。
18. 雄型部材（10）のコーン（12）及び雌型部材（11）の凹部（14）の切頭円錐形部分（15）は、実質的に同一のテーパ角度（α）を有し、前記テーパ角度は、約２．５°〜約５°であることを特徴とする請求項１３〜１７のうちいずれか一に記載の１組の雄型部材と雌型部材。
19. テーパ角度（α）は、約４°であることを特徴とする請求項１８に記載の１組の雄型部材と雌型部材。

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