JP4433799B2 - 分解性不織布およびそれを用いてなる農業資材、防草シート - Google Patents

分解性不織布およびそれを用いてなる農業資材、防草シート Download PDF

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Description

本発明は光分解性を有するポリマーにて形成される芯鞘型複合繊維を用いた不織布に関するものであり、さらに詳しくは、良好な機械的強度を有して農業資材や防草シートとして好適に用いられ、さらに分解性を有し、使用後の廃棄が容易である不織布に関するものである。
近年、環境意識の高まりから分解性を有する種々の不織布が提案されている。分解性を有する不織布は、自然環境下で、日光、紫外線、熱、水、酵素、微生物等の作用により化学的に分解され、さらには形態的に崩壊するため、焼却処理の必要がなく、埋め立て処理や屋外への放置により処分が可能である。
従来、農業資材用不織布や防草シート用不織布として、ポリエステルや、ポリプロピレンを主原料としたものが用いられてきたが、これらの用途では一定期間の使用後に廃棄されるものが多いため、回収の必要がなく、屋外放置や、土中への埋め立てにより処分が可能な分解性不織布が、近年では好適に使用され始めている。
しかしながら、従来の分解性不織布では分解速度を調整することは極めて困難であった。例えば、分解速度の早い樹脂を不織布原料とした場合、使用中に強度が低下し、実用に耐えないものとなったり、分解速度の遅い樹脂を原料とした場合は、使用後に土中への埋設や、屋外への放置による処分をしても、実質的には数年間に渡って形状を保ち続け、環境への負荷は軽減されないという問題があった。
また、生分解性樹脂を原料とした不織布は、従来の合成樹脂からなる不織布に比べ、機械的強度が十分でないものもあり、適正な分解速度と機械的強度を両立させることは非常に困難であった。
例えば、脂肪族ポリエステルからなる生分解性を有する農業用の繊維集合体や、天然繊維と生分解性の合成繊維を複合した防草シートが提案されているが(例えば、特許文献1、2参照)、繊維集合体や防草シートの分解速度を制御する有効な方法は何ら提案されてはおらず、これらの分解速度は原材料として使用する合成樹脂や天然繊維の分解性能によってのみ決定される。このため、使用用途に適した分解速度をもつ原材料を選択した際に、使用用途に必要な機械的強度等の物性を同時に満たすことは非常に困難であった。
また、生分解性を有する不織布からなる防草シートが提案されているが(例えば、特許文献3参照)、不織布を構成する繊維の単糸繊度のみにより分解速度を制御しようとするものであり、その制御範囲は非常に限られた範囲でしかなく、実用的に分解速度を制御できるものではなかった。
特開平6−264343号公報 特開2001−320984号公報 特開平11−229260号公報
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決しようとするものであり、分解速度の調節が可能であり、かつ良好な機械的特性を有し、特に農業資材や防草シートとして好ましく使用できる分解性不織布を提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、
(1)芯部と鞘部とから構成される芯鞘型複合繊維からなる不織布であって、上記芯部を形成するポリマーはポリ乳酸系ポリマーが光分解性ポリマーを含んでなるとともに、鞘部を形成するポリマーはポリ乳酸系ポリマーが顔料を含んでなり、芯鞘比が重量比率で90/10〜10/90であることを特徴とする不織布。
(2)前記芯部を形成するポリマーが、ポリ乳酸系ポリマーに光分解性を有するポリマーを0.5〜80重量%添加したものであることを特徴とする前記(1)に記載の不織布。
(3)前記鞘部を形成するポリマーが、ポリ乳酸系ポリマーに顔料を0.03〜5重量%添加したものであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の不織布。
(4)前記顔料がカーボンブラックであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の不織布。
(5)前記芯鞘型複合繊維の単繊維繊度が1〜15デシテックスであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の不織布。
(6)前記不織布が機械的絡合により一体化されてなることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の不織布。
(7)前記不織布が部分的熱圧着により一体化されており、該部分的熱圧着部の面積が不織布の全面積の5〜50%であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の不織布。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の不織布からなる農業資材。
(9)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の不織布からなる防草シート。
本発明によれば、分解速度の調節が可能であり、かつ良好な機械的特性を有し、特に農業資材や防草シートとして好ましく使用できる分解性不織布を提供することができる。
本発明は、前記課題、つまり、使用後の廃棄が大変容易であり、環境に与える負荷は非常に小さいという利点がある上に、分解速度の制御が可能であり、かつ良好な機械的特性を有する分解性不織布について鋭意検討し、芯鞘型複合繊維からなる不織布において、特定な光分解性樹脂を芯部に、顔料を鞘部にそれぞれ添加し、特定の方法で一体化して不織布を構成してみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明の不織布を構成する繊維としては芯成分を鞘成分が被覆してなる芯鞘型複合繊維を用いるものである。繊維断面形状は何ら制限されるものではなく、丸形、中空丸形、あるいはX形、Y形等の異形、等が好ましく使用されるが、製造の簡便な点から丸形形状が最も好ましいものである。前記丸形形状の芯鞘型繊維における複合形態としては、同心円形、あるいは偏心形が好ましい形態である。また、前記芯鞘型複合繊維を得るための紡糸口金としては、何ら制限されるものではないが、例えば、特開平8−10032号公報記載の紡糸口金などが好ましく適用される。
上記芯鞘型複合繊維において、芯部を構成するポリマーは、光分解性ポリマーを含有し、また鞘部を構成するポリマーは顔料を含有するものである。芯部を構成するポリマーとしては生分解性ポリマーに光分解性ポリマーを添加したものが好ましい。また、鞘部を構成するポリマーとしては、生分解性ポリマーに顔料を添加したものが好ましい。
本発明において、芯成分および鞘成分に使用する生分解性ポリマーとしては、ポリ乳酸樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリエチレンサクシネート樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリヒドロキシブチレート系樹脂等が好適に用いられる。またこれらの樹脂を複数種類複合して用いてもよい。これら生分解性を有する樹脂のうち、ポリ乳酸系樹脂は熱安定性や強度の面から最も好ましいものである。ポリ乳酸系樹脂としては、ポリ(D−乳酸)と、ポリ(L−乳酸)と、D−乳酸とL−乳酸の共重合体、あるいはこれらのブレンド体が好ましいものである。
ポリ乳酸系樹脂の重量平均分子量は5万〜30万が好ましく、より好ましくは10万〜30万である。重量平均分子量が5万を下回る場合は、繊維の強力が低くなり好ましくない。重量平均分子量が30万を越える場合、粘度が高いためノズルから押し出したポリマーの曳糸性が乏しく、高速延伸ができず、未延伸状態になり、十分な繊維強度を得ることができないため好ましくない方向である。
前記芯成分への光分解性ポリマーの添加量は0.5〜80重量%が好ましい、より好ましい添加量は5〜70重量%、最も好ましくは7〜50重量%である。光分解性ポリマーの添加量が0.5重量%に満たない場合、十分な光分解作用を生じないことがあるため好ましくない方向である。また光分解性ポリマーの添加量が80重量%を越える場合、ポリマーを繊維化することが困難となる場合があり、好ましくない。
本発明において、光分解性ポリマーは何ら制限されるものではないが、日光、紫外線の作用により分解するものが好ましく、ノボン・ジャパン(株)製の“デグラ・ノボン”(登録商標)等が最も好ましく用いられる。また、前記芯成分ポリマーに光分解性ポリマーの他に、結晶核剤や艶消し剤、顔料、防カビ剤、抗菌剤、難燃剤、等を本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
前記鞘成分へ添加する顔料としては、芯成分に照射される日光や紫外線を遮蔽する効果があればなんら限定されるものではなく、カーボンブラックや酸化鉄、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、あるいはこれらの顔料を複数種類混合したものが好ましく使用されるが、製造の簡便さからカーボンブラックが最も好ましい。また顔料の添加率は、鞘成分に対して0.03〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜4重量%、最も好ましくは0.1〜3重量%である。該顔料の添加率が0.03重量%を下回る場合は、光の遮蔽効果が十分でない場合があり好ましくない。また該顔料の添加率が5重量%を上回る場合は操業性を悪化させる場合があり好ましくない方向である。また該鞘成分ポリマーに顔料の他に、上記光分解性ポリマーや、結晶核剤、艶消し剤、防カビ剤、抗菌剤、難燃剤、等を本発明の効果を損なわない範囲で添加してもよい。
本発明における不織布を構成する芯鞘型複合繊維の単繊維繊度は1〜15デシテックスが好ましい範囲である。より好ましくは1〜10デシテックス、最も好ましくは1.1〜8デシテックスの範囲である。該芯鞘型複合繊維の単繊維繊度が1デシテックスより細い場合、紡糸性が悪化する場合があり好ましくない方向である。また、該芯鞘型複合繊維の単繊維繊度が15デシテックスを上回る場合、繊維の冷却を十分に行えず紡糸性が悪化する場合があり好ましくない方向である。
また、上記芯鞘型複合繊維の芯鞘比率は重量比率で、芯/鞘=90/10〜10/90の範囲とするものである。芯成分の重量比率が90%を越えると鞘成分の遮蔽効果が十分でなくなる。また芯成分の重量比率が10%を下回る場合は、芯成分が分解しても鞘成分は分解されず不織布としての形態を実質的に保持し続け、分解速度を制御できなくなる。好ましい芯鞘重量比率は、芯/鞘=85/15〜20/80であり、より好ましくは80/20〜30/70である。
本発明の不織布の目付は10〜500g/m2 が好ましい範囲である。目付が10g/m2 を下回ると不織布の強度が不十分となる場合があり好ましくない。目付が500g/m2 を越えると強度的には十分であるが、単位面積あたりのコストが高くなり好ましくない方向である。より好ましい目付の範囲は15〜400g/m2 であり、最も好ましい範囲は、20〜350g/m2 である。
本発明の分解性不織布の製造方法は特に限定されるものではないが、製造方法が簡便であり、生産能力に優れる点からスパンボンド不織布、あるいは短繊維不織布からなることが好ましい形態である。
本発明にて使用されるスパンボンド不織布は、特に規定されるものではないが、溶融したポリマーをノズルより押し出し、これを高速吸引ガスにより吸引延伸した後、移動コンベア上に繊維を捕集してウェブとし、さらに連続的に熱接着、絡合等を施すことにより一体化されたシートとする、いわゆるスパンボンド法により製造されたものが好ましい。
また、本発明にて使用される短繊維不織布は、溶融したポリマーをノズルより押し出し、冷却した後、一旦巻き取って未延伸糸条とし、あるいは一旦巻き取ることなく連続して、これに1段または2段以上で冷延伸または熱延伸した後カットして短繊維とし、ランダムウェッバー、パラレルウェッバー等の乾式法、または抄紙法により得られたウェブを熱接着、絡合等を施すことにより一体化されたシートとする短繊維不織布が好ましい。
また、短繊維はカットする前にスタフィングボックス法や押し込み加熱ギア法により、所定の捲縮加工を加えることができる。乾式法にて短繊維不織布を製造する場合には、短繊維の捲縮数は5〜50個/25mmが好ましく、より好ましくは10〜30個/25mmであり、また短繊維のカット長は10〜80mmが好ましく、より好ましくは20〜60mmである。捲縮数が5個/25mm未満の場合、開繊時に未開繊が生じやすく好ましくない方向である。また捲縮数が50個/25mmを越えると、均一な開繊が得られない場合があり、好ましくない方向である。
抄紙法にて短繊維不織布を製造する場合には、短繊維のカット長は1〜25mmが好ましく、より好ましくは3〜15mmである。カット長が1mmを下回る場合は、抄紙が困難となる場合があり好ましくない。またカット長が25mmを越えると抄紙により均一な不織布を得ることが困難となる場合があり、好ましくない方向である。
本発明における不織布は部分的熱圧着または機械的絡合により、あるいは部分的熱圧着と機械的絡合との双方により一体化されてなることが好ましい。該部分的熱圧着の面積は該不織布の全面積の5〜50%が好ましい。さらに好ましくは8〜45%、より好ましくは10〜30%である。
部分的熱接着の方法は特に限定されるものではないが、一対の熱エンボスロールによる接着、あるいは超音波発振装置とエンボスロールによる接着が好ましい方法であるが、強度的には一対の熱エンボスロールによる接着がより好ましいものである。熱エンボスロールによる熱接着の温度は、繊維表面に存在する樹脂の融点より5〜50℃低いことが好ましく、より好ましくは10〜40℃低い温度条件である。熱エンボスロールによる熱接着の温度が、繊維表面に存在する樹脂の融点より5℃未満低い温度であった場合、樹脂の溶融が激しく、エンボスロールへのシート取られ、ロール汚れが発生、シートが硬くなるばかりかロール巻付きも頻発するなど安定生産も不可能となる。また、繊維表面に存在する樹脂の融点より50℃を越えて低い温度であった場合、樹脂の融着が不十分であり、物性的に弱いものとなる傾向であり好ましくない。
上記機械的絡合の方法はなんら制限されるものではないが、突起の付いた針で不織布をパンチングすることにより繊維を絡合させるニードルパンチ法、あるいは水流の圧力により繊維を絡合させるウォーターパンチ法が好ましい方法である。
本発明にて得られる分解性不織布の使用用途は、何ら制限されるものではないが、不織布の分解速度の制御が容易であり、かつ機械的特性に優れる点から、ベタガケシート、マルチング材、ハウスカーテン、土嚢袋、等の農業資材や、土壌表面に敷設することにより雑草等の繁茂を防ぐための防草シートとして、特に好ましく用いられるものである。
以下、実施例に基づき本発明につき具体的に説明するが、本発明がこれら実施例によって限定されるものではない。なお、下記実施例における各特性値は、次の方法で測定したものである。
(1)重量平均分子量
試料のクロロホルム溶液にテトラヒドロフランを混合し測定溶液とし、これをWaters社製ゲルパーミテーションクロマトグラフ(GPC)Waters2690を用いて、25℃で測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量を求めた。測定は各試料につき3点行い、その平均値をそれぞれの重量平均分子量とした。
(2)融点(℃):
パーキンエルマ社製示差走査型熱量計DSC−2型を用い、昇温温度20℃/分の条件で測定し、得られた融解吸熱曲線において極値を与える温度を融点とした。測定は各試料につき3点行い、その平均値をそれぞれの融点とした。
(3)繊度(dtex):
不織布からランダムに小片サンプル10個を採取し、走査型電子顕微鏡で500〜3000倍の写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本の繊維直径を測定し、平均値から繊維径を算出、これをポリマーの密度で補正し、繊度を算出した。
(4)目付(g/m2 ):
JIS L1906の4.2に準じて、縦方向50cm×横方向50cmの試料を3点採取、各試料の重量をそれぞれ測定し、得られた値の平均値を単位面積当たりに換算し、不織布の目付(g/m2 )とした。
(5)引張強力
JIS L1906の4.3.1に準じ、サンプルサイズ5×30cm、つかみ間隔20cm、引張速度10cm/minの条件で、5点の測定を実施し、その平均値を引張強力とした。この引張強力を100g/m2 当たりの強力に換算し、80N/5cm以上のものを合格(○)、それ未満のものを不合格(×)とした。
(6)分解性
土壌表面に不織布を敷設し、その分解状況について以下の基準で判定した。
○:6ヶ月後において不織布が形態を保持していない場合、あるいは形態を保持していても不織布の縦方向の引張強力が敷設前の50%以下まで低下している場合。
×:6ヶ月後においても不織布が形態を保持し、かつ不織布の縦方向の引張強力が敷設前の50%を越える値を保持している場合。
なお、不織布の縦方向の引張強力は、JIS L1906の4.3.1に準じて各5点測定し、その平均値から算出した。
実施例1
重量平均分子量が15万でQ値(Mw/Mn)が1.78、融点が168℃であるポリ乳酸樹脂にノボン・ジャパン(株)製の“デグラ・ノボン”(登録商標)を30重量%添加したものを芯成分原料、前記ポリ乳酸樹脂にカーボンブラックを0.3重量%添加したものを鞘成分原料とし、210℃でそれぞれ溶融した後、口金温度220℃で細孔より芯鞘比80/20の丸形断面同心円形の芯鞘型複合繊維として紡出した後、エジェクターにより紡糸速度1800m/分で紡糸し、移動するネットコンベアー上に捕集し得られたウェブを、凸部の面積が15%のエンボスロールとフラットロールで、温度140℃、圧力60kg/cmの条件で熱圧着し、単繊維繊度3デシテックス(dtex)、目付100g/m2 の不織布を製造した。
を製造した。
実施例2
不織布の目付200g/m2 とした以外は、実施例1と同様の方法で不織布を製造した。
実施例3
実施例1と同様の原料を210℃でそれぞれ溶融した後、口金温度220℃で細孔より芯鞘比80/20の丸形断面同心円形の芯鞘型複合繊維として紡出し、油剤を付与した後、紡糸速度500m/minで紡糸し、未延伸糸を一旦巻き取った。これを60℃の加熱ロールで3.8倍に熱延伸し、得られた延伸糸条にスタフィングボックスを用いて17個/25mmの機械捲縮を付与し、長さ51mmに切断して単繊維繊度2.5デシテックス(dtex)の芯鞘型複合繊維の短繊維を得た。この短繊維を原綿としランダムウェッバーにより目付120g/m2 のウェブを作成し、凸部の面積が16%のエンボスローラとフラットロールで140℃、圧力60kg/cmの条件で熱圧着し不織布を製造した。
得られた不織布の特性は表1に示した通りであるが、実施例1〜3の不織布はいずれも良好な引張強度を有していた。また生分解性試験では、6ヶ月後において十分に生分解が進んでいた。
比較例1
重量平均分子量が15万でQ値(Mw/Mn)が1.78、融点が168℃であるポリ乳酸樹脂を芯成分原料とし、前記ポリ乳酸樹脂にカーボンブラックを1.0重量%添加したものを鞘成分原料とし、210℃でそれぞれ溶融した後、口金温度220℃で細孔より芯鞘比80/20の丸形断面同心円形の芯鞘型複合繊維として紡出した後、エジェクターにより紡糸速度4000m/分で紡糸し、移動するネットコンベアー上に捕集し得られたウェブを、凸部の面積が3%のエンボスロールとフラットロールで、温度100℃、圧力20kg/cmの条件で熱圧着し、単繊維繊度3デシテックス(dtex)、目付100g/m2 の不織布を製造した。
比較例2
重量平均分子量が15万でQ値(Mw/Mn)が1.78、融点が168℃であるポリ乳酸樹脂を原料とし、210℃で溶融した後、口金温度220℃で細孔より紡出し、エジェクターにより紡糸速度4500m/分で紡糸し、移動するネットコンベアー上に捕集し得られたウェブを、凸部の面積が15%のエンボスロールとフラットロールで、温度140℃、圧力60kg/cmの条件で熱圧着し、単繊維繊度0.7デシテックス(dtex)、目付100g/m2 の不織布を製造した。
得られた不織布の特性は表1に示した通りであるが、比較例1の不織布は6ヶ月後においても生分解が十分に進んでおらず、またさらに不織布の熱接着処理温度が低く、かつ熱接着の面積が小さいため、熱接着が不十分であり、強度的に不十分なものであった。比較例2では単繊維の繊度が細いため糸条の糸切れが多発し、操業性が著しく不良であった。また得られた不織布は良好な引張強度を有していたが、生分解性については、6ヶ月後においても生分解が十分に進んでいなかった。
Figure 0004433799

Claims (9)

  1. 芯部と鞘部とから構成される芯鞘型複合繊維からなる不織布であって、上記芯部を形成するポリマーはポリ乳酸系ポリマーが光分解性ポリマーを含んでなるとともに、鞘部を形成するポリマーはポリ乳酸系ポリマーが顔料を含んでなり、芯鞘比が重量比率で90/10〜10/90であることを特徴とする不織布。
  2. 前記芯部を形成するポリマーが、ポリ乳酸系ポリマーに光分解性を有するポリマーを0.5〜80重量%添加したものであることを特徴とする請求項1に記載の不織布。
  3. 前記鞘部を形成するポリマーが、ポリ乳酸系ポリマーに顔料を0.03〜5重量%添加したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の不織布。
  4. 前記顔料がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の不織布。
  5. 前記芯鞘型複合繊維の単繊維繊度が1〜15デシテックスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の不織布。
  6. 前記不織布が機械的絡合により一体化されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の不織布。
  7. 前記不織布が部分的熱圧着により一体化されており、該部分的熱圧着部の面積が不織布の全面積の5〜50%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の不織布。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の不織布からなる農業資材。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の不織布からなる防草シート。
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