JP4435396B2 - 付け柱および建物内装構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の出隅や入隅、壁板の接合部などに設けられて、間隙を覆うための付け柱および建物内装構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の出隅や入隅などは、間隙ができないよう精密な寸法で施工されている。ところで、従来の付け柱として、室内側に表れた柱の表面を覆うよう柱に固定される化粧板がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、出隅や入隅などを間隙ができないよう精密に施工するには、寸法の測定や切断などの建材の準備や施工に熟練を要するとともに手間がかかるという課題があった。従来の付け柱は、柱の幅に合わせて柱の表面を覆うように張り付けられ、床から天井までの高さと一致するよう寸法の測定や切断などを精密に行わなければならなかった。
【0004】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、建材の準備や施工に要求される熟練のレベルを下げたり手間を省いたりすることができる付け柱および建物内装構造を提供することを目的としている。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の本発明に係る付け柱は、間隙をあけて隣接して配置される2つの壁板の間に取り付けて用いられる付け柱であって、柱固定部材と柱本体部材と柱端部部材とから成り、前記柱固定部材は、前記壁板の間隙側端部に取付け可能な取付け部と、前記取付け部を前記壁板に取り付けたとき室内側に突出するよう前記取付け部に設けられた支持部とを有し、前記柱本体部材は、各壁板の間隙の一部を室内側から覆うための本体被覆部と、前記本体被覆部に設けられて前記支持部と着脱可能な突出部とを有し、前記柱端部部材は、各壁板の間隙の一部を室内側から覆うための端部被覆部と、前記端部被覆部に設けられて前記支持部と着脱可能な突出部とを有し、前記端部被覆部は前記本体被覆部の長さ方向端部の室内側の面を長さ方向に任意の長さで覆うことを、特徴とする。
【0010】
請求項1の本発明に係る付け柱を用いて施工する場合、まず、柱固定部材を取付け部により壁板の間隙側端部に取り付ける。このとき、支持部は、室内側に突出する。本体部材の突出部および柱端部部材の突出部を支持部に取り付ける。本体被覆部および端部被覆部は、各壁板の間隙を室内側から覆う。
【0011】
出隅や入隅などを施工する場合、2つの壁板の間隙を本体被覆部および端部被覆部により覆って表側から隠すことができるので、壁板の寸法精度を上げる必要がない。従って、壁板の寸法の測定や切断などの準備または施工に要求される熟練のレベルを下げたり手間を省いたりすることができる。また、柱本体部材および柱端部部材は、突出部により支持部と着脱可能なため、柱固定部材から取り外して再利用が可能である。
【0012】
さらに、請求項1の本発明に係る付け柱は、柱端部部材の端部被覆部により柱本体部材の長さ方向端部の室内側の面を長さ方向に任意の長さで覆い、全体の長さを調節することができるので、床から天井までの高さと一致するよう寸法の測定や切断などを精密に行う必要をなくすことができる。なお、支持部および突出部は、支持力を高めるため、接触箇所に凹凸を有してもよい。
【0013】
請求項2の本発明に係る付け柱は、請求項1の付け柱において、前記支持部および前記突出部は、一方が他方を弾力的に挟んで支持可能な係合溝を有し、他方が前記係合溝に任意の深さで挿入されて係合可能な構成を有することを、特徴とする。
【0014】
請求項2の本発明に係る付け柱では、支持部および突出部の一方の係合溝に他方を差し込んだり引き抜いたりするだけで、柱本体部材および柱端部部材の着脱を容易に行うことができる。
【0015】
請求項3の本発明に係る付け柱は、請求項1または2の付け柱において、前記本体被覆部は長さ方向に沿った縁部が裏側に湾曲していることを、特徴とする。
【0016】
請求項3の本発明に係る付け柱では、本体被覆部の縁部が裏側に湾曲しているので、縁部と壁板との間に影ができ、縁部が壁板から離れていても目立たなくすることができる。また、壁板に壁紙等を張るとき、壁板と本体被覆部の縁部との間に壁紙を差し込むことができ、本体被覆部により壁紙の縁を目立たせずに見栄えよく処理することができる。
【0017】
請求項4の本発明に係る付け柱は、請求項2または3の付け柱において、前記取付け部は互いに直角をなす2つの壁板にまたがるよう直角に折れ曲がった形状を有し、前記支持部は直角をなす前記取付け部の角の内側または外側に設けられていることを、特徴とする。
【0018】
請求項4の本発明に係る付け柱では、支持部が取付け部の角の内側に設けられている場合には、柱固定部材の取付け部を入隅の2つの壁板にまたがるよう取り付け、柱本体部材および柱端部部材の各突出部を入隅で支持部に取り付けることにより、入隅の間隙を覆うことができる。支持部が取付け部の角の外側に設けられている場合には、柱固定部材の取付け部を出隅の2つの壁板にまたがるよう取り付け、柱本体部材および柱端部部材の各突出部を出隅で支持部に取り付けることにより、出隅の間隙を覆うことができる。
【0019】
請求項5の本発明に係る付け柱は、請求項2または3の付け柱において、前記取付け部は平坦な板状をなし、前記支持部は前記取付け部に対し直角をなしていることを、特徴とする。
【0020】
請求項5の本発明に係る付け柱では、柱固定部材の取付け部を2つの壁板にまたがるよう取り付け、柱本体部材および柱端部部材の各突出部を支持部に取り付けることにより、各壁板の間隙を覆うことができる。
【0021】
請求項6の本発明に係る建物内装構造は、2つの壁板と付け柱とを有し、各壁板は間隙をあけて隣接して配置され、前記付け柱は柱固定部材と柱本体部材と柱端部部材とから成り、前記柱固定部材は取付け部と支持部とを有し、前記取付け部は前記壁板の間隙側端部に取り付けられ、前記支持部は前記取付け部に設けられて室内側に突出しており、前記柱本体部材は本体被覆部と本体突出部とを有し、前記本体被覆部は各壁板の間隙の一部を室内側から覆っており、前記本体突出部は前記本体被覆部に設けられて前記支持部に着脱可能に取り付けられ、前記柱端部部材は端部被覆部と端部突出部とを有し、前記端部被覆部は各壁板の間隙の端部を室内側から覆っており、前記端部突出部は前記端部被覆部に設けられて前記支持部に着脱可能に取り付けられ、前記端部被覆部は前記本体被覆部の長さ方向端部の室内側の面を長さ方向に任意の長さで覆っていることを、特徴とする。付け柱には、前述の請求項1,2,3,4または5の付け柱を用いることができる。
【0022】
請求項6の本発明に係る建物内装構造では、2つの壁板の間隙を本体被覆部および端部被覆部により覆って表側から隠すことができるので、壁板の寸法精度を上げる必要がない。従って、壁板の寸法の測定や切断などの準備または施工に要求される熟練のレベルを下げたり手間を省いたりすることができる。また、柱本体部材および柱端部部材は、突出部により支持部と着脱可能なため、柱固定部材から取り外して再利用が可能である。さらに、柱端部部材の端部被覆部により柱本体部材の長さ方向端部の室内側の面を長さ方向に任意の長さで覆い、全体の長さを調節することができるので、床から天井までの高さと一致するよう寸法の測定や切断などを精密に行う必要をなくすことができる。
【0023】
請求項7の本発明に係る建物内装構造は、請求項6の建物内装構造において、床板と壁用幅木と隙間用幅木とを有し、前記柱端部部材は柱上端部材と柱下端部材と柱最下端部材とから成り、前記壁板は前記床板の上方に隙間をあけて設けられ、前記壁用幅木は前記壁板の室内面の下部に取り付けられ、前記隙間用幅木は前記隙間に挿入されて前記床板の上に取外し可能に設けられ、前記柱上端部材は上端被覆部と上端突出部とを有し、前記上端被覆部は各壁板の間隙の上端を室内側から覆っており、前記上端突出部は前記上端被覆部に設けられて前記支持部に着脱可能に取り付けられ、前記上端被覆部は前記本体被覆部の上端の室内側の面を長さ方向に任意の長さで覆っており、前記柱下端部材は下端被覆部と下端突出部とを有し、前記下端被覆部は前記壁用幅木と係合して前記壁用幅木の一部および各壁板の間隙の下部を室内側から覆っており、前記下端突出部は前記下端被覆部に設けられて前記支持部に着脱可能に取り付けられ、前記下端被覆部は前記本体被覆部の下端の室内側の面を長さ方向に任意の長さで覆っており、前記柱最下端部材は最下端被覆部と最下端突出部とを有し、前記最下端被覆部は前記隙間用幅木と係合して前記隙間用幅木の一部、前記隙間および各壁板の間隙の最下部を室内側から覆っており、前記最下端突出部は前記最下端被覆部に設けられて前記支持部に着脱可能に取り付けられ、前記最下端被覆部は上端の室内側の面が前記下端被覆部により長さ方向に任意の長さで覆われていることを、特徴とする。
【0024】
請求項7の本発明に係る建物内装構造では、柱本体部材と柱上端部材と柱下端部材と柱最下端部材とを壁側へ取り付け、出隅や入隅などの間隙を覆って表側から隠すことができる。このため、出隅や入隅などに用いる壁板の寸法精度を上げる必要がないので、壁板の寸法の測定や切断などの準備または施工に要求される熟練のレベルを下げたり手間を省いたりすることができる。さらに、柱上端部材の被覆部により柱本体部材の長さ方向上端の室内側の面を長さ方向に任意の長さで覆い、柱下端部材の被覆部により柱本体部材の長さ方向下端の室内側の面および柱最下端部材の上端の室内側の面を長さ方向に任意の長さで覆って、全体の長さを調節することができるので、床から天井までの高さと一致するよう寸法の測定や切断などを精密に行う必要をなくすことができる。
【0025】
請求項7の本発明に係る建物内装構造では、壁仕上施工の後に床板を張り、次に隙間用幅木を設けることにより、壁仕上施工の際に床板を傷つけないよう注意する必要がないので、作業の能率を上げるとともに、傷や汚れを付けずに床の仕上がりを良好にできる。床板を張り替えるときには、最下端被覆部を支持部から取り外し、隙間用幅木を床板の上から取り外す。床板と壁板との間には、隙間があるので、壁板が邪魔にならず、床板の張り替えが容易にできる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の各種実施の形態について説明する。
図1乃至図4は、本発明の実施の形態を示している。
図4に示すように、本発明の実施の形態の建物内装構造は、2つの壁板1と床板2と縁材3と壁用幅木4と隙間用幅木5と付け柱6a,6b,6cとを有する。各壁板1は、互いに間隙をあけて隣接して配置され、床板2の上方に隙間をあけて設けられる。縁材3は、天井と壁板2との入隅に設けられる。壁用幅木4は、壁板1の室内面の下部に取り付けられる。隙間用幅木5は、隙間に挿入されて床板2の上に取外し可能に設けられる。
【0027】
付け柱6a,6b,6cは、間隙をあけて隣接して配置される2つの壁板1の間に取り付けて、間隙を覆うための建材である。付け柱6a,6b,6cには、平面用付け柱6aと入隅用付け柱6bと出隅用付け柱6cとがある。平面用付け柱6aは、同一平面上に配置された2つの壁板1の間に設けられる。入隅用付け柱6bは、平角以外の角度、代表的には直角に配置された2つの壁板1の入隅に設けられる。出隅用付け柱6cは、平角以外の角度、代表的には直角に配置された2つの壁板1の出隅に設けられる。各付け柱6a,6b,6cは、柱固定部材7と柱本体部材8と柱端部部材とから成る。柱端部部材は、柱上端部材9aと柱下端部材9bと柱最下端部材9cとから成る。
【0028】
柱固定部材7は、取付け部11と支持部12とを有する。取付け部11は、ねじ釘、接着剤などで各壁板1の間隙側端部の裏側に沿って取り付けられる。支持部12は、2枚の細長い板状であって、その間に係合溝13を有する。支持部12は、取付け部11に一体的に設けられて室内側に突出している。支持部12の先端は、差込みを容易にするため、外側にわずかに開いている。係合溝13の内側には、支持力を高めるため、凹凸が形成されている。
【0029】
図1に示すように、平面用付け柱6aの柱固定部材7は、取付け部11が平坦な板状をなし、支持部12が取付け部11に対し直角をなしている。図2に示すように、入隅用付け柱6bの柱固定部材7は、取付け部11が互いに直角をなす2つの壁板1にまたがるよう直角に折れ曲がった形状を有し、支持部12が直角をなす取付け部11の角の内側に設けられている。図3に示すように、出隅用付け柱6cの柱固定部材7は、取付け部11が互いに直角をなす2つの壁板1にまたがるよう直角に折れ曲がった形状を有し、支持部12が直角をなす取付け部11の角の外側に設けられている。
【0030】
柱上端部材9aは、上端被覆部14と上端突出部15とを有する。上端被覆部14は、各壁板1の間隙の上端を室内側から覆っている。上端被覆部14は、本体被覆部16の上端の室内側の面を長さ方向に任意の長さで覆っている。上端被覆部14は、縁材3と係合する凹部14aを有する。上端突出部15は、上端被覆部14に設けられて支持部12に着脱可能に取り付けられる。上端突出部15は、基部15aと突出部15bとから成る。基部15aは、長さ方向に沿った縁部15cが裏側に湾曲している。基部15aは、壁板1に当たって支持するための脚部15dを必要に応じて裏側に有する。基部15aは、上端被覆部14の裏側に取り付けられる。図1に示すように、平面用付け柱6aの基部15aは平板状であって、上端被覆部14の裏側に取り付けられる。図2および図3に示すように、出隅用付け柱6cおよび入隅用付け柱6bの基部15aは、直角をなす板状であって、上端被覆部14の裏側に取り付けられる。
【0031】
図1に示すように、平面用付け柱6aの突出部15bは、板状であって、基部15aに対して垂直に一体的に設けられる。図2に示すように、入隅用付け柱6bの突出部15bは、板状であって、直角をなす基部15aの角の内側に一体的に設けられている。図3に示すように、出隅用付け柱6cの突出部15bは、板状であって、直角をなす基部15aの角の外側に一体的に設けられている。各上端突出部15は、突出部15bを中心として対称の形状を有している。
【0032】
支持部12の係合溝13は、上端突出部15を弾力的に挟んで支持可能な構成を有する。上端突出部15は、板状であって、係合溝13に任意の深さで挿入されて係合可能な構成を有する。上端突出部15は、支持部12に着脱可能に取り付けられる。各突出部15bには、支持力を高めるため、凹凸が形成されている。
【0033】
柱本体部材8は、本体被覆部16と本体突出部とを有する。本体被覆部16は、各壁板1の間隙の一部を室内側から覆っている。本体被覆部16は、長さ方向に沿った縁部が裏側に湾曲している。本体突出部は、本体被覆部16に設けられて支持部12に着脱可能に取り付けられる。本体突出部は、基部15aと突出部15bとから成る。基部15aは、本体被覆部16の裏側に取り付けられる。本体突出部は、平面用付け柱6a用と出隅用付け柱6c用と入隅用付け柱6b用との3種類があり、それぞれ上端突出部15と同様の構成を有する。
【0034】
柱下端部材9bは、下端被覆部17と下端突出部とを有する。下端被覆部17は、壁用幅木4と係合して壁用幅木4の一部および各壁板1の間隙の下部を室内側から覆っている。下端突出部は、下端被覆部17に設けられて支持部12に着脱可能に取り付けられる。下端突出部は、基部15aと突出部15bとから成る。基部15aは、下端被覆部17の裏側に取り付けられる。下端突出部は、平面用付け柱6a用と出隅用付け柱6c用と入隅用付け柱6b用との3種類があり、それぞれ上端突出部15と同様の構成を有する。下端被覆部17は、本体被覆部16の下端の室内側の面を長さ方向に任意の長さで覆っている。
【0035】
柱最下端部材9cは、最下端被覆部18と最下端突出部とを有する。最下端被覆部18は、隙間用幅木5と係合して隙間用幅木5の一部、隙間および各壁板1の間隙の最下部を室内側から覆っている。最下端突出部は、最下端被覆部18に設けられて支持部12に着脱可能に取り付けられる。最下端突出部は、基部15aと突出部15bとから成る。基部15aは、最下端被覆部18の裏側に取り付けられる。最下端突出部は、平面用付け柱6a用と出隅用付け柱6c用と入隅用付け柱6b用との3種類があり、それぞれ上端突出部15と同様の構成を有する。最下端被覆部18は、上端の室内側の面が下端被覆部17により長さ方向に任意の長さで覆われている。
【0036】
建物内装を施工する場合、まず、柱固定部材7を取付け部11により壁板1の間隙側端部に取り付ける。図1に示すように、平面用付け柱6aの柱固定部材7では、取付け部11を同一平面上に配置された2つの壁板1の室外側の面にまたがるようビスで取り付け、柱本体部材8、柱上端部材9a、柱下端部材9bおよび柱最下端部材9cの各突出部15bを壁側の支持部12に取り付ける。図2に示すように、入隅用付け柱6bの柱固定部材7では、取付け部11を入隅の2つの壁板1の室外側の面にまたがるようビスで取り付け、柱本体部材8、柱上端部材9a、柱下端部材9bおよび柱最下端部材9cの各突出部15bを入隅で支持部12に取り付ける。図3に示すように、出隅用付け柱6cの柱固定部材7では、取付け部11を出隅の2つの壁板1の室外側の面にまたがるようビスで取り付け、柱本体部材8、柱上端部材9a、柱下端部材9bおよび柱最下端部材9cの各突出部15bを出隅で支持部12に取り付ける。こうして、柱本体部材8、柱上端部材9a、柱下端部材9bおよび柱最下端部材9cで、壁板1の継ぎ目や、出隅や入隅など2つの壁板1の間隙を室内側から覆う。
【0037】
これにより、2つの壁板1の間隙を覆って表側から隠すことができる。このため、壁板1の継ぎ目や、出隅や入隅などに用いる壁板1の寸法精度を上げる必要がないので、壁板1の寸法の測定や切断などの準備または施工に要求される熟練のレベルを下げたり手間を省いたりすることができる。さらに、付け柱6a,6b,6cは、柱上端部材9aの被覆部により柱本体部材8の長さ方向上端の室内側の面を長さ方向に任意の長さで覆い、柱下端部材9bの被覆部により柱本体部材8の長さ方向下端の室内側の面および柱最下端部材9cの上端の室内側の面を長さ方向に任意の長さで覆っている。付け柱6a,6b,6cは、各部材の重なりをずらすことにより全体の長さを調節することができるので、床から天井までの高さと一致するよう寸法の測定や切断などを精密に行う必要をなくすことができる。
【0038】
また、柱本体部材8、柱上端部材9a、柱下端部材9bおよび柱最下端部材9cは、突出部15bにより支持部12と着脱可能なため、柱固定部材7から取り外して再利用が可能である。さらに、付け柱6a,6b,6cを取り外すことにより、壁板1の再利用も容易になる。付け柱6a,6b,6cは、支持部12の係合溝13に突出部15bを差し込んだり引き抜いたりするだけで、柱本体部材8および柱端部部材の着脱を容易に行うことができる。
【0039】
付け柱6a,6b,6cは、本体被覆部16の縁部が裏側に湾曲しているので、縁部と壁板1との間に影ができ、縁部が壁板1から離れていても目立たなくすることができる。また、壁板1に壁紙等を張るとき、壁板1と本体被覆部16の縁部との間に壁紙を差し込むことができ、本体被覆部16により壁紙の縁を目立たせずに見栄えよく処理することができる。従って、壁紙の張替えが容易となる。
【0040】
建物内装構造では、壁仕上施工の後に床板2を張り、次に隙間用幅木5を設けることにより、壁仕上施工の際に床板2を傷つけないよう注意する必要がないので、作業の能率を上げるとともに、傷や汚れを付けずに床の仕上がりを良好にできる。床板2を張り替えるときには、最下端被覆部18を支持部12から取り外し、隙間用幅木5を床板2の上から取り外す。床板2と壁板1との間には、隙間があるので、壁板1が邪魔にならず、床板2の張り替えが容易にできる。また、床板2の高さの変更にも容易に対応することができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明に係る付け柱および建物内装構造によれば、建材の準備や施工に要求される熟練のレベルを下げたり手間を省いたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の平面用付け柱の(A)上端の側面図、(B)上端の正面図、(C)柱上端部材の底面図、(D)柱下端部材の平面図、(E)下端の側面図、(F)下端の正面図である。
【図2】本発明の実施の形態の入隅用付け柱の(A)上端の側面図、(B)柱上端部材の底面図、(C)柱下端部材の平面図、(D)下端の側面図である。
【図3】本発明の実施の形態の出隅用付け柱の(A)上端の側面図、(B)柱上端部材の底面図、(C)柱下端部材の平面図、(D)下端の側面図である。
【図4】本発明の実施の形態の建物内装構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 壁板
2 床板
3 縁材
4 壁用幅木
5 隙間用幅木
6a 平面用付け柱
6b 入隅用付け柱
6c 出隅用付け柱
7 柱固定部材
8 柱本体部材
9a 柱上端部材
9b 柱下端部材
9c 柱最下端部材
11 取付け部
12 支持部
13 係合溝
14 上端被覆部
15 上端突出部
16 本体被覆部
17 下端被覆部
18 最下端被覆部
Claims (7)
- 間隙をあけて隣接して配置される2つの壁板の間に取り付けて用いられる付け柱であって、
柱固定部材と柱本体部材と柱端部部材とから成り、
前記柱固定部材は、前記壁板の間隙側端部に取付け可能な取付け部と、前記取付け部を前記壁板に取り付けたとき室内側に突出するよう前記取付け部に設けられた支持部とを有し、
前記柱本体部材は、各壁板の間隙の一部を室内側から覆うための本体被覆部と、前記本体被覆部に設けられて前記支持部と着脱可能な突出部とを有し、
前記柱端部部材は、各壁板の間隙の一部を室内側から覆うための端部被覆部と、前記端部被覆部に設けられて前記支持部と着脱可能な突出部とを有し、前記端部被覆部は前記本体被覆部の長さ方向端部の室内側の面を長さ方向に任意の長さで覆うことを、
特徴とする付け柱。 - 前記支持部および前記突出部は、一方が他方を弾力的に挟んで支持可能な係合溝を有し、他方が前記係合溝に任意の深さで挿入されて係合可能な構成を有することを、特徴とする請求項1記載の付け柱。
- 前記本体被覆部は長さ方向に沿った縁部が裏側に湾曲していることを、特徴とする請求項1または2記載の付け柱。
- 前記取付け部は互いに直角をなす2つの壁板にまたがるよう直角に折れ曲がった形状を有し、前記支持部は直角をなす前記取付け部の角の内側または外側に設けられていることを、特徴とする請求項2または3記載の付け柱。
- 前記取付け部は平坦な板状をなし、前記支持部は前記取付け部に対し直角をなしていることを、特徴とする請求項2または3記載の付け柱。
- 2つの壁板と付け柱とを有し、各壁板は間隙をあけて隣接して配置され、前記付け柱は柱固定部材と柱本体部材と柱端部部材とから成り、
前記柱固定部材は取付け部と支持部とを有し、前記取付け部は前記壁板の間隙側端部に取り付けられ、前記支持部は前記取付け部に設けられて室内側に突出しており、
前記柱本体部材は本体被覆部と本体突出部とを有し、前記本体被覆部は各壁板の間隙の一部を室内側から覆っており、前記本体突出部は前記本体被覆部に設けられて前記支持部に着脱可能に取り付けられ、
前記柱端部部材は端部被覆部と端部突出部とを有し、前記端部被覆部は各壁板の間隙の端部を室内側から覆っており、前記端部突出部は前記端部被覆部に設けられて前記支持部に着脱可能に取り付けられ、前記端部被覆部は前記本体被覆部の長さ方向端部の室内側の面を長さ方向に任意の長さで覆っていることを、
特徴とする建物内装構造。 - 床板と壁用幅木と隙間用幅木とを有し、前記柱端部部材は柱上端部材と柱下端部材と柱最下端部材とから成り、前記壁板は前記床板の上方に隙間をあけて設けられ、前記壁用幅木は前記壁板の室内面の下部に取り付けられ、前記隙間用幅木は前記隙間に挿入されて前記床板の上に取外し可能に設けられ、
前記柱上端部材は上端被覆部と上端突出部とを有し、前記上端被覆部は各壁板の間隙の上端を室内側から覆っており、前記上端突出部は前記上端被覆部に設けられて前記支持部に着脱可能に取り付けられ、前記上端被覆部は前記本体被覆部の上端の室内側の面を長さ方向に任意の長さで覆っており、
前記柱下端部材は下端被覆部と下端突出部とを有し、前記下端被覆部は前記壁用幅木と係合して前記壁用幅木の一部および各壁板の間隙の下部を室内側から覆っており、前記下端突出部は前記下端被覆部に設けられて前記支持部に着脱可能に取り付けられ、前記下端被覆部は前記本体被覆部の下端の室内側の面を長さ方向に任意の長さで覆っており、
前記柱最下端部材は最下端被覆部と最下端突出部とを有し、前記最下端被覆部は前記隙間用幅木と係合して前記隙間用幅木の一部、前記隙間および各壁板の間隙の最下部を室内側から覆っており、前記最下端突出部は前記最下端被覆部に設けられて前記支持部に着脱可能に取り付けられ、前記最下端被覆部は上端の室内側の面が前記下端被覆部により長さ方向に任意の長さで覆われていることを、
特徴とする請求項6記載の建物内装構造。
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