JP4434511B2 - 車輌用ブレーキペダル踏力検出装置 - Google Patents

車輌用ブレーキペダル踏力検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車輌に於ける運転者によるブレーキペダルに対する踏力の検出に係り、更に詳細にはブレーキペダル踏力検出装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車輌の制動制御装置は、一般に、運転者によるブレーキペダル踏力を液圧に変換する変換手段としてのマスタシリンダと、マスタシリンダの液圧を利用して各車輪のホイールシリンダ内圧力を制御する制動圧制御装置とを有している。運転者の制動要求量に応じて各車輪の制動力を正確に制御したり、運転者の制動意志の有無に基づいて車輌の制御を正確に行うためには、運転者によるブレーキペダル踏力を正確に検出することが好ましく、そのための手段の一つとして、例えば特開平11−165620号公報に記載されている如き踏力センサによりブレーキペダルとマスタシリンダとの間に作用する力をブレーキペダル踏力として検出することが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし自動車等の車輌の制動制御装置に於いては、ブレーキペダルとマスタシリンダとの間に作用する力は運転者によるブレーキペダルに対する踏力以外の他の要因によっても変動し、踏力センサの出力には他の要因に起因する振動ノイズが含まれ易いため、踏力センサがブレーキペダルとマスタシリンダとの間に作用する力を正確に検出しても、踏力センサの出力は必ずしも正確に運転者の制動要求量や制動意志の有無を示さない場合がある。
【0004】
例えばアンチスキッド制御時にはホイールシリンダ内圧力が繰り返し増減されることに起因する所謂キックバックが発生し、キックバックに起因してマスタシリンダ圧力が振動的に変動し、これに起因してブレーキペダルとマスタシリンダとの間に作用する力が振動的に変動し、その結果踏力センサの出力が振動する。また車輌の悪路走行時には車輪が路面より受ける反力に起因して車体が前後方向に振動し、そのためブレーキペダルや運転者の足が振動し、これに起因してブレーキペダルとマスタシリンダとの間に作用する力が振動的に変動し、その結果踏力センサの出力が振動する。更にブレーキペダルが強く踏み込まれた状態より踏力が急激に解放されると、ブレーキペダルの踏み込み量が0の位置近傍に於いてブレーキペダルが振動し、そのため車輌の悪路走行時の場合と同様踏力センサの出力が振動する。
【0005】
本発明は、踏力センサによりブレーキペダル踏力を検出する場合に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、踏力センサの出力に含まれる振動ノイズを排除することにより、運転者によるブレーキペダルに対する踏力を正確に検出することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の主要な課題は、本発明によれば、運転者によるブレーキペダル踏力を液圧に変換する変換手段と、前記液圧を利用して各車輪のホイールシリンダ内圧力を制御する制動圧制御手段とを有する車輌用制動制御装置に適用され、踏力センサの出力に基づき運転者によるブレーキペダル踏力を検出するブレーキペダル踏力検出装置に於いて、前記変換手段に於ける前記液圧の振動的変動に起因する振動ノイズを検出する振動ノイズ検出手段と、前記踏力センサの出力より前記振動ノイズ検出手段によって検出された振動ノイズを除去する手段とを有し、前記振動ノイズ検出手段はアンチスキッド制御時のキックバックに起因する前記液圧の振動的変動の周波数域を通過帯域とするバンドパスフィルタ処理後の前記液圧の振動的変動に基づき振動ノイズを検出することを特徴とする車輌用ブレーキペダル踏力検出装置(請求項1の構成)、又は踏力センサの出力に基づき運転者によるブレーキペダル踏力を検出するブレーキペダル踏力検出装置に於いて、車輌の悪路走行に起因する振動ノイズを検出する振動ノイズ検出手段と、前記踏力センサの出力より前記振動ノイズ検出手段によって検出された振動ノイズを除去する手段とを有し、前記振動ノイズ検出手段は車輌の悪路走行に起因するブレーキペダルの前後振動の周波数域を通過帯域とするバンドパスフィルタ処理後の車輌の前後加速度の振動に基づき振動ノイズを検出することを特徴とする車輌用ブレーキペダル踏力検出装置(請求項の構成)によって達成される。
【0007】
上記請求項1の構成によれば、アンチスキッド制御時のキックバックに起因する変換手段に於ける液圧の振動的変動の周波数域を通過帯域とするバンドパスフィルタ処理後の液圧の振動的変動に基づき振動ノイズが検出されることにより、キックバックに起因する振動ノイズが振動ノイズ検出手段によって検出され、踏力センサの出力より検出された振動ノイズが除去されるので、変換手段に於けるキックバックに起因する振動ノイズが生じてもそのキックバックに起因する振動ノイズの悪影響を受けることなく運転者の制動操作によるブレーキペダル踏力が正確に検出される。
【0008】
また上記請求項の構成によれば、車輌の悪路走行に起因するブレーキペダルの前後振動の周波数域を通過帯域とするバンドパスフィルタ処理後の車輌の前後加速度の振動に基づき振動ノイズが検出されることにより、車輌の悪路走行に起因する振動ノイズが振動ノイズ検出手段によって検出され、踏力センサの出力より検出された振動ノイズが除去されるので、車輌の悪路走行に伴うブレーキペダルの前後振動に起因する振動ノイズが生じてもその車輌の悪路走行に起因する振動ノイズの悪影響を受けることなく運転者の制動操作によるブレーキペダル踏力が正確に検出される。
【0018】
【課題解決手段の好ましい態様】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又はの構成に於いて、振動ノイズを除去する手段は振動ノイズ検出手段により検出された振動ノイズに基づき補正量を演算し、踏力センサの出力を該補正量にて補正することにより振動ノイズが除去されたブレーキペダル踏力を演算するよう構成される(好ましい態様1)。
【0020】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求の構成に於いて、変換手段はマスタシリンダであり、液圧はマスタシリンダ圧力であるよう構成される(好ましい態様)。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0024】
図1は本発明によるブレーキペダル踏力検出装置の一つの実施形態が適用された制動制御装置を示す概略構成図及び制御系のブロック線図である。
【0025】
図1に於て、制動装置10はダイヤゴナル2系統式の制動装置であり、運転者による踏力を液圧に変換する変換手段としてのマスタシリンダ12を有している。マスタシリンダ12は図には詳細に示されていないが互いに独立の二つの加圧室が直列に配置されたタンデム型のものである。またマスタシリンダ12はブースタ14を介してブレーキペダル16に連結されており、運転者によるブレーキペダル16の踏み込み操作に応答して各加圧室にブレーキペダルに対する踏力に応じた油圧(マスタシリンダ圧力Pm)を発生する。
【0026】
マスタシリンダ12の一方の加圧室には右前輪及び左後輪用の第一のブレーキ系統が接続され、他方の加圧室には左前輪及び右後輪用の第二のブレーキ系統が接続されている。これら二つのブレーキ系統は互いに同一の構成を有しているので、第一のブレーキ系統についてのみ説明し、第二のブレーキ系統については説明を省略する。
【0027】
第一のブレーキ系統に於いては、マスタシリンダ12には主制動圧制御通路としてのメイン導管18の一端が接続されており、メイン導管18の他端には右前輪用の制動圧制御通路としてのサブ導管20FR及び左後輪用の制動圧制御通路としてのサブ導管20RLの一端が接続されている。サブ導管20FR及び20RLの他端はそれぞれ右前輪のホイールシリンダ22FR及び左後輪のホイールシリンダ22RLに接続されている。
【0028】
メイン導管18には所謂マスタカット弁として機能する常開型の電磁開閉弁24が設けられ、電磁開閉弁24の両側のメイン導管18にはマスタシリンダ12よりホイールシリンダ22FR及び22RLへ向かうオイルの流れのみを許す逆止バイパス導管26が接続されている。
【0029】
マスタシリンダ12と電磁開閉弁24との間のメイン導管18にはオイル吸入導管28の一端が接続され、オイル吸入導管28の他端は図には示されていない電動機により駆動されるオイルポンプ30の吸入側に接続されている。オイルポンプ30の吐出側には吐出導管32の一端が接続され、吐出導管32の他端はメイン導管18の他端に接続されている。オイル吸入導管28には常閉型の電磁開閉弁34が設けられている。
【0030】
サブ導管20FR及び20RLにはそれぞれ右前輪及び左後輪のホイールシリンダ22FR、22RLへのオイルの供給を制御する増圧制御弁としての常開型の電磁開閉弁36FR、36RLが設けられており、これらの電磁開閉弁の両側のサブ導管20FR及び20RLにはそれぞれホイールシリンダ22FR、22RLより電磁開閉弁24へ向かうオイルの流れのみを許す逆止バイパス導管38FR、38RLが接続されている。
【0031】
更に電磁開閉弁36FR、36RLとホイールシリンダ22FR、22RLとの間のサブ導管20FR、20RLにはそれぞれオイル排出導管42FR、42RLの一端が接続され、オイル排出導管42FR、42RLの他端は電磁開閉弁34とオイルポンプ30との間のオイル吸入導管28に接続されている。オイル排出導管42FR、42RLにはそれぞれ右前輪R及び左後輪のホイールシリンダ22FR、22RLよりのオイルの排出を制御する減圧制御弁としての常閉型の電磁開閉弁44FR、44RLが設けられている。オイル排出導管42FRにはオイルリザーバ40が接続されている。
【0032】
尚電磁開閉弁24、オイルポンプ30、電磁開閉弁34は各車輪の制動力の制御やアンチスキッド(アンチロックブレーキ)制御に於いて使用され、特にオイルポンプ30及び電磁開閉弁34は電磁開閉弁24が閉弁された状態にて何れかの車輪のホイールシリンダ内の圧力を増圧するために使用される。
【0033】
図1の概略構成図には示されていないが、ブレーキペダル16には踏力センサ46が設けられており、踏力センサ46はプッシュロッド16Aに対するブレーキペダル16の押圧力をブレーキペダル踏力Fpとして検出する。またマスタシリンダ12には加圧室内の圧力をマスタシリンダ圧力Pmとして検出する圧力センサ48が設けられている。
【0034】
電磁開閉弁24、オイルポンプ30を駆動する電動機、電磁開閉弁34、電磁開閉弁36FR、36RL、44FR、44RLは電子制御装置50により制御される。電子制御装置50には踏力センサ46よりブレーキペダル踏力Fpを示す信号、圧力センサ48よりマスタシリンダ圧力Pmを示す信号、各車輪に対応して設けられた車輪速度センサ52FR〜52RLより右前輪、左前輪、右後輪、左後輪の車輪速度Vwi(i=fr、fl、rr、rl)を示す信号、前後加速度センサ54より車輌の前後加速度Gx(車輌の加速時を正とする)を示す信号、ストップランプスイッチ(STPSW)56より運転者によってブレーキペダル16が踏み込まれているか否かを示す信号が入力されるようになっている。
【0035】
図1には詳細に示されていないが、電子制御装置50はマイクロコンピュータを含んでいる。マイクロコンピュータは中央処理ユニット(CPU)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。
【0036】
電子制御装置50は図2に示されたブレーキペダル踏力の検出ルーチンに従って車輌の走行中に踏力センサ46により検出されたブレーキペダル踏力Fpより振動ノイズを除去し、振動ノイズが除去されたブレーキペダル踏力Fpaに基づき図には示されていない制動力制御ルーチンに従って各車輪の制動力を制御する。また電子制御装置50は図3に示されたブレーキペダル踏力の検出ルーチンに従ってブレーキペダル16に対する高い踏力が急激に解放された場合にブレーキペダル16が振動することに起因して生じる踏力センサ46の出力Fpの振動を除去する。
【0037】
また電子制御装置50は図には示されていないアンチスキッド制御ルーチンに従い、各車輪速度Vwiに基づき推定される推定車体速度Vbと各車輪の車輪速度Vwiとの偏差として制動スリップ量SLi(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、推定車体速度Vbが制御開始閾値Vbs(正の定数)以上であり且つ制動スリップ量SLiが予め設定された閾値SLo以上であるときには、当該車輪の制動圧を増減制御することにより制動スリップ量を低減するアンチスキッド制御を行う。
【0038】
特に図示の実施形態に於いては、電子制御装置50は車輌の前後加速度Gxに基づき車体の前後振動に伴うブレーキペダル16の前後振動に起因する振動ノイズを除去するための補正量Fpgを演算し、マスタシリンダ圧力Pmに基づきアンチスキッド制御時のキックバックに起因する振動ノイズを除去するための補正量Fppを演算し、踏力センサ46により検出されたブレーキペダル踏力Fpを補正量Fpg及びFppにて補正することにより振動ノイズが除去されたブレーキペダル踏力Fpaを演算する。
【0039】
また電子制御装置50はストップランプスイッチ56がオンよりオフへ切り替わると共にその際に踏力センサ46により検出されたブレーキペダル踏力Fpの減少率が基準値以上である場合には、ストップランプスイッチ56が再度オフよりオンへ切り替わるまで補正後のブレーキペダル踏力Fpaを0に維持することにより、ブレーキペダル16に対する踏力が急激に解放された場合に生じる踏力センサ46の出力Fpの振動を除去する。
【0040】
尚制動力の制御やアンチスキッド制御は本発明の要旨をなすものではなく、また当技術分野に於いてよく知られているので、これらの制御についての詳細な説明を省略する。また各車輪の制動力は振動ノイズが除去されたブレーキペダル踏力Fpa及びブレーキペダル16のストロークに基づいて制御されてもよく、ブレーキペダル踏力Fpaは車輪の制動力以外の制御に使用されてもよい。
【0041】
次に図2に示されたフローチャートを参照して図示の実施形態に於ける車輌走行時のブレーキペダル踏力の検出ルーチンについて説明する。尚図2に示されたフローチャートに基づく電子制御装置50によるブレーキペダル踏力の検出制御は図には示されていないイグニッションスイッチが閉成されることにより開始され、所定の時間毎に繰り返し実行される。
【0042】
まずステップ10に於いては踏力センサ46により検出されたブレーキペダル踏力Fpを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては各車輪の車輪速度Vwiの平均値に基づき車速Vが推定されると共に、車速Vに基づき車輌が走行中であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ80へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ30へ進む。
【0043】
ステップ30に於いては前後加速度センサ54により検出された車輌の前後加速度Gxの時間微分値ΔGxが演算されると共に、基準値Gx1及びGx2をそれぞれGx1<Gx2を満たす正の定数として、車輌の前後加速度の時間微分値ΔGxの絶対値が基準値Gx1以上であり且つ基準値Gx2以下であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ50へ進み、否定判別が行われたときにはステップ40へ進む。
【0044】
ステップ40に於いてはステップ30の判別が肯定判別より否定判別に変化した最新の時点よりの経過時間をΔtとして、Δtがto(正の定数)以下であるか否かの判別、即ち後述のステップ60による補正量Fpgの演算を継続すべき状況であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ70へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ50へ進む。
【0045】
ステップ50に於いては車輌の悪路走行時等に於ける車体の前後振動に起因するブレーキペダル16の前後振動の周波数域を通過帯域とするバンドパスフィルタ処理が車輌の前後加速度Gxに対し行われることにより、バンドパスフィルタ処理後の車輌の前後加速度Gxfが演算され、ステップ60に於いてはバンドパスフィルタ処理後の車輌の前後加速度Gxfに基づき図4に示されたグラフに対応するマップより踏力センサ46の出力Fpに対する補正量Fpgが演算される。
【0046】
尚車輌の前後加速度Gxの周波数に対するブレーキペダル16の振動のゲインは図6に示されている如くブレーキペダル16の共振周波数に於いて最も高く、前後加速度Gxの周波数がブレーキペダル16の共振周波数より離れるにつれて漸次小さくなるので、上記バンドパスフィルタ処理の通過帯域はブレーキペダル16の共振周波数前後の周波数域に設定される。
【0047】
ステップ70に於いては何れかの車輪についてアンチスキッド制御が実行されているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ80に於いて踏力センサ46の補正後の出力Fpaが踏力センサの出力Fpに設定された後ステップ120へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ90へ進む。
【0048】
ステップ90に於いてはアンチスキッド制御中に於けるキックバックに起因するマスタシリンダ圧力Pmの振動的変動の周波数域を通過帯域とするバンドパスフィルタ処理がマスタシリンダ圧力Pmに対し行われることにより、バンドパスフィルタ処理後のマスタシリンダ圧力Pmfが演算され、ステップ100に於いてはバンドパスフィルタ処理後のマスタシリンダ圧力Pmfに基づき図5に示されたグラフに対応するマップより踏力センサ46の出力に対する補正量Fppが演算される。
【0049】
ステップ110に於いては下記の式1に従って踏力センサの補正後の出力Fpaが演算され、ステップ120に於いては踏力センサの補正後の出力Fpaが踏力センサ46によるブレーキペダル踏力の検出値として出力され、しかる後ステップ10へ戻る。
Fpa=Fp+Fpg+Fpp ……(1)
【0050】
以上の説明より解る如く、例えば車輌が悪路走行することにより車体が前後振動し、これによりブレーキペダル16や運転者の足が前後に振動することに起因して踏力センサ46の出力Fpが振動するような状況に於いては、ステップ20〜40に於いて肯定判別が行われ、ステップ50及び60に於いてブレーキペダル16の共振周波数域に於ける車輌の前後加速度Gxfに基づき出力Fpの振動ノイズを除去するための補正量Fpgが演算され、ステップ110に於いて踏力センサ46の出力Fpが補正量Fpgにて補正され、その補正された出力Fpaがステップ120に於いて踏力センサ46の検出値とされる。
【0051】
例えば図7は車輌が悪路走行する場合に於ける車輌の前後加速度Gx等の変動の一例を示しており、特に図7の左半分は前後加速度Gxの振動数がブレーキペダル16の共振周波数に近い場合を示し、図7の右半分は前後加速度Gxの振動数がブレーキペダル16の共振周波数に近くない場合を示している。
【0052】
図7の右半分に示されている如く、前後加速度Gxの振動数がブレーキペダル16の共振周波数に近くない場合には、ブレーキペダル16の振動は穏やかであるので、踏力センサ46の出力Fpの変動も穏やかであり、補正量Fpgも比較的小さい。一方図7の左半分に示されている如く、前後加速度Gxの振動数がブレーキペダル16の共振周波数に近い場合には、ブレーキペダル16の振動は激しいので、踏力センサ46の出力Fpの変動も激しいが、補正量Fpgも大きくなるので、この場合にも踏力センサ46の補正後の出力Fpaは殆ど変動しない。
【0053】
またアンチスキッド制御が実行される際のキックバックに起因してマスタシリンダ圧力Pmが振動的に変動し、これにより踏力センサ46の出力Fpが振動するような状況に於いては、ステップ60に於いて肯定判別が行われ、ステップ90及び100に於いてキックバックの周波数域に於けるマスタシリンダ圧力Pmfに基づき出力Fpの振動ノイズを除去するための補正量Fppが演算され、ステップ110に於いて踏力センサ46の出力Fpが補正量Fppにて補正され、その補正された出力Fpaがステップ120に於いて踏力センサ46の検出値として出力される。
【0054】
例えば図8はアンチスキッド制御が実行される際のキックバックに起因して生じるマスタシリンダ圧力Pm等の変動の一例を示している。図示の如く、キックバックが発生すると、マスタシリンダ圧力Pmは断続的に振動的に変動し、これに起因して踏力センサ46の出力Fpも振動的に変動する。しかしマスタシリンダ圧力Pmの変動に基づき踏力センサの出力に対する補正量Fppが演算され、踏力センサ46の出力Fpが補正量Fppにて補正されるので、補正後の踏力センサの出力Fpaは殆ど変動しない。
【0055】
従って図示の実施形態によれば、車輌の悪路走行等により車体が前後振動することによりブレーキペダル16や運転者の足が前後に振動する場合や、アンチスキッド制御時のキックバックに起因してマスタシリンダ圧力Pmが振動的に変動するような場合にも、踏力センサ46の出力Fpに含まれる振動ノイズを確実に除去し、これにより振動ノイズの影響のない正確なブレーキペダル踏力を検出することができる。
【0056】
次に図3に示されたフローチャートを参照してブレーキペダル16に対する高い踏力が急激に解放された場合に於けるブレーキペダル踏力の検出ルーチンについて説明する。尚図3に示されたフローチャートに基づくブレーキペダル踏力の検出制御はストップランプスイッチ56がオンよりオフへ切り替わることに応答して開始され、図には示されていないイグニッションスイッチが開成されると終了する。
【0057】
まずステップ210に於いては踏力センサ46により検出されたブレーキペダル踏力Fpを示す信号の読み込みが行われ、ステップ220に於いては踏力Fpの時間微分値ΔFpが演算されると共に、基準値Fpoを負の一定の定数としてブレーキペダル踏力Fpの変化率ΔPpが基準値Fpo以下であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ230に於いてフラグFが1にセットされ、否定判別が行われたときにはステップ240へ進む。
【0058】
ステップ240に於いては踏力センサ46により検出されたブレーキペダル踏力Fpを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ250に於いてはストップランプスイッチ56がオフよりオンへ切り替わったか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ260に於いてフラグFが0にリセットされた後図3に示されたルーチンによる制御を終了し、否定判別が行われたときにはステップ270へ進む。
【0059】
ステップ270に於いてはフラグFが1であるか否かの判別、即ち補正後のブレーキペダル踏力Fpaを0に維持しなければならない状況であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ280に於いて踏力センサ46の補正後の出力Fpaが踏力センサの出力Fpに設定され、肯定判別が行われたときはステップ290に於いて踏力センサ46の補正後の出力Fpaが0に設定され、ステップ280又は290が完了するとステップ300に於いて踏力センサの補正後の出力Fpaが踏力センサ46によるブレーキペダル踏力の検出値として出力され、しかる後ステップ240へ戻る。
【0060】
図9はブレーキペダル16に対する高い踏力が急激に解放された場合に於けるブレーキペダル踏力Fp等の変動の一例を示しており、特にt1はストップランプスイッチ56がオンよりオフへ切り替わる時点を示し、t2はブレーキペダル16の踏み込みが再度開始される時点を示し、t3はストップランプスイッチ56がオフよりオンへ切り替わる時点を示している。
【0061】
図9に示されている如く、ブレーキペダル16が強く踏み込まれた状態よりその踏力が急激に解放されると、踏力センサ46の出力Fpが急激に減少し、時点t1に於いてストップランプスイッチ56がオンよりオフへ切り替わり、時点t1より時点t2までは実際のブレーキペダル踏力が0であるにも拘らず、ブレーキペダル16の慣性による振動に起因して踏力センサ46の出力Fpが大きく振動的に変動する。
【0062】
しかし図示の実施形態によれば、時点t1に於いて図3のフローチャートのステップ220に於いて肯定判別が行われ、ステップ290に於いて踏力センサの補正後の出力Fpaが0に設定され、時点t3まで、換言すれば図3のフローチャートのステップ250に於いて肯定判別が行われるまで、ステップ250に於いて否定判別が行われると共にステップ270に於いて肯定判別が行われ、これにより補正後の出力Fpaが0に維持される。
【0063】
従って図示の実施形態によれば、ブレーキペダル16が強く踏み込まれた状態よりその踏力が急激に解放され、これによりブレーキペダル16に対する踏み込み量が実質的に0の位置に於いてブレーキペダル16が振動しても、踏力センサ46の補正後の検出値Fpaがブレーキペダル16の振動に起因して振動的に変動することを確実に防止することができる。
【0064】
以上に於ては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0065】
例えば上述の実施形態に於いては、(A)車輌の悪路走行時に車体が前後振動しブレーキペダル16や運転者の足が前後に振動することに起因して踏力センサ46の出力Fpが振動するような状況に対処する検出制御(ステップ20〜60、110)、(B)アンチスキッド制御が実行される際のキックバックに起因して踏力センサ46の出力Fpが振動するような状況に対処する検出制御(ステップ20、70、90〜110)、(C)ブレーキペダル16が強く踏み込まれた状態よりその踏力が急激に解放された場合にブレーキペダル16が振動することに起因して踏力センサ46の出力Fpが振動するような状況に対処する検出制御(ステップ210〜300)が実行されるようになっているが、上記検出制御A〜Cの何れかが省略されてもよい。
【0066】
また上述の実施形態に於いては、本発明のブレーキペダル踏力検出装置がダイヤゴナル2系統型の油圧式の制動装置を含む制動制御装置に適用されているが、請求項1の本発明が適用される油圧式の制動装置はアンチスキッド制御時のキックバックに起因してマスタシリンダ圧力Pmが振動的に変動するものである限り、当技術分野に於いて公知の任意の構成のものであってよい。
【0067】
また上述の実施形態に於いては、請求項の本発明もダイヤゴナル2系統型の油圧式の制動装置を含む制動制御装置に適用されているが、制動装置は当技術分野に於いて公知の任意の構成のものであってよく、また油圧式以外の制動装置であってもよい。
【0068】
【発明の効果】
以上の説明より明らかである如く、本発明によれば、アンチスキッド制御時のキックバックに起因する振動ノイズ車輌の悪路走行に起因する振動ノイズを排除することができ、これによりキックバックに起因する振動ノイズや車輌の悪路走行に起因する振動ノイズの悪影響を受けることなく運転者の制動操作によるブレーキペダル踏力を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるブレーキペダル踏力検出装置の一つの実施形態が適用された制動制御装置を示す概略構成図及び制御系のブロック線図である。
【図2】車輌の走行時に於けるブレーキペダル踏力の検出ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】ブレーキペダルに対する高い踏力が急激に解放された場合に於けるブレーキペダル踏力の検出ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】バンドパスフィルタ処理後の車輌の前後加速度Gxfと踏力センサの出力に対する補正量Fpgとの関係を示すグラフである。
【図5】バンドパスフィルタ処理後のマスタシリンダ圧力Pmfと踏力センサの出力に対する補正量Fppとの関係を示すグラフである。
【図6】車輌の前後加速度Gxの周波数とブレーキペダルの振動のゲインとの関係を示すグラフである。
【図7】車輌が悪路走行する場合に於ける車輌の前後加速度Gx等の変動の一例を示すグラフである。
【図8】アンチスキッド制御が実行される際のキックバックに起因して生じるマスタシリンダ圧力Pm等の変動の一例を示すグラフである。
【図9】ブレーキペダルに対する高い踏力が急激に解放された場合に於けるブレーキペダル踏力Fp等の変動の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
10…制動装置
12…マスタシリンダ
16…ブレーキペダル
22FR、22RL…ホイールシリンダ
24、34…電磁開閉弁
30…オイルポンプ
36FR、36RL、44FR、44RL…電磁開閉弁
46…踏力センサ
48…圧力センサ
50…電子制御装置
52FR〜52RL…車輪速度センサ
54…前後加速度センサ
56…ストップランプスイッチ

Claims (2)

  1. 運転者によるブレーキペダル踏力を液圧に変換する変換手段と、前記液圧を利用して各車輪のホイールシリンダ内圧力を制御する制動圧制御手段とを有する車輌用制動制御装置に適用され、踏力センサの出力に基づき運転者によるブレーキペダル踏力を検出するブレーキペダル踏力検出装置に於いて、前記変換手段に於ける前記液圧の振動的変動に起因する振動ノイズを検出する振動ノイズ検出手段と、前記踏力センサの出力より前記振動ノイズ検出手段によって検出された振動ノイズを除去する手段とを有し、前記振動ノイズ検出手段はアンチスキッド制御時のキックバックに起因する前記液圧の振動的変動の周波数域を通過帯域とするバンドパスフィルタ処理後の前記液圧の振動的変動に基づき振動ノイズを検出することを特徴とする車輌用ブレーキペダル踏力検出装置。
  2. 踏力センサの出力に基づき運転者によるブレーキペダル踏力を検出するブレーキペダル踏力検出装置に於いて、車輌の悪路走行に起因する振動ノイズを検出する振動ノイズ検出手段と、前記踏力センサの出力より前記振動ノイズ検出手段によって検出された振動ノイズを除去する手段とを有し、前記振動ノイズ検出手段は車輌の悪路走行に起因するブレーキペダルの前後振動の周波数域を通過帯域とするバンドパスフィルタ処理後の車輌の前後加速度の振動に基づき振動ノイズを検出することを特徴とする車輌用ブレーキペダル踏力検出装置。
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