JP4434966B2 - 軸組フレームの接続構造 - Google Patents
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Description
また、特許文献2では、筒と、その筒に同心で遊挿される芯棒との間に複数のゴムリングを設けて、芯棒と筒とが振動により軸線方向で相対移動することで、ゴムリングを転動変形させて振動の減衰を図ろうとする振動減衰用ダンパーが記載されている。
さらに、特許文献3では、車両の軸箱上面と側はり端部との間に、ころがり変形を生じる筒形のロールゴムとコイルバネとの組み合わせからなる軸バネを設け、側はりの中央寄りと軸箱内側面との間を、両端にゴムブッシュを介在したリンクで連接した鉄道車両用の軸箱支持装置が記載されている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の目的に加えて、加振時の引張力で柱の浮き上がりがあっても、圧縮時には柱を確実に支持するために、突起を、外周面が先端へ向かって先細りテーパとなる円形突起とし、透孔若しくは凹部を、内周面が前記円形突起と同じ傾斜方向のテーパとなる円形透孔若しくは円形凹部としたものである。
また、本発明でいう基礎とは、基礎自体は勿論、基礎上へ一体に固定される土台も含む。よって、第1接続金具又は第2接続金具は、基礎自体の上面若しくは基礎に固定された土台の上面に固定されることになる。
そして、常態では第1接続金具と第2接続金具との嵌合による当接によって柱の支持は確実に行われる。これらの効果は2つの接続金具と弾性体とで得られるため、部品点数の少ない合理的な構成となってコストアップも少なくて済む。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、加振時に柱が浮き上がっても、圧縮時にはテーパ同士の誘導によって確実に元の位置で支持でき、支持状態での信頼性が確保できる。
図1は、本発明の軸組フレームの接続構造の一例を示す説明図で、柱と基礎との接続部分を示している。軸組フレーム1は、一対の柱2,2と、柱2,2の上下端及び中間部位間を接続する横架材3,3とからなり、柱2,2の下端が基礎4に接続される。このような軸組フレーム1は、例えば軽量鉄骨構造の住宅等に用いられる。
各柱2と基礎4との接続構造は、図2にも示すように、柱2の下面に固定された第1接続金具5と、基礎の上面に固定された第2接続金具6と、両金具間に介在される弾性体としてのロールゴム7とから構成される。まず第1接続金具5は、柱2の中心と同軸で下向きに固着される横断面円形の軸状体で、その下端には、外周面が先端へ行くに従って先細りテーパとなる円形突起8が突設されている。また、第1接続金具5の中間部位には、上下に位置する側面が外方へ行くに従って互いに離れる方向へ傾斜するテーパとなる凹溝9が周設されている。
そして、ロールゴム7は、断面円形のリング体で、例えば天然ゴム等のいわゆる「へたり」が小さい弾性材料で形成するのが好ましい。なお、このロールゴム7の外径は、第2接続金具6の上方側の内周面の内径と略同じで、ロールゴム7の内径は、第1接続金具5の凹溝9の径よりも小さくなっている。
一方、圧縮力によって柱2が下降すると、ロールゴム7が第2接続金具6の内周面を今度は下方へ摺動し、第1接続金具5の円形突起8が再び第2接続金具6の位置決め孔12に完全に嵌合して設置位置に復帰する。この柱2の浮き上がりと下降とが繰り返されることで、軸組フレーム1に効果的な減衰作用が得られる。
そして、常態では第1接続金具5と第2接続金具6との嵌合によって柱2の支持は確実に行われる。これらの効果は2つの接続金具5,6とロールゴム7とで得られるため、部品点数の少ない合理的な構成となってコストアップも少なくて済む。
さらに、第1接続金具5の端部と第2接続金具6の内面底部とを、第1接続金具5に設けた外周面テーパの円形突起8と、第2接続金具6に設けた内周面テーパの位置決め孔12との嵌合によって当接させる構造であるため、柱2が浮き上がってもテーパ同士の誘導により、確実に元の位置で支持でき、支持状態での信頼性が確保できる。
例えば上記形態では、柱側に軸状体の第1接続金具を、基礎側に有底筒状の第2接続金具を夫々固定しているが、これとを逆に、図4に示すように、柱2の下端に、有底筒状の第2接続金具6を、フランジ10を利用して固定する一方、基礎4(或いは土台)の上面に、軸状体の第1接続金具5を、下端に延設したフランジ14を利用して固定するようにしても、柱2の浮き上がりに伴う第1接続金具5の相対的な軸方向の移動にロールゴム7が追従して第2接続金具6の内周面を摺動し、上記形態と同様の緩衝作用と摩擦減衰作用とを得ることができる。
さらに、第2接続金具では、ストッパ部分を別体で取り付けたり、ストッパを省略したりすることができる。勿論基礎に直接固定する構造に限らず、基礎にアンカーボルトで固定された土台上に第2接続金具を固定しても差し支えない。その他、各接続金具と柱又は基礎への固定も、アンカーボルトによる他、ボルトやリベット、埋め込み、溶接等の固定手段が適宜採用可能である。
加えて、上記形態では、第1接続金具に円形突起を、第2接続金具に円形透孔(位置決め孔)を設けるようにしているが、これと逆に、第1接続金具の端部に円形凹部を、第2接続金具の底部に円形突起を設けて互いに嵌合させても良い。この場合もテーパの選択は任意である。
また、ロールゴムのようなリング体に限らず、ボールや楕円、円弧状のものを複数個同心円上に配設するようにして両金具間に介在させても良い。但し、リング体であると、第1接続金具の支持に方向性がなくなると共に、第2接続金具との接触面積も多くなるため、第1接続金具のこじりに対してどの方向でも緩衝及び摩擦減衰作用が均等に得られて望ましい形態となる。勿論リング体の断面形状も円形以外に、長円や楕円等の他の形状が採用可能である。
Claims (3)
- 柱と横架材とから形成される軸組フレームを基礎と接続するための軸組フレームの接続構造であって、
前記柱の下面と基礎の上面との何れか一方に、軸状の第1接続金具を、他方に、前記第1接続金具が同軸で遊挿される有底筒状の第2接続金具を夫々固定して、前記第1接続金具の端部と第2接続金具の内面底部とを、何れか一方に設けられた突起と、他方に設けられた透孔若しくは凹部との嵌合によって当接させて前記柱を支持可能とする一方、前記第1接続金具の外周へ周方向に凹溝を形成し、その凹溝と第2接続金具の内周面との間に、前記第1接続金具の軸方向への移動に追従して前記第2接続金具の内周面を摺動可能な弾性体を圧入状態で介在させたことを特徴とする軸組フレームの接続構造。 - 第2接続金具の開口端に、第1接続金具の移動に追従する弾性体が当接可能なストッパを設けた請求項1に記載の軸組フレームの接続構造。
- 突起を、外周面が先端へ向かって先細りテーパとなる円形突起とし、透孔若しくは凹部を、内周面が前記円形突起と同じ傾斜方向のテーパとなる円形透孔若しくは円形凹部とした請求項1又は2に記載の軸組フレームの接続構造。
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