JP4433836B2 - 有機物除去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機物除去方法に関するものである。
例えば、金属層のパターニングに際しては、フォトレジスト材料や電子線レジスト材料等で構成されるレジスト層をマスクとして用いている。
しかし、パターニングを行った後には、レジスト層は不要となり、不要になったレジスト層を金属層から除去・洗浄することが必要となる。
レジスト層を金属層から除去する方法としては、レジスト層に薬液を接触させることによって、レジスト層を分解・除去する方法が一般的である。
この薬液としては、オゾン水(例えば、特許文献1参照。)、濃硫酸、水酸化カリウム水溶液、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、MEA(モノエタノールアミン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)等が使用されている。
ところが、これらの薬液を用いた場合、金属層に付着するレジスト層の大部分は除去されるものの、硬くこびりついたレジスト材料や、薬液との反応によって変質したレジスト材料は、レジスト残渣として金属層上に残存することが多い。
このため、これらの薬液を用いる場合には、レジスト残渣を発生させないように、薬液による処理を行う前に、アッシャー装置による処理を行って、レジスト層の一部を分解したり、薬液による処理を行った後にUV照射を行って、レジスト残渣を分解することが行われている。
しかしながら、アッシャー装置による処理やUV照射を行う場合、薬液の処理槽とは別に、これらドライ工程を行うための装置が必要となることから、設備が大がかりになり、また、設備にかかるコストも大きなものとなる。
特開2001−110772号公報
本発明の目的は、少なくとも表面付近がAuで構成された金属層の表面に付着する有機物を、簡易な方法で確実に除去することができる有機物除去方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の有機物除去方法は、表面がAuで構成された金属層の表面に付着する有機物を、前記金属層から除去する有機物除去方法であって、
前記有機物に、硫酸を含有する第1の溶液を接触させる第1の工程と、
前記金属層に、硫酸と過酸化水素と一酸化炭素とを含有する第2の溶液を接触させる第2の工程とを有することを特徴とする。
これにより、金属層に付着する有機物を、簡易な方法で確実に除去することができる。
また、これにより、金属層の表面を効率よくエッチングすることができ、有機物の残渣が残存した場合でも、これをより確実に除去することができる。
本発明の有機物除去方法は、表面がAuで構成された金属層の表面に付着する有機物を、前記金属層から除去する有機物除去方法であって、
前記有機物に、硫酸を含有する第1の溶液を接触させて、前記有機物を分解・除去する第1の工程と、
前記金属層に、硫酸と過酸化水素と一酸化炭素とを含有する第2の溶液を接触させて、前記金属層の表面をエッチングし、前記第1の工程の後に前記金属層に残存する前記有機物の残渣を除去する第2の工程とを有することを特徴とする。
これにより、金属層に付着する有機物を、簡易な方法で確実に除去することができる。
また、これにより、金属層の表面を効率よくエッチングすることができ、有機物の残渣が残存した場合でも、これをより確実に除去することができる。
本発明の有機物除去方法は、表面がAuで構成された金属層の表面に付着する有機物を、前記金属層から除去する有機物除去方法であって、
前記有機物に、硫酸を含有する第1の溶液を接触させる第1の工程と、
前記第1の工程に続けて行う工程として、前記金属層に、硫酸と過酸化水素と一酸化炭素とを含有する第2の溶液を接触させて、前記金属層の表面をエッチングし、前記有機物を除去する第2の工程とを有することを特徴とする。
これにより、金属層に付着する有機物を、簡易な方法で確実に除去することができる。
また、これにより、金属層の表面を効率よくエッチングすることができ、有機物の残渣が残存した場合でも、これをより確実に除去することができる。
本発明の有機物除去方法では、前記第1の工程において、前記第1の溶液中の硫酸の濃度は、85〜96重量%であることが好ましい。
これにより、ほぼ全ての有機物を分解・除去することができる。
本発明の有機物除去方法では、前記第1の工程において、前記第1の溶液の温度は、25〜150℃であることが好ましい。
これにより、有機物の分解・除去を効率的に行うことができる
本発明の有機物除去方法では、前記一酸化炭素は、前記第2の溶液中に供給された前記有機物の分解物が前記過酸化水素と反応することにより生成したもの、前記第2の溶液中に供給された炭素粉末が前記過酸化水素と反応することにより生成したもの、および、前記第2の溶液中に直接供給されたもののうちの少なくとも1種であることが好ましい。
これにより、金属層の表面をより効率よくエッチングすることができる。
本発明の有機物除去方法では、前記有機物の分解物は、前記金属層に付着した状態で、前記第2の溶液中に供給されたものを含むことが好ましい。
これにより、有機物除去操作が特に容易となる。
本発明の有機物除去方法では、前記第2の工程において、前記第2の溶液中の前記一酸化炭素の量は、1mol/kg以下であることが好ましい。
これにより、金属層の表面のエッチング量をより確実に制御することができる。
本発明の有機物除去方法では、前記第2の工程において、前記第2の溶液中の過酸化水素の濃度は、0.1〜10重量%であることが好ましい。
これにより、金属層の表面をより効率よくエッチングすることができる。
本発明の有機物除去方法では、前記第2の工程において、前記第2の溶液の温度は、25〜150℃であることが好ましい。
これにより、金属層の表面をより効率よくエッチングすることができる。
本発明の有機物除去方法では、除去すべき前記有機物は、前記金属層をパターニングする際に用いたレジスト層であることが好ましい。
本発明は、各種の有機物の除去に利用可能であるが、特に、レジスト層の除去に好適に適用される。
まず、本発明の有機物除去方法により、有機物の除去処理が施される金属層について説明する。
図1は、本発明の有機物除去方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。
図1(a)に示すように、この有機物除去方法によって処理が行われる金属層2は、基材1上に所定のパターンで形成されている。
基材1としては、特に限定されず、例えばガラス基板や、半導体に用いられるウェハ、音叉、水晶振動子等に用いられる水晶基板等が挙げられる。
金属層2は、Auで構成されている。
なお、金属層2は、少なくとも表面付近がAuで構成されていればよく、すなわち、最表面にAu層を有していればよく、その下層に下地層を有する構成であってもよい。
下地層としては、例えば、基材1との密着性を改善させる等の目的で設けられるものが挙げられる。この場合の下地層の構成材料としては、例えば、Cr、Sn、Ti等を主材料とする層が挙げられる。
この金属層2の表面には、有機物3が付着している。有機物3は、本発明の有機物除去方法により除去されるものである。
有機物3としては、特に限定されるもではなく、例えば、金属層2をパターニングする際に用いたレジスト層や、金属層2を形成する際に不純物として付着する有機物等が挙げられる。有機物3がレジスト層である場合、その構成材料としては、例えば、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等が挙げられる。
次に、本発明の有機物除去方法について説明する。
本実施形態の有機物除去方法では、例えば、図2に示すような処理装置を用いて、[1]硫酸水溶液への浸漬工程と、[2]硫酸過水への浸漬工程と、[3]洗浄水への浸漬工程とが順次行われる。
図2は、処理装置の一例を示す模式図である。
図2に示す処理装置4は、処理室41と、処理室41内に設置された第1の処理槽42、第2の処理槽43および第3の処理槽44を有している。
第1の処理槽42、第2の処理槽43および第3の処理槽44には、それぞれ、硫酸水溶液(硫酸を含有する第1の溶液)45、硫酸過水(硫酸と過酸化水素とを含有する第2の溶液)46および洗浄液47が貯留されている。
そして、本実施形態の有機物処理方法では、各処理槽42、43、44に、処理を行う基材1を順次浸漬することにより、金属層2に付着する有機物3を除去する。
以下、各工程について、それぞれ、詳細に説明する。
[1]硫酸水溶液への浸漬工程(第1の工程)
まず、図1(a)に示すような被処理物、すなわち、有機物3が付着した金属層2を有する基材1を、第1の処理槽42内に貯留された硫酸水溶液45中に浸漬する。これにより、有機物3に硫酸水溶液を接触させる。
基材1を所定の時間、硫酸水溶液45に浸漬すると、金属層2に付着する有機物3のうちの大部分は分解・除去される。
ところが、金属層2に堅くこびり付いた有機物3や、有機物3をレジスト層として用いて金属層2(Au)のエッチング加工等を行った場合において、変質(高分子化)したレジスト層(有機物3)等は、図1(b)に示すように、残渣31として金属層2の表面に残存することがある。
この硫酸水溶液45中の硫酸の濃度は、85〜96重量%程度であるのが好ましく、90〜96重量%程度であるのがより好ましい。硫酸水溶液45中の硫酸の濃度が低過ぎると、硫酸水溶液45の温度等によっては、有機物3を十分に分解・除去できないおそれがある。一方、硫酸水溶液45中の硫酸の濃度を前記上限値を超えて高くしても、それ以上、除去効率の増大が期待できない。
硫酸水溶液45の温度(処理温度)は、25〜150℃程度であるのが好ましく、50〜150℃程度であるのがより好ましく、100〜120℃程度であるのがさらに好ましい。このような処理温度とすることにより、有機物3の除去効率がより向上する。
また、硫酸水溶液45による処理時間(硫酸水溶液45中への基材1の浸漬時間)は、十分に有機物3が分解・除去される程度であればよく、特に限定されるものではない。この処理時間は、有機物3の種類や量、硫酸水溶液45の条件等に応じて、適宜設定される。
[2]硫酸過化水への浸漬工程(第2の工程)
次に、硫酸水溶液45中から取り出した基材1を、第2の処理槽43内に貯留された硫酸過水(硫酸と過酸化水素との水溶液)46中に浸漬する。これにより、金属層2に硫酸過水46を接触させる。
この硫酸過水46が残渣31へ接触することにより、残渣31自体の分解が進行する。
また、本工程[2]の処理は、硫酸過水46中に一酸化炭素(CO)が存在する状態(一酸化炭素の存在下)で行われるのが好ましい。
ここで、本明細書中において、「一酸化炭素(CO)が存在する状態での接触」とは、硫酸過水46により金属層2(基材1)を処理する際に、金属層2の表面に硫酸過水46とともに、一酸化炭素を併存させた状態で、硫酸過水46と金属層2とを接触させることを言う。
例えば、本実施形態では、この一酸化炭素は、有機物3の分解物(本工程[2]において生じた残渣31の分解物や、前記工程[1]において生じ、金属層2に付着した有機物3の分解物)が、硫酸過水46中の過酸化水素と反応することにより生成する。
ここで、本発明者は、Auで構成される金属層2から、これに付着したレジスト層を効率よく剥離(除去)する方法について、鋭意検討を重ねた結果、例えば、レジスト層が付着した状態の金属層2を硫酸過水に浸漬したり、金属層2をレジスト層の分解物を含む硫酸過水に浸漬すると、金属層2(Au)の表面が微量エッチングされる現象を見い出した。
さらに、研究を進めた結果、かかる現象は、レジスト層が付着していない金属層2では生じ難いこと、また、レジスト層の分解物に限らず、各種の炭素原子を含有する物質(炭素原子含有物質)が存在(併存)することにより生じることをも見い出した。
この現象は、前記炭素原子含有物質が硫酸過水中の過酸化水素と反応することにより一酸化炭素が生成し、この一酸化炭素がAuと反応して、金カルボニル錯体([Au(CO)n]+、ただし、n=1または2)を形成することが主な要因となって生じるものと考えられる。これにより、金属層2(Au)の表面が選択的にエッチングされるものと考えられる。
したがって、硫酸過水46中に一酸化炭素(CO)が存在することにより、残渣31自体の分解と、金属層2の表面がエッチングされることとの双方の効果(相乗効果)により、極めて迅速に金属層2から残渣31が除去される。
また、金属層2の表面がエッチングされることにより、図1(c)に示すように、金属層2の表面が清浄度の高い状態になる。
このような金属層2のエッチング(溶解)量やレート(速度)は、硫酸過水46中の一酸化炭素の量に依存するため、硫酸過水46中には、過酸化水素と反応することにより一酸化炭素を生成(発生)する一酸化炭素発生源や、一酸化炭素自体を別途供給するようにしてもよい。これにより、金属層2のエッチング条件を調整することができる。
前記一酸化炭素発生源としては、例えば、有機物3の分解物や、炭素粉末(グラファイト、カーボンナノチューブ等の粉末)が好適である。このものは、極めて効率よく過酸化水素と反応して、一酸化炭素を生成するため、金属層2(Au)のエッチング条件の設定がより容易となる。
硫酸過水46中に、一酸化炭素発生源として、有機物3の分解物を別途供給する場合には、例えば、前記工程[1]終了後の硫酸水溶液45を硫酸過水46中に添加するようにすればよい。
なお、本実施形態では、前述したような有機物3の分解物(例えば、炭素原子、アルコール、ケトン、カルボン酸等)が一酸化炭素発生源となるので、残渣31が付着した基材1を、そのまま硫酸過水46中に浸漬すればよく、その有機物除去操作が特に容易となる。
また、一酸化炭素自体を供給する場合や、他の一酸化炭素発生源を硫酸過水46中に添加する場合、これらの添加時期は、硫酸過水46中に基材1を浸漬する前後、または基材1を浸漬するのとほぼ同時のいずれであってもよい。
硫酸過水46中に存在する一酸化炭素の量は、1mol/kg以下であるのが好ましい。一酸化炭素の量が少な過ぎると、金属層2のエッチングが十分に進行せず、残渣31を効率よく除去するのが困難となるおそれがある。一方、一酸化炭素の量が多過ぎると、金属層2のエッチング量やエチングレート等が極めて大きくなることにより、エッチング条件の調整が困難となり、その結果、金属層2の表面の荒れ等が生じるおそれがある。
したがって、本実施形態のように、前記工程[1]において、有機物3の大部分を除去しておくことは特に有効である。これにより、本工程[2]におけるエッチング条件を好適なものに調整することが容易となり、その結果、金属層2の表面の荒れ等を防止しつつ、残渣31を確実に除去することが可能となる。
硫酸過水46中の硫酸の濃度は、70〜95重量%であるのが好ましく、80〜95重量%であるのがより好ましい。硫酸の濃度が低過ぎると、硫酸過水46の他の条件(例えば、温度、過酸化水素の濃度)等によっては、残渣31の分解や、金属層2のエッチングが十分に進行せず、残渣31を効率よく除去するのが困難となるおそれがある。一方、硫酸の濃度を前記上限値を超えて高くしても、それ以上の効果の増大が期待できない。
また、硫酸過水46中の過酸化水素の濃度は、0.1〜10重量%であるのが好ましく、0.5〜7.5重量%であるのがより好ましい。過酸化水素の濃度が低過ぎると、硫酸過水46の他の条件(例えば、温度、硫酸の濃度)等によっては、残渣31の分解や、金属層2のエッチングが十分に進行せず、残渣31を効率よく除去するのが困難となるおそれがある。一方、過酸化水素の濃度を前記上限値を超えて高くしても、それ以上の効果の増大が期待できない。
硫酸過水46の温度(処理温度)は、25〜150℃程度であるのが好ましく、90〜130℃程度であるのがより好ましい。このような処理温度とすることにより、残渣31の分解や、金属層2のエッチングがより効率よく行われ、残渣31の除去効率がより向上する。
また、硫酸過水46による処理時間(硫酸過水46中への基材1の浸漬時間)は、硫酸過水46中の硫酸や過酸化水素の濃度や、一酸化炭素の量等によっても若干異なり特に限定されないが、2分以下であるのが好ましく、30〜90秒程度であるのがより好ましい。このような処理時間とすることにより、金属層2の表面が荒れるのをより確実に防止しつつ、残渣31をより確実に除去することができる。
金属層2のエッチング量(エッチングにより除去すべき厚さ)は、35Å以下であるのが好ましく、20Å以下であるのがより好ましい。これにより、金属層2の表面をより高い清浄度に維持することができる。
なお、必要に応じて、硫酸過水46中には、例えば、塩化水素、硝酸、蓚酸、クエン酸、マロン酸、リンゴ酸のような他の酸等を添加してもよい。
[3]洗浄液への浸漬工程
次に、硫酸過水46中から取り出した基材1を、第3の処理槽44に貯留された洗浄液47中に浸漬する。これにより、金属層2に洗浄液を接触させ、金属層2のエッチングを停止させる。
洗浄液47としては、例えば、純水、超純水、蒸留水、RO水のような各種水等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
洗浄液47の温度(処理温度)は、20〜80℃程度であるのが好ましく、25〜40℃程度であるのがより好ましい。
また、洗浄液47による処理時間(洗浄液47中への基材1の浸漬時間)は、十分に金属層2から十分に硫酸過水46が除去される程度であればよく、特に限定されるものではない。
なお、本工程[3]は、複数回繰り返し行うようにしてもよい。この場合、用いる洗浄液47は、各回において異なる種類のものとすることもできる。
また、本工程[3]は、必要に応じて、省略することもできる。
以上のような有機物除去方法では、硫酸水溶液への浸漬工程と、硫酸過水への浸漬工程とを有している。そして、金属層2に付着した有機物3の大部分は、硫酸水溶液との接触により、効率よく分解・除去される。また、金属層2に堅くこびりついた有機物3の残渣31は、硫酸過水との接触により、それ自体が分解されるのとともに、その分解物と過酸化水素との反応により発生した一酸化炭素の存在により、金属層2がエッチングされることにより剥離する。
このようなことから、かかる方法によれば、有機物3は、金属層2から極めて効率よくかつ確実に除去され、また、金属層2の表面を清浄度の高い状態とすることができる。
また、このような有機物除去方法では、アッシャー処理やUV処理等のドライ工程を有しておらず、全工程をウェット工程で行えるので、装置が簡易であり、また装置を設置するスペースも小さくて済み、さらに処理に要するコストも低く抑えられる。
また、硫酸過水への浸漬工程において、その前工程(硫酸水溶液への浸漬工程)と同じ成分、すなわち硫酸を使用しているので、硫酸水溶液への浸漬工程を行った後、金属層2の洗浄を行うことなく、そのまま硫酸過水への浸漬工程へ移行することが可能となる。
したがって、かかる方法によれば、両工程を連続して行うことができ、工程間での在庫がなくなり、リードタイムを短縮することが可能である。
以上、本発明の有機物除去方法の好適な実施形態について説明したが、本発明の有機物除去方法はこれに限定されない。
例えば、本発明の有機物除去方法は、任意の目的の工程が1または2以上追加されてもよい。
また、前記実施形態では、第1の溶液の有機物への接触、第2の溶液の金属層への接触、洗浄液の金属層への接触を、それぞれ、浸漬による方法(浸漬法)により行う場合を代表にして説明したが、これに限定されず、例えば、シャワー(噴霧)による方法(噴霧法)、塗布による方法(塗布法)等であってもよい。なお、浸漬法によれば、多数の金属層を効率よく処理することができる。
また、前記実施形態では、有機物の残渣は、第1の工程において除去しきれず、不本意に残存するものについて説明したが、これに限定されず、例えば、第1の工程において、積極的に残すようにして得られたものであってもよい。
また、前記実施形態では、第1の工程において、有機物の大部分を分解・除去し、第2の工程において、有機物の残渣を除去する場合を一例に説明したが、本発明は、次のような場合に適用することもできる。
すなわち、本発明は、第1の工程において、有機物がほぼ完全に分解・除去された場合、第2の工程において、別途、前述したような一酸化炭素発生源や一酸化炭素を供給することにより、金属層の表面をエッチングして、例えば、金属層の表面粗さを調整したり、金属層の光沢を発現させたり等する場合に適用することもできる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.被処理物の準備
図1に示すように、水晶よりなる基材上にAu層(金属層)が形成され、このAu層の表面にレジスト層(有機物)が付着した被処理物を用意した。
この被処理物において、Au層の平均厚さは、500Åとした。また、レジスト層は、紫外線硬化性樹脂(ポジ型)で構成され、その平均厚さは、1μmとした。
2.レジスト層の除去
なお、以下では、特に記載しない限り、水として蒸留水を用いた。
(実施例1)
<1> まず、この被処理物を硫酸水溶液(第1の溶液)中に浸漬した。
硫酸水溶液中の硫酸の濃度は、96重量%、硫酸水溶液の温度は、100℃、処理時間は、20分とした。
これにより、レジスト層の大部分が溶解、除去されたが、一部にレジスト層の残渣が残存した。
<2> 次に、この被処理物を硫酸水溶液中から取り出し、硫酸過水(第2の溶液)中に浸漬した。
硫酸過水は、96重量%の硫酸水溶液と30重量%の過酸化水素水溶液とを、重量比で10:1で混合して用いた。
硫酸過水中の硫酸の濃度は、87.3重量%、過酸化水素の濃度は、2.7重量%、硫酸過水の温度は、100℃、処理時間は、90秒とした。
また、硫酸水溶液から被処理物を取り出した後、Au層の表面に残存するレジスト層の残渣の量を測定しておき、硫酸過水100mLに対して、レジスト層の残渣が0.2mgとなるように、硫酸過水の量を設定した。
なお、硫酸過水中の一酸化炭素の量は、1mol/kg以下であった。
これにより、Au層の表面が20Åの厚さで除去され、レジスト層の残渣も除去された。
また、Au層の表面の荒れや、処理前の形状に対する形状の変化も認めなかった。
<3> 次に、この被処理物を硫酸過水中から取り出し、水中に浸漬した。
水の温度は、25℃、処理時間は、5分とした。
これにより、Au層を洗浄した。
(実施例2)
前記工程<2>において、処理時間を5分に変更し、それ以外は、前記実施例1と同様にして、レジスト層の除去を行った。
これにより、Au層の表面が100Åの厚さで除去され、レジスト層の残渣も除去された。
また、Au層の表面の荒れや、処理前の形状に対する形状の変化も認めなかった。
(実施例3)
前記工程<2>において、硫酸過水100mLに対してレジスト層の残渣および炭素粉末の合計量が0.3mgとなるように、硫酸過水の量を設定し、それ以外は、前記実施例1と同様にして、レジスト層の除去を行った。
なお、硫酸過水中の一酸化炭素の量は、1mol/kg以下であった。
これにより、Au層の表面が30Åの厚さで除去され、レジスト層の残渣も除去された。
また、Au層の表面の荒れや、処理前の形状に対する形状の変化も認めなかった。
(実施例4)
前記工程<2>において、硫酸過水100mLに対してレジスト層の残渣およびCOの合計量が0.3mgとなるように、硫酸過水の量を設定し、それ以外は、前記実施例1と同様にして、レジスト層の除去を行った。
なお、硫酸過水中の一酸化炭素の量は、1mol/kg以下であった。
これにより、Au層の表面が25Åの厚さで除去され、レジスト層の残渣も除去された。
また、Au層の表面の荒れや、処理前の形状に対する形状の変化も認めなかった。
(比較例1)
前記工程<2>を省略し、また、前記工程<1>における処理時間を40分とし、それ以外は、前記実施例1と同様にして、レジスト層の除去を行った。
比較例1では、処理時間を前記実施例1の2倍にしたにもかかわらず、レジスト層の残渣が残存した。
なお、Au層の表面の荒れや、処理前の形状に対する形状の変化は、認めなかった。
(比較例2)
前記工程<1>を省略し、また、前記工程<2>における処理時間を20分とし、それ以外は、前記実施例1と同様にして、レジスト層の除去を行った。
比較例2では、Au層が激しくエッチングされ(200Å以上の厚さで除去され)、Au層の形状が処理前の形状を止めなかった。
本発明の有機物除去方法を説明するための図(縦断面図)である。 処理装置の一例を示す模式図である。
符号の説明
1……基材 2……金属層 3……有機物 31……残渣 4……処理装置 41……処理室 42……第1の処理槽 43……第2の処理槽 44……第3の処理槽 45……硫酸水溶液 46……硫酸過水 47……洗浄液

Claims (11)

  1. 表面がAuで構成された金属層の表面に付着する有機物を、前記金属層から除去する有機物除去方法であって、
    前記有機物に、硫酸を含有する第1の溶液を接触させる第1の工程と、
    前記金属層に、硫酸と過酸化水素と一酸化炭素とを含有する第2の溶液を接触させる第2の工程とを有することを特徴とする有機物除去方法。
  2. 表面がAuで構成された金属層の表面に付着する有機物を、前記金属層から除去する有機物除去方法であって、
    前記有機物に、硫酸を含有する第1の溶液を接触させて、前記有機物を分解・除去する第1の工程と、
    前記金属層に、硫酸と過酸化水素と一酸化炭素とを含有する第2の溶液を接触させて、前記金属層の表面をエッチングし、前記第1の工程の後に前記金属層に残存する前記有機物の残渣を除去する第2の工程とを有することを特徴とする有機物除去方法。
  3. 表面がAuで構成された金属層の表面に付着する有機物を、前記金属層から除去する有機物除去方法であって、
    前記有機物に、硫酸を含有する第1の溶液を接触させる第1の工程と、
    前記第1の工程に続けて行う工程として、前記金属層に、硫酸と過酸化水素と一酸化炭素とを含有する第2の溶液を接触させて、前記金属層の表面をエッチングし、前記有機物を除去する第2の工程とを有することを特徴とする有機物除去方法。
  4. 前記第1の工程において、前記第1の溶液中の硫酸の濃度は、85〜96重量%である請求項1ないし3のいずれかに記載の有機物除去方法。
  5. 前記第1の工程において、前記第1の溶液の温度は、25〜150℃である請求項1ないしのいずれかに記載の有機物除去方法。
  6. 前記一酸化炭素は、前記第2の溶液中に供給された前記有機物の分解物が前記過酸化水素と反応することにより生成したもの、前記第2の溶液中に供給された炭素粉末が前記過酸化水素と反応することにより生成したもの、および、前記第2の溶液中に直接供給されたもののうちの少なくとも1種である請求項1ないし5のいずれかに記載の有機物除去方法。
  7. 前記有機物の分解物は、前記金属層に付着した状態で、前記第2の溶液中に供給されたものを含む請求項6に記載の有機物除去方法。
  8. 前記第2の工程において、前記第2の溶液中の前記一酸化炭素の量は、1mol/kg以下である請求項ないし7のいずれかに記載の有機物除去方法。
  9. 前記第2の工程において、前記第2の溶液中の過酸化水素の濃度は、0.1〜10重量%である請求項1ないし8のいずれかに記載の有機物除去方法。
  10. 前記第2の工程において、前記第2の溶液の温度は、25〜150℃である請求項1ないし9のいずれかに記載の有機物除去方法。
  11. 除去すべき前記有機物は、前記金属層をパターニングする際に用いたレジスト層である請求項1ないし10のいずれかに記載の有機物除去方法。
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