JP4434325B2 - 微小帯状模様を補償するプリント方法 - Google Patents

微小帯状模様を補償するプリント方法 Download PDF

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    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
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    • B41J2/17503Ink cartridges

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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はインクジェットプリント装置に関し、更に詳細にはプリント品質を改善する手法に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
インクジェット・プリンタは個別ドットのパターンをプリント媒体について定義された配列の特定の位置にプリントすることによりプリント画像を形成する。その位置は直線で囲まれた配列になった小さなドットとして便利に可視化される。このような位置は「ドット・ロケーション」、「ドット位置」、または「画素」と呼ばれることもある。従って、プリント動作はドット位置のパターンをインクのドットで塗りつぶすことであると見なすことができる。
【0003】
インクジェット・プリンタは非常に小さいインク滴をプリント媒体の上に放出することによりドットをプリントし、また通常は各々がインク放出ノズルを備えている一つまたは複数のプリントヘッドを支持する可動キャリッジを備えている。キャリッジはプリント媒体の表面上を横断し、ノズルがマイクロコンピュータまたは他のコントローラの命令に従って適切な時刻にインク滴を放出するように制御され、ここでインク滴を印加するタイミングはプリントしている画像の画素のパターンに対応するようにされている。
【0004】
インクジェット・プリントヘッドはそれを通してインク小滴を発射するノズルの配列を備えている。ノズルは普通、媒体の軸と整列している互いに隣接する列状に配置され、一つの列のノズルはプリントヘッドのプリント解像度またはドット解像度に従って媒体軸に沿って他の列のノズルに対して互い違いになっている。従って、2列ノズル配列の特定の実施例については、対角線方向に隣接するノズル間の媒体軸に沿う距離は、ノズル・ピッチとも言うが、所要ドット解像度(たとえば、600dpiの場合1/600インチ)の解像度ドット・ピッチに等しい。使用に当たって、プリントヘッドのノズル列間の物理的間隔は、2つの列が単一の列のノズルとして働くようにスウォースプリントデータ中で適切なデータ・シフトを行うことにより補償される。
【0005】
多列ノズル配列を実現することに伴う考慮事項は、列を媒体軸と精密に機械的に位置合わせすることが必要なことである。ノズル配列の列が媒体軸に対して媒体軸及びキャリッジ走査軸に平行な平面に垂直な軸の周りに傾きまたは回転するように位置決めされた場合、媒体軸に沿う隣接ノズル間の間隔は等しくなくなる。具体的には、ノズルとそれに対してある方向で隣接するノズルとの間の媒体軸に沿った間隔はドット解像度より小さいが、他の方向のこのようなノズルと隣接ノルとの間の媒体軸に沿った間隔はドット解像度より大きくなる。その結果、キャリッジ軸に沿って及び媒体軸に沿ったドット位置合わせが不良であるプリント出力が得られる。
【0006】
キャリッジ軸に沿う位置合わせ不良はプリントヘッドのノズルに供給されるプリントパルスのタイミングを制御することにより補正することができる。
【0007】
しかし、微小帯模様(microbanding)とも呼べる、ドット行間の非一様間隔を生ずる媒体軸に沿う位置合わせ不良は、スウォース(swath)・データの処理によって補償することはできない(インクジェット・プリントヘッドには、その走査方向と直角に複数のノズルを配置しており、一回の走査で複数のドット行からなる帯状領域に対して一度にプリントを行う。この帯状領域を「スウォース」と言う。従って、スウォース・データとはこの帯状領域に対応するデータのことである。)。
【0008】
【概要】
従ってインクジェット・プリントヘッドの回転位置合わせ不良により生ずる媒体軸位置合わせ誤差を補償する手法を提供することが有利である。
【0009】
前述の及び他の長所は、本発明によれば、媒体走査軸に対するプリントヘッドの左ノズル列及び右ノズル列の回転位置合わせ不良の量及び方向を決定するステップ、最初にプリントするノズル列として左ノズル列と右ノズル列の一方を選択するステップ、回転位置合わせ不良を補償する媒体前進補正を決定するステップ、最初のキャリッジ走査で最初にプリントするノズル列でプリント媒体上にドットをプリントするステップ、媒体前進補正だけプリント媒体を移動させるステップ、及び左ノズル列の右ノズル列の他方でプリント媒体上にドットをプリントするステップ、を備えているインクジェットプリントに対する方法により与えられる。
【0010】
本発明の長所及び特徴は図面と関連して読むとき以下の詳細な説明から当業者により容易に認められるであろう。
【0011】
【実施例】
以下の詳細な説明及び図面の幾つかの図において、類似した要素は類似した参照数字で示している。
【0012】
図1は本発明の教示を取り入れた熱インクジェット大判プリンタ/プロッタの斜視図である。プリンタ10はスタンド14に取り付けられたハウジング12を備えている。ハウジングには左及び右の駆動機構筐体16及び18がある。制御パネル20が右筐体18に取り付けられている。キャリッジ・アセンブリ100は、透明カバー22の下に隠線で示されているが、やはり隠線で示した案内レール24に沿って往復運動するようになっている。水平軸またはキャリッジ走査軸に関するキャリッジ・アセンブリ100の位置は図2に関して下に更に詳細に説明するようにエンコーダ・ストリップ120(図2)に対するキャリッジ位置決め機構110(図2)によって決定される。紙のようなプリント媒体30はプリント・ローラ154(図2及び図3)を備えた媒体軸駆動機構により垂直軸または媒体前進軸に沿って位置決めされる。
【0013】
図2はキャリッジ・アセンブリ100、キャリッジ位置決め機構110、及びエンコーダ・ストリップ120の斜視図である。キャリッジ位置決め機構110はそれによりモータが小さいベルト116を駆動するシャフト114を備えているキャリッジ位置決めモータ112を備えている。小さいベルト116により、キャリッジ位置決めモータ112はそのシャフト118によりアイドラ122を駆動する。これにより、アイドラ122は第2のアイドラ126により固定されているベルト124を駆動する。ベルト124はキャリッジ・アセンブリ100に取り付けられ、それを通じて摺動するようになっている。
【0014】
キャリッジ軸に関するキャリッジ・アセンブリ100の位置はエンコーダ・ストリップ120を使用して精密に決定される。エンコーダ・ストリップ120は一端で第1の支柱128により、また他端で第2の支柱129により固定されている。エンコーダ・ストリップ120を、本願出願人に譲渡されている米国特許第5,276,970で開示されまた特許請求されているように実施することができる。この参考文献に開示されているように、光学リーダを備えたキャリッジ位置エンコーダ(図示せず)はキャリッジ・アセンブリに設置され、キャリッジ位置信号を与える。
【0015】
キャリッジ・アセンブリ100は各種の色のインク(たとえば、それぞれ、黒、黄色、マゼンタ、及びシアンのインク)を貯える4個のインクジェット・プリントヘッド・カートリッジつまりペン102、104、106、及び108を着脱自在に支持している。キャリッジ・アセンブリ100がキャリッジ走査軸に沿って移動する際に、プリントヘッド・カートリッジ102、104、106、及び108の所定のインク発射抵抗器が付勢されて、インク滴がそれに対応するインクジェット・ノズルから発射されるようにする。
【0016】
図3は図1のプリンタに使用されている媒体位置決めシステム150を簡略化して表現した斜視図である。媒体位置決めシステム150はプリント・ローラ154を駆動する媒体軸モータ152を備えている。プリント・ローラ154の位置は媒体位置エンコーダ156によって確認される。媒体位置エンコーダ156は、複数の開口159が設けられているディスクを備えている。光学リーダ160がプリント・ローラ154の位置、従ってプリント媒体30の位置も決定しやすくする複数の出力パルスを発生する。位置エンコーダは当業者に周知である。たとえば、Hewlett-Packard Journal、1988年10月号、pp. 99-106にHoward C. Epstein等が書いている"Economical High-Performance Optical Encoders"を参照されたい。
【0017】
図1、図2、及び図3にも示されるように、光学センサ・モジュール200がキャリッジ・アセンブリ100に取り付けられて図示されている。センサ・モジュールはプリントヘッドによりプリントされた試験用の線を光学的に検知し、媒体前進軸を含み且つキャリッジ軸に平行な平面内で測った、媒体前進軸に対するプリントヘッドの回転位置合わせ不良を決定する。このような回転位置合わせ不良の角度をここでは角度θzとする。説明用の例として、本願出願人に譲渡されている米国特許第5,404,020号に開示されているように、センサ・モジュール200は位相板を使って実現され、またその出力を処理するための適切な処理回路が設けられている。
【0018】
次に、図4に、本発明の手法を実施することができる図1の熱インクジェット・プリンタを制御する制御システムの簡略化されたブロック図を示してある。制御システムは、たとえばホスト・コンピュータからプリントデータを受け、プリントデータをバッファ・メモリ53に格納するインターフェース51を備えている。マイクロプロセッサ・コントローラ55がプリントデータを処理して、マイクロプロセッサ・コントローラ55が使用するように設けられているRAM57に入っているビットマップ・メモリ57aに格納されるラスタデータを発生するように構成されている。ROM59もマイクロプロセッサ・コントローラ55が使用するように適切に設けられている。本発明によるプロセスを、本明細書に更に説明するように、ROM59に入っているプロセスと共にマイクロプロセッサ・コントローラ55により実行することができる。
【0019】
プリント・コントローラ61は、ラスタデータの一部をビットマップ・メモリ57aからスウォース・メモリ63に転送して、スウォース・データをプリントヘッド・カートリッジ102、104、106、108のインク発射素子を駆動するプリントヘッド・ドライバ67を制御するプリントヘッド・ドライバ・コントローラ43に供給する。プリント・コントローラ61は更にプリント・コントローラ61からの媒体運動命令に従ってプリント・ローラ154を移動させる媒体軸駆動モータ152を制御する。媒体位置エンコーダ156は媒体軸駆動モータ152のフィードバック制御用情報を与える。同様に、キャリッジ軸エンコーダ73はプリント・コントローラ61からのキャリッジ運動命令に従ってキャリッジ・アセンブリ100を支持するインクジェット・カートリッジを位置決めするキャリッジ走査軸駆動モータ112にフィードバック制御用フィードバック情報を与える。多チャネル・アナログ−ディジタル(A/D)変換器75は、光学センサ200の出力に基づくアナログ信号を受け取り、ノズル配列の回転位置合わせ不良を決定する処理のために、このようなアナログ信号をディジタル化したものを提供する。
【0020】
さて、図5を参照すると、プリントヘッド・カートリッジ102、104、106、108の各々に入っているノズル配列91を、ノズル配列の上方から見た(すなわち、プリント媒体が図の面の下側を通る)ものが簡化して表現してある。ノズル配列91はノズル配列の長手軸Lに平行な左列91L及び右列91Rに構成された複数のノズルを備えており、ここで一つの列のノズルはノズル配列長手軸Lに沿って千鳥状になっている。図5に距離Pで示してあるような、対角的に隣接するノズル間のノズル配列長手軸Lに沿う距離はノズル・ピッチと言われており、例によって示せば、所要ドット解像度(たとえば、600dpiに対して1/600インチ)のドット・ピッチに等しい。左及び右の列91L、91Rは列分離距離Dだけ離れており、使用中列間の物理的間隔は二つの列が単一列のノズルとして働くようにスウォースプリントデータの適切なデータ・シフトにより補償される。理想的には、左及び右の列91L、91Rは、図5に示すように、媒体前進軸Aに平行で、それによりノズル配列の長手軸Lが媒体前進軸Aに平行になる。しかし実際上は、たとえばプリントヘッド・カートリッジとプリントキャリッジとの間の機械的公差の結果、ノズル列91L、91Rは媒体軸に平行でないかもしれず、従って媒体軸とは大体のところでしか整列していない。
【0021】
参照のため、ノズル列のノズルは、ノズル列が媒体前進軸と整列している場合、長手軸Lに沿ってプリント媒体が媒体軸方向に沿って前進するとき最初に出会うノズルから順番がふられる。この媒体軸方向は媒体前進軸Aの矢印により示される。従って、媒体前進方向に沿って最も遠くにあるノズルが図の最上部にある左列のノズルである、図5に示す説明のための例では、このようなノズルはノズル1であり、左ノズル列のノズルは奇数がふられている。右ノズル列のノズルは図の最上部にある右列のノズルから始めて偶数がふられる。
【0022】
図6は媒体前進軸Aに対して反時計方向の回転位置合わせ不良があるノズル配列の概略を示しており、他方、図7は媒体前進軸Aに対して時計方向の回転位置合わせ不良のあるノズル配列の概略を示している。回転位置合わせ不良の量θzは比較的小さく、従って左列ノズルと右列ノズルとの間の間隔についての媒体軸に沿った方向の誤差つまりこの方向の位置合わせ不良の量は(D×tanθz)により非常に厳密に近似することができる。ここでDは左ノズル列と右ノズル列との間の距離である。このように表すことができる理由は、ノズル列を一方のノズル列のいちばん上または下のノズルを通過する軸の周りを回転しているように図で表現することにより、容易に理解することができる。このように表した場合、他方のノズル列は(D´×tanθz)に等しい量だけ変位している。ここでD´はノズル列間の距離をキャリッジ軸上に投影したものである。θzは比較的小さいから、D´の代わりにDを使用しても正確さを失わない。参照しやすくするため、回転位置合わせ不良の量θzは回転位置合わせ不良の方向にかかわらず常に正の角度であるとしている。このようにすることによって、左列ノズルと右列ノズルとの間の間隔についての媒体軸に沿った位置合わせ不良(D×tanθz)は常に正の値を取る。
【0023】
一般に、本発明によれば、各ペンについて回転位置合わせ不良θzの量及び方向が決定され;
第1のスウォースを左列ノズルと右列ノズルの一方でプリントし;
プリント媒体を計算された媒体微少前進量MAだけ動かす:この媒体微少前進量MAは
(a)第1のスウォースをプリントするように選択されたノズル列、
(b)回転位置合わせ不良θzの量、及び
(c)回転位置合わせ不良θzの方向
に基づく;
第2のスウォースをノズル列の他方でプリントする。
【0024】
プリントヘッドの回転位置合わせ不良を、これも本願出願人に譲渡された米国特許第5,404,020号に開示されているような光学位置合わせシステムを使って一般的に下記のように決定することができる。ドットをプリントヘッドのノズルを用いてキャリッジ軸に沿う複数の予め定められた等距離の位置にプリントし、ほぼ垂直な線分のプリントパターンを作るようにする。位相板を備えた光学センサを線分の上部を横断して走査させる。光学センサの出力は正弦波を含むが、これをディジタル化して処理し、基準正弦波の第1の位相角に現れる信号となる。次に媒体を予め定められた量Hだけ前進させ、光学センサを再び線分を横断して走査させる。光学センサの出力をディジタル化し、処理して基準正弦波の第2の位相角に現れる信号となる。第1及び第2の位相角をキャリッジ軸に沿う距離に変換し、これらの位相距離間の差を計算する。このような差を予め定められた他媒体前進量Hで割れば、商のアークタンジェントは回転位置合わせ不良を与える。
【0025】
次に図8(A)を参照すると、図6に示すところの反時計方向の位置合わせ不良のあるノズル配列のノズルによりキャリッジ軸に沿う固定位置でプリントされるドット・パターンの概略が示されている。ここでは、プリントされたドットを、当該ドットを生成したノズルのノズル番号により識別している。図示してあるキャリッジ走査軸に沿う位置合わせ不良によるドット配置誤差は、適切なスウォース・データ遅延により補償される。反時計方向回転位置合わせ不良のため、奇数ドットは媒体前進軸に沿って偶数ドットに対して媒体前進方向に変位している。
【0026】
本発明によれば、反時計方向回転位置合わせ不良を第1のキャリッジ走査で左ノズル列を用いてドットをプリントし、プリント媒体を2P−(D×tanθz)に等しいかまたはほぼ等しい量だけ前進させ、第2のキャリッジ走査で右ノズル列を用いてドットをプリントすることにより補償することができる。固定スウォース位置にプリントされて得られたドットのパターンを図8(B)に示す。2P−(D×tanθz)の媒体前進は偶数ドットと奇数ドットとの相対位置の交換を生じ、これは適切に補償されることが注目される。このようにする代わりに、ドットを第1のキャリッジ走査で右ノズル列を用いてプリントし、プリント媒体を(D×tanθz)に等しいかまたはほぼ等しい量だけ前進させ、第2のキャリッジ走査で左ノズル列を用いてドットをプリントする。後者の方法によって固定スウォース位置にプリントされて得られたドットのパターンを、図8(C)に示す。
【0027】
次に、図7に示すところの時計方向位置合わせ不良のあるノズル配列によりキャリッジ軸に沿って固定位置にプリントされるドット・パターンを、図9(A)に示す。図7ではプリントされた各ドットは、当該ドットを生成したノズルのノズル番号により識別されている。図示したキャリッジ走査軸に沿う位置合わせ不良により生ずるドット配置誤差は、適切なスウゥオース・データ遅延により補償される。時計方向回転位置合わせ不良のため、偶数番のドットは媒体前進方向に媒体前進軸に沿って奇数番目のドットに対して変位している。
【0028】
本発明によれば、時計方向回転位置合わせ不良を、最初のキャリッジ走査で左ノズル列を用いてドットをプリントし、プリント媒体を(D×tanθz)に等しいかまたはほぼ等しい量だけ前進させ、第2のキャリッジ走査では右ノズル列を用いてドットをプリントすることにより補正することができる。固定スウォース位置にプリントされて得られたドットのパターンを図9(B)に示す。このようにする代わりに、ドットを最初のキャリッジ走査で右ノズル列を用いてプリントし、プリント媒体を2P−(D×tanθz)に等しいかまたはほぼ等しい量だけ前進させ、第2のキャリッジ走査で左ノズル列を用いてドットをプリントしてもよい。後者の方法によって固定スウォース位置にプリントされて得られたドットのパターンを、図9(C)に示す。2P−(D×tanθz)の媒体前進は偶数ドットと奇数ドットとの相対位置の交換を生じ、これは適切に補償されることが注目される。更に2P−(D×tanθz)の媒体前進は、最初と最後のノズルによりプリントされるドットは隣接するドットからプリント解像度ドット・ピッチPより大きい距離だけ離れていることが注目される。使用に当たって、最初の及び最後のノズルを遮断し、またノズル配列の2本の列でプリントした後の媒体前進量を適切に選択する。
【0029】
これまでに説明したことから、所与の回転位置合わせ不良は、以下のいずれかの手法によって補償できる:
(a)(D×tanθz)に等しいかまたはほぼ等しい媒体微小前進量MAを計算するとともに、左と右のノズル列のどちらで最初にプリントするかをθzの方向の関数として決定する;
(b)ノズル列のうちの特定の一つで常に最初にプリントすることを指定するとともに、回転位置合わせ不良θzの方向により(D×tanθz)または2P−(D×tanθz)である媒体微小前進量をθzの方向の関数として計算する。
【0030】
次に図10に単独ノズル配列に対する回転位置合わせ不良補償のフローチャートを示す。ここで、図10のフローチャートの各ブロックの動作は以下の通りである:
211:回転位置合わせ不良θzの大きさ及び方向を判定する
213:θz =0?
215:媒体軸位置合わせ誤差E=D×tanθzを計算する
216:媒体軸位置合わせ誤差に基づく所望の微少前進量をMAにセットする
217:回転位置合わせ不良は時計方向か?
219:右ノズル列を最初にプリントするノズル列として選択し、左ノズル列を次にプリントするノズル列として選択する
221:左ノズル列を最初にプリントするノズル列として選択し、右ノズル列を次にプリントするノズル列として選択する
223:最初のキャリッジ走査において、上で選択された最初にプリントするノズル列を使ってドットをプリントする
225:媒体をMAだけ進める
227:次のキャリッジ走査において、上で選択された次にプリントするノズル列を使ってドットをプリントする
229:必要なら、プリント媒体を次のスウォースのために進める
231:必要なら、プリント・ステップを繰り返す
この方法は、本発明によれば、媒体軸位置合わせ誤差(D×tanθz)に等しいかまたはほぼ等しい媒体微小前進量MAを計算し、左と右のノズル配列のいずれで最初にプリントするかを回転位置合わせ不良θzの方向の関数として決定する。211で回転位置合わせ不良θzの量及び方向を決定する。ブロック213で、θzが0に等しいか否か判定する。もし等しければ(YES)、この手続は終了し、プリントを回転位置合わせ不良の補償なしで行なう。ブロック213で、判定結果がNOであれば、ブロック215で、媒体軸位置合わせ誤差Eを(D×tanθz)に設定する。ブロック216で、媒体微小前進量MAを媒体軸位置合わせ誤差Eに基づいて決定する。たとえば、媒体微小前進量を媒体軸位置合わせ誤差Eに等しく設定することができる。このようにする代わりに、媒体微小前進量を媒体軸位置合わせ誤差(D×tanθz)にほぼ等しく設定することもできる。たとえば、媒体微小前進量を媒体軸位置合わせ誤差に最も近い1/4ドット・ピッチの整数倍(すなわち、1/4P、1/2P、または3/4P)に設定してもよい。ブロック217で、回転位置合わせ不良が反時計方向であるか否かに関する判定を行なう。反時計方向であれば、ブロック219で、右ノズル列を最初にプリントするノズル列として選定し、左ノズル列を次にプリントするノズル列として選択する。制御は次にブロック223に移る。ブロック217での判定結果がNOであれば、ブロック221で、左ノズル列を最初にプリントするノズル列とし選定し、右ノズル列を次にプリントするノズル列として選択する。ブロック223では、最初のキャリッジ走査で、選択された最初にプリントするノズル列を用いてプリントし、ブロック225で、プリント媒体を微小前進量MAだけ前進させる。ブロック227では、次のキャリッジ走査で、選択された次にプリントするノズル列を用いてドットをプリントする。ブロック229で、必要ならプリント媒体を次のスウォース分前進させ、ブロック231では、必要ならプリントのステップを繰り返す。
【0031】
図11に、本発明による、最初に左ノズル列でプリントし、プリント媒体を回転位置合わせ不良θzの方向及び量の関数である微小前進量だけ移動させる、単独のノズル配列に対する回転位置合わせ不良を補償するフローチャートを示してある。図11中の各ブロックの動作は以下の通りである:
251:回転位置合わせ不良θzの大きさ及び方向を判定する
253:θz =0?
255: E=D×tanθz
257:左ノズル列を最初にプリントすること、回転位置合わせ不良の方向、及び媒体進み軸位置合わせ誤差の大きさに基づく所望の微少進み量に等しい値にMAをセットする
261:最初のキャリッジ走査において、左ノズル列を使ってドットをプリントする
263:媒体をMAだけ進める
267:次のキャリッジ走査において、右ノズル列を使ってドットをプリントする
269:必要なら、プリント媒体を次のスウォースのために進める
271:必要に応じて、プリント・ステップを繰り返す
ブロック251で、回転位置合わせ不良θzの量及び方向を決定する。ブロック253で、回転位置合わせ不良θzが0に等しいか否かに関する判定を行なう。0に等しければ、この手続は終了し、回転位置合わせ不良補償なしでプリントを行なう。ブロック253での判定結果NOであれば、ブロック255で、媒体軸位置合わせ誤差Eを(D×tanθz)に設定する。ブロック257で、最初にプリントするノズル列として左ノズル列を選択したこと、回転位置合わせ不良の方向、及び媒体軸位置合わせ誤差Eに基づいて、媒体微小前進量MAを決定する。特に、回転位置合わせ不良が反時計方向であれば、媒体微小前進量を2P−(D×tanθz)に等しく設定することができる。このようにする代わりに、媒体微小前進量MAを2P−(D×tanθz)にほぼ等しく設定してもよい。たとえば、媒体微小前進量MAを2P−(D×tanθz)に最も近い1/4ドット・ピッチの整数倍(すなわち、2P−3/4P、2P−1/2P、または2P−1/4P)に設定してもよい。回転位置合わせ不良が時計方向であれば、媒体微小前進量を媒体軸位置合わせ誤差Eに等しく設定することができる。このようにする代わりに、媒体微小前進量を媒体軸位置合わせ誤差Eに最も近い1/4ドット・ピッチの整数倍(すなわち、1/4P、1/2P、または3/4P)にほぼ等しく設定することができる。ブロック261で、ドットを最初のキャリッジ走査で左ノズル列を用いてプリントし、ブロック263で、プリント媒体を微小前進量MAだけ前進させる。ブロック265で、ドットを次のキャリッジ走査で右ノズル列を用いてプリントする。ブロック267では、必要ならプリント媒体を次のスウォース分だけ前進させ、ブロック269で、必要ならプリントのステップを繰り返す。
【0032】
図12は図11のものと同様の手続のフローチャートを示すが、ドットを最初、プリント媒体を回転位置合わせ不良θzの方向の関数である微小前進量だけ前進させる前に右ノズル列を用いてプリントする点が異なる。図12のフローチャート中の各ブロックの動作は以下の通りである:
281:回転位置合わせ不良θzの大きさ及び方向を判定する
283:θz =0?
285:E=D×tanθz
287:右ノズル列を最初にプリントすること、回転位置合わせ不良の方向、及び媒体進み軸位置合わせ誤差の大きさに基づく所望の微少進み量に等しい値にMAをセットする
289:最初のキャリッジ走査において、右ノズル列を使ってドットをプリントする
291:媒体をMAだけ進める
293:次のキャリッジ走査において、左ノズル列を使ってドットをプリントする
295:必要なら、プリント媒体を次のスウォースのために進める
297:必要に応じて、プリント・ステップを繰り返す
図12のステップは、特に図11のフローチャートに照らして、自明であると考えられるので、図12の手続の詳細な説明はここでは行なわない。媒体微小前進量MAを計算することに関して、右ノズル列を最初にプリントすることになっているから、回転位置合わせ不良が反時計方向であれば媒体微小前進量MAを媒体軸位置合わせ誤差Eに等しいかあるいは媒体軸位置合わせ誤差Eにほぼ等しく設定することを理解しなければならない。回転位置合わせ不良が時計方向であれば、媒体微小前進量MAを2P−(D×tanθz)に等しいかあるいは(D×tanθz)にほぼ等しく設定する。また、回転位置合わせ不良が時計方向であれば、ノズル配列の最初と最後のノズルを遮断し、スウォース高さをN個のノズルのあるノズル配列についてN−2ドット・ピッチまで減少させる。
【0033】
図10ないし図12の手続を単独ペンに対する回転位置合わせ不良の補償に向けてきた。図1に示すような複数のペンに対する回転位置合わせ不良の補償を各種方法により達成することができる。直裁的に補償を行おうとしたら、各ペンを独立に考え、各ペンについてどの補償法を利用すべきかを決定するであろう。次に、ドットをすべてのペンの最初にプリントするノズル列を用いてプリントする。次にプリント媒体を媒体微小前進計算値の最小だけ前進させ、第2のキャリッジ走査で媒体微小前進計算値が最小であるペンの次にプリントするノズル列を用いてプリントする。次にプリント媒体を或る量だけ前進させて最初のキャリッジ走査以来の全媒体前進量が微小前進量の計算値のうちの小さい方から2番目の値に等しくなるようにし、ドットを3回目のキャリッジ走査での媒体微小前進計算値が小さい方から2番目の値を持つペンの次にプリントするノズル列を用いてプリントする。次にプロセスを残りのペンについて微小前進計算値が増大する順に続ける。
【0034】
今度は図13に、複数のペンについての回転位置合わせ不良を補償する手続のフローチャートを示す。この手続は各ペンについて媒体微小前進量を図10のように計算し、すべてのペンの最初にプリントするノズル列を用いてプリントし、次にプリント媒体を繰り返し前進させ、媒体微少前進量の計算値の小さい順に、次にプリントするノズル列を用いてドットをプリントする。以下に、図13のフローチャートの各ブロックの動作を示す:
311:各ペン毎に、回転位置合わせ不良θzの大きさ及び方向を判定する
313:回転位置合わせ不良θzの各々の向きに従って、最初にプリントするノズル列と次にプリントするノズル列を各ペン毎に判定する
315:媒体微少前進量をペン毎に計算する
317:最初のカートリッジ走査において、各々の最初にプリントするノズル列を用いてドットをプリントする
319:ブロック317でのプリント以来媒体を進めた量の合計がブロック315で計算された媒体微少前進量を小さい順に並べたものの次の値になるように、プリント媒体を逐次前進させ、その前進毎に該当する媒体微少前進量に相当する1つまたは複数のペンにおける次にプリントするノズル列を用いてドットをプリントする。
321:必要なら次のスウォースのためにプリント媒体を進める
323:必要ならプリント・ステップを繰り返す
ブロック311で回転位置合わせ不良θzの量及び方向を各ペについて決定する。ブロック313で、単独のペンについて図10の手続で決定されたように、回転位置合わせ不良θzのそれぞれの方向に応じて最初にプリントするノズル列及び次にプリントするノズル列を各ペン毎に決定する。ブロック315でそれぞれの媒体軸位置合わせ誤差を各ペン毎に、単独ペンについて図10の手続で計算されたようにして(D×tanθz)の形で計算する。ブロック317では、ドットを最初のキャリッジ走査でそれぞれの最初にプリントするノズル列を用いてプリントする。ブロック319では、プリント媒体を歩進的に前進させ、各歩進的媒体前進後、最初にプリントするノズル列を用いてプリントして以来なされた媒体前進量が、各異なる微小前進計算値に等しいようにし、各歩進的媒体前進後、ドットを、ドットを最初にプリントするノズル列でプリントして以来の媒体前進の量に対応する微小前進を有する1つまたは複数のペンの次にプリントするノズル列を用いてプリントする。たとえば、2つのペンの微小前進計算値が1/4Pであり、1つのペンの微小前進計算値が1/2Pであり、またもう1つのペンの微小前進計算値が3/4Pであるとすれば、媒体を1/4Pだけ前進させた後、ドットを微小前進計算値が1/4Pである2のペンの、次にプリントするノズル列を用いてプリントする。次に媒体を1/4Pだけ前進させ、ドットを微小前進計算値が1/2Pであるペンの、次にプリントするノズル列を用いてプリントする。媒体を更に1/4Pだけ前進させ、ドットを3/4Pの微小前進計算値を有するペンの、次にプリントするノズル列を用いてプリントする。換言すれば、各異なる微小前進計算値について、媒体を歩進的に前進させ、各歩進的前進後、その段階までになされた媒体前進がこのような異なる微小前進計算値に等しいようにする。各歩進的媒体前進後、1つまたは複数のペンの、次にプリントするノズル列の微小前進計算値は最初にプリントするノズル列でプリントして以来なされた媒体前進の量に対応する。ブロック321では、必要ならプリント媒体を次のスウォース分だけ前進させ、ブロック323で、必要ならプリント・ステップを繰り返す。
【0035】
図13の手続に対して、媒体微小前進量を1/4ドット・ピッチのような分数的なドットの小部分の整数倍で近似し、それにより媒体軸位置合わせ誤差の値が近接している場合プリント媒体の微小前進の数を減らすことができることを理解しなければならない。
【0036】
前述のプリント手続において、媒体微小前進の補償は媒体前進方向であって、これにより機械的バックラッシュ誤差を回避している。従って、ある手続では、左ノズルと右ノズルとの相対位置は交換される。しかし、左ノズルと右ノズルとの相対位置を交換すると媒体微小前進量が正になる場合に媒体微小前進量を負にすることにより、左ノズルと右ノズルとの相対位置を維持することができることを理解すべきである。この場合、このような負の媒体微小前進は−(D×tanθz)に等しいかまたはほぼ等しい。従って、左ノズル列を最初にプリントしようとする反時計方向回転位置合わせ不良の場合には、ドットを左ノズル列でプリントし、媒体を−(D×tanθz)にほぼ等しい(すなわち、媒体前進方向と反対の方向に)微小前進量だけ移動させ、ドットを右ノズル列を用いてプリントする。右ノズル列を用いてプリントした後の媒体前進量はスウォース高さに媒体微小前進の絶対値を加えたものになる。これと同様に、右ノズル列を最初にプリントすべき時計方向回転位置合わせ不良の場合、ドットを右ノズル列を用いてプリントし、媒体を−(D×tanθz)にほぼ等しい微小前進量だけ移動させ、ドットを左ノズル列でプリントする。左ノズル列でプリントしてからの媒体前進量はスウォース高さに媒体微小前進の絶対値を加えたものになる。
【0037】
これまでに媒体前進軸に対するインクジェット・ノズル配列の回転位置合わせ不良から生ずる微小帯模様を補償する手法を開示してきた。
【0038】
前述したものは本発明の特定の実施例の説明及び図解であるが、当業者ならばそれに対する各種修正及び変更を特許請求の範囲により定義する本発明の範囲及び精神から逸脱することなく行なうことができる。
【0039】
以下に、本発明の実施の態様の例を列挙する。
【0040】
〔実施の態様1〕長手軸(L)に平行で、Dだけ離間し、媒体前進軸(A)とほぼ整列している左ノズル列(91L)及び右ノズル列(91R)を備え、前記左ノズル列には2Pだけ離間した複数のノズル(1、3、5、…)があり、前記右ノズル列には2Pだけ離間した複数のノズル(2、4、6、…)があり、前記左ノズル列のノズルは長手軸に沿って前記右ノズル列のノズルに対して互い違いに設置されて対角的に隣接するノズル間の前記長手軸に沿う距離はPであるようになっており、前記左ノズル列及び前記右ノズル列のノズルは第1のノズルから第Nのノズルまで順序付けられており、プリント媒体は前記媒体前進方向に進行するとき最初に前記第1のノズルに遭遇するように構成されたインクジェット・プリントヘッド(102、104、106、108)を用いてプリントを行う、以下の(a)ないし(f)のステップを設けた方法:
(a) 媒体走査軸に対する前記左ノズル列及び前記右ノズル列の回転位置合わせ不良の量及び方向を決定する;
(b)前記左ノズル列と前記右ノズル列の一方を最初にプリントするノズル列として選択する;
(c) 回転位置合わせ不良を補償する媒体前進補正量を決定する;
(d) 最初のキャリッジ走査で前記最初にプリントするノズル列を用いてプリント媒体上にドットをプリントする;
(e) プリント媒体を前記媒体前進補正量だけ移動させる;
(f) 前記左ノズル列と前記右ノズル列の他方を用いて前記プリント媒体上にドットをプリントする。
【0041】
〔実施の態様2〕前記媒体前進補正量を決定するステップは、前記媒体前進補正量を、θzを前記回転位置合わせ不良の量として、ほぼ(D×tanθz)に設定するステップを含み、
前奇異最初にプリントするノズル列を決定するステップは、前記回転位置合わせ不良が反時計方向であれば、前記最初にプリントするノズル列として前記右ノズル列を選択し、前記回転位置合わせ不良が時計方向であれば、前記最初にプリントするノズル列として前記左ノズル列を選択するステップを含む
ことを特徴とする実施の態様1に記載の方法。
【0042】
〔実施の態様3〕前記媒体前進補正量を決定するステップは、θzを前記回転位置合わせ不良の量としたとき、前記媒体進行補正量を、
(a) 前記回転位置合わせ不良が反時計方向であれば、ほぼ2P−(D×tanθz)に設定し、
(b) 前記回転位置合わせ不良が時計方向であれば、ほぼ(D×tanθz)に設定する
ステップを含み、
前記最初にプリントするノズル列を決定するステップは、前記最初にプリントするノズル列として前記左ノズル列を選択するステップを含む
ことを特徴とする実施の態様1に記載の方法。
【0043】
〔実施の態様4〕前記媒体前進補正量を決定するステップは、θzを前記回転位置合わせ不良の量としたとき、前記媒体前進補正量を、
(a) 回転位置合わせ不良が反時計方向であれば、ほぼ(D×tanθz)に設定し、
(b) 前記回転位置合わせ不良が時計方向であれば、ほぼ2P−(D×tanθz)に設定する
ステップを含み、
前記最初にプリントするノズル列を決定するステップは、前記最初にプリントするノズル列として前記右ノズル列を選択するステップを含む
ことを特徴とする実施の態様1に記載の方法。
【0044】
〔実施の態様5〕前記媒体前進補正量を決定するステップは、θzを前記回転位置合わせ不良の量としたとき、前記媒体前進補正量を、
(a) 回転位置合わせ不良が反時計方向であれば、ほぼ−(D×tanθz)に設定し、
(b) 前記回転位置合わせ不良が時計方向であれば、ほぼ(D×tanθz)に設定する
ステップを含み、
前記最初にプリントするノズル列を決定するステップは、前記最初にプリントするノズル列として左ノズル列を選択するステップを含む
ことを特徴とする実施の態様1に記載の方法。
【0045】
〔実施の態様6〕前記媒体前進補正量を決定するステップは、θzを回転位置合わせ不良の量としたとき、前記媒体前進補正量を、
(a) 前記回転位置合わせ不良が反時計方向であれば、ほぼ(D×tanθz)に設定し、
(b) 前記回転位置合わせ不良が時計方向であれば、ほぼ−(D×tanθz)に設定する
ステップを含み、
前記最初にプリントするノズル列を決定するステップは、前記最初にプリントするノズル列として右ノズル列を選択するステップを含む
ことを特徴とする実施の態様1に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット方式大判プリンタ/プロッタの斜視図。
【図2】図1のプリンタ/プロッタのキャリッジ・アセンブリ、キャリッジ位置決め機構、及びプリント媒体位置決め機構の斜視図。
【図3】図1のプリンタ/プロッタの媒体位置決めシステムの簡略化した斜視図。
【図4】図1のスウォース・プリンタを制御するプリンタ・コントローラの簡略化したブロック図。
【図5】図1のプリンタのプリンタ・カートリッジのノズル配列を示す概略化した平面図。
【図6】媒体前進軸に対して反時計方向の回転位置合わせ不良のあるノズル配列を概略的に示す図。
【図7】媒体前進軸に対して時計方向の回転位置合わせ不良のあるノズル配列を概略的に示す図。
【図8】反時計方向の位置合わせ不良のあるノズル配列によるドット・パターン及びその補償結果を概略的に示す図。
【図9】時計方向に位置合わせ不良のあるノズル配列によるドット・パターン及びその補償結果を概略的に示す図。
【図10】ノズル配列の回転位置合わせ不良により生ずる媒体軸位置合わせ誤差を補償する本発明によるプリント手続のフローチャート。
【図11】ノズル配列の回転位置合わせ不良により生ずる媒体軸位置合わせ誤差を補償する本発明による他のプリント手続のフローチャート。
【図12】ノズル配列の回転位置合わせ不良により生ずる媒体軸位置合わせ誤差を補償する本発明による更に他のプリント手続のフローチャート。
【図13】複数のノズル配列の回転位置合わせ不良により生ずる媒体軸位置合わせ誤差を補償する本発明による手続のフローチャート。
【符号の説明】
91L:左ノズル列
91R:右ノズル列
100:キャリッジ・アセンブリ
102、104、106、108:インクジェット・プリントヘッド
110:キャリッジ位置決め機構
120:エンコーダ・ストリップ
200:光学センサ・モジュール

Claims (5)

  1. インクジェットプリントヘッドが印刷するための左ノズル列及び右ノズル列を備え、該左ノズル列及び右ノズル列は、距離Dだけ互いに離間して長手軸に平行であり、通常は、回転軸である媒体前進軸と整列し、前記プリントヘッドとキャリッジとの間の機械的公差により前記媒体前進軸を基準にして、媒体前進方向とプリントヘッド軸との間の角度を指す時計方向または反時計方向の回転位置合わせ不良の量が生じるものであり、前記左ノズル列にはノズルピッチPの2倍の距離2Pだけ離間した複数のノズルがあり、前記右ノズル列にはノズルピッチPの2倍の距離2Pだけ離間した複数のノズルがあり、前記左ノズル列のノズルが長手軸に沿って前記右ノズル列のノズルに対して互い違いに設置されて対角的に隣接するノズルの間の前記長手軸に沿う距離はPであるようになっており、前記左ノズル列のノズル及び前記右ノズル列のノズルは、前記長手軸に沿ってプリント媒体が前進するときに最初に出会うノズルから順番に第1から第Nまでの番号が付けられており、前記プリント媒体は媒体前進方向に進行するとき最初に前記第1のノズルに遭遇するように構成されたインクジェットプリントヘッドであって、キャリッジ軸に沿って可動である前記キャリッジによって支えられるインクジェットプリントヘッドを用いたインクジェットプリント方法であって、
    前記媒体走査軸に対する前記左ノズル列と前記右ノズル列の一方を選択するステップと、
    回転位置合わせ不良を補償する媒体前進補正量を決定するステップと、
    前記キャリッジ軸に沿った前記キャリッジの第1のキャリッジ走査で最初にプリントするノズル列を用いて前記プリント媒体にドットをプリントするステップと、
    前記プリント媒体を前記媒体前進補正量だけ移動させるステップと、
    前記キャリッジ軸に沿った前記キャリッジの第2のキャリッジ走査で前記左ノズル列と前記右ノズル列の他方を用いて前記プリント媒体にドットをプリントするステップと、を含み、
    前記媒体前進補正量決定ステップが、前記媒体前進補正量を約D×tanθzに設定し、該θzが回転位置合わせ不良の量であるステップを有し、
    前記ノズル列選択ステップが、前記回転位置合わせ不良が反時計方向である場合には前記第1のキャリッジ走査で最初にプリントするノズル列として前記右ノズル列を選択して用いることにより前記プリント媒体にドットをプリントし、前記第2のキャリッジ走査で前記左ノズル列を選択して用いることにより前記プリント媒体にドットをプリントし、前記回転位置合わせ不良が時計方向である場合には前記第1のキャリッジ走査で最初にプリントするノズル列として前記左ノズル列を選択して用いることにより前記プリント媒体にドットをプリントし、前記第2のキャリッジ走査で前記右ノズル列を選択して用いることにより前記プリント媒体にドットをプリントするインクジェットプリント方法。
  2. インクジェットプリントヘッドが印刷するための左ノズル列及び右ノズル列を備え、該左ノズル列及び右ノズル列は、距離Dだけ互いに離間して長手軸に平行であり、通常は、回転軸である媒体前進軸と整列し、前記プリントヘッドとキャリッジとの間の機械的公差により前記媒体前進軸を基準にして、媒体前進方向とプリントヘッド軸との間の角度を指す時計方向または反時計方向の回転位置合わせ不良の量が生じるものであり、前記左ノズル列にはノズルピッチPの2倍の距離2Pだけ離間した複数のノズルがあり、前記右ノズル列にはノズルピッチPの2倍の距離2Pだけ離間した複数のノズルがあり、前記左ノズル列のノズルが長手軸に沿って前記右ノズル列のノズルに対して互い違いに設置されて対角的に隣接するノズルの間の前記長手軸に沿う距離はPであるようになっており、前記左ノズル列のノズル及び前記右ノズル列のノズルは、前記長手軸に沿ってプリント媒体が前進するときに最初に出会うノズルから順番に第1から第Nまでの番号が付けられており、前記プリント媒体は媒体前進方向に進行するとき最初に前記第1のノズルに遭遇するように構成されたインクジェットプリントヘッドであって、キャリッジ軸に沿って可動である前記キャリッジによって支えられるインクジェットプリントヘッドを用いたインクジェットプリント方法であって、
    前記媒体走査軸に対する前記左ノズル列と前記右ノズル列の一方を選択するステップと、
    回転位置合わせ不良を補償する媒体前進補正量を決定するステップと、
    前記キャリッジ軸に沿った前記キャリッジの第1のキャリッジ走査で最初にプリントするノズル列を用いて前記プリント媒体にドットをプリントするステップと、
    前記プリント媒体を前記媒体前進補正量だけ移動させるステップと、
    前記キャリッジ軸に沿った前記キャリッジの第2のキャリッジ走査で前記左ノズル列と 前記右ノズル列の他方を用いて前記プリント媒体にドットをプリントするステップと、を含み、
    前記媒体前進補正量決定ステップが、前記媒体前進補正量を、(a)前記回転位置合わせ不良が反時計方向である場合には約2P−D×tanθzに設定し、(b)前記回転位置合わせ不良が時計方向である場合には約D×tanθzに設定し、該θzが回転位置合わせ不良の量であるステップを有し、
    前記ノズル列選択ステップが、最初にプリントするノズル列として前記左ノズル列を選択するステップを有するインクジェットプリント方法。
  3. インクジェットプリントヘッドが印刷するための左ノズル列及び右ノズル列を備え、該左ノズル列及び右ノズル列は、距離Dだけ互いに離間して長手軸に平行であり、通常は、回転軸である媒体前進軸と整列し、前記プリントヘッドとキャリッジとの間の機械的公差により前記媒体前進軸を基準にして、媒体前進方向とプリントヘッド軸との間の角度を指す時計方向または反時計方向の回転位置合わせ不良の量が生じるものであり、前記左ノズル列にはノズルピッチPの2倍の距離2Pだけ離間した複数のノズルがあり、前記右ノズル列にはノズルピッチPの2倍の距離2Pだけ離間した複数のノズルがあり、前記左ノズル列のノズルが長手軸に沿って前記右ノズル列のノズルに対して互い違いに設置されて対角的に隣接するノズルの間の前記長手軸に沿う距離はPであるようになっており、前記左ノズル列のノズル及び前記右ノズル列のノズルは、前記長手軸に沿ってプリント媒体が前進するときに最初に出会うノズルから順番に第1から第Nまでの番号が付けられており、前記プリント媒体は媒体前進方向に進行するとき最初に前記第1のノズルに遭遇するように構成されたインクジェットプリントヘッドであって、キャリッジ軸に沿って可動である前記キャリッジによって支えられるインクジェットプリントヘッドを用いたインクジェットプリント方法であって、
    前記媒体走査軸に対する前記左ノズル列と前記右ノズル列の一方を選択するステップと、
    回転位置合わせ不良を補償する媒体前進補正量を決定するステップと、
    前記キャリッジ軸に沿った前記キャリッジの第1のキャリッジ走査で最初にプリントするノズル列を用いて前記プリント媒体にドットをプリントするステップと、
    前記プリント媒体を前記媒体前進補正量だけ移動させるステップと、
    前記キャリッジ軸に沿った前記キャリッジの第2のキャリッジ走査で前記左ノズル列と前記右ノズル列の他方を用いて前記プリント媒体にドットをプリントするステップと、を含み、
    前記媒体前進補正量決定ステップが、前記媒体前進補正量を、(a)前記回転位置合わせ不良が反時計方向である場合には約D×tanθzに設定し、(b)前記回転位置合わせ不良が時計方向である場合には約2P−D×tanθzに設定し、該θzが回転位置合わせ不良の量であるステップを有し、
    前記ノズル列選択ステップが、最初にプリントするノズル列として前記右ノズル列を選択するステップを有するインクジェットプリント方法。
  4. インクジェットプリントヘッドが印刷するための左ノズル列及び右ノズル列を備え、該左ノズル列及び右ノズル列は、距離Dだけ互いに離間して長手軸に平行であり、通常は、回転軸である媒体前進軸と整列し、前記プリントヘッドとキャリッジとの間の機械的公差により前記媒体前進軸を基準にして、媒体前進方向とプリントヘッド軸との間の角度を指す時計方向または反時計方向の回転位置合わせ不良の量が生じるものであり、前記左ノズル列にはノズルピッチPの2倍の距離2Pだけ離間した複数のノズルがあり、前記右ノズル列にはノズルピッチPの2倍の距離2Pだけ離間した複数のノズルがあり、前記左ノズル列のノズルが長手軸に沿って前記右ノズル列のノズルに対して互い違いに設置されて対角的に隣接するノズルの間の前記長手軸に沿う距離はPであるようになっており、前記左ノズル列のノズル及び前記右ノズル列のノズルは、前記長手軸に沿ってプリント媒体が前進するときに最初に出会うノズルから順番に第1から第Nまでの番号が付けられており、前記プリント媒体は媒体前進方向に進行するとき最初に前記第1のノズルに遭遇するように構成されたインクジェットプリントヘッドであって、キャリッジ軸に沿って可動である前記キャリッジによって支えられるインクジェットプリントヘッドを用いたインクジェットプリント方法であって、
    前記媒体走査軸に対する前記左ノズル列と前記右ノズル列の一方を選択するステップと、
    回転位置合わせ不良を補償する媒体前進補正量を決定するステップと、
    前記キャリッジ軸に沿った前記キャリッジの第1のキャリッジ走査で最初にプリントするノズル列を用いて前記プリント媒体にドットをプリントするステップと、
    前記プリント媒体を前記媒体前進補正量だけ移動させるステップと、
    前記キャリッジ軸に沿った前記キャリッジの第2のキャリッジ走査で前記左ノズル列と前記右ノズル列の他方を用いて前記プリント媒体にドットをプリントするステップと、を含み、
    前記媒体前進補正量決定ステップが、前記媒体前進補正量を、(a)前記回転位置合わせ不良が反時計方向である場合には約−D×tanθzに設定し、(b)前記回転位置合わせ不良が時計方向である場合には約D×tanθzに設定し、該θzが回転位置合わせ不良の量であるステップを有し、
    前記ノズル列選択ステップが、最初にプリントするノズル列として前記左ノズル列を選択するステップを有するインクジェットプリント方法。
  5. インクジェットプリントヘッドが印刷するための左ノズル列及び右ノズル列を備え、該左ノズル列及び右ノズル列は、距離Dだけ互いに離間して長手軸に平行であり、通常は、回転軸である媒体前進軸と整列し、前記プリントヘッドとキャリッジとの間の機械的公差により前記媒体前進軸を基準にして、媒体前進方向とプリントヘッド軸との間の角度を指す時計方向または反時計方向の回転位置合わせ不良の量が生じるものであり、前記左ノズル列にはノズルピッチPの2倍の距離2Pだけ離間した複数のノズルがあり、前記右ノズル列にはノズルピッチPの2倍の距離2Pだけ離間した複数のノズルがあり、前記左ノズル列のノズルが長手軸に沿って前記右ノズル列のノズルに対して互い違いに設置されて対角的に隣接するノズルの間の前記長手軸に沿う距離はPであるようになっており、前記左ノズル列のノズル及び前記右ノズル列のノズルは、前記長手軸に沿ってプリント媒体が前進するときに最初に出会うノズルから順番に第1から第Nまでの番号が付けられており、前記プリント媒体は媒体前進方向に進行するとき最初に前記第1のノズルに遭遇するように構成されたインクジェットプリントヘッドであって、キャリッジ軸に沿って可動である前記キャリッジによって支えられるインクジェットプリントヘッドを用いたインクジェットプリント方法であって、
    前記媒体走査軸に対する前記左ノズル列と前記右ノズル列の一方を選択するステップと、
    回転位置合わせ不良を補償する媒体前進補正量を決定するステップと、
    前記キャリッジ軸に沿った前記キャリッジの第1のキャリッジ走査で最初にプリントするノズル列を用いて前記プリント媒体にドットをプリントするステップと、
    前記プリント媒体を前記媒体前進補正量だけ移動させるステップと、
    前記キャリッジ軸に沿った前記キャリッジの第2のキャリッジ走査で前記左ノズル列と 前記右ノズル列の他方を用いて前記プリント媒体にドットをプリントするステップと、を含み、
    前記媒体前進補正量決定ステップが、前記媒体前進補正量を、(a)前記回転位置合わせ不良が反時計方向である場合には約D×tanθzに設定し、(b)前記回転位置合わせ不良が時計方向である場合には約−D×tanθzに設定し、該θzが回転位置合わせ不良の量であるステップを有し、
    前記ノズル列選択ステップが、最初にプリントするノズル列として前記右ノズル列を選択するステップを有するインクジェットプリント方法。
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