JP4436117B2 - ドラムブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のドラムブレーキ装置に関する。
自動車のドラムブレーキ装置の一形態として、サービスブレーキ時にはリーディング・トレーリング型、パーキングブレーキ時にはデュオサーボ型として機能するドラムブレーキ装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
図7は、特許文献1に記載のドラムブレーキ装置を示す正面図である。ドラムブレーキ装置501は、主にブレーキシュー521、ピボットレバー571、アジャストレバー581、第一ストラット591およびアジャスタスプリングSP504を備えている。
ブレーキシュー521は、車両進行時にサービスブレーキを駆動すると、リーディングシューとして機能する部材である。
ピボットレバー571は、パーキングブレーキ駆動時に第一ストラット591を押す部材であり、その本体部がブレーキシュー521の背面に設けられている。またピボットレバー571は、本体部から立設しブレーキシュー521に回動または揺動可能に接する凸部573と、本体部から立設し、ブレーキシュー521の孔に遊貫されるロッドピン575を有している。
アジャストレバー581は、ブレーキシュー521の正面に設けられており、ロッドピン575によって軸支されている。
第一ストラット591は、ブレーキシュー521と、もう一方のブレーキシューとの間に掛けられている。これら2個のブレーキシューと、ブレーキドラム内周面との間の隙間が大きくなった場合には、アジャストレバー581によってその長さを調整可能となっている。
アジャスタスプリングSP504は、ブレーキシュー521とアジャストレバー581とに掛け渡されている。このアジャスタスプリングSP504は、第一ストラット591の長さを調整するためにアジャストレバー581を付勢するための部材である。
特開2003−314594号公報(段落0025〜0051、図1、図6)
しかしながら、特許文献1に記載のドラムブレーキ装置501は、以下に示す問題を有している。
アジャスタスプリングSP504は、ピボットレバー571の凸部573上(図の手前側)を通るため、図の下から上に向かって図の手前側にくるように傾いている。そのため、ロッドピン575が挿通された部分を軸としてアジャストレバー581が浮き上がる方向にモーメントが作用する。このモーメントによってアジャストレバー581の位置が変位すると、他の部材と干渉し(ここではピボットレバー571の第一ストラット591側端部と第一ストラット591の溝とのすべり抵抗が大きくなり)、動作不良を起こすおそれがある。
本発明は、前記した問題を解決すべく創案されたものであり、アジャスタスプリングの付勢力に起因するモーメントによるアジャスタレバーのモーメントに起因する動作不良を防ぐことができるドラムブレーキ装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載のドラムブレーキ装置は、凹部と、ロッドピン遊貫孔と、を有するブレーキシューと、前記ブレーキシューの背面に設けられる本体部と、前記本体部から立設し、前記凹部に当接する凸部と、前記本体部から立設し、前記ブレーキシューの孔に遊貫されるロッドピンと、を有するピボットレバーと、前記ブレーキシューの正面に設けられ、前記ロッドピンに軸支されるアジャストレバーと、前記ブレーキシューと前記アジャストレバーとに掛け渡され、前記凸部に接しているアジャスタスプリングと、を備えたドラムブレーキ装置であって、前記アジャストレバーは、底部と、前記底部から、前記アジャスタスプリングの傾斜に対応して前記ブレーキシューの正面から離れる方向に立設し、前記アジャスタスプリングが掛けられる第一立設部と、前記底部から、前記第一立設部と同じ側に立設し、前記ロッドピンが挿通されるロッドピン挿通孔を有する第二立設部と、を備え、前記第一立設部と同じ側に前記底部から離れた位置で前記ロッドピンに軸支される構成とした。
かかる構成によると、ロッドピンは、底部から立設した第二立設部を軸支するため、アジャスタスプリングによる、ロッドピンを支点としたアジャストレバーが浮き上がろうとするモーメントを小さくすることができる。したがって、アジャスタスプリングの付勢力によるアジャスタレバーの浮き上がりを防ぐことができる。
また、請求項2に記載のドラムブレーキ装置は、請求項1に記載のドラムブレーキ装置であって、前記ロッドピンは、前記ピボットレバーの本体部から立設する大径部と、この大径部から立設する小径部と、前記大径部と前記小径部の間に設けられるテーパ面と、を有し、前記小径部は、前記第二立設部のロッドピン挿通孔に挿通されており、前記第二立設部の背面は、前記大径部と前記小径部との間の前記テーパ面に当接している構成とした。
かかる構成によると、ロッドピンの大径部と小径部との外周面の間に設けられた面が第二立設部の背面と当接しているので、アジャストレバーの姿勢がより安定する。
また、大径部と小径部との間の面は、テーパ面であることが好ましい。言い換えると、大径部の小径部側を、テーパ面を有するテーパ部とする構成である。このテーパ面と、第二立設部の背面とロッドピン挿通孔との隅部(すなわち、第二立設部の背面のロッドピン挿通孔側端部)とが当接するようになり、当接面積が小さくなるため、アジャストレバーの動作(ロッドピンまわりの回動)がスムーズになる。
また、請求項3に記載のドラムブレーキ装置は、請求項1または請求項2に記載のドラムブレーキ装置であって、前記凸部は、前記凹部に当接する凸部本体と、前記凸部本体から立設し、前記ブレーキシューの正面に係合する係合部と、からなり、前記アジャスタスプリングのコイル部分は、前記係合部の窪みに当接している構成とした。
かかる構成によると、ピボットレバーは、本体部と係合部とでブレーキシューを挟み込むかたちになり、ピボットレバーの姿勢が安定する。また、係合部の窪みにコイル部分がはまりこみ、アジャスタスプリングの姿勢がより安定する。
本発明によれば、アジャスタスプリングの付勢力に起因するモーメントによるアジャストレバーの浮き上がりを防ぐことができ、アジャスタスプリングの付勢力によるアジャストレバーのモーメントに起因する動作不良を防ぐことができるドラムブレーキ装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。同様の部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係るドラムブレーキ装置を示す正面図である。図2は、図1のブレーキシュー、ピボットレバー、アジャストレバーおよびリンクブラケットを示す図である。図3は、図1のA−A線断面図であり、アクチュエータを説明する図である。図4、は図1のアジャストレバーを示す斜視図である。図5(a)は、図1のB−B線断面図であり、アジャストレバーおよび第一ストラットを説明する図、図5(b)は、ロッドピンを示す図である。
図1に示されるように、ドラムブレーキ装置1は、バッキングプレート11、一対のブレーキシュー21,31、アンカブロック41、ホイールシリンダ51、アクチュエータ61、ピボットレバー71、アジャストレバー81、第一ストラット91、リンクブラケット101およびリンクプレート111を備えている。また、アッパーリターンスプリングSP1、ストラットスプリングSP2、ブラケットスプリングSP3、アジャスタスプリングSP4およびプルオフスプリングSP5を備えている。
(バッキングプレート11)
バッキングプレート11は、円盤形状であり、開口11aを有している。
開口11aは、バッキングプレート11の中央部分に形成されており、車軸を挿通させるものである。
(ブレーキシュー21)
ブレーキシュー21は、公知の保持機構H1によってバッキングプレート11に揺動可能に支持されており、車両進行時(矢印R)にサービスブレーキを駆動するとリーディングシューとして機能する。図2に示されるように、このブレーキシュー21は、ウェブ22、シューリム23およびライニング24を有している。
ウェブ22は、一端T1および他端T2を有する細長平面形状の部材であり、切欠き22a、切欠き22b、凹部22c、窪み22d、ロッドピン遊貫孔22e、孔22f、孔22g、孔22h、孔22i、孔22jおよび孔22kを有している。このうち窪み22d,孔22iおよび孔22kは、ウェブ22およびウェブ32として同一形状の部材を用い、部品点数を削減した結果として設けられたものであり、本実施形態では使用されない。
切欠き22aは、一端T1側に設けられており、アッパーリターンスプリングSP1を掛けるためのものである。
切欠き22bは、一端T1側に設けられており、第一ストラット91と係合している。
凹部22cは、一端T1および他端T2の中間部分の内側面に設けられており、ピボットレバー71の凸部本体73を回動または揺動可能な状態で当接している。
ロッドピン遊貫孔22eは、ピボットレバー71のロッドピン75を挿通させている。孔22eは、ロッドピン75に対して十分に大きく、遊貫させた状態となっている。
孔22fは、保持機構H1を挿通させている。
孔22gは、アジャスタスプリングSP4を掛けるためのものである。
孔22hは、プルオフスプリングSP5を掛けるためのものである。
孔22jは、角窓であり、アクチュエータ61を挿通させている。また孔22jは、リンクプレート111を掛けるためのものである。
シューリム23は、ウェブ22の外側に沿って配設され、ブレーキドラムの内面に倣うような円弧形状を有している。
ライニング24は、シューリム23の外側面に貼設された摩擦要素である。
(ブレーキシュー31)
ブレーキシュー31は、公知の保持機構H2によってバッキングプレート11に揺動可能に支持されており、車両進行時(矢印R)にサービスブレーキを駆動するとトレーリングシューとして機能する。図2に示されるように、このブレーキシュー31は、ウェブ32、シューリム33およびライニング34を有している。
ウェブ32は、一端T3および他端T4を有する細長平面形状の部材であり、切欠き32a、切欠き32b、凹部32c、窪み32d、孔32e、孔32f、孔32g、孔32h、孔32i、孔32jおよび孔32kを有している。このうち凹部32c、孔32e、孔32gおよび孔32hは、ウェブ22およびウェブ32として同一形状の部材を用い、部品点数を削減した結果として設けられたものであり、本実施形態では使用されない。
切欠き32aは、端部T3側に設けられており、アッパーリターンスプリングSP1を掛けるためのものである。
切欠き32bは、端部T3側に設けられており、第一ストラット91に係合している。
窪み32dは、リンクブラケット101の回動を可能にするためのものである。
孔32fは、保持機構H2を挿通させる。
孔32iは、ブラケットスプリングSP3を掛けるためのものである。
孔32jは、角窓であり、アクチュエータ61を挿通させている。
孔32kは、リンクブラケット101の回動支点部103を挿通させている。
シューリム33は、ウェブ32の外側に沿って配設され、ブレーキドラムの内面に倣うような円弧形状を有している。
ライニング34は、シューリム33の外側面に貼設された摩擦要素である。
(アンカブロック41)
アンカブロック41は、正面視矩形の部材であり、ブレーキシュー21,31の他端T2,T4に当接している。当接面は、平行またはブレーキシュー21,31のずり落ちを防ぐために「ハ」の字状となっている。
(ホイールシリンダ51)
ホイールシリンダ51は、サービスブレーキによって駆動する部材であり、ブレーキ液圧により長軸方向に進退可能なピストンを内蔵している。サービスブレーキ駆動時には、ホイールシリンダ51は、ブレーキシュー21,31の一端T1,T3を押し広げる。
(アクチュエータ61)
アクチュエータ61は、パーキングブレーキによって駆動する部材である。図3に示されるように、このアクチュエータ61は、操作レバー62、ピン63および第二ストラット64を備えている。
操作レバー62は、湾曲した部材であり、孔62a、切欠き62b、突起部62c、当接部62d、第一係止部62eおよび第二係止部62fを有している。
孔62aは、操作レバー62の先端に設けられており、パーキングブレーキのケーブルを固定するためのものである。
切欠き62bは、ストラットスプリングSP2を掛けるためのものである。
突起部62cは、ブレーキシュー31の孔32jに挿通されている。
当接部62dは、バッキングプレート11のフランジ部11bに当接している。
第一係止部62eは、操作レバー62の回動軸(ピン63)まわりに設けられている。ここでは、操作レバー62の右側に設けられている。
第二係止部62fは、操作レバー62の回動軸(ピン63)まわりに設けられている。ここでは、操作レバー62の左側に設けられている。
ピン63は、操作レバー62と第二ストラット64とを互いに回動可能に軸支している。
第二ストラット64は、ブレーキシュー31からブレーキシュー21までのびる部材であり、切欠き64a、第一突起部64b、第二突起部64c、孔64d、ストッパ64eおよびストッパ64fを有している。
切欠き64aは、第二ストラット64の中央部分に設けられており、プルオフスプリングSP5を掛けるためのものである。
第一突起部64bは、後記するピボットレバー71の切欠き72bにはめ込まれ、ブレーキシュー21の孔22jに挿通されている。
第二突起部64cは、ピボットレバー71の背面に沿う部分である。
孔64dは、ストラットスプリングSP2を掛けるためのものである。
ストッパ64eは、第二ストラット64から図3手前側に突出した部分であり、操作レバー62の右側で第一係止部62eを係止している。
かかる第一係止部62eおよびストッパ64eを設けたことにより、ストラットスプリングSP2を掛け渡した状態における操作レバー62と第二ストラット64との位置決めが容易となり、アクチュエータ61の組付作業性が向上する。
ストッパ64fは、第二ストラット64から図3奥側に突出した部分である。
このように、ストッパ64eおよびストッパ64fをそれぞれ第二ストラット64の異なる面に設けたのは、左右の車輪用のドラムブレーキ装置における部品点数を減らすための措置である。図示したドラムブレーキ装置1と反対側の車輪に設けられるドラムブレーキ装置においては、操作レバー62が第二ストラット64の図3背面に設けられるため、ストッパ64fが第二係止部62fを係止し、位置決めに役立つ。なお当然のことであるが、ストッパ64fおよび第二係止部62fを有しない構成であってもよい。
(ピボットレバー71)
ピボットレバー71は、アクチュエータ61の動作を第一ストラット91に伝えるための部材である。図2に示されるように、このピボットレバー71は、本体部72、凸部本体73、係合部74およびロッドピン75を備えている。
本体部72は、ブレーキシュー21のウェブ22の図中奥側に設けられるものであり、孔72a、切欠き72bおよび突起部72c,72dを備えている。
孔72aは、ブレーキシュー21の孔22fと重なる位置に設けられており、保持機構H1を挿通させる。
切欠き72bは、第二ストラット64の第一突起部64bをはめ込むためのものである。
突起部72c,72dは、本体部72のブレーキシュー21側面に設けられており、ウェブ22と接する部分である。
凸部本体73は、本体部72から立設した部分であり、ブレーキシュー21の凹部22cに線接触する曲面を有している。なお凸部本体73の曲率半径は、凹部22の曲率半径よりも小さくなるように形成されている。
係合部74は、凸部本体73からさらに立設しており、ウェブ22を図手前側から挟み込む。また係合部74は、窪み74aを有している。
窪み74aは、アジャスタスプリングSP4を通す部分である。
ここでいう凸部本体73および係合部74が、特許請求の範囲における「凸部」に相当する。
図5(b)に示されるように、ロッドピン75は、本体部72から立設しており、大径部75aおよび小径部75bを備えている。
大径部75aは、本体部から立設しており、アジャストレバー81の第二立設部86の孔86aよりも大きい径を有している。その高さは、アジャストレバー81の第二立設部86の背面までよりもやや高く、後記する面75cが孔86aに部分的に入り込むように形成されている。
小径部75bは、大径部75aから立設しており、孔86aよりもやや小さい径を有している。
このロッドピン75は、ロッドピン遊貫孔22eに遊貫され、アジャストレバー81を軸支する。つまり大径部75aが、ロッドピン遊貫孔22eに遊貫される。また小径部75bが、アジャストレバー81の第二立設部86の孔86aに挿通される。また、大径部75aと小径部75bとの間には、面75cが形成されている。この面75cは、大径部75aから小径部75bにむかって細くなる傾斜を有するテーパ部の外周面であり、第二立設部86の背面と孔86aとの隅部(すなわち、第二立設部86の背面の孔86a側端部)に当接している。このように面75cがテーパ面であるため、アジャストレバー81との当接面積を小さくし、アジャストレバー81のスムーズな動作が実現可能である。
(アジャストレバー81)
アジャストレバー81は、シュークリアランスを調整するための部材である。図4に示されるように、このアジャストレバー81は、底部82、係合部83、第一立設部84、爪部85および第二立設部86を有している。
底部82は、その図4下側に係合部83、図4右側に第一立設部84、図4上側に第二立設部86が一体に設けられている。
係合部83は、底部82から分岐しており、第一ストラット91の第三段差部93cに係合している。また係合部83は、突起83aを有している。
突起83aは、アジャストレバー81と第三段差部93cとの接触面積を減少させることにより、アジャスタスプリングSP4の荷重の分力により爪部85が歯車94aを押える力を適正値に安定させる。
第一立設部84は、底部82から立設しており、孔84aを有している。
孔84aは、アジャスタスプリングSP4を掛けるためのものである。
爪部85は、第一立設部84の先端部分であり、歯車94aに係合している。
第二立設部86は、底部82から立設しており、ロッドピン挿通孔86aを有している。
ロッドピン挿通孔86aは、ロッドピン75に嵌合している。
(第一ストラット91)
第一ストラット91は、ブレーキシュー21の切欠き22bと、ブレーキシュー31の切欠き32bとに係合されている部材である(図2参照)。図5に示されるように、この第一ストラット91は、チューブ部材92、ソケット部材93およびボルト部材94から構成されている。
チューブ部材92は、ブレーキシュー31側の部材であり、その内径部に雌ネジがきられている。またチューブ部材92は、係合溝92aを有している。
係合溝92aは、チューブ部材92の端部に設けられており、ブレーキシュー31の切欠き32bに係合している。また、係合溝92aの底部は、略V字型の傾斜面となっている。このことにより、第一ストラット91とブレーキシュー31の位置決めが確実に行われ、第一ストラット91の揺動を防止している。
ソケット部材93は、ブレーキシュー21側の部材であり、第一段差部93a、第二段差部93bおよび第三段差部93cを有している。
第一段差部93aは、当接面93a1および傾斜面93a2を有している。当接面93a1は、第一段差部93aの最深部であり、ブレーキシュー21の切欠き22bと当接している。傾斜面93a2は、開口幅を減ずるような勾配を有している。
この傾斜面93a2は、ブレーキシュー21の組付時に、ウェブ22を斜めに差し込むことで容易に組付可能とするためのものである。
第二段差部93bは、ブレーキシュー21の背面に設けられるピボットレバー71に係合している。
第三段差部93cは、ブレーキシュー21の表面に設けられるアジャストレバー81に係合している。
ボルト部材94は、チューブ部材92とソケット部材93とを連結させる部材である。このボルト部材94は、雄ネジ部を有し、チューブ部材92に螺合している。またボルト部材94は、歯車94aを有している。
かかる第一ストラット91は、ボルト部材94の螺入量を手動または自動で調整することで、長さを変え、ブレーキシュー21,31とブレーキドラムとの間隙量を調整することができる。ここで自動調整について説明する。ブレーキシュー21と第一ストラット91との間に隙間が生じたときに、アジャストレバー81の爪部85が図1下側に動き、歯車94aを回転させる。すると、第一ストラット91が長くなり、ブレーキシュー21と第一ストラット91とが当接すると歯車94aの回転が止まる。
(リンクブラケット101)
リンクブラケット101は、ブラケットスプリングSP3の付勢力を利用して、リンクプレート111を介してブレーキシュー21をアンカブロック41側に引っ張るための部材である。図2に示されるように、このリンクブラケット101は、開口部102、回動支点部103、取付部104および係合部105を有している。
開口部102は、リンクプレート111と係合部105で係合し、かつアクチュエータ61の操作レバー62の突起部62cを挿通させている。
回動支点部103は、ブレーキシュー31の孔32kに遊嵌している。
取付部104は、ブラケットスプリングSP3を掛けるためのものである。この取付部104は、ブレーキシュー31の窪み32d近傍から立ち上がる構成となっている。
係合部105は、開口部102に設けられており、リンクプレート111を掛けるためのものである。
(リンクプレート111)
リンクプレート111は、ブレーキシュー21の孔22jと、リンクブラケット101の係合部105とに掛け渡されている。このリンクプレート111は、ブレーキシュー21をアンカブロック41側に引き付ける役割を担っている。
かかるリンクブラケット101およびリンクプレート111によると、ブラケットスプリングSP3の付勢力を利用して、ブレーキシュー21,31の他端T2,T4を縮径方向に付勢することができる。この付勢力を、アッパーリターンスプリングSP1の付勢力よりも大きくすることで、パーキングブレーキ作動初期時には端部T1,T3側が先に開くようになる。また異音の発生を抑えることができる。また、ブラケットスプリングSP3として、付勢力の小さいスプリングを使用できるので、組付性が向上する。
(各種スプリング)
続いて、ドラムブレーキ装置1に設けられた各種スプリングについて説明する。
アッパーリターンスプリングSP1は、ブレーキシュー21の切欠き22aと、ブレーキシュー31の切欠き32aとに掛け渡されている。このアッパーリターンスプリングSP1は、ブレーキシュー21の一端T1とブレーキシュー31の一端T3とを縮径方向に付勢するための部材である。
ストラットスプリングSP2は、操作レバー62の切欠き62bと、第二ストラット64の孔64dとに掛け渡されている。このストラットスプリングSP2は、操作レバー62の当接部62dをバッキングプレート11のフランジ部11bに当接させる方向に近接させるように作用する。
ブラケットスプリングSP3は、リンクブラケット101の取付部104と、ブレーキシュー31の孔32iとに掛け渡されている。このブラケットスプリングSP3は、取付部104を直線L1よりも外側に付勢している。
アジャスタスプリングSP4は、アジャストレバー81の孔84aと、ブレーキシュー21の孔22gとに掛け渡されている。このアジャスタスプリングSP4は、アジャストレバー81の爪部85が歯車94aを押す力を付勢している。また、アジャスタスプリングSP4のコイル部分は、窪み74aに接しているため、図1中下側から上側に向かって、図の手前側に傾斜している。
プルオフスプリングSP5は、第二ストラット64の切欠き64aと、ブレーキシュー21の孔22hとに掛け渡されている。このプルオフスプリングSP5は、第二ストラット64をブレーキシュー21の他端T2側に引き寄せる方向に付勢しており、パーキングブレーキの駆動時に、ピボットレバー81が孔32jと操作レバー62の突起部62cとの間に生じる隙間dの分だけ余計に角変位することにより、第一ストラット91の長さ調整の過調整を起こすことを防ぐためのものである。
(ドラムブレーキ装置1の動作)
続いて、ドラムブレーキ装置1の動作について、サービスブレーキ、パーキングブレーキとしての動作の順に説明する。まず、ドラムブレーキ装置1をサービスブレーキとして使用する場合の動作について、図1を参照して説明する。
ブレーキドラムが図1の矢印Rの方向に回転している状態で、運転者がサービスブレーキを操作すると、ホイールシリンダ51が作動する。ホイールシリンダ51のピストンが、ブレーキシュー21,31の一端T1,T3を押圧し、拡開させる。そしてライニング24,34がブレーキドラムに押し付けられ、摩擦力が発生する。この際、ブレーキシュー21がリーディングシューとして機能し、ブレーキシュー31がトレーリングシューとして機能する。
続いて、ドラムブレーキ装置1をパーキングブレーキとして使用する場合の動作について、図1、図2、図3および図5を参照して説明する。
車両が停止し、サービスブレーキが操作されていない状態で、運転者がパーキングブレーキを操作すると、アクチュエータ61が作動する。すなわち、図3に示される操作レバー62が図中下側に引かれる。すると、ピン63を支点として、突起部62cがブレーキシュー31を押し広げる。また第一突起部64bがピボットレバー71の切欠き72bを押す。
そしてピボットレバー71は、その凸部本体73とブレーキシュー21の凹部22cとの線接触部分を移動させながら回動し、第一ストラット91を図1左側へ押す。その反力によって、凸部本体73は凹部22cを押し、ブレーキシュー21が押し広げられる。そしてブレーキシュー21,31の端部T1,T3側がそれぞれ拡開し、ライニング24,34がブレーキドラムに当接する。
この状態で制動力が大きくなった場合には、ブレーキドラムはブレーキシュー31の一端T3を押し戻す。端部T3は、第一ストラット91を図1右側へ押し戻す。
第一ストラット91は、図1右側へと移動し、当接面93a1が切欠き22bに当接する。
そしてブレーキシュー31は第一ストラット91をアンカとして拡開する。このようにして、ドラムブレーキ装置1はデュオサーボ型として機能する。
(アジャストレバー、ロッドピンおよびアジャスタスプリングの関係)
図6は、本発明と従来技術とを比較する図であり、(a)は図1のC−C線断面図、(b)は図7のD−D線断面図である。
本発明のドラムブレーキ装置1において、アジャストレバー81がロッドピン75に軸支されている部分からアジャストレバー81がアジャスタスプリングSP4によって付勢されている部分までの高さは、第二立設部86から第一立設部84までの高さh1である。また、特許文献1に記載のドラムブレーキ装置501において、アジャストレバー581がロッドピン575に軸支されている部分からアジャストレバー581がアジャスタスプリングSP504によって付勢されている部分までの高さは、h2である。図6(a)、(b)からわかるように、高さh1は高さh2よりも小さくなっている。そのため、アジャスタスプリングSP4が、ロッドピン75を支点としてアジャストレバー81の係合部83を浮き上がらせようとするモーメントM1は、従来技術における同様のモーメントM2よりも小さくなる。もしもモーメントM1が大きい場合には、アジャストレバー81の係合部83が第一ストラット91の第三段差部93cに押し付けられ、アジャストレバー81や第一ストラット91の動作不良を起こすおそれがあるが、本発明ではそのおそれがない。
さらに詳しく説明すると、もしもモーメントM1が大きい場合には、モーメントM1によってアジャストレバー81の第二立設部86からロッドピン75に対して力が作用する。この力によって、ピボットレバー71がバッキングプレート11側に押し付けられる。この押し付け力は、第一ストラット91の第二段差部93bとピボットレバー71の係合部74とで受けている。その結果、第二段差部93bにおける摩擦抵抗が大きくなり、第一ストラット91によるシュークリアランス自動調整機構の動作不良が生じるおそれがある。しかし、本発明では第二段差部86を所定の高さとしたことでモーメントM1を小さくし、前記した動作不良を防止している。
また、ロッドピン75の大径部75aと小径部75cとの間にはテーパ面である面75cが設けられており、この面75cが第二立設部86の背面と孔86aとの隅部に当接しているので、アジャストレバー81の姿勢がより安定する。また、かかる面75cは、第二立設部86との当接面積を小さくし、アジャストレバー81の動作をスムーズにしている。
また、アジャスタスプリングSP4のコイル部分が係合部74の窪み74aに当接し、はまっている。この窪み74aは、コイル部分の側面に倣う形状となっているため、アジャスタスプリングSP4の姿勢が安定する。そして、アジャスタスプリングSP4のアジャストレバー81に対する係合角が小さくなり、この係合角が大きいときのように爪部85の歯車94aに対する押付力が過大になることを防いでいる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜設計変更可能である。例えば、アジャストレバー81の第一立設部84、第二立設部86の底部82からの高さの比は、適宜設定可能である。
本発明の実施形態に係るドラムブレーキ装置を示す正面図である。 図1のブレーキシュー、ピボットレバー、アジャストレバーおよびリンクブラケットを示す図である。 図1のA−A線断面図であり、アクチュエータを説明する図である。 図1のアジャストレバーを示す斜視図である。 (a)は、図1のB−B線断面図であり、アジャストレバーおよび第一ストラットを説明する図、(b)は、ロッドピンを示す図である。 本発明と従来技術とを比較する図であり、(a)は図1のC−C線断面図、(b)は図7のD−D線断面図である。 特許文献1に記載のドラムブレーキ装置を示す正面図である。
符号の説明
1 ドラムブレーキ装置
21 ブレーキシュー
22 ウェブ
22c 凹部
22e ロッドピン遊貫孔
71 ピボットレバー
72 本体部
73 凸部本体
74 係合部
75 ロッドピン
75a 大径部
75b 小径部
75c 面
81 アジャストレバー
82 底部
83 係合部
84 第一立設部
84a 孔
86 第二立設部
86a ロッドピン挿通孔
SP4 アジャスタスプリング

Claims (3)

  1. 凹部と、ロッドピン遊貫孔と、を有するブレーキシューと、
    前記ブレーキシューの背面に設けられる本体部と、前記本体部から立設し、前記凹部に当接する凸部と、前記本体部から立設し、前記ブレーキシューのロッドピン遊貫孔に遊貫されるロッドピンと、を有するピボットレバーと、
    前記ブレーキシューの正面に設けられ、前記ロッドピンに軸支されるアジャストレバーと、
    前記ブレーキシューと前記アジャストレバーとに掛け渡され、前記凸部に接しているアジャスタスプリングと、
    を備えたドラムブレーキ装置であって、
    前記アジャストレバーは、
    底部と、
    前記底部から、前記アジャスタスプリングの傾斜に対応して前記ブレーキシューの正面から離れる方向に立設し、前記アジャスタスプリングが掛けられる第一立設部と、
    前記底部から、前記第一立設部と同じ側に立設し、前記ロッドピンが挿通されるロッドピン挿通孔を有する第二立設部と、を備え
    前記第一立設部と同じ側に前記底部から離れた位置で前記ロッドピンに軸支されることを特徴とするドラムブレーキ装置。
  2. 前記ロッドピンは、
    前記ピボットレバーの本体部から立設する大径部と、この大径部から立設する小径部と、前記大径部と前記小径部の間に設けられるテーパ面と、を有し、
    前記小径部は、前記第二立設部のロッドピン挿通孔に挿通されており、
    前記第二立設部の背面は、前記大径部と前記小径部との間の前記テーパ面に当接していることを特徴とする請求項1に記載のドラムブレーキ装置。
  3. 前記凸部は、前記凹部に当接する凸部本体と、前記凸部本体から立設し、前記ブレーキシューの正面に係合する係合部と、からなり、
    前記アジャスタスプリングのコイル部分は、前記係合部の窪みに当接していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のドラムブレーキ装置。
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