JP4434933B2 - 排ガスの処理方法及び処理装置 - Google Patents

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本発明は排ガスの処理方法及び処理装置に係り、特に半導体製造装置の内面等をドライクリーニングする工程や、酸化膜等の各種成膜をエッチングする工程などで排出されるフッ素含有化合物を含む排ガスを効率よく無害化処理する方法及び装置に関する。
半導体製造時のエッチング工程やCVD工程においては、CF,C,C,C,C,C,SF,NF,CHF,CH,CHFなどのフッ素含有化合物を含む排ガスが排出される。このようなフッ素含有化合物を含む排ガスを処理する装置として、従来から加熱酸化分解装置や触媒分解装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。これらの分解装置は、フッ素含有化合物を含む排ガスに水または水蒸気と酸素とを加えて高温下でフッ素含有化合物を加水分解させて除去する方法を採用している。この種の分解装置は、水または水蒸気を配管等から直接反応槽に供給してフッ素含有化合物を加水分解させる点に特徴がある。
特許第3217034号公報
しかしながら、従来技術では、水または水蒸気を直接反応槽に供給するための水供給装置や水蒸気発生装置を新たに設置する必要があり、さらに供給配管を別途設ける必要がある。このため、これらの付帯設備の設置によるイニシャルコストの増加や設置スペースの増加といった問題点があった。
また、一般に、排ガスに含まれるSiは反応槽内でSiO(固形物)となって装置の閉塞や触媒の性能低下を招くため、前処理部によりSiを排ガスから完全に除去することが必要とされる。しかしながら、実際には、前処理部からの排ガスには、処理しきれなかったSi成分が水分と共に含まれるため、Siを完全に除去するために、前処理部の下流にデミスタを設け、排ガス中の水分(結果的にSi)を低減させることが行われている。このため、新たな(きれいな)水分を反応槽に供給する必要があった。
本発明の目的は、上述のような従来技術の問題点を解消し、排ガスに含まれるフッ素含有化合物を効率的かつ廉価に処理する方法及び装置を提供することにある。
前述の課題を解決するために、本発明者らは、フッ素含有化合物を加水分解処理する際に、排ガス中の紛体成分、水溶性成分や水分解性成分等を水と接触させて除去する装置から流出する水溶液中の水または水蒸気を有効利用することで、上記目的を達成し得ることを見出した。
すなわち、本発明の一態様は、フッ素含有化合物を含む排ガスの処理方法であって、排ガスの迂流路を形成する複数の迂流板が内部に配置された反応槽内に排ガスを導入し、排ガスを前記反応槽内で加熱しながら水または水蒸気と酸素との存在下でフッ素含有化合物を加水分解し、前記反応槽に水または水蒸気を直接供給することなく前記加水分解を行うことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記加水分解は、加熱酸化分解及び/又は触媒による分解であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、排ガスを前記反応槽に導入する前に、排ガスを前処理部に導入して排気ガスを水に接触させて排ガスの前処理を行い、排ガスによって前記前処理部から搬送される水分を利用して前記加水分解を行うことを特徴とする。
本発明の他の態様は、フッ素含有化合物を含む排ガスの処理方法であって、排ガスを前処理部に導入して排気ガスを水に接触させて排ガスの前処理を行い、前処理された排ガスを反応槽内に導入し、排ガスを前記反応槽内で加熱しながら水または水蒸気と酸素との存在下でフッ素含有化合物を加水分解し、前記反応槽に水または水蒸気を直接供給せずに、排ガスによって前記前処理部から搬送される水分を利用して前記加水分解を行い、前記前処理部から搬送される水分の量の調整は、前記前処理部から排出される排ガスの温度又は流量を調整することにより行われることを特徴とする
本発明の他の態様は、フッ素含有化合物を含む排ガスの処理装置であって、排ガスに水を接触させて排ガスの前処理を行う前処理部と、排ガスを加熱しながら水または水蒸気と酸素との存在下でフッ素含有化合物を加水分解させる反応槽とを備え、前記反応槽の内部には、排ガスの迂流路を形成する複数の迂流板が配置され、前記反応槽に水または水蒸気を直接供給することなくフッ素含有化合物を加水分解させることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記反応槽は、加熱酸化部と触媒部とを備えることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、排ガスによって前記前処理部から搬送される水分を利用して加水分解を行うことを特徴とする
本発明の好ましい態様は、前記前処理部に酸素を供給する酸素供給源を更に備えたことを特徴とする。
本発明の他の態様は、フッ素含有化合物を含む排ガスの処理装置であって、排ガスに水を接触させて排ガスの前処理を行う前処理部と、排ガスを加熱しながら水または水蒸気と酸素との存在下でフッ素含有化合物を加水分解させる反応槽とを備え、前記反応槽に水または水蒸気を直接供給せずに、排ガスによって前記前処理部から搬送される水分を利用してフッ素含有化合物を加水分解させ、前記前処理部から搬送される水分の量の調整は、前記前処理部から排出される排ガスの温度又は流量を調整することにより行われることを特徴とする。
本発明によれば、水供給装置や水蒸気発生装置などの付帯設備を設置する必要がないため、イニシャルコストを下げることができ、かつ設置スペースを小さくすることができる。また、排ガスに含まれるフッ素含有化合物を効率よく、しかも経済的に処理することができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る排ガス処理装置を示す概略図である。
図1に示すように、排ガス処理装置は、排ガスを水に接触させて該排ガスの前処理を行う前処理部1と、排ガス中に含まれるフッ素含有化合物を加水分解させる反応槽4と、加水分解によって生じたHF等の酸性ガスを排ガスから除去するミストトラップ10と、前処理部1や反応槽4から排出される排水を貯留する排水タンク2と、反応槽4及びミストトラップ10に供給される水を貯留する循環タンク3とを備えている。
前処理部1は反応槽4の上流側に配置され、前処理部1と反応槽4とは第1接続配管19により接続されている。ミストトラップ10は反応槽4の下流側に配置され、ミストトラップ10と反応槽4とは第2接続配管29により接続されている。前処理部1は導入配管30を介して図示しない半導体製造装置に接続されており、半導体製造装置から排出された排ガスは導入配管30を通って前処理部1に導入される。導入配管30は、前処理部1に向かって下方に傾斜しており、排水タンク2に貯留されている水(排水)が洗浄水14として前処理部1内のファン24に供給されるようになっている。前処理部1の上部には、第1接続配管19の一端が固定されており、第1接続配管19の他端は反応槽4の上部に固定されている。なお、本実施形態では、前処理部1としてファンスクラバーが用いられている。
図2は図1に示す前処理部の拡大図である。図2に示すように、前処理部1の内部には、放射状に配置された複数の羽根を有するファン24が配置されている。このファン24は回転軸25を介してモータMに連結されている。回転軸25は軸受26により回転自在に支持されており、ファン24は回転軸25とともにモータMによって回転駆動される。軸受26は隔壁27に固定されており、この隔壁27によって前処理部1の内部空間が処理室1aとモータ室1bとに区画されている。
モータ室1bは酸素供給源28に連通しており、この酸素供給源28からモータ室1b内に酸素源としてのパージエア12が供給されるようになっている。パージエア12は、モータ室1bを満たした後、モータMの側面及び軸受26の側面を通って処理室1aに流入する。このパージエア12の流れによって、回転軸25を支える軸受26のシール性が向上し、また処理室1aに導入された排ガスや腐食性の高い洗浄水がモータ室1bに流入してしまうことを防止することができる。さらに、パージエア12によってモータMを冷却することもできる。なお、酸素源として、空気、酸素富化空気、純酸素、オゾンなどが用いられる。
図1に示すように、反応槽4は、空間部(加熱酸化部)5と、空間部5の下流側に位置する触媒部6と、触媒部6の下流側に位置する後処理部7とから構成されている。空間部5及び触媒部6の周囲にはヒーター8が配置され、空間部5と触媒部6がヒーター8によって700〜900℃に加熱される構造となっている。空間部5には、排ガスと、加水分解に用いられる水または水蒸気とOとの接触効率を高めるための接触補助手段としての複数の迂流板9が設置されている。これらの迂流板9は熱伝導性の良好な材料から形成されており、排ガスの迂流路が形成されるように交互に配置されている。迂流板9を複数配置することで、伝熱面積の増加および乱流の発生による伝熱効率の向上が図られる。
触媒部6には、フッ素含有化合物を分解させる触媒が充填されている。触媒としては、γアルミナ、またはアルミナジルコニウム複合酸化物にタングステン酸化物を担持させたものが用いられる。後処理部7内にはスプレー7aが配置されており、このスプレー7aから冷却水17が上方に向けて噴出される。冷却水17は循環タンク3から送水ポンプ21によりスプレー7aに送られる。後処理部7に溜まった冷却水17は排水22として循環タンク3に戻される。なお、触媒部6の周囲には、ヒーターの代わりに保温材を設けてもよい。これにより、ヒーター面積が小さくなり、電気使用量が少なくなる。
ミストトラップ10の内部には下スプレー11及び上スプレー13が配置されている。上スプレー13は下スプレー11の上方に位置しており、上スプレー13からは市水18が噴出される。下スプレー11には送水ポンプ21によって循環タンク3から水が送られ、下スプレー11から洗浄水16として噴出されるようになっている。また、ミストトラップ10内にはデミスタ10aが配置されている。このデミスタ10aは、下スプレー11と上スプレー13との間に位置しており、通過する排ガスに乱流を生じさせるような構造を有している。本実施形態では、デミスタ10aとして交互に配置された複数の板状部材が使用されている。ミストトラップ10で処理され後の排ガスは、排出配管32を通って大気中に放出される。
ミストトラップ10の底部には第2接続配管29の一端が固定されており、第2接続配管29の他端は反応槽4の後処理部7の側部に固定されている。第2接続配管29は後処理部7からミストトラップ10に向かって上方に傾斜しており、下スプレー11及び上スプレー13から噴出された洗浄水16及び市水18は、第2接続配管29を通って後処理部7に流れ込むようになっている。後処理部7に流入した洗浄水16及び市水18は、スプレー7aから噴出された冷却水17とともに排水22として循環タンク3に流入する。循環タンク3に流入した排水のオーバーフローを防ぐために、循環タンク3から後処理部7に向かう水は分岐装置31によって2つの流れに分岐され、一つは冷却水17としてスプレー7aに流れ込み、もう一つは排水15として排水タンク2に流れ込むようになっている。排水タンク2に貯留されている排水の一部はドレン配管34を介して所定の流量で排出される。
次に、上述のように構成された排ガス処理装置の動作について説明する。
フッ素含有化合物を含んだ排ガスは、まず、導入配管30を通って前処理部1に導入され、ここで洗浄水14を注水しつつファン24を回転させながら排ガスと洗浄水14とを混合接触させ、排ガス中のSiFやNH等の紛体成分、水溶性成分、及び加水分解性成分を洗浄水14に溶解吸収させる。例えば、排ガス中のSiFはHO(洗浄水14)と反応してフッ化水素HFを生成し、このHFを洗浄水14に溶解吸収させる。洗浄水14は、例えば1〜3l/minの流量で導入配管30に流入し、導入配管30の内面に濡れ壁を形成する。この濡れ壁は、SiFとHOとの反応によって生成されたSiOを洗い流して導入配管30の内面へのSiOの付着を防止する。なお、洗浄液14が前処理部1に供給される間、酸素源としてのパージエア12が前処理部1内に導入される。前処理部1に供給された洗浄水14は排水33として排水タンク2に戻される。排水タンク2に戻された排水は送水ポンプ20により再び前処理部1に洗浄水14として送られる。このようにして、洗浄水14は排水タンク2と前処理部1との間を循環する。
前処理部1を出た排ガスは、第1接続配管19を通り、反応槽4に導入される。反応槽4に導入された排ガスは、まず空間部5に流入し、ここで、排ガス中のフッ素含有化合物の加水分解処理が行われる。すなわち、空間部5に流入した排ガスは、迂流板9によって形成された迂流路を通過する際にヒーター8によって700〜900℃に加熱され、これにより、排ガス中のフッ素含有化合物が、排ガスに伴って前処理部1から排出された水分(HO、水または水蒸気)と排ガス中の酸素との存在下で加熱酸化される。このように、反応槽4においては、排ガスによって前処理部1から搬送される水分(排ガスに同伴される水分)のみを用いてフッ素含有化合物の加水分解処理が行われる。すなわち、本排ガス処理装置は、水供給装置や水蒸気発生装置などの付帯設備を用いて水または水蒸気を反応槽4に直接供給するのではなく、前処理部1での前処理によって排ガスに混入された水溶液中の水または水蒸気を利用して、反応槽4に水分を供給する。
空間部5を通過した排ガスは触媒部6に流入し、ここで、空間部5で処理しきれなかったフッ素含有化合物が触媒によって分解される。具体的には、排ガス中のフッ素含有化合物が、水分と酸素との存在下で触媒と接触することにより加水分解される。排ガス中の触媒部6を通過した排ガスは後処理部7に流入し、ここで、スプレー7aから噴出された冷却水17により冷却される。反応槽4で処理された排ガスは、第2接続配管29を介してミストトラップ10に導入される。このミストトラップ10では、上方に向かって流れる排ガスに対向するように洗浄水16及び市水18が下スプレー11及び上スプレー13から下方に噴出され、加水分解反応によって生じたHFなどの酸性ガスが排ガスから除去される。具体的には、反応槽4を通過したSiFをHOと反応させてHFを生成し、このHFをさらに洗浄水16及び市水18に溶解させて除去する。このようなSiFやHFの処理は下スプレー11のみでも行えるが、上スプレー13を設けることにより更に除去効率を向上させることができる。また、上スプレー13から供給される市水18は、デミスタ10aやミストトラップ10の内面に付着したSiOなどの生成物を洗い流すことができる。
本排ガス処理装置においては、排ガスによって前処理部1から搬送される水分の量は、前処理部1から排出される排ガスの温度及び流量により調整することができる。例えば、排ガスの温度が高くなると、飽和水蒸気濃度が高くなり、搬送される水分量は増加する。また、排ガスの流量が増えると、これに比例して飽和状態にある水分の流量が増大する。
排出ガスの温度は、前処理部1に導入される洗浄水14の温度に依存しており、洗浄水14の温度と排出ガスの温度とはほぼ同じである。洗浄水14の温度の調整は、ミストトラップ10に供給される市水18の導入量を調整することで可能である。市水18の導入量と洗浄水14の温度との関係は、およそ次の通りである。
Figure 0004434933
このように洗浄水14の温度制御は市水18の導入量を制御することによって可能であるが、これ以外にも、排水タンク2内の水を加熱するヒーターなどの加熱装置(図示せず)を用い、洗浄水14の温度をモニターしながら加熱装置を制御するようにしてもよい。
上述したように、前処理部1から搬送される水分量は、排ガス流量を調整することでも調整可能である。洗浄水14の温度は排ガス中の飽和水蒸気濃度(HOmg/m)に関係し、搬送される水分量(HOmg/min)は、飽和水蒸気濃度に排ガス流量(l/min)を掛けた値となる。排ガス流量、洗浄液14の温度、及び前処理部1から搬送される水分量との関係は、およそ次の通りである。
Figure 0004434933
ちなみに、排ガス流量262l/min、洗浄液14の温度35℃のときに前処理部1から搬送される水分量は、上記表2に示されるように10.4g/minであり、この場合は、次の式から6.47l/minのCFを分解可能であることが分かる。
Figure 0004434933
ここで、上記式における22.4l/molは標準状態における気体1molあたりの体積であり、18g/molはHOの分子量である。
なお、排ガスに搬送させるべき水分量は、HOのH原子のモル数が処理対象であるフッ素含有化合物のF原子のモル数の1.2倍以上となるような量であることが好ましい。
このように、前処理部1から搬送される水分量は、洗浄液14の温度の他に排ガス流量に依存するため、排ガス以外に前処理部1に導入されるガス(例えば、パージエア12)の流量を調整することで前処理部1から搬送される水分量を調整することもできる。
前処理部1から搬送される水分量を増加させるために洗浄液14の温度や排ガス流量を増やすと、排ガス中のSiF等が前処理部1で除去されずに流出してしまう。例えば、前処理部1に500ppmのSiFが流入した場合、前処理部1から5ppm以上のSiFが流出する。SiFが反応槽4に流入すると、フッ素含有化合物とHOとの加熱酸化反応によりSiOの固形物が生成され、触媒部6の閉塞や活性低下の原因になる。本実施形態では、反応槽4の空間部5に迂流板9が設置されており、SiFは触媒部6に達する前に空間部5で加熱酸化されてSiOが生成され、これが迂流板9上に堆積する。迂流板9上で堆積したSiOは、フッ素含有化合物の加水分解により生成されるHFによって、次式に示すようにSiFのガスとなる。
SiO+4HF→SiF+2H
従って、SiFは、触媒部6を閉塞させることなくガス状態のまま触媒部6を通過して後処理部7や後段のミストトラップ10によって除去される。このように、複数の迂流板9を反応槽4の空間部(加熱酸化部)5に配置することによって、SiOをガス状のSiFにすることができる。従って、前処理部1においてSiを完全に除去する必要がなくなり、前処理部1から水分を持ち出すことができる。その結果、反応槽4に新たな水分を供給することが不要となる。
次に、本発明の第2の実施形態について図3を参照して説明する。
図3は本発明の第2の実施形態に係る排ガス処理装置を示す概略図である。なお、特に説明しない本実施形態の構成及び作用は、上述した第1の実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。
排ガスの流量や反応槽4の処理温度の上昇によって排ガス処理装置内の圧力が高くなると、排ガスがリークするなどの不具合が発生するおそれがある。そこで、本実施形態では、図3に示すように、排ガス処理装置内の圧力を調整する空気エジェクター35がミストトラップ10の下流側に設けられている。この空気エジェクター35には空気(例えば100l/min程度)が吹き込まれ、これにより排ガス処理装置内の圧力が0〜−10kPaに保たれるようになっている。また、ミストトラップ10の下流側には、処理済みの排ガス中の成分濃度を分析する分析装置36が設けられている。この分析装置36によって、排ガスが許容レベルにまで処理されているか否かが監視される。なお、分析装置36としては、FT−IR(Fourier transform infrared spectrometer)やND−IR(Non-dispersive infrared spectrometer)などの赤外分光分析計が好適に用いられる。
空気エジェクター35の下流側に接続される排出配管32と、導入配管30の上流側に接続される流入配管37とは、バイパス配管38で接続されている。このバイパス配管38にはバイパス弁39が設けられており、このバイパス弁39を開けると流入配管37と排出配管32とがバイパス配管38を介して連通するようになっている。また、流入配管37には、この流入配管37を通る排ガスの圧力を計測する圧力センサ41が設けられている。
排ガス処理装置に大量の排気ガスが導入されたり、排ガス中に含まれる粉体によりガス流路が閉塞されると、排ガス処理装置内の圧力が上昇し、排ガスが装置外部に漏れたり、装置の破損を招くおそれがある。そこで、本実施形態では、流入配管37内の圧力を圧力センサ41によりモニターし、圧力が上昇して予め設定されている警報点を超えた場合にはバイパス弁39を開いて排ガス処理装置の圧力を開放するようにしている。
排ガスの流量がある程度低下すると、反応槽4の空間部5や触媒部6の温度が低下し、反応槽4内での排ガスの処理が良好に行われなくなるおそれがある。そこで、空間部5及び触媒部6の温度を監視するために、温度センサ42,43が空間部5及び触媒部6の内部にそれぞれ設けられている。これらの温度センサ42,43は図示しない警報機に接続されており、温度センサ42,43の示す値が警報点よりも下がった場合には、警報機に異常警報を発出させるように構成されている。温度センサ42,43としては熱電対が好適に用いられる。なお、これらの温度センサ42,43を第1の実施形態における反応槽4に設置してもよいことはいうまでもない。
(実施例)
上述した第1の実施形態の排ガス処理装置を用いて行った排ガス処理の試験結果について以下に説明する。
この試験では、次に示す各種の処理対象ガスを混合したNガスを120l/minの流量で前処理部1に導入した。また、酸化用酸素源としてのパージエア12を30l/minの流量で前処理部1に導入した。
CF 460 ml/min
CHF 210 ml/min
60 ml/min
CO 1150 ml/min
SiF 60 ml/min
空間部5の容積を8lとし、触媒部6には、フッ素含有化合物分解触媒としてアルミナジルコニウム複合酸化物にタングステン酸化物を担持させた触媒(容積8l)を充てんした。また、ミストトラップ10への市水18の供給流量を2.5l/min、循環タンク3から排水タンク2に送水される排水15の流量を2.5l/min、洗浄水14の流量を2l/minとした。触媒部6の温度が750℃になるようにヒーター8を制御し、上述した条件の下で処理を行った。
排出配管32から排出された処理済みガスの分析結果を表3に示す。表3に示されるように、反応槽4に直接水または水蒸気を供給しなくても、前処理部1から搬送される水分を利用することで良好にフッ素含有化合物を処理できることがわかる。
Figure 0004434933
上述したように、本発明によれば、水供給装置や水蒸気発生装置などの付帯設備を設置する必要がないため、イニシャルコストを下げることができ、かつ設置スペースを小さくすることができる。また、排ガスに含まれるフッ素含有化合物を効率よく、しかも経済的に処理することができる。
本発明の第1の実施形態に係る排ガス処理装置を示す概略図である。 図1に示す前処理部の拡大図である。 本発明の第2の実施形態に係る排ガス処理装置を示す概略図である。
符号の説明
1 前処理部
1a 処理室
1b モータ室
2 排水タンク
3 循環タンク
4 反応槽
5 空間部(加熱酸化部)
6 触媒部
7 後処理部
7a スプレー
8 ヒーター
9 迂流板
10 ミストトラップ
11 下スプレー
12 パージエア
13 上スプレー
14,16 洗浄水
15,22,33 排水
17 冷却水
18 市水
19 第1接続配管
20,21 送水ポンプ
24 ファン
25 回転軸
26 軸受
27 隔壁
28 酸素供給源
29 第2接続配管
30 導入配管
31 分岐装置
32 排出配管
34 ドレン配管
35 空気エジェクター
36 分析装置
37 流入配管
38 バイパス配管
39 バイパス弁
41 圧力センサ
42,43 温度センサ

Claims (9)

  1. フッ素含有化合物を含む排ガスの処理方法であって、
    排ガスの迂流路を形成する複数の迂流板が内部に配置された反応槽内に排ガスを導入し、
    排ガスを前記反応槽内で加熱しながら水または水蒸気と酸素との存在下でフッ素含有化合物を加水分解し、
    前記反応槽に水または水蒸気を直接供給することなく前記加水分解を行うことを特徴とする排ガスの処理方法。
  2. 前記加水分解は、加熱酸化分解及び/又は触媒による分解であることを特徴とする請求項1に記載の排ガスの処理方法。
  3. 排ガスを前記反応槽に導入する前に、排ガスを前処理部に導入して排気ガスを水に接触させて排ガスの前処理を行い、
    排ガスによって前記前処理部から搬送される水分を利用して前記加水分解を行うことを特徴とする請求項1に記載の排ガスの処理方法。
  4. フッ素含有化合物を含む排ガスの処理方法であって、
    排ガスを前処理部に導入して排気ガスを水に接触させて排ガスの前処理を行い、
    前処理された排ガスを反応槽内に導入し、
    排ガスを前記反応槽内で加熱しながら水または水蒸気と酸素との存在下でフッ素含有化合物を加水分解し、
    前記反応槽に水または水蒸気を直接供給せずに、排ガスによって前記前処理部から搬送される水分を利用して前記加水分解を行い、
    前記前処理部から搬送される水分の量の調整は、前記前処理部から排出される排ガスの温度又は流量を調整することにより行われることを特徴とする排ガスの処理方法。
  5. フッ素含有化合物を含む排ガスの処理装置であって、
    排ガスに水を接触させて排ガスの前処理を行う前処理部と、
    排ガスを加熱しながら水または水蒸気と酸素との存在下でフッ素含有化合物を加水分解させる反応槽とを備え、
    前記反応槽の内部には、排ガスの迂流路を形成する複数の迂流板が配置され、
    前記反応槽に水または水蒸気を直接供給することなくフッ素含有化合物を加水分解させることを特徴とする排ガスの処理装置。
  6. 前記反応槽は、加熱酸化部と触媒部とを備えることを特徴とする請求項に記載の排ガスの処理装置。
  7. 排ガスによって前記前処理部から搬送される水分を利用して加水分解を行うことを特徴とする請求項に記載の排ガスの処理装置。
  8. 前記前処理部に酸素を供給する酸素供給源を更に備えたことを特徴とする請求項に記載の排ガスの処理装置。
  9. フッ素含有化合物を含む排ガスの処理装置であって、
    排ガスに水を接触させて排ガスの前処理を行う前処理部と、
    排ガスを加熱しながら水または水蒸気と酸素との存在下でフッ素含有化合物を加水分解させる反応槽とを備え、
    前記反応槽に水または水蒸気を直接供給せずに、排ガスによって前記前処理部から搬送される水分を利用してフッ素含有化合物を加水分解させ、
    前記前処理部から搬送される水分の量の調整は、前記前処理部から排出される排ガスの温度又は流量を調整することにより行われることを特徴とする排ガスの処理装置。
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