JP4433947B2 - 高温用cvd装置 - Google Patents

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Description

この発明はAlN薄膜の成長に好適な1800℃での成長が可能な高温用CVD装置を提供することを目的とする。サファイヤ基板の上にGaN、InGaN薄膜など窒化物半導体薄膜を成長させるMOCVD法の場合加熱温度は1000℃とか1100℃程度であった。よほど高くても1300℃が限度であった。だから1300℃以上に基板を加熱できる窒化物半導体用MOCVD装置は存在しない。
現在用いられているGaN、InGaN成長用MOCVD装置はサファイヤ基板をサセプタの上において、下から基板を加熱し横方向から原料ガス(アンモニア、TMG、TMI、TMA)を流して基板の上にGaN、InGaN、AlGaNなどの薄膜を成長させるものである。InGaN系の発光ダイオードは青色発光できるが、それより短い波長の光を発生することができない。
250nm〜300nmの紫外光を発光する発光ダイオード、半導体レーザはInGaN系では不可能である。もっとバンドギャップの広い材料が必要である。本発明者はそのような紫外光を出す発光素子の材料としてAlNに着目している。AlNはGaNよりバンドギャップが広く紫外光のエネルギーに対応する広さをもっている。AlNはバンドギャップが広いので紫外線発光ダイオードの可能性がある。だからAlNの薄膜構造がうまくできれば200nm〜300nmの紫外線を出す発光素子ができる筈である。
さらに進んで、もしも、250nm以下の波長のレーザ光を出すことができる高効率、高出力、小型の半導体レーザができれば、加工用、医療用、殺菌用の光源として有用なものとなろう。波長が短いのでより記録密度の高い光ディスクの書き込み・読み出し光として使えるかもしれない。さらに超高周波デバイスや、超高出力電子デバイスを製作できるようになるかもしれない。
上に述べたものの他に独自の用途もある。紫外線発光ダイオードは炎のセンサとして利用できる可能性がある。火炎は様々の波長の光を含むが可視光で炎を検出しようとすると誤動作の可能性がある。紫外線は炎に固有だから間違いなく火炎を検出できると言われている。
AlN基板はCrystalISから販売されているが日本企業は販売していない。一般には、サファイヤ又はSiC基板の上にAlN薄膜を成長させて発光ダイオードを製造するという試みがなされる。薄膜の厚さは0.1μm〜0.5μmの程度の薄いものである。n−、p−のAlN又はAlGaN薄膜を基板の上に作る実験がなされる。アンモニアと有機金属を原料とするMOCVD法が有望とされる。
有機金属原料を用いたMOCVD法はサファイヤ基板の上にInGaN、GaN薄膜を作るGaN系発光ダイオードの製造に広く用いられている。GaN系の薄膜は1000℃〜1100℃程度で良質のものができる。AlN薄膜をGaNと同じような装置で作るという試みはなされているが良い結果をもたらさない。未だ満足なAlN薄膜を再現性良く製造する技術はない。その原因はいろいろあろうが一つは成膜温度が低すぎるということであろうと本発明者は考える。
より高い温度たとえば1800℃程度の高温のMOCVD法で作製するとAlNの良好な薄膜ができるのではないかと期待される。
特開平10−167897号「GaN膜の成長方法」
特開平8−139026号「薄膜気相成長装置」
特開平7−78773号「薄膜気相成長装置」
CVD装置には縦型と横型がある。本発明は横型の範疇にある。横型CVD装置の従来技術を述べる。特許文献1には、上向きに基板をサセプタに保持し、フローチャネルの経路の一部に露呈させ下からヒータ加熱し、原料ガスを横方向に流し斜め下向き水素のパージガスで原料ガスを基板へ押し付け基板上で反応を起こさせ基板上にGaN薄膜を堆積させる装置が提案される。下から加熱されるフローチャネルは下が高温、上が低温になり対流が激しく原料ガスが舞い上がるので斜め下向き水素ガスで原料ガスを下向きに押さえ付け基板に強制的に接触させるのである。
特許文献2はGaAs成長用の横型MOCVD装置である。5族原料ガスがアンモニアでなくアルシンで成長温度も低いから事情がかなり違う。反応生成物がサセプタの軸機構へ落ちるのを防ぐためにサセプタの下方からパージガス(水素)を吹き出して生成物の落下を防ぎ原料ガスがサセプタの下方へ流れ損失となるのを防止している。特許文献3は2−6族のZnSe薄膜を作る横型MOCVD装置である。原料ガス切り換えのときにデッドスペースにガスが停留すると切り換えがシャープにならないからパージガスを吹き込むようになっている。
特開平11−74203号「窒化物系III−V族化合物半導体の成長方法および成長装置」
特許文献4は石英管の中に基板・サセプタを置き、原料ガス+水素の混合ガスを石英管に吹き込んで圧力を1.5気圧程度にしてGaN、InGaN薄膜を成長させている。これまでのMOCVDは減圧CVD(1気圧より低い)であったが、それであると窒素が薄膜に入りにくい。それで圧力を1.2気圧以上とした加圧CVD法を提案する。基板をサセプタに下向きに保持して石英管中に置いて混合原料ガスを流し1.2気圧以上にするという方法も開示されている。熱対流が上に向かい基板面に当たるので成長が効率よく進行し窒素の離脱を防ぐことができる、と述べている。成長温度は700℃〜800℃であり、かなり低い温度である。
特開平7−111245号「気相成長装置」
特許文献5は、下方から支持され昇降可能なサセプタの裏面に基板を保持し、サセプタを下降させて基板を横向き原料ガス流れの中へ導入して気相反応で薄膜を基板の上に成長させるような装置を提案している。これは基板を下向きに保持してサセプタも下から回転自在に支持するようにしているから回転動作が安定する、と主張している。
しかし、これはサセプタを下から棒で支え棒を軸受で支持しているからヒータを基板の直下に設けることはできない。ヒータはサセプタの上方ゲートバルブの近くに設ける。ヒータ熱はサセプタを加熱し間接的に基板を加熱できるだけである。だから基板温度はあまり高くならない。成膜が終わったあとヒータの方へ持ち上げてゲートバルブを開きサセプタをフォークで持ち上げることになる。着脱自在としたサセプタと支柱の接触部が不安定である。これはGaN膜、AlN膜を成長させるのではない。
図1に従来例にかかるMOCVD装置を示す。これは本発明者等がかつて製造していたものであって、横型上向き基板のMOCVD装置である。特許文献1の原型となった装置である。水平方向に伸びるフローチャネル7は角型断面をもつ流体流路である。
炉の中央部には、基板1を保持する基板ホルダー2を支持するためのサセプタ6が設けられる。サセプタ6は内部に抵抗加熱ヒータ3を有する。ヒータ3の下にはヒータ熱を上向きに反射するための反射板4が複数枚設けられる。熱電対5がヒータ3の上部に突出し基板ホルダー2の裏面に近接して設けられる。サセプタ6の全体は上下方向に移動できる。基板1に原料ガスを導くのは横型のフローチャネル7である。フローチャネル7の上流側には原料ガスを供給するガスノズル8が設けられる。これはアンモニアガスNHと有機金属原料(トリメチルガリウムTMG)の気体をフローチャネル7の内部へ吹き出す。
図1はサファイヤ基板の上にGaN系の発光ダイオード(LED)を作るためのMOCVD装置である。1000℃とか1100℃の温度で用いられる。最高でも1300℃程度にしか上がらない。これをAlN薄膜のエピタキシャル成長に転用するには、原料ガスをトリメチルガリウム(TMG)からトリメチルアルミニウム(TMA)に変えれば良いと思われよう。そうすれば、TMAとアンモニアの反応でAlNができ、それがサファイヤ基板の上に堆積する筈である。そのようにして1000℃程度でAlN膜を成長させようとしている者もいる。
しかし実際にはそうでなく、単に原料ガスをTMGからTMAに変えても良いAlN薄膜が得られない。基板との格子整合の問題などもあろうが一つは温度が低すぎるということであろう。1000℃とか1100℃というのはAlNにとっては温度が低すぎると本発明者は考える。AlNの場合は1800℃の高温が必要であると考える。しかし1800℃を作り得るような窒化物半導体用MOCVD装置は未だない。しかし1800℃の窒化物半導体用のMOCVD装置をなんとかして作りたいものである。
図1のMOCVD装置はフローチャネル7が石英管で作られていた。ところが石英管は1200℃で軟化し始めるので1800℃の高温にはとても耐えない。それだけでも図1の装置は1800℃のAlN用には使えない。もう一つはヒータである。ヒータは誘導加熱、抵抗加熱、光加熱の3手法がある。誘導加熱というのは導電体のサセプタに基板を置きチャンバ外周のコイルに高周波電力を流し高周波電界によって離隔したサセプタに渦電流を発生させ、それによってサセプタを加熱するものである。誘導加熱では損失が大きすぎて電源容量が大きくなりすぎてしまう。光加熱というのはランプの光を石英柱の中に導いて基板の上から照射するものである。基板の上からと下から2本の石英柱を用いてやっとそれだけの熱量を基板に向けて輸送することができる。しかし基板に近接して設けられる石英柱がガス流を遮るので、原料ガスを基板に充分均一に供給することができない。
それで抵抗加熱ということになる。抵抗加熱というのは耐熱抵抗体に電流を流して発生したジュール熱を放射して対象物を加熱するものである。図1のものも抵抗加熱ヒータを用いているが、それよりももっと高温に耐え、かつ、ガス雰囲気にも耐えるような抵抗加熱ヒータが要求される。ヒータ素材をPG、PGコートカーボン、Mo、導電性BN、TaCコートカーボン等にすると高熱かつガス雰囲気に耐えるヒータとなる。窒化物半導体の成長の場合は水素雰囲気(還元性)やアンモニア雰囲気となるからPGコートカーボンをヒータにしたりすることができる。その他にPG、Mo、導電性BN、TaCコートカーボンもヒータとして使うことができる。そのようなヒータと反射率の高い反射板を組み合わせ熱の逃げを防ぐと1900℃程度の高温まで加熱できる。高出力の抵抗加熱ヒータが得られたとしてもまだ問題がある。原料ガス供給パイプはできるだけ基板の近くまでガスを輸送して基板の直近で加熱するのが良い、とされる。パイプと基板の距離が離れると、途中でガスが加熱されて分解してしまい基板まで届かない内に消費されてしまう。それを避けるにはできるだけ基板の近くまでパイプで原料ガスを運ぶ必要がある。しかし原料ガス供給管はステンレス管であるから基板近くの強烈な放射熱に耐えないかもしれない、という懸念がある。
初めにサセプタを下げて基板と基板ホルダーを置きサセプタをフローチャネルの高さまで上げてガスを流し加熱してエピタキシャル成長させ、そのあとまたサセプタを下げて基板と基板ホルダーを交換するというようにする。だからサセプタは昇降可能でなければならない。エピタキシャル成長においては、基板の上を原料ガスが横向きに通過して行くので、フローチャネルに対する基板の高さが薄膜の形成に大きく影響する。図1の装置ではサセプタ6の昇降をステップモータで制御している。上下方向の精度は±1mm程度である。ところが、たった±1mmの高さの違いであってもガス流れが変動して成長条件が異なる。そのため、できた薄膜の性質が大きく異なる。基板の高さをもっと精度良く厳密に規定しなければ薄膜の性質を安定させることができない。
本発明のMOCVD装置は、フローチャネルをカーボン(C)製、モリブデン(Mo)製またはパイロリティックグラファイト(pyrolytic graphite;PG)製にしフローチャネルの上部に窓を設け、底なし基板ホルダーに基板を入れ、基板ホルダーを窓の枠で支持し、基板を一定高さに保持し、基板を下向きにフローチャネルに露呈させ、抵抗加熱ヒータをフローチャネルの上方に昇降可能に設け上から下へ向かう熱流によって基板を加熱し、水冷したガスノズルから原料ガスをフローチャネルへ吹き出させ、ガス流が加熱された基板の下面に接触し、基板下面に薄膜成長するようにしている。そのような工夫によって1800℃の高温に加熱した状態で基板の上に薄膜成長させることができる。
フローチャネルが石英管であると、1300℃以上の高温にすると軟化が始まる。1800℃の高温には耐えない。本発明はフローチャネルをカーボン、Mo、PG又はPGコートカーボン、TaCコートカーボン、導電性BN製とするので1800℃の高熱に耐えることができる。1800℃を越えて、1850℃、1900℃程度までは耐える。カーボンは酸素がない雰囲気では高温に強くて1800℃〜1900℃に耐える。原料ガスは水素をキャリヤガスとしたアンモニア、有機金属であるから酸素は存在せずカーボンは安定である。Moは耐熱性に優れた金属であるから、そのような温度に耐える。パイロリティックグラファイトは特に耐熱性に優れたカーボンである。これも1800℃〜1900℃には充分に耐える。フローチャネルの全体が1800℃以上になるのではないが、ヒータに接近した部分は1800℃以上の高温になる。だからフローチャネルを耐熱性に優れた材料にすることは有用である。これによって1300℃〜1900℃程度の高温用の窒化物半導体用のMOCVD装置を初めて提供できる。
基板を昇降可能にするのではなく基板はフローチャネルの窓枠に下向きに(フェイスダウン)置くようにするから高さが正確に決まる。ガス流は横から吹き付けるので高さの差異がたとえ1mmであっても生成された薄膜の性質は大きくばらつくのであるが本発明の場合は基板高さに0.1mmの誤差も生じないので再現性に富む。これが本発明の最も工夫したところである。窓枠部材に下向きに基板を置くのは高さを一定にするためである。そのためフローチャネルの上側に基板が設けられる。従ってヒータもフローチャネルの上方に設けられる。上方からヒータが基板を加熱する。基板交換のために窓枠に置かれたトレーを取り外す必要があるからヒータを昇降可能にしヒータを引き上げてトレーを交換することになる。ヒータが昇降自在であるから下死点でのヒータの高さに多少ばらつきが現れるとしても、その影響は少ない。
フローチャネル空間では上が高温、下が低温になるので対流が起こりにくい。そのため原料ガスがノズルから出て対流によって乱されることなく真っ直ぐ進んで基板にいたる。基板取り付けがフェイスダウンであるから基板面にゴミやパーティクルが付着しないという利点もある。
さらにヒータ加熱で基板近傍を従来のMOCVD法よりも高温にするから原料ガスの供給管をステンレスとすると熱に耐えない。ステンレス以外の材料で原料ガス供給パイプを製作するのは難しい。そこで本発明は水冷ジャケットを原料ガス供給管に設けている。水冷することによってステンレスパイプであっても高熱によく耐えるようになった。原料ガスがパイプから出てフローチャネルに入ると加熱され熱分解するが本発明はパイプを水冷し原料ガスも冷却してあるのでパイプを出てから基板にいたるまでの短い距離では熱分解せずに基板までたどりつくことができる。そのために原料ガスの利用効率も高い。
そのような工夫によって基板を1800℃〜1900℃付近まで加熱することができるようになった。それによって良好なAlN薄膜をサファイヤ、SiCなどの基板の上に成長させることができるようになる。
横型フローチャネルをPG被覆カーボンとする。カーボンは石英と違って1200℃を越えても熱に耐え1800℃近傍で繰り返し使用に耐える。基板を載せた基板ホルダーをフローチャネル上部の窓に載せた構造とするのでガスノズルと基板との位置関係が一定し再現性に富んだ薄膜形成が可能となる。基板をフェイスダウンとし上方から加熱するので熱対流の困難がない。ガスノズルを冷却するからSUSのノズルで充分熱に耐える。ガスを冷却するのでノズルを出て基板まで行く間に熱分解しない。
図2によって本発明の実施例にかかる高温用のCVD装置を説明する。これは炉の内部の構造であって、これらの横型フローチャネルやノズルを囲むチャンバがある。チャンバがあるので雰囲気、圧力の制御が可能になる。チャンバは図示を略している。断面が角型で水平に設けられるフローチャネル27はカーボン、モリブデン、PGなどで作られる。カーボンだけだとこすれて黒粉が発生することもあるのでカーボンにPG薄膜を被覆してある。フローチャネル27の途中で上壁に基板とほぼ同じ大きさの窓34が設けられる。窓の大きさは基板サイズに適合するように決められる。ここでは基板サイズが15mmφなので、窓も16mm〜20mmφ程度のものである。1インチ基板、2インチ基板の場合はそれに応じて窓も26mm〜30mmあるいは、52mm〜55mmというような寸法にする。
下地基板20はフローチャネル27に開けられた窓34にはまりこむ底なしで枠だけの基板ホルダー22に置かれ、基板ホルダー22はフローチャネル27の窓34の枠に懸架するように置かれる。基板ホルダー22の下片が基板を支持し基板ホルダー22の上片がフローチャネル27の枠34に接触している。だから基板のフローチャネル27に対する相対高さは常に一定している。横向きの流れであるから、薄膜形成の状態は基板の流れに対する高さに敏感なのであるが、基板高さが一定になりガスフローに対して同じ関係を保持できる。そのように基板の高さを厳格に決めることができるのが本発明の第1番の特徴である。
窓34に対向するフローチャネル27の底部には断熱材33が設けられる。これはフローチャネル27の中にあって基板からの放射熱を反射してフローチャネル27内部空間の高熱状態を維持するためのものである。たとえばPG等を用いる。
基板はフェイスダウンに設けられるからヒータ23は基板20のすぐ上に設けられ下向きに熱を発生して基板20を加熱するようになっている。ヒータ23は抵抗加熱ヒータである。PG、PGコートカーボン、Mo、導電性BN又はTaCコートカーボン等の抵抗体を用いる。ヒータ23の上にはMo製の反射板24が複数枚設けられる。分子線セルなどでは反射板はタンタル(Ta)の薄板が使われる。しかしTaは水素雰囲気(還元性雰囲気)に弱くて劣化する。そこでMoの薄板を用いる。Moは硬くて加工しにくいが薄板にすることはできる。
反射板24を貫いてヒータ23の温度を測定する熱電対25が設けられる。熱電対25はタングステンレニウム(W−Re)線でMoシースの熱電対を用いる。ヒータ温度は熱電対で測定され、ヒータパワーは電流を加減することによって増減されるから、任意の温度に設定することができる。ヒータケース26はMo製である。ヒータケース26、反射板24、ヒータ23よりなるヒータ機構の全体は上下方向に移動可能である。基板とヒータ間の距離Sは可変である。基板の交換のときはヒータ機構の全体を引き上げておく。基板加熱薄膜生成のときはヒータ23は、基板20に対し5mm程度の距離(S=5mm)まで下げる。
ヒータ23が上から下に向かってフローチャネル27を加熱するから、フローチャネル空間では上が高温、下が低温になる。本発明において、従来例とは温度分布が反対になる。この場合、温度分布は安定し対流が起こらない。対流というのは、下が高温、上が低温だから起こるのである。本発明は、対流が起こらない構造になっておりガス流が安定した層流に近くなる。だから薄膜形成の条件も安定する。それだけでなく対流がないのでノズルから出た原料ガスが直進して基板まで届き易くなる。
フローチャネル27の左端の開口部にはガスノズル28、29が設けられる。有機金属CVD法で窒化物半導体薄膜を成長させるのだから、原料ガスはアンモニアと、水素で希釈した有機金属たとえばトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)などとなる。有機金属は低温でも分解しやすく、だいたい400℃〜450℃で熱分解する。アンモニアはより高温まで熱分解しない。900℃付近まで上がって初めて分解する。
だからアンモニア吹き出し用ノズルは高温側に、有機金属ガス吹き出し用ノズルは低温側に設置するのが普通である。図1の従来例ではヒータが下側にあるので、フローチャネルの下側が高温に、上側がより低温になる。その場合アンモニア吹き出しノズルが下側、TMG(トリメチルガリウム)吹き出しノズルが上側に設けられる。
ところが本発明の場合はヒータ23がフローチャネル27より上にありフローチャネル27内部空間では、上が高温に下が低温になる。それで上側のガスノズル28がアンモニアを吹き出し、下側のガスノズル29が有機金属(TMA)を吹き出す。そのようなガスノズルは金属、たとえばステンレスであるが、フローチャネルの温度が高いのでステンレスノズルが劣化するおそれがある。それにステンレス配管の内部で既にガスが加熱されてしまい。ノズル先端35を出てすぐに熱分解するという可能性もある。原料ガスが基板まで届かないで反応してしまうと、それは無駄になる。
それで本発明ではガスノズル28、29には水冷ジャケット32を設ける。水冷するのでノズルのステンレスが熱損傷を受けないようになる。それに原料ガスが配管の内部では充分な低温に保たれる。原料ガスはノズル28、29から出るとフローチャネル27の上流側36、基板直下37、下流側38を通り出口39まで水平方向にフローチャネルを通り抜ける。原料ガスは冷却されているので、ノズル28、29の先端35、35より吹き出してから加熱のために時間がかかり基板までガスのまま到達することができるようになる。それによって基板面上で初めて原料ガスが出会って反応する。原料ガスを有効利用できる。ノズル28、29の先端35と、基板20の端までの距離Wは50mm程度の短いものであるが、その間で原料ガスが分解せず基板20まで到達するようになった。
水冷ジャケットを設けるについて懸念があった。基板を1800℃〜1900℃まで加熱するのだからヒータのパワーが強烈である。ヒータパワーが強いからフローチャネルは強く加熱されノズルの付近もかなりの高温になる。だから水冷ジャケットの水がすぐに沸騰して冷却できないのではないか?と危惧されたのである。しかし実際にやってみると水が直ちに沸騰するということはなくて水冷ジャケットの出口での水温も100℃よりずっと低くてノズル28、29の先端付近まで充分な低温に維持できることがわかった。それは実際に作って調べてみないと分からない事である。水冷ジャケットでもノズルが熱に耐えないとすると、ノズルと基板の距離Wを100mm〜200mmに離さないといけないがそうすると原料ガスが基板に至るまでに殆どが分解して浪費されてしまう。そうではなくて本発明は、水冷することによってノズルを基板に近付け(50mm程度まで)るので原料ガスの消耗を効率的に防止できる。
石英管をフローチャネルとし、上向きに基板をサセプタに保持し、基板を抵抗加熱ヒータで加熱し、サセプタを昇降自在にして基板交換し横方向から原料ガスをフローチャネルへ吹き込み薄膜形成するようにした従来例にかかる横型のMOCVD装置の概略構成図。
フローチャネルがカーボン、Mo、PGのいずれかであり、フローチャネルに設けた窓において下向きに基板を保持し基板を上から加熱する抵抗加熱ヒータを昇降可能にし、水冷した原料ガスノズルから原料ガスを吹き込みフローチャネル内で熱分解せず基板まで到達させ基板で薄膜形成するようにした本発明の横型の高温用CVD装置の概略図。
符号の説明
1 基板
2 基板ホルダー
3 抵抗加熱ヒータ
4 反射板
5 熱電対
6 サセプタ
7 フローチャネル
8 ガスノズル
20 下地基板
22 基板ホルダー
23 抵抗加熱ヒータ
24 反射板
25 熱電対
26 ヒータケース
27 フローチャネル
28 原料ガスノズル
29 原料ガスノズル
32 水冷ジャケット
33 断熱材
34 窓
35 ノズル先端
36 フローチャネル上流側
37 フローチャネル基板直下
38 フローチャネル下流側
39 フローチャネル出口
S ヒータと基板の間の距離
W ノズルの先端から基板端までの距離

Claims (1)

  1. カーボン(C)、モリブデン(Mo)、パイロリティックグラファイト(PG)、PGコートカーボン、TaCコートカーボン、或いは導電性BNによって作製され基板を保持するための窓を上壁に有する横型のフローチャネルと、窓に下向きに保持された基板を1300℃〜1900℃の温度まで加熱する窓の上方に昇降可能に設けられたPG、PGコートカーボン、TaCコートカーボン或いは導電性BN製抵抗加熱ヒータと、フローチャネルの側方開口部にあってフローチャネルへ原料ガスを導入するための原料ガスノズルと、原料ガスノズルを冷却する水冷ジャケットとを含み、フローチャネルの窓に下向きに保持され抵抗加熱ヒータで加熱された基板に、フローチャネルを通過してきた原料ガスを接触させて基板の上に薄膜を成長させるようにしたことを特徴とする高温用CVD装置。
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